JP2009109046A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】室内温度及び室内湿度が制御される空調室11に循環させる空調用空気を供給する循環空気供給手段12と、室内温湿度設定ゾーン入力手段13fと、室内温湿度設定ゾーン入力手段により室内温湿度範囲を入力することにより設定された空気線図上の室内温湿度設定ゾーンと、空気線図上の室内温湿度設定ゾーン以外のゾーンを複数に分割した制御ゾーンと、室内温度及び室内湿度測定手段と、を備え、室内温度及び室内湿度測定手段により随時測定された室内温度及び室内湿度を室内温湿度設定ゾーンと比較し、室内温湿度設定ゾーンにないとき、いずれの制御ゾーン内にあるかを判定し、各制御ゾーン毎に設定した空調制御パターンに基づいて、室内温度及び室内湿度を室内温湿度設定ゾーンに移行させるように循環空気供給手段を制御する制御手段を有する。
【選択図】 図1
Description
(ア)外気を取り入れない空調システムには適用できない。
(イ)外気条件により室内温湿度目標値を定めるため、外気温湿度と室内温湿度に乖離がある場合に、最も省エネルギーとなる温湿度目標値を定めることが難しい。
(ウ)室内熱負荷が変動した場合、制御追従性に欠ける。
室内温湿度設定ゾーン入力手段と、
前記室内温湿度設定ゾーン入力手段により室内温湿度範囲を入力することにより設定された空気線図上の室内温湿度設定ゾーンと、
空気線図上の前記室内温湿度設定ゾーン以外のゾーンを複数に分割した制御ゾーンと、
室内温度及び室内湿度測定手段と、を備え、
前記室内温度及び室内湿度測定手段により随時測定された室内温度及び室内湿度を前記室内温湿度設定ゾーンと比較し、前記室内温湿度設定ゾーンにないとき、いずれの制御ゾーン内にあるかを判定し、各制御ゾーン毎に設定した空調制御パターンに基づいて、室内温度及び室内湿度を前記室内温湿度設定ゾーンに移行させるように循環空気供給手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
前記室内温湿度設定ゾーン以外のゾーンを、予め、
Aゾーン:室内露点温度D>D1、かつ室内温度T>Tmax、
Bゾーン:室内露点温度D>D1、かつ室内温度T≦Tmax、
Cゾーン:D1≧室内露点温度D>D2、かつ室内湿度H>Hmax、
Dゾーン:D2≧室内露点温度D、かつ室内温度T<Tmin、かつ室内湿度H≧Hmin、
Eゾーン:室内温度T<Tmin、かつ室内湿度H<Hmin、
Fゾーン:室内湿度H<Hmin、かつTmin≦室内温度T≦Tmax、
Gゾーン:室内湿度H<Hmin、かつ室内温度T>Tmax、
Hゾーン:D1≧室内露点温度D、かつ室内温度T<Tmax、かつ室内湿度H≧Hmin、
の8つの制御ゾーンに分割したことを特徴とする。
Aゾーンにおいては冷却弁とし、
Bゾーンにおいては冷却弁及び加温弁とし、
Cゾーンにおいては加温弁とし、
Dゾーンにおいては加温弁とし、
Eゾーンにおいては加温弁及び加湿弁とし、
Fゾーンにおいては加湿弁とし、
Gゾーンにおいては冷却弁及び加湿弁とし、
Hゾーンにおいては冷却弁とすることを特徴とする。
これによって、空気線図上における設定した室内温湿度設定ゾーンである許容幅のある温湿度要求に対して最低限のエネルギーで満足させるような空調制御を効果的に行うことができ、省エネルギーすなわち空調ランニングコスト低減に大きく寄与することができる。
なお、本空調システムでは以上のような機能に加えて、タッチパネルなどの操作機器をその制御盤に設けることでユーザ視点での視認性や操作性を向上させたりすることもできる。
すなわち、本空調システムにおける空調機の制御方法では、温湿度許容範囲をエネルギー消費の不要な室内温湿度設定ゾーンとして位置付け、この許容範囲から外れる動きをした場合にのみ最小限のエネルギー消費でその設定した許容範囲に留まるような空調制御を行うことを可能としている。こうして、省エネルギー空調制御を汎用シーケンサ、タッチパネルなどの設備構成のもとで専用ソフトウェアを介して行うことができ、従来の制御では不可能であった除湿制御の省エネルギー化を実現することができる。
図示するように実施形態の空調システム10は、制御対象となる電子機器などの組立工場などの空調室11と、空調室11に配置されその室内に循環空気を供給するための循環空気供給手段となる空調機12と、空調制御パターン決定手段及び制御手段としての機能を有した制御盤13とを備えている。
空調室11には、室内温度及び室内湿度を測定するための温度センサ14と湿度センサ15が設けられていて、これらのセンサ信号に基づいて空調機12が制御される。
すなわち、温度センサ14及び湿度センサ15からのセンサ信号が制御盤13に入力されることによって、制御盤13にロードされた省エネルギー空調制御を実現するための専用ソフトウェアを介してこれらのデータが処理される。こうして、空調室11を最適なエネルギー消費量のもとで調整する空気制御パターンが決定されて、空調機12をこの空調制御パターンで制御するようになっている。
(露点センサ不要)
省エネルギー空調制御においては露点制御も行っているので、設定露点温度、現在露点温度が必要となる。一般的には露点温度センサを取付けて制御を行うが、省エネルギー空調制御では温度、湿度の情報から露点温度を演算で求めることによって、露点温度センサの取付けに伴うメンテナンスを不要にすることができる。
(送風停止による省エネルギー機能)
現在温湿度が室内温湿度設定ゾーンに滞留する場合、空調機の送風を停止し完全な空調停止をするプログラムを採用することができる。送風機再起動の条件としては、現在温湿度が室内温湿度設定ゾーンから外れた場合のみならず、タイマー設定による定期的な送風循環により適正な換気量を確保し、室内の温湿度ムラや新鮮空気不足を起こさないように制御することもできる。
(データ収集機能)
現在温湿度及び運転制御状態を一定時間毎にデータ収集し、メモリカードにCSV形式などで蓄積してパソコンに取り込んでのデータ加工、分析を容易に行うことができる。
(タッチパネルを使った温湿度グラフィック表示機能や運転モード表示機能)
湿度を縦軸、温度を横軸にとって、現在温湿度と設定温湿度許容幅をグラフィックで表示することによって、視認性を格段に向上させることができる。これによりユーザは、現在温湿度が許容範囲に入っているかどうかを視覚的に、直感的に判断することができる。また、冷却、冷却除湿、加温除湿、加温、加湿という5つの制御状態を運転モードとして表示することによって、現在の運転制御状態を簡単に把握することができる。
(温度・湿度の上下限を設定するだけの簡単入力手段操作機能)
ユーザは温湿度の許容幅(温度上下限、湿度上下限の計4点)を室内温湿度設定ゾーン入力手段13fのタッチパネル上で入力するだけで、簡単に温湿度設定条件を変更することができる。制御動作設定や警報動作設定は、制御運転条件を基準にプログラムされているので、温湿度設定条件に追従して自動的に変更することができる。
省エネルギー空調制御における最初のステップS1、S2では、空調室11に設けた温度センサ14、湿度センサ15からそれぞれセンサ信号を取得する。そして、得られた室内条件が、空気線図上に設定されたA〜Hゾーン或いは室内温湿度設定ゾーンのいずれかのゾーンに合致するかを判断する。A〜Hゾーンは、例えば図4に示すように室内温湿度設定ゾーンの周囲を区画して分割するように設定された8区画からなる制御ゾーンであって、この制御ゾーン毎に空調室11内で測定された室内温度及び室内湿度を室内温湿度設定ゾーンに移行させるための空調制御パターンが設定されている。なお、A〜Hゾーンについての詳細は後述する。
一般的に、室内湿度が設定値より高い場合、冷却によってのみ除湿を行う。この方法では除湿冷却に伴う室内温度の低下も避けられないため、相対湿度を下げるには不十分であり、これと同時に設定温度まで加温を行う必要があった。
これに対して省エネルギー空調制御では最小限のエネルギーで相対湿度を下げるために加温除湿という考え方を採用する。なお、加温プロセスは相対湿度を下げる効果がある反面、温度を上昇させるため、その制御方法にはいくつかの要点がある。言い換えれば従来の加温除湿制御は相対湿度条件のみで除湿制御を試みるものであるが、省エネルギー空調制御では除湿制御を省エネルギー最適化するために以下の(a)〜(c)に示すような手順で制御を行うものである。
まず、室内温湿度設定ゾーン入力手段13fから、上限温度(Tmax)、下限温度(Tmin)、上限湿度(Hmax)、下限湿度(Hmin)を入力する。
これにより空気線図上に、上限温度(Tmax)、下限温度(Tmin)、上限湿度(Hmax)、下限湿度(Hmin)の4点で囲まれる内側領域が室内温湿度設定ゾーンとして設定される。
なお、室内温湿度設定ゾーンの形成点(w)〜(z)を、以下のように定義する。
(w)上限温度(Tmax)、上限湿度(Hmax)
(x)下限温度(Tmin)、上限湿度(Hmax)
(y)下限温度(Tmin)、下限湿度(Hmin)
(z)上限温度(Tmax)、下限湿度(Hmin)
また、(w)上限温度(Tmax)、上限湿度(Hmax)の露点温度をD1、
(x)下限温度(Tmin)、上限湿度(Hmax)の露点温度をD2とする。
次に、前記(a)で設定した室内温湿度設定ゾーン以外の外側のゾーンを、図4に示すように、次の8つのゾーンに分割する。
Aゾーン:室内露点温度D>D1、かつ室内温度T>Tmax、
Bゾーン:室内露点温度D>D1、かつ室内温度T≦Tmax、
Cゾーン:D1≧室内露点温度D>D2、かつ室内湿度H>Hmax、
Dゾーン:D2≧室内露点温度D、かつ室内温度T<Tmin、かつ室内湿度H≧Hmin、
Eゾーン:室内温度T<Tmin、かつ室内湿度H<Hmin、
Fゾーン:室内湿度H<Hmin、かつTmin≦室内温度T≦Tmax、
Gゾーン:室内湿度H<Hmin、かつ室内温度T>Tmax、
Hゾーン:D1≧室内露点温度D、かつ室内温度T<Tmax、かつ室内湿度H≧Hmin、
このような制御における「制御設定値」、「制御目標値」、循環空気供給制御手段における「各制御弁の動作と目的」を表1にまとめる。
すなわち、
Aゾーンにおいては、(w)上限温度(Tmax)、上限湿度(Hmax)が目標値である。
Bゾーンにおいては、(w)上限温度(Tmax)、上限湿度(Hmax)が目標値である。
Cゾーンにおいては、温度は成行きとし、湿度は上限湿度(Hmax)が目標値である。
Dゾーンにおいては、温度は下限温度(Tmin)が目標値であり、湿度は成行きとする。
Eゾーンにおいては、(y)下限温度(Tmin)、下限湿度(Hmin)が目標値である。
Fゾーンにおいては、温度は成行きとし、湿度は下限湿度(Hmin)が目標値である。Gゾーンにおいては、(z)上限温度(Tmax)、下限湿度(Hmin)が目標値である。
Hゾーンにおいては、温度は上限温度(Tmax)が目標値であり、湿度は成行きとする。
(i)冷却弁:図5
・室内温度T>Tmaxのとき、Tmaxを制御設定値とした冷却制御を行う。
・室内露点温度D>D1のとき、D1を制御設定値とした除湿制御を行う。
(ii)加温弁:図6
・室内露点温度D>D1、かつ室内温度T≦Tmaxのとき、Tmaxを制御設定値とした加温制御を行う。
・D1≧室内露点温度D>D2、かつ室内湿度H>Hmaxのとき、Hmaxを制御設定値とした除湿制御を行う。
・室内露点温度D≦D2、かつ室内温度T<Tminのとき、Tminを制御設定値とした加温制御を行う。
(iii)加湿弁:図7
・室内湿度H<Hminのとき、Hminを制御設定値とした加湿制御を行う。
本発明においては、まず、室内温湿度設定ゾーン入力手段により、室内温湿度上下限条件の4点(Tmax、Tmin、Hmax、Hmin)を入力し、空気線図上の室内温湿度設定ゾーンを設定する。
本実施例の場合、Tmax(28℃)、Tmin(20℃)、Hmax(50%)、Hmin(25%)とした。
空調室11に設けた温度センサ14、湿度センサ15から取得した室内温湿度、及び外気の温湿度がともに、温度:30℃、湿度:55%とした場合(図8のAゾーンのRA点に位置する)、本実施例及び参考例(特許文献1の温湿度制御システムの外気条件を室内の温湿度に置き換えたもの)においては、下記のような制御を行う。
この場合、室内温度、露点温度ともに制御設定値より高いので、循環空気供給手段において冷却除湿を行うことが最もエネルギー効率が良い。本実施例における空調制御の動作は、冷却弁の開度を調整する制御による冷却除湿プロセスのみを行い、図8で示すように、空調機を通過する空気(室外から供給される空気(外気)と、室内の空気の混合)の温湿度の動きはRA点より冷却・除湿(矢印左・左下方向)プロセスを経て、供給空気条件(実施例SA点)に向かう。制御の安定性及び追従性を保ちつつ制御設定値を目指すよう制御するようにすると、供給空気条件(実施例SA点)における温湿度は、一定とはならないが、より効率的な空調制御を得ることができる。
この過程で、室内温湿度(RA)は、空調機から供給される空気(SA)との混合によって制御目標値に近づいて行くことになるが、Aゾーンにおける冷却除湿プロセスによって室内温湿度が隣接する他のゾーン(Bゾーン或いはHゾーン)に移行した場合には、それ以降は当該ゾーンに設定されている空調制御パターンに従って、制御目標値、制御設定値が再び設定され、室内温湿度設定ゾーンを目指すこととなる。
すなわち参考例では、図8で示すように、空調機を通過する空気の温湿度の動きは(実施例同様)RA点より冷却・除湿プロセスを経た後、更に加温(矢印右方向)プロセスを経て、供給空気条件(参考例sa点)に向かうこととなる。
このため冷却を伴う除湿は行われるものの、その後の加温で室内温度降下が抑制されてしまい、エネルギーロスが生じてしまう。
本実施例では、Aゾーンからの移行においては、除湿と同時に冷却も実施するが加温制御は行わないことで、エネルギーロスを抑制する制御を行うことにより、参考例のシステムよりも省エネルギー効果が高くなっている。
11 空調室
12 空調機(循環空気供給手段)
13 制御盤
13a 制御部(制御手段)
13b 記憶部
13c 目標決定ゾーン設定部
13d 室内露点温度算出部
13e 空調制御パターン決定部
13f 室内温湿度設定ゾーン入力手段13f
14 温度センサ
15 湿度センサ
16 加湿部
17 加温部
18 冷却部
Claims (4)
- 室内温度及び室内湿度が制御される空調室に循環させる空調用空気を供給する循環空気供給手段と、
室内温湿度設定ゾーン入力手段と、
前記室内温湿度設定ゾーン入力手段により室内温湿度範囲を入力することにより設定された空気線図上の室内温湿度設定ゾーンと、
空気線図上の前記室内温湿度設定ゾーン以外のゾーンを複数に分割した制御ゾーンと、
室内温度及び室内湿度測定手段と、を備え、
前記室内温度及び室内湿度測定手段により随時測定された室内温度及び室内湿度を前記室内温湿度設定ゾーンと比較し、
前記室内温湿度設定ゾーンにないとき、いずれの制御ゾーン内にあるかを判定し、
各制御ゾーン毎に設定した空調制御パターンに基づいて、
室内温度及び室内湿度を前記室内温湿度設定ゾーンに移行させるように循環空気供給手段を制御する制御手段を有することを特徴とする空調システム。 - 請求項1の空調システムにおいて、
各制御ゾーン毎に設定された空調制御パターンは、
測定された室内温度及び室内湿度から、前記室内温湿度設定ゾーン境界線上の近傍点まで、
最も省エネルギーで到達できると考えられる経路を経由するように制御するパターンであることを特徴とする空調システム。 - 請求項1又は2の空調システムにおいて、
前記室内温湿度設定ゾーン以外のゾーンを、
予め、
Aゾーン:室内露点温度D>D1、かつ室内温度T>Tmax、
Bゾーン:室内露点温度D>D1、かつ室内温度T≦Tmax、
Cゾーン:D1≧室内露点温度D>D2、かつ室内湿度H>Hmax、
Dゾーン:D2≧室内露点温度D、かつ室内温度T<Tmin、かつ室内湿度H≧Hmin、
Eゾーン:室内温度T<Tmin、かつ室内湿度H<Hmin、
Fゾーン:室内湿度H<Hmin、かつTmin≦室内温度T≦Tmax、
Gゾーン:室内湿度H<Hmin、かつ室内温度T>Tmax、
Hゾーン:D1≧室内露点温度D、かつ室内温度T<Tmax、かつ室内湿度H≧Hmin、
の8つの制御ゾーンに分割したことを特徴とする空調システム。 - 請求項3の空調システムにおいて、
循環空気供給手段は、冷却部、加温部、加湿部を含み、各制御ゾーン毎に設定した空調制御パターンで制御する手段は、
Aゾーンにおいては冷却弁とし、
Bゾーンにおいては冷却弁及び加温弁とし、
Cゾーンにおいては加温弁とし、
Dゾーンにおいては加温弁とし、
Eゾーンにおいては加温弁及び加湿弁とし、
Fゾーンにおいては加湿弁とし、
Gゾーンにおいては冷却弁及び加湿弁とし、
Hゾーンにおいては冷却弁とすることを特徴とする空調システム。
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