JP2009131629A - 小動物経口投与用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】マウス、ラット等の小動物に、粉末製剤/顆粒製剤等固形製剤を、その粉末或いは顆粒剤の形態のまま、更には液剤、シロップ剤までも投与することが可能である小動物経口投与用器具の提供。
【解決手段】先端部の切断面を丸め形状としたチューブの先端内部に生理学的に許容される医薬品添加物からなる栓を設け、該チューブの他端にジョイント部を装着し、チューブ内部に経口投与すべき薬剤を充填した後、さらに該ジョイント部にシリンジ装着部を装着し、小動物の咽喉頭及び食道を介してチューブ先端部を胃内まで挿入し、シリンジ装着部に装着したシリンジにより溶液又は空気を押し出すことにより、チューブ先端部に設けた栓と共にチューブに充填した薬剤を小動物の胃内へ直接投与することを特徴とする小動物への経口投与方法であり、該方法に使用する小動物経口投与用器具である。
【選択図】図1

Description

本発明は、マウス、ラット等の小動物に、粉末製剤/顆粒製剤等固形剤を、その粉末或いは顆粒製剤の形態のまま、或いは液剤を投与することが可能である小動物経口投与用器具、並びに該器具を用いた小動物への経口投与方法に関する。
マウス、ラット等の小動物に対して溶液または懸濁液等を経口投与する場合に使用されている既存の経口投与器具(いわゆる経口ゾンデ)にあっては、粉末状或いは顆粒状の固形薬剤を、容器内部で詰まらせることなく経口投与することは困難なものである。
そのために、粉末状或いは顆粒状の固形薬剤にあっては、小動物用の硬カプセルに充填した粉末/顆粒状の固形製剤とし、カプセル投与専用の経口投与器具で投与する方法が採用されている。
この投与器具は、先端部の形状が硬く丸みが無いため、カプセルを潰すことなく投与器具を小動物の喉頭部を通すためには、訓化による熟練を要するものである。すなわち、咽頭部及び食道に対する抵抗が大きく、投与しづらいうえ、咽頭部や食道を損傷したり、誤って目的外の箇所に投与したりする事態が発生する。更に、カプセルに充填出来る量に限界が有り、それ以上の量を一度に投与することができない問題点があった。
この点を改良するものとして、特許文献1には小動物用固形剤投与器具が提案されている。この投与器具にあっては、経口ゾンデの先端に固形剤装着部を設けたものであり、丸剤、顆粒剤等の固形製剤の投与が可能であるとされている。しかしながら、経口ゾンデの先端部に栓がついていないため、小動物への経口投与の操作を開始するまでの間、安定的に丸剤、顆粒剤等の固形製剤をゾンデの先端部内部に充填・保持することが困難である。
さらに、固形剤装着部が大きくないため、大量の薬剤を一度に投与することは困難である。また、経口ゾンデ内部に充填した固形製剤を、押し棒により力学的に押し出すため、経口ゾンデ中における固形製剤の詰まりが発生し、さらに丸剤、顆粒剤等の固形剤にあっては、力学的な押し出しのために製剤自体の破壊等が起こる可能性があり、所望の薬物投与試験が行い得ないといった問題点がある。更に、本投与器具にあっては、先端部が密閉されていないため、投与時に経口ゾンデ内部に充填した製剤が消化管に直接触れ、また圧力を受けるため、胃内に投与を完了するまでに、経口ゾンデ内部で消化管内液による膨潤、崩壊、溶解がはじまってしまう可能性がある。
したがって、例えば、薬物放出制御機能などを施した徐放性固形製剤の場合には、正確な薬物放出試験の結果が得られないといった問題点があった。
一方、乾燥粉体製剤を、その乾燥状態を保ったまま投与する器具も存在する(例えば、Penn Century社製の投与器具)が、この投与器具は経口投与用ではなく気管内投与用である。この器具を経口投与に応用することは可能であるが、経口投与したとしても、投与できる量がごく微量(1〜5mg)に限られており、大量投与の場合には応用できないものとなっている。また、微量投与する場合に応用できるとしても、投与すべき製剤を微粉末化する必要があり、製剤本来の剤形のままでの投与試験を行うことができない問題点がある。
上記のように、従来提案されている技術では、経口固形製剤を、製剤本来の剤形のままで小動物に経口投与することは困難であり、かかる点を改良した小動物用の経口投与用器具の開発が求められているのが現状である。
特開2000−83977号公報
本発明は、上記の問題点を解決した、マウス、ラット等の小動物に、粉末製剤/顆粒製剤等の固形製剤を、その粉末或いは顆粒剤の形態のまま、更には液剤、シロップ剤までも投与することが可能である小動物経口投与用器具を提供すること、並びに該器具を用いた小動物への経口投与方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するべく、以下の点について鋭意検討した。
すなわち、投与すべき粉末/顆粒状頭の固形製剤を、詰まらせることなく投与可能な器具の材質並びにサイズの検討;小動物の喉頭部、食道等を介してスムーズに器具を胃内まで挿入できるような先端部の検討;既製のシリンジ(注射筒)を接続することができ、且つ、接続部に粉末/顆粒状等の固形製剤が引っ掛からないジョイント部を設けることの検討;そして、粉末/顆粒状等の固形製剤を器具内に安定して充填すること、並びに投与時に脱落が容易となるのに必須な先端部における栓の創設とその処方の検討;更には、小動物の胃内への投与確認と口腔内部、喉頭部、食道部、胃内部の各組織への物理的障害性の検討を行い、その結果、本発明を完成させるに至った。
而して本発明は、その一つの基本的態様として、小動物経口投与用器具に関するものであり、具体的には、以下の構成からなる。すなわち、
(1)先端部の切断面を丸め形状としたチューブと、該チューブの他端に接続するジョイント部と、該ジョイント部に接続するシリンジ装着部からなり、前記チューブの先端内部に栓を設けたことを特徴とする小動物経口投与用器具;
(2)チューブがフレキシブルチューブであることを特徴とする上記(1)に記載の小動物経口投与用器具;
(3)チューブが、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂又はエチレン系樹脂からなるチューブであることを特徴とする上記(2)に記載の小動物経口投与用器具;
(4)チューブの先端内部に設けた栓が、薬学的に許容される医薬品添加物からなるものであることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の小動物経口投与用器具;
(5)薬学的に許容される医薬品添加物が、賦形剤、崩壊剤又は結合剤、或いはこれらの混合物である上記(4)に記載の小動物経口投与用器具;
(6)ジョイント部に接続するシリンジ装着部にさらに三方弁を設けたことを特徴とする上記(1)〜(5)に記載の小動物経口投与用器具;
(7)先端部の切断面を丸め形状としたチューブ、該チューブの先端内部に薬学的に許容される医薬品添加物からなる栓を設けたことを特徴とする小動物経口投与用器具;
である。
また本発明は、別の態様として、上記の小動物経口投与用器具を用いた小動物への経口投与方法であり、具体的には、以下の構成からなる。すなわち、
(8)先端部の切断面を丸め形状としたチューブの先端内部に薬学的に許容される医薬品添加物からなる栓を設け、該チューブの他端にジョイント部を装着し、チューブ内部に経口投与すべき薬剤を充填した後、さらに該ジョイント部にシリンジ装着部を装着し、小動物の咽喉頭及び食道を介してチューブ先端部を胃内まで挿入し、シリンジ装着部に装着したシリンジにより溶液又は空気を押し出すことにより、チューブ先端部に設けた栓と共にチューブに充填した薬剤を小動物の胃内へ直接投与することを特徴とする小動物への経口投与方法;
(9)チューブ先端内部に設けた栓が、薬学的に許容される医薬品添加物からなるものであることを特徴とする上記(8)に記載の小動物への経口投与方法;
(10)薬学的に許容される医薬品添加物が、賦形剤、崩壊剤又は結合剤、あるはこれらの混合物である上記(9)に記載の小動物への経口投与方法;
(11)経口投与する薬剤が、固形剤、液剤、シロップ剤の形態である上記(8)〜(10)に記載の小動物への経口投与方法;
(12)固形剤が、粉末剤、顆粒剤、細粒剤、ペースト状剤、ゼリー状剤である上記(11)に記載の小動物への経口投与方法;
である。
本発明は、特に小動物の咽喉頭及び食道を介して、各組織を傷つけることなく胃内までスムーズに挿入するチューブ、特にフレキシブルなチューブの先端内部に、固形製剤等を安定して充填すること、並びに投与時に脱落が容易となるのに必須な先端部における栓を設けることにより、チューブ内に充填した薬剤を直接小動物の胃内に投与する点に、一つの特徴を有するものである。
したがって、本発明が提供する小動物経口投与用器具は、消化管内に挿入できるチューブに、投与すべき製剤を充填し、かつチューブ先端は医薬品添加物からなる栓で遮蔽されており、薬剤が充填されたチューブ先端を小動物胃内に挿入後、シリンジにより液体又は気体でチューブ先端から薬剤を押し出し、投与することが可能となり、訓化による熟練を要する必要がない利点を有している。
特に本発明が提供する小動物経口投与用器具は、日本薬局方第15改正に規定されるような顆粒剤、散剤等の固形製剤をそのままの形態で小動物に経口投与することが可能となる。
したがって、例えば、薬物放出速度制御などを施した徐放性経口固形製剤を、そのままの剤形で小動物に投与することができることから、より信頼性のある動物試験を実施することが可能となり、医薬品の開発段階における試験期間短縮、費用の削減が可能となる。
さらに、本発明が提供する小動物経口投与用器具にあっては、固形製剤のみならず、液剤を直接経口投与しうる利点を有している。
本発明の小動物経口投与用器具により経口投与の対象とされる小動物とは、いわゆるげっ歯類の動物をいい、更に詳しくは、実験動物にとして使用されるマウス、ラット、モルモット、ハムスターなどをいう。
かかる小動物への経口投与に使用される本発明の小動物経口投与用器具は、その基本としては、上記したように、先端部の切断面を丸め形状としたチューブと、該チューブの先端内部に薬学的に許容される医薬品添加物からなる栓を設けたことを特徴とする小動物経口投与用器具である。さらに詳しくは、先端部の切断面を丸め形状とした該チューブと、該チューブの他端に接続するジョイント部と、該ジョイント部に接続するシリンジ装着部からなり、前記チューブの先端内部に栓を設けたことを特徴とする小動物経口投与用器具である。
以下に、本発明にかかる小動物経口投与用器具について、その構成を、代表的な具体的実施例に基づく図面を参照にしながら詳細に説明する。
図1に本発明の小動物経口投与用器具について、その具体的実施例に基づく概略断面図を示した。
図中、1は小動物経口投与用器具であり、該器具1は、その先端部21の切断面を丸め形状としたフレキシブルなチューブ20と、該チューブの他端22に接続するジョイント部30と、該ジョイント部30に接続するシリンジ装着部40とから構成されている。
一方、チューブの先端部21の切断面は丸め形状とされ、チューブを小動物における咽喉頭及び食道を介して、胃内まで各組織を傷つけることなくスムーズに挿入可能となるようにされている。
チューブ20の材質としては、ガラス、ステンレス、フッ素系樹脂例えばテフロン(登録商標)、シリコン系樹脂、ポリエチレン系樹脂製があげられるが、テフロン(登録商標)が最も好ましい。しかしながら、これに限定されるものではなく、チューブ20内部に充填される固形製剤、例えば粉末剤、顆粒剤等が接するチューブ内面が滑らかなものであれば、特に制限されるものではない。ただし、チューブ内面は可能な限り平滑化されているものが好ましい。
本発明にあっては、チューブ20としては、フレキシブルなものがよく、また、投与後残渣確認の観点から、光透過性(透明性)の高いものが好ましい。
チューブ20の先端部21の切断面における丸め形状にあっては、特に制限されないが、グラインドによる丸め、樹脂コーティングによる丸め等で行うのが好ましい。樹脂コーティングのために用いる樹脂は特に制限されないが、チューブ材質との接着性が良いものがよく、例えば、塩化ビニル系樹脂、天然ゴム系樹脂、シリコン系樹脂、或いはこれらの混合物等を用いることができる。
本発明において、先端部21が丸め形状であるということは、小動物の消化管組織を傷つけず、あるいは、投与形態の排出を妨げない様に滑らかになっていること、すなわち、バリなどがないことを意味する。
特に、本発明において、先端部21は、その内側及び外側の両者共に丸め形状であることが望ましい。外側における丸め形状は、チューブ20の消化管組織への挿入時に重要なものであり、内側の丸め形状は、チューブ20の内部からの固形製剤の排出時に重要なものである。
本発明にあっては、チューブ20のサイズとしては、小動物の咽頭部、食道等の消化管を通過することができ、かつ固形製剤等を充填・通過できる内径を有していれば良い。
その径のサイズは、対象となる小動物により種々変更しうるが、好ましくは内径0.5mm以上で外径5mm以下のものが好ましく、その範囲内において、適宜内径/外径を設定することが可能である。
具体的には、内径1mm以上、外径4mm以下;内径1.5mm以上、外径3.5mm以下;内径2mm以上、外径3mm以下;内径2mm以上、外径4mm以下等のチューブを種々選択することが可能である。
チューブ20の長さは特に制限されず、小動物の咽頭部、食道等の消化管を介してその先端部が胃内に到達するのに充分な長さがあればよく、対象となる小動物により異なるが、好ましくは、80mm〜200mm程度の長さ、より好ましくは100mm程度の長さがあればよい。
本発明が提供する小動物経口投与用器具1にあっては、チューブ20の先端部21の先端内部に栓50が設けられている。
該栓50は、チューブ20の内部に充填した経口投与されるべき固形製剤100のチューブ内部からの脱落を防止すると共に、チューブ内部に充填した製剤が消化管組織に直接触れ、胃内に投与を完了するまでに、チューブ内部で消化管の組織液による膨潤、崩壊、溶解が生じる点を防止する役割を果たすものである。
また、経口投与に当たっては、容易にチューブ先端部21から脱落し、チューブ内に充填された固形製剤100が小動物の胃内に投与される必要がある。
したがって、栓50の素材としては投与薬剤の動物実験に何らの影響を与えることのない物質から構成される必要があり、本発明にあっては、薬学的に許容される医薬品添加物からなるものであるのが好ましい。
そのような薬学的に許容される医薬品添加物としては、賦形剤、崩壊剤又は結合剤、或いはそれらの混合物を挙げることができる。
具体的には、単糖類、多糖類(例えば、セルロース類、デンプン類等)、ポリアクリル酸類、ポリビニルピロリドン類、ポリ乳酸、糖、糖アルコール、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、スターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、マンニトール等を挙げることができ、これらを適宜混合し、速崩壊性の栓50として形成するのが好ましい。
具体的には、単糖類、多糖類(セルロース類、デンプン類等)、ポリアクリル酸類、ポリビニルピロリドン類、ポリ乳酸類の組み合わせが好ましく、更に好ましくは、糖、糖アルコール、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、ポリビニルピロリドン等の組み合わせが好ましく、最も好ましくは、マンニトール、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロースの組み合わせがよい。
本発明におけるチューブ20の先端部21での栓50の形成は、例えば、上記した賦形剤、崩壊剤又は結合剤、或いはそれらの混合物を、適宜水にて湿潤させ、半練り状態(ペースト状)のものをチューブ先端部21に詰め、乾燥させることにより栓50としての形成を行うことができる。
かかる栓50の形成量は、一概には限定し得ないが、チューブ先端より2〜4mm程度を塞ぐ栓として形成されればよい。
本発明が提供する小動物経口投与用器具1を構成するチューブ20の内部には投与されるべき薬剤が充填される。図1においては、かかる薬剤は固形製剤100として例示されており、固形製剤としては、粉末剤、顆粒剤、細粒剤等を挙げることができる。
また、充填される薬剤は、固形製剤のみに限定されず、例えば、ペースト状剤、ゼリー状剤、更には液剤、シロップ剤の形態の薬剤であってもよい。
本発明の小動物経口投与用器具1は、上記したチューブ20の他端22にジョイント部30が接続されている。
該ジョイント部30は、当該ジョイント部30にさらにシリンジ装着部40を接続するためのジョイントとしての機能を発揮するものである。
すなわち、本発明の小動物経口投与用器具1にあっては、チューブ内部に充填した投与すべき薬剤を、チューブ内部から液体或いは気体により押し出し投与することになるが、かかる液体或いは気体の供給は、シリンジ装着部40に装着されるシリンジ(注射筒:図示せず)によって行われる。
したがって、装着するシリンジの大きさにより、シリンジ先端部とシリンジ装着部との嵌合部41の径が種々異なってくることから、適宜投与対象となる小動物にあわせ、各種の容量を有するシリンジが選択される。
本発明が提供する小動物経口投与用器具1は、上記のように構成され、チューブ20内部に充填された固形製剤100が、シリンジ装着部40の嵌合部41に装着されたシリンジ(図示せず)からの液体或いは気体の押し出し(供給)により、密閉されているチューブ20内が加圧され、その結果、チューブ20の先端部21に形成した栓50と共に、チューブ内に充填した固形製剤100がチューブ20より排出されることとなる。
このようなシリンジからの押し出しのために使用される液体としては特に限定されないが、純水、生理食塩水、生理的緩衝液、メチルセルロース水溶液、カルボキシメチルセルロース水溶液等を挙げることができ、特に動物実験に影響を与えない水を使用するのがよい。
また、気体としては通常の空気を使用するのが好ましい。
上記した本発明の小動物経口投与用器具を用いて、実際の小動物に対して固形製剤を経口投与するには、具体的には以下のようにして実施される。
すなわち、例えば、図1に示した先端部の切断面を丸め形状としたチューブ20の先端内部に薬学的に許容される医薬品添加物からなる栓50を設け、該チューブの他端にジョイント部30を装着し、チューブ内部に経口投与すべき薬剤100を充填した後、さらに該ジョイント部30にシリンジ装着部40を装着し、小動物の咽喉頭及び食道を介してチューブ先端部を胃内まで挿入する。
次いで、この状態により、シリンジ装着部40に溶液を満たしたシリンジ、或いは空のシリンジを装着させ、シリンジプランジャーを押し切ることにより溶液或いは気体(好ましくは空気)をチューブ内に供給し、それによりチューブ先端部に設けた栓と共にチューブに充填した固形薬剤チューブ先端から小動物の胃内へ直接投与することことが可能となる。
かかる方法は、従来のチューブ内部に挿入される押し棒による供給と異なり、固形製剤100は、そのままの製剤剤形を維持したまま小動物の胃内へ直接経口投与されることから、例えば、薬物放出速度制御などを施した徐放性経口固形製剤を、そのままの剤形で小動物に投与することができ、より信頼性のある動物試験を実施することが可能となる。
なお、本発明の方法により経口投与した場合には、小動物の胃内に空気を強制的に供給することとなることから、経口投与後の胃内空気を除去するために、ジョイント部30とシリンジ装着部40の間、或いはシリンジ装着とシリンジの間に三方管を接続し、シリンジプランジャーを押し切った際空気抜きができる構造を付与することも可能であり、かかる手段も本発明が提供する小動物経口投与用器具1の変形の一つである。
以上に記載の本発明の小動物経口投与用器具を使用することにより、小動物の咽喉頭及び食道を介して、各組織を傷つけることなく胃内へ直接固形製剤を投与することが可能となる。
なお、投与される薬剤は固形製剤のみに限定されるものではなく、液剤、シロップ剤の形態の製剤であってもよく、また個性製剤として粉末剤、顆粒剤、細粒剤、ペースト状剤、ゼリー状剤等が本発明の投与用器具により、小動物への経口投与が可能となる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の好ましい実施態様を示したものであり、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1:チューブの材質の検討
その1:ステンレスチューブの排出性評価
外径/内径=2.8mm/2.3mm、及び2.5mm/2.0mmの2種類のステンレス製チューブを用い、チューブ先端内部にマンニトールを水で練ったペーストを詰め、乾燥させることにより栓を設けた。チューブ内部に0.8mm径の押し出し造粒品をヒドロキシプロピルセルロース/マンニトールでコーティングしたコーティング顆粒剤を充填させた。
これらのチューブに水を充填したシリンジ(注射筒)を接続させ、そのシリンジから水を押し出すことによるコーティング顆粒剤の排出性を評価した。
その結果、いずれのステンレスチューブにあっても、チューブ内部からの顆粒剤の排出は、完全に行われるものではなかった。
また、マンニトール製の栓は振動によりはずれやすいものであった。
その2:テフロン(登録商標)チューブの排出性評価
外径/内径=6.0mm/5.0mm;5.0mm/4.0mm;4.0mm/3.0mm及び3.0mm/2.0mmの4種類のテフロン(登録商標)製チューブを用い、チューブ先端内部にマンニトール/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量比:100/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させて栓(栓長さ:約5mm)を設けた。
これらのチューブ内部に0.8mm径の押し出し造粒品をヒドロキシプロピルセルロース/マンニトールでコーティングしたコーティング顆粒剤、或いは未コーティング顆粒(具体的には、アステラス製薬のプレコール(登録商標)顆粒)を充填した。
これらのチューブに水を充填したシリンジ(注射筒)を接続させ、そのシリンジから水を押し出すことによるコーティング顆粒剤の排出性を評価した。
その結果、いずれのテフロン(登録商標)製チューブにおいても、チューブ内部からの顆粒剤の排出は、完全に行われた。
また、マンニトール/ヒドロキシプロピルセルロース製の栓は振動を与えてもチューブからはずれにくいものであった。
その3:塩化ビニル製及びシリコン樹脂製チューブの排出性評価
塩化ビニル製チューブとして外径/内径=4.0mm/2.0mm;5.0mm/3.0mm及び6.0mm/4.0mmの3種類の塩化ビニルチューブを、またシリコン樹脂製チューブとして外径/内径=3.0mm/2.0mm;4.0mm/2.5mm及び5.0mm/3.0mmの3種類のシリコンチューブを用いた。
これらのチューブの先端内部にマンニトール/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量比:100/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させ栓(栓長さ:約5mm)を設けた。
これらのチューブ内部に0.8mm径の押し出し造粒品をヒドロキシプロピルセルロース/マンニトールでコーティングしたコーティング顆粒剤を充填した。
これらのチューブに水を充填したシリンジ(注射筒)を接続させ、そのシリンジから水を押し出すことによるコーティング顆粒剤の排出性を評価した。
その結果、塩化ビニル製チューブでは充填した顆粒剤はややつまり気味であったが、シリンジからの水の押し出しによりチューブ内部からの顆粒剤の排出は完全に行われた。
シリコンチューブにあっては、外径/内径=4.0mm/2.5mmのチューブでは顆粒剤は完全に排出されたが、外径/内径=5.0mm/3.0mmのチューブではやや詰り気味に排出されていた。また、外径/内径=3.0mm/2.0mmのチューブでは顆粒剤の排出は困難なものであった。
なお、マンニトール/ヒドロキシプロピルセルロース製の栓は振動を与えてもチューブからはずれにくいものであった。
以上の実施例1の結果から、チューブ内部に充填した顆粒製剤の排出がややつまり気味に排出されるのは、チューブ先端内部に設けた栓とチューブ内部表面との結合性が良くないためと推測された。
また、充填顆粒剤の排出にはテフロン(登録商標)製チューブが最も好ましいものであることが判明した。
したがって、以下にテフロン(登録商標)製チューブを使用して、固形製剤の排出性評価を行った。
実施例2:テフロン(登録商標)チューブを用いた顆粒剤の排出性評価(その1)
外径/内径=3.0mm/2.0mmを有するテフロン(登録商標)チューブを用い、その先端内部にマンニトール/クロスポビドン/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量:50/50/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させて栓(栓長さ:約3または5mm)を形成した。
このチューブ内部に0.8mm径の押し出し造粒品をヒドロキシプロピルセルロース/マンニトールでコーティングしたコーティング顆粒剤を充填した。
顆粒剤を充填したチューブに水を充填したシリンジ(注射筒)を接続させ、そのシリンジから水を押し出すことによるコーティング顆粒剤の排出性を評価した。
その結果、チューブからの顆粒剤が容易に、且つ完全に排出されることが確認された。また、振動による栓のはずれは認められなかった。
実施例3:テフロン(登録商標)チューブを用いた顆粒剤の排出性評価(その2)
外径/内径=3.0mm/2.0mm、長さ100mmのテフロン(登録商標)チューブを用い、その一端を丸め形状とするため、塩化ビニル樹脂をコートし、チューブ内側のバリを削り落とした。
チューブの他端にジョイント部(オートジョイント)を接続させ、さらにジョイント部にシリンジ接続部を接続させ、本発明の小動物経口投与用器具とした。
チューブ先端内部に、マンニトール/クロスポビドン/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量:50/50/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させ栓(栓の長さ:約3mm)を形成させた。
次いで、チューブ内部にアミノ酸の腸溶性顆粒(0.8mmφ、押し出し造粒品;アミノ酸含有量:58.3%)を58.3mg、72.7mg或いは104.1mg充填し、水4mLを注入することにより、腸溶性顆粒のチューブからの排出性を評価した。
その結果、いずれの用量のアミノ酸腸溶性顆粒も、チューブから容易に、且つ完全に排出されることが確認された。また、振動による栓のはずれは認められなかった。
実施例4:テフロン(登録商標)チューブを用いた顆粒剤の排出性評価(その3)
外径/内径=3.01mm/2.41mm、長さ100mmのテフロン(登録商標)チューブの一端を削って丸め、もう一端にはシリンジ装着用のオートジョイントをセットした。
テフロン(登録商標)チューブの丸め側先端内部に、マンニトール/クロスポビドン/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量比:50/50/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させて栓(栓長さ:約3mm)を形成した。
チューブ内部にアミノ酸の腸溶性顆粒(0.8mmφ、押し出し造粒品;アミノ酸含有量:58.3%)を97.9mgを充填し、水3mLを注入することにより押し出した。
その結果、アミノ酸腸溶性顆粒はチューブより完全に排出された。
実施例5:三方弁を装着した場合の顆粒剤の排出性評価
投与後の胃内空気を排出するために、実施例4で用いた投与用器具のシリンジ装着部に三方弁を装着した。
この三方弁を装着することにより、投与時に片手で容易に空気抜きが可能となるものである。
実施例6:テフロン(登録商標)チューブを用いた顆粒剤の投与評価(その4)
外径/内径=3.01mm/2.41mm、長さ100mmのテフロン(登録商標)チューブの一端を、塩化ビニルを用いた樹脂コーティングにより丸め、もう一端にはシリンジ装着用のオートジョイントをセットした。
チューブの丸め側先端内部にマンニトール/クロスポビドン/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量比:50/50/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させて栓(栓長さ:約3mm)を形成した。
チューブ内部にアミノ酸の腸溶性顆粒(0.8mmφ、押し出し造粒品;アミノ酸含有量:58.3%)を113.6mgを充填し、水4mLを注入することにより押し出したところ、腸溶性顆粒剤はチューブから完全に排出された。
実施例7:テフロン(登録商標)チューブを用いた顆粒剤の投与評価(その5)
外径/内径=3.0mm/2.0mm、長さ100mmのテフロン(登録商標)チューブの一端を、塩化ビニルを用いた樹脂コーティングにより丸め、更に食品機械用潤滑油(JIP127)を塗布して、もう一端にはシリンジ装着用のオートジョイントをセットした。
チューブの丸め側先端内部にマンニトール/クロスポビドン/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量比:50/50/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させて栓(栓長さ:約3mm)を形成した。
チューブ内部にアミノ酸の腸溶性顆粒(0.8mmφ、押し出し造粒品;アミノ酸含有量:58.3%)を100.8mgを充填し、水4mLを注入することにより押し出したところ、腸溶性顆粒剤はチューブから完全に排出された。
実施例8:テフロン(登録商標)チューブを用いた顆粒剤の投与評価(その6)
実施例7で使用したチューブを用いて、顆粒剤の排出性を、結晶セルロース顆粒を用いて評価した。結晶セルロース(球形顆粒)として旭化成社製結晶セルロース:セルフィア(登録商標)CP−203、CP−305、CP−507を使用し、チューブ内に充填し、同様に水4mLを注入することにより押し出したところ、結晶セルロース顆粒剤はチューブから完全に排出された。
比較例:
固体の投与形態を小動物へ投与する際に使用される方法として、ミニカプセルが知られている。ミニカプセルで一投与操作毎にどの程度の顆粒を投与できるか評価した。
アミノ酸の腸溶性顆粒(0.8mmφ、押し出し造粒品;アミノ酸含有量:58.3%)をミニカプセル(日本エランコ社製、ミニカプセル、Lot A327H1)に充填したところ、12.4mgが充填されるものであった。
本発明の小動物経口投与用器具では100mg程度を一度に経口投与することが可能であるが、既存のミニカプセルを用いた方法では13mg程度であり、本発明小動物経口投与用器具の方が一度に大量に投与可能であることが判明した。
次いで、本発明の小動物経口投与用器具を使用し、実際に小動物へ経口投与した場合の実施例を示す。
実施例9:テフロン(登録商標)チューブを用いたラットへの顆粒剤の投与
外径/内径=3.0mm/2.0mm、長さ100mmのテフロン(登録商標)チューブを用い、その一端を丸め形状とするため、塩化ビニル樹脂をコートし、チューブ内側のバリを削り落とした。
チューブの他端にジョイント部(オートジョイント)を接続させ、さらにジョイント部にシリンジ接続部を接続させ、本発明の小動物経口投与用器具とした。
チューブ先端内部に、マンニトール/クロスポビドン/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量:50/50/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させ栓(栓の長さ:約3mm)を形成させた。
チューブ内部に、「山之内感冒薬カプセル」(Lot.:L01LS)に含まれる顆粒剤を充填した。
ラット(Wister系雄性ラット:12週齢、体重約400g)へ、上記の本発明の小動物経口投与用器具を用いて、顆粒剤の経口投与を行った(n=1)。
飼育期間中の摂餌条件は、CRF−1固形飼料(日本チャールズリバー製)を自由摂取させた。
小動物経口投与用器具をラットの口腔内部、咽頭部及び食道を介して胃内部へ挿入し、顆粒剤のラット胃内部への投与は、シリンジ装着部に2.5mLのシリンジ(テルモ製)を装着し、2.5mLの水を注入することにより、顆粒剤をチューブ先端部より押し出し投与した。
その結果、顆粒剤が胃内部に良好に投与され、また、投与器具の挿入に伴い、口腔内部、喉頭部、食道部、胃内部の各組織への外観性状上の物理的障害性は観察されなかった。
次に、各種カフェイン徐放性顆粒剤について本発明の小動物経口投与用器具を使用してラット及びイヌに経口投与し、カフェイン血漿中濃度の推移を検討した。
実施例10:テフロン(登録商標)チューブを用いたラット及びイヌへのカフェイン徐放性顆粒剤の投与
外径/内径=3.0mm/2.0mm、長さ100mmのテフロン(登録商標)チューブを用い、その一端を丸め形状とするため、シリコンゴムチップを接合し、チューブ内側のバリを削り落とし、チューブの他端にジョイント部(オートジョイント)を接続させ、さらにジョイント部にシリンジ接続部を接続させ、本発明の小動物経口投与用器具とした。
本実施例に使用した小動物経口投与用器具の先端部断面拡大図を図2に示した。
図中、20はチューブであり、60はシリコンゴムチップを接合した先端丸め部であり外側に中鎖脂肪酸トリグリセリド(JP127)を塗布した。また、チューブ先端部21のバリをそり落としてある。
チューブ先端内部に、マンニトール/クロスポビドン/ヒドロキシプロピルセルロースの混合物(重量:50/50/3)を水で練ったペーストを詰め、乾燥させ栓50(栓の長さ:約3mm)を形成させた。
チューブ21内部に、下記表1に示したカフェイン徐放性顆粒110を充填した。
[カフェイン徐放性顆粒の製造]
カフェイン一水和物90.0g、乳糖水和物1764.0g、トウモロコシデンプン756.0g、結晶セルロース300.0g及びヒドロキシプロピルセルロース90.0gを混合し、水を適量添加し混合後、押し出し造粒を行った(ペレッタダブルEXD−60、ダルトン社製、孔径:0.8mm)。整粒機(マルメイライザーQ−230、ダルトン社製)にて整粒後、流動層乾燥機(FLO−5B、フロイント産業社製)にて乾燥し、素顆粒を得た。
得られた素顆粒について、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS(オイドラギッドRS:登録商標)105g、マクロゴール6000 10.5g、タルク52.5g、水282g、エタノール1050gからなるコーティング液を用い、流動層コーティング機(FLO−1、フロイン産業社製)中で素顆粒に流動層コーティングを施し、コーティング基剤量を変化させ、4種のカフェイン徐放性顆粒剤を製造した。
Figure 2009131629
[カフェイン徐放性顆粒剤のin vitro溶出性評価]
上記で製造した3種のカフェイン徐放性顆粒剤について、日本薬局方(日局)パドル法(14局、毎分50回転)、試験液900mLでin vitro溶出性試験を実施した。試験液として、日局崩壊試験液第1液(JP1液)及び日局崩壊試験液第2液(JP2液)を用いた(共に14局)。なお、カフェイン分析法は、HPLC法を用いた。
その結果を第3図(JP1液)及び第4図(JP2液)に示した。
日局崩壊試験液第1液(JP1液)の結果から、カフェイン徐放性顆粒剤Bと顆粒剤Cは近似した徐放性データを示したため、それ以降はカフェイン徐放性顆粒剤Cを用いて試験を行った。
[血漿中カフェイン濃度の定量]
方法:投与及び採血
ラットは、図2に示した先端部を有する本発明の小動物経口投与用器具を用いて、被験製剤(カフェイン徐放性顆粒剤)を経口投与後、エーテル麻酔下で頸静脈より経時的に血液を採取(25G注射針を装着した1mLヘパリン処理シリンジ)した。
イヌは、同様図2に示した先端部を有する本発明の小動物経口投与用器具を用いて、被験製剤(カフェイン徐放性顆粒剤)を経口投与後、無麻酔下で前肢橈側皮静脈より経時的に血液を採取(25G注射針を装着した1mLヘパリン処理シリンジ)した。
得られた血液を遠心分離(3000g×10分間、4℃)して血漿を得た。採取後の血漿は、全て即日中に前処理を施し、LC/MS分析に供すまでの間、−20℃ディープフリザーにて冷凍保管した。
なお投与量は、ラット、イヌ共にカフェイン:2mg/kgとした。
[定量用の血漿前処理]
1.5mLのエッペンドルフチューブ中にて、血漿50μLをHPLC溶離液[(0.1%(v/v)ギ酸を含有した10%(v/v)アセトニトリル−水溶液)50μLと混和後、アセトニトリル300μLを添加して激しく攪拌して除蛋白処理を施した。このサンプルを遠心分離(3000g×5分、4℃)後、上清350μLを別の1.5mLエッペンドルフチューブに移し、遠心型エバポレーター(東京理化機器社製:CVE−200D)にて溶媒を留去(5000g×1.5時間、37℃加温)した後、HPLC溶離液100μLで定容したサンプルを分析に供した。
[LC/MS定量]
Waters社製UPLCシステム−Quatromicroシングル四重極MS(UPLC−MS)にて、定量分析を行った。
カラムは、Waters社製X−Bridhe ODS 2.1×3.5μmを用い、ESI(+)modeでmass−number(m/z)=194.3を検出し、得られたクロマトグラムよりカフェインピーク面積を積算して定量解析生データとした。
[血漿マトリックス添加系多点検量線作製]
1.5mLエッペンドルフチューブ中にて、無投与群の被験動物個体より採取したブランク血漿50μLを所定濃度のカフェインを添加したHPLC溶離液50μLと混和後、アセトニトリル300μLを添加して激しく攪拌して除蛋白処理を施した。以降のサンプル前処理法は、全て上述の投与後血漿サンプル前処理法に順じて処理し、LC/MS定量も同時分析して、検量線作製を行った。
結果:
図5に、ラットにおけるカフェイン徐放性顆粒剤を経口投与後の血漿中カフェイン濃度の推移を示した。
図6に、イヌにおけるカフェイン徐放性顆粒剤を経口投与後の血漿中カフェイン濃度の推移を示した。
これらの結果からも判明するように、本発明の小動物経口投与用器具を用いて顆粒剤の経口投与を行った場合には、顆粒剤をそのままの形態で投与できていることから、徐放性顆粒ラット経口吸収性評価結果が信頼性のあるデータとして得られていることがわかる。
以上記載のように、本発明により、マウス、ラット等の小動物に、粉末製剤/顆粒製剤等固形剤を、その粉末或いは顆粒製剤の形態のまま、或いは液剤を投与することが可能である小動物経口投与用器具が提供される。
本発明が提供する小動物経口投与用器具は、顆粒剤、散剤等の固形製剤をそのままの形態で小動物に経口投与することが可能となり、したがって、例えば、薬物放出速度制御などを施した徐放性経口固形製剤を、そのままの剤形で小動物に投与することができることから、より信頼性のある動物試験を実施することが可能となり、その産業上の有用性は多大なものである。
本発明の小動物経口投与用器具について、その一実施例に基づく一部省略中央断面概略図である。 実施例10で使用した本発明の小動物経口投与用器具について、先端部断面拡大図である。 実施例10のカフェイン徐放性顆粒剤の溶出性試験(JP1液)の結果を示す図である。 実施例10のカフェイン徐放性顆粒剤の溶出性試験(JP2液)の結果を示す図である。 実施例10のカフェイン徐放性顆粒剤をラットに経口投与した場合の血漿中カフェイン濃度の推移を示す図である。 実施例10のカフェイン徐放性顆粒剤をイヌに経口投与した場合の血漿中カフェイン濃度の推移を示す図である。
符号の説明
1 小動物経口投与用器具
20 チューブ
21 チューブ先端部
30 ジョイント部
40 シリンジ装着部
50 栓
60 先端丸め部
100 顆粒製剤
110 カフェイン徐放性顆粒製剤

Claims (12)

  1. 先端部の切断面を丸め形状としたチューブと、該チューブの他端に接続するジョイント部と、該ジョイント部に接続するシリンジ装着部からなり、前記チューブの先端内部に栓を設けたことを特徴とする小動物経口投与用器具。
  2. チューブがフレキシブルチューブであることを特徴とする請求項1に記載の小動物経口投与用器具。
  3. チューブが、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂又はエチレン系樹脂からなるチューブであることを特徴とする請求項2に記載の小動物経口投与用器具。
  4. チューブの先端内部に設けた栓が、薬学的に許容される医薬品添加物からなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の小動物経口投与用器具。
  5. 薬学的に許容される医薬品添加物が、賦形剤、崩壊剤又は結合剤、或いはこれらの混合物である請求項4に記載の小動物経口投与用器具。
  6. ジョイント部に接続するシリンジ装着部にさらに三方弁を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の小動物経口投与用器具。
  7. 先端部の切断面を丸め形状としたチューブ、該チューブの先端内部に薬学的に許容される医薬品添加物からなる栓を設けたことを特徴とする小動物経口投与用器具。
  8. 先端部の切断面を丸め形状としたチューブの先端内部に薬学的に許容される医薬品添加物からなる栓を設け、該チューブの他端にジョイント部を装着し、チューブ内部に経口投与すべき薬剤を充填した後、さらに該ジョイント部にシリンジ装着部を装着し、小動物の咽喉頭及び食道を介してチューブ先端部を胃内まで挿入し、シリンジ装着部に装着したシリンジにより溶液又は空気を押し出すことにより、チューブ先端部に設けた栓と共にチューブに充填した薬剤を小動物の胃内へ直接投与することを特徴とする小動物への経口投与方法。
  9. チューブ先端内部に設けた栓が、薬学的に許容される医薬品添加物からなることを特徴とする請求項8に記載の小動物への経口投与方法。
  10. 薬学的に許容される医薬品添加物が、賦形剤、崩壊剤又は結合剤、或いはこれらの混合物である請求項9に記載の小動物への経口投与方法。
  11. 経口投与する薬剤が、固形剤、液剤、シロップ剤の形態である請求項8〜10のいずれかに記載の小動物への経口投与方法。
  12. 固形剤が、粉末剤、顆粒剤、細粒剤、ペースト状剤、ゼリー状剤である請求項11に記載の小動物への経口投与方法。
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