JP2009116342A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射型液晶表示装置に関し、表示品位を低下させることなく、空気層に起因する界面反射によるコントラストの低下を抑制する。
【解決手段】 少なくとも反射型液晶パネル、第1の位相差板、第2の位相差板、偏光板、及び、導光板がこの順で積層され、第1の位相差板が前記反射型液晶パネル側に、第2の位相差板と偏光板が前記導光板側に貼合或いは接着され、第1の位相差板と第2の位相差板と偏光板が円偏光子を構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は反射型液晶表示装置に関するものであり、例えば、携帯端末等の低消費電力機器に用いられる反射型液晶表示装置における界面反射等に起因するコントラストの低減を表示品質を低下させることなく抑制するための構成に特徴のある反射型液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、小型、軽量、低消費電力等の特長を有しているため、情報機器端末、テレビ、携帯情報機器端末、ビデオカメラ等の表示モニタとして広く用いられている。
液晶材料は自発光素子ではないため、表示装置として用いるためには何らかの光源が必要となり、特に、携帯端末等の低消費電力機器に用いられる反射型液晶表示装置の場合には室内照明等が光源になったり或いはフロントライトを光源にしている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、図10を参照して、従来の反射型液晶表示装置を説明する。
図10参照
図10は従来の反射型液晶表示装置の概略的断面図であり、TFT基板81とCF(カラーフィルタ)基板83との間に液晶層82を挟んで構成される液晶パネル80と、フロントライト90から構成され、両者は僅かな間隙、即ち、空気層96を介して対向してフレーム85に固定・保持される。
このフロントライト90は、光源91、光源91の光を導光板93の方へ反射・集光させるリフレクタ92、及び、導光板93からなり、この導光板93の表面、即ち、観察者側にはプリズム94が刻まれており、導光中の光の一部を液晶パネル80側へ向かって反射させる。また、一般に、フロントライト90の裏面には反射防止膜95が設けられ、一方、液晶パネル80の表面側には偏光板84が設けられている。
また、プリズム94のピッチは、液晶パネル80の画素ピッチに対してモアレがみえ難いように設定している。例えば、モアレピッチが無限大になるように画素ピッチと同ピッチ、または、非常に細かいモアレになるようなプリズムピッチを設定している。
また、一般に、液晶パネル80は、明るい表示を実現するために反射率を高くするような構造をとっており、特に、携帯電話やPDAなどの小型用途では視野角は狭くて良いので、非常に高い反射率設計を取る場合が多い。
この様な反射型液晶表示装置においては、通常、偏光板としては円偏光板が用いられ、この円偏光板は位相差板と偏光板とからなるが、液晶パネルに位相差がない場合や、液晶パネルの手前で光が反射する場合、反射光は円偏光板に吸収されて出射しなくなる。
これは円偏光板が、まず、入射光を偏光板により直線偏光にし、次いで、位相差板によって円偏光に変換し、次いで、界面で反射した円偏光が再び位相差板に入射して偏光方位か90°回転した直線偏光に変換され、この90°回転した直線偏光からなる反射光は偏光板に吸収されて出射しなくなるためである。
この円偏光板の配置構造としては、下記の図11に示す3種類の構成が考えれられる。
図11(a)は、円偏光板を液晶パネル側に貼り合わせた場合の概念的構成図であり、液晶パネル80の表示面側に偏光板101と位相差板102とからなる円偏光板100が粘着剤103によって貼り合わされ、導光板93との間に空気層96が介在することになる。
図11(b)は、円偏光板を導光板側に貼り合わせた場合の概念的構成図であり、導光板93の裏面側に偏光板101と位相差板102とからなる円偏光板100が粘着剤104によって貼り合わされ、液晶パネル80との間に空気層96が介在することになる。
図11(c)は、円偏光板の両面を粘着した場合の概念的構成図であり、導光板93の裏面側に偏光板101と位相差板102とからなる円偏光板100は粘着剤103及び104によって液晶パネル80及び導光板93に貼り合わされ、この場合には空気層は介在しない構成となる。
図12は、空気層界面における反射光成分の説明図である。上記の構成における空気層96の屈折率nはn=1、液晶パネル80、円偏光板100、導光板93、或いは、粘着剤103,104等の構成部材の屈折率n,nは1.4〜1.6程度であるため、構成部材と空気層96との界面が最も屈折率差が大きく、この界面で入射光105は大きく屈折する。
大きく屈折すると界面反射が大きくなり、また臨界角以上に屈折すると全反射するためコントラストが低下することになる。例えば、図11(a)に示す構成では、コントラストが5〜10程度しかなく、コントラストと低下に起因して色再現範囲も狭く、表示品質は非常に悪かった。
従って、原理的には図11(c)の構成が好ましいが、熱膨張率の異なる導光板93と液晶パネル80とを貼合すると熱衝撃で剥離したり、剛体同士を貼合すると気泡が混入する課題があり、小型用途以外には適用が困難である。
そこで、図11(b)の構成により、円偏光板100を導光板93側にすることにより空気層96の界面反射による界面反射光106を円偏光板100を構成する偏光板101に吸収させてコントラストを高くすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−108986号公報 特開平11−259007号公報
しかし、上記の図11(b)の構成では、導光板93のプリズム94と液晶パネル80の画素とのモアレと、液晶パネル80の反射構造物と画素との干渉による干渉虹がより見えやすくなるという問題が発生した。
この原因は、導光板93に円偏光板100を貼合したことにより、導光板93の中を導光する光の角度が狭くなってしまい、拡散成分光が減ったためと思われる。
逆に、拡散成分光が強ければ、モアレや干渉は平均化され弱くなっていく。
また、空気層96との界面で臨界角以上に屈折された光107が全反射するためコントラストが低下するという問題がある。
さらに、円偏光板100と液晶パネル80がペン入力等の外圧で擦れて円偏光板100が傷付いたりするという問題がある。
したがって、本発明は、表示品位を低下させることなく、空気層に起因する界面反射によるコントラストの低下を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、反射型液晶表示装置において、少なくとも反射型液晶パネル、第1の位相差板、第2の位相差板、偏光板、及び、導光板がこの順で積層され、第1の位相差板が前記反射型液晶パネル側に、第2の位相差板と偏光板が前記導光板側に貼合或いは接着され、第1の位相差板と第2の位相差板と偏光板が円偏光子を構成することを特徴とする。
この場合、第1の位相差板を反射型液晶パネル側に貼ることによって、反射防止、防傷、拡散機能を付加することができ、また、第2の位相差板と偏光板を導光板側に貼ることによって、第2の位相差板から出射する光を円偏光に近づけて空気層の界面反射をなるべく多く偏光板に吸収させる、若しくは、面内位相差の波長分散性を少なくして反射型液晶パネルからの反射光を効率的に偏光板に吸収させることができる。
また、第1の位相差板と第2の位相差板と偏光板で円偏光子を構成することによって、第1の位相差板と第2の位相差板の面内位相差を合算して所望の位相差、即ち、可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下にし、第1の位相差板から出射する光を円偏光にして、反射型液晶パネルからの反射光を偏光板に効率よく吸収させることができる。なお、円偏光子は入射した光の偏光状態を概ね円偏光に変換する素子を意味するが、出射する光の偏光状態が円偏光からずれていても、反射型液晶パネルとの関係で観測者側に出射される光が概ね90°回転した直線偏光となっていれば円偏光子と見做すことができる。
以上の構成により、黒表示の反射強度を小さくしてコントラストを高くすることができる。即ち、空気層との界面を構成する第1の位相差板から出射する光は円偏光からずれるが、界面反射と反射型液晶パネルからの反射光を比較すると後者の方が反射強度が大きく、第2の位相差板を出射する光を円偏光にする方がコントラストを高くすることができる。
この場合、第1の位相差板と第2の位相差板の面内位相差の和が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下にしてλ/4板を構成する際に、第1の位相差板と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角を0°以上30°以下にすれば良い。なお、この場合、好ましくは第1の位相差板の面内位相差をなるべく小さくして、第2の位相差板の面内位相差を可視光波長域の1/4に近づける様にする。
第1の位相差板と第2の位相差板の遅相軸が概ね平行であれば、それぞれの面内位相差を足し合わせることにより円偏光子を構成できるが、厚さ方向に位相差が残っていると、円偏光からずれることのなるが、遅相軸のなす角を0°以上30°以下にすることによって、このずれを補正することができる。
この様な構成により、第2の位相差板から出射する光を円偏光もしくは反射型液晶パネルとの関係で観測者側に出射される光を概ね90°回転した直線偏光にし、コントラストを高くすることができる。なお、厚さ方向に位相差が残っていると90°回転した直線偏光からずれるが、反射強度が小さくなるように構成されていれば、作用は同じであるため円偏光子とみなすことができる。
或いは、第1の位相差板と第2の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下にしてλ/4板を構成する際に、第1の位相差板と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角を60°以上90°以下にしても良い。
第1の位相差板と第2の位相差板の遅相軸が概ね直交であれば、それぞれの面内位相差を差し引きすることにより円偏光子を構成できるが、厚さ方向に位相差があると、円偏光からずれることになるが、遅相軸を直交から30°程度ずらすことにより、即ち、遅相軸のなす角を60°以上90°以下することによって、このずれを補正することができる。
この構成によっても、第2の位相差板から出射する光を円偏光もしくは反射型液晶パネルとの関係で観測者側に出射される光が概ね90°回転した直線偏光にし、コントラストを高くすることができる。なお、この場合も、厚さ方向に位相差が残っていると90°回転した直線偏光からずれるが、反射強度が小さくなるように構成されていれば、作用は同じであるため円偏光子とみなすことができる。
以上の各構成において、偏光板の吸収軸と第2の位相差板の遅相軸のなす角がθ、偏光板の吸収軸と第1の位相差板の遅相軸のなす角が概ね2θ+45°とすることが望ましい。
この様に構成することによって、第2の位相差板をλ/2板とし、第1の位相差板をλ/4波長板として広帯域λ/4板を構成することができる。即ち、偏光板の吸収軸と第1の位相差板の遅相軸のなす角を概ね2θ+45°にすることにより、λ/2板に遅相軸の方位に関係なく直線偏光の偏光方位を遅相軸に対して線対称に回転させる作用を持たせ、λ/4板は遅相軸に対して概ね45°若しくは135°方位から入射した直線偏光を円偏光にする作用を持たせることができる。
この構成により、面内位相差の波長分散性を少なくして反射型液晶パネルからの反射光を効率良く偏光板に吸収させることができる。なお、この構成では、空気層からの界面反射を抑えられないが、界面反射と反射型液晶パネルからの反射光を比較すると後者の方が反射強度が大きいため、コントラストを高くすることができる。
また、上述の構成の場合、偏光板と第2の位相差板の間に、可視光波長域の1/2である190nm以上390nm以下の面内位相差を有する第3の位相差板を配置することが望ましい。
この様な構成により、第1乃至第3の位相差板で広帯域λ/4板、或いは、広帯域λ/4板と光学補償板を構成することができ、それによって、面内位相差の波長分散性を少なくして反射型液晶パネルからの反射光を効率良く偏光板に吸収させることができる。
また、第1の位相差板の面内位相差をなるべく小さくすれば、第2の位相差板を出射する光を円偏光に近づけて空気層の界面反射の多くを偏光板に吸収させられるため、コントラストをより高くすることができる。なお、光学補償とは、位相差板の厚さ方向に発生する負の位相差によって、反射型液晶パネルの厚さ方向に発生する正の位相差をキャンセルするものである。
この場合、偏光板の吸収軸と第3の位相差板の遅相軸のなす角をθ、偏光板の吸収軸と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角を概ね2θ+45°とし、第3の位相差板と第1及び第2の位相差板の面内位相差の差を可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下にすることが望ましい。
この構成により、第3の位相差板をλ/2板、第1と第2の位相差板とでλ/4を構成し、第1乃至第3の位相差板で広帯域λ/4板を構成することができる。なお、好ましくは第1の位相差板の面内位相差をなるべく小さくして、第2の位相差板の面内位相差を可視光波長域の1/4に近づける様にする。
或いは、偏光板の吸収軸と第3の位相差板の遅相軸のなす角をθ、偏光板の吸収軸と第2の位相差板の遅相軸のなす角を概ね2θ+45°とし、第2の位相差板の遅相軸と第1の位相差板の遅相軸のなす角が概ね直交し、且つ、第2の位相差板と第1の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下にすることが望ましい。
この構成により、第2と第3の位相差板をλ/2板、第1の位相差板でλ/4板とし、広帯域λ/4板に光学補償板を組合せて構成することができる。
即ち、第2の位相差板は遅相軸を同じにしたλ/4板枚と等価であり、第3の位相差板と一方のλ/4板で広帯域λ/4板を、第1の位相差板ともう一方のλ/4板で光学補償板を構成している。
その結果、面内位相差の波長分散性を少なくして反射型液晶パネルからの反射光を効率良く偏光板に吸収させられると共に、垂直配向した液晶層の厚さ方向の位相差をキャンセルすることができるので、この事情を説明する。
円偏光板を用いた垂直配向モードは電圧無印加或いは閾値電圧以下で黒表示となるため、面内位相差は概ねゼロとなり、原理的にコントラストを高くすることができ、一方、円偏光板を用いた水平配向モードは電圧印加で黒表示となるため、面内位相差は最小になるがゼロにはならないため、コントラストは相対的に低くなる。これは水平配向モードでは配向膜によるアンカリング効果が強く、電圧印加後も基板界面で液晶層が立ち上がらずに残るためである。
しかし、垂直配向モードでも斜め入射光に対しては厚さ方向の位相差が発生するが、λ/4板枚を遅相軸が直交するよう配置した構成と等価の光学補償板を配置すれば、面内位相差はそれぞれでキャンセルされるため、厚さ方向の位相差を反射型液晶パネルの光学補償に用いることができる。
このように、広帯域λ/4板と光学補償板を組合せることによって、反射型液晶パネルとの関係で観測者側に出射される光が概ね90°回転した直線偏光となるため、これ全体で円偏光子とみなすことができる。なお、この構成では、空気層からの界面反射を抑えられないが、界面反射と反射型液晶パネルからの反射光を比較すると後者の方が反射強度が大きいため、コントラストを高くすることができる。
また、上述の構成においては、偏光板と第2の位相差板の間に、可視光波長域の1/2である190nm以上390nm以下の面内位相差を有する第3の位相差板と第4の位相差板とを配置することが望ましく、それによって、第1乃至第4の位相差板で広帯域λ/4板と光学補償板を構成することができる。
この構成により、面内位相差の波長分散性を少なくして反射型液晶パネルからの反射光を効率良く偏光板に吸収させられると共に、垂直配向した液晶層の厚さ方向の位相差をキャンセルすることができる。
また、第1の位相差板の面内位相差をなるべく小さくすれば、第2の位相差板から出射する光を円偏光に近づけて空気層の界面反射の多くを偏光板に吸収させられるため、コントラストを最も高くすることができる。
この場合、偏光板の吸収軸と第4の位相差板の遅相軸のなす角をθ、偏光板の吸収軸と第3の位相差板の遅相軸のなす角を概ね2θ+45°とし、第3の位相差板の遅相軸と第2の位相差板の遅相軸のなす角が概ね直交し、且つ、第3の位相差板と第1及び第2の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下にすることが望ましい。
この構成によって、第3と第4の位相差板をλ/2板、第1と第2の位相差板でλ/4板とし、広帯域λ/4板に光学補償板を組合せた構成とすることができる。また、好ましくは第1の位相差板の面内位相差をなるべく小さくして、第2の位相差板の面内位相差を可視光波長域の1/4に近づける様にする。
また、上記の各構成において、第1の位相差板として無延伸フィルムを用いることが望ましい。
即ち、空気層からの界面反射を抑えるには第2の位相差板を出射する光を円偏光にする必要があるが、第2の位相差板と反射型液晶パネルの間に第1の位相差板が配置された構成では、円偏光からずれてしまう。
このずれを小さくしてコントラストを大きくするには、第1の位相差板をなるべく小さくして、第2の位相差板の面内位相差を可視光波長域の1/4に近づけることが望ましく、そのためには、第1の位相差板に無延伸フィルムを用いて面内位相差を数nm程度にして、第2の位相差板の面内位相差を可視光波長域の1/4に近づければ良く、それによって、第2の位相差板から出射する光は円偏光に近づき、空気層との界面で発生する界面反射の多くを偏光板に吸収させられるため、コントラストを高くできる。
また、上記の各構成において、少なくとも第1の位相差板の表面に、反射防止膜を設けることが望ましい。
一般には、第1の位相差板と、円偏光板の両界面に反射防止膜が形成されているのが理想的であるが、少なくとも第1の位相差板の表面に反射防止膜が形成されていれば良く、それによって、界面反射はほぼ0〜1/4となり、全反射によるコントラスト低下を抑えられる。なお、第1の位相差板の表面を優先するのは、第1の位相差板の表面が最初に全反射する界面であり、その方が効果的に全反射を抑えられるためである。
また、上記の各構成において、偏光板と導光板の間に設けた粘着層が、光拡散機能を有することが望ましい。
この構成によって、ニュートンリングやモアレといった主に導光板に起因する表示むらが発生する場合、導光板側の界面に光拡散機能を付与することによって、それらを緩和することができる。なお、光拡散機能の付与は表示むらの緩和に効果的であるが、同時にコントラストの低下や像ボケを引き起こすため、必要最小限に留める必要がある。
また、上記の各構成において、第1の位相差板と反射型液晶パネルの間に設けた粘着層が、光拡散機能を有することが望ましい。
この構成によって、反射型液晶パネルの反射電極との干渉縞といった主に反射型液晶パネルに起因する表示むらが発生する場合、反射型液晶パネル側の界面に光拡散機能を付与することによって、それらを緩和することができる。なお、この場合も、光拡散機能の付与は表示むらの緩和に効果的であるが、同時にコントラストの低下や像ボケを引き起こすため、必要最小限に留める必要がある。
また、上記の各構成において、第1の位相差板と第2の位相差板の対向する面が、平滑であることが望ましい。
空気層と接する界面を凹凸構造にして光拡散機能を付与する方法があるが、凹凸構造にすると円偏光板と反射型液晶パネルがペン入力等の外圧で擦れることによってそれぞれの界面が傷付いてしまう虞がある。しかし、平滑面にすることによって、ペン入力等の外圧が加わっても、それぞれの界面が傷付くことがなくなる。
また、上記の各構成において、導光板と反射型液晶パネルの間に、特定方向からの入射光を拡散する視角制御板を配置することが望ましい。
表示むらの主な原因は隣接する光による回折現象であり、例えば、正面方向で回折が見えないように導光板のプリズム形状を最適化しても、ある観測方位では見えてしまう。回折現象は隣接する光の位相が合う、即ち、間隔が波長の整数倍となる方向で発生するため、正面に対して光の位相がずれるようにプリズムピッチを設計しても、光の位相が合う方向で回折現象が発生する。
この場合、光拡散機能を有する粘着剤を用いることにより、回折現象を緩和出来るが、多重拡散によるコントラストの低下や像ボケとトレードオフになるため、光拡散機能の制御が必要となる。
しかし、この構成のように、特定方向からの入射光を拡散する視角制御板を用いれば、回折現象が顕著になる特定方向のみに光拡散機能を付与することでき、正面である観測者方向では光拡散機能がないのでコントラストの低下や像ボケを抑えることができる。
本発明によれば、モアレや干渉虹を低減できるため、フロントライトを用いた反射型液晶表示装置の表示品位向上が可能になり、特に、特に中大型向けの高表示品位の反射型液晶表示装置の実現に寄与するところが大きい。
ここで、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、反射型液晶表示装置において、少なくとも反射型液晶パネル、第1の位相差板、第2の位相差板、偏光板、及び、導光板がこの順で積層され、第1の位相差板が前記反射型液晶パネル側に、第2の位相差板と偏光板が前記導光板側に貼合或いは接着され、第1の位相差板と第2の位相差板と偏光板が円偏光子を構成するものである。
ここで、図1及び図2を参照して、本発明の実施例1の反射型液晶表示装置を説明する。図1は、本発明の実施例1の前提となる反射型液晶表示装置の基本的構成を示す概略的断面図であり、ガラス基板上に反射電極を介して配向膜を設けたTFT基板11と、ガラス基板上に透明電極を介して配向膜を設けたCF基板13との間に液晶層12を挟んで構成される液晶パネル10と、フロントライト20から構成され、両者は、例えば、1mm以下の僅かな間隙を介して対向してフレーム15に固定・保持される。
このフロントライト20は、ArやNeガス中に微量のHgを混入した冷陰極管からなる光源21、光源21の光を導光板(富士通化成製)23の方へ反射・集光させるリフレクタ22、及び、導光板23からなり、この導光板23の裏面、即ち、液晶パネル面側には偏光素子30が粘着剤によって貼り合わされている。
また、導光板23の表面、即ち、観察者側にはプリズム24が刻まれており、導光中の光の一部を液晶パネル10側へ向かって反射させる。
この場合のプリズム24のピッチは、液晶パネル10の画素ピッチに対してモアレがみえ難いように設定している。
また、液晶パネル10の表面サンドブラストで、例えば、凹凸の頂点と谷との間の高さが100μm以下の細かなキズが付けられて粗面14を構成している。この場合のキズのつける程度は、干渉虹やモアレが許容できるレベルまでつければ良く、例えば、ヘイズ(曇価)HをH〜50〔%〕程度相当以下で良く、あまり付けすぎると、 輝度、コントラストが低下し、表示もボケてくる。
なお、ヘイズ(曇価)Hとは、積分球式光線透過率測定装置を用いて、拡散透過率T〔%〕と全光線透過率T〔%〕とを測定し、その比によって表す指標であり、
H〔%〕=(T/T)×100
となり、小数点以下1桁まで表示する。
コントラストを高めるために偏光素子30を導光板23側に設けた場合に、液晶パネル10へ入射してきた光が液晶パネル10内部の反射面と画素部との干渉により干渉虹を発生するものの、液晶パネル10の表面に設けた粗面14により干渉虹が拡散され、観察者の目へ入る干渉虹を低減することができる。
次に、図2を参照して、本発明の実施例1の反射型液晶表示装置を説明するが、基本的構成は上記の図1に示した構成と同様であるので、偏光素子の構成を中心に説明する。図2(a)は、本発明の実施例1の反射型液晶表示装置の偏光素子の概念的構成図であり、液晶パネル10上に、第1の位相差板61を光拡散材入り粘着層62によって貼り合わせるとともに、第1の位相差板61の上に反射防止膜63を設ける。
一方、導光板23には、第2の位相差板64を粘着層65で貼り合わせた偏光板66を、光拡散材入り粘着層67によって貼り合わせ、両者を空気層68を介して対向させたものである。この場合、第1の位相差板61と第2の位相差板64と偏光板66とにより、円偏光子69を構成することになる。
図2(b)に示すように、第1の位相差板61の位相差をAとした場合、第2の位相差板64の位相差をλ/4板±Aとすることによって、全体としてλ/4板として機能させることができる。或いは、第1の位相差板61をλ/4板とし、第2の位相差板64をλ/2板とすることによって、全体として広帯域λ/4板として機能させることができる。
この実施例1においては、第1の位相差板61を液晶パネル10側に貼ることによって、反射防止、防傷、拡散機能を付加することができ、また、第2の位相差板64と偏光板66を導光板23側に貼ることによって、第2の位相差板64から出射する光を円偏光に近づけ、空気層の界面反射をなるべく多くして偏光板66に吸収させることができるのコントラストが向上する。
或いは、全体として広帯域λ/4板として機能させることによって、面内位相差の波長分散性を少なくして液晶パネル10からの反射光を効率的に偏光板66に吸収させることができる。
次に、図3を参照して、本発明の実施例2の反射型液晶表示装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例1と同様であり、この場合は、第2の位相差板と偏光板との間に第3の位相差板を挿入したものである。図3(a)は、本発明の実施例2の反射型液晶表示装置の概念的構成図であり、上記の実施例1と同様に、液晶パネル10上に、第1の位相差板61を光拡散材入り粘着層62によって貼り合わせるとともに、第1の位相差板61の上に反射防止膜63を設ける。
一方、第2の位相差板64と偏光板66との間に粘着層65及び粘着層71によって第3の位相差板70を貼り合わせ、光拡散材入り粘着層67によって導光板23に貼り合わせ、両者を空気層68を介して対向させたものである。この場合、第1の位相差板61と第2の位相差板64と第3の位相差板70と偏光板66とにより、円偏光子69を構成することになる。
図3(b)に示すように、第1の位相差板61の位相差をAとした場合、第2の位相差板64の位相差をλ/4板±A、第3の位相差板70をλ/2板とすることによって、全体として広帯域λ/4板として機能させることができる。或いは、第1の位相差板61をλ/4板とし、第2の位相差板64をλ/2板第3の位相差板70をλ/2板とすることによって、全体として広帯域λ/4板及び光学補償板として機能させることができる。
この実施例2においては、面内位相差の波長分散性を少なくして反射型液晶パネル1からの反射光を効率良く偏光板に吸収させることができる。なお、反射防止、防傷、拡散機能、及び、第2の位相差板64から出射する光を円偏光に近づける作用は上記の実施例1と同様である。
次に、図4を参照して、本発明の実施例3の反射型液晶表示装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例1と同様であり、この場合には、第2の位相差板と偏光板との間に第3の位相差板及び第4の位相差板を挿入したものである。図4(a)は、本発明の実施例3の反射型液晶表示装置の概念的構成図であり、上記の実施例1と同様に、液晶パネル10上に、第1の位相差板61を光拡散材入り粘着層62によって貼り合わせるとともに、第1の位相差板61の上に反射防止膜63を設ける。
一方、第2の位相差板64と偏光板66との間に粘着層65、粘着層71、粘着層73によって第3の位相差板70及び第4の位相差板72を貼り合わせ、光拡散材入り粘着層67によって導光板23に貼り合わせ、両者を空気層68を介して対向させたものである。この場合、第1の位相差板61、第2の位相差板64、第3の位相差板70、第4の位相差板72、及び、偏光板66とにより、円偏光子69を構成することになる。
この実施例3については、遅相軸を含めて構成及び効果を詳述する。まず、この場合の第1の位相差板61は、無延伸のTACフィルムを用いて面内位相差を数nm程度、例えば、5.5nmとし、TACフィルムの表面はハードコート・ローリフレクション(HCLR)処理を施し、平滑な反射防止膜63を形成した。
一方、第2の位相差板64は、面内位相差がλ/4に近づくように、132〜143nmとし、第1の位相差板61の遅相軸と第2の位相差板64の遅相軸のなす角を0〜180°に配置した。
また、第3の位相差板70及び第4の位相差板72の面内位相差はそれぞれ275nmとし、偏光板66の吸収軸と第4の位相差板72の遅相軸のなす角θを10°、第4の位相差板72の遅相軸と第3の位相差板70の遅相軸のなす角を55°、第3の位相差板70の遅相軸と第2の位相差板64の遅相軸のなす角を90°とした。したがって、偏光板66の吸収軸と第3の位相差板70の遅相軸のなす角は65°、即ち、2θ+45°となる。
この反射型液晶表示装置について、極角45°における反射強度及びコントラストを測定した結果を図5乃至図7に示す。なお、図に示した反射強度は標準白色板を基準にした黒表示の反射強度であり、一方、コントラストは白黒表示の反射強度比を示したものである。
この場合、厚み方向の位相差に関し、液晶層の位相差ΔRthLCと位相差板の位相差ΔRthFの絶対値が一致している場合をΔRth=0nm、液晶層の位相差ΔRthLCが位相差板ΔRthFの位相差より50nm小さい場合をΔRth=−50nm、液晶層の位相差ΔRthLCが位相差板の位相差ΔRthFより50nm大きい場合をΔRth=50nmとして示している。
即ち、垂直配向モードにおける理想的な光学補償はΔRth=0nmであるが、液晶層と位相差板に膜厚ばらつきがあるとΔRthは変動するため、膜厚ばらつきの合計が最大で±10%程度あるものと仮定し、ΔRth=±50nmの範囲で最適値を求めた。なお、ここでは、厚み方向の位相差を液晶層が137.5〜275nm、位相差板が137.5〜275nmとした。
なお、液晶層は垂直配向していることから、液晶層の位相差ΔRthLCは、液晶分子の長軸方向の屈折率をn、液晶分子の短軸方向の屈折率をn、液晶層における光路、即ち、セルギャップをdLCとした場合、
ΔRthLC=(n−n)×dLC=Δn×dLC
となる。但し、反射電極が凹凸構造を有する場合は液晶層が傾斜配向し、かつ入出射の光路dLCも異なるため、屈折率nと光路dLCを補正する必要がある。
一方、位相差板の位相差ΔRthFは、n,nを位相差板の平面方向の屈折率、nを厚さ方向の屈折率、位相差板における光路、即ち、膜厚をdとした場合、
ΔRthF=〔(n−n)/2−n〕×d
となる。
図5(a)及び(b)は、第2の位相差板の面内位相差を132nmにした場合の測定結果であり、ここでは、可視光波長λを視感度ピーク近傍の550nmとし、そのλ/4の位相差である137.5nmから第1の位相差板であるTACフィルムの面内位相差5.5nmを差し引いた値に相当する。
ΔRth=0nmでは第1の位相差板の遅相軸と第2の位相差板の遅相軸のなす角が0°若しくは180°で黒表示の反射強度は極小、コントラストCRは極大となり、また、ΔRth=±50nmではなす角30°若しくは150°、即ち、0°(180°)±30°で黒表示の反射強度は極小、CRは極大となっている。
これは厚さ方向の位相差にずれがない場合は遅相軸が概ね平行で入射光が円偏光化すること、及び、厚さ方向の位相差にずれがある場合は遅相軸を平行から大凡30°の範囲内でずらしてゆくことにより位相差のずれを補正できることを示している。
図6(a)及び(b)は、第2の位相差板の面内位相差を138nmにした場合の測定結果であり、ここでも、可視光波長λを視感度ピーク近傍の550nmとし、そのλ/4の位相差である137.5nmに相当し、第1の位相差板であるTACフィルムの面内位相差は考慮していない。
ΔRth=0nmでは全ての角度範囲で大差なく、また、ΔRth=±50nmではなす角45°若しくは135°で黒表示の反射強度は極小、CRは極大となっている。
これは厚さ方向の位相差にずれがない場合は入射光が全方位で平均的に円偏光からずれること、及び、厚さ方向の位相差にずれがある場合は遅相軸を平行からさらにずらしてゆくことにより位相差のずれを補正できることを示している。但し、液晶層や位相差板の位相差条件はΔRth=0nmとなるよう設定されるため、ΔRth=0nmではメリットがなく、ΔRthがずれた場合のみメリットが出る構成となっているが、この構成で得られる最大CRは、図5に示した第2の位相差板の面内位相差が132nmの場合の1/10〜1/20である。
図7(a)及び(b)は、第2の位相差板の面内位相差を143nmにした場合の測定結果であり、ここでも、可視光波長λを視感度ピーク近傍の550nmとし、そのλ/4の位相差である137.5nmに第1の位相差板であるTACフィルムの面内位相差5.5nmを加算した値に相当する。
ΔRth=0nmでは第1の位相差板の遅相軸と第2の位相差板の遅相軸のなす角が90°で黒表示の反射強度は極小、コントラストCRは極大となり、また、ΔRth=±50nmではなす角60°若しくは120°、即ち、90°±30°で黒表示の反射強度は極小、CRは極大となっている。
これは厚さ方向の位相差にずれがない場合は遅相軸が直交で入射光が円偏光になることを、厚さ方向の位相差にずれがある場合は遅相軸が直交から大凡30°の範囲内でずらしてゆくことにより補正できることを示している。
以上の図5乃至図7の結果から、第1の位相差板となるTACフィルムを考慮して円偏光子69を構成する、即ち、第1の位相差板と第2の位相差板の面内位相差、遅相軸を考慮して円偏光子69を構成することによりコントラストCRを大幅に改善することができることが理解される。
次に、本発明の第4の実施の形態の反射型液晶表示装置を説明する。この第4の実施の形態の反射型液晶表示装置は、上記の実施例3における第1の位相差板61の表面に設けた反射防止膜63を省略したものである。
ここで、第2の位相差板64の面内位相差は132nmとし、第1の位相差板61と第2の位相差板64の遅相軸のなす角を0°とし、同じく極角45°における反射強度を測定した結果、ΔRth=0nmにおける黒表示の反射強度は、上記の第10の実施の形態の約4倍、CRは1/4 に低下していた。
これは界面反射に関して空気層との界面が支配的であり、反射防止膜を用いてこの界面の反射を抑え込めば、コントラストをかなり改善できることを示している。なお、この第11の実施の形態の反射型液晶表示装置は、上記の第10の実施の形態の液晶表示装置に比べて特性は劣るものの、従来例に比べてはコントラストは向上する。
次に、図8を参照して、本発明の第5の実施の形態の反射型液晶表示装置を説明する。
この第5の実施の形態の反射型液晶表示装置は、上記の実施例3の反射型液晶表示装置における液晶パネル10側の光拡散材入り粘着層62及び導光板23側の光拡散材入り粘着層67のヘイズ値(曇価)を20〜60〔%〕にしたものである。
図8は、各ヘイズ値におけるニュートンリング或いはモアレ干渉縞と、反射電極による干渉虹の改善結果の説明図である。なお、比較のため、それぞれの粘着層に光拡散材を入れない反射型液晶表示装置と、第1の位相差板61の表面に微細凹凸を形成し、アンチグレア(AG)処理のみを施した反射型液晶表示装置を作製した。
図から明らかなように、導光板23側に光拡散材入り粘着層67を使用することにより、ニュートンリングやモアレといった主に導光板に起因する表示むらが軽減され、一方、液晶パネル10側に光拡散材入り粘着層61を使用することにより、反射電極との干渉虹といった主に反射型液晶パネルに起因する表示むらが軽減されている。
この場合、それぞれのヘイズ値を大きくすれば光拡散機能が大きくなるため、表示むらをより軽減出来るが、ヘイズ値を60〔%〕以上にするとコントラストの低下や像ボケが強くなる。
したがって、液晶パネル10側の光拡散材入り粘着層62及び導光板23側の光拡散材入り粘着層67の両方若しくは少なくとも一方にヘイズ値が40〔%〕程度の拡散度を有する光拡散材入り粘着層適用するのが好適である。
一方、比較のために粘着層に光拡散材を入れない反射型液晶表示装置では全ての表示むらが確認された。また、第1の位相差板61の表面に微細凹凸を形成し、アンチグレア(AG)処理を施した反射型液晶表示装置では干渉縞が軽減されたが、表面に凹凸を有する第1の位相差板61と、表面が平坦な第2の位相差板が擦れることにより傷が発生した。
次に、図9を参照して、本発明の第6の実施の形態の反射型液晶表示装置を説明する。
この第6の実施の形態の反射型液晶表示装置においては、導光板23と偏光板66との間に特定方向からの入射光を拡散する視角制御板74、例えば、ルミスティ(住友化学製商品名)を配置したものであり、それ以外は上記の実施例3と同様である。
図9は、視角制御板74の拡散特性の説明図であり、この視角制御板74は基板鉛直方向から±25°の範囲で入射する光はそのまま透過し、±25°〜55°の範囲で入射する光は拡散するよう設計されている。
なお、拡散する角度範囲は任意に設定出来るが、表示むらの発生が特にこの角度範囲でひどいことからこの角度範囲に設定した。これは、表示むらの原因が回折現象に起因するものであり、正面方向で回折が見えないようにプリズム形状等を最適化しても、ある観測方位では見えてしまうためである。
表示むらがどう見えるか観察した結果、観測者方向である基板鉛直方向から±25°の範囲では軽微な表示むらはあるがコントラストも高く、像ボケも発生していないこと、一方、±25°〜55°の範囲では表示むらはほぼ見えなくなるため、表示むらが視野範囲に入ることによる不快感を軽減できることを確認した。
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記の実施例1の説明においては、液晶パネルの表面にサンドブラストによってキズを付けているが、キズのつけ方はサンドブラストに限らないものである。
また、上記の各実施の形態においては偏光板と導光板の貼合或いは位相差板と液晶パネルの貼合を粘着層を用いて行っているが、粘着層に限られるものではなく、UV硬化性などの接着材で偏光板と導光板或いは位相差板と液晶パネルとを一体化しても良いものである。
また、上記の第1及び実施例2においては、詳細な構成は開示していないが、上記の実施例3に準じるものであり、上述の「課題を解決するための手段」の項において記載した各構成を採用するものである。
ここで、本発明の詳細な特徴を説明する。
(付記1) 少なくとも反射型液晶パネル、第1の位相差板、第2の位相差板、偏光板、及び、導光板がこの順で積層され、前記第1の位相差板が前記反射型液晶パネル側に、前記第2の位相差板と偏光板が前記導光板側に貼合或いは接着され、前記第1の位相差板と第2の位相差板と偏光板が円偏光子を構成することを特徴とする反射型液晶表示装置。
(付記2) 上記第1の位相差板と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角が0°以上30°以下であり、前記第1の位相差板と上記第2の位相差板の面内位相差の和が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下であることを特徴とする付記1記載の反射型液晶表示装置。
(付記3) 上記第1の位相差板と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角が60°以上90°以下であり、前記第1の位相差板と上記第2の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下であることを特徴とする付記1記載の反射型液晶表示装置。
(付記4) 上記偏光板の吸収軸と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角がθ、前記偏光板の吸収軸と上記第1の位相差板の遅相軸のなす角が概ね2θ+45°であり、前記第1の位相差板と上記第2の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下であることを特徴とする付記1記載の反射型液晶表示装置。
(付記5) 上記偏光板と上記第2の位相差板の間に、可視光波長域の1/2である190nm以上390nm以下の面内位相差を有する第3の位相差板を配置したことを特徴とする付記1記載の反射型液晶表示装置。
(付記6) 上記偏光板の吸収軸と上記第3の位相差板の遅相軸のなす角がθ、前記偏光板の吸収軸と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角が概ね2θ+45°であり、前記第3の位相差板と第1及び第2の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下であることを特徴とする付記5記載の反射型液晶表示装置。
(付記7) 上記偏光板の吸収軸と上記第3の位相差板の遅相軸のなす角がθ、前記偏光板の吸収軸と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角が概ね2θ+45°であり、前記第2の位相差板の遅相軸と上記第1の位相差板の遅相軸のなす角が概ね直交し、且つ、前記第2の位相差板と前記第1の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下であることを特徴とする付記5記載の反射型液晶表示装置。
(付記8) 上記偏光板と上記第2の位相差板の間に、可視光波長域の1/2である190nm以上390nm以下の面内位相差を有する第3の位相差板と第4の位相差板とを配置したことを特徴とする付記1記載の反射型液晶表示装置。
(付記9) 上記偏光板の吸収軸と上記第4の位相差板の遅相軸のなす角がθ、前記偏光板の吸収軸と上記第3の位相差板の遅相軸のなす角が概ね2θ+45°であり、前記第3の位相差板の遅相軸と上記第2の位相差板の遅相軸のなす角が概ね直交し、且つ、前記第3の位相差板と第1及び第2の位相差板の面内位相差の差が可視光波長域の1/4である95nm以上195nm以下であることを特徴とする付記8記載の反射型液晶表示装置。
(付記10) 上記第1の位相差板に無延伸フィルムを用いたことを特徴とする付記1乃至9に記載の反射型液晶表示装置。
(付記11) 少なくとも上記第1の位相差板の表面に、反射防止膜を設けたことを特徴とする付記1乃至9に記載の反射型液晶表示装置。
(付記12) 上記偏光板と上記導光板の間に設けた粘着層が、光拡散機能を有することを特徴とする付記1乃至9に記載の反射型液晶表示装置。
(付記13) 上記第1の位相差板と上記反射型液晶パネルの間に設けた粘着層が、光拡散機能を有することを特徴とする付記1乃至9に記載の反射型液晶表示装置。
(付記14) 上記第1の位相差板と上記第2の位相差板の対向する面が、平滑であることを特徴とする付記1乃至9に記載の反射型液晶表示装置。
(付記15) 上記導光板と上記反射型液晶パネルの間に、特定方向からの入射光を拡散する視角制御板を配置したことを特徴とする付記1乃至9に記載の反射型液晶表示装置。
本発明の実施例1の前提となる反射型液晶表示装置の基本構成を示す概略的断面図である。 本発明の実施例1の反射型液晶表示装置の偏光素子の説明図である。 本発明の実施例2の反射型液晶表示装置の説明図である。 本発明の実施例3の反射型液晶表示装置の説明図である。 本発明の実施例3の反射型液晶表示装置の第2の位相差板の面内位相差を132nmにした場合の極角45°における反射強度及びコントラストの説明図である。 本発明の実施例3の反射型液晶表示装置の第2の位相差板の面内位相差を138nmにした場合の極角45°における反射強度及びコントラストの説明図である。 本発明の実施例3の反射型液晶表示装置の第2の位相差板の面内位相差を143nmにした場合の極角45°における反射強度及びコントラストの説明図である。 各ヘイズ値におけるニュートンリング或いはモアレ干渉縞と、干渉虹の改善結果の説明図である。 視角制御板の拡散特性の説明図である。 従来の反射型液晶表示装置の概略的断面図である。 円偏光板の配置構造の説明図である。 空気層界面における反射光成分の説明図である。
符号の説明
10 液晶パネル
11 TFT基板
12 液晶層
13 CF基板
14 粗面
15 フレーム
20 フロントライト
21 光源
22 リフレクタ
23 導光板
24 プリズム
30 偏光素子
61 第1の位相差板
62 粘着層
63 反射防止膜
64 第2の位相差板
65 粘着層
66 偏光板
67 光拡散材入り粘着層
68 空気層
69 円偏光子
70 第3の位相差板
71 粘着層
72 第4の位相差板
73 粘着層
74 視角制御板
80 液晶パネル
81 TFT基板
82 液晶層
83 CF基板
84 偏光板
85 フレーム
90 フロントライト
91 光源
92 リフレクタ
93 導光板
94 プリズム
95 反射防止膜
96 空気層
100 円偏光板
101 偏光板
102 位相差板
103 粘着剤
104 粘着剤
105 入射光
106 界面反射光
107 光

Claims (3)

  1. 少なくとも反射型液晶パネル、第1の位相差板、第2の位相差板、偏光板、及び、導光板がこの順で積層され、前記第1の位相差板が前記反射型液晶パネル側に、前記第2の位相差板と偏光板が前記導光板側に貼合或いは接着され、前記第1の位相差板と第2の位相差板と偏光板が円偏光子を構成することを特徴とする反射型液晶表示装置。
  2. 上記偏光板と上記第2の位相差板の間に、可視光波長域の1/2である190nm以上390nm以下の面内位相差を有する第3の位相差板を配置したことを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。
  3. 上記偏光板と上記第2の位相差板の間に、可視光波長域の1/2である190nm以上390nm以下の面内位相差を有する第3の位相差板と第4の位相差板とを配置したことを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。
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