JP2009100545A - Adjustment method for motor controller and adjustment device thereof - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、ブラシレスモータをセンサレス駆動するためのモータ制御装置を調整するための方法および装置に関する。ブラシレスモータは、たとえば、電動パワーステアリング装置における操舵補助力の発生源として利用される。 The present invention relates to a method and apparatus for adjusting a motor control device for sensorless driving of a brushless motor. The brushless motor is used, for example, as a source for generating a steering assist force in an electric power steering apparatus.
ブラシレスDCモータを駆動制御するためのモータ制御装置は、一般に、ロータの回転位置を検出するための位置センサの出力に応じてモータ電流の供給を制御するように構成されている。しかし、位置センサの耐環境性が問題となるうえ、高価な位置センサおよびこれに関連する配線がコストの削減を阻害し、かつ、小型化を阻害している。そこで、位置センサを用いることなくブラシレスDCモータを駆動するセンサレス駆動方式が提案されている。センサレス駆動方式は、ロータの回転に伴う誘起電圧を推定することによって、磁極の位相(ロータの電気角)を推定する方式である。 A motor control device for driving and controlling a brushless DC motor is generally configured to control the supply of motor current according to the output of a position sensor for detecting the rotational position of the rotor. However, the environmental resistance of the position sensor becomes a problem, and the expensive position sensor and the wiring associated therewith hinder the cost reduction and the size reduction. Therefore, a sensorless driving method for driving a brushless DC motor without using a position sensor has been proposed. The sensorless driving method is a method for estimating the phase of the magnetic pole (electrical angle of the rotor) by estimating the induced voltage accompanying the rotation of the rotor.
ロータ停止時および極低速回転時には、誘起電圧を推定できないので、別の方式で磁極の位相が推定される。具体的には、図4(a)に示すように、ロータ50の回転中心を原点とする二相固定座標であるαβ座標の原点まわりにロータ50の回転方向に沿って回転する高周波電圧ベクトル(大きさは一定)が形成されるように、高周波探査電圧がU,V,W相のステータ巻線51,52,53に印加される。高周波電圧ベクトルは、ロータ50の回転速度に対して十分に高速に回転する電圧ベクトルである。この高周波電圧ベクトルの印加に伴って、U,V,W相のステータ巻線51,52,53に電流が流れる。この三相の電流の大きさおよび方向をαβ座標上で表した電流ベクトルは、原点まわりに回転することになる。
Since the induced voltage cannot be estimated when the rotor is stopped and when rotating at a very low speed, the phase of the magnetic pole is estimated by another method. Specifically, as shown in FIG. 4A, a high-frequency voltage vector that rotates along the rotation direction of the
ロータ50のインダクタンスは、磁束方向に沿う磁極軸であるd軸と、これに直交するq軸(トルク方向に沿う軸)とで異なる値をとる。そのため、電流ベクトルの大きさは、d軸に近い方向の場合に大きく、q軸に近い方向の場合に小さくなる。その結果、図4(b)に示すように、電流ベクトルの終点は、αβ座標上において、ロータ50のd軸方向を長軸とする楕円形の軌跡55を描く。
The inductance of the
したがって、電流ベクトルの大きさは、ロータ50のN極方向およびS極方向において極大値を有する。すなわち、図5(a)に示すように、電流ベクトルの1周期において、その大きさは、2つの極大値を有する。この場合、電圧ベクトルの大きさが十分に大きければ、ステータの磁気飽和の影響により、ロータ50のN極側の方がS極側よりもインダクタンスが小さくなり、N極方向の電流ベクトルの大きさが最大値をとることになる(曲線L1参照)。
Therefore, the magnitude of the current vector has a maximum value in the N-pole direction and the S-pole direction of the
そこで、十分に大きな高周波電圧ベクトルを印加してN極に対応した電流ベクトルの極大を特定しておき、その後は、大きさを小さくした高周波電圧ベクトルを印加し、電流ベクトルの極大値に基づいて、ロータ50の位相を推定することができる。より具体的には、大きさが極大値をとるときの電流ベクトルのα軸成分Iαおよびβ軸成分Iβにより、ロータ50の位相角(電気角)θは、θ=Tan-1(Iβ/Iα)として求められる。
Therefore, a sufficiently large high-frequency voltage vector is applied to specify the maximum of the current vector corresponding to the N pole, and thereafter, a high-frequency voltage vector having a reduced size is applied, based on the maximum value of the current vector. The phase of the
電流ベクトルを求めるために、ブラシレスモータの二相、たとえば、U相およびV相のステータ巻線に流れるU相電流およびV相電流をそれぞれ検出するU相電流センサおよびV相電流センサが設けられる。W相電流は、U相電流およびV相電流から演算によって求めることができる。
ところが、U相電流センサおよびV相電流センサは別個の素子であるので、これらのセンサ間でゲインの相違が生じている。このゲインの相違は、αβ座標面に電流ベクトルの終点が描く楕円の長軸方向に影響を与える。この問題を、図7を参照して説明する。
まず、ロータ50がない状態で高周波電圧ベクトルを印加する場合を想定する。高周波電圧ベクトルは大きさが一定なので、その終点の軌跡はαβ座標面上に原点を中心とする円80を描く。ロータ50が存在しない状況では、その突極性の影響を受けないので、電流ベクトルの大きさは一定となり、その終点の軌跡はαβ座標面上に原点を中心とする円を描くはずである。しかし、実際には、U相電流センサおよびV相電流センサの間のゲインの相違のために、電流ベクトルの終点は楕円81を描くことになる。
However, since the U-phase current sensor and the V-phase current sensor are separate elements, there is a difference in gain between these sensors. This difference in gain affects the major axis direction of the ellipse drawn by the end point of the current vector on the αβ coordinate plane. This problem will be described with reference to FIG.
First, it is assumed that a high frequency voltage vector is applied without the
一方、ロータ50が存在し、かつ、U相電流センサおよびV相電流センサの間のゲインに差がない場合に、電流ベクトルの終点は楕円82を描くと仮定する。この楕円82の長軸方向がロータ50の真の極位置に相当する。
楕円83は、楕円82(真の電流ベクトルの軌跡)に楕円81(電流センサによる歪み)を掛け合わせて得られるものである。この楕円83は、実際に得られる電流ベクトルの終点の軌跡に相当する。この場合、楕円83の長軸方向は、U相電流センサおよびV相電流センサの間のゲインの相違の影響を受けて、楕円82の長軸方向からずれている。この楕円83の長軸方向が、間違った極位置として計算されることになる。
On the other hand, when the
The
このように、二相の電流センサのゲインの相違に起因して、ロータ50の回転位置を正確に求めることができないという問題があった。
そこで、この発明の目的は、電流検出手段のゲインの相違によらずに正確にロータの回転位置を求めることができるようにモータ制御装置を調整するための方法および装置を提供することである。
As described above, there is a problem that the rotational position of the
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a method and apparatus for adjusting a motor control device so that the rotational position of a rotor can be obtained accurately regardless of the difference in gain of current detection means.
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、界磁としてのロータ(50)ならびにU相、V相およびW相の三相のステータ巻線(51,52,53)を備える電動モータ(3)を駆動するためのモータ制御装置(5)を調整する方法であって、前記モータ制御装置が、前記三相のうちの二相である第1相および第2相の電流をそれぞれ検出する第1および第2電流検出手段(9U,9V)の出力に基づいて電動モータを駆動するものであり、前記方法は、前記第1相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第1ロータ位置制御ステップ(S2)と、この第1ロータ位置制御ステップの後、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第1探査電圧印加ステップ(S3)と、前記第1探査電圧印加ステップの実行中に、前記電圧ベクトルが前記第1相を向いたときに前記第1電流検出手段が出力する第1電流検出値を取得するステップ(S4)と、前記第2相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第2ロータ位置制御ステップ(S5)と、この第2ロータ位置制御ステップの後、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第2探査電圧印加ステップ(S6)と、前記第2探査電圧印加ステップの実行中に、前記電圧ベクトルが前記第2相を向いたときに前記第2電流検出手段が出力する第2電流検出値を取得するステップ(S7)と、前記第1および第2電流検出値が等しくなるように、前記第1および第2電流検出手段の出力の少なくともいずれか一方を補正するための補正係数を定め、前記モータ制御装置に設定する補正係数設定ステップ(S8,S9)とを含む、モータ制御装置の調整方法である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
In order to achieve the above object, an invention according to
請求項2記載の発明は、界磁としてのロータ(50)ならびにU相、V相およびW相の三相のステータ巻線(51,52,53)を備える電動モータ(3)を駆動するためのモータ制御装置(5)を調整する装置(60)であって、前記モータ制御装置が、前記三相のうちの二相である第1相および第2相の電流をそれぞれ検出する第1および第2電流検出手段(9U,9V)の出力に基づいて電動モータを駆動するものであり、前記装置は、前記第1相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第1ロータ位置制御手段(S2)と、前記第1相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向いた状態で、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第1探査電圧印加手段(S3)と、前記第1探査電圧印加手段によって前記探査電圧を印加している状態で、前記電圧ベクトルが前記第1相を向いたときに前記第1電流検出手段が出力する第1電流検出値を取得する手段(S4)と、前記第2相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第2ロータ位置制御手段(S5)と、前記第2相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向いた状態で、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第2探査電圧印加手段(S6)と、前記第2探査電圧印加手段によって前記探査電圧を印加している状態で、前記電圧ベクトルが前記第2相を向いたときに前記第2電流検出手段が出力する第2電流検出値を取得する手段(S7)と、前記第1および第2電流検出値が等しくなるように、前記第1および第2電流検出手段の出力の少なくともいずれか一方を補正するための補正係数を定め、前記モータ制御装置に設定する補正係数設定手段(S8,S9)とを含む、モータ制御装置の調整装置である。
The invention described in
これらの発明によれば、三相のステータ巻線に或る決まった位相で電流を供給することにより、第1相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向けられる。この状態で、ステータ巻線に探査電圧が印加される。そして、電圧ベクトルが第1相を向いたときの第1電流検出手段の出力が第1電流検出値として取得される。一方、三相のステータ巻線に別の決まった位相の電流を供給することにより、第2相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向けられる。この状態でステータ巻線に探査電圧が印加される。そして、電圧ベクトルが第2相を向いたときの第2電流検出手段の出力が第2電流検出値として取得される。 According to these inventions, by supplying current to the three-phase stator winding at a certain phase, the rotor poles are directed in a direction that forms an electrical angle of 90 degrees with respect to the first phase. In this state, a search voltage is applied to the stator winding. Then, the output of the first current detection means when the voltage vector faces the first phase is acquired as the first current detection value. On the other hand, by supplying a current having a different fixed phase to the three-phase stator winding, the rotor poles are oriented in a direction that makes an electrical angle of 90 degrees with respect to the second phase. In this state, a search voltage is applied to the stator winding. Then, the output of the second current detection means when the voltage vector faces the second phase is acquired as the second current detection value.
第1および第2電流検出手段のゲインに差がない理想的な状態では、第1および第2電流検出値は一致するはずだが、実際には、ゲインには差があるので、第1および第2電流検出値は不一致になる。そこで、第1および第2電流検出値が等しくなるように補正係数を定めれば、この補正係数を第1および/または第2電流検出手段の出力に適用することによって、ゲインの差を補償することができる。 In an ideal state where there is no difference between the gains of the first and second current detection means, the first and second current detection values should match, but in reality, since there is a difference in gain, the first and second current detection values are the same. The two current detection values are inconsistent. Therefore, if a correction coefficient is determined so that the first and second current detection values are equal, the gain difference is compensated by applying this correction coefficient to the output of the first and / or second current detection means. be able to.
その結果、補正係数によって補正された第1および第2電流検出手段の出力信号を用いることによって、モータ制御装置は、ロータの回転位置を正確に求めることができるようになる。
なお、ステータ巻線に電流を供給してロータの極を所望の方向に向ける必要があるので、前述のような調整は、ロータの方向が電流位相にほぼ一致する程度のモータ負荷の状態(好ましくはロータがフリーの状態)で行うことが好ましい。
As a result, by using the output signals of the first and second current detection means corrected by the correction coefficient, the motor control device can accurately determine the rotational position of the rotor.
Since it is necessary to supply current to the stator winding and direct the rotor pole in a desired direction, the adjustment as described above is performed in a motor load state (preferably with the rotor direction substantially matching the current phase). Is preferably performed with the rotor free.
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る調整方法および調整装置が適用されるモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、車両のステアリングホイールに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ1と、車両の舵取り機構2に操舵補助力を与える電動モータ3と、この電動モータ3を駆動制御するモータ制御装置5とを備えている。モータ制御装置5は、トルクセンサ1が検出する操舵トルクに応じて電動モータ3を駆動することによって、操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現する。
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a block diagram for explaining an electrical configuration of an electric power steering apparatus including a motor control apparatus to which an adjustment method and an adjustment apparatus according to an embodiment of the present invention are applied. The electric power steering apparatus includes a
電動モータ3は、この実施形態では、三相ブラシレスDCモータであり、図2に図解的に示すように、界磁としてのロータ50と、U相、V相およびW相のステータ巻線51,52,53とを備えている。電動モータ3は、ロータの外部にステータを配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを配置したアウターロータ型のものであってもよい。
In this embodiment, the
モータ制御装置5は、マイクロコンピュータ7と、このマイクロコンピュータ7によって制御され、電動モータ3に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)8と、電動モータ3のU相およびV相の各ステータ巻線51,52に流れる電流を検出するU相電流センサ9UおよびV相電流センサ9Vとを備えている。
マイクロコンピュータ7は、CPUおよびメモリ(ROMおよびRAMなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、電流指令値生成部11と、PI(比例積分)制御部12と、指示電圧生成部13と、γδ/αβ座標変換部14と、αβ/UVW座標変換部15と、PWM制御部16と、UVW/αβ座標変換部17と、αβ/γδ座標変換部18と、偏差演算部19と、位置推定部20と、センシング信号生成部21と、加算部22と、ゲイン補正部40と、W相電流演算部41とが含まれている。
The motor control device 5 includes a
The
電流指令値生成部11は、電動モータ3のロータ磁極方向に沿うd軸電流成分の指令値Id *と、d軸に直交するq軸電流成分の指令値Iq *とを生成する。以下、これらをまとめて言うときには、「電流指令値Idq」という。ただし、dq座標平面はロータ50の回転方向に沿う平面であり、d軸およびq軸は、ロータ50とともに回転する二相回転座標系(d−q)を規定する(図2参照)。
The current command
電動モータ3のU相、V相およびW相に与えるべき電流(正弦波電流)の振幅を表す電流指令値I*を用いると、d軸電流指令値Id *およびq軸電流指令値Iq *は、次式(1)(2)のように表される。
Id *=0 ……(1)
Iq *=−(3/2)1/2・I* ……(2)
したがって、電流指令値生成部11は、d軸電流指令値Id *=0を生成する一方で、トルクセンサ1によって検出される操舵トルクに応じたq軸電流指令値Iq *を生成する。より具体的には、操舵トルクに対応したq軸電流指令値Iq *を記憶したマップ(テーブル)を用いてq軸電流指令値Iq *が生成されるようになっていてもよい。電動モータ3が発生するトルクは、モータ電流に対応するから、電流指令値Idqは、電動モータ3から発生させるべきトルクを指令するための「トルク指令値」と言い換えることもできる。
When the current command value I * representing the amplitude of the current (sine wave current) to be applied to the U phase, V phase and W phase of the
I d * = 0 (1)
I q * = − (3/2) 1/2・ I * (2)
Therefore, the current command
U相およびV相のステータ巻線51,52に流れる相電流をそれぞれ検出するために、U相電流センサ9UおよびV相電流センサ9Vが設けられている。U相電流センサ9Uの出力信号は、マイクロコンピュータ7のA/D変換ポート10Uに入力されて、ディジタル信号で表されたU相検出電流値IUに変換される。V相電流センサ9Vの出力信号は、マイクロコンピュータ7のA/D変換ポート10Vに入力されて、ディジタル信号で表されたV相検出電流値IVに変換される。
A U-phase current sensor 9U and a V-phase current sensor 9V are provided to detect the phase currents flowing in the U-phase and V-
A/D変換ポート10VからのV相検出電流値IVは、ゲイン補正部40によって、補正係数χVが乗じられる。これにより、ゲイン補正部40は、補正後のV相検出電流値IVを出力する。補正係数χVは、2つの電流センサ9U,9Vの間の個体差等に起因するゲインの相異を補償するための係数である。すなわち、補正係数χVがV相検出電流値IVに乗じられることによって、見かけ上、ゲインの等しい電流センサでU相およびV相の各相電流を検出した場合と同等の検出結果が得られる。補正係数χVは、マイクロコンピュータ7に備えられたメモリ7M(書き換え可能メモリ。たとえば書き換え可能な不揮発性メモリ)に格納されている。
The
W相電流演算部41は、A/D変換ポート10UからのU相検出電流値IUおよびゲイン補正部40による補正後のV相検出電流値IVに基づいて、W相検出電流値IW(=0−IU−IV)を求める。こうして、三相検出電流値IU,IV,IWが得られる(以下、これらをまとめていうときには「三相検出電流値IUVW」という)。この三相検出電流値IUVWが、UVW/αβ座標変換部17に入力されるようになっている。
W-phase
UVW/αβ座標変換部17は、三相検出電流値IUVWを、二相固定座標系(α−β)上での電流IαおよびIβ(以下、これらをまとめていうときには「二相検出電流Iαβ」という。)に座標変換する。二相固定座標系(α−β)とは、ロータ50の回転中心を原点として、ロータ50の回転平面内にα軸およびこれに直交するβ軸を定めた固定座標系である(図2参照)。座標変換された二相検出電流Iαβは、αβ/γδ座標変換部18に与えられる。
The UVW / αβ coordinate
αβ/γδ座標変換部18は、二相検出電流Iαβを、位置推定部20によって推定されるロータ回転位置θ^(以下、「推定回転位置θ^」という。)に従う二相回転座標系(γ−δ)上での電流IγおよびIδ(以下、これらをまとめていうときには「二相検出電流Iγδ」という。)に座標変換する。二相回転座標系(γ−δ)は、推定回転位置θ^にロータ50がある場合に、ロータ磁極方向に沿うγ軸と、このγ軸に直交するδ軸とによって規定される回転座標系である(図2参照)。推定回転位置θ^に誤差がなく、実際のロータ回転位置と一致しているとき、二相回転座標系(d−q)と二相回転座標系(γ−δ)とは一致する。
The αβ / γδ coordinate
二相検出電流Iγδは、偏差演算部19に与えられるようになっている。この偏差演算部19は、d軸電流指令値Id *に対するγ軸電流Iγの偏差、およびq軸電流指令値Iq *に対するδ軸電流Iδの偏差を演算する。これらの偏差がPI制御部12に与えられてそれぞれPI演算処理を受ける。そして、これらの演算結果に応じて、指示電圧生成部13によって、γ軸指示電圧Vγ *およびδ軸指示電圧Vδ *(以下、これらをまとめていうときには「二相指示電圧Vγδ」という。)が生成されて、γδ/αβ座標変換部14に与えられる。
The two-phase detection current I γδ is supplied to the
γδ/αβ座標変換部14は、γ軸指示電圧Vγ *およびδ軸指示電圧Vδ *を、二相固定座標系(α−β)の指示電圧であるα軸指示電圧Vα *およびβ軸指示電圧Vβ *(以下、これらをまとめていうときには「二相指示電圧Vαβ」という。)に座標変換する。この二相指示電圧Vαβは、αβ/UVW座標変換部15に与えられる。
αβ/UVW座標変換部15は、α軸指示電圧Vα *およびβ軸指示電圧Vβ *を三相固定座標系の指示電圧、すなわち、U相、V相およびW相の指示電圧VU *,VV *,VW *(以下、これらをまとめていうときには「三相指示電圧VUVW」という。)に変換する。
The γδ / αβ coordinate
The αβ / UVW coordinate
PWM制御部16は、三相の指示電圧VU *,VV *,VW *に応じて制御されたデューティ比の駆動信号を生成して駆動回路8に与える。これにより、電動モータ3の各相には、該当する相の指示電圧VU *,VV *,VW *に応じたデューティ比で電圧が印加されることになる。
このような構成によって、舵取り機構2に結合された操作部材としてのステアリングホイール(図示せず)に操舵トルクが加えられると、これがトルクセンサ1によって検出される。そして、その検出された操舵トルクに応じた電流指令値Idqが電流指令値生成部11によって生成される。この電流指令値Idqと二相検出電流Iγδとの偏差が偏差演算部19によって求められ、この偏差を零に導くようにPI制御部12によるPI演算が行われる。この演算結果に対応した二相指示電圧Vγδが指示電圧生成部13によって生成され、これが、座標変換部14,15を経て三相指示電圧VUVWに変換される。そして、PWM制御部16の働きによって、その三相指示電圧VUVWに応じたデューティ比で駆動回路8が動作することによって、電動モータ3が駆動され、電流指令値Idqに対応したアシストトルクが舵取り機構2に与えられることになる。こうして、操舵トルクに応じて操舵補助を行うことができる。三相検出電流IUVWは、座標変換部17,18を経て、電流指令値Idqに対応するように二相回転座標系(γ−δ)で表された二相検出電流Iγδに変換された後に、偏差演算部19に与えられる。
The
With such a configuration, when a steering torque is applied to a steering wheel (not shown) as an operation member coupled to the
回転座標系と固定座標系との間での座標変換のためには、ロータ50の回転位置を表す位相角(電気角)θが必要である。この位相角を表す推定回転位置θ^が位置推定部20によって生成され、γδ/αβ座標変換部14およびαβ/γδ座標変換部18に与えられるようになっている。
センシング信号生成部21は、ロータ50の位相角θを推定するために、電動モータ3に探査電圧を印加する探査電圧印加手段として機能する。このセンシング信号生成部21は、電動モータ3の定格周波数に比較して十分に高い周波数(たとえば、400Hz)の高周波正弦電圧(図5(b)参照)を、探査電圧として、電動モータ3のU相、V相およびW相のステータ巻線51,52,53に印加するためのセンシング信号を生成する。より具体的には、ロータ50の回転を引き起こすことのない程度のデューティ比の高周波電圧の印加によって、V−W相通電、W−U相通電およびU−V相通電を順次繰り返させることにより、ロータ50の回転中心まわりで空間的に回転する高周波電圧ベクトルを印加することができるセンシング信号を生成する。この高周波電圧ベクトルは、ロータ50の回転中心を原点とする固定座標であるαβ座標の原点まわりに定速回転する一定の大きさの電圧ベクトルである(図4(a)参照)。
In order to perform coordinate conversion between the rotating coordinate system and the fixed coordinate system, a phase angle (electrical angle) θ representing the rotational position of the
The
センシング信号生成部21は、この実施形態では、二相指示電圧Vαβに重畳すべきセンシング信号を生成する。このセンシング信号は、加算部22によって、二相指示電圧Vαβに重畳されるようになっている。
位置推定部20は、二相検出電流Iαβに基づいて、ロータ50の回転位置を推定し、推定回転位置θ^を生成する。
In this embodiment, the sensing
The
図3は、位置推定部20の構成を説明するためのブロック図である。位置推定部20は、電流値演算部26と、逆ノッチフィルタ27と、電流ピークタイミング抽出部28と、電流同期抽出部29と、ロータ位置演算部30とを備えている。
電流値演算部26は、電流ベクトルの大きさ、すなわち、電流の大きさIを求める。より具体的には、電流値演算部26は、UVW/αβ座標変換部17から与えられる二相検出電流Iαβに基づいて、電流の大きさIを演算する。たとえば、次式(3)に従って、電流の大きさiが演算される。
FIG. 3 is a block diagram for explaining the configuration of the
The
I={Iα 2+Iβ 2}1/2 …… (3)
逆ノッチフィルタ27は、電流値演算部26の出力からノイズ成分を除去する。電流の大きさIには、高周波電圧ベクトルの1周期中に2回の極大値が生じる。したがって、電流値演算部26の出力のうち、有意な信号成分の周波数は、センシング信号生成部21が生成するセンシング信号の周波数の2倍程度の周波数を有する。そこで、逆ノッチフィルタ27は、センシング信号の周波数の2倍の周波数を中心周波数fcとする所定帯域の信号を通過させ、この範囲外の信号を除去する特性(逆ノッチフィルタ特性)を有している。
I = {I α 2 + I β 2 } 1/2 (3)
The
電流ピークタイミング抽出部28は、逆ノッチフィルタ27の出力に基づき、電流値演算部26によって求められた電流の大きさIが極大値(ピーク値)をとるタイミング(極大値タイミング)を検出する。より具体的には、電流ピークタイミング抽出部28は、所定のサンプリング期間毎にピークホールド処理を行い、電流の大きさIが極大値をとる極大値タイミングを抽出する。この極大値タイミングは、ロータ50の回転位置(位相)に対応する。
Based on the output of the
電流同期抽出部29は、電流ピークタイミング抽出部28が極値タイミングtを生成すると、これに応答して、そのタイミングtにおける二相検出電流Iαβ(t)をUVW/αβ座標変換部17から取り込んで出力する。
ロータ位置演算部30は、電流同期抽出部29から与えられる極値タイミング二相検出電流Iαβ(t)を用いて、次式(4)に従って、ロータの推定回転位置(回転角)θ^を求める。
When the current peak
The rotor
θ=Tan-1(Iβ/Iα) ……(4)
図4(a)は、センシング信号生成部21によって生成されてステータ巻線51,52,53に印加される回転探査電圧に対応する高周波電圧ベクトルを示し、図4(b)は、高周波電圧ベクトルに対する電流ベクトルの応答を示す。回転探査電圧の印加により形成される高周波電圧ベクトルは、一定の大きさを有し、αβ座標の原点まわりに定速で回転する。このとき、ロータ50の極位置に応じて電流ベクトルの大きさが変化する。より具体的には、ロータ50のN極およびS極に対応する位置で電流ベクトルの大きさ、すなわち電流の大きさIが極大値をとり、それらに対して電気角で90度だけ異なる2つの位置で電流の大きさIが極小値をとる。その結果、電流ベクトルの終点は、αβ座標の原点のまわりに楕円形の軌跡55を形成することになる。その楕円形は、ロータ50のN極およびS極に対応する長軸方向を有する。
θ = Tan −1 (I β / I α ) (4)
4A shows a high-frequency voltage vector corresponding to the rotation search voltage generated by the
ロータ50が停止中または低速回転中には、図5(a)に示すように、電流波形(電流の大きさIの時間変化を示す波形。図5の曲線L2)には、高周波電圧ベクトルの一周期中に、電流ベクトルの終点が形成する楕円形の軌跡55(図4(b)参照)の2つの長軸方向に対応した極大点P1,P2が現れる。この2つの極大点P1,P2のうちロータ50のN極に対応する極大点を特定するための処理(N極判定処理)を予め行っておけば、その特定された極大点のタイミングを抽出することにより、ロータ50の回転位置を求めることができる。N極判定には、公知の方法を適用することができる。たとえば、充分に大きな高周波電圧ベクトルを印加すると、ステータの磁気飽和の影響により、ロータ50のN極側の方がS極側よりもインダクタンスが小さくなり、N極方向の電流ベクトルの大きさが最大値をとることになる(図5(a)の曲線L1参照)。これを利用して、電流波形の2つの極大点P1,P2のうちの一方をN極に対応する極大点として特定できる。
While the
電動パワーステアリング装置の製造ラインにおいて、電動モータ3に実質的に負荷のかからないフリーの状態で、補正係数χVを求めるための調整が行われる。フリーの状態とは、ステータ巻線51,52,53に電流を流したときに、ロータ50の位相が電流位相にほぼ一致する状態を意味し、たとえば、電動モータ3を舵取り機構2に結合する前の状態である。
In the production line for the electric power steering apparatus, adjustment for obtaining the correction coefficient χ V is performed in a free state in which the
モータ制御装置5には、図1に示すように、補正係数χVを求めるための調整装置60が接続可能とされている。調整装置60は、コンピュータとしての基本構成を有するものである。この調整装置60は、ライン61を介してPWM制御部16に電圧指令値を与えることができ、ライン62を介してセンシング信号生成部21を制御することができ、ライン63を介してA/D変換ポート10U,10VからのU相検出電流値IUおよびV相検出電流値IVを取得することができ、さらに、ライン64を介して、メモリ7Mに補正係数χVを書き込むことができるものである。
As shown in FIG. 1, an
図6は、調整装置60による補正係数χVの設定手順を説明するためのフローチャートである。
まず、前述のとおり、電動モータ3をフリーの状態とする(ステップS1)。
この状態で、調整装置60は、ロータ50のN極がU相に対して電気角で90度をなす方向に向くようにステータ巻線51,52,53に電流を流すための電圧指令値を生成する(ステップS2)。これにより、ロータ50のN極がU相に対し電気角で90度をなす方向に向き、その状態でロータ50が静止する。ロータ50が静止した後は、調整装置60は、電圧指令値の生成を停止する。
FIG. 6 is a flowchart for explaining the procedure for setting the correction coefficient χ V by the
First, as described above, the
In this state, the adjusting
次に、調整装置60から、センシング信号生成部21に対してセンシング信号生成指令を与える。これにより、ステータ巻線51,52,53には、ロータ50の回転中心まわりで回転する高周波電圧ベクトル(一定の大きさ)を形成するための電圧が印加されることになる(ステップS3)。
この状態で、調整装置60は、A/D変換ポート10U,10Vの出力(すなわち、電流センサ9U,9Vの生の出力)をモニタし、高周波電圧ベクトルがU相を向いたときの電流応答の大きさMUを取得する(ステップS4)。電流応答の大きさMUは、次式(5)によって表されるとおり、U相電流に対応する。したがって、電流応答の大きさMUを求める代わりに、U相検出電流IUの大きさを求めてもよい。
Next, a sensing signal generation command is given from the
In this state, the
MU={IU 2+IV 2+IW 2}1/2={IU 2+IV 2+(0−IU−IV)2}1/2
={IU 2+(0−IU)2}1/2 ∵IV=0
=√2|IU| ……(5)
次に、調整装置60は、センシング信号生成部21からのセンシング信号の生成を停止させ、ロータ50のN極がV相に対して電気角で90度をなす方向に向くようにステータ巻線51,52,53に電流を流すための電圧指令値を生成する(ステップS5)。これにより、ロータ50のN極がV相に対し電気角で90度をなす方向に向き、その状態でロータ50が静止する。ロータ50が静止した後は、調整装置60は、電圧指令値の生成を停止する。
M U = {I U 2 + I V 2 + I W 2 } 1/2 = {I U 2 + I V 2 + (0−I U −I V ) 2 } 1/2
= {I U 2 + (0−I U ) 2 } 1/2 ∵I V = 0
= √2 | I U | …… (5)
Next, the
次に、調整装置60から、センシング信号生成部21に対してセンシング信号生成指令を与える。これにより、ステータ巻線51,52,53には、ロータ50の回転中心まわりで回転する高周波電圧ベクトル(一定の大きさ)を形成するための電圧が印加されることになる(ステップS6)。
この状態で、調整装置60は、A/D変換ポート10U,10Vの出力(すなわち、電流センサ9U,9Vの生の出力)をモニタし、電圧ベクトルがV相を向いたときの電流応答の大きさMVを取得する(ステップS7)。電流応答の大きさMVは、次式(6)によって表されるとおり、V相電流に対応する。したがって、電流応答の大きさMVを求める代わりに、V相検出電流IVの大きさを求めてもよい。
Next, a sensing signal generation command is given from the
In this state, the
MV={IU 2+IV 2+IW 2}1/2={IU 2+IV 2+(0−IU−IV)2}1/2
={IV 2+(0−IV)2}1/2 ∵IU=0
=√2|IV| ……(6)
調整装置60は、次に、次式(7)に従って、補正係数χVを求める(ステップS8)。
χV=MU/MV=|IU|/|IV| ……(7)
そして、調整装置60は、求められた補正値χVをマイクロコンピュータ7のメモリ7Mに書き込む(ステップS9)。
M V = {I U 2 + I V 2 + I W 2 } 1/2 = {I U 2 + I V 2 + (0−I U −I V ) 2 } 1/2
= {I V 2 + (0−I V ) 2 } 1/2 ∵I U = 0
= √2 | I V | …… (6)
Next, the adjusting
χ V = M U / M V = | I U | / | I V | (7)
Then, the adjusting
こうして調整が終了すると、モータ制御装置5から調整装置60が取り外される。
2つの電流センサ9U,9Vのゲインが等しい理想的な状態では、前記電流応答の大きさMUおよびMVは等しいので、補正係数χV=1となる。2つの電流センサ9U,9Vのゲインが相異しているときには、補正係数χV≠1となる。いずれの場合も、MU=χV・MVとなる。
When the adjustment is thus completed, the
Two current sensors 9U, in an ideal state gain equal 9V, since the size M U and M V of the current response are equal, the correction coefficient χ V = 1. When the gains of the two current sensors 9U and 9V are different, the correction coefficient χ V ≠ 1. In either case, M U = χ V · M V.
したがって、V相検出電流IVに補正係数χVを乗じたχV・IVを補正後のV相検出電流IVとして用いることによって、2つの電流センサ9U,9Vのゲインの相異を補償することができる。すなわち、センシング信号生成部21からセンシング信号を生成させて回転高周波電圧ベクトルを印加するとき、もしも、ロータ50がなければ、電流ベクトルは一定の大きさで座標原点まわりを周回することになる。
Accordingly, by using the chi V · I V multiplied by the correction coefficient chi V to V-phase detected current I V as V-phase detected current I V after correction, two current sensors 9U, compensate for the difference in gain of 9V can do. That is, when a sensing signal is generated from the
よって、補正後のV相検出電流IVを用いることによって、位置推定部20によるロータ50の位置演算を正確に行うことができるようになり、ひいては、電動モータ3の制御精度を向上して、操舵フィーリングの向上に寄与することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、V相検出電流IVを補正係数χVで補正するようにしているが、U相検出電流を補正係数χU(=1/χV)で補正するようにしても、同様の効果が得られ、また、χU・MU=χV・MVとなるように定めた補正係数χU,χVをそれぞれ検出電流値IUおよびIVに乗じるようにしても同様の効果が得られる。むろん、相電流を検出する2相の組み合わせは、U相およびW相の組み合わせであってもよいし、V相およびW相の組み合わせであってもよい。
Therefore, by using the corrected V-phase detection current I V , the position calculation of the
As mentioned above, although one Embodiment of this invention was described, this invention can also be implemented with another form. For example, in the above-described embodiment, the V-phase detection current I V is corrected with the correction coefficient χ V , but the U-phase detection current is corrected with the correction coefficient χ U (= 1 / χ V ). also, to obtain the same effect, also, as multiplied by χ U · M U = correction factor determined such that χ V · M V χ U, detected current values chi V respectively I U and I V The same effect can be obtained. Of course, the combination of the two phases for detecting the phase current may be a combination of the U phase and the W phase, or a combination of the V phase and the W phase.
また、W相電流演算部41でW相電流IWを演算する代わりに、W相電流IWを検出するW相電流センサを設けてもよい。この場合には、調整装置60は、ロータ50のN極がW相に対して電気角で90度をなす方向に向くようにステータ巻線51,52,53に電流を流すための電圧指令値を生成する。これにより、ロータ50のN極がW相に対し電気角で90度をなす方向に向き、その状態でロータ50が静止する。ロータ50が静止した後は、調整装置60は、電圧指令値の生成を停止する。その後、調整装置60から、センシング信号生成部21に対してセンシング信号生成指令を与える。これにより、ステータ巻線51,52,53には、ロータ50の回転中心まわりで回転する高周波電圧ベクトル(一定の大きさ)を形成するための電圧が印加されることになる。この状態で、調整装置60は、W相電流センサの出力をモニタし、電圧ベクトルがW相を向いたときの電流応答の大きさMWを取得する。電流応答の大きさMWは、次式(8)の通りとなる。
Further, instead of calculating the W-phase current I W by the W-phase
MW=√2|IW| ……(8)
そこで、調整装置60は、次式(9)に従って、W相検出電流のための補正係数χWを求める。
χW=MU/MW ……(9)
この補正係数χWをW相検出電流IWに乗じれば、U相電流センサとW相電流センサとのゲインの差を補償できる。むろん、χU・MU=χV・MV=χW・MWを満足する補正係数χU,χV,χWで各相の検出電流値をそれぞれ補正してもよい。
M W = √2 | I W | (8)
Therefore,
χ W = M U / M W (9)
If this correction coefficient χ W is multiplied by the W-phase detection current I W , the gain difference between the U-phase current sensor and the W-phase current sensor can be compensated. Of course, χ U · M U = χ V · M V = χ W · M W satisfies the correction coefficient χ U, χ V, χ W in each phase of the detected current value may be corrected respectively.
また、前述のモータ制御装置5では、電流の大きさIが極大値をとるときの二相検出電流Iαβを用いてロータ50の回転位置θを求めているが、電流の大きさIが極大値をとるときの二相指示電圧Vα,Vβを用いて(図1のライン23参照)、次式(10)に従って、推定回転位置θ^を求めるようにしてもよい。
θ^=Tan-1(Vβ/Vα) …(10)
電圧ベクトルは大きさが一定であるので、歪みの生じている電流ベクトルに比較して、その位相の計算が容易である。したがって、式(10)の適用により、演算処理を簡素化できる。
In the motor control device 5 described above, the rotational position θ of the
θ ^ = Tan −1 (V β / V α ) (10)
Since the magnitude of the voltage vector is constant, the phase can be easily calculated as compared with the current vector in which distortion occurs. Therefore, the calculation process can be simplified by applying the expression (10).
電流の大きさIが極大値をとるときの電圧ベクトルの位相を求めるには、前記の式(10)に従う演算を行う代わりに、高周波電圧ベクトルの印加と同期して計数動作を行うカウンタを用いるようにしてもよい。具体的には、高周波電圧ベクトルがα軸(U相方向に一致)に沿うとき(すなわち、高周波電圧ベクトルの位相が零のとき)に初期化されて計数動作を開始するように繰り返し動作するカウンタを設ける。このカウンタは、たとえば、高周波電圧ベクトルの周期Tをn等分(nは1周期当たりのサンプリング数。たとえばn=360)した周期T/n毎にカウントアップするもので、その出力は、高周波電圧ベクトルの位相を表す。そこで、図5(c)に示すように、電流の大きさIの極値が検出された時点でカウンタの計数値を参照すれば、この計数値はロータ50の磁極位置(電流ベクトルの大きさが最大のときの高周波電圧ベクトルの位相角)を表す。 In order to obtain the phase of the voltage vector when the current magnitude I takes the maximum value, a counter that performs a counting operation in synchronization with the application of the high-frequency voltage vector is used instead of performing the calculation according to the above equation (10). You may do it. Specifically, a counter that is repeatedly operated so as to be initialized and to start a counting operation when the high-frequency voltage vector is along the α-axis (coincident with the U-phase direction) (that is, when the phase of the high-frequency voltage vector is zero). Is provided. For example, this counter counts up every cycle T / n obtained by dividing the cycle T of the high-frequency voltage vector into n equal parts (n is the number of samplings per cycle. For example, n = 360). Represents the phase of the vector. Therefore, as shown in FIG. 5 (c), when the count value of the counter is referred to when the extreme value of the current magnitude I is detected, this count value is obtained as the magnetic pole position of the rotor 50 (the magnitude of the current vector). Represents the phase angle of the high-frequency voltage vector when is maximum.
また、前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置の駆動源としての電動モータ3に本発明が適用された例について説明したが、この発明は、電動パワーステアリング装置以外の用途の電動モータを制御する制御装置の調整に対しても適用が可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
In the above-described embodiment, the example in which the present invention is applied to the
In addition, various design changes can be made within the scope of matters described in the claims.
5…モータ制御装置、7…マイクロコンピュータ、9U…U相電流センサ、9V…V相電流センサ、50…ロータ、51,52,53…ステータ巻線 DESCRIPTION OF SYMBOLS 5 ... Motor control apparatus, 7 ... Microcomputer, 9U ... U-phase current sensor, 9V ... V-phase current sensor, 50 ... Rotor, 51, 52, 53 ... Stator winding
Claims (2)
前記モータ制御装置が、前記三相のうちの二相である第1相および第2相の電流をそれぞれ検出する第1および第2電流検出手段の出力に基づいて電動モータを駆動するものであり、
前記方法は、
前記第1相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第1ロータ位置制御ステップと、
この第1ロータ位置制御ステップの後、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第1探査電圧印加ステップと、
前記第1探査電圧印加ステップの実行中に、前記電圧ベクトルが前記第1相を向いたときに前記第1電流検出手段が出力する第1電流検出値を取得するステップと、
前記第2相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第2ロータ位置制御ステップと、
この第2ロータ位置制御ステップの後、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第2探査電圧印加ステップと、
前記第2探査電圧印加ステップの実行中に、前記電圧ベクトルが前記第2相を向いたときに前記第2電流検出手段が出力する第2電流検出値を取得するステップと、
前記第1および第2電流検出値が等しくなるように、前記第1および第2電流検出手段の出力の少なくともいずれか一方を補正するための補正係数を定め、前記モータ制御装置に設定する補正係数設定ステップとを含む、モータ制御装置の調整方法。 A method of adjusting a motor control device for driving an electric motor including a rotor as a field and a three-phase stator winding of U phase, V phase and W phase,
The motor control device drives an electric motor based on outputs of first and second current detecting means for detecting currents of first and second phases, which are two phases of the three phases, respectively. ,
The method
A first rotor position control step for supplying current to the three-phase stator winding so that the rotor poles are oriented in a direction that forms an electrical angle of 90 degrees with respect to the first phase;
After the first rotor position control step, the stator is rotated such that voltage vectors represented by voltages applied to the three-phase stator windings rotate at a predetermined period while maintaining a constant magnitude. A first exploration voltage application step for applying an exploration voltage to the winding;
Obtaining a first current detection value output by the first current detection means when the voltage vector is directed to the first phase during the execution of the first exploration voltage application step;
A second rotor position control step for supplying current to the three-phase stator winding so that the rotor poles are oriented in a direction that forms an electrical angle of 90 degrees with respect to the second phase;
After the second rotor position control step, the stator is rotated such that voltage vectors represented by voltages applied to the three-phase stator windings rotate at a predetermined cycle while maintaining a constant magnitude. A second exploration voltage application step for applying an exploration voltage to the winding;
Obtaining a second current detection value output by the second current detection means when the voltage vector is directed to the second phase during the execution of the second exploration voltage application step;
A correction coefficient for correcting at least one of the outputs of the first and second current detection means so as to make the first and second current detection values equal, and a correction coefficient set in the motor control device A method for adjusting a motor control device, comprising a setting step.
前記モータ制御装置が、前記三相のうちの二相である第1相および第2相の電流をそれぞれ検出する第1および第2電流検出手段の出力に基づいて電動モータを駆動するものであり、
前記装置は、
前記第1相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第1ロータ位置制御手段と、
前記第1相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向いた状態で、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第1探査電圧印加手段と、
前記第1探査電圧印加手段によって前記探査電圧を印加している状態で、前記電圧ベクトルが前記第1相を向いたときに前記第1電流検出手段が出力する第1電流検出値を取得する手段と、
前記第2相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向くように前記三相のステータ巻線に電流を供給する第2ロータ位置制御手段と、
前記第2相に対して電気角で90度をなす方向にロータの極が向いた状態で、前記三相のステータ巻線にそれぞれ印加される電圧により表される電圧ベクトルが、その大きさを一定に保持して所定周期で回転するように、前記ステータ巻線に探査電圧を印加する第2探査電圧印加手段と、
前記第2探査電圧印加手段によって前記探査電圧を印加している状態で、前記電圧ベクトルが前記第2相を向いたときに前記第2電流検出手段が出力する第2電流検出値を取得する手段と、
前記第1および第2電流検出値が等しくなるように、前記第1および第2電流検出手段の出力の少なくともいずれか一方を補正するための補正係数を定め、前記モータ制御装置に設定する補正係数設定手段とを含む、モータ制御装置の調整装置。 An apparatus for adjusting a motor control device for driving an electric motor including a rotor as a field and a three-phase stator winding of U phase, V phase and W phase,
The motor control device drives an electric motor based on outputs of first and second current detecting means for detecting currents of first and second phases, which are two phases of the three phases, respectively. ,
The device is
First rotor position control means for supplying current to the three-phase stator winding so that the rotor poles are oriented in a direction that forms an electrical angle of 90 degrees with respect to the first phase;
The voltage vector represented by the voltage applied to each of the three-phase stator windings in a state where the rotor poles are oriented in a direction that forms an electrical angle of 90 degrees with respect to the first phase, A first exploration voltage applying means for applying an exploration voltage to the stator winding so as to be held constant and rotate at a predetermined period;
Means for acquiring a first current detection value output by the first current detection means when the voltage vector is directed to the first phase in a state where the search voltage is applied by the first search voltage application means. When,
Second rotor position control means for supplying current to the three-phase stator winding so that the rotor poles are oriented in a direction that forms an electrical angle of 90 degrees with respect to the second phase;
The voltage vector represented by the voltage applied to each of the three-phase stator windings in a state where the rotor poles are oriented in a direction that forms an electrical angle of 90 degrees with respect to the second phase, Second exploration voltage application means for applying an exploration voltage to the stator winding so as to be held constant and rotate at a predetermined period;
Means for acquiring a second current detection value output by the second current detection means when the voltage vector is directed to the second phase in a state where the search voltage is applied by the second search voltage application means. When,
A correction coefficient for correcting at least one of the outputs of the first and second current detection means so as to make the first and second current detection values equal, and a correction coefficient set in the motor control device An adjustment device for a motor control device, comprising setting means.
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