JP2009108810A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Masanori Yanagisawa
雅典 柳沢
Takehiro Kanayama
武弘 金山
Naoto Tomioka
直人 富岡
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Abstract

【課題】圧縮部材の広い回転角度範囲にわたって圧縮部材とシリンダとの間からの冷媒の漏れを効果的に抑制することが可能となるロータリ圧縮機を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮機は、ケーシング内に設置され冷媒を圧縮する圧縮室を有する第1シリンダ8と、該第1シリンダ8に内装され圧縮室内の冷媒を圧縮する圧縮部材である第1ピストン12と、ケーシングに設置され第1ピストン12を駆動する駆動機構とを備える。そして、第1ピストン12による冷媒の圧縮終了後の回転角度位置を0度としたときの第1ピストン12の回転角度が135度以上225度以下の範囲内に、第1ピストン12と第1シリンダ8の内周面80との間の最小隙間が存在するように第1ピストン12を第1シリンダ8内に設置する一方で、最小隙間となる第1ピストン12の回転角度位置を過ぎた後の第1ピストン12に対し第1シリンダ8の内周面80に向かう方向の力を作用させるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、ロータリ圧縮機に関し、より特定的には、シリンダに内装され冷媒を圧縮する圧縮部材と、シリンダ内周との間の隙間を調整可能な隙間調整機構を有するロータリ圧縮機に関する。
ロータリ圧縮機では、シリンダに内装されたピストン(圧縮部材)を駆動することで、シリンダ内に吸入された冷媒を圧縮する。このロータリ圧縮機の効率を向上する手法としては従来から様々な手法が提案されているが、その中の一手法として、ピストンの外周面とシリンダの内周面との間の最小隙間を小さくして冷媒の漏れを少なくするという手法がある。
このようにピストンの外周面とシリンダの内周面間の最小隙間を小さくして冷媒の漏れを少なくすべく、ピストンと、該ピストンを駆動するクランク軸の偏芯部との間に偏芯リングを介装したロータリ圧縮機が、たとえば特許第3702686号公報に記載されている。
また、シリンダ内周面の形状を非真円として、ローラの回転角が180度の位置からリード弁が開放される位置までの間においてローラの外周面とシリンダの内周面間の隙間が最小となるようにしたロータリピストン型圧縮機が、たとえば特開平5−312171号公報に記載されている。
特許第3702686号公報 特開平5−312171号公報
上記の特許第3702686号公報に記載のように、ピストンとクランク軸の偏芯部との間に偏芯リングを介装することにより、冷媒圧縮時におけるピストンの外周面とシリンダの内周面との間の最小隙間を小さくすることができ、ピストンの特定の回転角度位置およびその近傍での冷媒の漏れを少なくすることができる。
しかし、上記最小隙間となるピストンの回転角度位置およびその近傍以外の回転角度位置で、ピストンの外周面とシリンダの内周面との間の隙間が大きくなるのを回避することは困難である。そのため、圧縮部材であるピストンの広い回転角度範囲でピストンの外周面とシリンダの内周面との間の隙間を小さく維持することができず、当該隙間を介した冷媒の漏れを広い回転角度範囲にわたって効果的に抑制することが困難となるという問題が生じる。
また、特開平5−312171号公報に記載のように、シリンダ内周面の形状を非真円として、ローラの回転角が180度の位置からリード弁が開放される位置までの間においてローラの外周面とシリンダの内周面との間の隙間が最小となるようにした場合も、最小隙間を設けた回転角度位置およびその近傍の所定の回転角度範囲内での冷媒の漏れを抑制することはできるが、それ以外の回転角度位置で上記隙間が大きくなるのを回避することが困難である。したがって、特許第3702686号公報の場合と同様に、圧縮部材であるローラの広い回転角度範囲にわたって冷媒の漏れを効果的に抑制するのが困難となるという問題が生じる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、圧縮部材の広い回転角度範囲にわたって圧縮部材とシリンダとの間からの冷媒の漏れを効果的に抑制することが可能となるロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係るロータリ圧縮機は、ケーシング内に設置され冷媒を圧縮する圧縮室を有するシリンダと、該シリンダに内装され圧縮室内の冷媒を圧縮する圧縮部材と、ケーシングに設置され圧縮部材を駆動する駆動機構とを備える。そして、1つの局面では、圧縮部材による冷媒の圧縮終了後の回転角度位置を0度としたときの圧縮部材の回転角度が135度以上225度以下の範囲内に、圧縮部材とシリンダの内周面との間の最小隙間が存在するように圧縮部材をシリンダ内に設置する一方で、最小隙間となる圧縮部材の回転角度位置を過ぎた後の圧縮部材に対しシリンダの内周面に向かう方向の力を作用させるようにする。
ここで、「圧縮部材による冷媒の圧縮終了後の回転角度位置」とは、典型的には、図2に示すように冷媒の圧縮が終了し、次の冷媒圧縮を開始する回転角度位置のことを意味するものと定義する。また、「シリンダの内周面に向かう方向の力」とは、圧縮部材に最も近接した位置のシリンダの内周面に向かう方向の成分を有する力のことを意味する。
上記圧縮部材の回転角度が180度あるいはその近傍の値となる位置に前記最小隙間が存在することが好ましい。また、上記最小隙間を30μm以下とすることが好ましい。
上記シリンダは、冷媒を吸入する吸入口を有するが、上記圧縮部材において吸入口側に位置する部分の質量が吸入口と反対側(吐出口側)に位置する部分の質量よりも小さくなるように圧縮部材の質量調整を行なうことが好ましい。たとえば、圧縮部材において上記吸入口側に位置する部分に凹部や面取り部を設けることが考えられる。また、これとは反対に、たとえば圧縮部材本体よりも比重の大きい部材で構成された錘部材等の部材を、圧縮部材において吸入口と反対側(吐出口側)に位置する部分に装着することで質量調整を行なうことも考えられる。
本発明に係るロータリ圧縮機の他の局面では、圧縮部材が圧縮室から圧縮後の冷媒が吐出を開始する吐出開始回転角度位置にあるときの圧縮部材とシリンダの内周面との間の隙間が最小となるように圧縮部材をシリンダ内に設置し、かつ圧縮部材が吐出開始回転角度よりも大きな回転角度の位置にあるときに、圧縮部材に対しシリンダの内周面に向かう方向の遠心力を作用させるようにする。
本発明に係るロータリ圧縮機では、圧縮部材とシリンダの内周面との間の隙間が最小となる回転角度位置を過ぎた圧縮部材に対し、シリンダの内周面に向かう方向の力を作用させることができるので、上記隙間が最小となる圧縮部材の回転角度およびその近傍の角度を含む回転角度範囲以外の回転角度範囲において上記隙間が大きくなるのを効果的に抑制することができる。それにより、圧縮部材の広い回転角度範囲にわたって圧縮部材とシリンダの内周面との間の隙間を縮小することができ、当該隙間から冷媒圧縮時に冷媒が漏れるのを広範囲にわたって効果的に抑制することができる。その結果、圧縮機の効率向上を図ることができる。
以下、図1〜図6を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の1つの実施の形態におけるロータリ圧縮機の断面図である。なお、本実施の形態では、2つのシリンダを備えた2シリンダ型のロータリ圧縮機を例示するが、本発明は、2シリンダ型のロータリ圧縮機のみならず1つのシリンダを備えた1シリンダ型のロータリ圧縮機にも適用可能である。
また、本実施の形態では、ピストンとブレードとが一体化されたロータリ圧縮機を例示するが、本発明は、ピストンとブレードとが一体化されたロータリ圧縮機のみならず、ローラとブレードとを別体としたタイプのロータリ圧縮機にも適用可能である。
図1に示すように、本実施の形態のロータリ圧縮機1は、密閉容器等で構成されるケーシング2と、該ケーシング2に内装され冷媒を圧縮する圧縮部材を含む圧縮要素と、該ケーシング2に内装され圧縮部材を駆動する駆動機構と、冷媒を圧縮要素に供給する冷媒供給部と、圧縮された冷媒を外部に吐出する冷媒吐出部とを備える。
圧縮要素は、冷媒を圧縮する機能を有する部分であり、図1の例では、下方に配置された第1シリンダ8と、上方に配置された第2シリンダ9と、第1と第2シリンダ8,9を上下から挟むように設けられた上側プレート5および下側プレート6と、第1と第2シリンダ8,9間に設置された中間プレート7とを有する。
第1シリンダ8は冷媒を圧縮する圧縮室を有しており、該圧縮室内に圧縮部材である第1ピストン12を配置する。第1シリンダ8には、該第1シリンダ8内に冷媒を供給する第1冷媒供給(吸入)管14が接続される。第2シリンダ9も冷媒を圧縮する圧縮室を有しており、該圧縮室内に、圧縮部材である第2ピストン13を配置する。この第2シリンダ9には、該第2シリンダ9内に冷媒を供給する第2冷媒供給(吸入)管15が接続される。第1と第2ピストン12,13は、後述するクランク軸4によって回転駆動される。
上側プレート5は、ケーシング2に固着される。たとえば、上側プレート5をケーシング2に溶接したり、上側プレート5をケーシング2内に圧入したり、ケーシング2を上側プレート5の外周面に焼嵌めすることで、上側プレート5をケーシング2に固着することができる。また、何らかの固定部材等を用いて、上側プレート5をケーシング2に固着してもよい。
上側プレート5は、第2シリンダ9が配置される側の面とは反対側の面上に上側マフラーカバー16を有している。この上側マフラーカバー16は、第2シリンダ9内で圧縮された直後の冷媒を受け入れる上側マフラー空間を規定するものであり、圧縮冷媒は、該上側マフラー空間内に一旦吐出された後に、当該空間からケーシング2内を経由して冷媒吐出部を介して外部に吐出される。
下側プレート6も、第1シリンダ8が配置される側の面とは反対側の面上に下側マフラーカバー17を有している。この下側マフラーカバー17は、第1シリンダ8内で圧縮された直後の冷媒を受け入れる下側マフラー空間を規定する。第1シリンダ8内で圧縮された冷媒は、上記下側マフラー空間内に一旦吐出された後に、当該空間から、第2シリンダ8と中間プレート7と第1シリンダ8とを貫通するように設けられ冷媒通路と、上側マフラー空間と、ケーシング2内とを経由して冷媒吐出部を介して外部に吐出される。なお、下側プレート6側には油溜め18が存在する。
下側プレート6は、ボルト等の固定部材を介して上側プレート5に固定されている。また、下側プレート6の外周面は、ケーシング2の内周面から離隔している。つまり、下側プレート6の径を、上側プレート5の径よりも小さくしている。その結果、下側プレート6は、各シリンダや中間プレートとともに、上記固定部材を介して上側プレート5に保持されたような状態となっている。
圧縮部材を駆動する駆動機構は、図1の例では、駆動力を発生するモータ3と、該モータ3から延出し、モータ3からの駆動力を伝達するクランク軸4とを含む。図1に示すように、クランク軸4は、上側プレート5、第2シリンダ9、中間プレート7、第1シリンダ8および下側プレート6に挿通され、上側プレート5に設けられた上側ボス部(軸受部)と、下側プレート6に設けられた下側ボス部(軸受部)とによって回転可能に保持される。
また、クランク軸4は、軸方向に間隔をあけて設けられた第1偏心ピン10と第2偏心ピン11とを有する。第1偏心ピン10は第1シリンダ8内に配置され、第2偏心ピン11は第2シリンダ9内に配置される。上記の第1偏心ピン10の外周上には第1ピストン12が外嵌され、第2偏心ピン11の外周上には第2ピストン13が外嵌される。
冷媒供給部は、冷媒を収容可能なアキュームレータ(図示せず)と、該アキュームレータと各シリンダとを接続し各シリンダ内にアキュームレータからの冷媒を供給する第1と第2冷媒供給管14,15とを含む。
冷媒吐出部は、ケーシング2の内部空間と連通し、圧縮後にケーシング2の内部空間に吐出された冷媒を外部に吐出する吐出管22を含む。図1の例では、冷媒吐出管22は、モータ3に対し圧縮要素と反対側に位置するケーシング2の内部空間と連通しているが、モータ3に対し圧縮要素と同じ側に位置するケーシング2の内部空間と連通させるようにしてもよい。
図2に、上述の第1ピストン12およびその近傍の要素を上側から見た構造例を示す。この図2では、「第1ピストン12の回転角度が0度の状態」、つまり本願明細書における「第1ピストン12(圧縮部材)による冷媒の圧縮終了後の状態」を図示している。
図2に示すように、第1ピストン12は、クランク軸4の第1偏心ピン10に外嵌される環状のピストン本体と、該ピストン本体から径方向外方に延びるブレード21とを有する。ピストン本体は第1シリンダ8の内周面80と対向する外周面120を有する。
図2に示すように、第1シリンダ8は、ブレード21を受入れ可能な凹部を有する。該凹部の一部に、ブレード21を両側から挟持するように1対のブッシュ20を嵌装する。ブッシュ20は、それぞれ略半円形の上面形状を有しており、外表面の一部に平面部を有している。このブッシュ20の平面部でブレード21を両側から挟持する。なお、第2シリンダ9や第2ピストン13およびその近傍の要素も、基本的に第1シリンダ8や第1ピストン12等の場合と同様の構成を有する。
本実施の形態では、第1ピストン12の上面に、座ぐり部のような凹部19を形成している。この凹部19の形状や機能等については、後に詳しく説明する。
図3に、第1ピストン12の回転角度が180度の状態を示す。図3に示すように、第1ピストン12の外周面120と第1シリンダ8の内周面80との間には、通常は、微小隙間部分(最小隙間部分を含む)24が存在するように設計される。ピストンの動作時には、ピストンの外周面とシリンダの内周面とが接触することも考えられるが、圧縮機の製造時には、ピストンの外周面とシリンダの内周面との間には微小隙間部分を設けるようにする。
図3の例では、第1ピストン12の外周面120と第1シリンダ8の内周面80との間の最小隙間部分を、第1ピストン12の回転角度が180度となる位置に設定している。それにより、冷媒圧縮時に当該回転角度およびその近傍の範囲内において上記微小隙間部分24を介して冷媒が漏れるのを効果的に抑制することができ、圧縮機の効率向上を図ることができる。
ここで、図5を用いて、ピストンの回転角度と圧縮室内の圧力との関係の一例について説明する。図5は、ピストンの回転角度と圧縮室内の圧力との関係の一例を示す図である。
図5に示すように、一般的な中間条件(低速低差圧運転条件)での冷媒の吐出回転角度(シリンダからの吐出開始回転角度)は180度あるいはその付近であることがわかる。したがって、上記のように第1ピストン12の回転角度が180度(冷媒吐出開始回転角度)となる位置に最小隙間部分を設定することにより、中間条件における圧縮機の効率向上を図ることができる。他方、一般的な定格条件(中速、中間条件よりも高差圧運転条件)の吐出回転角度は、上記中間条件の吐出回転角度よりも大きな値となる。
なお、上記最小隙間部分は、第1ピストン12の回転角度が135度以上225度以下の範囲内(図3の角度θで示す範囲参照)に設けてもよい。この角度範囲内に上記最小隙間部分を設けることで、中間条件における圧縮機の効率向上を図ることができる。
本実施の形態では、上記の角度範囲内に最小隙間部分を配置することに加えて、最小隙間となる回転角度位置を過ぎた後の第1ピストン12に対し、第1シリンダ8の内周面80に向かう(近づく)方向の力を作用させるようにする。たとえば、図4に示す矢印23で示す、第1ピストン12の径方向外方(ピストンの回転角度が270度の方向)の力を作用させるようにする。なお、矢印23で示す方向の成分を有する力を第1ピストン12に作用させるようにしてもよい。
それにより、上記微小隙間部分24の値が最小となる180度およびその近傍の回転角度範囲内のみならず、当該角度範囲以降の角度範囲においても、上記微小隙間部分24を縮小することができる。したがって、微小隙間部分24の値が最小となる回転角度範囲以降の角度範囲内においても、微小隙間部分24を介して冷媒が漏れるのを効果的に抑制することができる。その結果、定格条件における圧縮機の効率向上をも図ることができる。
上記のように、本実施の形態のロータリ圧縮機によれば、ピストンの広い回転角度範囲にわたって圧縮機の効率向上を図ることができ、中間条件のみならず定格条件における圧縮機の効率向上をも図ることができる。
ここで、本実施の形態の第1ピストン12に対し、第1シリンダ8の内周面80に向かう方向の力を作用させることが可能となる構成について説明する。
第1ピストン12に対し、第1シリンダ8の内周面80に向かう方向の力を作用させるための構成としては、図2〜図4に示す例では、第1ピストン12の上面に設けた上述の凹部19を挙げることができる。
この凹部19は、第1ピストン12の質量バランスを調整する質量バランス調整部として機能する。より詳しくは、凹部19は、第1ピストン12が所定の回転角度位置に位置するときに、第1ピストン12に対して、その所望の方向の力(遠心力)が作用させる機能を有する。かかる凹部19を設けることで、第1ピストン12を回転駆動した場合に、たとえば図4において矢印23で示すような外向きの力(遠心力)を第1ピストン12に作用させることができ、第1シリンダ8の内周面80側に第1ピストン12を押圧することができる。
図4の例では、第1ピストン12が270度あるいはその近傍の回転角度位置に位置するときに、第1ピストン12において、微小隙間部分24が形成される側とは反対側に位置する部分に凹部19を形成することにより、図4において矢印23で示すような外向きの力を作用させることができる。その結果、第1ピストン12の回転角度で180度の位置に最小隙間部分を設定した場合であって、第1ピストン12が270度あるいはその近傍の回転角度位置に位置するときでも、第1ピストン12の外周面120と第1シリンダ8の内周面80との間の微小隙間部分24が拡がるのを効果的に抑制することができる。また、第1ピストン12が回転角度で180度を超えて270度までの間に位置する場合でも、該第1ピストン12に対して第1シリンダ8の内周面80に近づく方向の力を作用させることができる。このため、微小隙間部分24の設定値が最小となる回転角度を過ぎた後の第1ピストン12と第1シリンダ8の内周面80との間の微小隙間部分24を介して冷媒が漏れることをも効果的に抑制することができ、ロータリ圧縮機の効率を向上することができる。
なお、凹部19の形状は、図2〜図4に示すものに限らず、任意に選択可能である。たとえば、第1ピストン12の外周面に沿う湾曲形状や矩形としてもよい。また、凹部19の数についても任意に選択可能であり、単数でも複数でもよい。凹部19の位置についても、各図に示すものに限らず、任意の位置に形成可能である。たとえば第1ピストン12の周方向と径方向の少なくとも一方向に、凹部19の形成位置をずらせることが考えられる。さらに、凹部19を閉じるようにキャップ部材を取付ることも考えられる。
他方、第1ピストン12において力(遠心力)を作用させたい側に、錘部を設置することも考えられる。たとえば図4に示すように第1ピストン12が270度あるいはその近傍の回転角度位置に位置するときに矢印23で示す方向の力を作用させるには、第1ピストン12において、微小隙間部分24が形成される側の部分に錘部材を装着すればよい。錘部材としては、たとえば第1ピストン12に凹部を設け、第1ピストン12を構成する材料よりも比重の高い材料で構成される錘部材を当該凹部に嵌着することが考えられる。この場合も、凹部19を設けた場合と同様に、第1ピストン12に所定の方向の力(遠心力)を作用させることができ、微小隙間部分24を介して冷媒が漏れるのを効果的に抑制することができる。
なお、第1ピストン12の質量バランスを調整する等して、第1ピストン12の回転中に第1ピストン12に対し所望の方向の力(遠心力)を作用させることができるものであれば、上記以外の任意の構成を採用可能である。
次に、図6を用いて、ピストンの外周面とシリンダの内周面との間の微小隙間部分24の大きさと、圧縮機の性能(能力)との関係について説明する。なお、図6に示すデータは、4kW用のルームエアコン搭載の2シリンダスイング圧縮機(ピストンとブレードとが一体化したタイプ)の定格条件試験データ(能力)である。
図6に示すように、微小隙間部分24の値を30μm以下とすることで、圧縮機の性能(能力)の低下を回避することができることがわかる。したがって、本実施の形態におけるロータリ圧縮機においても、ピストンの回転角度が180度の位置における微小隙間部分24の値を30μm以下とすることで、より確実に圧縮機の効率向上を図ることができる。
ここで、上記微小隙間部分24の測定方法の一例について説明する。たとえば、1シリンダ型ロータリ圧縮機の場合、シリンダが上側プレートに固定され、ピストンとクランク軸が組立てられた状態であってシリンダが下側プレートに固定されていない状態で、ピストンをクランク軸に寄せて(上側プレートの軸受部の半径方向隙間を無くして)、クランク軸を真っ直ぐに立てて、シリンダとピストン間の微小隙間を測定すればよい。なお、2シリンダ型ロータリ圧縮機の場合も同様の手法で、各シリンダと各ピストン間の微小隙間を測定することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
本発明の1つの実施の形態におけるロータリ圧縮機の断面図である。 図1に示すピストンとその周囲の要素の平面図であって、ピストンの回転角度が0度の状態を示す図である。 図1に示すピストンとその周囲の要素の平面図であって、ピストンの回転角度が180度の状態を示す図である。 図1に示すピストンとその周囲の要素の平面図であって、ピストンの回転角度が270度の状態を示す図である。 ピストンの回転角度と圧縮室内の圧力との関係の一例を示す図である。 シリンダ内周とピストン外周との間の微小隙間と、圧縮機の性能(能力)との関係を示す図である。
符号の説明
1 ロータリ圧縮機、2 ケーシング、3 モータ、4 クランク軸、5 上側プレート、6 下側プレート、7 中間プレート、8 第1シリンダ、9 第2シリンダ、10 第1偏心ピン、11 第2偏心ピン、12 第1ピストン、13 第2ピストン、14 第1冷媒供給管、15 第2冷媒供給管、16 上側マフラーカバー、17 下側マフラーカバー、18 油溜め、19 凹部、20 ブッシュ、21 ブレード、22 冷媒吐出管、23 矢印、24 微小隙間部分、80 内周面、120 外周面。

Claims (6)

  1. ケーシング内に設置され、冷媒を圧縮する圧縮室を有するシリンダと、
    前記シリンダに内装され前記圧縮室内の冷媒を圧縮する圧縮部材と、
    前記ケーシングに設置され、前記圧縮部材を駆動する駆動機構とを備え、
    前記圧縮部材による冷媒の圧縮終了後の回転角度位置を0度としたときの前記圧縮部材の回転角度が135度以上225度以下の範囲内に、前記圧縮部材と前記シリンダの内周面との間の最小隙間が存在するように前記圧縮部材を前記シリンダ内に設置する一方で、前記最小隙間となる前記圧縮部材の回転角度位置を過ぎた後の前記圧縮部材に対し前記シリンダの内周面に向かう方向の力を作用させるようにした、ロータリ圧縮機。
  2. 前記圧縮部材の回転角度が180度あるいはその近傍の値となる位置に前記最小隙間が存在する、請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記最小隙間を30μm以下とした、請求項1または請求項2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記シリンダは、冷媒を吸入する吸入口を有し、
    前記圧縮部材において前記吸入口側に位置する部分の質量が前記吸入口と反対側に位置する部分の質量よりも小さくなるように前記圧縮部材の質量調整を行なった、請求項1から請求項3のいずれかに記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記圧縮部材において前記吸入口側に位置する部分に凹部または面取り部を設けた、請求項4に記載のロータリ圧縮機。
  6. ケーシング内に設置され、冷媒を圧縮する圧縮室を有するシリンダと、
    前記シリンダに内装され前記圧縮室内の冷媒を圧縮する圧縮部材と、
    前記ケーシングに設置され、前記圧縮部材を駆動する駆動機構とを備え、
    前記圧縮部材が前記圧縮室から圧縮後の冷媒が吐出を開始する吐出開始回転角度位置にあるときの前記圧縮部材と前記シリンダの内周面との間の隙間が最小となるように前記圧縮部材を前記シリンダ内に設置し、かつ前記圧縮部材が前記吐出開始回転角度よりも大きな回転角度位置にあるときに、前記圧縮部材に対し前記シリンダの内周面に向かう方向の遠心力を作用させるようにした、ロータリ圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104879287A (zh) * 2015-06-09 2015-09-02 广东美芝制冷设备有限公司 活塞以及具有其的旋转式压缩机

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