JP2009130152A - リアクトル、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 リアクトルを位置決め、固定する際に、取付けのための付加的な部材を必要とせず、なおかつリアクトル本体を小型・軽量化することで取付け面積が小さい省スペース型のリアクトル、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 磁心として、軟磁性粉末と樹脂からなる混合物を、ある特定の加工が施された容器6を用いて注型した後、加熱硬化することにより形成された磁性体2、あるいは圧粉成形によって形成された磁性体2を使用する。丸線または平角線を巻回したコイル5は、磁性体2の内部に埋設され閉磁路を構成する。基板8、筐体またはヒートシンク12等に取付ける目的で、磁性体2の任意の部分に複数の取付け穴3を設ける。また、これをピン端子タイプのリアクトル1に適用するためにコイル5の引出し線4をリアクトル1の取付け面側から引出す構造とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、民生用や産業用電子機器等に使用されるリアクトル、およびその製造方法に関する。
一般に、リアクトルは、磁心とこれに巻回されるコイルとからなり、磁心とコイルとで構成される磁気回路の違いにより、外磁型と内磁型に分けられる。外磁型は、例えばU字形あるいはE字形フェライトコアと、I字形フェライトコアを組み合せて構成した磁心の周囲に巻線を施した開磁路構造のリアクトルである。内磁型は、例えば円環状のフェライトコアの周方向に沿って巻線を施した閉磁路構造のリアクトルである。内磁型は、外磁型に比べ、漏れ磁束が少ないため磁気特性の面で有利である。また、インバータ装置等に使用されるリアクトルは、その端子構造により、コイルボビンにピン端子が設けられたピン端子タイプと、ピン端子が無く、コイルの引出し線に外部リード線を接続したいわゆるリードタイプの二種類に大別される。
図9は、従来のリアクトルを示した斜視図である。図9は、従来のリードタイプのリアクトルと取付け金具の概略を示したものである。リアクトル1本体は、コイルボビン15に挿入された一対のU字形磁心14に対して巻線を施して構成される。コイルボビン15は、二部材を並設して一体化してなり、フランジ16の下部に肉厚部17を設けている。取付け金具13は、取付け穴3を有した床部18、リアクトル1本体を挿入する際に案内する取付け部19、リアクトル1本体を位置決めするための位置決め部20、およびリアクトル1本体を固定するための固定片21とから構成される。固定の際、コイルボビン15、コイル5およびU字形磁心14から構成されるリアクトル1本体は、取付け金具13の長さ方向にスライドしながら挿入される。スライド方向22を矢印で示す。その後、取付け金具13の位置決め部20にリアクトル1のコイルボビン15の端部を突き当て、固定片21を折り曲げる。
この構成により、リアクトル1を容易に位置決めし、取付け可能であるとしている。しかしこの場合、リアクトル1の位置決めは容易となるが、固定のための取付け金具13が必要となり、その分、部品点数が多くなる。また、U字形磁心14を用いたリアクトル1は、外磁型の磁気回路構造である。そのため、高インダクタンス特性を得るには磁心のサイズを大きくする必要がある。サイズが大きく重量のあるリアクトル1の取付け作業は容易ではない。また、リアクトル本体にピン端子を具備している場合は、リアクトル本体をスライドさせて取付け金具13に取付ける方法では、ピン端子が障害となる。よって、この構成は、リードタイプのものに限定され、ピン端子タイプのリアクトルには適用できないという問題がある。このような技術は、例えば特許文献1に示されている。
また、内磁型の磁気回路構造を有したリアクトルで、なおかつ取付け金具を使用せず、リアクトル本体に設けた取付け手段を介してこれを固定する方法が提案されている。図10は、従来の他のリアクトルを示した斜視図であり、図11は、図10のリアクトルを分解図示した斜視図である。図10および図11は、従来の円環状磁心を使用したトロイダル型、すなわち内磁型の磁気回路構造を有したリアクトルの概略を示したものであり、円環状磁心26を収納するケース24に取付け支持部23を設けて固定する方法を用いている。ただし、図10において円環状磁心は図示していない。また、図11においてコイルは図示していない。
図10および図11に示すように、トロイダル型のリアクトル1は、円環状磁心26、これを収納するケース24と蓋25、およびこれに巻回されるコイル5とから構成される。円環状磁心26を収納するケース24の側面には、円筒状の取付け支持部23が数箇所(図10および図11では三箇所)に設けられている。各々の取付け支持部23の内部には、ねじ等の締結部材を挿入し保持する目的で設けられた二段の貫通穴からなる取付け穴3がある。ケース24および取付け支持部23はプラスチック等の樹脂材料で一体に成型されたものである。このケース24に円環状磁心26を収納し、ケース24と同様の材質で形成され、円環状磁心26と同様の外径および内径を有するリング状の蓋25をかぶせ、接着固定する。さらにこれに丸線あるいは平角線を巻回してトロイダル型のリアクトル1を構成する。
トロイダル型のリアクトル1は、ピン端子タイプとリードタイプの両方に対応可能であるが、基板に取付ける場合はピン端子タイプ、そして、筐体またはヒートシンクに取付ける場合はリードタイプの端子構造が採用される。高インダクタンス仕様のリアクトルの場合は、そのサイズおよび重量が大きくなるためリードタイプの端子構造が一般に採用される。
図12は、従来の他のリアクトルを筐体またはヒートシンクに取付けた状態を示した透過側面図である。図12は、図10に示したトロイダル型のリアクトル1を複数本のねじ9で筐体またはヒートシンク12に取付けた時の状態を示したもので、リードタイプのトロイダル型のリアクトルを用いた場合を示している。ただし、図12においてコイル5の引出し線は図示していない。前述したように、リアクトル1を取付け対象に取付ける際は、ケース24の側面に設けられた取付け支持部23を介して行う。すなわち、所定の箇所にあらかじめねじ穴を設けた取付け対象に対しリアクトル1を位置決めし、取付け支持部23の取付け穴3にねじ9等の締結部材を差込み固定するものである。
しかしながら、トロイダル型のリアクトル1の場合、リアクトル1の固定時に取付け金具を必要としない点では改善されているが、高インダクタンス仕様のリアクトルを構成する場合には、内磁型ではあるが、その磁心形状の特殊性から、磁心の外形を大きくせざるを得ない。場合によっては、その周囲に巻回するコイル5の巻回数を増やす必要性が生じる。そのため、リアクトル1全体の形状が大きくなってしまう。さらにその側面に取付け支持部23を設けることはリアクトル1の外形をより大きくし、それに伴い重量も増えることになる。その結果、基板等の取付け対象に取付ける際、その分の取付けスペースが必要となる。そのためリアクトルを構成要素とするインバータ装置等の小型・軽量化の障害となっていた。
また、U字形磁心や円環状磁心を用いず、内磁型の磁気回路構造を有したリアクトルが提案されている。図13は、従来の他のリアクトルを示した斜視図である。図13は、磁性粉末と樹脂からなる混合物をスラリー化し、前記スラリーを容器に注型した後、加熱硬化することにより形成したコイル一体型の磁性体を用いたリアクトルの一例を示したものである。コイル5はその引出し線4を除き、混合物が固化した複合材料からなる磁性体2の内部に完全に埋設され、閉磁路を構成する。このようなコイル一体型の磁性体2を用いたリアクトル1は、高インダクタンス特性を確保しつつリアクトル1のサイズを小さくすることができる。このような技術は、例えば特許文献2に示されている。しかしながら、特許文献2には基板等の取付け対象に取付ける際の手段についての開示はなく、実際に取付ける場合は、取付け金具等、付加的な部材を必要とする。
特開2001−68349号公報 特開2005−354001号公報
したがって、本発明の技術的課題は、リアクトルを位置決め、固定する際に、取付けのための付加的な部材を必要とせず、なおかつ内磁型とすることで磁気特性を高め、リアクトル本体を小型・軽量化し、取付け面積が小さい省スペース型のリアクトル、およびその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために本発明は、磁心としてU字形磁心や円環状磁心等を用いず、軟磁性粉末と樹脂からなるスラリー状の混合物を、穴径が異なる二つの穴を組み合わせた二段の貫通穴を前記混合物の固化時に形成するような加工、すなわちその底面に凸状部があらかじめ施された円筒型または箱型の容器に注型した後、加熱硬化することにより形成された磁性体、あるいは、軟磁性粉末と樹脂からなる混合物を、同様の加工があらかじめ施された成形型を用いた圧粉成形によって形成された磁性体を使用する。コイルは、導体に絶縁被覆を施した丸線、平角線のいずれかを巻回してなり、磁性体の内部に埋設され閉磁路を構成する。
さらに、基板、筐体またはヒートシンク等の取付け対象に取付ける目的で、磁性体に複数の取付け穴を設けている。取付け穴は、ねじ等の締結部材を容易に挿入、保持するために、二段の貫通穴で構成されるのがよく、また、これをピン端子タイプのリアクトルに適用するため、コイルの引出し線、すなわち磁性体に埋設されないコイルの両端部をリアクトルの取付け対象の取付け面側から引出す構造とするのがよい。
本発明によれば、軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料からなる磁性体と、前記磁性体に埋設されるコイルとで構成されるリアクトルであって、前記磁性体に、取付け穴を有するリアクトルが得られる。
本発明によれば、前記取付け穴は、穴径が異なる二つの穴を組み合わせた二段の貫通穴である前記リアクトルが得られる。
本発明によれば、前記コイルの引出し線を、前記リアクトルの取付け面から引出した前記リアクトルが得られる。
本発明によれば、軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料からなる磁性体と、前記磁性体に埋設されるコイルとで構成され、前記磁性体に、取付け穴を有するリアクトルの製造方法であって、前記磁性体は、前記混合物を加熱してスラリー化し、前記スラリーを貫通穴を形成するように底面に凸状部を有する容器に注型し、前記スラリーを加熱硬化させて形成するリアクトルの製造方法が得られる。
本発明によれば、軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料からなる磁性体と、前記磁性体に埋設されるコイルとで構成され、前記磁性体に、取付け穴を有するリアクトルの製造方法であって、前記磁性体は、前記混合物を貫通穴を形成するように底面に凸状部を有する成形型を用いて圧粉成形により形成するリアクトルの製造方法が得られる。
本発明によれば、高インダクタンス特性を確保しつつ磁心のサイズを抑えることができる。また、リアクトルを基板、筐体またはヒートシンク等の取付け対象に取付ける際、付加的な取付け部材を用いなくとも、その位置決め、および取付けが容易となる。その結果、従来大きい磁心を使用していた分のスペース、および従来必要としていた取付け部材の占めるスペースを排除し、リアクトル本体の取付け面積を小さくすることが可能である。
本発明によるリアクトルは、磁心として一種あるいは複数種の軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料からなる磁性体を使用する。混合される軟磁性粉末は、Fe−Ni系合金やFe−Si系合金粉末等の一般的な軟磁性材料である。一種あるいは複数種の軟磁性粉末と樹脂とが混合され、ある一定の粘度および流動性を維持するスラリー化された混合物は、その底面に凸状部を有する容器を用いて注型される。このとき使用される容器は、注型されたスラリー状の混合物が固化した時点で容易に引き抜くことが可能な離型性を有するシリコーン樹脂等を素材としたものが好ましい。
また、この容器には、固化後の磁性体に任意の位置および数量の取付け穴が形成されるような加工があらかじめなされているのが好ましい。本発明のリアクトルを基板等の取付け対象に取付ける際、この取付け穴を介して、ねじ等の締結部材により固定される。また注型時、あらかじめ容器内には、導体に絶縁被覆を施した丸線や平角線を所定のターン数巻回してなるコイルが配置されており、これがスラリー状の混合物に埋設された状態で固化する。これにより得たコイル一体型の磁性体は、閉磁路構造を有するものとなる。
以下に、本発明のリアクトル、およびその製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、常圧注型によるピン端子タイプのリアクトル、およびその製造方法について説明する。
図1は、本発明のリアクトルの製造工程のフローチャートである。磁性粉末は複数種使用されるが、本発明では、第一磁性粉末、第二磁性粉末および第三磁性粉末の三種類とした。各々の磁性粉末は、任意の軟磁性材料である。混合される樹脂は、任意の熱硬化性樹脂であり、粉末状のものを使用する。
まず、第一磁性粉末およびカップリング剤をそれぞれ秤量する(ステップS1)。次に、第一磁性粉末とカップリング剤を混合し、第一磁性粉末の表面処理を行う(ステップS2)。次に、第二磁性粉末および第三磁性粉末を秤量する(ステップS3およびS4)。次に、ステップS2において混合された混合物と、第二磁性粉末および第三磁性粉末を混合する(ステップS5)。次に、樹脂粉末を秤量する(ステップS6)。次に、ステップS5において混合された混合物と樹脂粉末を混合する(ステップS7)。次に、ステップS7において混合された混合物を加熱する。これにより混合物内の樹脂が溶融し一定の流動性を得る(ステップS8)。次に、ステップS8において得た一定の流動性を有するスラリー状の混合物を、後述する特定の形状を有する容器を用いて注型する(ステップS9)。次に、注型した混合物を加熱し硬化させる(ステップS10)。
図4は、本発明のリアクトルの製造の際に使用される容器の斜視図である。図4は、図1のステップS9の注型の際に使用される容器の形状の一例を示したものである。容器6は、直径と高さの比がおおよそ2:1の上方が開放された円筒状の外形を有する。また、底面に凸状部、すなわち円柱を凸状に加工した同形状の支柱7が、容器6の底面の三箇所から突き出している。各々の凸状の支柱7は、本発明のリアクトルに具備される取付け穴を形成するためのものである。
凸状の支柱7の下段は、取付けの際に使用する締結部材、例えば、ねじのねじ頭を通すのに十分な径(例えばφ10mm)の円柱であり、凸状の支柱7の上段は、ねじ首下を通すのに十分な径(例えばφ6mm)の円柱である。これにより、磁性体に形成される取付け穴は二段の貫通穴となる。凸状の支柱7の上下段の段差により形成された部分が、この貫通穴に挿入したねじの座面と接することになる。凸状の支柱7の上下段各々の高さおよび外径は、使用する締結部材に合わせて任意に設定可能である。凸状の支柱7の本数およびその配置は任意に設定可能であるが、製造するリアクトルの大きさや形状等の諸条件により、適宜選択するのが好ましい。本発明では、凸状の支柱7を容器6の周方向に沿ってそれぞれ等間隔に三本配置した。容器6の材質は、スラリー状の混合物が固化した時点で容易に引き抜くことが可能な離型性を有するシリコーン樹脂等からなる。
図5は、本発明のリアクトルの製造の際に使用される容器の内部にコイルを配置した状態を示した斜視図である。容器6の内部の中央部分には、導体に絶縁被覆を施した丸線や平角線を所定のターン数巻回してなるコイル5があらかじめ配置されている。このときコイル5の引出し線4は、容器6の上方に向かって突き出た状態にある。この状態で図1のステップS9の注型が実施される。ステップS1からS10までの工程により得た磁性体を、自然冷却した後、容器6から取出す。
図6は、本発明の磁性体を容器から取出した状態を示した斜視図である。図6において、固化した磁性体2の内部にはコイル(図示せず)が埋設されており、コイルと磁性体2が一体化した状態で本発明のリアクトル1が完成する。また、コイルの引出し線4の突き出ている面がリアクトル1の取付け面となる。
図2は、本発明のリアクトルの外観の斜視図である。図2は、実際の取付けの場合に合わせて、リアクトル1の取付け面を下側にしたとき、すなわち、図6に示したリアクトル1を180度回転させて配置したときの状態を示したものである。
図3は、本発明のリアクトルの透過内部構造の斜視図である。磁性体2の内部には埋設されたコイル5が存在し、磁性体2の周方向に沿ってそれぞれ等間隔に三箇所配置した取付け穴3が形成されている。リアクトル1の取付け面から突き出た引出し線4は、その先端部の絶縁被覆を除去し、そのままピン端子として使用する。これにより閉磁路構造を有し、かつ磁性体2に取付け穴3を具備したピン端子タイプのリアクトル1を得る。
図7は、本発明のリアクトルを基板に実装した状態を示した透過側面図である。磁性体2の取付け穴3にはねじ9が挿入され、基板8の貫通穴を経由してナット10で締めることによって、リアクトル1本体が基板8に固定される。図7において、リアクトル1の取付け面から引出されたコイル5の引出し線4は、ピン端子として基板8に差込まれ、はんだ11にて電気的に接続される。
図8は、本発明のリアクトルを筐体またはヒートシンクに取付けた状態を示した透過側面図である。磁性体2の取付け穴3にはねじ9が挿入され、タップが切られた筐体またはヒートシンク12のねじ穴に対してねじ止めすることによって、リアクトル1本体が筐体またはヒートシンク12に固定される。図8の構成は、コイル5の引出し線(図示せず)が、例えばリアクトル1の取付け面と反対の面側から引出され、これと外部リード線(図示せず)とを接続したリードタイプのリアクトル1を取付ける場合等に適用される。
以下、実施例を用いて本発明の最良の形態を詳述する。前述した複数種の軟磁性粉末、樹脂粉末、注型用の容器およびコイルを用意し、図3に示したリアクトルを、図1に示したフローチャートに従って作製した。
第一磁性粉末としてFe−6.5Siのガスアトマイズ粉末を、第二磁性粉末として球状鉄粉を、第三磁性粉末としてFe−Cr−Siのガスアトマイズ粉末を用いた。第一磁性粉末を適量のカップリング剤で表面処理した後、第二磁性粉末および第三磁性粉末を混合した。樹脂粉末として熱硬化性のエポキシ樹脂を用い、これを前記磁性粉末に混合した。さらにこれを加熱、混練し一定の流動性を有するスラリーを作製した。
容器6は、直径50mm、高さ25mmの上方が開放された円筒状のものを用いた。凸状の支柱7は、上段および下段の径をそれぞれ6mmおよび10mmとし、上段および下段の高さをそれぞれ17mmおよび8mmとした。凸状の支柱7の本数は三本とし、容器6の周方向に沿って等間隔に配置した。容器6の材質としてシリコーン樹脂を用いた。
コイル5を形成する導体として絶縁被覆された平角銅線を用いた。平角銅線の表面には、絶縁被覆層、およびその上層に自己融着層が形成されている。コイル5の形成時、自己融着層は、熱またはアルコール系溶剤により溶融され、線間を固着する。コイル5は、一定長の平角銅線のほぼ二等分する位置を境にして、二つの渦巻状コイルが上下二層に形成されるように巻回されてなるα巻コイルを用いた。α巻コイルは、一定長の平角銅線の片端を起点として内側に向かって少なくとも平角銅線の厚み方向の寸法分だけずらしながら渦巻状に巻回を開始した後、銅線のほぼ二等分する位置で一度巻回を停止し、引き続きその位置を起点として今度は外側に向かって少なくとも平角銅線の厚み方向の寸法分だけずらしながら渦巻状に巻回を再開してなるもので、前述の渦巻きコイルを上層に、後述の渦巻きコイルを下層に配した二層構造からなるものである。上層および下層の渦巻きコイルの巻数をそれぞれ10ターンとし、計20ターンとした。
前記α巻きコイルを、注型用の前記容器6の内部に配置した。α巻きコイルは、容器6のほぼ中央に置かれ、容器6の底面に設けた凸状の支柱7と一定の距離を保ち、これと接しないようにした。このとき、α巻きコイルの引出し線4は、容器6の上方に向かって突き出た状態となるようにした。
内部にα巻きコイルを配した前記容器6に、前記スラリー状の混合物を注ぎ込み、注型した。その後、150℃×3時間の条件で加熱し、硬化した。これを自然冷却し、離型した。磁性体2から突き出たα巻きコイルの引出し線4は、その先端の絶縁被覆部分を除去し、これをリアクトル1のピン端子とした。これにより、閉磁路構造を有し、かつ取付け穴3を具備した図3に示した構造のピン端子タイプのリアクトル1を得た。
実施例では、軟磁性粉末としてFe−Si,FeおよびFe−Cr−Siを用いたが、他の軟磁性粉末、例えばスーパーマロイ(Fe−Ni−Mo),センダスト(Fe−Al−Si),Fe−Co系合金およびFe−P系合金等、任意の軟磁性粉末から適宜選択可能である。また、軟磁性粉末を三種類としたが、一種類の軟磁性粉末でもよく、これに限定されない複数種の軟磁性粉末を用いてよい。また、樹脂粉末として熱硬化性樹脂を用いたが、熱可塑性樹脂を用いてもよい。
また、注型用の容器として、円筒状の容器を用いたが、所望のリアクトルの形状に合わせて、例えば方形の箱状、あるいは多角形の箱状の容器であってもよい。また、コイルの線材として平角線を用いたが、丸線を用いてもよい。また、導体としては、例えばAu,Ag,Fe,Pt,Sn,Ni,Pb,Al,Coまたはそれらの合金等を用いることができるが、好ましくはCuを用いる。また、コイルとして、渦巻き状のα巻きコイルを用いたが、これに限らず、例えば螺旋状に巻回したコイル、あるいはエッジワイズ巻コイル等、あらゆる形態のコイルを用いてよい。
また、実施例では、常圧注型による方法を用いたが、注型後、高圧で加圧して成形する加圧注型による方法、あるいは成形用の型に粉末を入れ加圧して成形する乾式圧粉成形による方法を用いてもよい。また、実施例では、ピン端子タイプのリアクトルの構成を示したが、基板等に直接実装できない場合は、例えばコイルの引出し線を、リアクトルの取付け面と反対側の面から引出し、これを外部リード線と接続するリードタイプのリアクトルを構成してもよい。この時、前記外部リード線の一端は、はんだ、圧着端子、あるいは溶着によってコイルの引出し線と接続され、前記外部リード線の他端には、インバータ装置等に接続するためのコネクタ等が具備される。
本発明は、例えばインバータ装置等の民生用や産業用電子機器等に使用されるリアクトルとして利用される。
本発明のリアクトルの製造工程のフローチャート。 本発明のリアクトルの外観の斜視図。 本発明のリアクトルの透過内部構造の斜視図。 本発明のリアクトルの製造の際に使用される容器の斜視図。 本発明のリアクトルの製造の際に使用される容器の内部にコイルを配置した状態を示した斜視図。 本発明の磁性体を容器から取出した状態を示した斜視図。 本発明のリアクトルを基板に実装した状態を示した透過側面図。 本発明のリアクトルを筐体またはヒートシンクに取付けた状態を示した透過側面図。 従来のリアクトルを示した斜視図。 従来の他のリアクトルを示した斜視図。 従来の他のリアクトルを分解図示した斜視図。 従来の他のリアクトルを筐体またはヒートシンクに取付けた状態を示した透過側面図。 従来の他のリアクトルを示した斜視図。
符号の説明
1 リアクトル
2 磁性体
3 取付け穴
4 引出し線
5 コイル
6 容器
7 支柱
8 基板
9 ねじ
10 ナット
11 はんだ
12 筐体またはヒートシンク
13 取付け金具
14 U字形磁心
15 コイルボビン
16 フランジ
17 肉厚部
18 床部
19 取付け部
20 位置決め部
21 固定片
22 スライド方向
23 取付け支持部
24 ケース
25 蓋
26 円環状磁心

Claims (5)

  1. 軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料からなる磁性体と、
    前記磁性体に埋設されるコイルとで構成されるリアクトルであって、
    前記磁性体に、取付け穴を有することを特徴とするリアクトル。
  2. 前記取付け穴は、穴径が異なる二つの穴を組み合わせた二段の貫通穴であることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記コイルの引出し線を、前記リアクトルの取付け面から引出したことを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載のリアクトル。
  4. 軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料からなる磁性体と、
    前記磁性体に埋設されるコイルとで構成され、
    前記磁性体に、取付け穴を有するリアクトルの製造方法であって、
    前記磁性体は、前記混合物を加熱してスラリー化し、前記スラリーを貫通穴を形成するように底面に凸状部を有する容器に注型し、前記スラリーを加熱硬化させて形成することを特徴とするリアクトルの製造方法。
  5. 軟磁性粉末と樹脂との混合物が固化された複合材料からなる磁性体と、
    前記磁性体に埋設されるコイルとで構成され、
    前記磁性体に、取付け穴を有するリアクトルの製造方法であって、
    前記磁性体は、前記混合物を貫通穴を形成するように底面に凸状部を有する成形型を用いて圧粉成形により形成することを特徴とするリアクトルの製造方法。
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