JP2009106374A - 歩容情報表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】自分の歩容を簡単に把握することができる歩容情報表示システムを提供する。
【解決手段】歩容情報表示システムは、測定対象者100の体の所定部位に装着されて、当該装着部位の歩行時の体動を測定する活動量計1と、活動量計1から測定データを収集し、収集した測定データをネットワーク(携帯電話用通信網およびインターネットNT)を介してサーバ装置3へ送信する携帯電話機2と、活動量計1の測定データを歩容に関わる基準データと比較することによって測定対象者100の歩容を判断するサーバ装置3と、サーバ装置3にネットワークを介して接続されたパソコン4及びテレビ5を備える。サーバ装置3は、歩容の判断結果を、測定データの送信元である携帯電話機2、パソコン4またはテレビ5に送信し、携帯電話機2、パソコン4またはテレビ5に歩容の判断結果を表示させている。
【選択図】図1
【解決手段】歩容情報表示システムは、測定対象者100の体の所定部位に装着されて、当該装着部位の歩行時の体動を測定する活動量計1と、活動量計1から測定データを収集し、収集した測定データをネットワーク(携帯電話用通信網およびインターネットNT)を介してサーバ装置3へ送信する携帯電話機2と、活動量計1の測定データを歩容に関わる基準データと比較することによって測定対象者100の歩容を判断するサーバ装置3と、サーバ装置3にネットワークを介して接続されたパソコン4及びテレビ5を備える。サーバ装置3は、歩容の判断結果を、測定データの送信元である携帯電話機2、パソコン4またはテレビ5に送信し、携帯電話機2、パソコン4またはテレビ5に歩容の判断結果を表示させている。
【選択図】図1
Description
本発明は、歩容情報表示システムに関するものである。
従来、人体に装着される器体の内部に、人体の体動を検知する検知手段と、所定時間における検知信号の変動平均を演算する第1の演算手段と、変動平均或いは変動平均の積分値より運動強度値を演算若しくは所定時間以上の時間における変動平均の時間平均値或いは変動平均の時間積分値により運動強度を演算する第2の演算手段と、演算により求めた運動強度値を記憶する記憶手段とを備えた活動量計が提供されている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−204446号公報
上述の活動量計では、測定対象者が行った運動強度を測定することは可能であるが、歩き方の良否を判断する機能は備えていなかった。
近年、健康や美容に対する関心が高まっており、歩き方を綺麗にしたいという願望をもつ人が増えている。歩き方が悪い場合は、見た目の印象が悪くなったり、内蔵や骨格に悪影響を与えて体調面に支障を及ぼすといった問題があるため、歩き姿を良くすることが望ましいが、自分がどのような歩き方をしているかを自分自身で判断するのは難しく、例えばウォーキングのレッスンを受けにいってインストラクターに歩き姿を見てもらう必要があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、自分の歩容を簡単に把握することができる歩容情報表示システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、測定対象者の腰部に装着されて、歩行時の腰部の体動を測定する体動測定装置と、歩容の種類毎の基準データを予め備え、歩容の種類毎の基準データと体動測定装置の測定データとを比較することによって、測定対象者の歩容の種類を判断する姿勢判断装置と、姿勢判断装置による歩容の判断結果を表示する姿勢表示装置とを備え、体動測定装置は加速度センサを有し、当該加速度センサの検出出力をもとに、進行方向の前方から見た腰部の軌跡を求めて当該軌跡より腰部の上下動の振幅bに対する左右方向の振幅bの比率(a/b)を測定するとともに、鉛直上方から見た腰部の軌跡から左右方向の振幅cを測定し、且つ、測定より見た腰部の軌跡から上下方向の振幅dを測定しており、姿勢判断装置は、比率(a/b)および振幅c、dと、対応する基準データとの大小をそれぞれ比較し、各比較項目の比較結果の組み合わせから測定対象者の歩容の種類を判断することを特徴とする。なお歩容とは歩行を行っているときの身体運動の様子(歩き方)のことである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、体動測定装置と姿勢判断装置と姿勢表示装置とがネットワークを介して接続され、姿勢判断装置は、ネットワークを介して体動測定装置から送信された測定データをもとに測定対象者の歩容を判断し、ネットワークを介して判断結果を姿勢表示装置へ送信することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、体動測定装置が、装着部位に加わる加速度を測定する加速度測定部と、加速度測定部の測定データから運動強度を演算する運動強度演算部と、歩行時に加速度測定部が測定した測定データを記憶する記憶部と、操作部による送信操作に応じて記憶部に記憶された歩行時の測定データを外部へ送信する送信部とを備えた活動量計からなり、姿勢判断装置および姿勢表示装置が、活動量計の送信部から送信された測定データを受信する受信部と、受信した測定データを基準データと比較することによって歩容を判断する歩容判断部と、判断結果を表示する表示部とを備えた携帯機器からなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、体動測定装置が、歩行時の加速度センサの検出出力をもとに、進行方向の前方から見た腰部の軌跡を求めて当該軌跡より腰部の上下動の振幅bに対する左右方向の振幅bの比率(a/b)を測定するとともに、鉛直上方から見た腰部の軌跡から左右方向の振幅cを測定し、且つ、測定より見た腰部の軌跡から上下方向の振幅dを測定し、姿勢判断装置が、上記の比率(a/b)および振幅c,dを対応する基準データと比較することで、各比較項目の比較結果の組み合わせから歩容の種類を判断し、その判断結果が姿勢表示装置に表示されるので、測定対象者は、姿勢表示装置の表示から、自分の歩き姿がどの種類に該当するのかを容易に理解することができる。したがって、特別なレッスンを受けなくても、自分1人で自身の歩き姿を把握することができるから、より良い姿勢で歩くにはどのようにすれば良いかといったことが分かり、歩容の改善に役立てることができるという効果がある。
請求項2の発明によれば、1台の姿勢判断装置によって、ネットワークを介して接続された複数台の体動測定装置で測定された体動をもとに、複数の測定対象者の歩容を判断することができ、且つ、ネットワークに接続可能な場所であれば、どこでも歩き姿勢の判断が行えるという効果がある。
請求項3の発明によれば、活動量計の加速度測定部によって測定された加速度データが送信部から外部へ送信されると、携帯機器の歩容判断部で歩容判断が行われ、その判断結果が携帯機器の表示部に表示されるので、自分の歩き姿勢を何時何処でも測定することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は歩容情報表示システムの概略的なシステム構成図であり、本システムは、測定対象者100の体の所定部位(例えば腰部)に装着されて装着部位の体動を測定する活動量計1(体動測定装置)と、活動量計1から測定データを収集する携帯電話機2と、活動量計1の測定データに基づいて歩容を判断するサーバ装置3(姿勢判断装置)と、歩容姿勢の表示を行うパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)4およびネットワーク接続機能付きのテレビ5を主要な構成として備えている。
図1は歩容情報表示システムの概略的なシステム構成図であり、本システムは、測定対象者100の体の所定部位(例えば腰部)に装着されて装着部位の体動を測定する活動量計1(体動測定装置)と、活動量計1から測定データを収集する携帯電話機2と、活動量計1の測定データに基づいて歩容を判断するサーバ装置3(姿勢判断装置)と、歩容姿勢の表示を行うパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)4およびネットワーク接続機能付きのテレビ5を主要な構成として備えている。
活動量計1は、扁平な本体10に図2に示す回路構成要素を内蔵したもので、図10(a)に示すようにベルト10aを用いて測定対象者100の背中の下側(腰付近)に本体10を装着して使用される。
本体10に内蔵される回路構成要素としては、例えば3軸の加速度センサ11(加速度測定部)と、この加速度センサ11の出力信号をA/D変換して得た測定データをもとに、当該活動量計1を装着した使用者の運動状態(運動強度)を演算する演算処理部12と、時刻データを演算処理部12に与える計時部13と、操作部14と、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリからなり、加速度センサ11の測定データや演算処理部12の演算結や個人の属性データなどを記憶するための記憶部15と、例えば液晶表示器からなる表示部16と、携帯電話機2との間で例えば赤外線通信により近距離の無線通信を行う無線通信部17(データ送信部)と、電池を電源として各回路要素の動作に必要な所定の電圧を得る定電圧回路18とを備えている。なお無線通信部17として赤外線信号により無線通信を行うIrDAを例に説明を行っているが、無線通信部17の通信方式は赤外線通信に限定されるものではなく、ブルートゥースなどの近距離の無線通信方式を用いても良い。
ここで加速度センサ11の1軸は鉛直方向の加速度を検出し、他の2軸は水平方向の加速度を検出するのであるが、各軸が所望の検出方向からずれている場合、重力加速度の影響によって加速度センサ11の検出結果に誤差が発生する可能性があるので、活動量計1は正規の向きに装着することが好ましい。しかしながら、活動量計1は測定者自身がベルト等を用いて装着するため、装着状態が正規の向きから多少ずれてしまうのは避けられず、装着時の傾きによって加速度センサ11の検出結果に誤差が発生してしまうので、この誤差を補正(キャンセル)するプログラムを組み込んでおくことが好ましい。
操作部14は、当該活動量計1の動作モードを運動強度測定モード、体動測定モード、データ設定モード、データ表示モード、データ送信モード等に切り替えるモード切替操作や、表示部16に表示される表示画面でのカーソル操作や確認操作、或いは、データ設定モードにおいて運動強度の算出に用いる個人の属性データ(例えば年齢、性別、身長、体重、目的、健康状態(既往症歴)、地域)を入力するデータ入力操作に用いられる。ここにおいて、操作部14により測定モードを運動強度測定モード又は体動測定モードの何れかに切り替える測定モード切替部が構成される。
運動強度演算部としての演算処理部12は、活動量計1に予め組み込まれたプログラムに基づいて、例えば運動強度(METs)や使用者が歩いた歩数や消費カロリーなどを算出するためのデータ処理を行うものであり、操作部14を用いてデータ設定モードに切り替えられると、表示部16の表示を制御してデータ入力画面を表示させ、当該データ入力画面において、上記属性データの入力を使用者に促すためのガイダンスなどを表示させ、操作部14を用いて属性データが入力されると、入力データを記憶部15に書き込み、以後の演算処理では記憶部15から読み込んだ属性データを運動強度などの活動量の演算に使用するようになっている。
また演算処理部12の動作モードが、操作部14を用いて運動強度測定モードに切り替えられると、演算処理部12は、加速度センサ11から測定データを取り込む取込周期を活動量の測定に必要な周期(例えば16〜32Hz)に設定し、当該取込周期が経過する毎に加速度センサ11から取り込んだ加速度の検出データに基づいて、運動強度(METs)の算出処理や歩数を求める処理などを行うとともに、活動量(運動強度や歩数など)の算出結果を記憶部15に書き込む処理を行い、且つ、算出結果を表示部16にリアルタイムで表示する。ここにおいて、演算処理部62は、所定の周期毎に取り込んだ加速度センサ61の検出データをもとに、一定時間tw(秒)の加速度の変動平均(標準偏差値)を求める演算機能と、この変動平均から、運動強度wiを求める演算機能とを備えている。尚、METsとは、身体活動の“強さ”を安静時の何倍に相当するかで表す単位であり、アメリカスポーツ医学界で用いられている。
ところで、運動強度を変化させた状態で呼気ガス計測装置により測定した酸素消費量と、加速度分散値との関係式が予め求められて演算処理部62に組み込まれており、演算処理部62ではこの関係式を用いて、加速度分散値から運動強度を求めている。この演算方法について図5(a)(b)を用いて以下に説明する。
図5(a)は加速度センサ11による各軸(x軸、y軸、z軸)の検出データを示し、演算処理部12では、一定時間twが経過する毎に、一定時間tw内に取り込んだ加速度の検出データから、各軸の加速度変動分の合成値を算出する。ここで、加速度変動分の合成値の時間平均(標準偏差)をSwとすると、合成値Swは以下の式(1)から求めることができる。
なお、axk、ayk、azkは、ある期間tw(秒)内でk番目にサンプリングした加速度サンプリング値を示し、bx、by、bzは一定時間tw(秒)における平均値を示している。
また、図5(b)は加速度変動値の測定結果と運動強度(METs)の測定結果との関係を示す散布図であり、散布図上にプロットされた点を最小自乗近似して得た直線式は以下の式(2)で示される。
Y=a×X+b、相関関数R=0.92 …(2)
但し、Yは加速度変動値、Xは運動強度(METs)である。
但し、Yは加速度変動値、Xは運動強度(METs)である。
したがって、演算処理部12では、上述の式(1)を用いて加速度変動分の合成値Swを求めた後、上述の式(2)を変形した得た以下の式(3)を用いて、ある期間twの運動強度wiを求めている。
wi=α×Sw+β …(3)
ここで、α、βは、運動強度を変化させた状態で呼気ガス検出装置により測定した酸素消費量と、加速度分散値との間に得られた関係式における係数を示す。なお、加速度変動値を求める期間twとしては4秒から15秒が適当な値であり、本実施形態ではtw=12秒としてある。
ここで、α、βは、運動強度を変化させた状態で呼気ガス検出装置により測定した酸素消費量と、加速度分散値との間に得られた関係式における係数を示す。なお、加速度変動値を求める期間twとしては4秒から15秒が適当な値であり、本実施形態ではtw=12秒としてある。
また演算処理部12の動作モードが、操作部14を用いて体動測定モードに切り替えられるか、或いは、無線通信部17が受信した外部からの切替信号に応じて体動測定モードに切り替えられると、演算処理部12は、測定データの取込周期を歩行時の体動を測定するのに必要な周期(例えば500Hz)に設定し、所定の測定期間(例えば1分間)が経過するまでの間、上記取込周期が経過する毎に、加速度センサ11から取り込んだ加速度の測定データを記憶部15に蓄積し、測定期間が経過すると、体動測定モードを終了して元のモードに復帰する。
さらに演算処理部12の動作モードが、操作部14を用いてデータ表示モードに切り替えられると、演算処理部12は、記憶部15に記憶されているデータや演算処理結果に基づいて、個人の属性データや活動量の測定結果などを表示部16に表示させる処理を行う。
また更に演算処理部12の動作モードが、操作部14を用いてデータ送信モードに切り替えられるか、或いは、無線通信部17が受信した外部からの切替信号に応じてデータ送信モードに切り替えられると、演算処理部12は、体動軌跡測定モード時に検出された測定期間分の検出データや運動強度測定モード時に算出された活動量の算出結果を記憶部15から読み出し、読み出した検出データや活動量の算出結果を無線通信部17から赤外線信号により送信させる。
図3は携帯電話機2の概略的なブロック図であり、携帯電話機2の筐体20内には、全体の制御を行う制御部21と、通話操作などの各種の操作を行うための操作部22と、液晶ディスプレイからなる表示部24と、動作プログラムや通話に関わるデータなどを記憶するとともに、活動量計1から収集した測定データを記憶する記憶部23(RAMおよびROMからなる)と、符号分割多重接続などの無線通信方式により携帯電話網を通じて無線通信を行うための無線通信部25と、例えば赤外線通信により近距離の無線通信を行う無線通信部26などの回路要素が収納されている。なお無線通信部26として赤外線信号により無線通信を行うIrDAを例に説明を行っているが、無線通信部26の通信方式は赤外線通信に限定されるものではなく、ブルートゥースなどの近距離の無線通信方式を用いても良い。
図4はサーバ装置3の概略的なブロック図であり、インターネットNTを介してデータ通信を行うデータ通信部31と、データ通信部31が受信した活動量計1による体動の測定データや歩容の判断に用いる基準データを記憶する記憶部32と、記憶部32から読み出した基準データと活動量計1により測定された体動の測定データとを比較することによって、測定対象者の歩容を判断するとともに、判断結果を姿勢表示装置としての携帯電話機2やパソコン4やテレビ5に送信する姿勢判断部33とを備えている。
本システムでは、姿勢表示装置としての携帯電話機2やパソコン4およびテレビ5が、インターネットNTを介してサーバ装置3との間でデータ通信を行えるようになっており、サーバ装置3から送信された歩容を示す画像を画面上に表示することができる。
ここで、本システムにより歩容の良否を判断する場合の処理について以下に説明する。
測定対象者が所持する携帯電話機2の記憶部23には、活動量計1により歩行時の体動を所定時間測定させるための測定プログラムが組み込まれており、測定対象者が操作部22を操作して上記測定プログラムを実行させると、制御部21は、携帯電話機2が内蔵するスピーカから「活動量計を腰につけ、準備ができたらスタート操作を行って下さい」といった音声メッセージを出力させる。測定対象者100は、図10(a)に示すようにベルト10aを用いて活動量計1を腰部に装着し、歩行の準備ができると、携帯電話機2の操作部22を用いてスタート操作を行うとともに、歩行を開始する。
この時、携帯電話機2の制御部21では、操作部22のスタート操作に応じて、活動量計1の動作モードを体動測定モードに切り替えて測定を開始させる切替信号を無線通信部26から活動量計1へ送信させる。活動量計1では、無線通信部17が携帯電話機2から赤外線信号で送信されたモード切替信号を受信し、このモード切替信号に基づいて演算処理部12が動作モードを体動測定モードに切り替える。演算処理部12の動作モードが体動測定モードに切り替えられると、演算処理部12は、先ず記憶部15に記憶されている体動の測定データを消去するとともに、測定データの取込周期を例えば2m秒(500Hz)に設定し、所定の測定期間(例えば1分間)が経過するまでの間、上記取込周期が経過する毎に、加速度センサ11から取り込んだ加速度の測定データを記憶部15に記憶させる。
そして、所定の測定期間が経過すると、演算処理部12は、動作モードを運動強度測定モードに切り替えて、歩行時の体動を測定する処理を終了するとともに、測定動作の終了を示す測定終了信号を無線通信部17から携帯電話機2へ送信させる。携帯電話機2では、活動量計1からの測定終了信号を無線通信部26が受信すると、制御部21が、無線通信部26の受信した測定終了信号に基づいて、測定終了を示す音声メッセージを図示しないスピーカから出力させる。そして、この音声メッセージを聞いた測定対象者100が、活動量計1の操作部14を操作して演算処理部12の動作モードをデータ送信モードに切り替えると、演算処理部12が、操作部14による送信操作に応じて、上記測定期間中に記憶部15に記憶された歩行時の測定データを、無線通信部17から携帯電話機2へ送信させる。このとき、携帯電話機2では、活動量計1から送信された測定データを無線通信部26が受信し、受信した測定データを記憶部23に記憶させた後、この測定データを無線通信部25からサーバ装置3へ送信させる。なお携帯電話機2から送信された測定データは、携帯電話用通話網の無線基地局6に受信され、インターネットNTを介してサーバ装置3へ送信される。
サーバ装置3では、携帯電話機2から送信されてきた測定データをデータ通信部31が受信すると、姿勢判断部33が、受信した測定データをもとに、測定対象者の歩容を判断する処理を行う。ここで、携帯電話機2から送信されてくる測定データは、歩行時の腰部の動きを示す3軸の加速度データであり、姿勢判断部33は、測定期間中の測定データをもとに、進行方向の前方から見た腰部の軌跡(図6のG1)、鉛直上方から見た腰部の軌跡(図6のG2)、進行方向の側方から見た腰部の軌跡(図6のG3)を求める。なお軌跡G3の山部は左足又は右足が着床したときの活動量計1(腰部)の位置をそれぞれ示している。
ここで、腰部の左右への動きが大きい場合、すなわち体幹の左右ぶれが大きい場合は腰痛になりやすい傾向があるので、正面から見た軌跡G1は、左右の動きが上下動に比べて小さくなるように、V字に近い軌跡となるのが好ましい。また、鉛直上方から見た軌跡G2は左右の足の運びを示し、足の筋力が弱いと体を安定させるために足幅が大きく(つまり左右の振幅c1,c2が大きく)なる傾向があるので、振幅c1,c2は小さい方が好ましい。また体の左右で柔軟性が異なると、左右の振幅c1,c2にばらつきが発生しやすいので、振幅c1,c2の差は小さい方が好ましい。また、側方から見た軌跡G3は腰部の上下動を示し、地面を蹴る力が弱い場合は足を上げずにすり足で歩き、その結果腰部の上下動が小さくなる傾向があるので、上下の振幅dはなるべく大きい方が好ましい。
したがって、姿勢判断部33では、腰部の正面軌跡G1から上下動の振幅bに対する左右方向の振幅aの比率(a/b)を、鉛直上方から見た腰部の軌跡G2から左右方向の振幅c(なお振幅cは左方向への振幅c1と右方向への振幅c2との平均値から求めた片振幅である)を、側方から見た腰部の軌跡G3から上下方向の振幅d(=振幅b)をそれぞれ求めた後、比率(a/b)と基準データL1との大小、振幅cと基準データL2,L3(L2<L3)との大小、振幅dと基準データL4との大小をそれぞれ判断することで、測定対象者の歩容をA〜Dの4種類に分類している。
ここにおいて、Aタイプの歩き方では、腰部の上下動が大きく且つ左右方向への動きが小さくなっており(比率(a/b)<L1、c<L2、d≧L4)、理想的な歩き方である。またBタイプの歩き方は、足幅は狭いものの(c<L2)、腰部の上下動が小さく(d<L4)、また比率(a/b)が大きくなっており((a/b)≧L1)、臀部を左右に振って歩くような歩き方である。またCタイプの歩き方では、Bタイプの歩き方に比べて足幅(振幅c)が大きくなっており(L2≦c<L3)、すり足で左右に体を振って歩くような歩き方である。またDタイプの歩き方では、Cタイプに比べて足幅(振幅c)がさらに大きくなっており(L3≦c)、すり足で体を大きく左右に振って歩くような歩き方である。つまりAタイプの歩き方が最も美しく、以下B、C、Dの順番となっている。
而して、姿勢判断部33では、上述した3つの指標と基準データとの大小を比較することで、測定対象者の歩き方がどの種類に該当するかを判断しており、その判断結果を、測定データの送信元である携帯電話機2へインターネットNTおよび携帯電話用通信網を介して返送する。このとき、携帯電話機2では無線通信部25がサーバ装置3から送信された判断結果のデータを受信し、制御部21が、判断結果の受信を報知する報知音をスピーカから出力させるとともに、判断結果を表示部24に表示させているので、測定対象者100は、表示部24の表示から、自分の歩き姿を基準データと比較した結果を把握することができる。よって測定対象者100は、ウォーキングのレッスンを受けに行かなくても、ネットワークを介してサーバ装置3に接続可能な場所であればどこでも活動量計1を装着して歩くだけで歩容の診断を受けることができ、より良い姿勢で歩くにはどのようにすれば良いかといったことが分かるから、歩容の改善に役立てることができる。
なお、サーバ装置3では歩き姿の種類を示す判断結果のみを携帯電話機2に送信して、歩き姿の種類を表示部24に表示させているが、サーバ装置3から歩き姿の判断結果とともに上述した軌跡G1〜G3の画像データを携帯電話機2に送信させて、携帯電話機2の表示部24に表示させるようにしても良い。また、サーバ装置3では、携帯電話機2から送信された測定データをもとに、測定対象者100の歩き方を再現表示するアニメーション画像を作成して、このアニメーション画像を携帯電話機2に送信しても良く、図7に示すように携帯電話機2の表示部24に表示されるアニメーション画像を見ることで、自分の歩き姿の悪い点を視覚的に理解することが可能になる。
また、上述の実施形態では、サーバ装置3の姿勢判断部33が、活動量計1の測定データから上述の3つの指標を求め、これらの指標と基準データとを比較することによって、歩容の種類を判別しているが、活動量計1の測定データをもとに、歩くときの左右のバランスや、歩くときのペース(ピッチ)やそのバラツキを求め、それらを基準データと比較することで、測定対象者100の歩容を求めても良い。
歩くときの左右のバランスを求める場合、姿勢判断部33は、活動量計1の測定データをもとに鉛直上方から見た腰部の軌跡を求め(図8(a)〜(c)参照)、体幹の中心から左方向への振幅c1と右方向への振幅c2との差の絶対値と基準データとの大小を比較しており、図8(a)に示すように振幅c1,c2の差の絶対値が基準データΔc未満であれば(|c1−c2|<Δc)、左右のバランスがとれて良い歩き姿だと判断し、図8(b)(c)に示すように振幅c1,c2の差の絶対値が基準データΔc以上であれば(|c1−c2|≧Δc)、左又は右に傾いた悪い姿勢と判断する。
歩くときのペース(ピッチ)を求める場合、姿勢判断部33は、活動量計1の測定データをもとに鉛直上方から見た腰部の軌跡を求めるとともに、左右方向の振幅のピークとピークの間の時間間隔(歩行ピッチ)を求めている。そして、姿勢判断部33は、歩行ピッチの測定結果PTと、所定の基準データPT1,PT2(PT1<PT2)との大小を比較しており、歩行ピッチの測定結果PTがPT1以上且つPT2以下であれば(PT1≦PT≦PT2)、良いピッチで歩いていると判断し、測定結果PTがPT1未満であるか又はPT2よりも大きければ、歩行ピッチが基準よりも短い又は長いと判断する。
また歩くときのペース(ピッチ)のばらつきを求める場合、姿勢判断部33は、活動量計1の測定データをもとに鉛直上方から見た腰部の軌跡を求めるとともに(図9(a)(b)参照)、左右方向の振幅c1,c2と、振幅c1(又は振幅c2)のピークとピークの時間間隔から歩行ピッチPTを求めており、図9(a)のように歩行ピッチPTのばらつきΔPTが所定の基準データ以下であり、且つ、振幅c1,c2のバラツキΔcが所定の基準データ以下であれば、歩き姿が安定していることから、歩容姿勢が良いと判断する。一方、姿勢判断部33は、図9(b)のように歩行ピッチPTのばらつきΔPTが所定の基準データよりも大きいか、又は、振幅c1,c2のバラツキΔcが所定の基準データよりも大きければ、歩き姿が不安定なことから、歩容姿勢が悪いと判断する。
また、姿勢判断部33では歩くときの上半身の傾きから歩容姿勢を判断しても良い。上半身の傾きを測定する場合、測定対象者100は、活動量計1の本体10をベルト10aにより背中の上側(脇の下の高さ)に装着し、活動量計1により背中の上側部の体動を検出する。そして、サーバ装置3の姿勢判断部33では、活動量計1の測定データをもとに、上半身の傾きを検出する。活動量計1は3軸の加速度センサ11を備えており、図11に示すように上半身の傾きによって活動量計1の本体10が前傾している場合、重力加速度Gのx方向成分x1、y方向成分y1を加速度センサ11により測定することができる。したがって、サーバ装置3の姿勢判断部33では、活動量計1により測定された加速度の測定データx1,y1をもとに、以下の式(4)を用いて上半身の傾きθを求める。
ここで、測定対象者100が直立している場合は、θ=90°であるから、cosθ=1となり、前傾するにつれてcosθの値が小さくなる。而して、サーバ装置3の姿勢判断部33では、傾きθの測定値と所定の基準データとの大小を比較しており、傾きθが基準データθ1以上且つθ2未満であれば(θ1≦θ<θ2)、前後方向の傾きが小さいことから良い姿勢と判断し、傾きθがθ1よりも小さいかまたはθ2よりも大きければ、上半身が前又は後に大きく傾いていると判断する。尚、姿勢判断部33では、上述の式(4)により上半身の前後方向の傾きを求めているが、同様の方法で左右方向の傾きを求めるようにしても良い。
(実施形態2)
上述の実施形態1では、活動量計1にネットワークを介して接続されるサーバ装置3が、活動量計1の測定データをもとに歩容の良否を判断していたが、本実施形態では、携帯電話機2に歩容の良否を判断するプログラムを組み込み、携帯電話機2において歩容の良否を判断するようにしている。すなわち、本実施形態では活動量計1と携帯電話機2とで歩容情報表示システムが構成される。尚、活動量計1および携帯電話機2の回路構成は実施形態1と同様であるので、図示および説明は省略する。また本実施形態では携帯機器として携帯電話機2を例に説明を行うが、測定対象者が携帯する機器であって、活動量計1との間で通信を行う機能や、活動量計1から取得した測定データをもとに歩容を判断する機能を備えた携帯機器であればどのような機器でも良い。
上述の実施形態1では、活動量計1にネットワークを介して接続されるサーバ装置3が、活動量計1の測定データをもとに歩容の良否を判断していたが、本実施形態では、携帯電話機2に歩容の良否を判断するプログラムを組み込み、携帯電話機2において歩容の良否を判断するようにしている。すなわち、本実施形態では活動量計1と携帯電話機2とで歩容情報表示システムが構成される。尚、活動量計1および携帯電話機2の回路構成は実施形態1と同様であるので、図示および説明は省略する。また本実施形態では携帯機器として携帯電話機2を例に説明を行うが、測定対象者が携帯する機器であって、活動量計1との間で通信を行う機能や、活動量計1から取得した測定データをもとに歩容を判断する機能を備えた携帯機器であればどのような機器でも良い。
携帯電話機2の記憶部23には、歩容に関わる基準データや、活動量計1の測定データを基準データと比較することによって歩容の良否を判断する歩容判定プログラムが予め格納されており、歩容判断部としての制御部21が、上記の歩容判定プログラムを実行し、無線通信部26(受信部)の受信した活動量計1の測定データと基準データとの高低を比較することによって、歩容の良否の判断を行っている。
ここで、本システムにより歩容の良否を判断する場合の処理について以下に説明する。
測定対象者が、携帯電話機2の操作部22を操作して上記の歩容判定プログラムを実行させると、制御部21は、携帯電話機2が内蔵するスピーカから「活動量計を腰につけ、準備ができたらスタート操作を行って下さい」といった音声メッセージを出力させる。測定対象者100は、図10(a)に示すようにベルト10aを用いて活動量計1を腰部に装着し、歩行の準備ができると、携帯電話機2の操作部22を用いてスタート操作を行うとともに、歩行を開始する。
この時、携帯電話機2の制御部21では、操作部22のスタート操作に応じて、活動量計1の動作モードを体動測定モードに切り替えて測定を開始させる切替信号を無線通信部26から活動量計1へ送信させる。活動量計1では、無線通信部17が携帯電話機2から赤外線信号で送信されたモード切替信号を受信し、このモード切替信号に基づいて演算処理部12が動作モードを体動測定モードに切り替える。演算処理部12の動作モードが体動測定モードに切り替えられると、演算処理部12は、先ず記憶部15に記憶された過去の測定データを消去するとともに、測定データの取込周期を例えば2m秒(500Hz)に設定し、所定の測定期間(例えば1分間)が経過するまでの間、上記取込周期が経過する毎に、加速度センサ11から取り込んだ加速度の測定データを記憶部15に記憶させる。
所定の測定期間が経過すると、演算処理部12は、動作モードを運動強度測定モードに切り替えて、歩行時の体動を測定する処理を終了するとともに、測定動作の終了を示す測定終了信号と、上記測定期間中に記憶部15に蓄積した測定データとを無線通信部17から携帯電話機2へ送信させる。携帯電話機2では、活動量計1から送信された測定終了信号と測定データとを無線通信部26が受信すると、制御部21が、無線通信部26の受信した測定終了信号に基づいて、測定終了を示す音声メッセージを図示しないスピーカから出力させるとともに、受信した測定データを記憶部23に記憶させた後、この測定データをもとに、測定対象者の歩容を判断する処理を行う。ここで、活動量計1による測定データは、歩行時の腰部の動きを示す3軸の加速度データであり、姿勢判断部33は、測定期間中の測定データをもとに、進行方向の前方から見た腰部の軌跡(図6のG1)、鉛直上方から見た腰部の軌跡(図6のG2)、進行方向の側方から見た腰部の軌跡(図6のG3)を求める。
そして、制御部21では、腰部の正面軌跡G1から上下動の振幅bに対する左右方向の振幅aの比率(a/b)を、鉛直上方から見た腰部の軌跡G2から左右方向の振幅c(なお、振幅cは左方向への振幅c1と右方向への振幅c2との平均値から求めた片振幅である)を、側方から見た腰部の軌跡G3から上下方向の全振幅d(=振幅b)をそれぞれ求めた後、比率(a/b)と基準データL1、振幅cと基準データL2,L3(L2<L3)、振幅dと基準データL4との大小をそれぞれ判断することで、測定対象者の歩容を上述したA〜Dの4種類に分類する。
而して、携帯電話機2の制御部21では、上述した3つの指標と基準データとの大小を比較することで、測定対象者の歩き方がどの種類に該当するかを判断しており、判断結果を表示部24に表示するとともに、判断結果の表示を知らせる報知音をスピーカから出力させているので、測定対象者100は、表示部24の表示から、自分の歩き姿を基準データと比較した結果を把握することができる。よって、測定対象者100は、ウォーキングのレッスンを受けに行かなくても、活動量計1を装着して歩くだけで歩容の診断を受けることができ、より良い姿勢で歩くにはどのようにすれば良いかといったことが分かり、歩容の改善に役立つという効果がある。
なお、本実施形態では姿勢判断装置としての携帯電話機2の制御部21が、活動量計1の測定データより上述の3つの指標を求め、これらの指標と基準データとの高低を比較することで、歩容の良否を判断しているが、実施形態1で説明したのと同様の方法で、活動量計1の測定データをもとに、歩くときの左右のバランスや、歩くときのペース(ピッチ)やそのバラツキを求め、それらを基準データと比較することで、測定対象者100の歩容を求めるようにしても良いし、上半身の傾きを基準データと比較することで、歩容の良否を判断しても良い。
1 活動量計(体動測定装置)
2 携帯電話機(姿勢表示装置)
3 サーバ装置(姿勢判断装置)
4 パソコン(姿勢表示装置)
5 テレビ(姿勢表示装置)
100 測定対象者
NT インターネット
2 携帯電話機(姿勢表示装置)
3 サーバ装置(姿勢判断装置)
4 パソコン(姿勢表示装置)
5 テレビ(姿勢表示装置)
100 測定対象者
NT インターネット
Claims (3)
- 測定対象者の腰部に装着されて、歩行時の腰部の体動を測定する体動測定装置と、
歩容の種類毎の基準データを予め備え、歩容の種類毎の基準データと体動測定装置の測定データとを比較することによって、測定対象者の歩容の種類を判断する姿勢判断装置と、姿勢判断装置による歩容の判断結果を表示する姿勢表示装置とを備え、
前記体動測定装置は加速度センサを有し、当該加速度センサの検出出力をもとに、進行方向の前方から見た腰部の軌跡を求めて当該軌跡より腰部の上下動の振幅bに対する左右方向の振幅bの比率(a/b)を測定するとともに、鉛直上方から見た腰部の軌跡から左右方向の振幅cを測定し、且つ、測定より見た腰部の軌跡から上下方向の振幅dを測定しており、
前記姿勢判断装置は、前記比率(a/b)および前記振幅c、dと、対応する基準データとの大小をそれぞれ比較し、各比較項目の比較結果の組み合わせから測定対象者の歩容の種類を判断することを特徴とする歩容情報表示システム。 - 前記体動測定装置と前記姿勢判断装置と前記姿勢表示装置とがネットワークを介して接続され、姿勢判断装置は、ネットワークを介して体動測定装置から送信された測定データをもとに測定対象者の歩容を判断し、ネットワークを介して判断結果を姿勢表示装置へ送信することを特徴とする請求項1記載の歩容情報表示システム。
- 前記体動測定装置が、装着部位に加わる加速度を測定する加速度測定部と、加速度測定部の測定データから運動強度を演算する運動強度演算部と、歩行時に加速度測定部が測定した測定データを記憶する記憶部と、操作部による送信操作に応じて記憶部に記憶された歩行時の測定データを外部へ送信する送信部とを備えた活動量計からなり、
前記姿勢判断装置および前記姿勢表示装置が、活動量計の送信部から送信された測定データを受信する受信部と、受信した測定データを前記基準データと比較することによって歩容を判断する歩容判断部と、判断結果を表示する表示部とを備えた携帯機器からなることを特徴とする請求項1又は2記載の歩容情報表示システム。
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- 2007-10-26 JP JP2007279467A patent/JP2009106374A/ja not_active Withdrawn
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