JP2009128578A - 波長選択スイッチ - Google Patents

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宏史 青田
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Abstract

【課題】装置の小型化および省電力化を図りつつ波長リップルを抑制すること。
【解決手段】入力ポート111および出力ポート112〜114は光を入出力する。回折格子120は、入力ポート111から入力された光を波長に応じて分光する。ミラー141〜143は、回折格子120によって分光された光の分光方向に並べて設けられ、分光された光をそれぞれ反射させる。制御部150は、出力ポート112〜114のうちの、ミラー141〜143の各反射光が結合する出力ポートが切り換わる方向にミラー141〜143の反射角度を変化させる。また、制御部150は、ミラー141〜143の反射角度を分光方向に変化させて、反射光が出力ポート112〜114のいずれかに結合する位置をずらして反射光を減衰させる。フィルタ160は、反射光のうちの、ミラー141〜143の分光方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、減衰制御を行う波長選択スイッチに関する。
従来、光伝送システムにおいて、チャネル数を増大させて伝送容量を拡大するために、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)方式が用いられている。また、複数の入出力ポートを有し、波長多重されたWDM光信号を光のまま選択的に操作することができるデバイスとして、光波長選択スイッチが用いられている。たとえば、光波長選択スイッチは、1個の入力とN個(Nは2以上)の出力を有する1入力N出力スイッチとして用いられる。
光波長選択スイッチは、WDM光信号を分光する分光素子および可変の角度で光を反射させる複数のミラーなどで構成される。たとえば、光波長選択スイッチは、入力ポートから入力されたWDM光信号を分光素子によって分光し、分光した光を、分光方向に並べて設けた複数のミラーによって反射させ、複数のミラーが光を反射させる角度をそれぞれ変化させることで、各反射光を出力する出力ポートを切り換える切換制御を行う。
複数のミラーには、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーが用いられている。また、出力ポートから出力される出力光のパワーを制御するために、出力ポートに対するミラーの反射光の結合をずらすことで、出力光を所望の量だけ減衰させる減衰制御が用いられている。
この減衰制御には、出力ポートに対するミラーの反射光の結合をポートの並び方向(以下、「Y軸方向」という)にずらすY軸方向の減衰制御(たとえば、下記特許文献1を参照)と、出力ポートに対するミラーの反射光の結合を分光素子の分光方向(以下、「X軸方向」という)にずらすX軸方向の減衰制御とがある。
特開2006−184472号公報
しかしながら、従来のY軸方向の減衰制御を行う波長選択スイッチでは、Y軸方向の減衰制御によって出力ポートの隣接ポートに反射光が漏れ込むクロストークを回避するために、複数の出力ポートの配置間隔を大きくする必要がある。このため、ポートアレイや各光学系が大型化するという問題がある。また、複数の出力ポートの配置間隔を大きくすると、出力ポートの切替制御のためにMEMSミラーの可動範囲を大きくする必要があるため、MEMSミラーの駆動電力が大きくなるという問題がある。
また、波長選択スイッチにおいては、複数のMEMSミラーがX軸方向に一定の間隔を有して並べて配置されている。したがって、分光素子によって分光された各波長成分のうちの一部がMEMSミラーの端部で反射して回折する。このため、出力ポートに結合される反射光には、回折によってX軸方向に広がった波長成分が含まれる。この反射光に対してX軸方向の減衰制御を行うと、反射光のうちのX軸方向に広がった波長成分が十分に減衰されず、波長リップル(サイドバンプ)が発生するという問題がある。
光伝送システムに設けられて光信号を増幅する光アンプは、光信号に含まれる波長リップルも増幅してしまうため、波長選択スイッチによって波長リップルが発生すると、光伝送システムの伝送特性が劣化する。特に、光伝送システムにおいて波長選択スイッチを多段化して設ける場合は、光信号に波長リップルが累積されていくため、受信側での光信号の識別が困難になる。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、装置の小型化および省電力化を図りつつ波長リップルを抑制することができる波長選択スイッチを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この波長選択スイッチは、光を入出力する複数のポートと、前記ポートから入力された光を波長に応じて分光する分光素子と、前記分光素子によって分光された光の分光方向に並べて設けられ、前記分光された光をそれぞれ反射させる複数のミラーと、前記複数のポートのうちの、前記ミラーの反射光が結合する出力ポートが切り換わる方向に前記ミラーの反射角度を変化させる切換制御手段と、前記反射角度を前記分光方向に変化させて、前記反射光が前記出力ポートに結合する位置をずらして前記反射光を減衰させる減衰制御手段と、前記反射光のうちの、前記ミラーの前記分光方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させるフィルタと、を備えることを要件とする。
この波長選択スイッチによれば、分光方向の減衰制御を行うことで、減衰制御による隣接ポートへの光の漏れ込みが発生しないため、複数のポートの配置間隔を小さくして装置を小型化することができる。また、複数のポートの配置間隔を小さくすることで、複数のミラーの駆動範囲が小さくてすむため、複数のミラーの駆動電力を小さくすることができる。また、フィルタによって、複数のポートへ結合される反射光のうちの、複数のミラーの分光方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させることで、分光方向の減衰制御を行う場合の波長リップルを抑制することができる。
この波長選択スイッチによれば、装置の小型化および省電力化を図りつつ波長リップルを抑制することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この波長選択スイッチの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる波長選択スイッチの構成を示す斜視図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100は、ポートアレイ110と、回折格子120と、レンズ130と、MEMSミラーアレイ140と、制御部150と、フィルタ160と、を備えている。ここでは、波長選択スイッチ100を1入力3出力の経路切換スイッチとして用いる場合について説明する。
以下、図1のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向をそれぞれ単にX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向と称す。ポートアレイ110は、入力ポート111および出力ポート112〜114をY軸方向に並べて固定保持している。入力ポート111には、外部から複数の波長の光が入力される。複数の波長の光とは、たとえば波長多重されたWDM光信号である。また、複数の波長の光は、信号ごとに波長が異なる光信号であってもよい。
入力ポート111は、入力された光を回折格子120へ出射する。出力ポート112〜114には、回折格子120から出射されてフィルタ160を通過した光が結合される。出力ポート112〜114は、結合された光を外部へ出力する。入力ポート111および出力ポート112〜114は互いに間隔を有して配置されている。
回折格子120は、入力ポート111から入力された光を波長に応じて分光する分光素子である。回折格子120は、入力ポート111から入力された光をX軸方向に分光してレンズ130へ出射する。また、回折格子120は、レンズ130から出射された光を出力ポート112〜114のうちのいずれかの出力ポートへ出射する。
レンズ130は球面レンズである。レンズ130は、回折格子120によって分光された光をX軸方向にコリメートし、Y軸方向に集光してMEMSミラーアレイ140へ出射する。また、レンズ130は、MEMSミラーアレイ140から出射された光をY軸方向にコリメートし、X軸方向に集光して回折格子120へ出射する。
MEMSミラーアレイ140は、複数のミラー141〜143を、回折格子120によって分光された光の分光方向(X軸方向)に並べて保持している。MEMSミラーアレイ140のミラー数は波長多重数であり、ここでは3としている。ミラー141〜143は、回折格子120によって分光され、レンズ130によって集光された光をそれぞれ反射させる。ミラー141〜143のそれぞれは、制御部150の制御によって、X軸方向の軸およびY軸方向の軸を中心として微小回転するMEMSミラーである。
ミラー141〜143によって反射した光(以下、「反射光」という)は、それぞれ拡散しながらレンズ130へ出射されて、レンズ130によってコリメートされる。レンズ130によってコリメートされた反射光は、回折格子120およびフィルタ160を通過して、Y軸方向の位置に応じて出力ポート112〜114のいずれかへ結合する。反射光は、出力ポート112〜114のうちの結合した出力ポートから外部へ出力される。
制御部150は、ミラー141〜143をそれぞれ微小回転させる。これにより、ミラー141〜143の反射角度がそれぞれ変化する。反射角度とは、ミラー141〜143へ入射した光に対する反射光の角度である。制御部150は、たとえば、ミラー141〜143をそれぞれ微小回転させる駆動部と、駆動部を制御するCPU(Central Processing Unit)によって構成することができる。
フィルタ160は、出力ポート112〜114と回折格子120との間に設けられており、回折格子120から出力ポート112〜114のいずれかへ出射される各反射光を通過させる。フィルタ160は、通過させる各反射光のうちの、ミラー141〜143のX軸方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させる。
図2は、図1に示した波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。図3は、図1に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。図2および図3以降の図においては、ポートアレイ110は図示せずに入力ポート111および出力ポート112〜114を図示する。また、MEMSミラーアレイ140は図示せずにミラー141〜143を図示する。また、制御部150も図示を省略する。
符号110aは、入力ポート111および出力ポート112〜114のそれぞれの回折格子120側の端部に設けられたコリメータ群を示している。ここでは、ミラー141〜143のうちの、ミラー143の反射光について説明する。図2に示すように、入力ポート111から入力され、回折格子120によって分光された光の一部の波長成分は、レンズ130を通過してミラー143へ出射される。
ミラー143は、図3に示すように、レンズ130から出射された光をY軸方向に角度をつけて反射させる。ここでは、ミラー143の反射光は、レンズ130、回折格子120およびフィルタ160を通過して出力ポート114に結合されている。これにより、ミラー143の反射光が出力ポート114から出力されることになる。
制御部150は、出力ポート112〜114のうちの、ミラー143の反射光が結合するポートが切り換わる方向に、ミラー143の反射角度を変化させる切換制御手段としての機能を有する。ここでは、制御部150は、X軸方向の軸を中心としてミラー143を微小回転させることで、ミラー143の反射角度がY軸方向に切り替わる。
これにより、ミラー143の反射光が結合する出力ポートを出力ポート112や出力ポート113に切り換えることができる(点線参照)。また、制御部150は、ミラー141,142についても同様に、X軸方向の軸を中心として微小回転させることで、ミラー141,142の各反射光が結合する出力ポートを切り換えることができる。
また、制御部150は、図2に示すように、ミラー141〜143の反射角度をそれぞれX軸方向に変化させて、ミラー141〜143の各反射光が出力ポート112〜114のいずれかに結合する位置をずらす減衰制御手段としての機能を有する。ここでは、制御部150は、Y軸方向の軸を中心としてミラー141〜143を微小回転させることで、各反射光が出力ポート112〜114のいずれかに結合する位置をずらす。
ミラー141〜143の反射光が出力ポートに結合する位置をずらすことで、反射光の出力ポートに対する結合率が低下する。これにより、出力ポートから出力される反射光を減衰させることができる。また、ミラー141〜143の回転量を変化させて、ミラー141〜143の反射光が出力ポートに結合する位置をずらす量を調節することで、出力ポートから出力される反射光の減衰量を所望の減衰量に制御することができる。
図4は、フィルタを通過する直前の反射光の強度分布を示すグラフである。図4において、横軸はX軸方向の空間座標を示している。縦軸は反射光の強度を示している。分布410は、フィルタ160を通過する直前の反射光のうちの、ミラー143の中心部付近において反射した波長成分(以下、「中心波長成分」という)の強度分布を示している。
分布420は、フィルタ160を通過する直前の反射光のうちの、ミラー143のX軸方向の端部において反射した波長成分(以下、「端波長成分」という)の強度分布を示している。分布410および分布420に示すように、反射光の中心波長成分に対して、反射光の端波長成分は、回折によってX軸方向に広がっている。
図5は、図1〜図3に示したフィルタをZ軸方向からみた側面図である。フィルタ160は、各反射光の光軸が、フィルタ160のX軸方向の中心部を通過するように配置される。このため、各反射光の中心波長成分は、フィルタ160のX軸方向の中心部付近を通過する。一方、各反射光の端波長成分は、回折によってX軸方向に広がりながらフィルタ160へ入射する。このため、各反射光の端波長成分は、フィルタ160のX軸方向の中心部付近および両端部付近を通過する。
図5に示すように、フィルタ160は、X軸方向の両端部付近の透過率が、X軸方向の中心部付近の透過率よりも低い空間フィルタである。各反射光の中心波長成分および端波長成分の一部は、フィルタ160のX軸方向の中心部付近を通過するため減衰率が小さい。これに対して、各反射光の端波長成分の一部は、フィルタ160のX軸方向の端部付近を通過するため減衰率が大きい。
また、図4の分布410に示すように、反射光は、光軸から外側に向かって連続して変化する強度分布を有する。このため、フィルタ160の透過率を、X軸方向の両端部付近からX軸方向の中心部付近まで連続して変化するように設計することで、反射光のうちの回折した成分をバランスよく減衰させることができる。また、一般的なビームの強度分布はガウシアン形状であるため、フィルタ160の透過率分布をガウシアン形状にすることで、反射光のうちの回折した成分をさらにバランスよく減衰させることができる。
図6は、フィルタを通過した直後の反射光の強度分布を示すグラフである。図6において、分布610は、フィルタ160を通過した直後の反射光の中心波長成分の強度分布を示している。反射光の中心波長成分のほとんどは、フィルタ160の中心部付近(透過率低)を通過する。このため、図4の分布410および図6の分布610に示すように、反射光の中心波長成分は、フィルタ160を通過してもほとんど減衰しない。
分布620は、フィルタ160を通過した直後の反射光の端波長成分の強度分布を示している。反射光の端波長成分は、回折によりX軸方向に広がってフィルタ160を通過する。このため、図4の分布420および図6の分布620に示すように、端波長成分のうちの回折によってX軸方向に広がった部分が、フィルタ160のX軸方向の端部付近(透過率高)を通過して減衰する。つぎに、反射光の減衰について定量的に説明する。
反射光の強度分布は、ビームの中心位置が(xc,yc)にあるガウシアンビームをMEMSミラーと同一形状の矩形開口で回折させた場合と同様に考えることができる。このため、ミラー141〜143における反射光のX軸方向のビーム径をω、反射光の波長をλ、ミラー141〜143のそれぞれのX軸方向の長さを2a、Y軸方向の長さを2b、レンズ130の焦点距離をfとすると、反射光の強度分布P1(x)は下記(1)式で示すことができる。
Figure 2009128578
図7は、フィルタを通過する直前の反射光の強度分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図7は、上記(1)式において、λ=1.55μm,f=100mm,a=0.1mm,b=0.5mm,ω=25um,y=yc=0mmとし、xc=0mm,0.09mm,0.1mm,0.11mmと変化させた場合の反射光の強度分布P1(x)を示している。
xc=0mmは、反射光の中心波長成分の強度分布を示している。xc=0.1mmは、半分がミラー141〜143からはみだして回折する反射光の端波長成分の強度分布を示している。この場合の反射光は、実質的にガウシアンビームであり、特にxc=0mmの場合については、反射光の強度分布P2(x)は、通常のガウシアンビームの強度分布と同様に、下記(2)式および(3)式で示すことができる。
Figure 2009128578
Figure 2009128578
上記(2)式に示す反射光を想定し、フィルタ160の透過率の分布をガウシアン形状にし、ビーム径の2倍のビームを通過させるフィルタ160を挿入した場合について説明する。フィルタ160の透過特性filterは下記(4)式で示すことができる。
Figure 2009128578
図8は、フィルタを通過した直後の反射光の中心波長成分の強度分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図9は、フィルタを通過した直後の反射光の端波長成分の強度分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図8および図9において、斜線部810,910は、反射光のうちの、上記(4)式に示したフィルタ160によって削り取られた成分を示している。図8においてはxc=0mmとし、図9においてはxc=0.12mmとしてシミュレーションを行った。
図8の斜線部810で示すxc=0mmの光(反射光の中心波長成分に対応)の減衰量に比べて、図9の斜線部910で示すxc=0.12mmの光(反射光の端波長成分に対応)の減衰量は約3dB多くなる。したがって、上記(4)式で示すフィルタ160を用いることで、反射光の中心波長成分よりも端波長成分を大きく減衰させることができる。
図10は、図5に示したフィルタの変形例1を示す側面図である。図10に示すように、フィルタ160は、X軸方向の中心部付近の透過率が一定であってもよい。これにより、波長リップルの発生原因とならない反射光の成分の強度分布を保ちつつ、波長リップルの発生原因となる反射光の回折した成分を減衰させることができる。
たとえば、フィルタ160のX軸方向の中心部付近の透過率を100%にする。これにより、波長リップルの発生原因とならない反射光の成分を減衰させることなく、反射光の回折した成分を減衰させることができる。このため、フィルタ160による反射光全体の減衰を抑えつつ、波長リップルを効率的に抑制することができる。
図11は、図5に示したフィルタの変形例2を示す側面図である。図11に示すように、フィルタ160は、X軸方向の端部付近からX軸方向の中心部付近まで段階的に変化する透過率分布を有していてもよい。この場合は、たとえばマスク処理により透過率を段階的に変化させながらフィルタ160を形成することができる。このため、X軸方向の中心部と端部とで透過率が異なるフィルタ160を容易に形成することができる。
図12は、図5に示したフィルタの変形例3を示す側面図である。図12に示すように、フィルタ160は、反射光のうちの、ミラー141〜143の端部で反射して、回折によって広がった成分を遮断する空間フィルタであってもよい。この場合は、フィルタ160のX軸方向の中心部付近が透過率100%であり、両端部付近が透過率0%である。
このため、フィルタ160に透過率の分布を持たせるための特別な方法を用いることなくフィルタ160を容易に形成することができる。また、フィルタ160は、X軸方向の中心部付近にY軸方向の穴(スリット)を有する遮光板によって構成してもよい。これにより、フィルタ160をさらに容易に形成することができる。
また、図5および図10〜図12に示した各フィルタ160は、Y軸方向(出力ポート112〜114の並び方向)には一様な透過率を有する。このため、フィルタ160は、簡単な構成により、回折格子120から出力ポート112〜114のいずれに出射される反射光に対しても一様な減衰特性を与えることができる。
図13は、出力ポートによる反射光の減衰を示す図である。図13において、ミラー141〜143をZ軸方向からみた側面図によって示している。符号a〜cは、ミラー142へ入射する光の各波長成分を示している。符号aは、ミラー142へ入射する光のうちの中心波長成分およびその近傍の波長成分を示している。符号b,cは、ミラー142へ入射する光のうちの端波長成分を示している。
ここではミラー142の反射光について説明する。分布1310および分布1320は、X軸方向の空間座標がミラー142と対応した強度分布を示している。分布1310は、ミラー142へ入射する光の各波長成分のX軸方向の強度分布を示している。分布1310に示すように、ミラー142へ入射する光の各波長成分は均一な強度を有している。
分布1320は、ミラー142の反射光の各波長成分のX軸方向の強度分布を示している。分布1320に示すように、ミラー142のX軸方向の中心部において反射した中心波長成分aは、回折しないため、分布1310で示した強度分布を保っている。一方、ミラー142のX軸方向の端部において反射した端波長成分b,cは、回折によって、分布1310で示した強度分布に対してX軸方向に広がっている。
スペクトル1330は、従来のようにフィルタ160を設けない場合に、制御部150によるX軸方向の減衰制御を行った場合に出力ポート112〜114から出力される反射光のスペクトルを示している。分布1320に示したように反射光の端波長成分b,cがX軸方向に広がっているため、X軸方向の減衰制御を行うと、スペクトル1330に示すように大きな波長リップル1330a,1330bが発生する。
分布1340は、フィルタ160を備える波長選択スイッチ100において、フィルタ160を通過した反射光の各波長成分のX軸方向の強度分布を示している。分布1340に示すように、フィルタ160を通過した反射光の端波長成分b,cは、X軸方向の幅が小さくなり、反射光の中心波長成分aとほぼ均一になっている。
スペクトル1350は、フィルタ160を備える波長選択スイッチ100において、制御部150によるX軸方向の減衰制御を行った場合に出力ポート112〜114から出力される反射光のスペクトルを示している。分布1340に示したように反射光の中心波長成分aおよび端波長成分b,cのX軸方向の幅が均一になっているため、スペクトル1350に示すように、X軸方向の減衰制御を行っても大きな波長リップルは発生しない。
このように、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100によれば、X軸方向(分光方向)の減衰制御を行うことで、減衰制御による隣接ポートへの光の漏れ込みが発生しないため、入力ポート111,出力ポート112〜114の配置間隔を小さくして装置を小型化することができる。また、入力ポート111,出力ポート112〜114の配置間隔を小さくすることで、ミラー141〜143の駆動範囲が小さくてすむ。このため、ミラー141〜143の駆動電力を小さくすることができる。
また、フィルタ160によって、出力ポート112〜114へ結合される反射光のうちの、ミラー141〜143のX軸方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させることで、X軸方向の減衰制御を行う場合の波長リップルを抑制することができる。このため、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100によれば、装置の小型化および省電力化を図りつつ波長リップルを抑制することができる。
(実施の形態2)
図14は、実施の形態2にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。図15は、図14に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。図14および図15において、図1〜図3に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図14および図15に示すように、実施の形態2にかかる波長選択スイッチ100は、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100の構成に加えてシリンドリカルレンズ1410およびシリンドリカルレンズ1420を備えている。
シリンドリカルレンズ1410は、入力ポート111および出力ポート112〜114とフィルタ160との間に設けられる。シリンドリカルレンズ1410は、入力ポート111から出射された光をX軸方向に集光してシリンドリカルレンズ1420へ出射する。また、シリンドリカルレンズ1410は、フィルタ160を通過した反射光をX軸方向にコリメートして出力ポート112〜114のいずれかへ結合させる。
シリンドリカルレンズ1420は、回折格子120とフィルタ160の間に設けられる。シリンドリカルレンズ1420は、シリンドリカルレンズ1410から出射された光をX軸方向にコリメートして回折格子120へ出射する。また、シリンドリカルレンズ1420は、回折格子120から出射された反射光をX軸方向に集光して、フィルタ160を介してシリンドリカルレンズ1410へ出射する。
ここでは、シリンドリカルレンズ1420は、シリンドリカルレンズ1410に対して、シリンドリカルレンズ1410の焦点距離の2倍以上の間隔を有して設けられている。これにより、入力ポート111から出射された光のビーム径をX軸方向に広げて回折格子120へ入射させることができる。このため、回折格子120からフィルタ160へ出射される反射光のビーム径もX軸方向に広がる。
シリンドリカルレンズ1420の焦点距離は、レンズ130の焦点距離と同じfである。シリンドリカルレンズ1420と回折格子120の距離は、回折格子120とレンズ130の距離と同じである。ここでは、シリンドリカルレンズ1420と回折格子120の距離および回折格子120とレンズ130の距離も、焦点距離と同じfであるとする。
回折格子120、レンズ130およびミラー141〜143によって形成される光学系を第1光学系1431とし、回折格子120、シリンドリカルレンズ1420およびフィルタ160によって形成される光学系を第2光学系1432とする。少なくともX軸方向において、第2光学系1432は回折格子120を中心として第1光学系1431と対称になる。X軸方向において対称とは、Y軸方向からみると、回折格子120のZ軸方向の両側に対称な光学系が形成されていることを意味する。
これにより、ミラー141〜143における反射光のスポットが、少なくともX軸方向においてフィルタ160に再生される。したがって、フィルタ160によって、回折格子120から出射された反射光のうちの、ミラー141〜143における反射光のスポットに相当する成分のみを通過させることにより、反射光の回折した成分を遮断することができる。ミラー141〜143における反射光のスポットのX軸方向の形状に基づいてフィルタ160の透過率を設計することで、フィルタ160の透過率の設計が容易になる。
また、フィルタ160によって反射光のうちのスポットに相当する成分のみを通過させることにより、ミラー141〜143のX軸方向の端部における反射による波長リップルの他に、ミラー141〜143の表面や途中の光学部品(レンズ130,回折格子120,シリンドリカルレンズ1420など)における異物付着やキズなどの光学的不完全性に起因する反射光のノイズも補償することができる。
このように、実施の形態2にかかる波長選択スイッチ100によれば、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100の効果を奏するとともに、シリンドリカルレンズ1420によって、X軸方向において第1光学系1431と対称な第2光学系1432を形成することによって、ミラー141〜143における反射光のスポットを少なくともX軸方向においてフィルタ160に再生することができる。
このため、ミラー141〜143における反射光のスポットに基づいてフィルタ160の透過率を設計することができ、フィルタ160の透過率の設計が容易になる。また、ミラー141〜143の端部における反射に起因する波長リップルの他に、光学的不完全性に起因する反射光のノイズも補償することができる。
(実施の形態3)
図16は、実施の形態3にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。図17は、図16に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。図16および図17において、図14および図15に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図16および図17に示すように、実施の形態3にかかる波長選択スイッチ100は、実施の形態2にかかる波長選択スイッチ100のシリンドリカルレンズ1410,1420およびフィルタ160に代えて、レンズ1610,1620およびフィルタ1630を備えている。レンズ1610,1620のそれぞれは球面レンズである。
レンズ1610は、入力ポート111および出力ポート112〜114とフィルタ1630との間に設けられる。レンズ1610は、入力ポート111から出射された光をX軸方向およびY軸方向に集光して、フィルタ1630を介してレンズ1620へ出射する。また、レンズ1610は、レンズ1620によって集光されて、フィルタ1630を介して出射された反射光をX軸方向およびY軸方向にコリメートする。レンズ1610は、コリメートした反射光を出力ポート112〜114のいずれかへ結合させる。
レンズ1620は、回折格子120とフィルタ1630の間に設けられる。レンズ1620は、レンズ1610からフィルタ1630を介して出射された光をX軸方向およびY軸方向にコリメートして回折格子120へ出射する。また、レンズ1620は、回折格子120から出射された反射光をX軸方向およびY軸方向に集光してフィルタ1630へ出射する。ここでは、レンズ1620は、レンズ1610に対して、レンズ1610の焦点距離の2倍以上の間隔を有して設けられている。
回折格子120、レンズ130およびミラー141〜143形成される光学系を第1光学系1641とし、回折格子120、レンズ1620およびフィルタ1630によって形成される光学系を第2光学系1642とする。X軸方向およびY軸方向(分光方向とは異なる方向)において、第2光学系1642は回折格子120を中心として第1光学系1641と対称になる。X軸方向およびY軸方向において対称とは、Y軸方向からみても、X軸方向からみても、回折格子120のZ軸方向の両側に対称な光学系が形成されていることを意味する。
これにより、ミラー141〜143における反射光のスポットが、X軸方向およびY軸方向においてフィルタ1630に再生される。したがって、フィルタ1630によって、回折格子120から出射された反射光のうちの、ミラー141〜143における反射光のスポットに相当する成分のみを通過させることにより、反射光の回折した成分を遮断することができる。ミラー141〜143における反射光のスポットに基づいてフィルタ160の透過率を設計することで、フィルタ160の透過率の設計が容易になる。
図18は、図16および図17に示したフィルタをZ軸方向からみた側面図である。フィルタ1630は、ミラー141〜143の各反射光の光軸が、フィルタ1630のX軸方向およびY軸方向の中心部を通過するように配置される。図18に示すように、フィルタ1630は、X軸方向およびY軸方向(分光方向とは異なる方向)において、両端部付近の透過率が中心部付近の透過率よりも低い空間フィルタである。
フィルタ1630によって、反射光のうちのX軸方向に回折した成分だけでなく、Y軸方向に回折した成分も減衰させることができる。各反射光の中心波長成分および端波長成分の一部は、フィルタ1630のX軸方向およびY軸方向の中心部付近を通過するため減衰率が小さい。これに対して、各反射光の端波長成分の一部は、フィルタ1630のX軸方向およびY軸方向の端部付近を通過するため減衰率が大きい。
また、フィルタ1630の透過率を、X軸方向およびY軸方向において、両端部付近から中心部付近まで連続して変化するように設計することで、反射光のうちの回折した成分をバランスよく減衰させることができる。また、フィルタ1630の透過率分布をX軸方向およびY軸方向においてガウシアン形状にすることで、反射光のうちの回折した成分をさらにバランスよく減衰させることができる。
ここでは、フィルタ1630の透過率を、X軸方向およびY軸方向において、両端部付近から中心部付近まで連続して変化するように設計する場合について説明したが、フィルタ1630の透過率を、X軸方向およびY軸方向の中心部付近において一定にしてもよいし(図10参照)、X軸方向およびY軸方向において段階的に変化させてもよい(図11参照)。また、フィルタ1630を、ミラー141〜143の各反射光のうちの、X軸方向に広がった成分およびY軸方向に広がった成分を遮断する遮光部材にしてもよい。
このように、実施の形態3にかかる波長選択スイッチ100によれば、実施の形態2にかかる波長選択スイッチ100の効果を奏するとともに、レンズ1620によって、X軸方向およびY軸方向において第1光学系1641と対称な第2光学系1642を形成することによって、ミラー141〜143における各反射光のスポットをX軸方向およびY軸方向においてフィルタ1630に再生することができる。
このため、ミラー141〜143における反射光のスポットに基づいてフィルタ1630の透過率を設計することができ、フィルタ1630の透過率の設計が容易になる。また、X軸方向だけでなくY軸方向においても、ミラー141〜143の端部における反射に起因する波長リップルの他に、ミラー141〜143の表面や途中の光学部品(レンズ130,回折格子120,レンズ1620など)における異物付着やキズなどの光学的不完全性に起因する反射光のノイズを補償することができる。
(実施の形態4)
図19は、実施の形態4にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。図20は、図19に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。図18および図19において、図14および図15に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図19および図20に示すように、実施の形態4にかかる波長選択スイッチ100は、実施の形態2にかかる波長選択スイッチ100の構成に加えて、フィルタ1910が設けられている。
フィルタ1910は、フィルタ160と同様に、X軸方向の両端部付近の透過率が、X軸方向の中心部付近の透過率よりも低い空間フィルタである(図5参照)。これにより、フィルタ1910は、通過させる各反射光のうちの、ミラー141〜143のX軸方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させる。また、反射光の回折した成分を減衰させるフィルタをさらに設けてもよい。
このように、実施の形態4にかかる波長選択スイッチ100によれば、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100の効果を奏するとともに、反射光の回折した成分を減衰させるフィルタを複数設けることにより、反射光の回折した成分を精度よく減衰させることができる。また、反射光の回折した成分を減衰させるフィルタを複数設けることにより、反射光に対する減衰特性の設計の自由度を向上させることができる。
(実施の形態5)
図21は、実施の形態5にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。図22は、図21に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。図21および図22において、図1〜図3に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態5にかかる波長選択スイッチ100は、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100の構成に加えてシリンドリカルレンズ2110およびシリンドリカルレンズ2120を備えている。
シリンドリカルレンズ2110およびシリンドリカルレンズ2120は、入力ポート111および出力ポート112〜114とフィルタ160との間に設けられる。シリンドリカルレンズ2110は、入力ポート111から出射された光をX軸方向に集光してシリンドリカルレンズ2120へ出射する。また、シリンドリカルレンズ2110は、シリンドリカルレンズ2120から出射された反射光をX軸方向にコリメートして出力ポート112〜114のいずれかへ結合させる。
シリンドリカルレンズ2120は、シリンドリカルレンズ2110から出射された光をX軸方向にコリメートして、フィルタ160を介して回折格子120へ出射する。また、シリンドリカルレンズ2120は、回折格子120からフィルタ160を介して出射された反射光をX軸方向に集光してシリンドリカルレンズ2110へ出射する。
ここでは、シリンドリカルレンズ2120は、シリンドリカルレンズ2110に対して、シリンドリカルレンズ2110の焦点距離の2倍以上の間隔を有して設けられている。これにより、入力ポート111から出射された光のビーム径をX軸方向に広げて回折格子120へ入射させることができる。このため、回折格子120からフィルタ160へ出射される反射光のビーム径もX軸方向に広がる。これにより、反射光の回折した成分のみを減衰させるためのフィルタ160の設計が容易になる。
図23は、反射光の中心波長成分の強度分布の変化のシミュレーション結果を示すグラフである。図23において、分布2310は、ミラー143によって反射した直後における反射光の中心波長成分の強度分布を示している。分布2320は、フィルタ160を通過する直前の反射光の中心波長成分の強度分布を示している。分布2330は、フィルタ160を通過した直後の反射光の中心波長成分の強度分布を示している。
分布2320に示すように、反射光の中心波長成分は、回折しないため強度分布がほとんど広がらない。このため、反射光の中心波長成分は、分布2330に示すように、フィルタ160によってほとんど減衰しない。なお、ここでは、フィルタ160を、X軸方向に透過率が段階的に変化するフィルタ(図12参照)によって構成する場合のシミュレーション結果を示している(図24も同様)。
図24は、反射光の端波長成分の強度分布の変化のシミュレーション結果を示すグラフである。図24において、分布2410は、ミラー143によって反射した直後における反射光の端波長成分の強度分布を示している。分布2420は、フィルタ160を通過する直前の反射光の端波長成分の強度分布を示している。分布2430は、フィルタ160を通過した直後の反射光の端波長成分の強度分布を示している。
分布2420に示すように、反射光の端波長成分は、回折によって強度分布が広がる。このため、反射光の端波長成分は、分布2430に示すように、フィルタ160によって減衰し、幅が小さくなる。これにより、反射光の端波長成分は、中心波長成分の強度分布(図23の分布2330参照)とほぼ均一になる。このため、制御部150によってX軸方向の減衰制御を行っても、波長リップルの発生を抑制することができる。
図25は、波長選択スイッチの減衰特性を示すグラフである。図25において、横軸は反射光の波長[nm]を示している。縦軸は、出力ポート112〜114のいずれかへ結合した反射光の強度を減衰量[dB]で示している。特性2510は、従来の波長選択スイッチ(フィルタ160無し)の減衰特性を示している。特性2520は、実施の形態5にかかる波長選択スイッチ100(フィルタ160有り)の減衰特性を示している。
特性2510および特性2520に示すように、実施の形態5にかかる波長選択スイッチ100においては、従来の波長選択スイッチに対して、X軸方向の減衰制御を行った場合の波長リップルを約4dB低減することができる。ここでは、特性2510および特性2520の短波長側の波長リップルのみを図示したが、長波長側の波長リップルについても同様に低減することができる。
このように、実施の形態5にかかる波長選択スイッチ100によれば、実施の形態1にかかる波長選択スイッチ100の効果を奏するとともに、シリンドリカルレンズ2110およびシリンドリカルレンズ2120によって、回折格子120からフィルタ160へ出射される反射光のビーム径をX軸方向に広げることができる。これにより、反射光の回折した成分のみを減衰させるためのフィルタ160の設計が容易になる。また、実施の形態5にかかる波長選択スイッチ100によれば、図25に示すように、従来と比べて波長リップルを約4dB低減することができる。
なお、上述した各実施の形態においては、波長選択スイッチ100を1入力3出力の経路切換スイッチとして用いる場合について説明したが、波長選択スイッチ100を多入力1出力あるいは多入力多出力のスイッチとして構成することもできる。この場合は、フィルタ160を、出力ポートとなるポートと回折格子120との間に設けるとよい。
たとえば、実施の形態1において、入力ポート111および出力ポート112,113を入力ポートとし、出力ポート114を出力ポートとする場合は、フィルタ160を、出力ポート114と回折格子120との間に設けて、入力ポート111および出力ポート112,113から出射される光はフィルタ160を通過させないようにする。
以上説明したように、本実施の形態によれば、装置の小型化および省電力化を図りつつ波長リップルを抑制することができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)光を入出力する複数のポートと、
前記ポートから入力された光を波長に応じて分光する分光素子と、
前記分光素子によって分光された光の分光方向に並べて設けられ、前記分光された光をそれぞれ反射させる複数のミラーと、
前記複数のポートのうちの、前記ミラーの反射光が結合する出力ポートが切り換わる方向に前記ミラーの反射角度を変化させる切換制御手段と、
前記反射角度を前記分光方向に変化させて、前記反射光が前記出力ポートに結合する位置をずらして前記反射光を減衰させる減衰制御手段と、
前記反射光のうちの、前記ミラーの前記分光方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させるフィルタと、
を備えることを特徴とする波長選択スイッチ。
(付記2)前記フィルタは、前記回折した成分が透過する部分の透過率が、前記反射光の光軸付近が透過する部分の透過率よりも低いフィルタであることを特徴とする付記1に記載の波長選択スイッチ。
(付記3)前記フィルタは、前記回折した成分が透過する部分から前記光軸付近が透過する部分まで連続して変化する透過率分布を有することを特徴とする付記2に記載の波長選択スイッチ。
(付記4)前記フィルタの前記透過率分布はガウシアン形状であることを特徴とする付記3に記載の波長選択スイッチ。
(付記5)前記フィルタは、前記光軸付近が透過する部分の透過率が一定であることを特徴とする付記2に記載の波長選択スイッチ。
(付記6)前記フィルタは、前記回折した成分が透過する部分から前記光軸付近が透過する部分まで段階的に変化する透過率分布を有することを特徴とする付記2に記載の波長選択スイッチ。
(付記7)前記フィルタは、前記回折した成分を遮断することを特徴とする付記1に記載の波長選択スイッチ。
(付記8)前記フィルタは、前記複数のポートの並び方向に一様な透過率の分布を有することを特徴とする付記1に記載の波長選択スイッチ。
(付記9)前記分光素子によって分光された光を前記ミラーに集光する第1光学系と、
少なくとも前記分光方向において、前記分光素子を中心として前記第1光学系と対称な光学系であり、前記分光素子を通過した前記反射光を前記分光方向に集光する第2光学系と、を有し、
前記フィルタは、前記第2光学系によって集光された前記反射光の前記回折した成分を減衰させることを特徴とする付記1に記載の波長選択スイッチ。
(付記10)前記第2光学系は、前記分光方向とは異なる方向において、前記分光素子を中心として対称な光学系であり、
前記フィルタは、前記第2光学系によって集光された前記反射光のうちの、前記異なる方向に回折した成分を減衰させることを特徴とする付記9に記載の波長選択スイッチ。
(付記11)前記フィルタは、前記分光素子と前記出力ポートとの間に複数設けられることを特徴とする付記1に記載の波長選択スイッチ。
以上のように、この波長選択スイッチは、減衰制御を行う波長選択スイッチに有用であり、特に、波長選択スイッチを多段化する場合に適している。
実施の形態1にかかる波長選択スイッチの構成を示す斜視図である。 図1に示した波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。 図1に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。 フィルタを通過する直前の反射光の強度分布を示すグラフである。 図1〜図3に示したフィルタをZ軸方向からみた側面図である。 フィルタを通過した直後の反射光の強度分布を示すグラフである。 フィルタを通過する直前の反射光の強度分布のシミュレーション結果を示すグラフである。 フィルタを通過した直後の反射光の中心波長成分の強度分布のシミュレーション結果を示すグラフである。 フィルタを通過した直後の反射光の端波長成分の強度分布のシミュレーション結果を示すグラフである。 図5に示したフィルタの変形例1を示す側面図である。 図5に示したフィルタの変形例2を示す側面図である。 図5に示したフィルタの変形例3を示す側面図である。 出力ポートによる反射光の減衰を示す図である。 実施の形態2にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。 図14に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。 実施の形態3にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。 図16に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。 図16および図17に示したフィルタをZ軸方向からみた側面図である。 実施の形態4にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。 図19に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。 実施の形態5にかかる波長選択スイッチをY軸方向からみた上面図である。 図21に示した波長選択スイッチをX軸方向からみた側面図である。 反射光の中心波長成分の強度分布の変化のシミュレーション結果を示すグラフである。 反射光の端波長成分の強度分布の変化のシミュレーション結果を示すグラフである。 波長選択スイッチの減衰特性を示すグラフである。
符号の説明
100 波長選択スイッチ
110 ポートアレイ
111 入力ポート
112〜114 出力ポート
120 回折格子
130,1610,1620 レンズ
140 MEMSミラーアレイ
141,142,143 ミラー
160,1630,1910 フィルタ
810,910 斜線部
1330a,1330b 波長リップル
1410,1420,2110,2120 シリンドリカルレンズ
1431,1641 第1光学系
1432,1642 第2光学系

Claims (10)

  1. 光を入出力する複数のポートと、
    前記ポートから入力された光を波長に応じて分光する分光素子と、
    前記分光素子によって分光された光の分光方向に並べて設けられ、前記分光された光をそれぞれ反射させる複数のミラーと、
    前記複数のポートのうちの、前記ミラーの反射光が結合する出力ポートが切り換わる方向に前記ミラーの反射角度を変化させる切換制御手段と、
    前記反射角度を前記分光方向に変化させて、前記反射光が前記出力ポートに結合する位置をずらして前記反射光を減衰させる減衰制御手段と、
    前記反射光のうちの、前記ミラーの前記分光方向の端部によって反射して回折した成分を減衰させるフィルタと、
    を備えることを特徴とする波長選択スイッチ。
  2. 前記フィルタは、前記回折した成分が透過する部分の透過率が、前記反射光の光軸付近が透過する部分の透過率よりも低いフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  3. 前記フィルタは、前記回折した成分が透過する部分から前記光軸付近が透過する部分まで連続して変化する透過率分布を有することを特徴とする請求項2に記載の波長選択スイッチ。
  4. 前記フィルタの前記透過率分布はガウシアン形状であることを特徴とする請求項3に記載の波長選択スイッチ。
  5. 前記フィルタは、前記光軸付近が透過する部分の透過率が一定であることを特徴とする請求項2に記載の波長選択スイッチ。
  6. 前記フィルタは、前記回折した成分が透過する部分から前記光軸付近が透過する部分まで段階的に変化する透過率分布を有することを特徴とする請求項2に記載の波長選択スイッチ。
  7. 前記フィルタは、前記回折した成分を遮断することを特徴とする請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  8. 前記フィルタは、前記複数のポートの並び方向に一様な透過率の分布を有することを特徴とする請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  9. 前記分光素子によって分光された光を前記ミラーに集光する第1光学系と、
    少なくとも前記分光方向において、前記分光素子を中心として前記第1光学系と対称な光学系であり、前記分光素子を通過した前記反射光を前記分光方向に集光する第2光学系と、を有し、
    前記フィルタは、前記第2光学系によって集光された前記反射光の前記回折した成分を減衰させることを特徴とする請求項1に記載の波長選択スイッチ。
  10. 前記第2光学系は、前記分光方向とは異なる方向において、前記分光素子を中心として対称な光学系であり、
    前記フィルタは、前記第2光学系によって集光された前記反射光のうちの、前記異なる方向に回折した成分を減衰させることを特徴とする請求項9に記載の波長選択スイッチ。
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