JP2009132829A - バイオマス分解ガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイオマス分解ガスと、液体燃料とを燃料としてデュアルフューエルエンジン14を駆動させるバイオマス分解ガス処理装置10において、バイオマス分解ガスを発生させるガス化炉11と、該ガス化炉11からバイオマス分解ガスを導入してバイオマス分解ガスに含有されるダストを除去するフィルタ12と、該フィルタ12からバイオマス分解ガスを液体燃料中に導入して含有されるタールを捕集してバイオマス分解ガスを前記デュアルフューエルエンジン14の給気管32に送るとともに、液体燃料を前記デュアルフューエルエンジンの燃料噴射ポンプ36に供給する液体燃料タンク21とを備える。
【選択図】図1
Description
また、前記タールは軽油等の液体燃料に含有されればデュアルフューエルエンジン204において燃焼させることが可能であるが、前記バイオマス分解ガスに含有されればデュアルフューエルエンジン204において燃焼させることはできない。また、前記タールはバイオマス分解ガスに含有されれば、前記デュアルフューエルエンジン204へバイオマス分解ガスを供給するための導入管235内においてタールが結晶化してしまい、導入管235の詰まりの原因となることがあった。
図1は本発明の一実施例に係るバイオマス分解ガス処理装置の全体的な構成を示したフロー図、図2は液体燃料タンク及び邪魔板の一例を示す概略図、図3は液体燃料タンク及び検出センサの一例を示す概略図、図4は排出弁の制御を示すフローチャート図、図5はスクラバ及び液体燃料タンクによって構成される洗浄装置を具備するバイオマス分解ガス処理装置のフロー図、図6はガスエンジン及び液体燃料エンジンを具備するバイオマス分解ガス処理装置のフロー図、図7は従来のバイオマス分解ガス処理装置のフロー図である。
バイオマス分解ガス処理装置10は、バイオマスを熱分解してバイオマス分解ガスを発生させるガス化炉11と、該ガス化炉11からバイオマス分解ガスを導入して該バイオマス分解ガスに含有されるダストを除去するフィルタ12と、前記バイオマス分解ガスと液体の油からなる液体燃料とを燃料として駆動させるデュアルフューエルエンジン14と、前記フィルタ12からバイオマス分解ガスを液体燃料中に導入して含有されるタールを捕集してバイオマス分解ガスをデュアルフューエルエンジン14の給気管32に送るとともに、液体燃料をデュアルフューエルエンジン14の燃料噴射ポンプ36に供給する液体燃料タンク21とを具備する。
前記バイオマスは、生物系有機資源であり、例えば木材(木材くず)、農産物(農産物くず)、藻類、プランクトン、生物系廃棄物を用いることができる。この他、廃棄物や低品位石炭なども、原料として用いることができる。
前記液体燃料タンク21には前記フィルタ12によってダストを除去したバイオマス分解ガスを前記液体燃料タンク21内の液体燃料中へと導くための配管23が設けられている。前記配管23は前記液体燃料タンク21内部まで挿通して連通している。
前記デュアルフューエルエンジン14は、液体燃料を燃焼室14aに噴射する燃料噴射弁31と、燃焼室14aに対し、空気を供給する給気経路としての給気管32と、燃焼室14aから排気ガスを排出する排気管33と、前記給気管32内に開度調整可能に設けられ、空気と混合したバイオマス分解ガスの供給量を調整するスロットル弁34と、前記バイオマス分解ガスを前記スロットル弁34よりも上流側から給気管32内に導入する導入管35とを具備する。
まず、前記ガス化炉11において、バイオマスを熱分解してガス化しバイオマス分解ガスを排出する。前記バイオマス分解ガスにはタール及びダストが含有されている。
次に、前記フィルタ12によって前記バイオマス分解ガスに含有されるダストを除去する。前記バイオマス分解ガスを前記フィルタ12に通すことにより、フィルタ12にダストを付着させて、ダストを除去するものである。前記フィルタ12を通過したバイオマス分解ガスにはタールが含有されている。
これにより、タールを除去するために使用する油である液体燃料を廃棄処理する必要がなくなるため、廃棄処理コストが削減されることとなる。また、スクラビングを行うために従来設けていたスクラバを設ける必要がなくなるため、コストが削減されることとなる。
このように、前記邪魔板51を設けることにより、配管23から吐出したバイオマス分解ガスは液体燃料中において、浮き上がる時に複数の邪魔板51と当接することになり、ガスが砕かれて小さな気泡となり、液体燃料と接触する面積が増加して、タール分が溶け易くなり、液体燃料中にタールをより多く捕集して溶かすことができる。
このように、前記配管用フィルタ56を設けることにより、前記フィルタ12から導入されたバイオマス分解ガスの気泡が配管23から吐出される際に前記配管用フィルタ56を通過することにより、小さな複数の気泡に分割されるため、液体燃料と接触する面積が増加して、タール分が溶け易くなり、液体燃料中にタールをより多く捕集して溶かすことができる。
そして、水及び不溶タールと液体燃料との境界面のレベルdが、前記検出センサ52の検出部が位置する液体燃料タンク21底面からのレベルD1と同じレベル、またはそれ以上となると、前記排出弁54を開けて不溶タール及び水を排出するように制御している。
このように構成することにより、液体燃料タンク21内に流入した水及び不溶タールがデュアルフューエルエンジン14内に流入しないようにすることができる。
前記ガス化炉11、フィルタ12、デュアルフューエルエンジン14、及び液体燃料タンク21は、図1に示すバイオマス分解ガス処理装置10における構成と同様に構成されている。
前記スクラバ61は、油スクラビング工程を行うために設けられたものである。油スクラビングとは、噴霧などにより洗浄油を前記バイオマス分解ガスに接触させることにより当該バイオマス分解ガスの温度を下げて不純物を除去することである。前記スクラバ61では前記バイオマス分解ガスに接触させる前記洗浄油を軽油で構成している。
前記スクラバ61においてスクラビングを行うために使用した洗浄油は、前記液体燃料タンク21へと導かれ、液体燃料として使用される。従来は、前記洗浄油はタールを含有しているため、廃棄処理を行わなければならなかった。しかし、前記洗浄油を軽油で構成しているので、前記液体燃料タンク21へと導いて回収し、液体燃料として利用することにより、処理コストが低減する。
まず、前記ガス化炉11において、バイオマスを熱分解してガス化しバイオマス分解ガスを排出する。前記バイオマス分解ガスにはタール及びダストが含有されている。
次に、前記フィルタ12によって、バイオマス分解ガスに含有されるダストを除去する。前記バイオマス分解ガスを前記フィルタ12に通すことにより、フィルタ12にダストを付着させて、ダストを除去するものである。前記フィルタ12を通過したバイオマス分解ガスにはタールが含有されている。
次に前記スクラバ61によって前記バイオマス分解ガスに含有されるタールを除去する。前記バイオマス分解ガスを油スクラビングすることによりタールを除去するものである。これにより、前記スクラバ61を通過したバイオマス分解ガスには低濃度のタールが含有されることとなる。一方、油スクラビングに使用したタールが含有されている洗浄油は、前記液体燃料タンク21へと導いて回収する。
次に、前記液体燃料タンク21によって前記バイオマス分解ガスに含有される低濃度のタールを除去する。前記バイオマス分解ガスを前記液体燃料タンク21内の液体燃料中へと導く配管23を通じて液体燃料中へ導き、液体燃料と接触させることにより、前記バイオマス分解ガスに含有されるタールを除去し、液体燃料中に捕集するものである。
これにより、前記スクラバ61及び液体燃料タンク21を通過したバイオマス分解ガスにはタール及びダストがほとんど含まれていない。
これにより、タールを除去するために使用する油である液体燃料を廃棄処理する必要がなくなるため、廃棄処理コストが削減されることとなる。また、スクラビングを行うために従来設けていたスクラバを設ける必要がなくなるため、コストが削減されることとなる。また、液体燃料にタールを含有させることにより、デュアルフューエルエンジン14の燃料として使用することができ、エネルギー効率が上昇する。
前記ガス化炉11、フィルタ12、及び液体燃料タンク21は、図1に示すバイオマス分解ガス処理装置10における構成と同様に構成されている。
前記ガスエンジン71は燃焼室71aに対し、空気を供給する給気経路としての給気管72と、燃焼室71aから排気ガスを排出する排気管73と、前記給気管72内に開度調整可能に設けられ、空気と混合したバイオマス分解ガスの供給量を調整するスロットル弁34と、前記バイオマス分解ガスを前記スロットル弁34よりも上流側から給気管72内に導入する導入管35とを具備する。
前記液体燃料エンジン81は、液体燃料を燃焼室81aに噴射する燃料噴射弁31と、燃焼室81aに対し、空気を供給する給気経路としての給気管82と、燃焼室81aから排気ガスを排出する排気管83とを具備する。
まず、前記ガス化炉11において、バイオマスを熱分解してガス化しバイオマス分解ガスを排出する。前記バイオマス分解ガスにはタール及びダストが含有されている。
次に、前記フィルタ12によって、バイオマス分解ガスに含有されるダストを除去する。前記バイオマス分解ガスを前記フィルタ12に通すことにより、フィルタ12にダストを付着させて、ダストを除去するものである。前記フィルタ12を通過したバイオマス分解ガスにはタールが含有されている。
次に、前記液体燃料タンク21によって前記バイオマス分解ガスに含有されるタールを除去する。前記バイオマス分解ガスを前記液体燃料タンク21内の液体燃料中へと導く配管23を通じて液体燃料中へ導き、液体燃料と接触させることにより、前記バイオマス分解ガスに含有されるタールを除去し、液体燃料中に捕集するものである。
これにより、前記液体燃料タンク21を通過したバイオマス分解ガスにはタール及びダストが含まれていない。
一方、前記バイオマス分解ガスに含有されるタールを除去した液体燃料は、前記バイオマス分解ガスに含有されていたタールを捕集したため、タールを含有することとなる。前記タールは液体燃料に含有されれば前記液体燃料エンジン81において燃焼させることが可能である。
これにより、タールを除去するために使用する油である液体燃料を廃棄処理する必要がなくなるため、廃棄処理コストが削減されることとなる。また、スクラビングを行うために従来設けていたスクラバを設ける必要がなくなるため、コストが削減されることとなる。また、バイオマス分解ガスからタールを除去することにより、ガスエンジン71の燃料として使用することができ、液体燃料にタールを含有させることにより、液体燃料エンジン81の燃料として使用することができ、エネルギー効率が上昇する。
11 ガス化炉
12 フィルタ
14 デュアルフューエルエンジン
21 液体燃料タンク
22 燃料供給口
40 コントローラ
51 邪魔板
52 検出センサ
53 排出弁
61 スクラバ
Claims (6)
- バイオマスを熱分解して得られるバイオマス分解ガスと、液体燃料とを燃料としてデュアルフューエルエンジンを駆動させるバイオマス分解ガス処理装置において、
バイオマスを熱分解してバイオマス分解ガスを発生させるガス化炉と、
該ガス化炉からバイオマス分解ガスを導入してバイオマス分解ガスに含有されるダストを除去するフィルタと、
該フィルタからバイオマス分解ガスを液体燃料中に導入して含有されるタールを捕集して、当該バイオマス分解ガスを前記デュアルフューエルエンジンの給気管に送るとともに、液体燃料を前記デュアルフューエルエンジンの燃料噴射ポンプに供給する液体燃料タンクとを備える、
ことを特徴とするバイオマス分解ガス処理装置。 - 前記フィルタからのバイオマス分解ガスを導入する液体燃料タンク内部に板状部材を配置した、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス分解ガス処理装置。 - 前記液体燃料タンクの底部に設けられたドレン通路に設けた電磁開閉式の排出弁と、
前記液体燃料タンクの燃料噴射ポンプへの燃料供給口より低い位置に配置した、液体燃料タンク内の水及び不溶タールのレベルを検出するための検出センサと、
前記検出センサの検出値を入力して、前記検出値が設定値以上であると判断した場合には前記排出弁を開くように制御する制御装置とを備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイオマス分解ガス処理装置。 - 前記燃料タンク内へフィルタからのバイオマス分解ガスを導入する配管の出口に配管用フィルタを設けた、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバイオマス分解ガス処理装置。 - バイオマスを熱分解して得られるバイオマス分解ガスと、液体燃料とを燃料としてデュアルフューエルエンジンを駆動させるバイオマス分解ガス処理装置において、
バイオマスを熱分解してバイオマス分解ガスを発生させるガス化炉と、
該ガス化炉からバイオマス分解ガスを導入して該バイオマス分解ガスに含有されるダストを除去するフィルタと、
ダストを除去した後のバイオマス分解ガスを洗浄油によりスクラビングするスクラバと、
該スクラバからバイオマス分解ガスを液体燃料中に導入して含有されるタールを捕集して、当該バイオマス分解ガスを前記デュアルフューエルエンジンの給気管に送るとともに、液体燃料を前記デュアルフューエルエンジンの燃料噴射ポンプに供給する液体燃料タンクとを備える、
ことを特徴とするバイオマス分解ガス処理装置。 - バイオマスを熱分解して得られるバイオマス分解ガスを燃料としてガスエンジンを駆動させ、液体燃料を燃料として液体燃料エンジンを駆動させるバイオマス分解ガス処理装置において、
バイオマスを熱分解してバイオマス分解ガスを発生させるガス化炉と、
該ガス化炉からバイオマス分解ガスを導入してバイオマス分解ガスに含有されるダストを除去するフィルタと、
該フィルタからバイオマス分解ガスを液体燃料中に導入して含有されるタールを捕集して、当該バイオマス分解ガスを前記ガスエンジンの給気管に送るとともに、液体燃料を前記液体燃料エンジンの燃料噴射ポンプに供給する液体燃料タンクとを備える、
ことを特徴とするバイオマス分解ガス処理装置。
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