JP2009111782A - 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009111782A
JP2009111782A JP2007282443A JP2007282443A JP2009111782A JP 2009111782 A JP2009111782 A JP 2009111782A JP 2007282443 A JP2007282443 A JP 2007282443A JP 2007282443 A JP2007282443 A JP 2007282443A JP 2009111782 A JP2009111782 A JP 2009111782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wireless communication
signal
antenna weight
frequency band
information indicating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007282443A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4538485B2 (ja
Inventor
Koji Maeda
浩次 前田
Anass Benjebbour
アナス ベンジャブール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Original Assignee
NTT Docomo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Docomo Inc filed Critical NTT Docomo Inc
Priority to JP2007282443A priority Critical patent/JP4538485B2/ja
Publication of JP2009111782A publication Critical patent/JP2009111782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4538485B2 publication Critical patent/JP4538485B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

【課題】複数の無線送信機及び無線受信機が混在して通信を行う環境において、通信機会の増加及び単位面積あたりの周波数利用効率の向上を図ること。
【解決手段】複数のアンテナを備えた無線通信装置は、データ信号用タイムスロットを用いて通信相手から信号を受信する受信手段と、データ信号のリソース割当情報及び複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを示すウェイト情報を含む制御信号とデータ信号とを受信信号から取得する取得手段と、データ信号受信後通信を継続するか否かを示す情報と自装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報とを含む報知信号を作成する作成手段と、報知信号用タイムスロットを用いて、アンテナウェイトによるビームパターンで自装置周辺の通信装置に報知信号を送信する送信手段とを有する。報知信号送信後のアンテナウェイトは、通信相手により耐干渉能力情報に基づいて決定される。
【選択図】図32

Description

本発明は、複数の無線送受信機が或るシステム周波数帯域の中で同時に無線通信を行う環境に存在する無線受信機、無線送信機、無線通信システム、及び無線信号制御方法に関する。
無線通信においては、複数の無線送信機及び無線受信機が周波数、時間及び空間などの無線リソースを効率的に使用して通信を行うことが肝要である。近年では、特に、周辺で行われている無線通信状況を認知し、近隣に存在する無線送信機及び無線受信機が互いに干渉しあう確率を抑え、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させる技術の検討が行われている。
周辺で行われている無線通信状況を認知させる技術として、無線LAN802.11標準における、RTS(Request To Send)及びCTS(Clear To Send)を用いる方法が挙げられる(これについては、例えば非特許文献1参照。)。RTS及びCTSを用いる方法では、通信の開始を希望する無線送信機がRTS信号を通信の相手方無線受信機に向けて送信し、通信の相手方無線受信機は、受信可能な状態である場合(つまり、他者との通信を行っていない場合)、CTS信号を周辺一帯に向けて送信する。CTS信号を受け取った周辺一帯に存在する無線送信機は、CTS信号受信後の一定時間は、キャリアセンスによる信号送信を行わないようにする。これにより、周辺の無線送信機が、該通信の相手方無線受信機に対して与える干渉(以下「与干渉」と言及する。)を低減することができ、それに伴う周波数利用効率の劣化を抑えることが可能となる。また、無線受信機が通信の開始を要求する際に、RTSを受信しない状態であってもCTSを周辺一帯に向けて送信することにより、周辺の無線送信機の信号送信を停止させ、干渉の無い条件で信号受信を行うようにすることもできる。
説明の便宜上、「無線送信機」及び「無線受信機」のような用語が使用されるが、「無線送信機」は信号を送信する機能だけでなく信号を受信する機能をも備えていてもよいし、備えていなくてもよい。同様に、「無線受信機」は信号を受信する機能だけでなく信号を送信する機能をも備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
図33は、周辺で行われている無線通信状況を認知させる別の技術であるビジーバースト方式の説明図である(これについては、例えば非特許文献2参照。)。図示の例では相手方無線送信機2a,2b,2c,2dが周波数ブロックB1〜B4の何れかを用いて奇数の添え字の付いた記号で示されるタイムスロット(T1,T3,...)でデータ信号を送信する。無線受信機1a,1b,1c,1dは受信したデータ信号の周波数ブロックB1〜B4を用いて偶数の添え字の付いた記号で示されるタイムスロット(T2,T4,...)で報知信号を送信する。報知信号は、データ信号の受信後も引き続き通信を継続するか否かを示す情報を含み、この情報は1ビットの「continue bit(継続ビット)」で表現される。報知信号は、データ信号を受信した無線受信機から周辺の不特定の装置に向けて送信される。無線送信機は、周辺の無線受信機から受信した報知信号により、そのような無線受信機の存在することを確認し、該無線受信機が通信の継続を希望するか否かを「continue bit」を復調することで確認する。
例えば図示の例ではタイムスロットT1で無線送信機2aが周波数ブロックB1でデータ信号を送信し、それを受けた無線受信機1aが通信の継続を希望し、「continue bit=1」の報知信号を同じ周波数ブロックB1でタイムスロットT2で送信する。無線送信機2aは、通信継続を希望することを示す報知信号を無線受信機1aから受信すると、次のタイムスロットT3で同じ周波数ブロックB1で次のデータ信号を送信する。無線受信機1aが通信の継続を希望しなくなった場合、無線受信機1aは「continue bit=0」の報知信号を同じ周波数ブロックでタイムスロットT4で送信する。これにより、その無線受信機1aの通信は終了したことが、周辺の装置で分かる。次のタイムスロットT5では無線送信機2a以外の無線送信機2cが周波数ブロックB1を利用してデータ信号を送信できる。これにより、無線信号の衝突を避け、単位空間あたりの周波数使用効率の劣化を抑えることが可能となる。
"IEEE Std.802.11" The Institute of Electrical and Electronics Engineers, 1999 "Interference Aware Medium Access in Cellular OFDMA/TDD Networks," in Proceedings of IEEE ICC, Pp. 1778-1783, June 2006 "Layered Space-Time Architecture for Wireless Communication in a Fading Environment When Using Multiple Antennas," Bell Labs Technical Journal, pp 41-59, Vol.1, No.2, Autumn 1996 "Independent Component Analysis," John Wiley & Sons, 2001
しかしながら、無線受信機が複数のアンテナを利用して干渉信号を抑圧することにより、干渉信号受信時にも希望信号の通信ができそうであったとしても、RTS及びCTSを用いる方法並びにビジーバースト方式では、周辺の無線送信機の通信は一律に停止させられてしまう。また、該無線受信機における通信環境が、所定の電力以下の干渉であればそれを許容して通信を行うことができる。従って、与干渉量が該所定の電力以下となるように周辺無線送信機が送信電力を調整すれば、無線受信機は通信を行うことができるはずである。しかしながら、RTS及びCTSを用いる方法並びにビジーバースト方式では、そのような状況であっても、該無線受信機の周辺無線送信機は一律に通信を行ってはならず、通信を行う機会がかなり制限されてしまい、周波数(より一般的には、無線リソース)を高効率に利用できないという問題が懸念される。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、複数の無線送信機及び無線受信機が混在して通信を行う環境において、通信機会の増加及び単位面積あたりの周波数利用効率の向上を図る、無線受信機、無線送信機、無線通信システム、及び無線信号制御方法を提供することを目的とする。
本発明では、複数のアンテナを備えた無線通信装置が使用される。本装置は、データ信号用タイムスロットを用いて通信相手から信号を受信する受信手段と、データ信号のリソース割当情報及び複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを示すウェイト情報を含む制御信号とデータ信号とを受信信号から取得する取得手段と、前記データ信号受信後通信を継続するか否かを示す情報と自装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報とを含む報知信号を作成する作成手段と、報知信号用タイムスロットを用いて、前記アンテナウェイトによるビームパターンで自装置周辺の通信装置に前記報知信号を送信する送信手段とを有する無線通信装置である。
本発明では、複数のアンテナを備えた別の無線通信装置も使用される。本装置は、データ信号用タイムスロットを用いて通信相手に信号を送信する送信手段と、報知信号用タイムスロットを用いて前記通信相手を含む自装置周辺の無線通信装置から報知信号を受信する受信手段と、前記自装置周辺の無線通信装置が通信の継続を希望するか否かを示す情報、及び前記自装置周辺の無線通信装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報を前記報知信号から取得する取得手段と、前記通信相手との通信が継続される場合、前記通信相手との通信に使用される無線リソースを決定するリソース決定手段と、を有し、前記複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトは、前記リソース決定手段において前記耐干渉能力情報に基づいて決定される無線通信装置である。
本発明によれば、複数の無線送信機及び無線受信機が混在して同一周波数帯域で通信を行う環境において、該無線送信機が、該無線受信機の耐干渉能力を考慮して通信を行うことにより、通信機会を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
概して、本発明では無線受信機及び無線送信機が使用される。無線受信機は、自局の耐干渉能力及び通信の継続の要否を判定する機能、及びその判定結果を報知信号系列として周辺の無線送信機に送信する機能を備える。無線送信機は、周辺の無線受信機から受信した報知信号系列に基づき、該周辺の無線受信機の耐干渉能力を識別する機能、及びその識別結果に基づいて周辺の無線受信機に対する干渉量を制御してデータ信号を送信する機能を備える。
以下、本発明により教示される装置及び方法が例示的に列挙される。
1.本発明の一形態による無線受信機は、複数の無線送信機と無線受信機が存在し、前記無線送信機は、前記無線受信機へデータ信号用タイムスロットを用いてデータ信号を送信し、前記無線受信機は、受信したデータ信号に対して報知信号系列用タイムスロットを用いて報知信号系列を送信する無線通信システムにおいて、通信の相手方の無線送信機及び周辺無線送信機により送信されたデータ信号を、複数のアンテナを介して受信し、受信データ信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号が使用している使用周波数帯域情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるデータ信号用受信アンテナウェイト情報、及び自局の耐干渉能力情報を出力する、データ信号空間周波数分離手段と、前記自局の耐干渉能力情報と、自局の通信継続の有無の情報とに基づき、前記報知信号系列の内容を生成する、報知信号系列内容データ生成手段と、生成された報知信号系列の内容データを前記使用周波数帯域情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変形する、報知信号系列変調手段と、前記データ信号用受信アンテナウェイト情報に基づき、自局宛のデータ信号を抽出するのに用いられるビームパターンと同様のビームパターンで、変調後の報知信号系列を送信するように報知信号系列用送信アンテナウェイトを決定する、報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段と、を具備することを特徴とする。かかる構成により、無線受信機は、自局の耐干渉能力を周辺無線送信機に報知し、周辺無線送信機に耐干渉能力内で通信を行わせることにより、自局の通信を妨害されることなく、自局の周辺での通信機会の増加、及び単位面積あたりの周波数利用効率の向上を得ることが可能となる。
2.本発明の一形態による無線送信機は、複数の無線送信機と無線受信機が存在し、前記無線送信機は、前記無線受信機へデータ信号用タイムスロットを用いてデータ信号を送信し、前記無線受信機は、受信したデータ信号に対して報知信号系列用タイムスロットを用いて報知信号系列を送信する無線通信システムにおいて、周辺無線受信機から送信された報知信号系列を、複数のアンテナを介して受信し、周波数領域及び空間領域で分離し、分離後の全報知信号系列、該報知信号系列がそれぞれ使用している周波数帯域情報、及び該報知信号系列それぞれを抽出するのに用いる報知信号系列用受信アンテナウェイト情報を出力する、報知信号系列空間周波数分離手段と、前記報知信号系列を復調し、復調後の信号に基づき周辺無線受信機の通信状態を判定する、報知信号系列復調手段と、前記周波数帯域情報、前記報知信号系列用受信アンテナウェイト情報、及び周辺無線受信機の通信状態判定結果とから、データ送信に用いる使用周波数帯域及びデータ信号用送信アンテナウェイトを決定する、使用リソース決定手段と、を具備することを特徴とする。かかる構成により、無線送信機は、周辺無線受信機の耐干渉能力を考慮して、耐干渉能力に優れた無線受信機には干渉を与えるが、耐干渉能力に劣る無線受信機には干渉を低減するように送信ビームパターンを設定することにより、周辺無線受信機の通信を邪魔することなく、単位面積あたりの周波数利用効率の向上を得ることが可能となる。
3.上記第1項に記載の無線受信機では、前記データ信号空間周波数分離手段は、自局の耐干渉能力として、空間的信号分離に利用できるアンテナ自由度の残高を判定する構成とすることが望ましい。この場合、周辺の無線送信機は、アンテナ自由度の残高が多い無線受信機は耐干渉能力が高く、逆にアンテナ自由度の残高が少ない無線受信機は耐干渉能力が低い、という判断をすることが可能となる。これにより、周辺の無線送信機はアンテナ自由度の残高の少ない信号に対して干渉を与えないように信号を送信することができ、同時に、無線受信機はアンテナ自由度の残高が少ない場合は干渉を受けずに、アンテナ自由度が多く残っている場合は空間的に干渉信号を除去して、通信を行うことが可能となる。また、アンテナ自由度の残高が多い無線受信機が、該アンテナ自由度を犠牲にして周辺の無線送信機に通信機会を提供することにより、単位面積あたりの周波数利用効率の向上を得ることができる。
4.上記第1項に記載の無線受信機では、前記データ信号空間周波数分離手段は、自局の耐干渉能力として、受けても自局の通信を成り立たせることができる干渉信号の電力許容量(以下、「許容干渉電力」とする)を判定する構成とすることが望ましい。この場合、無線受信機の周辺の無線送信機は、該無線受信機から送信された報知信号系列の受信電力を観測することにより、無線受信機までの伝搬ロス及び無線受信機の受信アンテナゲインの大きさの合算値を推定することができる。これに、報知信号系列の内容である許容干渉電力の情報を加えることにより、周辺の無線送信機は、該無線受信機に対する許容送信電力を計算することが可能となる。該周辺の無線送信機は、データ信号送信時に該無線受信局に対する送信電力が該許容送信電力以下となるように送信ビームパターンや、送信電力を制御することにより、該無線受信機の通信を妨害することなく、自局の通信を開始することができる。その結果、周辺の無線送信機の送信機会を増加させることができ、単位面積あたりの周波数利用効率の向上を得ることができる。
5.上記第2項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、前記周波数帯域情報、前記報知信号系列用受信アンテナウェイト、及び前記周辺無線受信機の通信状況判定結果に基づき、使用可能な全周波数帯域におけるデータ信号用送信アンテナウェイトを算出し、該データ信号用送信アンテナウェイト算出結果に基づき、使用周波数帯域を決定する構成とすることが望ましい。この場合、周辺無線受信機が使用している周波数帯域、及び伝送路の影響により、無線送信機における送信アンテナウェイト算出結果、及びそれにより得られる該無線送信機の通信品質は周波数ごとに異なる。このため、該無線送信機は、一度すべての周波数帯域に対してアンテナウェイトを算出し、その結果に基づいて使用周波数帯域を決定することにより、所望の通信品質を確保することが可能となり、周辺の無線受信機の耐干渉能力を考慮しつつ、自局の通信を所望の品質で行うことが可能となる。
6.上記第2項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、前記周波数帯域情報、及び前記周辺無線受信機の通信状況判定結果に基づき使用周波数帯域を決定し、該使用周波数帯域におけるデータ信号用送信アンテナウェイトを前記報知信号系列用受信アンテナウェイトに基づき算出する構成とすることが望ましい。この場合、無線送信機は、使用周波数帯域を先に決定し、その帯域における送信アンテナウェイトを計算する。このため、アンテナウェイト決定のための演算量を抑えることが可能となり、少ない演算量で、周辺の無線受信機の耐干渉能力を考慮しつつ、自局の通信を行うことが可能となる。
7.上記第5項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、算出された前記データ信号用送信アンテナウェイトにより、最も良好な通信品質を獲得可能な周波数帯域を前記使用周波数帯域として決定する構成とすることが望ましい。これにより、周辺の無線受信機の通信を妨害することなく、自局において高品質な通信が可能となる。
8.上記第5項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、算出された前記データ信号用送信アンテナウェイトにより、所望品質を満足する最低の通信品質を獲得可能な周波数帯域を前記使用周波数帯域として決定する構成とすることが望ましい。この場合、所望品質を満足する最低の品質を獲得し、他の無線送信機にリソースを譲ることにより、一度に通信可能な無線機の数を増加させることが可能となり、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
9.上記第5項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、算出された前記データ信号用送信アンテナウェイトにより、所望品質を満足する通信品質を獲得可能な周波数帯域をランダムに選択して前記使用周波数帯域として決定する構成とすることが望ましい。この場合、使用周波数帯域を、所望品質を満足できる周波数帯域の中からランダムに選択することにより、耐干渉能力に優れた無線受信機が存在する周波数帯域に通信が集中することを防ぐことが可能となる。これにより、干渉の集中による無線受信機における通信の失敗を防ぎ、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
10.上記第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、前記周辺無線受信機の通信状況判定結果に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補における周辺無線受信機のアンテナ自由度の残高の最小値を抽出し、前記アンテナ自由度の残高の最小値が最大となる使用周波数帯域の候補を、前記使用周波数帯域として決定する構成とすることが望ましい。この場合、アンテナ自由度の残高の最小値が最大となる周波数帯域が選択されているため、複数の無線送信機が同時に選択された周波数帯域で信号を送信し、該選択された周波数帯域を使用している周辺無線受信機に干渉する条件においても、該周辺無線受信機において空間的に信号を分離して干渉を除去できる可能性が高くなる。これにより、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
11.上記第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、前記周辺無線受信機の通信状況判定結果に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補において、アンテナ自由度の残高が第1の所定値以下である周辺無線受信機の数を検出し、検出された周辺無線受信機の数が最低となる使用周波数帯域の候補を、前記使用周波数帯域として決定する構成とすることが望ましい。この場合、無線送信機は、アンテナ自由度の残高が少ない信号が多く存在する周波数帯域を避けて通信を開始するため、複数の無線送信機が同時に信号を送信し周辺無線受信機に干渉する条件においても、該周辺無線受信機において空間的に信号を分離して干渉を除去できる可能性が高くなる。これにより、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
12.上記第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、前記周辺無線受信機の通信状況判定結果に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補において、アンテナ自由度の残高が第2の所定値以下である周辺無線受信機の数を抽出し、前記周辺無線受信機の数が第3の所定値以下となる使用周波数帯域の候補の中から、前記使用周波数帯域をランダムに選択して決定する構成とすることが望ましい。この場合、当該周辺無線受信機数が第3の所定値以下となる周波数帯域を用いることにより、無線送信機が信号を送信することにより通信が妨害される可能性のある周辺無線受信機の数を少なく抑えることが可能となる。また、無線送信機において複数のアンテナを用いて送信ビーム形成を行う場合、アンテナ自由度の残高が少ない周辺無線受信機の数を第3の所定値以下となる周波数帯域を選択することにより、該アンテナ自由度の残高が少ない周辺無線受信機に対して送信ビームパターンのヌルを効果的に形成することができる可能性を向上させることができる。また、該周波数帯域の中から使用周波数帯域をランダムに選択することにより、耐干渉能力が高い無線受信機への複数の無線送信機からの干渉の集中を防ぎ、通信の失敗を防ぐことが可能となり、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
13.上記第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、前記周辺無線受信機の通信状況判定結果に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補において、許容干渉電力が最大となる使用周波数帯域の候補を、前記使用周波数帯域として決定する構成とすることが望ましい。この場合、許容干渉電力が最大となる周波数帯域を選択することにより、無線送信機が、通信開始時に周辺無線受信機への干渉電力を許容干渉電力内に抑えることが可能となる確率を向上させることができる。この結果、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
14.上記第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、前記周辺無線受信機の通信状況判定結果に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補において、許容干渉電力が第4の所定値以上となる使用周波数帯域の候補の中から、前記使用周波数帯域をランダムに選択して決定する構成とすることが望ましい。この場合、無線送信機が、通信開始時に周辺無線受信機への干渉電力を許容干渉電力内に抑えることが可能となるように第4の所定値以上を設定し、その条件において、使用周波数帯域をランダムに選択することにより、耐干渉能力の優れた無線受信機に干渉が集中することを防ぎ、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
15.上記第5項又は第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信を継続して行うすべての周辺無線受信機に対して、送信ビームパターンのヌルを向けるように、データ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、無線送信機は、アンテナ自由度の残高が無く、新たに干渉信号が到来した場合、空間的に避けて干渉除去をすることが困難な周辺無線受信機に対して送信信号が届かないように、送信アンテナウェイトを制御する。これにより、該無線送信機は、既存の通信の邪魔をすることなく新たな通信を開始することができ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
16.上記第5項又は第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信を継続する周辺無線受信機のうち、アンテナ自由度の残高が第5の所定値以下である周辺無線受信機に、送信ビームパターンのヌルを向けるようにデータ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、無線送信機は、耐干渉能力が乏しく複数の新たな干渉信号が同時に届くと通信不能に陥ることが予見される無線受信機に対しては送信信号が届かないように、送信アンテナウェイトを制御する。これにより、該無線送信機は、既存の通信の邪魔をすることなく新たな通信を開始することができ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
17.上記第5項又は第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信を継続して行う周辺無線受信機の中から、アンテナ自由度の残高が低いほうから所定の数の周辺無線受信機を選択し、該周辺無線受信機に送信ビームパターンのヌルを向けるようにデータ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、アンテナ自由度の残高が少ない周辺の無線受信機には送信ビームパターンのヌルが向けられ、該周辺の無線受信機は、干渉を受けずに通信を続行する。一方、アンテナ自由度の残高が多い周辺の無線受信機は、干渉を受けるが、自局のアンテナ自由度の残高を利用して受信ビームパターンを形成し、受けた干渉を抑圧する。これにより、周辺の無線受信機の通信が不能となる確率は低減され、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
18.上記第5項又は第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信を継続して行う周辺無線受信機のうち、アンテナ自由度の残高が零でない周辺無線受信機を所定の数だけランダムに選択し、該選択された周辺無線受信機に送信ビームパターンのヌルを向けるようにデータ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、アンテナ自由度の残高が有る周辺無線受信機の中からランダムに、送信ビーム形成により無線信号を届かなくする無線受信機を選択することで、耐干渉能力に優れた無線受信機に干渉が集中することを防ぎ、通信が妨害され停止する確率を低減することにより、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
19.上記第15項乃至第18項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信を継続する周辺無線受信機のうち、送信ビームパターンでヌルを向けた場合にも該無線送信機の希望通信品質を満足することが可能となる無線受信機に対して、送信ビームパターンのヌルを向けるようにデータ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、該無線送信機は、自局が所望の通信品質を満足できる範囲で周辺の無線受信機に対して送信ビームパターンのヌルを形成する。反対に、ある周辺の無線受信機に対して送信ビームパターンのヌルを形成することにより、自局が所望の通信品質を満足できなくなる場合は、該周辺の無線受信局の耐干渉能力に任せて信号を送信する。これにより、周辺無線受信機の通信を妨害する確率を低減すると同時に、自局の通信品質を確保することが可能となる。
20.上記第5項又は第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信を継続する周辺無線受信機のうち、通信優先権を有する周辺無線受信機に対してのみ、送信ビームパターンのヌルが向くようにデータ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、通信優先権を有さない無線受信機に対しては、送信ビームパターンのヌルを向けず、該通信優先権を有さない無線受信機の耐干渉能力に任せて信号を送信する。反対に、通信優先権を有する無線受信機に対しては、送信ビームパターンのヌルを形成し、通信の妨害を防ぐ。これにより、優先度に応じて干渉される確率が変動し、優先度に応じた無線リソースの配分が可能となる。
21.上記第5項又は第6項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信を継続する各周辺無線受信機から送信された報知信号系列の受信電力に基づき、各周辺無線受信機における受信アンテナウェイトによるゲイン及び伝搬ロスの大きさの合算値を推定し、前記合算値に基づき、前記周辺無線受信機における信号受信電力が許容干渉電力以下となるように、データ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、周辺無線受信機においては、許容干渉電力以下の干渉信号を受信しても通信の継続が可能である特性を利用して、該周辺無線受信機における無線送信機からの送信信号の受信電力が許容干渉電力以下となるように、送信ビームパターンを形成する。これにより、周辺無線受信機の通信の邪魔をせずに新たな通信の開始が可能となり、通信を同時に行うことができる無線機の数を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率を向上させることが可能となる。
22.上記第21項に記載の無線送信機では、前記使用リソース決定手段は、通信優先権を有する周辺無線受信機に対してのみ、前記合算値に基づき、無線受信機における信号受信電力が許容干渉電力以下となるように、データ信号用送信アンテナウェイトを定める構成とすることが望ましい。この場合、通信優先権を有さない無線受信機に対しては与干渉電力を考慮せず、通信優先権を有する無線受信機に対して与干渉電力が許容干渉電力以下となるように送信ビーム形成して信号を送信する。これにより、優先度に応じて干渉される確率が変動し、優先度に応じた無線リソースの配分が可能となる。
23.本発明の一形態による無線通信システムは、複数の無線送信機と無線受信機が存在し、前記無線送信機は、前記無線受信機へデータ信号用タイムスロットを用いてデータ信号を送信し、前記無線受信機は、受信したデータ信号に対して報知信号系列用タイムスロットを用いて報知信号系列を送信する無線通信システムであって、前記無線受信機は、通信の相手方の無線送信機及び周辺無線送信機により送信されたデータ信号を、複数のアンテナを介して受信し、受信データ信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号が使用している使用周波数帯域情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるデータ信号用受信アンテナウェイト情報、及び自局の耐干渉能力情報を出力する、データ信号空間周波数分離手段と、前記自局の耐干渉能力情報と、自局の通信継続の有無の情報とに基づき、前記報知信号系列の内容を生成する、報知信号系列内容データ生成手段と、生成された報知信号系列の内容データを前記使用周波数帯域情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変形する、報知信号系列変調手段と、前記データ信号用受信アンテナウェイト情報に基づき、自局宛のデータ信号を抽出するのに用いられるビームパターンと同様のビームパターンで、変調後の報知信号系列を送信するように報知信号系列用送信アンテナウェイトを決定する、報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段と、を具備し、前記無線送信機は、周辺無線受信機から送信された報知信号系列を、複数のアンテナを介して受信し、周波数領域及び空間領域で分離し、分離後の全報知信号系列、該報知信号系列がそれぞれ使用している周波数帯域情報、及び該報知信号系列それぞれを抽出するのに用いる報知信号系列用受信アンテナウェイト情報を出力する、報知信号系列空間周波数分離手段と、前記報知信号系列を復調し、復調後の信号に基づき周辺無線受信機の通信状態を判定する、報知信号系列復調手段と、前記周波数帯域情報、前記報知信号系列用受信アンテナウェイト情報、及び周辺無線受信機の通信状態判定結果とから、データ送信に用いる使用周波数帯域及びデータ信号用送信アンテナウェイトを決定する、使用リソース決定手段と、を具備することを特徴とする。かかる構成により、無線受信機は自局の耐干渉能力を周辺無線送信機に報知し、周辺無線送信機に耐干渉能力内で通信を行わせることにより、自局の周辺での通信機会を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率の向上を得ることが可能となる。また、報知信号系列に基づいて、無線送信機は、周辺の無線受信機の耐干渉能力及び通信継続状況を判定し、耐干渉能力の劣る無線受信機に向けて干渉を与えないようにデータ信号を送信することにより、複数の無線送受信機が空間上で効率的に共存することが可能となる。
24.本発明の一形態による無線信号制御方法は、複数の無線送信機と無線受信機が存在し、前記無線送信機は、前記無線受信機へデータ信号用タイムスロットを用いてデータ信号を送信し、前記無線受信機は、受信したデータ信号に対して報知信号系列用タイムスロットを用いて報知信号系列を送信する無線通信システムにおける、無線信号制御方法であって、通信の相手方の無線送信機及び周辺無線送信機により送信されたデータ信号を、複数のアンテナを介して受信し、受信データ信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号が使用している使用周波数帯域情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるデータ信号用受信アンテナウェイト情報、及び自局の耐干渉能力情報を出力するステップと、前記自局の耐干渉能力情報と、自局の通信継続の有無の情報とに基づき、前記報知信号系列の内容を生成するステップと、生成された報知信号系列の内容データを前記使用周波数帯域情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変形するステップと、前記データ信号用受信アンテナウェイト情報に基づき、自局宛のデータ信号を抽出するのに用いられるビームパターンと同様のビームパターンで、変調後の報知信号系列を送信するように報知信号系列用送信アンテナウェイトを決定するステップと、決定された報知信号系列用送信アンテナウェイトにより、変調した報知信号系列を重み付けして送信するステップと、を具備することを特徴とする。かかる構成により、無線受信機の耐干渉能力を周辺無線送信機に報知し、周辺無線送信機に耐干渉能力内で通信を行わせることにより、通信機会を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率の向上を得ることが可能となる。
25.本発明の一形態による無線信号制御方法は、複数の無線送信機と無線受信機が存在し、前記無線送信機は、前記無線受信機へデータ信号用タイムスロットを用いてデータ信号を送信し、前記無線受信機は、受信したデータ信号に対して報知信号系列用タイムスロットを用いて報知信号系列を送信する無線通信システムにおける、無線信号制御方法であって、周辺無線受信機から送信された報知信号系列を、複数のアンテナを介して受信し、周波数領域及び空間領域で分離し、分離後の全報知信号系列、該報知信号系列がそれぞれ使用している周波数帯域情報、及び該報知信号系列それぞれを抽出するのに用いる報知信号系列用受信アンテナウェイト情報を出力するステップと、前記報知信号系列を復調し、復調後の信号に基づき周辺無線受信機の通信状態を判定するステップと、前記周波数帯域情報、前記報知信号系列用受信アンテナウェイト情報、及び周辺無線受信機の通信状態判定結果とから、データ送信に用いる使用周波数帯域及びデータ信号用送信アンテナウェイトを決定するステップと、決定された使用周波数帯域及びデータ信号用送信アンテナウェイトを用いてデータ信号を送信するステップと、を具備することを特徴とする。かかる構成により、受信した報知信号系列に基づいて、周辺無線受信機の耐干渉能力及び通信継続状況を判定し、耐干渉能力の劣る無線受信機に向けて干渉を与えないように無線送信機を制御してデータ信号を送信することにより、複数の無線送受信機が空間上で効率的に共存することが可能となる。
26.本発明の一形態による無線信号制御方法は、複数の無線送信機と無線受信機が存在し、前記無線送信機は、前記無線受信機へデータ信号用タイムスロットを用いてデータ信号を送信し、前記無線受信機は、受信したデータ信号に対して報知信号系列用タイムスロットを用いて報知信号系列を送信する無線通信システムにおける、無線信号制御方法であって、前記無線受信機が、通信の相手方の無線送信機及び周辺無線送信機により送信されたデータ信号を、複数のアンテナを介して受信し、受信データ信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号が使用している使用周波数帯域情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるデータ信号用受信アンテナウェイト情報、及び自局の耐干渉能力情報を出力するステップと、前記無線受信機が、前記自局の耐干渉能力情報と、自局の通信継続の有無の情報とに基づき、前記報知信号系列の内容を生成するステップと、前記無線受信機が、生成された報知信号系列の内容データを前記使用周波数帯域情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変形するステップと、前記無線受信機が、前記データ信号用受信アンテナウェイト情報に基づき、自局宛のデータ信号を抽出するのに用いられるビームパターンと同様のビームパターンで、変調後の報知信号系列を送信するように報知信号系列用送信アンテナウェイトを決定するステップと、前記無線受信機が、決定された報知信号系列用送信アンテナウェイトにより、変調した報知信号系列を重み付けして送信するステップと、前記無線送信機が、周辺無線受信機から送信された報知信号系列を、複数のアンテナを介して受信し、周波数領域及び空間領域で分離し、分離後の全報知信号系列、該報知信号系列がそれぞれ使用している周波数帯域情報、及び該報知信号系列それぞれを抽出するのに用いる報知信号系列用受信アンテナウェイト情報を出力するステップと、前記無線送信機が、前記報知信号系列を復調し、復調後の信号に基づき周辺無線受信機の通信状態を判定するステップと、前記無線送信機が、前記周波数帯域情報、前記報知信号系列用受信アンテナウェイト情報、及び周辺無線受信機の通信状態判定結果とから、データ送信に用いる使用周波数帯域及びデータ信号用送信アンテナウェイトを決定するステップと、前記無線送信機が、決定された使用周波数帯域及びデータ信号用送信アンテナウェイトを用いてデータ信号を送信するステップと、を具備することを特徴とする。かかる構成により、無線受信機は自局の耐干渉能力を周辺無線送信機に報知し、周辺無線送信機に耐干渉能力内で通信を行わせることにより、自局の周辺での通信機会を増加させ、単位面積あたりの周波数利用効率の向上を得ることが可能となる。また、報知信号系列に基づいて、無線送信機は、周辺の無線受信機の耐干渉能力及び通信継続状況を判定し、耐干渉能力の劣る無線受信機に向けて干渉を与えないようにデータ信号を送信することにより、複数の無線送受信機が空間上で効率的に共存することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態について説明する。概して、
図1〜図4を参照しながら無線送受信装置の構成が説明され、
図5〜図11及び図32を参照しながら受信動作が説明され、
図12〜図31を参照しながら送信動作が説明される。
[無線送受信装置の構成]
まず、本実施形態に係る無線送受信装置の構成について説明する。
図1に示すように本実施形態に係る無線送受信装置10は、図2の無線受信機1の構成と図3の無線送信機2の構成の両方を兼ね備えており、複数の無線送受信装置10によって無線通信システム100が形成されている。なお、本実施例に係る無線通信システムは無線通信システム100に相当するが、無線通信システムが無線受信機1の構成と無線送信機2の構成の両方を兼ね備えた無線送受信装置10を複数台含むことは本発明に必須ではない。即ち、本発明に係る無線通信システムは、無線受信機1と無線送信機2とが混在するより一般的な状況に使用可能であり、例えば、上記の無線送受信装置10以外に、無線受信機1の構成のみを備えた装置又は無線送信機2の構成のみを備えた装置が無線通信システムに含まれていてもよい。説明の便宜上、「無線送信機」及び「無線受信機」のような用語が使用されるが、「無線送信機」は信号を送信する機能だけでなく信号を受信する機能をも備えていてもよいし、備えていなくてもよい。同様に、「無線受信機」は信号を受信する機能だけでなく信号を送信する機能をも備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
概して、無線受信機1は、自局の耐干渉能力及び通信の継続の要否を判定する機能、及びその判定結果を報知信号系列として周辺の無線送信機2に送信する機能を備える。無線送信機2は、周辺の無線受信機1から送信された報知信号系列に基づき、該周辺の無線受信機1の耐干渉能力を識別する機能、及びその識別結果に基づいて周辺の無線受信機1に対する干渉量を制御してデータ信号を送信する機能を備える。
図2は無線受信機1の機能的構成を表すブロック図である。図2に示すように、無線受信機1は機能的に、送受分離手段301と、無線信号受信処理手段302と、データ信号空間周波数分離抽出手段101と、データ信号復調手段102と、報知信号系列内容データ生成手段103と、報知信号系列変調手段104と、報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段105と、報知信号系列周波数変換手段106と、送信ビーム形成手段303と、無線信号送信処理手段304とを備える。
図3は、無線送信機2の機能的構成を表すブロック図である。図3に示すように、無線送信機2は機能的に、送受分離手段301と、無線信号受信処理手段302と、報知信号系列空間周波数分離手段201と、報知信号系列復調手段202と、アンテナウェイト情報記憶装置203と、周辺受信機情報記憶装置204と、使用リソース決定手段205と、データ信号変調手段206と、データ信号周波数変換手段207と、送信ビーム形成手段303と、無線信号送信処理手段304とを備える。なお、前記無線受信機及び前記無線送信機において、同様の機能を有する機能ブロックについては、同じ番号を付している。
図2の無線受信機1の送受分離手段301は、アンテナから入力される受信信号を無線信号受信処理部302に転送し、また、無線信号送信処理手段304から入力される送信信号をアンテナに転送する。
無線信号受信処理手段302は、入力されたRF信号に対して周波数変換、増幅等の一連の処理を施してベースバンド信号に変換し、該ベースバンド信号をデータ信号空間周波数分離抽出手段101に与える。
データ信号空間周波数分離抽出手段101は、無線信号受信処理手段302から入力されたベースバンド信号を、空間及び周波数領域において分離し、自局(該無線受信機1)に向けて送信されている信号、すなわち自局宛信号を抽出する。本実施例では、無線受信機は複数のアンテナを有し、各アンテナで受信した信号は空間的に分離される。受信信号は時間及び周波数の双方向に多重されており、時間方向については自装置に割り当てられているタイムスロットを受信することで他信号から分離され、周波数方向については該当する周波数成分を抽出することで他信号から分離される。同時に、該自局宛信号を抽出する際に用いられる受信アンテナウェイト、該自局宛信号が使用している周波数帯域の情報、及び自局の耐干渉能力の情報も用意される。自局宛信号はデータ信号復調手段102へ入力される。受信アンテナウェイトの情報は報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段105へ入力される。使用周波数帯域の情報は、報知信号系列変調手段104及び報知信号系列周波数変換手段106へ入力される。耐干渉能力の情報は報知信号系列内容データ生成手段103へ入力される。後述するように、耐干渉能力は、アンテナ数、通信信号数、許容干渉電力等による指標で表現されてもよい。
データ信号復調手段102は、抽出された自局宛信号を復調し、受信データを得る。同時に、データ受信の成否(誤りの有無)及び通信の継続の要否を判定し、判定結果は報知信号系列内容データ生成手段103へ入力される。また、データ受信の成否の判定結果に基づいてスイッチが制御され、受信データの保存/破棄が選択される。
報知信号系列内容データ生成手段103は、データ信号復調手段102から入力されたデータ受信の成否と通信の継続の要否の判定結果、及びデータ信号空間周波数分離抽出手段101から入力された自局の耐干渉能力の情報に基づいて、周辺無線局へ発信する報知情報のデータを生成する。生成された報知情報のデータは報知信号系列変調手段104へ入力される。
報知信号系列変調手段104は、報知情報のデータを、受信データ信号と同じ周波数帯域幅を有する信号に変調し、変調された報知情報のデータ(すなわち報知信号系列)を報知信号系列周波数変換手段106へ入力する。
報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段105は、データ信号空間周波数分離抽出手段101で得られた受信アンテナウェイト情報に基づき、受信ビームパターンと同一の送信ビームパターンを形成する送信アンテナウェイトを決定し、決定した送信アンテナウェイトを送信ビーム形成手段303へ入力する。
報知信号系列周波数変換手段106は、報知信号系列の中心周波数を調整し、調整後の信号を送信ビーム形成手段303へ入力する。より具体的には、データ信号空間周波数分離抽出手段101により判明した自局宛信号の使用周波数帯域情報に基づき、送信する報知信号系列が、受信信号と同一中心周波数の信号(同じ周波数ブロックの信号)となるように、報知信号系列の中心周波数が調整される。
送信ビーム形成手段303は、ある送信ウェイトで信号に重み付けを行い、重み付け後の信号を無線信号送信処理手段304へ入力する。送信ウェイトは、報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段105で決定された報知信号系列用送信アンテナウェイト及びデータ信号用送信アンテナウェイトである。
無線信号送信処理手段304は、重み付け後の信号に対して増幅、周波数変換等の一連の処理を施して無線周波数帯域の送信信号に変換し、その送信信号を送受分離手段301へ入力する。
本実施例では、無線受信機1において、報知信号系列周波数変換手段106が報知信号系列変調手段104により変調された報知信号系列の中心周波数を変換しているが、報知信号系列周波数変換手段106を送信ビーム形成手段303の後段に配置し、送信ビーム形成手段303で重み付けされた後の報知信号系列の中心周波数が調整されてもよい。
また、例えば、使用される周波数帯域(周波数ブロック)が1つしか無かった場合、中心周波数の調整は不要なので、報知信号系列周波数変換手段106そのものが省略されてもよい。さらに、無線通信システムが例えばOFDM方式等のようなマルチキャリア伝送を使用し、通信に使用するサブキャリアを割り当てることで使用周波数帯域が決定される場合もある。この場合、報知信号系列変調手段104において、自局宛信号のサブキャリアを使用するように報知信号系列を変調することにより、報知信号系列周波数変換手段106は省略されてもよい。本発明は図2の構成に限定されない。
図3の無線送信機2の送受分離手段301は、アンテナから入力された受信信号を無線信号受信処理部302に転送し、また、無線信号送信処理手段304から入力された送信信号をアンテナに転送する。
無線信号受信処理手段302は、入力されたRF信号に周波数変換、増幅等の一連の処理を施してベースバンド信号に変換し、該ベースバンド信号を報知信号系列空間周波数分離手段201に入力する。
報知信号系列空間周波数分離手段201は、無線信号受信処理手段302から入力されたベースバンド信号を空間、周波数領域において分離し、分離されて得られた報知信号系列すべてを報知信号系列復調手段202へ入力する。同時に、それぞれの周波数ブロックで用いた受信アンテナウェイト情報を、周波数要素の識別番号(周波数要素識別番号)及び対応する報知信号系列の識別番号(信号成分識別番号)と共に、アンテナウェイト情報記憶装置203に格納する。周波数要素は例えば或る帯域幅を有する周波数ブロックで表され、周波数ブロックはシステム帯域より狭い適切な如何なる帯域を占めてもよい。周波数ブロック1つの占める帯域幅は、リソースの割当最小単位であるリソースブロックと同じもよいし、それより大きくてもよい。
報知信号系列復調手段202は、入力された報知信号系列をすべて復調することにより、周辺の無線受信機1の通信継続の要否と耐干渉能力の情報を獲得し、該情報を周辺受信機情報記憶装置204に格納する。
使用リソース決定手段205は、アンテナウェイト情報記憶装置203及び周辺受信機情報記憶装置204に格納されている情報に基づいて、データ送信に使用する使用周波数帯域及びデータ信号用送信アンテナウェイトを決定する。格納されている情報は、通信に使用された周波数帯域それぞれで用いられた受信アンテナウェイト情報、周辺の無線受信機1の通信継続の要否を示す情報、周辺の無線受信機1の耐干渉能力情報等を含んでよい。アンテナウェイトの決定後、使用リソース決定手段205は、使用周波数帯域の情報をデータ信号変調手段206及びデータ信号周波数変換手段207へ入力し、データ信号用送信アンテナウェイト情報は、アンテナウェイト情報記憶装置203で記憶される。該記憶されたデータ信号用送信アンテナ情報は、データ信号送信時に取り出され、送信ビーム形成手段303へ入力される。
図4に示されるように、アンテナウェイト情報記憶装置203には、例えば周波数ブロック1,2,...で指定される周波数帯域各々で受信された報知信号系列について、通し番号の付された受信アンテナウェイトベクトル、及び使用リソース決定手段205で計算された送信アンテナウェイト情報が格納されている。図示の例では、同一の無線受信機1から送信された「信号成分識別番号1」の報知信号系列が、「周波数要素識別番号1及び2」の周波数帯域を利用しており、該報知信号系列を抽出するのに用いられた受信アンテナウェイトベクトルが、それぞれ「w11」及び「w21」であった、という情報がアンテナウェイト情報記憶装置203に格納されている。
また、周辺受信機情報記憶装置204には、例えば、報知信号系列により得られる周辺無線受信機1の通信の継続の要否(継続又は非継続)と耐干渉能力の情報が、信号成分識別番号を付されて格納される。ここで、アンテナウェイト情報記憶装置203と周辺受信機情報記憶装置204における信号成分識別番号は、同一の無線受信機1に対して付されるものである。なお、無線送信機2においては、報知信号系列の送信元の同一性さえ識別できればよく、常に各無線受信機1に対して一意の信号成分識別番号が付与される必要はない。
本実施例では、無線送信機2がアンテナウェイト情報記憶装置203及び周辺受信機情報記憶装置204を備えているが、無線送信機2がアンテナウェイト情報記憶装置203及び周辺受信機情報記憶装置204を備えることは必須ではない。例えば、受信アンテナウェイト情報、及び周辺無線受信機1の通信継続の要否と耐干渉能力の情報を直接使用リソース決定手段205へ入力し、使用リソース決定手段205において、情報信号が入力された場合直ちに使用リソースが決定されるようにしてもよい。
データ信号変調手段206は、使用リソース決定手段205から入力された使用周波数帯域情報に基づき、送信信号が指定された帯域幅の信号となるように送信データを変調する。変調後のデータ信号はデータ信号周波数変換手段207へ入力される。
データ信号周波数変換手段207は、使用リソース決定手段205から入力された使用周波数帯域情報に基づいてデータ信号の中心周波数を調整し、調整後の信号を送信ビーム形成手段303へ入力する。データ信号の中心周波数は、データ信号変調手段206において得られたデータ信号を指定された周波数帯域を有するように調整される。
送信ビーム形成手段303は、ある送信ウェイトで信号に重み付けを行い、重み付け後の信号を無線信号送信処理手段304へ入力する。その送信ウェイトは、使用リソース決定手段205で決定された報知信号系列用送信アンテナウェイト及びデータ信号用送信アンテナウェイトである。
無線信号送信処理手段304は、重み付けされた信号に対して増幅、周波数変換等の一連の処理を施して無線周波数帯域の送信信号に変換し、その送信信号を送受分離手段301へ入力する。
本実施例ではデータ信号周波数変換手段207がデータ信号変調手段206から得られたデータ信号の中心周波数を変換しているが、データ信号周波数変換手段207を送信ビーム形成手段303の後段に配置し、送信ビーム形成手段303で重み付けされた後のデータ信号の中心周波数が調整されてもよい。データ信号の中心周波数は、使用リソース決定手段205から入力された使用周波数帯域情報に基づき、送信信号が指定された周波数帯域を有するように調整される。
また、例えば、使用される周波数帯域(周波数ブロック)が1つしか無かった場合、中心周波数の調整は不要なので、データ信号周波数変換手段207の処理は省略されてもよい。さらに、無線通信システムがOFDM方式等のようなマルチキャリア伝送を使用し、サブキャリアを割り当てることにより使用周波数帯域が決定される場合も考えられる。この場合、データ信号変調手段206において、使用周波数帯域分のサブキャリアを使用するようにデータ信号を変調することにより、データ信号周波数変換手段207は省略されてもよい。本発明は図2の構成に限定されない。
[無線送受信に関する動作]
次に、複数の無線送受信装置10の間で実行される無線送受信方法に関する動作(以下「無線送受信動作」という)について説明する。先ず、データ信号を受信し、報知信号系列を送信する側(受信側)の動作が説明され、その後に、報知信号系列を受信し、データ信号を送信する側(送信側)の動作が説明される。
<受信側の動作>
図5は、ある無線送受信装置10の無線受信機1(以下単に「無線受信機1」という)と、他の無線送受信装置10の無線送信機2(以下単に「無線送信機2」という)との間で実行される無線送受信動作に関する手順を示す。
なお、本無線送受信動作においては、周辺に存在する複数の無線送受信機間で時分割多重方式で信号が送受信されるものとする。無線送信機2は、該無線受信機1へデータ信号用タイムスロットを用いてデータ信号を送信する。また、該無線受信機1は、受信したデータ信号に対して報知信号系列用タイムスロットを用いて周辺の装置(上記の無線送信機2を含む)へ報知信号系列を送信する。
ステップS11では、無線受信機1(図2)は、通信の相手方の無線送信機2の信号を含むデータ信号を受信し、無線信号受信処理手段302において、入力されたRF信号に周波数変換、増幅等の一連の処理を施してベースバンド信号に変換する。該ベースバンド信号は、データ信号空間周波数分離抽出手段101へ入力される。
ステップS12では、データ信号空間周波数分離抽出手段101において、受信データ信号を周波数及び空間で分離し自局宛信号、自局宛信号抽出に用いる受信アンテナウェイト、使用周波数帯域及び耐干渉能力等の情報が用意される。各種の情報を用意する具体的手順の一例は、図6に示される。
図6に例示されているように、自局宛信号が使用している周波数帯域に該当する成分が受信信号から切り出され、使用周波数帯域情報が出力される。
続いて、切り出した信号成分において空間的信号分離処理が行われる。この空間的信号分離処理においては、事前に通信相手の無線送信機2を含む周辺無線送信機2と自局との間の伝送路情報を推定しておき一般的なMIMO技術の原理が使用されてもよい(この信号分離処理については、例えば非特許文献3参照。)。或いは、伝送路情報が推定できない場合、独立成分分析のような暗中信号処理技術を用いることにより、信号を空間的に分離することも可能である(この信号分離処理については、例えば非特許文献4参照。)。
空間的信号分離処理後、自局宛信号が抽出され、自局宛信号及び自局宛信号の抽出に用いた受信アンテナウェイトも出力される。続いて、自局の耐干渉能力が推定され、出力される。耐干渉能力は、様々な指標又はメトリックで表現されてもよく、その一例が以下に示される。
アンテナ自由度の残高:受信アンテナウェイトを受信信号に乗算すると、自局宛信号を含む信号成分の数(例えば、ストリーム数)を推定することができる。複数のアンテナを用いて無線信号の受信を行う場合、理論的には、アンテナ本数分までの信号成分を空間的に分離することができる。該信号成分数の推定値が自局の有するアンテナ本数より少ない場合、無線受信機は、その差分に相当する数の信号を更に区別できる。例えば、無線受信機の受信アンテナ総数が4であり、現在受信中のストリーム数が1であった場合、4−1=3つの信号を避けながら希望信号を受信できる。現在受信中のストリーム数が4であった場合、4−4=0なので希望信号を受信する際に信号を避ける自由度は最も少なくなる。このように、アンテナ本数から該信号成分数の推定値を差し引いた数は、希望信号を干渉信号から分離してする能力の強弱に関連する。この差分の値は耐干渉能力の指標として使用することができ、この指標を「アンテナ自由度の残高」と言及することにする。
許容干渉電力:また、干渉信号を受信したとしてもその電力が弱かったならば、希望信号の通信を行うことは可能である。このような観点からは、許容できる干渉電力のレベルが、耐干渉能力の指標として使用されてもよい。
図5のステップS12(図6の各ステップ)で用意された自局宛信号はデータ信号復調手段102へ、受信アンテナウェイトの情報は報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段105へ、使用周波数帯域の情報は報知信号系列変調手段104及び報知信号系列周波数変換手段106へ、そして、耐干渉能力の情報は報知信号系列内容データ生成手段103へ、それぞれ入力される。
ステップS13では、データ復調手段102において、抽出された自局宛信号を復調し、受信データを得る。同時に、データ受信の成否、及び通信の継続の要否も判定される)。ステップS13で行われる具体的な処理の一例は、図7に示されている。
図7に示すように、自局宛信号が入力されると、該自局宛信号は復調され、例えばエラーチェックビットなどを用いて、信号受信の成否が判定される。受信が失敗していた場合、処理は終了する。この場合、報知信号系列内容データ生成手段103には信号が入力されず、報知信号系列の生成をすることなく処理は終了する。本実施例では、受信が失敗した場合、即座に処理が終了するように図示されているが、このことは必須ではない。例えば、通信の相手方無線送信機2がデータを送信していることが確実に分かっている等の場合には、使用中の無線リソースを引き続き確保するために、受信に失敗したこと(例えば、NACK)を報知信号系列により通信の相手方無線送信機2に通知してもよい。この場合、報知信号系列には、通信の継続の要否及び耐干渉能力の情報に加えて、受信の成否(ACK/NACK)が含まれることになる。
一方、受信が成功すると、復調データは受信データとして出力され、続いて復調データの内容を確認して信号受信継続の要否の判定を行い、判定結果が出力される。信号受信継続の要否の判定結果は、例えば、報知信号系列に通信継続の要否を示すビットを挿入し、そのビットの値で判定されてもよい。或いは、通信継続の要否判定においては、受信データとして要求した内容のデータがすべて揃っているか否かを判定し、データが欠けている場合には判定結果を「継続」として出力するようにしてもよい。判定結果は報知信号系列内容データ生成手段103(図2)へ入力される。
図5のステップS14では、報知信号系列内容データ生成手段103、報知信号系列変調手段105、及び報知信号系列周波数変換手段106において、通信の継続の要否と耐干渉能力の情報に基づき、周辺無線送信機2に報知する報知信号系列の内容データが生成される。また、報知信号系列を送信する周波数帯域が自局宛受信データ信号と同じになるように、変調及び変調後の報知信号系列の周波数変換も行われる。ステップS14で行われる具体的な処理の一例は図8に示されている。
図8に示されているように、先行するステップS13における通信の継続の要否の判定結果が「非継続」である場合(即ち、「不要」を示す場合)、報知信号系列に含まれる通信の継続の要否と耐干渉能力を報告するための情報系列は、「0」を表す系列に設定される。通信の継続の要否の判定結果が「継続」を示す場合、図示の例ではアンテナ自由度の残高が確認される。アンテナ自由度の残高が「n」であったとすると、報知信号系列に含まれる通信の継続の要否と耐干渉能力を報告するための情報系列は、「n+1」を表す系列に設定される。「0」又は「n+1」を表す報知信号系列を受信した周辺無線送信機2は、報知信号系列を復調し、その信号に含まれている情報(通信の継続の要否及び耐干渉能力)を確認する。報告された系列の値が「0」であった場合、その「0」を報告してきた無線受信機1に対しては、干渉の影響は以後考慮されなくてよい。系列の値が「0」以外の数値であった場合、通信は継続される必要があるので、その無線受信機に及ぼす干渉に配慮することが必要になる。系列の表す数値(n+1)から1を減算したものがアンテナ自由度の残高nとなり、その無線受信機1の耐干渉能力を容易に察知することができる。系列の値をnでなくn+1に設定するのは、通信継続が不要な場合と、自由度残高が0の場合とを区別するためである。従ってこれらを区別する観点からは、通信継続を要しない場合を0以外の別の数値で表現し、アンテナ自由度の残高nを報知信号系列の中でそのまま使用できるようにしてもよい。
図32は、本実施例による報知信号系列及びデータ信号の通信される様子を示す。図示の例では、無線送信機2a,2b,2c,2dが周波数ブロックB1〜B4の1つ以上を用いて奇数の添え字の付いた記号で示されるタイムスロット(T1,T3,...)でデータ信号を送信する。また、無線受信機1a,1b,1c,1dは受信したデータ信号の周波数ブロックB1〜B4を用いて偶数の添え字の付いた記号で示されるタイムスロット(T2,T4,...)で報知信号を送信する。報知信号系列は、上記のように「0」又は「n+1」(n≧0)に設定される。図示の例では報知信号は、データ信号を受信した無線受信機から周辺の不特定の装置に向けて送信される。無線送信機は、無線受信機から受信した報知信号により、そのような無線受信機の存在することを確認し、該無線受信機が通信の継続を希望するか否かを確認する。
例えば、「周波数要素識別番号2」で指定される周波数ブロックB2において、タイムスロットT1で無線送信機2bが、通信相手である無線受信機1bにデータ信号を送信したとする。無線受信機1bは、自局のアンテナ自由度の残高を「M」と判定した場合(一般的にはM≧0であるが、目下の場合便宜上M=2とする)、報知信号系列を「M+1」を表す系列に設定し、次のタイムスロットT2で同じ周波数ブロックB2で送信する。周辺の無線送信機2a〜2dは、この報知信号系列を観測し、アンテナ自由度の残高が「M」である無線受信機1bが近隣に存在することを把握する。報知信号系列は「0」でないので、無線送信機2bは無線受信機1bが通信の継続を希望していることを確認できる。このため、次のタイムスロットT3でデータ信号が無線受信機1bに伝送される。M=2であることが周辺の無線送信機2a,2c,2d(2b以外)により確認され、無線受信機1bはアンテナ自由度1つ分に相当する耐干渉能力を有することが確認される。図示の例では、無線受信機1bの通信相手以外の無線送信機2aが、タイムスロットT3で通信相手の無線送信機2bと同じ周波数ブロックB2でデータ信号を送信する。無線受信機1bはアンテナ自由度1つ分に相当する耐干渉能力を発揮することで、この周辺無線送信機2aからの干渉信号を回避でき、通信相手の無線送信機2bからの信号を適切に受信できる。この点、無線送信機2aがタイムスロットT3で無線送信機2bと同じ周波数ブロックB2を利用できなかった従来技術と大きく異なる。図示の例では、タイムスロットT6で無線受信機1cが報知信号系列「3」(残高は2)を送信したことに応じて、無線送信機2c及び2dが、タイムスロットT7で同じ周波数ブロックB1でデータ信号を送信することが許容されている。また、タイムスロットT6で無線受信機1cが報知信号系列「M」(残高は1)を送信したことに応じて、タイムスロットT7では無線受信機1c宛にデータ信号が送信される場合に、別の信号を送信することが許容され、無線送信機2a及び2cが、タイムスロットT7で同じ周波数ブロックB3でデータ信号を送信している。本実施例によれば、このように通信機会の増大を図り、より効率的な無線リソースの配分を可能にする。
なお、報知信号系列で報告するアンテナ自由度の残高について、ある数「N」をあらかじめ定めておき、アンテナ自由度の残高がN以上であった場合に報知信号系列に含まれる情報系列(通信の継続の要否と耐干渉能力の報告用の情報系列)を「N+1」として報告し、そうでなければ報告用の情報系列を「0」に設定してもよい。Nを0以外にすると、残高が0,1,...,Nに過ぎない無線受信装置について、それらを干渉回避能力の無い装置と同様に取り扱い、それらの装置の通信品質を確保するようにできる。N=0」と設定すると、図9に示されるように、耐干渉能力がどの程度大きいかは報告されず、通信の継続の要否のみが報告されることになる。
図10は、耐干渉能力の指標を許容干渉電力とする場合の例を示す。例えば、図5のステップS13における通信の継続の要否の判定が「非継続」であった場合、報知信号系列に含まれる通信の継続の要否と耐干渉能力の報告用の情報系列の先頭ビットが「0」に設定され、後続の系列はランダムに設定される(0***・・・)。この本実施例では後続の系列はランダムに設定されているが、予め定めた系列全体を用いて、通信の継続が不要であることを表現してもよい。通信の継続の要否の判定結果が「継続」を示す場合、報知信号系列に含まれる通信の継続の要否と耐干渉能力の報告用の情報系列の先頭ビットが「1」に設定され、後続の系列(XXX・・・)は許容干渉電力の値に設定される(1XXX・・・)。なお、本実施例では、通信の継続を要する場合、先頭ビットだけが「1」に設定されているが、このことは必須でなく、系列全体で許容干渉電力を表現するようにしてもよい。変調及び周波数変換後の報知信号系列は、送信ビーム形成手段303へ入力される。
図5のステップS15では、報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段105が、報知信号系列用送信アンテナウェイトを受信アンテナウェイト情報から導出し、該報知信号系列用送信アンテナウェイトを送信ビーム形成手段303へ入力する。報知信号系列用送信アンテナウェイトは、自局宛信号を抽出するのに用いる受信ビームパターンと同じビームパターンを形成するように設定される。送信ビーム形成手段303は、報知信号系列周波数変換手段106から入力された報知信号系列をその送信アンテナウェイトで重み付けし、無線信号送信処理手段304へ入力する。
ステップS16では、無線信号送信処理手段304は、入力された重み付け後の報知信号系列に、増幅及び周波数変換等の処理を施し、それをRF信号に変換する。変換後の信号は、送受分離手段301と複数のアンテナを介して送信される。
図11は、アンテナウェイトの決定方法を説明するための通信モデルを示す。例えば図示されているように、無線受信機1が、通信の相手方無線送信機21から希望信号x1を受信し、他の複数の無線送信機22,23から干渉信号x2,x3を受けているものとする。図示の伝送路状態における、無線受信機1のアンテナa、b及びcに入力される受信信号r1、r2及びr3は、雑音を無視すると以下の数式で表現できる。
Figure 2009111782
ここで、x1は無線受信機1の通信の相手方の無線送信機21からの送信信号であり、x2及びx3は周辺の無線送信機22,23からの信号(すなわち干渉源からの干渉信号)であるとする。無線受信機1は、図5のステップS12において信号の空間分離を行っている。具体的には、x1、x2及びx3をそれぞれ抽出できるように、
Figure 2009111782
を満たす線形変換Wが受信信号に施される。なお、受信アンテナウェイトの計算(S12)は、このような線形変換Wを求めることであると言ってよい。この線形変換により、受信信号は、次のように変換され、各無線送信機21,22,23が送信した信号x1、x2及びx3を抽出することができる。
Figure 2009111782
線形変換Wを、
Figure 2009111782
とすると、行ベクトル(w11 w21 w31)のみを用いて自局宛信号x1を取り出すことができる。すなわち、該行ベクトルにより形成される受信ビームパターンが「自局宛信号に相応しい受信ビームパターン」となる。
次に、無線受信機1から各無線送信機21,22,23に向けて信号を送信することを考える。無線受信機1は自局宛信号の受信ビームパターンと同じビームパターンで送信を行う。すなわち、干渉源の無線送信機22,23へは報知信号系列が届きにくくなるようにアンテナウェイトが調整される。具体的には、行ベクトル(w11 w21 w31)を転置して得られる列ベクトルを用いて報知信号系列sを重み付けし、アンテナa、b及びcからの送信信号を
s(w11 w21 w31)T
とする。通信の相手方無線送信機21で受信された報知信号系列y1及び周辺無線送信機22,23で受信された報知信号系列y2及びy3は、雑音を無視すると、以下の数式で表現できる。
Figure 2009111782
なぜなら、上記の線形変換Wの性質から、
(h21 h22 h23)(w11 w21 w31)T=(h31 h32 h33)(w11 w21 w31)T =0
となるように受信アンテナウェイトが用意されているからである。これにより、自局宛信号の受信ビームパターンと同じビームパターンで報知信号系列を適切に伝送することが可能となる。
なお、無線受信機1からの報知信号系列は、周辺の無線送信機22,23には(少なくとも理論的には)届かないため、通信を継続する周辺の無線送信機22,23は無線受信機1の存在を認知できず、無線受信機1に向けて干渉信号を送信し続けるかもしれない。しかしながら、無線受信機1は、通信中の周辺の無線送信機2から干渉を受けたとしても、上記のビームパターンの設定により干渉を回避することができ、希望信号を適切に受信するよう期待できる。従って、無線受信機1と、通信を継続する周辺の無線送信機22,23とが同時に同一周波数帯で共存することが許容される。
<送信側の動作>
次に、報知信号系列を受信し、データ信号を送信する側(送信側)の動作が説明される。
図12は送信側の動作を示す。ステップS21において、無線送信機2(図2)は、通信の相手の無線受信機1から報知信号系列を含む信号を受信する。受信されたRF信号には、無線信号受信処理手段302(図3)において、周波数変換、増幅等の一連の処理が施され、ベースバンド信号に変換される。該ベースバンド信号は、報知信号系列空間周波数分離手段201へ入力される。
ステップS22では、報知信号系列空間周波数分離手段201は、受信した報知信号系列を周波数及び空間で分離し、全ての報知信号系列及び全周波数帯域について受信アンテナウェイト情報を抽出し出力する。このとき、無線送信機2は、受信した報知信号系列を空間的に分離し、各周波数成分における(例えば、周波数ブロック毎に)受信アンテナウェイトを用意する。受信側の図5のステップS12で言及されたのと同様に、報知信号系列として事前に定めた信号系列を用いている場合、相関検出などにより伝搬路を推定し、その推定結果に基づいて一般的なMIMO技術を用いて空間的信号分離が行われてもよいし、独立成分分析に基づく方法が使用されてもよい。続いて、各報知信号系列の使用周波数帯域を推定し、該周波数帯域推定値分の信号を収集し、それらが報知信号系列復調手段202へ入力される。なお、本実施例では、受信報知信号系列を空間的に分離した後に各報知信号系列成分の周波数帯域を推定しているが、このとは必須でない。例えば、全周波数帯域を複数の周波数ブロックに分割し、そのうちの一部または全部のブロックを使って各無線受信機1及び無線送信機2が通信を行うようにしてもよい。この場合、無線送信機2は、図13に示すように、まず周波数ブロックで受信報知信号系列を分割し、続いて各周波数ブロック毎に、受信報知信号系列を空間的に分離してもよい。空間分離後に得られた報知信号系列は、全て報知信号系列復調手段202へ入力される。また、それぞれの周波数で使用された受信アンテナウェイト情報は、周波数要素識別番号及び信号成分識別番号と共に、アンテナウェイト情報記憶装置203に格納される。
図12のステップS23では、報知信号系列復調手段202において空間的信号分離後の報知信号系列を復調し、周辺無線受信機1の通信の継続の要否及び耐干渉能力の情報を獲得し出力する。
図14は、各情報を獲得する具体的な手順の一例を示す。図示されているように、各周波数帯域における空間分離後の報知信号系列が復調され、その復調結果から、報知信号系列に含まれている通信の継続の要否及び耐干渉能力に関する情報が確認される。確認された情報内容は、信号成分識別番号を付して周辺受信機情報記憶装置204へ格納される。なお、データの整合性をとるため、信号成分識別番号は、アンテナウェイト情報記憶装置203における信号識別番号と一致するように設定する(図4)。
図12のステップS24では、使用リソース決定手段205において、各周波数帯域における受信アンテナ情報、及び周辺無線受信機1の通信の継続の要否と耐干渉能力を示す情報に基づき、周辺の無線受信機1へ及ぼす干渉も考慮して、使用周波数帯域及び使用送信アンテナウェイトを決定する。使用リソースは、様々な判断基準に基づいて決定されてよい。以下、図15〜図24を参照しながら、様々なリソース決定方法が説明される。説明では、理解を容易にするために、耐干渉能力の指標としてアンテナ自由度の残高が使用されているが、上述したように耐干渉能力について別の指標が使用されてもよい。
図15は具体的な使用リソースの決定方法の一例を示す。まず、周波数帯域ごとの受信アンテナ情報、周辺無線受信機1の通信の継続の要否を示す情報、無線受信機の耐干渉能力情報に基づき、各周波数帯における送信アンテナウェイトが算出され、アンテナウェイト情報記憶装置203に格納される(S241)。
(1)図16は、各周波数帯域における送信アンテナウェイトの算出方法例(その1)を示す。図16では、説明を簡単化するために、ウェイト計算に耐干渉能力の情報は使用されておらず、すなわち、周辺の無線受信機1における通信の継続の要否のみで使用リソースが決定される。この例では、まず、使用可能な全周波数帯域が複数の周波数ブロックに分割され、続いて、各周波数ブロックにおける受信アンテナウェイト情報、及び周辺の無線受信機1が通信の継続を要するか否か及び耐干渉能力を示す情報が取得される。続いて、各周波数ブロックにおいて通信を継続する周辺無線受信機1の数C(b)が測定される。その結果、該通信を継続する周辺無線受信機1の数C(b)が自局の保有するアンテナ本数Kを超える場合、通信を継続する無線受信機1全てに最適な送信ビームパターンを実現することはできず、干渉源全てにヌルを形成することは困難であるため、その周波数ブロックは信号送信に用いないことにする。すなわち、その周波数ブロックにおける送信アンテナウェイトを零行列に設定し、その零行列がアンテナウェイト情報記憶装置203に格納される。
一方、通信を継続する周辺の無線受信機1の数C(b)が自局の保有するアンテナ本数K以下であった場合、通信を継続する周辺の無線受信機1の内、そのような通信が自局にとって干渉を引き起こすような無線受信機に向けてヌルを形成する送信アンテナウェイトを算出する。算出された各周波数ブロックに対する送信アンテナウェイト情報は、アンテナウェイト情報記憶装置203に格納される。この例では、周辺の無線受信機1の通信の継続の要否のみを考慮して与干渉を低減するアンテナウェイトを算出したが、このことは本構成は必須でなく、通信継続の要否だけでなく他の判断基準が使用されてもよい。
(2)図17は送信アンテナウェイトの算出方法例(その2)を示す。この例では、各周波数成分において、「通信の継続を要し(「継続」であり)、かつアンテナ自由度の残高が所定値VD以下の無線受信機1」に対してヌルが形成される。この場合、アンテナ自由度が余っている(残高がVDより大きい)周辺の無線受信機1は、無線送信機2からの信号(干渉信号になる)を受信しても、VDより大きなアンテナ自由度の残高を利用して、該干渉信号を空間的に回避可能であると予想できる。このため、該無線送信機2は、該アンテナ自由度の残高が余っている周辺の無線受信機1の干渉回避能力により、自局からの信号が回避されることを期待してデータ信号を送信する。図17の例は、図16の例と比較して、アンテナ自由度が余っている無線受信機1については干渉を及ぼすことが許容されるので、通信機会の増大を更に図ることができる。なお、図17の例におけるアンテナ自由度の残高の閾値VD(所定値)は、無線送信機2の送信するデータの種類や、通信の優先度、周辺の無線受信機1の数D2等に基づいて変動させてもよい。
(3)図18はアンテナウェイトの算出方法例(その3)を示す。この例では、前記所定値VDを0に設定することにより、或る無線受信機宛に信号を送信する場合、別の無線受信機の内アンテナ自由度の残高が無い無線受信機(干渉源)に対してのみヌルを形成する。このようにすると、信号の送信機会を増大することはできるが、アンテナ自由度の残高が0ではないが少ない無線受信機1においては、干渉が集中して受信に失敗する可能性が高まる(少ないアンテナ自由度では干渉を回避しきれないかもしれない。)。反対に、前記所定値を決して達成できないほど大きく設定すると、図16の例のように、「受信を継続する干渉源になる無線受信機1すべて」に対して送信ビームパターンのヌルを形成することになる。或る無線受信機宛に信号を送信する場合、別の無線受信機全てに向けてヌルが形成される。この場合、周辺の無線受信機1は、干渉を受けることで通信に失敗する確率を極めて小さく抑えることができる。しかしながら、アンテナ自由度が多く余っている無線受信機1にとっては、実際には通信が可能であるにも関わらず、一切通信できなくなるため、通信機会が過剰に減少してしまうおそれが出てくる。閾値を高く設定することで、周囲の通信失敗確率は減少するが、自局の通信機会も減少し、反対に、閾値を低く設定することで、自局の通信機会は増加するが、周囲の通信失敗確率も増大する。従って図17の例の閾値は実情に合わせて適宜調整されることが望ましい。
(4)図19はアンテナウェイトの算出方法例(その4)を示す。この例では、通信を継続する周辺の無線受信機1をアンテナ自由度の残高が低い順に並べ、それらの内、所定の個数(送信アンテナヌル形成予定個数)の無線受信機1にヌルが向けられる。この例では、自局のアンテナ本数の限界まで与干渉を低減することができ、自局のアンテナ本数をK本としたときに送信アンテナヌル形成予定個数をK-1個とすることで、周囲の無線通信環境に最大限配慮した通信を行うことが可能である。
(5)図20はアンテナウェイトの算出方法例(その5)を示す。アンテナ自由度の残高が少ない無線受信機にヌルを向ける観点からビームパターンが実現されると、アンテナ自由度の残高が多い無線受信機1には干渉が集中してしまうことも懸念される。図20に示される例では、送信アンテナヌル形成予定個数の周辺の無線受信機1'をランダムに選択し、或る無線受信機1に信号が送信される場合、該選択された無線受信機1'に対してはヌルが形成されることを保証するが、選択されなかった無線受信機1"についてはそれを保証しないように送信アンテナウェイトが算出される。図20における無線受信機1のランダムな選択においては、アンテナ自由度の残高が少ない無線受信機1が選択されやすいようにし(すなわち、送信ビームのヌル形成対象となる確率が高くなるようにし)、一方でアンテナ自由度の残高が多い無線受信機1が選択されにくくなるように(すなわち、送信ビームのヌル形成対象となる確率が低くなるように)、選択確率をアンテナ自由度の残高により重み付けしてもよい。例えば、アンテナ自由度の残高が0の無線受信機1が必ず選択されるように配慮してもよい。このようにすることにより、周辺の通信を妨害する確率を抑えることが可能である。
(6)図21はアンテナウェイトの算出方法例(その6)を示す。自局の通信品質を満足する範囲内で与干渉を低減するように送信アンテナウェイトが生成される。例えば、図21に示す方法では、周辺無線受信機1をアンテナ自由度の残高が低い順から優先的に該無線受信機1にビームパターンのヌルを形成するようにするが、その際、ヌル形成をすることにより所望通信品質を満足できなくなる無線受信機1に対してはヌルを形成しないことにする。具体的には、例えば、「ヌル形成対象無線受信機」という集合を用意し、アンテナ自由度の残高が低い順に、周辺の無線受信機1と「ヌル形成対象無線受信機」の両方にヌルを形成するアンテナウェイトを生成する。ヌルを形成しても所望品質を満足することができる無線受信機1は、「ヌル形成対象無線受信機」の集合に加える。逆にヌルを形成すると所望品質を満足することができなくなる無線受信機1は、「ヌル形成対象無線受信機」の集合には加えないことにする。無線受信機がヌル形成対象無線受信機に該当するか否かが、全ての無線受信機について確認される。最終的に「ヌル形成対象無線受信機」の数kが所定の数(図21の例では、[自局のアンテナ数K−1] )となるか、通信を継続する全無線受信機1に対してヌルを形成できるか、のどちらかを満足するまで続行する。上記処理が終了し次第、「ヌル形成対象無線受信機」に対してヌルを形成する送信アンテナウェイトを生成する。なお、この例においては、「ヌル形成対象無線受信機」の初期値は、アンテナ自由度が0の全無線受信機1としてもよいし、空集合としてもよい。「ヌル形成対象無線受信機」の初期値を、アンテナ自由度が0の全無線受信機1とした場合、該ヌル形成対象無線受信機に対してヌル形成を行った段階で所望品質を満足できない状態になった場合、送信アンテナウェイトを零行列に設定し、送信を行わないようにすることで、周辺干渉回避能力を持たない無線受信機1の通信を保証することもできる。なお、所望の通信品質は、送信データの内容により無線送信機2内部で決定してもよいし、ネットワークを介して外部から入力される形態であってもよい。
(7)図22はアンテナウェイトの算出方法例(その7)を示す。この例では、事前に周辺の無線受信機1の通信の優先度情報が無線送信機で取得される。自局の優先度より高い優先度の無線受信機1に対して送信ビームパターンのヌルが優先的に形成されてもよい。このとき、アンテナ自由度の残高が0である周辺無線受信機1の優先度を最高値に設定し、耐干渉能力に乏しい無線受信機の通信を優先的に保証するような送信アンテナウェイトが算出されてもよい。また、周辺の無線受信機1各々における優先度は、例えば、一定時間内での無線リソース使用率に基づいて使用頻度の少ない無線受信機1の優先度を高くし、無線送信機2内で決定しても良いし、ネットワークを介して外部から入力されるようにしてもよい。
(8)図23はアンテナウェイトの算出方法例(その8)を示す。周辺無線受信機1の耐干渉能力として許容干渉電力が使用される場合、与干渉電力が、報告された許容干渉電力以下となるようにアンテナウェイトが決定されてもよい。本方法では、まず報知信号系列の受信電力と受信アンテナウェイトから、通信を継続する無線受信機1における報知信号系列送信アンテナゲイン及び伝搬ロスの合算値が推定される。ここで、各周辺無線受信機1における報知信号系列の送信電力は一定であるとする。なお、以下の等式
(報知信号系列受信電力)=
(報知信号系列送信電力)+(報知信号系列送信アンテナゲイン)+(伝搬ロス)+(受信アンテナゲイン)
が成立するため、報知信号系列送信電力を一定と仮定すると、受信アンテナウェイトから報知信号系列送信アンテナゲイン及び伝搬ロスの合算値を求めることができる。その合算値と、送信電力及び送信アンテナゲインとの和が、許容干渉電力以下となるように送信アンテナウェイトを設定することができる。これにより、無線送信機2は、周辺の無線受信機1が通信を継続することができる程度に弱く干渉を抑えつつ、通信を開始することが可能となり、通信機会を増大することができる。
(9)図24はアンテナウェイトの算出方法例(その9)を示す。図示されているように、図23の方法において、通信の優先度の高い無線受信機1に対してのみ許容干渉電力を考慮するようにしてもよい。
図15のステップS242では、ステップS241において、各周波数帯域における送信アンテナウェイトが算出されると、算出された送信アンテナウェイト情報に基づき、使用周波数帯域が決定する。
図25は、使用周波数帯域の決定方法の具体例を示す。まず、算出された送信アンテナウェイト情報を用いて各周波数帯域において達成可能な通信品質が推定される。通信品質は、例えば、通信の相手方無線受信機1におけるSINRや、得られる通信ビットレートなどを用いて表現されてもよい。続いて、推定した通信品質を用いて最も高い通信品質を達成可能な周波数帯域が選択され、それが使用周波数帯域に決定される。
なお、予め定められた帯域幅を有する周波数帯域の中で最高の通信品質を得られる帯域が使用周波数帯域として決定されてもよいし、所望の通信速度を得られる最小限の帯域幅の周波数帯域が、使用周波数帯域として決定されてもよい。
図26は、使用周波数帯域の別の決定方法を示す。図示のように、予め定められた帯域幅を有し、かつ所望の通信速度を満足できる周波数帯域の中から、最低の通信速度を得られる帯域が使用周波数帯域として決定されてもよい。
図27は、使用周波数帯域の別の決定方法を示す。図示のように、予め定められた帯域幅を有し、かつ所望の通信速度を満足できる周波数帯域の中から、ランダムに選択された帯域が、使用周波数帯域として決定されてもよい。
図15のステップS242において、使用周波数帯域が決定された後、その使用周波数帯域を示す情報は、データ信号変調手段206及びデータ信号周波数変換手段207へ入力される。続いて、アンテナウェイト情報記憶装置203に格納されている送信アンテナウェイト情報から、該使用周波数帯域における送信アンテナウェイト算出結果が取り出され、取り出された送信アンテナウェイトは送信ビーム形成手段303へ入力される。
図28に示されるように、無線送信機2の使用リソース決定手段205における使用リソースの決定方法(図12のステップS24)は、使用周波数帯域を先に定め(S243)、その後に、使用周波数帯域における送信アンテナウェイトが計算されてもよい(S244)。
図29は、使用周波数帯域の決定方法(S243)の具体例(その1)を示す。まず、各周波数帯域について、いくつかの周辺無線受信機1の内、アンテナ自由度の残高が最低の周辺無線受信機及び最低値が確認される。
続いて、確認された周波数帯域毎の最低値の内、最も大きな値に対応する周波数帯域が特定され、該周波数帯域が使用周波数帯域として決定される。
この方法により、周辺の無線受信機1におけるアンテナ自由度の残高が多く、耐干渉能力の高い無線受信機1が存在する周波数帯域を使用することができ、信頼性の高い通信を行うことが可能となる。
図30は、使用周波数帯域の決定方法(S243)の具体例(その2)を示す。この例では、通信を継続する周辺無線受信機1の内、アンテナ自由度の残高が所定値以下となる周辺無線受信機1の数が最小となる周波数帯域が、使用周波数帯域として選択される。なお、該所定値は、無線送信機2が送信するデータの内容等により変更できるようにしてもよい。この方法により、アンテナ自由度が所定値以下であり、与干渉を低減する対象となる周辺無線受信機1の数を抑制し、所望の通信品質を満足しやすくすることができる。
図31は、使用周波数帯域の決定方法(S243)の具体例(その3)を示す。この例では、該所定値を達成できないほど大きく設定し、通信を継続する無線受信機1の数が最小の周波数帯域が使用周波数帯域として決定されてもよい。
以後の手順は、使用周波数帯域の決定方法により決定された使用周波数帯域において、アンテナウェイトが、説明済みの図16乃至24の方法により定められる。このように、先に使用周波数帯域を定めることにより、全周波数帯域に対して送信アンテナウェイトを算出する必要がなくなるため、使用リソース決定のための演算効率を高めることができる。演算量よりも通信品質がより重要な場合には、図15の使用リソース決定方法が有利であり、通信品質を多少犠牲にしても演算量を抑えるべき場合には、図28の使用リソース決定方法が有利になる。
図12のステップS25では、以上のように決定された使用リソースを用いて、図3の無線送信機が、データ信号変調手段206において送信データが使用周波数帯域幅の信号となるように変調し、データ信号周波数変換手段207において中心周波数を調整してデータ信号を生成し、送信ビーム形成手段303において、データ信号送信アンテナウェイトを用いて該データ信号に重み付けを行う。
ステップS26では、無線送信機は、無線信号送信処理手段304において、中心周波数変換、増幅などの無線信号の送信の一連の処理を行った後に、該重み付け後のデータ信号を送信する。これにより、周辺無線受信機1の耐干渉能力を考慮して、該無線受信機1の通信の妨害をせずに新たに通信を開始することが可能となる。
[本実施形態の効果]
上記の無線送受信動作においては、無線受信機1が、周辺無線送信機2に対して、自局の耐干渉能力を公表することにより、該無線送信機2の通信機会を増加増やすことができるようになる。無線送信機2は、周辺無線受信機1が存在することを把握できる。また、無線送信機2は、該無線受信機1の耐干渉能力を考慮し、耐干渉能力が低い無線受信機1に向けてはなるべく干渉を与えないようにする。更に無線送信機2は、耐干渉能力が高い無線受信機1や、通信を継続しない無線受信機1に対しては、厳しい与干渉対策を施さないようにし、自局の通信品質を優先して送信ビームパターンや使用周波数帯域を定め、通信機会の増加、及び通信品質の向上を得ることが可能となる。
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。各実施例の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の実施例が必要に応じて使用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
無線通信システム及び無線送受信装置の構成を表す図を示す。 無線受信機の機能的構成を表すブロック図を示す。 無線送信機の機能的構成を表すブロック図を示す。 アンテナウェイト情報記憶装置及び周辺受信機情報記憶装置で記憶される情報を示す図である。 無線信号受信動作のフローチャートを示す。 自局宛データ信号の空間及び周波数における分離抽出動作のフローチャートを示す。 データ信号復調および通信の継続の要否の判定動作を表すフローチャートである。 アンテナ自由度の残高を耐干渉能力の指標とする報知信号系列の生成動作を表すフローチャートである。 通信の継続の要否のみを報告する場合の報知信号系列の生成動作を表すフローチャートである。 許容干渉電力を耐干渉能力の指標とする報知信号系列の生成動作を表すフローチャートである。 複数のアンテナを有する無線受信機と1つのアンテナを有する複数の無線送信機間のチャネルモデルを表す図である。 無線信号の送信動作を表すフローチャートである。 周波数帯域全体を複数の周波数ブロックに分割し、報知信号系列の周波数及び空間的信号分離動作を周波数ブロック毎に行うフローチャートを示す。 報知信号系列を復調し、報知信号系列の内容を記憶する動作を表すフローチャートである。 送信アンテナウェイトを算出した後に使用周波数帯域を定める場合の使用リソースの決定動作を表すフローチャートである。 使用可能な周波数帯域全体における送信アンテナウェイトの算出動作を表すフローチャートである。 アンテナ自由度の残高に基づく送信アンテナウェイトの算出動作を表すフローチャートである。 アンテナ自由度の残高の有無に基づく送信アンテナウェイトの算出動作を表すフローチャートである。 アンテナ自由度の残高の低い無線受信機に対して優先的にヌル形成を行う送信アンテナウェイト算出動作を表すフローチャートである。 ヌル形成対象の無線受信機をランダムに選択する場合の送信アンテナウェイトの算出動作を表すフローチャートである。 自局の通信品質を満足する範囲で周辺無線受信機に向けてヌルを形成する送信アンテナウェイトの算出動作を表すフローチャートである。 通信優先度に基づいて送信アンテナウェイトを算出する動作を表すフローチャートである。 与干渉を許容干渉電力以内に抑える送信アンテナウェイトの算出動作を表すフローチャートである。 通信優先度の高い無線受信機に対して与干渉を許容干渉電力以内に抑える送信アンテナウェイトの算出動作を表すフローチャートである。 算出後の送信アンテナウェイトに基づき、最高通信品質を獲得する使用周波数帯域の決定動作を表すフローチャートである。 算出後の送信アンテナウェイトに基づき、所望通信品質以上の最低品質を獲得する使用周波数帯域の決定動作を表すフローチャートである。 算出後の送信アンテナウェイトに基づき、所望通信品質以上の品質を獲得する使用周波数帯域の決定動作を表すフローチャートである。 使用周波数を決定した後に送信アンテナウェイトを定める場合の使用リソースの決定動作を表すフローチャートである。 最低アンテナ自由度の残高に基づく使用周波数の決定動作を表すフローチャートである。 アンテナ自由度の残高が所定値以下の帯域を検出し、使用周波数を決定する動作を表すフローチャートである。 通信を継続する周辺の無線受信機数に基づく使用周波数の決定動作を表すフローチャートである。 本発明の実施例による報知信号系列を用いて無線信号の送受信が行われる様子を示す概念図である。 従来のビジーバースト方式で無線信号の送受信が行われる様子を示す概念図である。
符号の説明
1…無線受信機,2…無線送信機,10…無線送受信装置,100…無線通信システム,101…データ信号空間周波数分離抽出手段,102…データ信号復調手段,103…報知信号系列内容データ生成手段,104…報知信号系列変調手段,105…報知信号系列用送信アンテナウェイト決定手段,106…報知信号系列周波数変換手段,201…報知信号系列空間周波数分離手段,202…報知信号系列復調手段,203…アンテナウェイト情報記憶装置,204…周辺受信機情報記憶装置,205…使用リソース決定手段,206…データ信号変調手段,207…データ信号周波数変換手段,301…送受分離手段,302…無線信号受信処理手段,303…送信ビーム形成手段,304…無線信号送信処理手段

Claims (31)

  1. 複数のアンテナを備えた無線通信装置であって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手から信号を受信する受信手段と、
    データ信号のリソース割当情報及び複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを示すウェイト情報を含む制御信号とデータ信号とを受信信号から取得する取得手段と、
    前記データ信号受信後通信を継続するか否かを示す情報と自装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報とを含む報知信号を作成する作成手段と、
    報知信号用タイムスロットを用いて、前記アンテナウェイトによるビームパターンで自装置周辺の通信装置に前記報知信号を送信する送信手段と、
    を有し、前記報知信号送信後のアンテナウェイトは、前記通信相手により前記耐干渉能力情報に基づいて決定され、
    通信相手の通信装置及び自装置周辺の周辺通信装置により送信されたデータ信号が複数のアンテナを介して受信され、
    前記取得手段が、受信信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号に使用されている使用周波数帯域を示すリソース割当情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるアンテナウェイトを示す情報を用意するデータ信号空間周波数分離手段を構成し、
    前記送信手段が、生成された報知信号の内容データを前記リソース割当情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変換し、
    データ信号の受信に使用されたアンテナウェイトと、報知信号の送信に使用されるアンテナウェイトが、同じビームパターンを形成する
    ようにした無線通信装置。
  2. 請求項1に記載の無線通信装置であって、
    前記データ信号空間周波数分離手段は、自局の耐干渉能力を、空間的信号分離に利用できるアンテナ自由度の残高から決定する
    ことを特徴とする無線通信装置。
  3. 請求項1に記載の無線通信装置であって、
    前記データ信号空間周波数分離手段は、自局の耐干渉能力を、自局の通信に許容可能な干渉電力から決定する
    ことを特徴とする無線通信装置。
  4. 複数のアンテナを備えた無線通信装置であって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手に信号を送信する送信手段と、
    報知信号用タイムスロットを用いて前記通信相手を含む自装置周辺の無線通信装置から報知信号を受信する受信手段と、
    前記自装置周辺の無線通信装置が通信の継続を希望するか否かを示す情報、及び前記自装置周辺の無線通信装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報を前記報知信号から取得する取得手段と、
    を有し、前記複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトは、前記自装置周辺の無線通信装置の耐干渉能力情報に基づいて決定される無線通信装置。
  5. 前記通信相手との通信が継続される場合、前記通信相手との通信に使用される無線リソースを決定するリソース決定手段を更に有する請求項4記載の無線通信装置。
  6. 複数のアンテナを備えた無線通信装置であって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手に信号を送信する送信手段と、
    報知信号用タイムスロットを用いて前記通信相手を含む自装置周辺の無線通信装置から報知信号を受信する受信手段と、
    受信信号を周波数領域及び空間領域で分離し、受信された報知信号に使用されている周波数帯域を示す情報、及び該報知信号を抽出するのに用いられるアンテナウェイトを示す情報を用意する空間周波数分離手段と、
    前記自装置周辺の無線通信装置が通信の継続を希望するか否かを示す情報、及び前記自装置周辺の無線通信装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報を前記報知信号から取得する取得手段と、
    前記周波数帯域を示す情報、前記アンテナウェイトを示す情報及び自装置周辺の無線通信装置の通信の継続の希望の有無及び耐干渉能力情報とから、データ送信に用いる使用周波数帯域及び前記複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを決定する、リソース決定手段と、
    を有する無線通信装置。
  7. 前記耐干渉性の指標が、前記通信相手の通信装置で同時に受信されるストリーム数と受信に使用可能なアンテナ総数との差分で表現される請求項4又は6記載の無線通信装置。
  8. 前記耐干渉性の指標が、前記通信相手の通信装置で許容可能な干渉電力レベルで表現される請求項4又は6記載の無線通信装置。
  9. 請求項6に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、前記周波数帯域を示す情報、前記アンテナウェイトを示す情報、及び前記周辺の無線通信装置の通信状況に基づき、データ送信に使用可能なアンテナウェイトを算出し、
    前記リソース決定手段は、算出されたアンテナウェイトに基づき、使用周波数帯域を決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  10. 請求項6に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、前記周波数帯域を示す情報及び前記周辺の無線通信装置の通信状況に基づき使用周波数帯域を決定し、
    前記リソース決定手段は、該使用周波数帯域におけるデータ送信用の送信アンテナウェイトを前記報知信号に使用されたアンテナウェイトに基づき算出する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  11. 請求項9に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、算出されたアンテナウェイトにより、最も良好な通信品質が期待される周波数帯域を前記使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  12. 請求項9に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、算出されたアンテナウェイトにより、少なくとも所望品質を満足することが期待される周波数帯域を前記使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  13. 請求項9に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、算出されたアンテナウェイトにより、所望品質を満足することが期待される周波数帯域候補からランダムに選択された帯域を前記使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  14. 請求項10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、前記周辺の無線通信装置の通信状況に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補各々について、周辺の無線通信装置の内アンテナ自由度の残高が最小になるものを特定し、特定された残高が最大の候補を前記使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  15. 請求項10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、前記周辺の無線通信装置の通信状況に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補各々について、周辺の無線通信装置の内アンテナ自由度の残高が第1の所定値以下であるもの数を確認し、確認された数が最低の候補を前記使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  16. 請求項10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、前記周辺の無線通信装置の通信状況に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補各々について、アンテナ自由度の残高が第2の所定値以下である周辺の無線通信装置数を確認し、確認された数が第3の所定値以下となる候補の中からランダムに選択されたものを、前記使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  17. 請求項10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、前記周辺の無線通信装置の通信状況に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有する使用周波数帯域の候補の内、許容干渉電力が最大となる候補を前記使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  18. 請求項10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、前記周辺の無線通信装置の通信状況に基づき、予め定めておいた使用希望帯域幅を有し且つ許容干渉電力が第4の所定値以上となる使用周波数帯域の候補の中からランダムに選択されたものを使用周波数帯域として決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  19. 請求項5,9又は10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、通信を継続して行う周辺の無線通信装置全てに対して、送信ビームパターンのヌルを向けるようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  20. 請求項5,9又は10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、通信を継続する周辺の無線通信装置の内、アンテナ自由度の残高が第5の所定値以下である無線通信装置に対して、送信ビームパターンのヌルを向けるようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  21. 請求項5,9又は10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、通信を継続して行う周辺の無線通信装置の中から、アンテナ自由度の残高の下位所定数の無線通信装置を特定し、特定された無線通信装置に送信ビームパターンのヌルを向けるようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  22. 請求項5,9又は10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、通信を継続して行う周辺の無線通信装置の内、アンテナ自由度の残高が零でない無線通信装置を所定数だけランダムに選択し、該選択された無線通信装置に送信ビームパターンのヌルを向けるようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  23. 請求項19乃至22の何れか1項に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、通信を継続する周辺の無線通信装置の内、送信ビームパターンでヌルを向けた場合にも自装置の希望通信品質を満たせる範囲において周辺の無線通信装置に対してヌルを向けるようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  24. 請求項5,9又は10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、通信を継続する周辺無線通信装置の内、優先権を有する周辺の無線通信装置に対して、送信ビームパターンのヌルが向くようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  25. 請求項5,9又は10に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、通信を継続する周辺の無線通信装置各々から受信された報知信号の受信電力に基づき、周辺の無線通信装置各々についてアンテナウェイトによるゲイン及び伝搬ロスの合算値を推定し、該合算値に基づいて、前記周辺の無線通信装置における信号受信電力が許容干渉電力以下となるようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  26. 請求項25に記載の無線通信装置であって、
    前記リソース決定手段は、優先権を有する周辺の無線通信装置に対して、前記合算値に基づいて、無線通信装置における信号受信電力が許容干渉電力以下となるようにアンテナウェイトを定める、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  27. 複数のアンテナを備えた無線通信装置を複数台含む無線通信システムであって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手に信号を送信する送信手段と、
    報知信号用タイムスロットを用いて前記通信相手を含む自装置周辺の無線通信装置から報知信号を受信する受信手段と、
    前記自装置周辺の無線通信装置が通信の継続を希望するか否かを示す情報、及び前記自装置周辺の無線通信装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報を前記報知信号から取得する取得手段とが或る無線通信装置に備わり、
    前記複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトは、前記自装置周辺の無線通信装置の耐干渉能力情報に基づいて決定され、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手から信号を受信する受信手段と、
    データ信号のリソース割当情報及び複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを示すウェイト情報を含む制御信号とデータ信号とを受信信号から取得する取得手段と、
    前記データ信号受信後通信を継続するか否かを示す情報と自装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報とを含む報知信号を作成する作成手段と、
    報知信号用タイムスロットを用いて、前記アンテナウェイトによるビームパターンで自装置周辺の通信装置に前記報知信号を送信する送信手段とが別の無線通信装置に備わり、
    前記報知信号送信後のアンテナウェイトは、前記通信相手により前記耐干渉能力情報に基づいて決定され、
    通信相手の通信装置及び自装置周辺の周辺通信装置により送信されたデータ信号が複数のアンテナを介して受信され、
    前記取得手段が、受信信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号に使用されている使用周波数帯域を示すリソース割当情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるアンテナウェイトを示す情報を用意するデータ信号空間周波数分離手段を構成し、
    前記送信手段が、生成された報知信号の内容データを前記リソース割当情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変換し、
    データ信号の受信に使用されたアンテナウェイトと、報知信号の送信に使用されるアンテナウェイトが、同じビームパターンを形成するようにした無線通信システム。
  28. 複数のアンテナを備えた無線通信装置を複数台含む無線通信システムであって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手に信号を送信する送信手段と、
    報知信号用タイムスロットを用いて前記通信相手を含む自装置周辺の無線通信装置から報知信号を受信する受信手段と、
    受信信号を周波数領域及び空間領域で分離し、受信された報知信号に使用されている周波数帯域を示す情報、及び該報知信号を抽出するのに用いられるアンテナウェイトを示す情報を用意する空間周波数分離手段と、
    前記自装置周辺の無線通信装置が通信の継続を希望するか否かを示す情報、及び前記自装置周辺の無線通信装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報を前記報知信号から取得する取得手段と、
    前記周波数帯域を示す情報、前記アンテナウェイトを示す情報及び自装置周辺の無線通信装置の通信の継続の希望の有無及び耐干渉能力情報とから、データ送信に用いる使用周波数帯域及び前記複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを決定する、リソース決定手段とが或る無線通信装置に備わり、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手から信号を受信する受信手段と、
    データ信号のリソース割当情報及び複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを示すウェイト情報を含む制御信号とデータ信号とを受信信号から取得する取得手段と、
    前記データ信号受信後通信を継続するか否かを示す情報と自装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報とを含む報知信号を作成する作成手段と、
    報知信号用タイムスロットを用いて、前記アンテナウェイトによるビームパターンで自装置周辺の通信装置に前記報知信号を送信する送信手段とが別の無線通信装置に備わり、
    前記報知信号送信後のアンテナウェイトは、前記通信相手により前記耐干渉能力情報に基づいて決定され、
    通信相手の通信装置及び自装置周辺の周辺通信装置により送信されたデータ信号が複数のアンテナを介して受信され、
    前記取得手段が、受信信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号に使用されている使用周波数帯域を示すリソース割当情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるアンテナウェイトを示す情報を用意するデータ信号空間周波数分離手段を構成し、
    前記送信手段が、生成された報知信号の内容データを前記リソース割当情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変換し、
    データ信号の受信に使用されたアンテナウェイトと、報知信号の送信に使用されるアンテナウェイトが、同じビームパターンを形成するようにした無線通信システム。
  29. 複数のアンテナを備えた無線通信装置で使用される方法であって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手から信号を受信する受信ステップと、
    データ信号のリソース割当情報及び複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを示すウェイト情報を含む制御信号とデータ信号とを受信信号から取得する取得ステップと、
    前記データ信号受信後通信を継続するか否かを示す情報と自装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報とを含む報知信号を作成する作成ステップと、
    報知信号用タイムスロットを用いて、前記アンテナウェイトによるビームパターンで自装置周辺の通信装置に前記報知信号を送信する送信ステップと、
    を有し、前記報知信号送信後のアンテナウェイトは、前記通信相手により前記耐干渉能力情報に基づいて決定され、
    通信相手の通信装置及び自装置周辺の周辺通信装置により送信されたデータ信号が複数のアンテナを介して受信され、
    前記取得ステップは、受信信号を周波数領域及び空間領域で分離し、自局宛のデータ信号、該自局宛のデータ信号に使用されている使用周波数帯域を示すリソース割当情報、該自局宛のデータ信号の抽出に用いるアンテナウェイトを示す情報を用意し、
    前記送信ステップが、生成された報知信号の内容データを前記リソース割当情報に基づき変調し、自局宛のデータ信号と同一帯域で送信される無線信号形式に変換し、
    データ信号の受信に使用されたアンテナウェイトと、報知信号の送信に使用されるアンテナウェイトが、同じビームパターンを形成する
    ようにした方法。
  30. 複数のアンテナを備えた無線通信装置で使用される方法であって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手に信号を送信する送信ステップと、
    報知信号用タイムスロットを用いて前記通信相手を含む自装置周辺の無線通信装置から報知信号を受信する受信ステップと、
    前記自装置周辺の無線通信装置が通信の継続を希望するか否かを示す情報、及び前記自装置周辺の無線通信装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報を前記報知信号から取得する取得ステップと、
    を有し、前記複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトは、前記自装置周辺の無線通信装置の耐干渉能力情報に基づいて決定される方法。
  31. 複数のアンテナを備えた無線通信装置で使用される方法であって、
    データ信号用タイムスロットを用いて通信相手に信号を送信する送信ステップと、
    報知信号用タイムスロットを用いて前記通信相手を含む自装置周辺の無線通信装置から報知信号を受信する受信ステップと、
    受信信号を周波数領域及び空間領域で分離し、受信された報知信号に使用されている周波数帯域を示す情報、及び該報知信号を抽出するのに用いられるアンテナウェイトを示す情報を用意する空間周波数分離ステップと、
    前記自装置周辺の無線通信装置が通信の継続を希望するか否かを示す情報、及び前記自装置周辺の無線通信装置の干渉耐性を示す耐干渉能力情報を前記報知信号から取得する取得ステップと、
    前記周波数帯域を示す情報、前記アンテナウェイトを示す情報及び自装置周辺の無線通信装置の通信の継続の希望の有無及び耐干渉能力情報とから、データ送信に用いる使用周波数帯域及び前記複数のアンテナに適用されるアンテナウェイトを決定する、リソース決定ステップと、
    を有する方法。
JP2007282443A 2007-10-30 2007-10-30 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法 Expired - Fee Related JP4538485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007282443A JP4538485B2 (ja) 2007-10-30 2007-10-30 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007282443A JP4538485B2 (ja) 2007-10-30 2007-10-30 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009111782A true JP2009111782A (ja) 2009-05-21
JP4538485B2 JP4538485B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=40779783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007282443A Expired - Fee Related JP4538485B2 (ja) 2007-10-30 2007-10-30 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4538485B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014529949A (ja) * 2011-08-17 2014-11-13 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 改善された干渉除去のためのネットワーク協調
JP2014216842A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 京セラ株式会社 通信装置及び通信制御方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004072539A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Ntt Docomo Inc 無線通信システム、基地局及び無線通信方法
WO2006075733A1 (ja) * 2005-01-17 2006-07-20 Sharp Kabushiki Kaisha 通信装置
JP2006197207A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Fujitsu Ltd 無線通信システム及び送信装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004072539A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Ntt Docomo Inc 無線通信システム、基地局及び無線通信方法
JP2006197207A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Fujitsu Ltd 無線通信システム及び送信装置
WO2006075733A1 (ja) * 2005-01-17 2006-07-20 Sharp Kabushiki Kaisha 通信装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014529949A (ja) * 2011-08-17 2014-11-13 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 改善された干渉除去のためのネットワーク協調
US9497765B2 (en) 2011-08-17 2016-11-15 Qualcomm Incorporated Network coordination for improved interference cancellation
JP2014216842A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 京セラ株式会社 通信装置及び通信制御方法
US9788335B2 (en) 2013-04-25 2017-10-10 Kyocera Corporation Communication apparatus and communication control method

Also Published As

Publication number Publication date
JP4538485B2 (ja) 2010-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220078779A1 (en) Electronic apparatus, wireless communication method and computer-readable medium
CN106134236B (zh) 跟踪上行链路波束的方法和装置
JP5487325B2 (ja) 無線通信システム、及び無線通信方法
JP4181093B2 (ja) 無線通信システム
JP5588594B2 (ja) 無線通信システムにおける通信方法並びに無線端末及び無線基地局
US9516635B2 (en) Apparatus and method for transmitting and receiving fast feedback information in broadband wireless communication system
JP5814225B2 (ja) リレー・ユーザ選択およびダウンリンク・リソース割当の方法、装置、およびデバイス
JP5445152B2 (ja) 無線通信装置、リモート局装置、基地局装置
US9226297B2 (en) Apparatus and method for network entry in a wireless communication system
US8503944B2 (en) Signal detection apparatus and signal detection method for use in radio station of radio communication system
US20230033208A1 (en) Selection of decoding level at signal forwarding devices
EP3565165A1 (en) Reference signal sending method and communication device
JP2010093825A (ja) 通信リンクの割当てに関する情報を信号により伝達する装置および通信リンクの割当てを決定する装置
EP3641150B1 (en) Beam training method, initiator device, and responder device
US9781723B2 (en) Method for operating a base station in a wireless radio network, base station and user equipment
US9794767B2 (en) User terminal, radio communication system and radio communication method
CN110049558B (zh) 一种用于无线通信的通信节点中的方法和装置
JP4538485B2 (ja) 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法
JP6635918B2 (ja) 無線基地局、親局装置、子局装置、および制御方法
CN110113817B (zh) 一种基站、用户设备中的用于无线通信的方法和装置
US20230247562A1 (en) Terminal, and communication method
JP2016146518A (ja) 無線通信装置およびチャネル占有状況検知方法
JPWO2020222282A5 (ja) 端末、基地局、通信システム及び通信方法
CN111108797B (zh) 一种被用于无线通信的用户设备、基站中的方法和装置
JP4473704B2 (ja) マルチアンテナ通信装置および通信相手選択方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4538485

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees