JP2009128052A - 原子力電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝集系核反応によって発生した荷電粒子を利用した原子力電池を提供する。
【解決手段】容器と、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とを有する構造体と、前記構造体の表面上に接触させられた、核種変換を施す物質を含む核種変換物質層とからなる反応膜と、該反応膜により前記容器を分割して形成され、前記容器及び前記反応膜により密封可能な閉空間をなす重水素高濃度部及び重水素低濃度部と、前記重水素高濃度部内に前記反応膜に対向して配置される電極板と、前記重水素高濃度部に重水素ガスを供給する重水素供給手段と、前記重水素低濃度部を排気するための排気手段とを備える原子力電池。
【選択図】図1
【解決手段】容器と、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とを有する構造体と、前記構造体の表面上に接触させられた、核種変換を施す物質を含む核種変換物質層とからなる反応膜と、該反応膜により前記容器を分割して形成され、前記容器及び前記反応膜により密封可能な閉空間をなす重水素高濃度部及び重水素低濃度部と、前記重水素高濃度部内に前記反応膜に対向して配置される電極板と、前記重水素高濃度部に重水素ガスを供給する重水素供給手段と、前記重水素低濃度部を排気するための排気手段とを備える原子力電池。
【選択図】図1
Description
本発明は、原子力電池に関するものである。
従来の原子力電池は、放射性核種の崩壊エネルギを熱電変換素子で電気エネルギに変換する一次電池である。実用化されている原子力電池では、放射性核種として238Puや210Poが用いられ、これらの核種がアルファ崩壊を起こす際に発生するアルファ線が物質に吸収されて生じた熱を利用し発電している。原子力電池は、例えば人工衛星に搭載され、太陽放射が利用できず太陽電池が使用できない深宇宙におけるエネルギ供給源となる。
しかし、上記の原子力電池は放射性核種を使用しているために、厳重な管理下で使用する必要があり、特殊用途に限定される。また、使用後の放射性廃棄物の処理にも問題がある。人工衛星に搭載される場合は、墜落などにより放射性物質を大気中に撒き散らすリスクがある。
一方、凝集系核反応では核種崩壊(ベータ崩壊)の際に荷電粒子が放出される。代表的な凝集系核反応は、特許文献1に記載されている。凝集系核反応は、重水素ガスや温度などの制御パラメータにより反応を停止させることが出来るため、放射能汚染の心配が無い。また、γ線などの、透過力が強く人体に影響を与えるレベルの放射線が発生しないため、厳重な放射線遮蔽の必要が無いという利点を有する。
特開2002−202392号公報
上述のように、従来の放射性核種を利用した原子力電池は、保守管理や放射性廃棄物の処理が非常に困難であるという欠点があった。
本発明は、制御及び管理がより容易である凝集系核反応を利用し、凝集系核反応で発生した荷電粒子により発電させる原子力電池を提供することを目的とする。
本発明は、制御及び管理がより容易である凝集系核反応を利用し、凝集系核反応で発生した荷電粒子により発電させる原子力電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の原子力電池は、容器と、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とを有する構造体と、前記構造体の表面上に接触させられた、核種変換を施す物質を含む核種変換物質層とからなる反応膜と、該反応膜により前記容器を分割して形成され、前記容器及び前記反応膜により密封可能な閉空間をなす重水素高濃度部及び重水素低濃度部と、前記重水素高濃度部内に前記反応膜に対向して配置される電極板と、前記重水素高濃度部に重水素ガスを供給する重水素供給手段と、前記重水素低濃度部を排気するための排気手段とを備える。
上記構成において、前記核種変換物質層が、前記構造体の前記重水素高濃度部の側の表面上に接触させられる。
上記構成において、前記核種変換物質層が、前記構造体の前記重水素高濃度部の側の表面上に接触させられる。
上記構成の原子力電池によれば、重水素高濃度部と重水素低濃度部との間に重水素の濃度差または圧力差を発生させることにより、重水素高濃度部内の重水素が反応膜を透過して重水素低濃度部へと向かう流れを生成させる。この際に構造体の重水素高濃度部側の表面上に接触させられた核種変換物質層において、核種変換を施す物質と重水素とによって凝集系核反応が発生し、荷電粒子が放出される。放出された荷電粒子は電極板に捕捉され、電流が発生する。凝集系核反応においては、γ線等の有害な放射線が発生しないため、本発明の原子力電池には放射線遮蔽材を設置する必要が無く保守管理が容易となる。また、重水素供給量や反応温度などのパラメータにより反応制御が容易であるという利点を有する。
本発明の原子力電池は、前記構造体が、前記重水素低濃度部の側から前記重水素高濃度部の側に向かって順に、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金からなる基材と、該基材の表面上に形成され、パラジウムまたはパラジウム合金あるいはパラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とからなる混合層と、該混合層の表面上に形成され、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金からなる表面層とを備えて構成される。
上記構成の原子力電池によれば、パラジウムまたはパラジウム合金あるいはパラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とからなる混合層を設けることで、凝集系核反応の発生の再現性を向上させることができる。
本発明の原子力電池は、前記重水素高濃度部が重水素雰囲気とされ、前記重水素低濃度部が真空または前記重水素高濃度部よりも低い圧力の重水素雰囲気とされることが好ましい。
このように、重水素高濃度部が重水素雰囲気であり、重水素低濃度部内が真空または重水素高濃度部よりも低い圧力の重水素雰囲気であれば、重水素低濃度部と重水素高濃度部との間で圧力差及び重水素濃度差が生成し、重水素が重水素高濃度部から反応膜を透過して重水素低濃度部へ流入する。これにより、反応膜に形成された核種変換を施す物質と重水素とを接触させ、凝集系核反応を発生させることが可能となる。
また、本発明の原子力電池は、前記重水素高濃度部が重水素雰囲気とされ、前記重水素低濃度部が重水素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気とされ、前記重水素高濃度部及び前記重水素低濃度部の圧力が同程度とされても良い。これにより、重水素高濃度部と重水素低濃度部との間の重水素濃度差により、重水素が重水素高濃度部から反応膜を透過して重水素低濃度部へと流入する。この場合、反応膜が圧力差に起因する応力を受けて損傷するのを防止することが出来る。
上記の原子力電池において、前記重水素供給手段が、前記排気手段により前記重水素低濃度部から排気された重水素を、前記重水素高濃度部に循環させて供給することが好ましい。上記構成によれば、反応膜を透過した未反応の重水素を、排気手段により排気して重水素高濃度部に循環させて供給するので、重水素を効率良く使用することが出来る。
上記の原子力電池は、前記重水素高濃度部の圧力が一定になるように重水素の供給量を制御する制御手段を備えることができる。
上記の原子力電池において、前記電極板が、複数の導電板が絶縁板により互いに隔離され、前記複数の導電板が配線により直列に接続される構成とされても良い。これにより、高電圧にて電流を得ることが出来る。
以上のように、本発明の原子力電池は、凝集系核反応で発生した荷電粒子により発電させることができる。凝集系核反応では、γ線等の有害な放射線が発生せず、放射線遮蔽材を設置する必要が無い。従って、保守管理が容易であり、反応制御が容易な原子力電池となる。本発明の原子力電池は特殊用途のみに限定されず、汎用用途にも適する。
以下に、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原子力電池の概略図である。原子力電池10は、容器12内に重水素高濃度部13と重水素低濃度部14とを備える。重水素高濃度部13と重水素低濃度部14は、反応膜11によって分割されている。反応膜11は、パラジウム(Pd)またはPd合金、あるいは、Pd以外の水素吸蔵金属(例えばTiなど)またはこれらの合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とを有する構造体と、核種変換を施す物質からなる核種変換物質層とで形成されている。反応膜11は、重水素高濃度部13と重水素低濃度部14とを両側から挟みこむようにして配置され、重水素高濃度部13及び重水素低濃度部14は、容器12及び反応膜11により気密保持可能とされる。重水素高濃度部13には重水素供給手段としてボンベ15が接続されており、外部から重水素(D2O)ガスが供給されるようになっている。重水素低濃度部14には排気手段としてポンプ16が接続され、内部が真空または低圧の重水素ガス雰囲気に保持される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原子力電池の概略図である。原子力電池10は、容器12内に重水素高濃度部13と重水素低濃度部14とを備える。重水素高濃度部13と重水素低濃度部14は、反応膜11によって分割されている。反応膜11は、パラジウム(Pd)またはPd合金、あるいは、Pd以外の水素吸蔵金属(例えばTiなど)またはこれらの合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とを有する構造体と、核種変換を施す物質からなる核種変換物質層とで形成されている。反応膜11は、重水素高濃度部13と重水素低濃度部14とを両側から挟みこむようにして配置され、重水素高濃度部13及び重水素低濃度部14は、容器12及び反応膜11により気密保持可能とされる。重水素高濃度部13には重水素供給手段としてボンベ15が接続されており、外部から重水素(D2O)ガスが供給されるようになっている。重水素低濃度部14には排気手段としてポンプ16が接続され、内部が真空または低圧の重水素ガス雰囲気に保持される。
反応膜11は、図2(a)に示すように、構造体21と核種変換物質層27とから構成される。構造体21は、重水素低濃度部側から重水素高濃度部側に向かって、順に、Pd基板22の表面上に、Pdに対して相対的に仕事関数が低い物質(例えば、CaO)とPdとの混合層23が形成され、この混合層23の表面上にPd表面層24が積層されている。混合層23は、例えば図2(b)に示すように、Pd層25とCaO層26とが交互に積層されても良い。核種変換物質層27は、Pd表面層24上に形成される。
上記の構造体21は、次の工程により形成される。まず、Pd基板22(純度99.5%以上)をアセトン中で所定時間超音波洗浄して脱脂する。そして、真空中(例えば1.33×10−5Pa以下)において、例えば90℃で所定時間(例えば10時間)アニール処理を行う。次いで、アニール処理後のPd基板22を室温にて重王水に所定時間(例えば100秒間)浸漬してエッチング処理を施し、表面の不純物を除去する。
次に、アルゴンイオンビームによるスパッタリング法を用いて、エッチング処理後のPd基板22上に、例えば厚さ100・100−10mのPd層25と厚さ100・10−10mのCaO層26とを交互に積層して、厚さ1000・10−10mの混合層23を成膜する。そして、混合層23の表面上にPd表面層24を厚さ400・10−10mで成膜して、構造体21を形成する。
図2(a)に示すように、構造体21のPd表面層24上に、核種変換を施す物質であるセシウム(Cs)を含む核種変換物質層27が形成される。核種変換物質層27は、CsNO3のD2O希薄溶液(CsNO3/D2O溶液)の電気分解により形成される。具体的には、1mMのCsNO3/D2O溶液を電解液として、陽極に白金電極を接続し、陰極に構造体を接続して、例えば1Vの電圧で10秒間電気分解を行い、構造体のPd表面層の表面上でCsイオンを還元してPd表面層にCsを添加して形成される。
図1に示すように、反応膜11は、重水素高濃度部13と重水素低濃度部14との間に、核種変換物質層27を重水素高濃度部13側に向けるようにして、設置ホルダ(不図示)によって固定される。反応膜11の周囲にセラミックスからなる絶縁体17が配置され、反応膜11は設置ホルダごと周囲と電気的に絶縁されている。また、反応膜11の周囲にはヒータ18が設置されており、反応膜の温度を適宜変更できる。
重水素高濃度部13の内部に、電極板19が反応膜に対向して配置される。電極板19は金属などの導電体の一枚板であっても良い。あるいは、高電圧の電流を得るために、図3に示すような複数の導電板30が絶縁板31により互いに隔離され、導電板30が配線32により直列に接続される構造の電極板29であっても良い。
絶縁体17内側の容器部分と電極板19とにそれぞれ端子20を接続し、電極板19と反応膜11との間に電位差を発生させる。
絶縁体17内側の容器部分と電極板19とにそれぞれ端子20を接続し、電極板19と反応膜11との間に電位差を発生させる。
第1の実施形態において、反応膜11をヒータ18により例えば70℃に加熱した後に、重水素高濃度部13に圧力が1.01325×105Pa以上3.03975×105Pa以下(1気圧以上3気圧以下)となるように、ボンベ15から重水素ガスを供給する。重水素低濃度部14はポンプ16により真空または低圧の重水素雰囲気に保持されているため、重水素高濃度部13と重水素低濃度部14との間で圧力差及び重水素ガス濃度差が生じ、重水素ガスが重水素高濃度部13から反応膜11を透過して重水素低濃度部14に向かう流れが生じる。この時、核種変換物質層27において下記化学式に示す凝集系核反応が発生する。なお、化学式(1)及び(2)において、dは重水素、eは電子、2nはダイニュートロン、νはニュートリノをそれぞれ示している。
化学式(1)に示すように、重水素が電子を捕獲してダイニュートロンが生成し、同時に化学式(2)のようにCsがダイニュートロンと反応し、β−崩壊してプラセオジム(Pr)が生成する。この反応過程で、エネルギ保存則を満たすエネルギを担った荷電粒子が放出される。放出された荷電粒子は、電極板19と反応膜11との間の電位差により電極板19に捕捉され、これにより電流が発生する。
第1の実施形態では、核種変換を施す物質としてCsを用いたが、これに限定されない。例えば、炭素(C)、ストロンチウム(Sr)、ナトリウム(Na)を核種変換を施す物質として用いることが出来る。この場合、それぞれ以下の凝集系核反応が起こり、この過程でエネルギ保存則を満たすエネルギを担った荷電粒子が放出される。なお、C、Sr,Naからなる核種変換物質層を形成する工程は、特許文献1に詳細に記載されている。
上記化学式(2)から(5)に示す反応では、γ線などの有害な放射線は検出されないので、上述の原子力電池では、有害な放射線を遮蔽するための遮蔽材を設置する必要が無く、保守管理も容易となる。また、上記反応式は重水素ガスによって反応が進行し、反応は温度に依存する。従って、重水素ガス供給量や反応膜の温度をパラメータとして反応を制御することが可能である。
図4に、本発明の第2の実施形態に係る原子力電池の概略図を示す。第2の実施形態の原子力電池40は、第1の実施形態と同様に、重水素高濃度部43に重水素ガスが供給され、重水素低濃度部44はポンプ46により真空または低圧の重水素ガス雰囲気に保持される。これにより、重水素高濃度部43と重水素低濃度部44との間で圧力差及び重水素ガス濃度差が発生し、重水素ガスが重水素高濃度部43から反応膜41を透過して重水素低濃度部44へと流入する。このとき、反応膜41上の核種変換物質(例えばCs)が重水素と凝集系核反応を起こし、荷電粒子が放出され、電極板49に捕獲されて発電する。
第2の実施形態では、ポンプ46により重水素低濃度部44から排出し未反応の重水素ガスを、不純物フィルタ51を透過させて重水素ガス中の水蒸気またはハイドロカーボンを吸着させて精製した後、重水素高濃度部43に循環させ供給する構造となっている。従って、第2の実施形態では重水素ガスを効率良く利用することが出来る。
第2の実施形態では、ポンプ46により重水素低濃度部44から排出し未反応の重水素ガスを、不純物フィルタ51を透過させて重水素ガス中の水蒸気またはハイドロカーボンを吸着させて精製した後、重水素高濃度部43に循環させ供給する構造となっている。従って、第2の実施形態では重水素ガスを効率良く利用することが出来る。
本発明の第3の実施形態に係る原子力電池の概略図を図5に示す。第3の実施形態の原子力電池60は、図2の構成の原子力電池に、更に、重水素高濃度部63に圧力計72及びリザーバ65を接続させた構成となっている。リザーバ65は、例えば水素吸蔵合金やボンベなどとされる。重水素低濃度部64からポンプ66により排出された未反応の重水素ガスを、不純物フィルタ71を透過させて精製した後、重水素高濃度部63に循環させて供給するとともに、重水素高濃度部63内の重水素ガス圧を圧力計72により計測して、重水素ガス圧が一定になるようにリザーバ65からの重水素ガス供給量を制御する。
第1の実施形態乃至第3の実施形態に係る原子力電池では、重水素低濃度部が真空または低圧の重水素雰囲気であり、重水素高濃度部が3.03975×105Pa以下であるため、容器12,42,62は、SUS製などの安価な容器とすることが出来るので有利である。
本発明の第4の実施形態に係る原子力電池の概略図を図6に示す。第4の実施形態の原子力電池80では、重水素高濃度部83に重水素ガスを供給し、重水素低濃度部84にアルゴン(Ar)ガスや窒素(N2)ガスなどの不活性ガスを充填し、重水素高濃度部83及び重水素低濃度部84の圧力を、3.03975×105Pa以上のほぼ同程度の圧力に維持する。こうすることで、重水素高濃度部83と重水素低濃度部84との圧力差により反応膜81が損傷するのを防止することが出来る。この場合、容器82は高圧対応の容器とすることが好ましい。
第4の実施形態の原子力電池80において、重水素ガスは、濃度差により重水素高濃度部83から反応膜81を透過して重水素低濃度部84へと流入する。ポンプ86により重水素低濃度部84から排出された重水素ガス及び不活性ガスは、PdまたはPd合金からなる水素透過膜フィルタ91によって重水素ガスと不活性ガスとに分離される。重水素ガスは重水素高濃度部83に循環されて供給され、不活性ガスはバイパスライン92を通じて重水素低濃度部83へと回収される。バイパスライン92に、細管などで圧損をつける、あるいは、逆止弁を設ける、あるいは、定期的に開放するバルブを設けることにより、ポンプの昇圧を維持する。
第4の実施形態において、第3の実施形態と同様に、圧力計及びリザーバを重水素高濃度部に接続させ、重水素高濃度部内の重水素ガス圧が一定となるようにリザーバからの重水素ガス供給量を制御しても良い。
第4の実施形態において、第3の実施形態と同様に、圧力計及びリザーバを重水素高濃度部に接続させ、重水素高濃度部内の重水素ガス圧が一定となるようにリザーバからの重水素ガス供給量を制御しても良い。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10,40,60,80 原子力電池
11,41,61,81 反応膜
12,42,62,82 容器
13,43,63,83 重水素高濃度部
14,44,64,84 重水素低濃度部
15 ボンベ
16,46,66,86 ポンプ
17,47,67,87 絶縁体
18,48,68,88 ヒータ
19,49,69,89 電極板
20,50,70,90 端子
21 構造体
22 Pd基板
23 混合層
24 Pd表面層
25 Pd層
26 CaO層
27 核種変換物質層
51,71 不純物フィルタ
65 リザーバ
72 圧力計
91 水素透過膜フィルタ
92 バイパスライン
11,41,61,81 反応膜
12,42,62,82 容器
13,43,63,83 重水素高濃度部
14,44,64,84 重水素低濃度部
15 ボンベ
16,46,66,86 ポンプ
17,47,67,87 絶縁体
18,48,68,88 ヒータ
19,49,69,89 電極板
20,50,70,90 端子
21 構造体
22 Pd基板
23 混合層
24 Pd表面層
25 Pd層
26 CaO層
27 核種変換物質層
51,71 不純物フィルタ
65 リザーバ
72 圧力計
91 水素透過膜フィルタ
92 バイパスライン
Claims (8)
- 容器と、
パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とを有する構造体と、前記構造体の表面上に接触させられた、核種変換を施す物質を含む核種変換物質層とからなる反応膜と、
該反応膜により前記容器を分割して形成され、前記容器及び前記反応膜により密封可能な閉空間をなす重水素高濃度部及び重水素低濃度部と、
前記重水素高濃度部内に前記反応膜に対向して配置される電極板と、
前記重水素高濃度部に重水素ガスを供給する重水素供給手段と、
前記重水素低濃度部を排気するための排気手段とを備える原子力電池。 - 前記核種変換物質層が、前記構造体の前記重水素高濃度部の側の表面上に接触させられる請求項1に記載の原子力電池。
- 前記構造体が、前記重水素低濃度部の側から前記重水素高濃度部の側に向かって順に、
パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金からなる基材と、
該基材の表面上に形成され、パラジウムまたはパラジウム合金あるいはパラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とからなる混合層と、
該混合層の表面上に形成され、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金からなる表面層とを備えて構成されている請求項1または請求項2に記載の原子力電池。 - 前記重水素高濃度部が重水素雰囲気とされ、前記重水素低濃度部が真空または前記重水素高濃度部よりも低い圧力の重水素雰囲気とされる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原子力電池。
- 前記重水素高濃度部が重水素雰囲気とされ、前記重水素低濃度部が重水素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気とされ、前記重水素高濃度部及び前記重水素低濃度部の圧力が同程度とされる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原子力電池。
- 前記重水素供給手段が、前記排気手段により前記重水素低濃度部から排気された重水素を、前記重水素高濃度部に循環させて供給する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の原子力電池。
- 前記重水素高濃度部の圧力が一定になるように重水素の供給量を制御する制御手段を備える請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の原子力電池。
- 前記電極板が、複数の導電板が絶縁板により互いに隔離され、前記複数の導電板が配線により直列に接続される構成とされる請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の原子力電池。
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002202392A (ja) * | 2000-10-31 | 2002-07-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 核種変換装置及び核種変換方法 |
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2007
- 2007-11-20 JP JP2007300554A patent/JP2009128052A/ja active Pending
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