以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態の遊技機(パチンコ遊技機)の遊技盤1の正面図である。
遊技盤1の表面には、ガイドレール2で囲われた遊技領域のほぼ中央にセンター役物3が、センター役物3の左右及び下方左右に一般入賞口4が、センター役物3の下方に始動口5が、始動口の左側に普通図柄始動ゲート6が、始動口の下方に下大入賞口10が配設される。
センター役物3は、中央に上大入賞口31を備える。上大入賞口31の入口には上大入賞口ソレノイド31A(図2参照)によって駆動される開閉翼32が設けられる。開閉翼32は、開閉駆動されることによって、遊技球が入賞しにくい(遊技者に不利な)状態と、遊技球が入賞しやすい(遊技者に有利な)状態へとの間で状態が変化する。
センター役物3の中央部には、上大入賞口31に入賞した遊技球を振り分ける回転体34が設けられている。回転体34はモータ34A(図2参照)によって回転駆動される。回転体34から落下した遊技球の一部は、センター役物3内に備わるV入賞口に入賞する。
センター役物3は、上大入賞口31に入賞した遊技球を検出する上大入賞口カウントスイッチ55(図2参照)、V入賞口に入賞した遊技球を検出するVカウントスイッチ57(図2参照)、及び、V入賞口に入賞しなかった遊技球を検出する残存球カウントスイッチ56(図2参照)を備える。
センター役物3の上部には、ラウンド表示器33が設けられている。
遊技領域の左側の二つの一般入賞口4へ入賞した遊技球は、入賞口センサL53(図2参照)で検出される。遊技領域の右側の二つの一般入賞口4へ入賞した遊技球は、入賞口センサR54(図2参照)で検出される。
始動口5は、普通電動役物ソレノイド5A(図2参照)によって駆動される普通変動入賞装置を入口に備える。普通変動入賞装置は、可動片を開閉駆動されることによって、遊技球が入賞しにくい(遊技者に不利な)状態から、遊技球が入賞しやすい(遊技者に有利な)状態との間を変換する。始動口5に入賞した遊技球は、始動口スイッチ51(図2参照)で検出される。
普通図柄始動ゲート6は、ゲートスイッチ52(図2参照)を備え、遊技球の通過を検出する。
始動口5の右側には、普通図柄始動ゲート6と同じ形の飾りゲート7が設けられる。飾りゲート7は遊技球を検出するカウントスイッチを有していないので、飾りゲート7を通過する遊技球が検出されることはない。なお、飾りゲート7に代えて普通図柄始動ゲート6を設けてもよい。
下大入賞口10は、下大入賞口ソレノイド10A(図2参照)によって駆動される開閉扉を備える、この開閉扉が開閉駆動されることによって、遊技球が入賞しない(遊技者に不利な)状態と、遊技球が入賞しやすい(遊技者に有利な)状態へとの間で状態が変化する。下大入賞口10に入賞した遊技球は、下カウントスイッチ58(図2参照)で検出される。
下大入賞口10の左方には、普通図柄表示器12及び普通図柄記憶状態表示器13が設けられている。普通図柄表示器12は、例えば、2個のLEDで構成され、普通図柄による変動表示ゲームに関する表示を行う。普通図柄記憶状態表示器13は、例えば、4個のLEDで構成され、普通図柄による変動表示ゲームの始動記憶(普通図柄入賞記憶)数を表示する。
下大入賞口10の右方には、遊技状態表示部11が設けられている。遊技状態表示部11には、遊技状態表示器11A及びラウンド表示器11Bが設けられている。遊技状態表示器11Aは、例えば、3桁の7セグメントLEDで構成され、現在の遊技状態を表示する。ラウンド表示器11Bは、例えば、1桁の7セグメントLEDで構成され、決定された下大入賞口10の開状態への変換回数(ラウンド数)が表示される。
遊技領域の適宜位置には、風車等の複数の方向変換部材(図示せず)が回転自在に配設されている。さらに、遊技領域の中央下端にはアウト球を回収するアウト口9が設けられている。
遊技盤1の下部には、パチンコ球の供給皿、受け皿及び打球発射装置の操作部が配設され、打球発射装置により発射された打球はガイドレール2に案内されて遊技領域内に入る。さらに、遊技領域の適宜位置には、装飾用のランプが設けられている。これらのランプは、例えば、上大入賞口31や下大入賞口10が開放するときに点滅する他、後述するファンファーレ中に遊技者の遊技意欲を盛り上げるように点滅する。
本実施の形態の遊技機では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域を流下し、上大入賞口31、一般入賞口4、始動口5又は下大入賞口10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口9から排出される。
上大入賞口31、一般入賞口4、始動口5及び下大入賞口10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から、遊技盤1の下方に設けられた供給皿に排出される。
普通図柄始動ゲート6への遊技球の通過は、ゲートスイッチ52によって検出される。この遊技球の通過タイミングに普通図柄乱数カウンタ値が抽出される。抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄入賞記憶領域)に、普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は普通図柄記憶状態表示器13に表示される。
普通図柄始動ゲート6を遊技球が通過すると、普通図柄表示器12では、普通図柄の変動表示が開始する。遊技制御装置100は普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。すなわち、普通図柄始動ゲート6への通過検出が所定のタイミングでなされたときには(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるときには)、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄で停止する。このとき、始動口5に設けられた普通変動入賞装置は、普通電動役物ソレノイド5Aへの通電により、始動口5への入口が所定の時間(例えば、0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口5への入賞可能性が高められる。
始動口5への遊技球の入賞は、始動口スイッチ51によって検出される。始動口16へ遊技球が入賞すると、センター役物3は、上大入賞口ソレノイド31Aへの通電により、開閉翼32が所定の時間(例えば、0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の上大入賞口5への入賞可能性が高められる。
上大入賞口31に入賞した遊技球は、上大入賞口カウントスイッチ55によって検出される。その後、上大入賞口31に入賞した遊技球は回転体34上で回転し、その一部はV入賞口に入賞するように振り分けられる。
V入賞口に入賞した遊技球は、Vカウントスイッチ57によって検出され、V入賞口に入賞しなかった遊技球は、残存球カウントスイッチ56によって検出される。すなわち、センター役物3に流入する遊技球は上大入賞口カウントスイッチ55で検出され、センター役物3から排出する遊技球は残存球カウントスイッチ56又はVカウントスイッチ57で検出される。よって、これらのスイッチの検出結果によってセンター役物3内に残存している遊技球数を知ることができる。
V入賞口への遊技球が入賞すると、下大入賞口ソレノイド10Aへの通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、下大入賞口10が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
V入賞口への遊技球の入賞タイミングで、ラウンド振分用乱数値が抽出される。抽出されたラウンド振分用乱数値によって、下大入賞口10の開状態への変換回数(ラウンド数)が決定される。決定されたラウンド数は、ラウンド表示器11B、33に表示される。
なお、ラウンド振分用乱数値の抽出タイミングは、V入賞口への遊技球の入賞タイミングに限らず、上大入賞口への入賞タイミング(入賞検出手段による当該予備遊技における変動入賞装置内への最後の入賞を検出したタイミング)、始動入賞タイミング(当該予備遊技を生起させた始動入賞タイミング)などであってもよい。
図2は、本実施の形態の遊技機の遊技制御装置100を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ111、入力インターフェース112、出力インターフェース113等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ111には外部通信用端子114が接続されており、外部通信用端子114からは、遊技用マイクロコンピュータ111に一意に設定された識別番号を出力することができ、この外部通信用端子114に検査装置や管理用コンピュータ(いわゆる、ホールコン)を接続することで、管理用コンピュータが遊技機を識別することができる。
遊技用マイクロコンピュータ111は、入力インターフェース112を介しての各種検出装置(始動口スイッチ51、ゲートスイッチ52、入賞口センサL53、入賞口センサR54、上大入賞口カウントスイッチ55、残存球カウントスイッチ56、Vカウントスイッチ57、下大入賞口カウントスイッチ58)からの検出信号を受けて種々の処理を行う。また、出力インターフェース113を介して、各従属制御装置(演出制御装置150、排出制御装置400)、普通電動役物ソレノイド5A、上大入賞口ソレノイド31A、下大入賞口ソレノイド10A、モータ34A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
遊技用マイクロコンピュータ111は、遊技状態表示器11Aに対して、現在の遊技状態を表示するための表示データを出力する。また、ラウンド表示器11Bに対して、下大入賞口10の開放回数(ラウンド数)の表示データを出力する。
排出制御装置400は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。なお、カード球貸ユニットからの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させてもよい。
遊技制御装置100から演出制御装置150には、表示制御指令信号としてデモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
演出制御装置150は、演出制御用のCPU151、ROM152、RAM153等から構成される。ROM152には、CPU151が使用するプログラムやデータ、及び画像データが格納される。RAM153は、CPU151の動作時のワークエリアや、表示される画像データを一時的に記憶するバッファが設けられる。
CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムを実行し、遊技制御装置100からの信号に基づいて、遊技状態に関する情報を、表示装置200(例えば、ラウンド表示器33)に表示する。また、遊技状態に応じた装飾を、遊技機に設けられたランプ等に表示する。
演出制御装置150の、遊技制御装置100とを接続する通信インターフェース154には、信号伝達方向規制手段であるバッファが設けられ、遊技制御装置100と演出制御装置150との間の通信は、遊技制御装置100から演出制御装置150への信号入力のみが許容され、演出制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している。これにより、演出制御装置150から遊技制御装置100に不正な信号が入力されることを防止することができる。なお、遊技制御装置100と演出制御装置150との間で双方向通信を行う場合には、バッファ回路に双方向バッファを用いることもできる。
また、出力インターフェース155には表示装置200及び音制御装置300が接続されている。
演出制御装置150には出力インターフェース155が設けられている。出力インターフェース155には表示装置200及び音制御装置250が接続されており、出力インターフェース158を介して表示装置200に信号を出力する。
音制御装置300は、演出制御装置150からの音制御指令信号に基づいて、スピーカから出力される効果音を制御する。
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報)等をバックアップする。
以上説明した実施の形態では、演出制御装置150は、LED及びランプの装飾表示を制御する装飾表示制御機能と、音声を制御する音制御機能とを一体にして構成したが、演出制御装置150、表示制御装置などを別体にして設けて、これらを通信で接続するように構成してもよい。
図3は、本実施の形態の遊技制御のメイン処理のフローチャートであり、遊技制御装置100で実行される。
遊技機の電源が投入されると、遊技用マイクロコンピュータ111は、各種制御パラメータに初期値を設定する初期化処理を実行し(S101)、遊技機を初期状態に設定する。続いて乱数更新処理1(S102)を行う。以後、この乱数更新処理1を繰り返し行う。
この乱数更新処理1(S102)は、後述する乱数更新処理2の初期値を更新する処理である。この処理について説明すると、遊技制御装置100で実行される処理の中には、普図始動口14や特図始動口6へ遊技球が入賞したときに、対応する遊技の結果態様を導き出すための抽選を行ったり、この抽選結果に基づいて変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾にランダム性を付与したりするために行われる、いくつかの乱数処理が含まれる。これらの乱数処理の一例としては、0から316の間でカウンタの値を所定の時間周期、たとえば1ミリ秒周期で1ずつ増加させ、値が316を越したときに再び0に戻す処理がある。この乱数値の更新処理は、乱数更新処理2(図4のS115)に相当する。
このカウンタ値は、上述した遊技球の入賞等の事象を遊技制御装置100が認識した時点で抽出され、そのときの乱数値となる。しかし、乱数とはいっても、前述した処理を繰り返すと、317ミリ秒周期で抽出される乱数値は同じ値となってしまい、乱数性が低下する。そこで、乱数更新処理1でカウンタ値を攪乱することによって更に乱数性を付与している。
前述した例におけるカウンタ値の変動を毎回0から開始するのではなく、乱数更新処理1で求められた値をカウンタ値の初期値として変動させる。いわば一回転の変動を終えた時点で、乱数更新処理1により得られた新たな値を次のカウンタの初期値として設定する。
そしてまた、一回転のカウンタ値を変動する処理が行われ、カウンタ値変動時の初期値が次々と更新されてゆく。乱数更新処理1における乱数更新の周期は、乱数更新処理2における乱数更新の周期に比べてかなり短いので、前述したカウンタのランダム性を増すことができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御のタイマ割込処理のフローチャートであり、遊技制御装置100で実行される。
遊技機へ電源が投入された後、遊技制御メイン処理(図3)が実行される、そして、所定時間周期(例えば、1ミリ秒毎に)タイマ割り込みが発生すると、タイマ割込処理が繰り返し実行される。これらS110〜S121の処理は、割り込み発生毎に必ずしもすべて行なわれるとは限られない。例えば、入力処理S112は毎回入力信号を監視するが、出力処理S113は割り込みの発生1回おきに実行されてもよい。つまり、1回の割込処理で一通りの処理すべてを完了するのではなく、この割込処理が複数回繰り返し実行されて一連の遊技制御処理が完了する場合がある。
まず、割り込みの禁止を設定し、レジスタを退避する(S111)。
その後、入力インターフェース102を介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理をし、入力情報を確定する入力処理を行う(S112)。
その後、出力インターフェース103を介し、遊技制御に関するデータを所定の出力先(普電ソレノイド9A、大入賞口ソレノイド10A、盤用外部情報41等)に出力する(S113)。
その後、制御指令信号を演出制御装置150に出力したり、排出制御装置200に賞球指令信号を出力するコマンド送信処理を行う(S114)。
その後、変動表示ゲームが当たりか否かを判定するための各乱数カウンタ、及び変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾(変動表示パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための各乱数カウンタの値を一ずつ増す乱数更新処理2を行う(S115)。
その後、遊技機の球詰まりや各種スイッチ、センサ等の異常などを監視するエラー監視処理を行う(S116)。
このスイッチ監視処理は後で詳述するが、始動口スイッチ51、ゲートスイッチ52、入賞口センサL53、入賞口センサR54、上大入賞口カウントスイッチ55、残存球カウントスイッチ56、Vカウントスイッチ57等の入力の有無を検出し、その結果に応じて普通図柄入賞記憶、大入賞口への入賞カウント数等を更新するスイッチの監視処理を行う(S117)。
その後、センター役物3及び大入賞口10を用いて実行される主ゲームの進行を制御する主ゲーム処理(S118)、普通図柄始動ゲート6、普通図柄表示器12及び普通図柄記憶表示器13を用いて行われる普図ゲーム処理(S119)を行う。
主ゲーム処理(S118)は、始動口スイッチ51で検出された始動口5への遊技球の入賞に基づいて、上大入賞口ソレノイド31Aを駆動して上大入賞口31を開く。そして、Vカウントスイッチ57で検出されたV入賞口への遊技球の入賞に基づいて、定められたラウンド数だけ、下大入賞口ソレノイド10Aを駆動して下大入賞口10を開き、遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)とする。
普図ゲーム処理(S119)は、ゲートスイッチ52で検出された普通図柄始動ゲート6への遊技球の通過に基づいて抽出された普通図柄乱数カウンタ値を判定し、普通図柄表示器12における変動表示のための処理を行う。普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であれば、普通変動入賞装置9を開放する。
その後、盤用外部情報端子41を介して接続される管理用コンピュータ(遊技場内に設置される各遊技機の状態を一元的に管理するために遊技場に設置されるいわゆるホールコン)に遊技機の状態を出力するための盤用外部情報を編集する外部情報編集処理を行う(S120)。盤用外部情報にはゲームの進行状態に関連する情報が含まれる。
その後、一時退避していたレジスタを復帰し、禁止設定されていた割り込みを許可する処理を行い(S121)、タイマ割込処理を終了し、メイン処理(図3)に戻る。そして、次のタイマ割り込みが発生するまで乱数更新処理1(図3のS102)を繰り返す。
図5は、本実施の形態の残存球更新処理のフローチャートである。この残存球更新処理は、遊技制御装置100で。主ゲーム処理(図4のS118)において実行される。
残存球更新処理では、まず、上大入賞口カウントスイッチ55からの出力によって、上大入賞口31への遊技球の入賞があるか否かを判定する(S131)。
その結果、入賞球が検出されると、センター役物3内の残存球が1個増加したので、残存球数カウンタを1加算する(S132)。そして、残存球エラー判定時間を設定して(S133)、ステップS134に進む。この残存球エラー判定時間は、例えば30秒が設定され、この時間内に入賞球がセンター役物3から排出しなければ残存球エラーと判定するために用いられる。
この残存球更新処理は、上大入賞口31への遊技球の入賞が検出される毎に実行されるので、残存球エラー判定時間も、上大入賞口31への入賞球の検出される毎に設定される。
一方、入賞球が検出されなければ、残存球カウンタの更新(S132)も、残存球エラー判定時間の設定(S133)もすることなく、ステップS134に進む。
ステップS134では、残存球カウントスイッチ56及びVカウントスイッチ57からの出力によって、センター役物3から遊技球が排出されたか否かを判定する(S134)。
その結果、排出球が検出されると、センター役物3内の残存球が1個減少したので、残存球数カウンタを1減算して(S135)、ステップS136に進む。一方、排出球が検出されなければ、残存球カウンタを更新せず、ステップS136に進む。
ステップ136では、残存球カウンタ値が正の値か否かによって、センター役物3内に残存球があるか否かを判定する(S136)。その結果、残存球カウンタ値が正であれば残存球があるので、残存球フラグをON状態に設定する(S137)。一方、残存球カウンタ値が正でなければ(すなわち、0)であれば残存球はないので、残存球フラグをOFF状態にクリアし(S138)、残存球エラーフラグを解除する(S139)。なお、残存球エラーフラグは、後述する残存球エラー判定処理(図6)において設定される。
図6は、本実施の形態の残存球エラー判定処理のフローチャートである。この残存球エラー判定処理は、遊技制御装置100で、主ゲーム処理(図4のS118)において実行される。
残存球エラー判定処理では、まず、残存球フラグによって、センター役物3内に遊技球が残存しているか否かを判定する(S141)。その結果、残存球フラグがONに設定されていれば、センター役物3内に遊技球が残存しているので、残存球エラー判定時間が経過しているか否かを判定する(S142)。その結果、残存球エラー判定時間が経過していれば、残存球エラーフラグを設定する(S143)。
すなわち、上大入賞口31へ入賞した遊技球が、所定の残存球エラー判定時間の経過後も、センター役物3内に遊技球が残存していると、残存球エラーと判定し、残存球エラーフラグを設定する。
次に、タイミング図に基づいて、本実施の形態の遊技機の動作を説明する。
まず、図7に従って、遊技球が始動口5に入賞した後、上大入賞口31に入賞しない場合の動作を説明する。
始動口5に遊技球が入賞すると、始動口スイッチ51を無効にして、連続して遊技球が始動口5に入賞しても検出しないようにする(始動口無効時間1)。その後、上大入賞口31が開放し、センター役物3(回転体34)が動作を開始し、V振分動作を行う。この上大入賞口31の開放によって、始動口無効時間1が終了し、始動口無効時間2が開始する。
この上大入賞口31の開放中は、始動口5に遊技球が入賞しても検出しない(始動口無効時間2)。また、上大入賞口31が閉鎖すると、始動口無効時間2が終了し、始動口無効時間3が開始し、上大入賞口31の閉鎖後も、センター役物3の動作中は、始動口5に遊技球が入賞しても検出しない。
また、センター役物3の動作中は、上大入賞口31が閉鎖しても、Vカウントスイッチ57からの信号を有効にする特定領域有効時間となっている。センター役物3の動作が終了すると、始動口無効時間3及び、特定領域有効時間が終了する。
なお、始動口無効時間1〜3は連続して生じ、いずれの無効時間かは制御上の問題であり、遊技球の検出に違いはない。
次に、図8に従って、遊技球が始動口5に入賞後、上大入賞口31に入賞し、V入賞しないで遊技球が排出されたが、エラーが生じない場合の動作を説明する。
始動口5に遊技球が入賞すると、始動口スイッチ51を無効にして、連続して遊技球が始動口5に入賞しても検出しないようにする(始動口無効時間1)。その後、上大入賞口31が開放する。これに伴い、センター役物3(回転体34)が動作を開始し、V振分動作を行う。この上大入賞口31の開放によって、始動口無効時間1が終了し、始動口無効時間2が開始する。また、Vカウントスイッチ57からの信号を有効にする特定領域有効時間時間(有効時間1)が開始する。
また、上大入賞口31が閉鎖すると、始動口無効時間2が終了し、始動口無効時間3が開始する。これによって、上大入賞口31の閉鎖後も、センター役物3の動作中は、始動口5に遊技球が入賞しても検出しない。
この上大入賞口31が開放中に遊技球が入賞すると、上大入賞口カウントスイッチ55によって入賞球が検出される。なお、本図を含む本実施の形態では、上大入賞口31の閉鎖後に入賞球が検出されているが、これは、上大入賞口カウントスイッチ55は上大入賞口31より奥まった位置に設置されているので、上大入賞口への流入より遅れて入賞球が検出されるためである。よって、上大入賞口31の開放中に入賞球が検出されてもよい。
この上大入賞口31への入賞球が検出されると、残存球フラグが設定される(ON状態になる)。この残存球フラグが設定されている間は、始動口無効時間が延長され(残存球による始動口無効状態)、特定領域有効時間2が開始する。また、センター役物3の動作時間も延長される。さらに、残存球エラー判定時間が開始する。
そして、残存球カウントスイッチ56によって、特定領域有効時間中(残存球エラー判定時間中)に、センター役物3から遊技球の排出が検出されると、残存球が0になるので、残存球フラグがクリアされる(OFF状態になる)。そして始動口の無効状態が終了し、始動口5への入賞球が検出可能となり、次の予備遊技状態を生起することができる状態になる。また、特定領域有効時間が終了する。
なお、残存球エラー判定時間中に残存球フラグがクリアされたので、残存球エラーとなることなく終了する。
なお、特定領域有効時間1〜2は連続して生じ、いずれの有効時間かは制御上の問題であり、遊技球の検出に違いはない。
次に、図9に従って、遊技球が始動口5に入賞後、上大入賞口31に入賞し、V入賞しないで排出された遊技球によってエラーが生じる場合の動作を説明する。
始動口5に遊技球が入賞すると、始動口スイッチ51を無効にして、連続して遊技球が始動口5に入賞しても検出しないようにする(始動口無効時間1)。その後、上大入賞口31が開放する。これに伴い、センター役物3(回転体34)が動作を開始し、V振分動作を行う。この上大入賞口31の開放によって、始動口無効時間1が終了し、始動口無効時間2が開始する。また、Vカウントスイッチ57からの信号を有効にする特定領域有効時間時間(有効時間1)が開始する。
また、上大入賞口31が閉鎖すると、始動口無効時間2が終了し、始動口無効時間3が開始する。これによって、上大入賞口31の閉鎖後も、センター役物3の動作中は、始動口5に遊技球が入賞しても検出しない。
この上大入賞口31が開放中に遊技球が入賞すると、上大入賞口カウントスイッチ55によって入賞球が検出される。なお、本図を含む本実施の形態では、上大入賞口31の閉鎖後に入賞球が検出されているが、これは、上大入賞口カウントスイッチ55は上大入賞口31より奥まった位置に設置されているので、上大入賞口への流入より遅れて入賞球が検出されるためである。よって、上大入賞口31の開放中に入賞球が検出されてもよい。
この上大入賞口31への入賞球が検出されると、残存球フラグが設定される(ON状態になる)。この残存球フラグが設定されている間は、始動口無効時間が延長され(残存球による始動口無効状態)、特定領域有効時間2が開始する。また、センター役物3の動作時間も延長される。さらに、残存球エラー判定時間が開始する。
この間、始動口5に遊技球が入賞しても、残存球による始動口無効状態中なので、当該始動口への入賞は無効となる。
その後、残存球エラー判定時間が経過しても、残存球フラグがON状態に設定されていれば、遊技球が上大入賞口31に流入してから所定の監視時間(残存球エラー判定時間)が経過しても上大入賞口31から遊技球が排出されていないので、残存球エラー状態となり、残存球エラーフラグが設定され、エラーが報知される。このエラー報知は、例えば、ラウンド表示器31にエラーである旨の表示をする。また、遊技盤1に設けられたランプを点滅させてもよい。そして、残存球エラー状態になると、特定領域有効時間が終了し、その後Vカウントスイッチ57による遊技球の検出に基づく特別遊技状態の発生(大当たり)が無効になる。
その後、センター役物3からの排出球が残存球カウントスイッチ56によって検出されると、残存球が0になるので、残存球フラグがクリアされる(OFF状態になる)。そして始動口の無効状態が終了し、始動口5への入賞球が検出可能となり、次の予備遊技状態を生起することができる状態になる。また、エラー報知が終了する。
なお、Vカウントスイッチ57による遊技球の排出検出は有効なので、当該検出によっても残存球エラー状態は解除される。
次に、図10に従って、遊技球が始動口5に入賞後、上大入賞口31に入賞した遊技球がV入賞したが、エラーが生じない場合の動作を説明する。
始動口5に遊技球が入賞すると、始動口スイッチ51を無効にして、連続して遊技球が始動口5に入賞しても検出しないようにする(始動口無効時間1)。その後、上大入賞口31が開放する。これに伴い、センター役物3(回転体34)が動作を開始し、V振分動作を行う。この上大入賞口31の開放によって、始動口無効時間1が終了し、始動口無効時間2が開始する。また、Vカウントスイッチ57からの信号を有効にする特定領域有効時間時間(有効時間1)が開始する。
また、上大入賞口31が閉鎖すると、始動口無効時間2が終了し、始動口無効時間3が開始する。これによって、上大入賞口31の閉鎖後も、センター役物3の動作中は、始動口5に遊技球が入賞しても検出しない。
この上大入賞口31が開放中に遊技球が入賞すると、上大入賞口カウントスイッチ55によって検出される。なお、本図を含む本実施の形態では、上大入賞口31の閉鎖後に入賞球が検出されているが、これは、上大入賞口カウントスイッチ55は上大入賞口31より奥まった位置に設置されているので、上大入賞口への流入より遅れて入賞球が検出されるためである。よって、上大入賞口31の開放中に入賞球が検出されてもよい。
この上大入賞口31への入賞球が検出されると、残存球フラグが設定される(ON状態になる)。この残存球フラグが設定されている間は、始動口無効時間が延長され(残存球による始動口無効状態)、特定領域有効時間2が開始する。また、センター役物3の動作時間も延長される。さらに、残存球エラー判定時間が開始する。
この間、始動口5に遊技球が入賞しても、残存球による始動口無効状態中なので、当該始動口への入賞は無効となる。
その後、残存球エラー判定時間が経過する前に、センター役物3から排出された遊技球が、Vカウントスイッチ57によって検出されると、大当たり状態となり、定められたラウンド数だけ、下大入賞口ソレノイド10Aを駆動して下大入賞口10を開き、遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)とする。またセンター役物3の動作が停止する。
そして、この排出球の検出によって、残存球が0になるので、残存球フラグがクリアされる(OFF状態になる)。また、残存球による始動口の無効状態が終了し、大当たりによる始動口無効時間が開始する。
その後、所定ラウンド数の下大入賞口10の動作が終了し、大当たりが終了すると、始動口の無効状態が終了し、始動口5への入賞球が検出可能となり、次の予備遊技状態を生起することができる状態になる。
次に、図11に従って、遊技球が始動口5に入賞後、上大入賞口31に入賞し、V入賞した遊技球によってエラーが生じる場合の動作を説明する。
始動口5に遊技球が入賞すると、始動口スイッチ51を無効にして、連続して遊技球が始動口5に入賞しても検出しないようにする(始動口無効時間1)。その後、上大入賞口31が開放する。これに伴い、センター役物3(回転体34)が動作を開始し、V振分動作を行う。この上大入賞口31の開放によって、始動口無効時間1が終了し、始動口無効時間2が開始する。また、Vカウントスイッチ57からの信号を有効にする特定領域有効時間時間(有効時間1)が開始する。
また、上大入賞口31が閉鎖すると、始動口無効時間2が終了し、始動口無効時間3が開始する。これによって、上大入賞口31の閉鎖後も、センター役物3の動作中は、始動口5に遊技球が入賞しても検出しない。
この上大入賞口31が開放中に遊技球が入賞すると、上大入賞口カウントスイッチ55によって検出される。なお、本図を含む本実施の形態では、上大入賞口31の閉鎖後に入賞球が検出されているが、これは、上大入賞口カウントスイッチ55は上大入賞口31より奥まった位置に設置されているので、上大入賞口への流入より遅れて入賞球が検出されるためである。よって、上大入賞口31の開放中に入賞球が検出されてもよい。
この上大入賞口31への入賞球が検出されると、残存球フラグが設定される(ON状態になる)。この残存球フラグが設定されている間は、始動口無効時間が延長され(残存球による始動口無効状態)、特定領域有効時間2が開始する。また、センター役物3の動作時間も延長される。さらに、残存球エラー判定時間が開始する。
この間、始動口5に遊技球が入賞しても、残存球による始動口無効状態中なので、当該始動口への入賞は無効となる。
その後、残存球エラー判定時間が経過しても、残存球フラグがON状態に設定されていれば、遊技球が上大入賞口31に流入してから所定の監視時間(残存球エラー判定時間)が経過しても上大入賞口31から遊技球が排出されていないので、残存球エラー状態となり、残存球エラーフラグが設定され、エラーが報知される。このエラー報知は、例えば、ラウンド表示器31にエラーである旨の表示をする。また、遊技盤1に設けられたランプを点滅させてもよい。そして、残存球エラー状態になると、特定領域有効時間が終了し、その後Vカウントスイッチ57による遊技球の検出が無効になる。
その後、センター役物3からの排出球がVカウントスイッチ57によって検出されても特定領域有効時間外なので大当たりとならない。そして、この排出球の検出によって、残存球が0になるので、残存球フラグがクリアされる(OFF状態になる)。そして始動口の無効状態が終了し、始動口5への入賞球が検出可能となり、次の予備遊技状態を生起することができる状態になる。また、エラー報知が終了する。
図12は、本実施の形態のファンファーレ時間決定処理のフローチャートである。このファンファーレ時間決定処理は、遊技制御装置100で有効なV入賞が検出された場合に、主ゲーム処理(図4のS118)において実行される。
ファンファーレ時間決定処理では、まず、残存球フラグが設定されているか否かを判定する(S151)。
その結果、残存球フラグが設定されていなければ(OFF状態であれば)、センター役物3内に遊技球は残存していないので、ステップS153に進む。一方、残存球フラグがON状態に設定されていれば、センター役物3内に遊技球は残存しているので、ステップS152に進む。
ステップS152では、現時点での残存球エラー判定時間とファンファーレ最低時間とを比較する。このファンファーレ時間は、遊技球がV入賞してから下大入賞口10が開状態に変換されるまでの時間で、この間ラウンド抽選結果の報知に至る期待を高める演出(例えば、1R(ラウンド)と、7Rと、15Rが変動する表示)がされる。このファンファーレ時間の最低時間は、例えば15秒と定めておく。
その結果、ファンファーレ最低時間が現在の残存球エラー判定時間より長ければ、ファンファーレ時間を延長する必要がないので、ファンファーレ時間にファンファーレ最低時間を設定する(S153)。一方、ファンファーレ最低時間が現在の残存球エラー判定時間以下であれば、ファンファーレ最低時間では残存球エラー判定時間が不足するので、ファンファーレ時間に残存球エラー判定時間を設定する(S154)。
その後、設定されたファンファーレ時間に基づいて、変動パターンテーブル(図13参照)から、ラウンド抽選変動時間を選択する(S155)。すなわち、設定されたファンファーレ時間に適合するラウンド抽選変動時間を選択し、ラウンド抽選の演出を決定する。
その後、ラウンド抽選によって確定した図柄を表示する時間を設定する(S156)。
図13は、本実施の形態の変動表示パターンテーブルの説明図である。
変動表示パターンテーブルには、変動パターンと変動時間との対応が格納されている。なお、変動表示パターンテーブルに格納されている最も短い変動時間がファンファーレ最低時間である。
ラウンド抽選変動時間の選択(S155)では、変動表示パターンテーブルから、変動表示パターンを選択することによって変動表示時間を決定する。
図14は、本実施の形態の図柄確定表示時間テーブルの説明図である。
図柄確定表示時間テーブルには、図柄確定表示時間が格納されている。なお、本図では一つの図柄確定時間を変数αによって変化させているが、複数の図柄確定表示時間を図柄確定表示時間テーブルに含め、その中から確定時間を選択するように構成してもよい。
ラウンド抽選図柄確定表示時間設定処理(S156)では、図柄確定表示時間テーブルの変数αを定めることによって、図柄確定表示時間を定める。
すなわち、前述の変動表示パターン選択では、残存球エラー判定時間から6秒を減じ、1秒以下の端数を切り捨てた時間に相当する時間の変動パターンが選択される。また、残存球エラー判定時間のうち1秒以下の端数を図柄確定表示時間のαに設定する。
このようにして、ラウンド抽選変動時間とラウンド抽選図柄確定表示時間とを設定することによって、ラウンド抽選変動時間とラウンド抽選図柄確定表示時間との和が、残存球エラー判定時間と等しくなる。
従って、残存球エラーの判定時間が不定であっても、ファンファーレ時間を調整することで、残存球エラーの判定のための待ち時間を遊技者が意識することはない。
また、ファンファーレ時間が調整可能なため、残存球エラーの判定時間が大きくない場合には、速やかに大当たり動作に移行することができる。
図15は、V入賞の検出によって大当たりが発生する処理のタイミング図である。
センター役物3からの排出球がVカウントスイッチ57によって有効に検出されると、ラウンド抽選変動時間及びラウンド抽選図柄確定表示時間が決定されて(S155、S156)、ファンファーレ動作が開始する。ファンファーレ動作が開始すると、まず、ラウンド表示器33においてラウンド数抽選の演出(変動表示)が開始する。ラウンド数抽選が終了すると、確定したラウンド数が表示される。本図では、変動表示時間が15秒(ファンファーレ最低時間)、確定表示時間が6秒、ファンファーレ時間が21秒としている。
なお、前述した通りこのファンファーレ時間の21秒は、残存球エラー判定時間と比較して、
ファンファーレ最低時間≧残存球エラー判定時間
となったときに選択される。
残存球エラー判定時間が仮に27.5秒の時には、
ファンファーレ最低時間<残存球エラー判定時間
となるのでファンファーレ時間に27.5秒が設定される。このとき、変動時間は21秒となり、確定時間が6.5秒となる。
ファンファーレ動作が終了すると、下大入賞口10が開放し、遊技球を受け入れる。そして、下大入賞口10の開放に伴い、下大入賞口作動中信号が「開放状態」に変化する。
下大入賞口10は、所定数の遊技球(例えば、9個)を受け入れる、又は所定時間(例えば、25秒)間、開放状態にある。そして、その後閉状態に戻り、1ラウンドの大当たり動作が終了する。
1ラウンドの大当たり動作が終了すると、下大入賞口10は閉じ、遊技球を受け入れない状態になる。下大入賞口10の閉状態への変換後、所定時間経過後に、下大入賞口作動中信号が「閉鎖状態」に変化する。さらに、所定時間経過後にインターバルが終了し、再び大入賞口10は開放状態になる。そして、定められたラウンド数だけ開放・閉鎖を繰り返すと、大当たり遊技が終了する。
次に、図16、図17を用いて、複数の遊技球が上大入賞口31に入賞した場合の動作について説明する。
図16は、上大入賞口31に入賞した二つの遊技球が、残存球カウントスイッチ56、Vカウントスイッチ57の順に検出された場合のタイミング図である。
上大入賞口31に入賞した遊技球は、上大入賞口カウントスイッチ55に検出され、その後、残存球カウントスイッチ56及びVカウントスイッチ57によって検出される。
図16に示す状態では、まず、上大入賞口31に入賞した二つの遊技球の一つが残存球カウントスイッチ56によって検出される。この状態ではまだ残存球があるので、残存球フラグはオン状態のままである。
残存球エラー判定時間は、上大入賞口31へ遊技球が入賞する毎に設定されるので、図17に示す状態では、一つ目の入賞検出によって設定された残存球エラー判定時間が二つ目の入賞検出によって再設定される。すなわち、二つ目の入賞球の検出によって、残存球エラー判定時間は延長される。
本発明の実施の形態では、入賞球を検出する毎に、残存球エラー判定時間を設定する。上大入賞口31へ後れて入賞した遊技球は、通常は遅れて排出される。一方、残存球エラー判定時間を予め固定した値にすると、遅れて入賞するか分からない入賞球のために、長期間の残存球エラー判定時間を設定することになる。そこで、入賞の都度、残存球エラー判定時間を設定し直すことによって、残存球エラー判定時間を短く設定することができる。
その後、上大入賞口31に入賞した二つの遊技球の一つがVカウントスイッチ57によって検出されると、大当たり状態となり、ファンファーレ動作が始まる。
図17は、上大入賞口31に入賞した二つの遊技球が、Vカウントスイッチ57、残存球カウントスイッチ56の順に検出された場合のタイミング図である。
図17に示す状態では、まず、上大入賞口31に入賞した二つの遊技球の一つがVカウントスイッチ57残存球カウントスイッチ56によって検出されると、大当たり状態となり、ファンファーレ動作が始まる。この状態ではまだ残存球があるので、残存球フラグはオン状態のままである。
残存球エラー判定時間は、上大入賞口31へ遊技球が入賞する毎に設定されるので、図16に示す状態では、一つ目の入賞検出によって設定された残存球エラー判定時間が二つ目の入賞検出によって再設定される。すなわち、二つ目の入賞球の検出によって、残存球エラー判定時間は延長される。
また、残存球エラー判定時間中であっても、この判定結果を待つことなくファンファーレが開始される。これによって、ファンファーレ終了までに残存球が0になれば遊技が滞りなく進行するため、テンポよく遊技を進行することができる。よって、遊技場における当該遊技機の稼動を向上させることができる。
なお、ファンファーレ終了までに残存球が排出されなければ、残存球エラー状態になる。このとき、一連のファンファーレ動作が終了してからエラー状態となるので、エラーの発生によって演出が途中で中断することがない。これは、残存球エラー判定時間に関係して、ファンファーレ時間を定めることにより生じる効果である。
そして、残存球を検出することによって、エラーが解除し、大当たり動作が始まる。
その後、上大入賞口31に入賞した二つの遊技球の一つが残存球カウントスイッチ56によって検出されると、センター役物3内の残存球がなくなるので、残存球フラグがオフ状態になる。
以上説明したように、本発明の実施の形態では、センター役物3への遊技球の入賞が検出される度に残存球エラー判定時間を設定し、センター役物3内に残存する遊技球の数がゼロになる前に残存球エラー判定時間が経過したときに残存球エラーと判定する。一方、残存球エラー判定時間中にVカウントスイッチ57によってV入賞が検出されると、ファンファーレ動作を開始する。これによって、残存球監視中であってもファンファーレ動作を行うことができ、大当たり発生時に遊技者が違和感を抱くことがなくなるとともに、遊技進行を円滑に進めつつ、始動入賞毎の入賞を切り分けることができ、遊技機の公正性を担保することができる。
また、残存球エラー判定時間の残り時間に応じてファンファーレ動作時間を設定するので、ファンファーレ時間を可変することによって、円滑に遊技を進行することができる。
また、ファンファーレ動作中に、乱数による変動表示ゲームを行うので、ファンファーレ時間を長くとっても遊技者に違和感を与えることがない。
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)可動部材と特別入賞口とを有し前記可動部材の作動によって遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能な変動入賞装置と、遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置を前記第2状態に変換させる予備遊技状態を生起させるための条件を与える始動入賞口と、を遊技領域に備え、前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置による予備遊技状態を生起させるように制御し、前記予備遊技状態において前記変動入賞装置に流入した遊技球が前記特別入賞口に入賞することに基づいて、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を生起させるように制御する制御手段を備えた遊技機において、前記変動入賞装置は、前記可動部材と前記特別入賞口との間の遊技球通過領域に設けられ、当該変動入賞装置内への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段と、当該変動入賞装置からの遊技球の排出を検出する排出検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記入賞検出手段及び前記排出検出手段による遊技球の検出結果に基づいて前記予備遊技状態における前記変動入賞装置内に残存する遊技球の有無を判定する残存球判定手段と、前記入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されると残存球エラー判定時間を設定する残存球エラー判定時間設定手段と、前記変動入賞装置内に残存する遊技球の数がゼロになる前に、前記残存球エラー判定時間が経過したときに残存球エラーと判定する残存球エラー判定手段と、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出されると、前記残存球エラー判定手段による残存球エラーの判定を待つことなく当該入賞を報知するファンファーレ動作を設定するファンファーレ動作設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(2)前記残存球エラー判定時間設定手段は、入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出される度に、残存球エラー判定時間を設定することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記制御手段は、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出されると特別遊技状態を生起する特別遊技状態生起手段を備え、前記特別遊技状態生起手段は、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出される過程で所定の乱数を取得し、前記乱数の判定結果に基づいて、価値が異なる複数種類の特別遊技状態のうちいずれかを生起し、前記ファンファーレ動作設定手段による入賞報知中に、当該特別遊技状態が前記複数種類の特別遊技状態のうちいずれであるかを報知することを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記制御手段は、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出されると特別遊技状態を生起する特別遊技状態生起手段を備え、前記特別遊技状態生起手段は、前記残存球エラー判定手段により残存球エラーであると判定されている間の前記特別入賞口への入賞によっては、特別遊技状態を生起しないことを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記ファンファーレ動作設定手段は、前記残存球エラー判定時間の進行状況に基づいて、入賞報知時間を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の遊技機。
(6)前記制御手段は、前記始動入賞口ヘの遊技球の入賞が検出されると、予備遊技状態を生起し、前記特別入賞口への遊技球の入賞を有効化する予備遊技状態生起手段を備え、前記予備遊技状態生起手段は、前記始動入賞口ヘの遊技球の入賞検出から所定時間が経過するまで、他の遊技球の前記始動入賞口への入賞に基づく予備遊技状態の生起を無効にすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の遊技機。
(1)に記載の発明では、可動部材と特別入賞口とを有し前記可動部材の作動によって遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能な変動入賞装置と、遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置を前記第2状態に変換させる予備遊技状態を生起させるための条件を与える始動入賞口と、を遊技領域に備え、前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて前記変動入賞装置による予備遊技状態を生起させるように制御し、前記予備遊技状態において前記変動入賞装置に流入した遊技球が前記特別入賞口に入賞することに基づいて、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を生起させるように制御する制御手段を備えた遊技機において、前記変動入賞装置は、前記可動部材と前記特別入賞口との間の遊技球通過領域に設けられ、当該変動入賞装置内への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段と、当該変動入賞装置からの遊技球の排出を検出する排出検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記入賞検出手段及び前記排出検出手段による遊技球の検出結果に基づいて前記予備遊技状態における前記変動入賞装置内に残存する遊技球の有無を判定する残存球判定手段と、前記入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されると残存球エラー判定時間を設定する残存球エラー判定時間設定手段と、前記変動入賞装置内に残存する遊技球の数がゼロになる前に、前記残存球エラー判定時間が経過したときに残存球エラーと判定する残存球エラー判定手段と、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出されると、前記残存球エラー判定手段による残存球エラーの判定を待つことなく当該入賞を報知するファンファーレ動作を設定するファンファーレ動作設定手段と、を備えるので、残存球監視中であってもファンファーレ動作を行うことによって、遊技者が大当たり発生時の残存球エラー判定時間に違和感を抱くことがなくなるとともに、遊技進行を円滑に進すめることができる。
(2)に記載の発明では、前記残存球エラー判定時間設定手段は、入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出される度に、残存球エラー判定時間を設定するので、予め必要以上に長い残存球エラー判定時間を設定する必要がなく、全体として残存球エラー判定時間を短時間にすることができる。
(3)に記載の発明では、前記制御手段は、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出されると特別遊技状態を生起する特別遊技状態生起手段を備え、前記特別遊技状態生起手段は、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出される過程で所定の乱数を取得し、前記乱数の判定結果に基づいて、価値が異なる複数種類の特別遊技状態のうちいずれかを生起し、前記ファンファーレ動作設定手段による入賞報知中に、当該特別遊技状態が前記複数種類の特別遊技状態のうちいずれであるかを報知するので、ファンファーレ時間を十分に確保しても遊技者に違和感を与えることがない。
(4)に記載の発明では、前記制御手段は、前記特別入賞口への遊技球の入賞が検出されると特別遊技状態を生起する特別遊技状態生起手段を備え、前記特別遊技状態生起手段は、前記残存球エラー判定手段により残存球エラーであると判定されている間の前記特別入賞口への入賞によっては、特別遊技状態を生起しないので、始動入賞毎の入賞を切り分けることができ、遊技機の公正性を担保することができる。
(5)に記載の発明では、前記ファンファーレ動作設定手段は、前記残存球エラー判定時間の進行状況に基づいて、入賞報知時間を設定するので、ファンファーレ時間を可変することによって、遊技を円滑に進行することができる。
(6)に記載の発明では、前記制御手段は、前記始動入賞口ヘの遊技球の入賞が検出されると、予備遊技状態を生起し、前記特別入賞口への遊技球の入賞を有効化する予備遊技状態生起手段を備え、前記予備遊技状態生起手段は、前記始動入賞口ヘの遊技球の入賞検出から所定時間が経過するまで、他の遊技球の前記始動入賞口への入賞に基づく予備遊技状態の生起を無効にするので、始動入賞毎の入賞を切り分けることができ、遊技機の公正性を担保することができる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。