JP2009126888A - 大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵安定性および希釈安定性に優れた大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物を提供する。
【解決手段】(A)25℃における粘度が500000〜2000000mPa・sであるオルガノポリシロキサンを含む平均粒子径が1〜30μmのラテックス粒子を、分散質として、本成分に対して30〜70質量%含むオルガノポリシロキサンラテックス 100質量部、および(B)非イオン性水溶性増粘剤 0.1〜5.0質量部、を含むオルガノポリシロキサンラテックス組成物。(B)成分としては、非イオン性水溶性セルロースエーテルが好ましく、ヒドロキシエチルセルロースが更に好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、貯蔵安定性および希釈安定性に優れた大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物に関する。
オルガノポリシロキサンエマルジョンは離型剤;コーティング剤;天然繊維、有機繊維、ガラス繊維、ロックウール等の撥水剤;繊維処理剤;平滑剤等広い用途に使用されている。エマルジョン中のオルガノポリシロキサンの粘度が100万mPa・s前後であるオルガノポリシロキサンラテックスは、有機繊維及び無機繊維の撥水剤として特に有用である。オルガノポリシロキサンラテックスは、安定性や高重合度化等を考慮すると、乳化重合により平均粒子径が0.3μm以下の小粒径化したラテックス粒子を有するラテックスとして得ることができる。
このような乳化重合物の製法としては、例えば、オルガノポリシロキサン(環状シロキサン(3〜6量体))を強酸または強アルカリを重合触媒として重合する方法(特許文献1)、オルガノポリシロキサンを乳化させ、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、脂肪族スルホン酸、シリルアルキルスルホン酸等を重合触媒として重合する方法(特許文献2〜4)、塩型界面活性剤水溶液中にオルガノポリシロキサンの3〜6量体を乳化分散させ、この分散系にイオン交換樹脂を添加して前記塩型界面活性剤のイオン交換を行って重合する方法(特許文献5)などが挙げられる。これらの製造法にて調製されたオルガノポリシロキサンラテックスは貯蔵安定性、機械的安定性、希釈安定性に優れている。
一方、大きなサイズのラテックス粒子を有するオルガノポリシロキサンラテックスの製造法としては、両末端にシラノール基を有するシロキサンオリゴマーと非イオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤と水とを撹拌またはせん断することにより、平均粒径が1μm以上の分散粒子を有するエマルジョンを得、ジアルキルベンゼンスルホン酸、ジアルキルナフタレンスルホン酸等の縮合特異的酸触媒を用いて縮重合を行って所望の粘度のラテックスを得る方法が提案されている(特許文献6)。特許文献6の実施例1では、ガラス瓶中で両末端にシラノール基を有するシロキサンオリゴマーにジアルキルベンゼンスルホン酸および脱イオン水を添加して、この中に超音波発生機のプロ−ブを取り付けて、1分間せん断して乳化させ、分散粒子の粒径が1.9μm、抽出されたシロキサンポリマーの粘度が730000mPa・sのオルガノポリシロキサンラテックスを得ている。実施例5では電気ミキサーと高圧ホモジナイザーで分散粒子の粒径が2.8μmのエマルジョンを調製し、縮合特異的酸触媒としてジノニルナフタレンスルホン酸を使用している。また、実施例7では、電気ミキサー単独で粒径135μmの分散粒子を有するエマルジョンを調製して、ジノニルナフタレンスルホン酸を縮合特異的酸触媒として用いて、抽出されたシロキサンポリマーの粘度が29300mPa・sのオルガノポリシロキサンのエマルジョンを得ている。さらに、実施例8では、少量のトリアルコキシシランを導入した粒径が3.8μmのラテックス粒子を有するオルガノポリシロキサンラテックスを調製している。しかし、特許文献6には、高速回転せん断型攪拌機を用いてエマルジョンを調製することは何ら記載されていない。
一般に、平均粒径が1μm以上の大粒径オルガノポリシロキサンのエマルジョンの貯蔵安定性は著しく悪く、数日で分離してしまう。このように、大粒径オルガノポリシロキサンラテックスは貯蔵安定性が非常に乏しいという問題があり、貯蔵安定性が改良されたオルガノポリシロキサンラテックスが望まれている。
また、化粧品用組成物、建材用組成物等の用途において、組成物の貯蔵安定性改良や分離防止のために各種の増粘剤を配合することが多数提案されている。濃化化粧品組成物に関する特許文献7は、低pHで有効な新規な増粘剤組成物を提供する。高流動コンクリート配合組成物に関する特許文献8は、材料分離抵抗性に優れた高流動性コンクリートを提供する。建材用組成物のための増粘剤系に関する特許文献9は、新規のポリアクリルアミド不含増粘剤系を提供する。アミノシリコーンと増粘剤を含有する化粧品用組成物及びその用途に関する特許文献10は、毛髪の光沢や皮膚の柔軟性を改善する増粘剤含有組成物を提供する。
特公昭34−2041号公報 特公昭41−13995号公報 ベルギー特許第686812号明細書 米国特許第3360491号明細書 特公昭54−19440号公報 特開2001-40091号公報 特開平8-53322号公報 特開平9-20540号公報 特開平9-165468号公報 特開2006-282674号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、貯蔵安定性および希釈安定性に優れた大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の目的を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、平均粒子径が1〜30μmである所定のラテックス粒子を分散質として含む大粒径オルガノポリシロキサンラテックスと非イオン性水溶性増粘剤とを含む大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物は貯蔵安定性、希釈安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(A)25℃における粘度が500000〜2000000mPa・sであるオルガノポリシロキサンを含む平均粒子径が1〜30μmのラテックス粒子を、分散質として、本成分に対して30〜70質量%含むオルガノポリシロキサンラテックス 100質量部、および
(B)非イオン性水溶性増粘剤 0.1〜5.0質量部
を含むオルガノポリシロキサンラテックス組成物を提供する。
本発明によれば、大粒径オルガノポリシロキサンラテックスと非イオン性水溶性増粘剤、中でも非イオン性水溶性セルロースエーテル、特にヒドロキシエチルセルロースとを含み、貯蔵安定性、希釈安定性に優れた大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物が得られる。本発明の大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物は、離型剤、コーティング剤、繊維処理剤、樹脂改質剤等として有用である。
以下に本発明につき更に詳しく説明する。なお、本明細書では、平均粒子径が1μm以上のラテックス粒子を含むオルガノポリシロキサンラテックスを大粒径オルガノポリシロキサンラテックスという。
[(A)オルガノポリシロキサンラテックス]
(A)成分のオルガノポリシロキサンラテックスは、25℃における粘度が500000〜2000000mPa・sであるオルガノポリシロキサンを含む平均粒子径が1〜30μmのラテックス粒子を、分散質として、本成分に対して30〜70質量%含むオルガノポリシロキサンラテックスである。(A)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(A)成分中に存在するラテックス粒子の平均粒子径は、通常、1〜30μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは1〜10μmである。本発明において、平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、株式会社堀場製作所製)を用いて測定され、累積分布の50%に相当する体積基準の平均粒子径である。
(A)成分中に存在するラテックス粒子に含まれるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、通常、500000〜2000000mPa・sである。この粘度の測定には、(A)成分のオルガノポリシロキサンラテックスに同質量のイソプロピルアルコールを加えてオイル成分を抽出し、該オイル成分を乾燥させて得られたオルガノポリシロキサンを用いる。本発明において、25℃における粘度は、100000mPa・s未満の範囲ではBM型粘度計(株式会社東京計器製)により測定した値であり、100000mPa・s以上の範囲ではBH型粘度計(株式会社東京計器製)により測定した値である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンラテックスは、上記のラテックス粒子を(A)成分に対して、通常、30〜70質量%含む。該ラテックス粒子の含有量は、(A)成分を乾燥させて得られた不揮発分の質量の(A)成分全体の質量に対する割合として測定される。なお、(A)成分においてラテックス粒子以外の残りの成分は、通常、水であるが、本発明の目的を損なわない範囲で、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、pH調整剤等のその他の成分を含んでいてもよい。
(A)成分そのものの25℃における粘度は、本発明組成物の貯蔵安定性および水による希釈性から、好ましくは5〜100mPa・s、より好ましくは5〜50mPa・sである。
(A)成分のオルガノポリシロキサンラテックスとしては、例えば、
(a)下記一般式(1):
H−[O−Si(R)-OH (1)
(式中、Rは独立に非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、nは25℃における粘度が50〜5000mPa・sとなる数である。)
で示され、かつ、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1質量%以下である両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、(b)官能基含有オルガノアルコキシシランと、(c)アニオン性界面活性剤と、(d)水とを、高速回転せん断型攪拌機を用いて、3,000〜6,000rpmの回転数で乳化させて、平均粒子径が1〜30μmのエマルジョン粒子を分散質として含むエマルジョンを調製し、
20℃以下の温度で該エマルジョンに酸性触媒を添加して乳化重合を行い、乳化重合物を得、
得られた乳化重合物を中和する
ことにより得られたオルガノポリシロキサンラテックスが挙げられる。
<(a)両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン>
上記式(1)中、Rは独立に非置換または置換の炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;それらの水素原子の一部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換したハロアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、工業的な観点から、メチル基、エチル基が好ましく、上記式(1)中の全Rの90〜100モル%がメチル基であることがより好ましく、上記式(1)中の全Rがメチル基であることが特に好ましい。
上記式(1)中、nは、乳化の容易さ及び製造時の取り扱いのしやすさの観点から、(a)成分の25℃における粘度が、通常、50〜5000mPa・s、好ましくは50〜2500mPa・s、さらに好ましくは50〜1000mPa・sとなる数である。
(a)成分のオルガノポリシロキサンにおいて、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量は、通常、1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下である。該含有量が1質量%より多い場合には、縮重合後に得られるオルガノポリシロキサンラテックス中のオクタメチルシクロテトラシロキサン含有量が1質量%を超えてしまい、ラテックス使用時あるいは使用後にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性低分子シロキサンによる作業環境汚染が発生する場合がある。
(a)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、
H−[O−Si(CH40−OH
H−[O−Si(CH200−OH
H−[O−Si(CH250−OH
H−[O−Si(CH300−OH
等の式で示され、かつ、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1質量%以下である両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。(a)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<(b)官能基含有オルガノアルコキシシラン>
(b)成分の官能基含有オルガノアルコキシシラン中の官能基としては、例えば、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メルカプト基、ビニル基、スチリル基、エポキシ基、クロロプロピル基、スルフィド基等、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、好ましくはメタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メルカプト基、ビニル基、スチリル基、またはこれらの組み合わせである。
(b)成分の官能基含有オルガノアルコキシシランとしては、例えば、メタクリロイルオキシ基含有オルガノアルコキシシラン、アクリロイルオキシ基含有オルガノアルコキシシラン、メルカプト基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、スチリル基含有オルガノアルコキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、クロロプロピル基含有オルガノアルコキシシラン、スルフィド基含有オルガノアルコキシシラン等が挙げられ、メタクリロイルオキシ基含有オルガノアルコキシシラン、アクリロイルオキシ基含有オルガノアルコキシシラン、メルカプト基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、スチリル基含有オルガノアルコキシシランが好ましい。(b)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
メタクリロイルオキシ基官能オルガノアルコキシシランの具体例としては、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシシランなどが挙げられる。
アクリロイルオキシ基官能オルガノアルコキシシランの具体例としては、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシシランなどが挙げられる。
メルカプト基官能オルガノアルコキシシランの具体例としては、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ビニル基官能オルガノアルコキシシランの具体例としては、ビニルメチルジメトキシシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
スチリル基官能オルガノアルコキシシランの具体例としては、p−スチリルメチルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランなどが挙げられる。
(b)成分の官能基含有オルガノアルコキシシランの配合量は(a)成分のオルガノポリシロキサン100質量部あたり、好ましくは0.1質量部〜20質量部、更に好ましくは1質量部〜10質量部である。該配合量がこの範囲内であると、得られるエマルジョンにおける官能基の寄与をより高く保つことができる一方で、官能基が多くなりすぎないので、得られる大粒径オルガノポリシロキサンラテックス組成物を用いて各種の改質する際により容易に反応制御を行うことができる。
また、(a)成分と(b)成分の合計の割合は(a)〜(d)成分の合計に対して、10〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。この割合が上記範囲内であると、得られるエマルジョン中の固形分の濃度が高くなりすぎないのでエマルジョンをより製造しやすく、経済的にも有利である。
<(c)アニオン性界面活性剤>
(c)成分のアニオン性界面活性剤は、エマルジョン調製のための乳化剤として用いられる。エマルジョン調製の後工程では縮重合触媒として酸性触媒を使用するため、アニオン性界面活性剤は乳化剤として好適に用いることができる。(c)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(c)成分のアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。
アルキル硫酸エステル塩としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン等が挙げられ、その具体例としては、オクチル硫酸ナトリウム、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
スルホン酸塩としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、N−アシルタウリン塩等が挙げられ、その具体例としては、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル硫酸エステル塩が好ましく、更にその中でも、ラウリル硫酸ナトリウムが特に好ましい。
(c)成分のアニオン性界面活性剤の配合量は、(a)〜(d)成分の合計に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。該配合量がこの範囲内であると、得られるエマルジョンの安定性が充分となりやすく、また、得られるラテックスの耐熱性をより高く維持できると共に、経済的にも有利である。
<(d)水>
(d)成分の水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、脱イオン水等の純水が挙げられる。(d)成分の配合量は、上記の配合量で配合した(a)〜(c)成分と(d)成分との合計が100質量%となる量である。
<エマルジョンの調製>
乳化は、(a)〜(d)成分を、ホモミキサー、ホモディスパー、コロイドミルなどの高速回転せん断型攪拌機を用いて攪拌することにより行われる。(a)〜(d)成分は同時に撹拌してもよいし、転相工程として(a)〜(c)成分および(d)成分の水の一部(転相水)を撹拌した後に、希釈工程として残りの(d)成分(希釈水)を添加して更に撹拌してもよい。高速回転せん断型攪拌機の回転数、(c)成分の量、転相水の量等を制御することにより、平均粒子径が1〜30μmのエマルジョン粒子を分散質として含むエマルジョンを調製することができる。エマルジョン粒子の平均粒子径は、得ようとするオルガノポリシロキサンラテックス中のラテックス粒子の平均粒子径に応じて調整され、通常、1〜30μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは1〜10μmである。
高速回転せん断型攪拌機の可能な回転数は、通常、1,000〜6,000rpm、より典型的には2,000〜5,000rpmの範囲にある。上記のとおり転相工程と希釈工程の二段階で攪拌を行なう場合、転相工程における回転数としては、3,000rpm以上6,000rpm以下、好ましくは4,000〜5,000rpmが挙げられ、希釈工程における回転数としては、例えば、1,000rpm以上3,000rpm未満、好ましくは1,000〜2,000rpmが挙げられる。なお、後続する諸工程、即ち、乳化重合工程、中和工程においても、通常、攪拌を行うが、それは反応原料の混合を目的とするものであって、高度のせん断力を反応液に与える必要はない。したがって、これらの諸工程における回転数は上記の希釈工程における回転数と同程度でよい。
高速回転せん断型攪拌機による攪拌の時間は、特に限定されないが、例えば、20〜60分程度でよい。また、転相工程と希釈工程の二段階で攪拌を行なう場合、転相工程における攪拌時間は、例えば、10〜30分程度でよく、希釈工程における攪拌時間は、例えば、10〜30分程度でよい。
転相水の量としては、(a)成分と(b)成分の合計の割合が(a)〜(c)成分および転相水の合計に対して、例えば、15〜30質量%、好ましくは20〜25質量%となる量が挙げられる。
<乳化重合>
乳化重合は、上記のとおりに調製されたエマルジョンを20℃以下の温度まで冷却し、その温度で該エマルジョンに酸性触媒を添加することにより行われる。酸性触媒は、(b)成分を硬化剤とする(a)成分の縮重合反応を促進する縮重合触媒として作用する。
酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの酸性物質が挙げられる。酸性触媒は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乳化重合の時間は、好ましくは20〜60時間、より好ましくは30〜50時間である。乳化重合の時間がこの範囲内であると、縮重合反応が充分に進行するため、ラテックスが充分に形成され、該ラテックスに含まれるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が500000〜2000000mPa・sの範囲となりやすい。また、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンの生成がより有効に抑制される。
乳化重合の温度は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン生成が有効に抑制されるよう、通常、20℃以下、好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜10℃である。
酸性触媒の配合量は、(a)〜(d)成分の合計に対して、(c)成分のアニオン性界面活性剤の配合量と同程度の0.1〜10質量%でよいが、得られるラテックスの粘度とオクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンの生成の抑制とのバランスから、より好ましくは0.5〜5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2質量%の範囲である。
乳化重合は、(b)成分の官能基含有オルガノアルコキシシランの部分加水分解縮合物、(b)成分に含まれるものと同一の官能基を含有するシロキサン単位を有するオルガノシロキサンオリゴマーを、本発明の目的を損なわない範囲で添加して行ってもよい。
<中和>
乳化重合で得られた乳化重合物の中和は、該乳化重合物にトリエタノールアミン、アンモニア等のアミン系物質あるいは炭酸ナトリウム等の中和剤を添加してpHを4〜9に調整することにより行われる。中和剤は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[(B)非イオン性水溶性増粘剤]
(B)成分の非イオン性水溶性増粘剤は、(A)成分のオルガノポリシロキサンラテックスに分離抵抗性を付与させるために、本発明のオルガノポリシロキサンラテックス組成物に配合され、均一に溶解される。これにより、該組成物には必要なレオロジー特性が付与される。(B)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
イオン性水溶性増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム等のイオン性水溶性セルロースエーテルは、(A)成分のオルガノポリシロキサンラテックス中のアニオン性界面活性剤と中和剤とからなる中和塩の影響を受けやすく、貯蔵安定性の改善効果が低い。これに対して、(B)成分の非イオン性水溶性増粘剤は、このような中和塩の影響を受けにくいため、貯蔵安定性の改善効果が十分である。
(B)成分の非イオン性水溶性増粘剤としては、例えば、各種のセルロース(例えば、非イオン性水溶性セルロースエーテル)、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、澱粉、増粘多糖類等の水溶性高分子が挙げられる。これらの中で、(A)成分への分離抵抗性付与、即ち、本発明組成物の貯蔵安定性の改善に有効であることから、特に非イオン性水溶性セルロースエーテルが好ましい。
非イオン性水溶性セルロースエーテルとしては、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースなどが挙げられる。アルキルセルロースとしては、例えば、メチルセルロース(MC)などが挙げられる。ヒドロキシアルキルセルロースとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などが挙げられる。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)などが挙げられる。これらの中でヒドロキシアルキルセルロースが好ましく、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
(B)成分の粘度は特に限定されないが、1質量%水溶液の25℃における粘度が500〜10000mPa・sであることが望ましい。該粘度がこの範囲内であると、本発明組成物は、貯蔵安定性および水による希釈性が更に向上する。
(B)成分の配合量は、本発明組成物の貯蔵安定性および水による希釈性から、(A)成分の大粒径オルガノポリシロキサンラテックス100質量部に対して、通常、0.1〜5.0質量部であり、特に好ましくは0.5〜2.0質量部である。
[組成物の調製]
本発明の組成物は、(A)成分と(B)成分とを上記の高速回転せん断型攪拌機で撹拌し混合することにより調製することができる。高速回転せん断型攪拌機を用いて本発明組成物を調製する場合、高速回転せん断型攪拌機の回転数としては、例えば、1,000〜4,000rpm、好ましくは2,000〜3,000rpmが挙げられる。
本発明組成物の25℃における粘度は、貯蔵安定性と水による希釈性のバランスの点から、好ましくは500〜10000mPa・s、より好ましくは1000〜5000mPa・sである。
本発明組成物中に存在する粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μm、更により好ましくは1〜10μmである。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
下記式(2):
H−[O−Si(CH40―OH (2)
で示され、かつ、オクタメチルシクロテトラシロキサン(以下、「D4」という。)含有量が0.60質量%である両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(粘度(25℃):61mPa・s)490gと、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン10gとの混合物を2リットルのポリエチレン製ビーカーに仕込み、10質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液(商品名:ニッコール(登録商標)SLS、日光ケミカルズ製、ラウリル基:100%、純度:99.9%以上)25g及び転相水(イオン交換水)75gを加え、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、PRIMIX製)により5,000rpmで10分間撹拌して転相させ、十分に練り込みを行った。その後、希釈水(イオン交換水)166gを加えて、1,500rpmで30分間撹拌して希釈した。得られたエマルジョン中に存在するエマルジョン粒子の平均粒子径をレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置LA-920(商品名、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、7.5μmであった。得られたエマルジョンを5℃の低温恒温器中に12時間放置したところ、エマルジョンの温度は6℃となった。その温度のまま、このエマルジョンに酸性触媒として50質量%メタンスルホン酸40gを投入し、上記のホモミキサーにより1,000rpmで緩やかに攪拌して、40時間乳化重合を行った。得られた乳化重合物に20質量%トリエタノールアミン194gを加えて、上記のホモミキサーにより1,000rpmで緩やかに攪拌してpH7に調整したところ、平均粒子径7.5μmのラテックス粒子を含む乳白色のラテックスを得た。
このラテックスは、105℃で3時間乾燥させて得られた不揮発分が乾燥前のラテックスに対して53.5質量%であった。また、このラテックスの25℃における粘度は30mPa・sであった。このラテックスは25℃で1日放置したところ分離した。このラテックス200gにイソプロピルアルコール200gを加えて、オイル成分の抽出を行い、高粘度なオルガノポリシロキサンを得た。このオルガノポリシロキサンの乾燥後(105℃×3時間)の25℃における粘度は1500000mPa・sであった。
次に、上記のラテックス100質量部に増粘剤として非イオン性水溶性セルロースエーテルであるヒドロキシエチルセルロース(Tylose H4000YG4、1.9質量%水溶液の25℃における粘度:6000mPa・s、SE Tylose社製)を0.5質量部添加して、上記のホモミキサーにより2000〜3000rpmで20分間撹拌し溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物A」(25℃における粘度:1900mPa・s)を得た。このとき、泡立ちがほとんどなかった。ラテックス組成物A中に存在する粒子の平均粒子径は9.7μmであった。ラテックス組成物Aの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、ヒドロキシエチルセルロースの添加量を0.5質量部から1.0質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、乳白色の「ラテックス組成物B」(25℃における粘度:7000mPa・s)を得た。このとき、泡立ちはほとんどなかった。ラテックス組成物B中に存在する粒子の平均粒子径は10μmであった。ラテックス組成物Bの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1で調製したオルガノポリシロキサンラテックス100質量部に増粘剤としてヒドロキシエチルセルロース(Tylose E60505、1.9質量%水溶液の25℃における粘度:1500mPa・s、SE Tylose社製)を0.5質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物C」(25℃における粘度:900mPa・s)を得た。このとき、泡立ちはほとんどなかった。ラテックス組成物C中に存在する粒子の平均粒子径は10μmであった。ラテックス組成物Cの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例3において、ヒドロキシエチルセルロースの添加量を0.5質量部から1.0質量部に変更した以外は実施例3と同様にして、乳白色の「ラテックス組成物D」(25℃における粘度:4000mPa・s)を得た。このとき、泡立ちはほとんどなかった。ラテックス組成物D中に存在する粒子の平均粒子径は10μmであった。ラテックス組成物Dの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1で調製したオルガノポリシロキサンラテックス100質量部に増粘剤としてヒドロキシエチルセルロース(NATROSOL 250KR、2.0質量%水溶液の25℃における粘度:2000mPa・s、HERCULES社製)を1.0質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物E」(25℃における粘度:5800mPa・s)を得た。このとき、泡立ちはほとんどなかった。ラテックス組成物E中に存在する粒子の平均粒子径は11μmであった。ラテックス組成物Eの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1において、実施例1で用いた両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン490gを下記式(3):
H−[O−Si(CH300−OH (3)
で示され、かつ、D4含有量が0.25質量%である両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(粘度(25℃):1450mPa・s)490gに変更し、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン10gを3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン10gに変更した以外は実施例1と同様にして、平均粒子径7.7μmのラテックス粒子を含む乳白色のラテックスを得た。
このラテックスは、105℃で3時間乾燥させて得られた不揮発分が乾燥前のラテックスに対して54.0質量%であった。また、このラテックスの25℃における粘度は35mPa・sであった。このラテックスは25℃で1日放置したところ分離した。このラテックス200gにイソプロピルアルコール200gを加えて、オイル成分の抽出を行い、高粘度なオルガノポリシロキサンを得た。このオルガノポリシロキサンの乾燥後(105℃×3時間)の25℃における粘度は1700000mPa・sであった。
次に、上記のラテックス100質量部に増粘剤としてヒドロキシエチルセルロース(Tylose H4000YG4、1.9質量%水溶液の25℃における粘度:6000mPa・s、SE Tylose社製)を0.5質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物F」(25℃における粘度:2200mPa・s)を得た。このとき、泡立ちはほとんどなかった。ラテックス組成物F中に存在する粒子の平均粒子径は10μmであった。ラテックス組成物Fの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1において、転相水(イオン交換水)の添加量を75gから100gに変更し、希釈水(イオン交換水)の添加量を166gから141gに変更したい以外は実施例1と同様にして、平均粒子径13μmのラテックス粒子を含む乳白色のラテックスを得た。
このラテックスは、105℃で3時間乾燥させて得られた不揮発分が乾燥前のラテックスに対して54.0質量%であった。また、このラテックスの25℃における粘度は25mPa・sであった。このラテックスは25℃で1日放置したところ分離した。このラテックス200gにイソプロピルアルコール200gを加えて、オイル成分の抽出を行い、高粘度なオルガノポリシロキサンを得た。このオルガノポリシロキサンの乾燥後(105℃×3時間)の25℃における粘度は510000mPa・sであった。
次に、上記のラテックス100質量部に増粘剤としてヒドロキシエチルセルロース(Tylose H4000YG4、1.9質量%水溶液の25℃における粘度:6000mPa・s、SE Tylose社製)を0.5質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物G」(25℃における粘度:1900mPa・s)を得た。このとき、泡立ちはほとんどなかった。ラテックス組成物G中に存在する粒子の平均粒子径は14μmであった。ラテックス組成物Gの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例1で調製したオルガノポリシロキサンラテックス100質量部に増粘剤として非イオン性水溶性セルロースエーテルであるメチルセルロース(SM-400、2.0質量%水溶液の25℃における粘度:450mPa・s、信越化学工業社製)を1.0質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物H」(25℃における粘度:6100mPa・s)を得た。このとき、泡立ちが確認された。ラテックス組成物H中に存在する粒子の平均粒子径は10μmであった。ラテックス組成物Hの物性と評価結果を表1に示す。
<実施例9>
実施例1で調製したオルガノポリシロキサンラテックス100質量部に増粘剤として非イオン性水溶性セルロースエーテルであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(60SH1500、2.0質量%水溶液の25℃における粘度:1500mPa・s、信越化学工業社製)を0.5質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物I」(25℃における粘度:3500mPa・s)を得た。このとき、泡立ちが確認された。ラテックス組成物I中に存在する粒子の平均粒子径は11μmであった。ラテックス組成物Iの物性と評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1で調製したオルガノポリシロキサンラテックス100質量部に増粘剤としてイオン性水溶性増粘剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンF-SA、2.0質量%水溶液の25℃における粘度:750mPa・s、第一工業製薬社製)を1.0質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物J」(25℃における粘度:4800mPa・s)を得た。ラテックス組成物J中に存在する粒子の平均粒子径は6.5μmであった。ラテックス組成物Jの物性と評価結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1で調製したオルガノポリシロキサンラテックス100質量部に増粘剤としてイオン性水溶性増粘剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンF-AG、2.0質量%水溶液の25℃における粘度:1300mPa・s、第一工業製薬社製)を1.0質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物K」(25℃における粘度:8100mPa・s)を得た。ラテックス組成物K中に存在する粒子の平均粒子径は6.8μmであった。ラテックス組成物Kの物性と評価結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1で調製したオルガノポリシロキサンラテックス100質量部に増粘剤としてイオン性水溶性増粘剤であるアルギン酸ナトリウム(キミツアルギンIS、1.0質量%水溶液の25℃における粘度:1000mPa・s、君津化学工業社製)を0.5質量部添加して、実施例1と同一の条件で溶解させて、乳白色の「ラテックス組成物L」(25℃における粘度:5000mPa・s)を得た。ラテックス組成物L中に存在する粒子の平均粒子径は7.0μmであった。ラテックス組成物Lの物性と評価結果を表1に示す。
<評価方法>
・外観
ラテックス組成物100gを200mlのビーカーに取り、目視にて、外観および表面状態を下記の基準により評価した。
○:外観は乳白色であり、表面状態は均一であった。
△:外観は乳白色であり、表面状態が均一な場所と均一でない場所が混在していた。
×:外観は乳白色であり、表面状態が均一な場所は存在しなかった。
・貯蔵安定性
ラテックス組成物100gを透明な100mlの広口ガラス瓶に取り、密閉して、50℃の恒温槽に30日間静置保存した後、上層と下層の不揮発分の量を測定して、下記の基準により貯蔵安定性を評価した。なお、上層と下層の不揮発分の量に差があった場合に濃淡分離が確認されたと評価した。また、不揮発分は、上層または下層を105℃で3時間乾燥させることによって得た。
○:全く濃淡分離が認められず、ラテックスの外観変化、粘度変化が殆どなかった。
△:わずかに濃淡分離が確認された
(上層と下層の不揮発分の量の差が0質量%を超え1.0質量%以内)。
×:下層に水のみが分離した。
・希釈安定性
ラテックス組成物40gを透明な100mlの広口ガラス瓶に取り、イオン交換水60gを入れて(これによりオルガノポリシロキサンは約20質量%まで希釈された。)密閉した。これを振とう機にて200rpm×5分間の条件で振とうして、下記の基準により希釈性および希釈安定性を評価した。
○:均一に希釈することができ、振とう停止後も分離せず安定性がよかった。
△:均一に希釈することができず、ガラス瓶の底にラテックスが残っていた。
×:全く希釈できなかった。
Figure 2009126888

表中、平均粒子径とは、ラテックス組成物中に存在する粒子の平均粒子径を表す。

Claims (6)

  1. (A)25℃における粘度が500000〜2000000mPa・sであるオルガノポリシロキサンを含む平均粒子径が1〜30μmのラテックス粒子を、分散質として、本成分に対して30〜70質量%含むオルガノポリシロキサンラテックス 100質量部、および
    (B)非イオン性水溶性増粘剤 0.1〜5.0質量部
    を含むオルガノポリシロキサンラテックス組成物。
  2. 前記(A)成分が、
    (a)下記一般式(1):
    H−[O−Si(R)−OH (1)
    (式中、Rは独立に非置換または置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基であり、nは25℃における粘度が50〜5000mPa・sとなる数である。)
    で示され、かつ、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が1質量%以下である両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、(b)官能基含有オルガノアルコキシシランと、(c)アニオン性界面活性剤と、(d)水とを、高速回転せん断型攪拌機を用いて、3,000〜6,000rpmの回転数で乳化させて、平均粒子径が1〜30μmのエマルジョン粒子を分散質として含むエマルジョンを調製し、
    20℃以下の温度で該エマルジョンに酸性触媒を添加して乳化重合を行い、乳化重合物を得、
    得られた乳化重合物を中和する
    ことにより得られたオルガノポリシロキサンラテックスである請求項1に係る組成物。
  3. 前記(B)成分が非イオン性水溶性セルロースエーテルである請求項1または2に係る組成物。
  4. 前記非イオン性水溶性セルロースエーテルがヒドロキシエチルセルロースである請求項3に係る組成物。
  5. 上記一般式(1)中の全Rがメチル基である請求項2〜4のいずか1項に係る組成物。
  6. 前記(b)成分中の官能基が、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メルカプト基、ビニル基及びスチリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2〜5のいずれか1項に係る組成物。
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