JP2009121121A - 泥水処理装置及び泥水処理方法 - Google Patents

泥水処理装置及び泥水処理方法 Download PDF

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Akiyuki Watanabe
明之 渡邊
Kazuhiro Saeki
和浩 佐伯
Keiichi Nishiwaki
敬一 西脇
Keisuke Yamada
啓介 山田
Seisuke Kato
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Abstract

【課題】 泥水の細粒分率を所定範囲内で維持して、泥水の品質を一定に保つことが可能な泥水分離装置および泥水分離方法を提供する。
【解決手段】 本発明の泥水処理装置10は、場所打ち杭工法の循環槽73において泥水の細粒分率を制御するための泥水処理装置10であって、循環槽73内に対向して配置される少なくとも1組の電極11a、11bと、循環槽73内の泥水の細粒分率を検出するための比重計12aおよび粘度計12bと、電極11bの位置を移動させる電極位置移動部16と、細粒分率が目標値より大きいときに、細粒分率を所定範囲に収めるべく、電極に電流を印加して、電極位置移動部16により電極の位置を調整して、細粒分の凝集量を制御する細粒分率制御部13と、を備えることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、場所打ち杭工法の施工時に、掘削孔に充填される泥水から土砂を除去し、泥水を再度掘削穴に注入する処理を行う循環槽において用いられる、泥水の細粒分率を制御するための泥水処理装置および泥水処理方法に関する。
場所打ち杭工法とは、杭基礎工法の一つであり、地盤を掘削した後に鉄筋かごを挿入し、コンクリートを打設することにより、地中に杭を造成する工法である。場所打ち杭工法の代表的なものとして、ベントナイトやCMCなどを混合した人工泥水(安定液)または自然泥水(清水)を掘削孔に充填して、孔壁の保護を行うとともに、泥水循環により掘削土砂の排出を行うための泥水プラントを利用するものがある。このような工法の代表的なものに、アースドリル工法やリバース工法がある。
図7に、従来の泥水プラントの一例を示す。図7を参照すると、清水槽71に溜められた清水が、作泥槽72においてベントナイトやCMCを混合されて、杭を掘削するときに使用される新たな泥水(新液)となる。新液は、循環槽73において、掘削孔74から吸い上げられ土砂分を除去された泥水に適宜追加される。
杭掘削に使用され、掘削土砂を含んだ泥水は、掘削孔74から循環槽73に吸い上げられ、サイクロンや振動ふるい機など75を利用して土砂が除去される。除去された土砂は残土槽76に溜められる。泥水から土砂を除去する他の手法としては、例えば、杭穴掘削時に生じた泥水を回転多孔筒により固液分離し、分離水の溢水を掘削水に再利用する手法(特許文献1)や、掘削残土を振動スクリーンによって残土と循環泥水とに分離して、この循環泥水を掘削安定液として利用する手法(特許文献2)などが提案されている。また、凝集剤を投入して泥水から細粒分(粒径75μm以下)を除去する手法(特許文献3)も行われている。
泥水が循環槽73を介して杭掘削に繰り返し使用されると、サイクロンや振動ふるい機75では泥水に含まれる細粒分を除去できないので、泥水の細粒分率が高くなってしまう。泥水の細粒分率が高くなると、泥水の粘性が必要以上に高くなってしまい、泥水の品質が劣化してしまう。このため、細粒分率が高く品質が劣化した泥水は、廃液槽77に溜められて廃液処分される。また、掘削作業が終了し、杭体を造成するために掘削孔74にコンクリートが流入される前には、掘削に使用した泥水は、良液槽78に溜められている新たな泥水(良液)と全置換される。コンクリートと泥水が混合されて造成される杭体の品質を悪化させないためである。さらに、コンクリートが掘削孔に流入されると、不要な泥水は回収槽79に回収される。
特開平7−286489号公報 特開昭62−41892号公報 特開平2−184392号公報
場所打ち杭工法においては、掘削孔に充填する泥水の細粒分率が概ね3〜10%程度になるように維持され、泥水の品質が一定に保たれることが望ましい。細粒分率が高すぎると、粘性が大きくなりすぎるために、細粒分が循環槽73のサイクロンや振動ふるい機75に付着して目詰まりが生じて、泥水から土砂を分離する処理の性能が悪化したり、杭体造成時に鉄筋に細粒分が付着することで杭体の強度が落ちることがある。また、細粒分率が少なすぎると、粘性が小さすぎるために、孔壁の保護や掘削土砂の排出がうまくできなくなることがある。
しかしながら、特許文献1および特許文献2のような従来の泥水から土砂を除去する手法では、回転多孔筒や振動スクリーンなど機械要素が、泥水から土砂を分離する具体的な手段として示されるのみである。このような機械要素では、目詰まりの発生などを避けるために、微細な粒子である細粒分を泥水から除去できるほどきめ細かい分離を行うことはできないと考えられる。したがって、特許文献1や特許文献2の手法では、泥水の細粒分率を所定範囲内で維持して、掘削に使用する泥水の品質を一定に保つことは困難である。
また、特許文献3のような凝集剤を用いて泥水から細粒分を除去する手法では、処理する泥水の量や細粒分率に応じて、泥水に投入すべき凝集剤の量が一意に定まらないので、細粒分の除去量の精度が粗くなってしまい、泥水の細粒分率を一定に維持するのは困難である。
そこで本発明は、上記の問題点を解決し、泥水の細粒分率を所定範囲内で維持して、泥水の品質を一定に保つことが可能な泥水分離装置および泥水分離方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の泥水処理装置は、場所打ち杭工法の施工時に、掘削孔に充填される泥水から土砂を除去し、該泥水を再度前記掘削孔に注入する処理を行う循環槽において用いられる、前記泥水の細粒分率を制御するための泥水処理装置であって、前記循環槽内に対向して配置される少なくとも1組の電極と、前記循環槽内の泥水の細粒分率を検出する検出手段と、前記電極の少なくとも一方の位置を移動させる移動手段と、前記検出手段により検出された前記細粒分率が目標値より大きいときに、前記細粒分率を前記目標値と一致させるべく、前記電極に電流を印加して、前記移動手段を動作させて前記電極の位置を調整して、前記電極のうちの正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御する第1の制御手段と、を備えることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、本発明の泥水処理方法は、場所打ち杭工法の施工時に、掘削孔に充填される泥水から土砂を除去し、該泥水を再度前記掘削孔に注入する処理を行う循環槽において実施される、前記泥水の細粒分率を制御するための泥水処理方法であって、前記循環槽内の泥水の細粒分率を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された前記細粒分率が目標値より大きいときに、前記細粒分率を前記目標値と一致させるべく、前記循環槽内に対向して配置される少なくとも1組の電極に電流を印加して、前記電極の少なくとも一方の位置を移動させる移動手段を動作させて前記電極の位置を調整して、前記電極のうちの正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御する第1の制御ステップと、を含むことを特徴としている。
これらの構成により、細粒分率が目標値と一致するように、電流を印加された電極の位置が調整されて、細粒分の凝集量が制御される。これにより、泥水の細粒分率を所定範囲内で維持して、泥水の品質を一定に保つことができる。また、泥水の品質が悪化するのを防ぐことができるので、従来の泥水プラントのように、廃液槽や良液槽など品質悪化した泥水を廃棄したり置換したりする手段が不要となるので、プラントスペースを縮小することができる。さらに、泥水の品質を一定に保つことができるので、この泥水とコンクリートを混合して造成される杭体の品質も一定に保つことができる。
また、本発明の泥水処理装置は、前記泥水の細粒分を粗取りする粗取手段と、前記検出手段により検出された前記細粒分率が所定のしきい値より大きいときに、前記粗取手段を動作させる第2の制御手段と、をさらに備えるのが好適である。
また、本発明の泥水処理方法は、前記検出ステップにおいて検出された前記細粒分率が所定のしきい値より大きいときに、前記泥水の細粒分を粗取りする粗取手段を動作させる第2の制御ステップをさらに含むのが好適である。
これらの構成により、循環槽内の泥水に含まれる細粒分が、電極を利用して凝集できる量より十分に大きい場合に、まず粗取手段によって泥水に含まれる細粒分が大まかに粗取りされる。これにより、電極による細粒分除去処理の負担を軽減させて泥水の細粒分率を短時間で所望の値に制御することができるので、泥水の細粒分率制御を効率良く行うことができる。
また、本発明の泥水処理装置において、第1の制御手段は、前記電極の少なくとも一方を当該電極の対抗面の法線方向に移動させて、前記電極間の距離を変化させることにより、前記正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御するのが好適である。
同様に、本発明の泥水処理装置において、第1の制御手段は、前記電極の少なくとも一方を当該電極の対抗面の接線方向に移動させて、前記電極間の対向面積を変化させることにより、前記正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御するのが好適である。
これらの構成により、電極を対向面の法線方向または接線方向に移動させて、細粒分の凝集量を自在に制御することができるので、細粒分率に応じて適切な量の細粒分を迅速に凝集することができ、泥水の細粒分率を精度良く所定範囲に維持することができる。
また、本発明の泥水処理装置において、第1の制御手段は、前記電極へ印加する電流を反転させて、前記電極の正極電極と負極電極とを切り替えることが好適である。これにより、正極電極に付着した細粒分を簡易に除去することができるので、細粒分を凝集する効率を高めて、所望の細粒分を迅速に凝集することができ、泥水の細粒分率を精度良く所定範囲に維持することができる。
また、本発明の泥水処理装置において、電極の表面が平滑であることが好適である。これにより、電極表面に凝集された細粒分を除去しやすくなるので、細粒分を繰り返し凝集させることができる。
また、本発明の泥水処理装置において、電極の表面が凹凸またはメッシュ状であることが好適である。これにより、電極の表面積が増えるので、一度に多くの細粒分を凝集させることができる。
また、本発明の泥水処理装置において、泥水は、前記循環槽内の前記正極電極の近傍に投入されることが好適である。これにより、泥水中の多くの細粒分が正極電極の近傍に存在することになり、細粒分を効率良く凝集させることができる。
本発明の泥水処理装置及び泥水処理方法によると、細粒分率が目標値と一致するように、電流を印加された電極の位置が調整されて、細粒分の凝集量が制御される。これにより、泥水の細粒分率を所定範囲内で維持して、泥水の品質を一定に保つことができる。また、泥水の品質が悪化するのを防ぐことができるので、従来の泥水プラントのように、廃液槽や良液槽など品質悪化した泥水を廃棄したり置換したりする手段が不要となるので、プラントスペースを縮小することができる。さらに、泥水の品質を一定に保つことができるので、この泥水とコンクリートを混合して造成される杭体の品質も一定に保つことができる。
以下、図面を参照して本発明に係る泥水処理装置の好適な実施形態について説明する。なお、可能な場合には、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に、本実施形態に係る泥水処理装置10の構成を示す。図1に示すように、泥水処理装置10は、場所打ち杭工法の泥水プラント内の循環槽73において用いられる。泥水処理装置10は、掘削孔74から吸い上げられ循環槽73に溜められた泥水の細粒分率を所定範囲内(例えば3〜10%)に維持するように制御する。
泥水処理装置10は、循環槽73内に対向して配置される電極11a、11b、循環槽73に溜められた泥水の比重を検出する比重計(検出手段)12a、泥水の粘度を検出する粘度計(検出手段)12b、現在の泥水の細粒分率に応じて細粒分の凝集量を制御する細粒分率制御部(第1の制御手段、第2の制御手段)13、凝集剤を循環槽73に投与する凝集剤投入部(粗取手段)14、電極11a、11bに電流を印加する電流印加部(第1の制御手段)15、電極11a、11bの少なくとも一方の位置を移動させる電極位置移動部(移動手段)16、を含むように構成される。
電極11a、11bは、一対の板状電極である。電極11a、11bのそれぞれは、互いに正対するように循環槽73内に配置され、電流印加部15から電流を印加されて正極または負極となる。正極となる電極11a、11bの表面には、負電位を帯びている泥水中の細粒分が凝集される。電極11a、11bの寸法や面積は、循環槽73の大きさに応じて決められる。例えば、電極11a、11bは、循環槽73に収まりうる最大の寸法を取られる。循環槽73の典型的な大きさは、約25m(5×2.5×2(m))である。
なお、細粒分が凝集されて正極に付着する量は、電流密度に比例する。電流密度は、「電流×電流印加時間/電極面積」で算出される。同じ電流密度であれば、負極と対向する面積が大きいほど付着量は多くなる。また、電極間の距離が短いほど、電流は大きくなり、細粒分の付着量は大きくなる。また、細粒分の付着量は、掘削地盤の性状、泥水の比重などによっても変化する。本実施形態では、電極間の距離を電極位置移動部16により調整して、細粒分の凝集量を制御することによって、泥水の細粒分率を制御する。
また、電極11a、11bの表面は平滑に加工されており、電流が印加される方向を変えたときなどに表面に凝集された細粒分を容易に除去することができる。電極11a、11bの材質としては、アルミ、亜鉛、鋼、またはメッキ処理した金網を用いるのが好適である。
比重計12aおよび粘度計12bは、循環槽73内に設置され、循環槽73に溜められた泥水の比重および粘度を検出する。検出された比重は、細粒分率制御部13へ送られる。
細粒分率制御部13は、比重計12aおよび粘度計12bで検出された泥水の比重および粘度に応じて現在の細粒分率を算出する。例えば、細粒分率制御部13は、比重および粘度と細粒分率とを関連付けたマップを備えておき、泥水の比重および粘度をキーにして、マップを参照して細粒分率を取得すれば良い。そして、この細粒分率に基づいて、凝集剤投入部14、電流印加部15、および電極位置移動部16を適宜動作させるべく、それぞれに制御指令を送る。具体的には、細粒分率制御部13は、細粒分率が所定のしきい値より大きいときに、泥水中の細粒分を凝集させる凝集剤を循環槽73に投入させて余分な細粒分を泥水から粗取りするべく、凝集剤投入部14に制御指令を送る。また、細粒分率制御部13は、細粒分率が所定範囲(3〜10%)(目標値)より大きいときに、電極11a、11bに所定量の電流を印加させて正極に細粒分を凝集させるべく、電流印加部15に制御指令を送る。さらに、電極11bの位置を移動させて電極に凝集される細粒分の付着量を制御するべく、電極位置移動部16に制御指令を送る。
凝集剤投入部14は、細粒分率制御部13からの制御指令を受け取ると、所定量の凝集剤を泥水に投入する機構である。凝集剤を投入する量は、一定量であっても良いし、細粒分率と所定のしきい値との偏差に応じて変化させても良い。凝集剤による細粒分の凝集量は、電極によるものより大きいので、本実施形態では、電極による細粒分を凝集させる処理ではカバーできない場合に、泥水に凝集剤を投入して余分な細粒分を泥水から粗取りする。
電流印加部15は、細粒分率制御部13からの制御指令を受け取ると、電極11a、11bに対して所定量の電流を印加させる。電流印加部15が電極に印加する電流の方向は、適宜切り替えられる。
電極位置移動部16は、細粒分率制御部13からの制御指令を受け取ると、制御指令に応じて電極11bの位置を移動させる。電極位置移動部16は、例えば、電極11bにモータなどの駆動手段(図示せず)を連結し、この駆動手段を電極11bの移動方向に沿って配置されたレール上を移動させるように構成したり、直動型のステッピングモータで電極11bを移動させるように構成することができる。電極位置移動部16により電極11bの位置を調整することによって、電極11a、11bのうちの正極電極へ泥水の細粒分が凝集して固着する量を制御することができる。
図2に、電極位置移動部16による電極11bの移動の概略を示す。細粒分率制御部13により、電極11bへの細粒分の凝集量を増やすように制御指令が与えられると、電極位置移動部16は、電極11bを基準位置Aより電極11aに近い位置Bに移動させる。これにより、電極11a、11b間に流れる電流が増加するので、電極11bへの細粒分の凝集量が増加する。一方、電極11bへの細粒分の凝集量を減らすように制御指令が与えられると、電極位置移動部16は、電極11bを基準位置Aより電極11aから遠い位置Cに移動させる。これにより、電極11a、11b間に流れる電流が減少するので、電極11bへの細粒分の凝集量が減少する。
なお、本実施形態では、電極位置移動部16は、電極の一方(図1では電極11b)のみを移動させているが、電極11a、11bの両方を移動させるように構成しても良い。
続いて、本実施形態の泥水処理装置10における細粒分率制御について説明する。図3に、泥水処理装置10における細粒分率制御のフローチャートを示す。
細粒分率制御部13が、比重計12aおよび粘度計12bで検出された泥水の比重および粘度に応じて、泥水の細粒分率を算出する(S101)。細粒分率制御部13が、ステップS101で算出した泥水の現在の細粒分率が、所定のしきい値より大きいか否かを確認する(S102)。「所定のしきい値」とは、細粒分率の所定範囲の最大値(例えば10%)よりも大きな値であり、かつ、所定範囲の最大値との偏差が電極間距離を最も近くして細粒分の凝集量を最大としても解消できないほどに大きい値が設定される。現在の細粒分率がしきい値より大きいときには(S102のYES)、ステップS103に移行する。現在の細粒分率がしきい値以下であるときには(S102のNO)、ステップS105に移行する。
ステップS102において、現在の細粒分率がしきい値より大きいと判定されると、細粒分率制御部13は、凝集剤を循環槽73の泥水に投入させる制御指令を凝集剤投入部14に送信し、凝集剤投入部14は、制御指令を受信すると、所定量の凝集剤を泥水に投入する(S103)。凝集剤の投入量は、細粒分率がしきい値を超えるたびに一定量を投入するように設定しても良いし、細粒分率としきい値との偏差に応じて量を調整するように設定しても良い。細粒分率制御部13は、比重計12により検出された泥水の比重に基づき、凝集剤が投入された後の泥水の細粒分率を算出する(S104)。
次に、細粒分率制御部13は、算出した細粒分率が所定範囲内であるか否かを確認する(S105)。本実施形態では、細粒分率は3〜10%が所定範囲として設定されている。細粒分率が所定範囲を超えているとき(S105のNO)、ステップS106に移行する。細粒分率が所定範囲内であるとき(S105のYES)、ステップS109に移行する。
ステップS105において、細粒分率が所定範囲(3〜10%)より大きいと判定されると、細粒分率制御部13が、ステップS104で算出した泥水の現在の細粒分率と、細粒分率の所定範囲との偏差を算出する(S106)。「偏差」は、現在の細粒分率と所定範囲の中間値との間で算出されても良いし、現在の細粒分と所定範囲の最大値または最大値との間で算出されても良い。
次に、細粒分率制御部13が、ステップS106で算出した偏差に応じて、電極位置移動部16への制御指令を設定する。制御指令の設定手法は、例えば、電極11aに対する電極11bの最も近い位置と最も遠い位置との間で、偏差の大きさに比例するように移動位置を決定し、この移動位置に電極11bを移動させるような制御指令を設定する。電極位置移動部16は、制御指令を細粒分率制御部13から受け取ると、制御指令に応じて電極11bの位置を移動させて電極間の距離を調整する(S107)。
そして、細粒分率制御部13が電流印加部15に制御指令を送り、電流印加部15は、制御指令を受け取ると、電極11a、11bに対して所定量の電流を印加させる(S108)。本実施形態では、電極に印加される電流は一定の値である。また、電流印加部15が電極に印加する電流の向きは、細粒分率制御部13から送信された制御指令によって適宜選択される。なお、ステップS106〜S108の処理が既に繰り返し実行されており、電極に電流が印加されている場合には、電流印加をそのまま継続するか、または、正極電極に凝集されている細粒分を除去するために電極に印加する電流の方向を反転させても良い。
細粒分率制御部13は、施工が終了したか否かを確認し(S109)、施工が終了していなければステップS101に戻り、施工が終了していれば処理を終了する。
続いて、本実施形態による泥水処理装置10の作用及び効果について説明する。本実施形態の泥水処理装置10によると、細粒分率が目標値と一致するように、電流印加部15が電極11a、11bに電流を印加し、電極位置移動部16が電極11bの位置を調整して、電極による細粒分の凝集量が制御される。これにより、泥水の細粒分率を所定範囲内で維持して、泥水の品質を一定に保つことができる。
また、本実施形態の泥水処理装置10を泥水プラントの循環槽73に適用することにより、泥水の品質が悪化するのを防ぐことができるので、廃液槽77や良液槽78など品質悪化した泥水を廃棄したり置換したりする手段が不要となる。図4に、本実施形態による泥水処理装置10を適用した泥水プラントの構成を示す。図4に示すように、泥水処理装置10によって、泥水プラントは、清水槽71、作泥槽72、循環槽73、残土槽76、および回収槽79のみで構成できるようになり、プラントスペースを縮小することができる。さらに、泥水の品質を一定に保つことができるので、この泥水とコンクリートを混合して造成される杭体の品質も一定に保つことができる。
また、本実施形態の泥水処理装置10によると、循環槽73内の泥水の細粒分率がしきい値より大きいときには、凝集剤投入部14が凝集剤を泥水に投入して、泥水に含まれる細粒分が大まかに粗取りされる。この構成により、循環槽内の泥水に含まれる細粒分が、電極を利用して凝集できる量より十分に大きい場合に、まず粗取手段によって泥水に含まれる細粒分が大まかに粗取りされる。これにより、電極による細粒分除去処理の負担を軽減させて泥水の細粒分率を短時間で所望の値に制御することができるので、泥水の細粒分率制御を効率良く行うことができる。
また、電極位置移動部16が、現在の細粒分率が所定範囲に収まるように、電極11bを電極11aとの対向面の法線方向に移動させて、細粒分の凝集量を制御する。この構成により、細粒分の凝集量を自在に制御することができるので、細粒分率に応じて最適な量の細粒分を迅速に凝集させることができ、泥水の細粒分率を精度良く所定範囲に維持することができる。
また、電極11a、11bの表面を平滑に処理することにより、電極表面に凝集された細粒分を除去しやすくなるので、細粒分を繰り返し凝集させることができる。
なお、本実施形態に係る泥水処理装置10は、電極11a、11bの移動方向を対向面の接線方向になるよう構成しても良い。例えば図5(a)に示すように、電極11bを電極11aと正対する位置から対向面に沿って上方に移動させて、電極11aと対向する面積51を調整することによって、細粒分の凝集量を制御することができる。また、図5(b)に示すように電極11bを電極11aと正対する位置から対向面に沿って横方向に移動させて、電極11aと対向する面積52を調整することによって、細粒分の凝集量を制御することができる。このような構成により、細粒分の凝集量を自在に制御することができるので、細粒分率に応じて最適な量の細粒分を迅速に凝集させることができ、泥水の細粒分率を精度良く所定範囲に維持することができる。
また、本実施形態に係る泥水処理装置10において、電極11a、11bの形状を図6(a)に示すような凹凸型、または図6(b)に示すようなメッシュ(格子)状若しくは網状としても良い。このような構成により、電極の表面積が増えるので、一度に多くの細粒分を凝集させることができる。
また、電流印加部15が、電極11a、11bへ印加する電流の向きを反転させて、正極電極と負極電極とを切り替えるように構成しても良い。これにより、正極電極に付着した細粒分を簡易に除去することができるので、細粒分を凝集する効率を高めて、所望の細粒分を迅速に凝集することができ、泥水の細粒分率を精度良く所定範囲に維持することができる。
また、電極11a、11bのうち正極電極の近傍に泥水が投入されるように構成しても良い。これにより、泥水中の多くの細粒分が正極電極の近傍に存在することになり、細粒分を効率良く凝集させることができる。
また、本実施形態に係る泥水処理装置10において、凝集剤投入部14は、泥水中の余分な細粒分を大まかに除去できさえすればよく、例えば、遠心分離機などのように凝集剤を投入する以外の手法を用いても良い。
また、本実施形態に係る泥水処理装置10において、1対の電極11a、11bではなく、複数組の電極を用いることも可能である。
本発明の一実施形態に係る泥水分離装置の構成図である。 電極位置移動部による電極を移動させる処理の概略図である。 本実施形態に係る泥水分離装置による泥水の細粒分率を制御する処理のフローチャートである。 本実施形態に係る泥水分離装置を適用した泥水プラントの構成図である。 本実施形態の変形例において電極位置移動部による電極を移動させる処理の概略図である。 本実施形態の変形例における電極の形状を示す図である。 従来の場所打ち杭工法における泥水プラントの構成図である。
符号の説明
10…泥水処理装置、11a、11b…電極、12a…比重計(検出手段)、12b…粘度計(検出手段)、13…細粒分率制御部(第1の制御手段、第2の制御手段)、14…凝集剤投入部(粗取手段)、15…電流印加部(第1の制御手段)、16…電極位置移動部(移動手段)、71…清水槽、72…作泥槽、73…循環槽、74…掘削孔、76…残土槽、77…廃液槽、78…良液槽、79…回収槽。

Claims (11)

  1. 場所打ち杭工法の施工時に、掘削孔に充填される泥水から土砂を除去し、該泥水を再度前記掘削孔に注入する処理を行う循環槽において用いられる、前記泥水の細粒分率を制御するための泥水処理装置であって、
    前記循環槽内に対向して配置される少なくとも1組の電極と、
    前記循環槽内の泥水の細粒分率を検出する検出手段と、
    前記電極の少なくとも一方の位置を移動させる移動手段と、
    前記検出手段により検出された前記細粒分率が目標値より大きいときに、前記細粒分率を前記目標値と一致させるべく、前記電極に電流を印加して、前記移動手段を動作させて前記電極の位置を調整して、前記電極のうちの正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御する第1の制御手段と、
    を備える泥水処理装置。
  2. 前記泥水の細粒分を粗取りする粗取手段と、
    前記検出手段により検出された前記細粒分率が所定のしきい値より大きいときに、前記粗取手段を動作させる第2の制御手段と、
    をさらに備える、請求項1に記載の泥水処理装置。
  3. 前記第1の制御手段は、前記電極の少なくとも一方を当該電極の対抗面の法線方向に移動させて、前記電極間の距離を変化させることにより、前記正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御する、請求項1または2に記載の泥水処理装置。
  4. 前記第1の制御手段は、前記電極の少なくとも一方を当該電極の対抗面の接線方向に移動させて、前記電極間の対向面積を変化させることにより、前記正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御する、請求項1または2に記載の泥水処理装置。
  5. 前記第1の制御手段は、前記電極へ印加する電流の向きを反転させて、前記電極の正極電極と負極電極とを切り替える、請求項1から4のいずれかに記載の泥水処理装置。
  6. 前記電極の表面が平滑である、請求項1から5のいずれかに記載の泥水処理装置。
  7. 前記電極の表面が凹凸である、請求項1から5のいずれかに記載の泥水処理装置。
  8. 前記電極の表面がメッシュ状である、請求項1から5のいずれかに記載の泥水処理装置。
  9. 前記泥水は、前記循環槽内の前記正極電極の近傍に投入される、請求項1から8のいずれかに記載の泥水処理装置。
  10. 場所打ち杭工法の施工時に、掘削孔に充填される泥水から土砂を除去し、該泥水を再度前記掘削孔に注入する処理を行う循環槽において実施される、前記泥水の細粒分率を制御するための泥水処理方法であって、
    前記循環槽内の泥水の細粒分率を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおいて検出された前記細粒分率が目標値より大きいときに、前記細粒分率を前記目標値と一致させるべく、前記循環槽内に対向して配置される少なくとも1組の電極に電流を印加して、前記電極の少なくとも一方の位置を移動させる移動手段を動作させて前記電極の位置を調整して、前記電極のうちの正極電極への前記泥水の細粒分の凝集量を制御する第1の制御ステップと、
    を含む泥水処理方法。
  11. 前記検出ステップにおいて検出された前記細粒分率が所定のしきい値より大きいときに、前記泥水の細粒分を粗取りする粗取手段を動作させる第2の制御ステップをさらに含む、請求項10に記載の泥水処理方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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RU2500877C2 (ru) * 2012-03-14 2013-12-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Национальный исследовательский Томский политехнический университет" Установка для обработки буровых и тампонажных растворов
KR20230142072A (ko) * 2022-03-31 2023-10-11 주식회사 성창사 가전용 전극살균 모듈

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