JP2009100119A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像手段自体が移動しながら撮影された背景が刻々と変化する画像データ中に存在する雨滴などの移動物体を除去する。
【解決手段】雨滴など除去する移動物体を含む対象画像の動画像信号を、所定画素サイズの対象ブロックに分割するブロック分割部3と、カメラ11の移動方向を示す移動情報及び対象ブロックの位置情報に基づいて、対象画像と時間的に前後して位置する参照画像の動画像信号に、対象ブロックの移動軌跡上に位置する参照ウィンドウを設定するウィンドウ設定部4と、参照ウィンドウ内で、対象ブロックとの特徴量の差が最小となる所定画素サイズの参照ブロックを特定する探索部5と、対象ブロックの各画素の信号値と前記参照ブロックの各画素の信号値に基づき、対象ブロックに対して演算を行うか否か判定する判定部6と、判定部6の判定結果に基づき、対象ブロックの各画素の信号値に対して演算を行う演算部7を備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、映像信号を加工する画像処理装置に関し、特に画像中の不要な動き成分の除去に関する。
従来から地震などの災害時には、被災状況を掌握するためにヘリコプターから情報収集が行われているが、雨天時に撮影された映像から雨滴を除去する機能を有する画像処理装置が要求される。これは、ヘリコプターなどの移動体に搭載されているカメラを用いて撮影された映像中に存在する移動物体である雨滴を除去する機能であり、背景が刻々と変化する映像から雨滴を除去する機能が求められている。
映像から雨滴を除去する機能としては、例えば特許文献1に、固定カメラで撮影された画像データとその画像データと時系列的に近い画像データを比較して、移動物体とその移動物体の位置を検出し、検出された移動物体を除去すべきか否か指定された条件に基づいて判定し、除去すべきと判定された移動物体が存在する画像データから移動物体に対応する領域部分を除去し、除去した領域部分に対して時系列的に近い画像データを用いて補間を行い、移動物体が写っていない合成画像を生成する画像処理装置が記載されている。
また、特許文献2には、所定の時間間隔で取り込まれた複数の映像信号を画素毎に平均化し、静止している画像ははっきりと映り、動いている画像は動き量に応じて薄くなる移動平均の処理を行い、この処理を行った画像信号を基準画像と比較することにより移動物体の画像を除去する画像処理装置が記載されている。
特開2005−109647号公報 特開2005−182732号公報
従来の画像処理装置は以上のように構成されているので、背景が固定された画像データに対して時系列的に近い画像データの差分を求めることにより、移動物体を検出することができるが、カメラを移動させながら撮影した背景が刻々と変化する画像データでは背景部分の差分が大きくなるため、移動物体を検出することができないという課題があった。また、移動平均の処理を行う画像装置においても背景を固定した画像を対象としており、背景が変化する画像データについては処理を実行することができないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、撮影手段自体が移動しながら撮影された背景が刻々と変化する画像データ中に存在する雨滴などの移動物体を除去することを目的とする。
この発明に係る画像処理装置は、撮像手段が撮像した画像の動画像信号から移動物体を除去する画像処理装置において、前記除去する移動物体を含む対象画像の動画像信号を、所定画素サイズの対象ブロックに分割するブロック分割手段と、前記撮像手段の移動方向を示す移動情報及び前記対象ブロックの位置情報に基づいて、前記対象画像と時間的に前後して位置する参照画像の動画像信号に、前記対象ブロックの移動軌跡上に位置する参照ウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、前記参照ウィンドウ内で、前記対象ブロックとの特徴量の差が最小となる前記所定画素サイズの参照ブロックを特定するブロック探索手段と、前記対象ブロックの各画素の信号値と前記参照ブロックの各画素の信号値に基づき、前記対象ブロックに対して演算を行うか否か判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づき、前記対象ブロックの各画素の信号値に対して演算を行う演算手段とを備えるものである。
この発明によれば、雨滴などの移動物体を含む対象画像の動画像信号を所定画素サイズの対象ブロックに分割し、撮像手段の移動方向を示す移動情報及び対象ブロックの位置情報に基づいて、対象画像と時間的に前後して位置する参照画像の動画像信号に対象ブロックの移動軌跡上に位置する参照ウィンドウを設定し、参照ウィンドウ内で対象ブロックとの特徴量の差が最小となる所定画素サイズの参照ブロックを特定し、対象ブロックの各画素の信号値と参照ブロックの各画素の信号値に基づき、対象ブロックに対して演算を行うか否か判定し、判定結果に基づき対象ブロックの各画素の信号値に対して演算を行うように構成したので、撮像手段自体が移動しながら撮影した映像であって、背景が変化する画像中に写し込まれた雨滴などの移動物体を除去することができ、映像の主観画質を改善することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1に係る画像処理装置1は、外部装置であるカメラ(撮像手段)11などから入力される画像データを構成する動画像信号を記憶する記憶部2、画像データを所定のブロックに分割するブロック分割部(ブロック分割手段)3、画像データ内にウィンドウ領域を設定するウィンドウ設定部(ウィンドウ設定手段)4、ブロック探索を行う探索部(ブロック探索手段)5、画像データの各ブロックに対して演算を行うか否か判定する判定部(判定手段)6、画像データの各ブロックに対して演算処理を実行する演算部(演算手段)7、記憶部2、ブロック分割部3、ウィンドウ設定部4、探索部5、判定部6及び演算部7を制御する制御部8で構成されている。
まず、記憶部2に入力される動画像信号の詳細について説明する。図2及び図3は、この実施の形態1に係る画像処理装置に入力される動画像信号の構成を示す図である。
図2に示すように、動画像信号は1つのフレームが奇数フィールドと偶数フィールドの2つのフィールドで構成されるインターレース(飛び越し走査)信号である。インターレース信号を表示する場合、1フレームの表示期間を奇数フィールドであるトップフィールドと偶数フィールドであるボトムフィールドに分け、トップフィールドに奇数行(1line,3line,・・・,(n−1)line)のみを走査し、ボトムフィールドに偶数行(2line,4line,・・・,nline)のみを走査する。
図3では、上述した動画像信号で構成される画像データが時系列順に3つ連続する例を示している。画像データP(t−1)、画像データP(t)、画像データP(t+1)は時刻t−1、t、t+1(t≧1)におけるカメラ11などからの入力画像であることを示している。図3(a)は、画像データP(t)がトップフィールドの場合を示しており、この場合には画像データP(t−1)及び画像データP(t+1)はボトムフィールドとなり、画像データP(t)を黒表示、画像データP(t−1)及び画像データP(t+1)を白表示している。一方、図3(b)は、画像データP(t)がボトムフィールドの場合を示しており、この場合には画像データP(t−1)及び画像データP(t+1)はトップフィールドとなり、画像データP(t)を白表示、画像データP(t−1)及び画像データP(t+1)を黒表示している。
次に、画像処理装置1の各構成について詳細な説明を行う。記憶部2には外部装置であるカメラ11などから画像データP(t)を構成する動画像信号が入力され、この動画像信号を所定時間保持する。その際、記憶部2は、時系列順に連続する少なくとも3画像分の画像データP(t−1)、P(t)、P(t+1)を記憶する。さらに、記憶部2は後述する演算処理後のブロックMを記憶する。
また、記憶部2は画像データカウンタ21を有しており、記憶部2へ1つの画像データの動画像信号の入力が完了する毎に画像データカウンタ21のカウンタ値がカウントアップされる。カウンタ値が所定値に達すると記憶部2は画像処理を行う対象画像を決定する。この実施の形態1では、カウンタ値の所定値を「3」と設定し、記憶部2に画像データP(t−1)、P(t)、P(t+1)の3画像の動画像信号が入力されてカウンタ値が「3」に達すると、記憶部2は入力された3画像の画像データP(t−1)、P(t)、P(t+1)の中から中央に位置する画像データP(t)を対象画像に設定する。なお、画像データカウンタ21のカウンタ値の所定値は、制御部8から記憶部2に与えられる。
ブロック分割部3は、制御部8から入力される対象画像の画像データP(t)内の所定画素サイズのブロックの総数に基づいて、画像データP(t)を所定画素サイズのブロックに分割して各ブロックを構成する画像信号を出力する。また、ブロック分割部3はブロック数カウンタ31を有している。ブロック数カウンタ31は、後述する画像処理が終了したブロック数をカウントすると共に、画像データP(t)を構成する全てのブロックについて画像処理が終了したか否か判定する。
ウィンドウ設定部4は、カメラ11の移動方向情報及びブロックの位置情報に基づいて、対象画像の画像データP(t)に対して時系列的に前後に存在する画像データP(t−1)及び画像データP(t+1)内にウィンドウの領域を設定し、そのウィンドウを構成する画像信号を出力する。探索部5は、画像データP(t)を構成するブロックと所定画素単位の差分絶対値和が最小となるブロックを画像データP(t−1)及び画像データP(t+1)のウィンドウ内から探索し、探索結果を出力する。
図4から図6において、ブロック分割部3、ウィンドウ設定部4及び探索部5の詳細について具体例を挙げて説明する。図4は、この実施の形態1に係るブロック分割部の処理内容を示す図である。
ブロック分割部3は、図4に示すように画像データP(t)の左上端部から右上端部に向けてブロック化を行い、右上端部までのブロック化が終了すると次の段の左端部からさらに右端部に向けてブロック化を行い、最終的に右下端部でブロック化を終了する。図4では、画像データP(t)をJ×K画素サイズのブロックTに分割した例を示している。
図5は、この発明の実施の形態1に係る画像データの構成を示す図である。図5(a)は画像データP(t−1)の構成、図5(b)は画像データP(t)の構成、図5(c)は画像データP(t+1)の構成を示している。
図5(b)では、ブロック分割部3により画像データP(t)をJ×K画素サイズのブロックTに分割した例を示している。図5(a)では、ウィンドウ設定部4によって画像データP(t−1)内に設定されたM×N画素サイズのウィンドウWfと、探索部5によってウィンドウWf内に設定されたJ×K画素サイズのブロックSfを示している。
同様に図5(c)では、ウィンドウ設定部4によって画像データP(t+1)内に設定されたM×N画素サイズのウィンドウWbと、探索部5によってウィンドウWb内に設定されたJ×K画素サイズのブロックSbを示している。ウィンドウ設定部4によって設定されるウィンドウWf及びウィンドウWbの領域は、カメラ11自体、あるいはカメラ11が搭載されているヘリコプターなどの移動体(図示せず)の移動方向情報とブロックTの位置情報に基づいて設定される。また、ブロックSf及びブロックSbは、ブロックTと同一の大きさで構成されている。なお、上述したj,k,M,Nは正の整数であるものとする。
図6は、この実施の形態1に係るウィンドウ設定部及びブロック分割部の処理内容を示す図である。図6(a)は画像データP(t−1)、P(t)、P(t+1)を時系列に並べて表示した図であり、図6(b)及び図6(c)は、各ウィンドウの詳細を示した図である。図6(a)中の矢印Xはカメラ11の進行方向を示しており、この実施例ではカメラ11は地面に対して垂直方向に移動することはなく、水平方向にのみ移動している場合を示している。以下では、対象画像を画像データP(t)とし、その時系列的に前後に存在する画像データP(t−1)及びP(t+1)内のウィンドウ領域であるウィンドウWf及びウィンドウWbの設定方法、ウィンドウWf及びウィンドウWb内のブロックSf及びブロックSbの探索方法について説明する。
まず、ウィンドウ領域の設定方法について説明する。画像データP(t)中の点Aは画像データP(t)の左上端部を示し、点aはブロックTの左上端部を示している。画像データP(t−1)中の点Bは画像データP(t−1)の左上端部を示し、点bはウィンドウWfの左上端部を示している。画像データP(t+1)中で示した点Cは、画像データP(t+1)の左上端部を示し、点cはウィンドウWbの左上端部を示している。
点A、点B及び点Cの座標を(0,0)と設定し、ブロックTの点aの座標を(αj,βk)とした場合、ウィンドウWfの垂直方向サイズN画素をブロックTの垂直方向サイズと同様のK画素とし、ウィンドウWfの点bの座標(αj−hlfrange,βk)とする。αj−hlfrange<0となる場合、探索部5はαj−hlfrange≧0となるようhlfrange(0≦hlfrange≦M)の値を修正する。また、図6(b)に示すように、ウィンドウWfの点b´の座標は((α+1)j−1,βk)、点b´´の座標は((α+1)j−1,(β+1)k−1)と設定する。
ウィンドウWbの垂直方向サイズN画素をブロックTの垂直方向サイズと同様のK画素とし、ウィンドウWbの点cの座標(αj,βk)とする。また、図6(c)に示すようにウィンドウWbの点c´の座標を(αj+hrfrange,βk)、点c´´の座標を(αj+hrfrange,(β+1)k−1))とし、αj+hrfrange<画像データP(t+1)の右端との条件を満たすようにhrfrange(0≦hrfrange≦M)の値を設定する。
次に、ウィンドウ領域中のブロック探索方法について説明する。画像データP(t)と画像データP(t−1)を用いた探索の場合、まずウィンドウWfの点bとブロックTの点aを一致させ、ウィンドウWf内のブロックとブロックTの一画素単位の差分絶対値和を算出する。次に、ブロックTの点aをカメラの進行方向である矢印X方向に一画素分移動させ、ウィンドウWf内のブロックとブロックTの一画素単位の差分絶対値和を算出する。この差分絶対値和の算出をブロックTの右端部がウィンドウWfの右端部と一致するまで繰り返し行う。これらの差分絶対値和の算出結果の中から、最小の差分絶対値和となるJ×K画素のブロックをブロックSfと設定する。
画像データP(t)と画像データP(t+1)を用いた探索の場合、まずウィンドウWbの点cとブロックTの点aを一致させ、ウィンドウWb内のブロックとブロックTの一画素単位の差分絶対値和を算出する。次に、ブロックTの点aをカメラの進行方向である矢印X方向に一画素分移動させ、ウィンドウWb内のブロックとブロックTの一画素単位の差分絶対値和を算出する。この差分絶対値和の算出をブロックTの右端部がウィンドウWbの右端部と一致するまで繰り返し行う。これらの差分絶対値和の算出結果の中から最小の差分絶対値和となるJ×K画素のブロックをブロックSbと設定する。
なお、図6の実施例では、カメラ11が水平方向のみの移動である矢印X方向に移動する場合を示しているため、ウィンドウWf及びウィンドウWbの垂直方向サイズのN画素をブロックTの垂直方向サイズのK画素と同一としたが、カメラ11が水平方向だけではなく垂直方向にも移動する場合には、図5に示すようにウィンドウWf及びウィンドウWbの垂直方向サイズのN画素はブロックTの垂直方向サイズのK画素よりも大きい値をとる。
ウィンドウWf及びウィンドウWbの垂直方向サイズのN画素が、ブロックTの垂直方向サイズのK画素よりも大きい場合におけるウィンドウWf及びウィンドウWb内のブロックの探索処理は、図4に示したブロック分割動作のように、ウィンドウWf及びウィンドウWbの左上端部からブロックTとの一画素単位の差分絶対値和を算出し、一画素ずつ右方向に移動しながら同様に差分絶対値和を算出する。算出に用いるブロックの右上端部がウィンドウWf及びWbの右上端部に達すると、次の段の左端部からさらに右端部に向けて再度差分絶対値和の算出を行う。最終的に算出に用いるブロックの右下端部がウィンドウWf及びウィンドウWbの右下端部に達した時点で算出処理を終了する。これらの算出結果の中から最小の差分絶対値和となるJ×K画素のブロックをブロックSf及びブロックSbと設定する。
次に、画像処理装置1の判定部6及び演算部7について説明する。判定部6は、探索部5から出力される探索結果を参照して画像データP(t)のブロックTを構成する画像信号に対して演算を行うか否か判定を行い、判定結果を出力する。判定処理は、例えば雨滴の輝度値が背景の輝度値に比べて高いことを用いて行う。ヘリコプターなどに搭載されたカメラから撮影された雨天時の映像には、カメラ近くを落下する雨滴及びカメラから離れた空間を落下する雨滴が存在する。
カメラ近くを落下する雨滴は、輝度値が高く線状である。これと比較して、カメラから離れた空間を落下する雨滴は、輝度値が低く帯状となり、画像全体が白っぽい印象となると共に、カメラが移動しているため若干ぼやけた映像になりやすい。また、雨滴は高速で落下するため、ブロックTのある画素に写っている雨滴は、ブロックSf及びブロックSb内の同じ位置の画素には写っていない。これらの特徴を利用してブロックTを構成する画像信号に対して演算を行うか否か判定を行う。演算部7は、判定部6の判定結果に基づき、ブロックTを構成する画像信号に対して演算を行い、演算結果を出力する。
図7及び図8において、判定部6及び演算部7の動作の詳細について具体例を挙げて説明する。図7は、この発明の実施の形態1に係る判定部及び演算部のデータの入出力を示す図である。図8は、この発明の実施の形態1に係る演算部の処理内容を示す図である。
図7に示すように、判定部6に画像データP(t)のブロックT、画像データP(t−1)のブロックSf及び画像データP(t+1)のブロックSbの画像信号が入力されると、判定部6はブロックTとブロックSfの画素の画像信号の差分及びブロックTとブロックSbの画素の画像信号の差分が共に所定の閾値以上であるか否か判定する。なお、判定に用いる閾値は制御部8から与えられる。差分が所定の閾値以上であると判定された場合には、ブロックTに雨滴が写っていると判断し、ブロックTの画像信号を演算結果で置き換える判定結果を出力する。一方、差分が所定の閾値以内であると判定した場合には、ブロックTには雨滴が写っていないと判断し、ブロックTの画像信号を演算結果に置き換えない判定結果を出力する。
演算部7は、判定部6から入力された判定結果に基づいてブロックTの画像信号に対して演算を行い、ブロックMを生成して出力する。判定部6の判定処理及び演算部7の演算処理をブロックTを構成する全ての画素に対して実施した結果がブロックMであり、ブロックMはブロックTから雨滴を除去したものである。このブロックMが入力される記憶部2は、複数のブロックMで構成される画像データM(t)を記憶する。図8に示すように、画像データM(t)の左上端部の座標A´は画像データP(t)の点Aの座標(0,0)と同一の値であり、ブロックMの左上端部の座標a´はブロックTの点aの座標(αj,βk)と同一の値である。
次に、この実施の形態1に係る画像処理装置の動作について説明する。図9は、この発明の実施の形態1に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。なお、この実施例では、雨天時に飛行中のヘリコプターなどに搭載されたカメラ11から入力される動画像であり、変化する背景と落下する無数の雨滴が撮影されているものとし、連続する画像データが3画像分得られた時点で画像処理を実行する。
外部装置であるカメラ11により撮影された動画像信号で構成される画像データが順次記憶部2に入力される(ステップST1)。記憶部2は時系列順に連続する3画像分の画像データP(t−1)、p(t)、P(t+1)を記憶する。画像データカウンタ21は、ステップST1において動画像信号の入力が完了する毎にカウンタ値をカウントアップすると共に、カウンタ値が所定値に達したか否か、この実施例ではカウンタ値が「3」に達したか否か判定する(ステップST2)。ステップST2において、カウンタ値が「3」に達していないと判定された場合には、ステップST1の処理に戻り、上述の処理を繰り返す。一方、ステップST2において、カウンタ値が「3」に達したと判定された場合には、入力された3画像分の画像データの中央に位置する画像データP(t)を雨滴除去の対象画像に決定し、画像データP(t)の画像信号を制御部8に出力する(ステップST3)。
制御部8は、ステップST3において入力された画像データP(t)の画像信号から、画像データP(t)内のJ×K画素サイズのブロックTの総数を算出し、算出結果をブロック分割部3に出力する(ステップST4)。ブロック分割部3は、ブロックTの数をカウントするブロック数カウンタ31を初期化して「0」に設定すると共に、ステップST4において制御部8から入力されたブロックTの総数の算出結果を用いて、画像データP(t)を左上端部からJ×K画素サイズのブロックTに分割して切り出し、切り出したブロックTの画像信号をウィンドウ設定部4、探索部5及び判定部6に出力する(ステップST5)。
ステップST5において画像データP(t)をブロックTに分割する処理が終了すると、制御部8は、カメラ11自体、あるいはカメラ11が搭載されているヘリコプターなどの移動体(図示せず)の移動方向に関する情報をウィンドウ設定部4に出力する(ステップST6)。ウィンドウ設定部4は、ステップST5において入力されたブロックTの画像信号中の位置情報、及びステップST6において入力されたカメラ11、あるいは移動体の移動方向情報に基づき、画像データP(t−1)のウィンドウWfの領域を決定すると共に、画像データP(t+1)のウィンドウWbの領域を決定し、決定した領域に関する情報を探索部5に出力する(ステップST7)。
探索部5は、ステップST5において入力されたブロックTの画像信号及びステップST7において入力されたウィンドウWf及びウィンドウWbの領域情報に基づき、ウィンドウWf内で画像データP(t)のブロックTと一画素単位の差分絶対値和が最小となるブロックSfを探索し、探索結果を判定部6に出力する(ステップST8)。同様に、探索部5はウィンドウWb内で画像データP(t)のブロックTを一画素単位の差分絶対値和が最小となるブロックSbを探索し、探索結果を判定部6に出力する(ステップST9)。
判定部6は、ステップST5において入力されたブロックTの画像信号と、ステップST8及びステップST9において入力されたブロックSf及びブロックSbの画像信号を参照し、ブロックTの画像信号の値とブロックSfの画像信号の値との差分、及び、ブロックTの画像信号の値とブロックSbの画像信号の値との差分が、共に閾値以上であるか否か判定する(ステップST10)。ブロックT、ブロックSf及びブロックSbの画素サイズは全てJ×K画素と等しいので、各ブロックの同じ位置にある画素の画像信号を用いて判定処理を行う。ステップST10において、閾値以上であると判定された場合には、ブロックTの画像信号を演算結果で置き換える指示を演算部7に出力する(ステップST11)。
一方、ステップST11において、閾値以下であると判定された場合には、ブロックTの画像信号を演算結果で置き換えない指示を演算部7に出力する(ステップST12)。
演算部7は、ステップST11またはステップST12において入力された判定結果に基づく指示に従ってブロックTに対して演算処理を実行し、演算処理結果であるブロックMを生成してブロックMの画像信号を記憶部2に出力する(ステップST13)。なお、ステップST10からステップST13の判定処理及び演算処理の詳細な処理内容は後述する。
ステップST13の処理が実行されると、ブロック分割部3のブロック数カウンタ31のカウンタ値を「1」カウントアップさせる(ステップST14)。次に、ブロック分割部3は、ブロック数カウンタ31のカウンタ値とステップST4において制御部8から入力されたブロックTの総数が一致しているか否か判定を行う(ステップST15)。ステップST15において、ブロック数カウンタ31のカウンタ値とブロックTの総数とが一致していると判定された場合には、記憶部2は複数のブロックMで構成された画像データM(t)の画像信号を外部装置である表示装置12に出力する(ステップST16)。
その後、記憶部2は画像データP(t−1)を削除し(ステップST17)、ステップST1の処理に戻る。ステップST1では、時系列順にP(t+1)の次の画像データが入力され、上述した処理を繰り返す。一方、ステップST15において、ブロック数カウンタ31のカウンタ値とブロックTの総数とが一致していないと判定された場合には、ステップST7の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
次に、上述したステップST10からステップST13の判定処理及び演算処理の詳細について説明する。図10は、この実施の形態1に係る判定部及び演算部の動作を示すフローチャートである。
この実施の形態1では、ブロックT、ブロックSf、ブロックSb及びブロックMの左上端部の座標を(0,0)とし、座標(j−1,k−1)までJ×K画素回数の演算を行うものとする。
各ブロック内の画素の垂直位置を示す変数vを初期化して「0」に設定する(ステップST21)。各ブロック内の画素の水平位置を示す変数hを初期化して「0」に設定する(ステップST22)。ここで、ブロックTの垂直位置v、水平位置hに位置する画素の信号値はT(v,h)、ブロックSf内の垂直位置v、水平位置hに位置する画素の信号値はSf(v,h)、ブロックSb内の垂直位置v、水平位置hに位置する画素の信号値はSb(v,h)、ブロックM内の垂直位置v、水平位置hに位置する画素の信号値はM(v,h)と示すものとする。
判定部6は、T(v,h)とSf(v,h)の差分であるDeltaF、及び、T(v,h)とSb(v,h)の差分であるDeltaBを求め(ステップST23)、さらにDeltaFを二乗した値であるVarF、及び、DeltaBを二乗した値であるVarBを求める(ステップST24)。次に、判定部6は、ステップST23で算出したDeltaF及びDeltaBがあらかじめ定めた閾値ThD以上であるか否か判定を行う(ステップST25)。ステップST25において、DeltaF及びDeltaBが閾値ThD以上であると判定された場合には、VarFとVarBの和が閾値ThV以上であるか否か判定を行う(ステップST26)。なお、閾値ThD及び閾値ThVは、制御部8から与えられる。
ステップST26において、VarFとVarBの和が閾値ThV以上であると判定された場合には、図9のフローチャートで示したステップST8及びステップST9において探索されたブロックSf及びブロックSbの絵柄がブロックTの絵柄がほぼ等しいという仮定の下、ブロックTに雨滴の映像が存在する場合にブロックSf及びブロックSbには雨滴が存在しないと判断し、演算部7がT(v,h)とSf(v,h)とSb(v,h)を用いた演算を行い、演算結果をM(v,h)とする(ステップST27)。演算の内容としては、例えばT(v,h)、Sf(v,h)及びSb(v,h)の平均値や最小値、またはSf(v,h)とSb(v,h)の平均値などを算出する。これらの実行すべき演算の種類は、制御部8により制御される。
一方、ステップST25においてDeltaF及びDeltaBが閾値ThD以下であると判定された場合、またはステップST26においてVarFとVarBの和が閾値ThV以下であると判定された場合には、演算結果であるM(v,h)の値をT(v,h)の値でセットする(ステップST28)。ステップST27及びステップST28の処理が実行されると、次に変数hを1インクリメントし(ステップST29)、変数hがjより小さいか否か判定、即ち変数hがブロックT、ブロックSf、ブロックSb及びブロックM内の水平位置を示しているか否か判定する(ステップST30)。ステップST30において、変数hがjより小さく、変数hがブロックT、ブロックSf、ブロックSb及びブロックM内の水平位置を示していると判定された場合には、ステップST23に戻り、上述した処理を繰り返す。
一方、ステップST30において、変数hがjより大きく、変数hがブロックT、ブロックSf、ブロックSb及びブロックM内の水平位置を示していないと判定された場合には、変数vの値を1インクリメントし(ステップST31)、変数vがkより小さいか否か、即ち変数vがブロックT、ブロックSf、ブロックSb及びブロックM内の垂直位置を示しているか否か判定する(ステップST32)。ステップST32において、変数vがkより小さく、変数vがブロックT、ブロックSf、ブロックSb及びブロックM内の垂直位置を示していると判定された場合には、ステップST22の戻り上述した処理を繰り返す。一方、ステップST32において、変数vがkより大きく、変数vがブロックT、ブロックSf、ブロックSb及びブロックMの垂直位置を示していないと判定された場合には処理を終了し、図9のフローチャートで示したステップST13の処理に移行する。
以上のように、この実施の形態1によれば、カメラが搭載されたヘリコプターなどの移動体の移動方向に関する情報と、対象画像を構成するブロックの位置情報を用いて、対象画像に対して時系列的に前後に存在する画像内にウィンドウを設定するウィンドウ設定部と、当該ウィンドウ内から判定処理及び演算処理に用いるブロックを探索する探索部を設けるように構成したので、移動するカメラを用いて雨天時に撮影された動画像に含まれる雨滴を除去することが可能となり、雨天時に撮影された動画像の主観画質を改善することができる。また、動画像に含まれる雨滴が除去されるため、例えばこの実施の形態1に係る画像処理装置を動画像符号化装置の前処理装置として接続すれば、前処理として雨滴を除去することにより、符号化画質を改善することができる。また、この実施の形態1に係る画像処理装置を動画像符号化装置の後処理装置として接続すれば、復号画像の雨滴を除去することができ、復号画像の主観画質を改善することができる。
また、この実施の形態1によれば、対象画像のブロックと、対象画像に対して時系列的に前後に存在する画像のブロックの各画素の信号値の差分絶対値和を算出し、該差分絶対値和が最小となるブロックを参照ブロックと設定する探索部を設けるように構成したので、移動するカメラを用いて撮影された動画像であっても、時系列的に連続する各画像データ内にそれぞれ対応するブロックを探索することができる。これにより、対象画像から確実に雨滴などの移動物体を除去することができる。
なお、上記実施の形態1に係る画像処理装置では、ヘリコプターなどに搭載されてカメラ自体が移動して撮影された背景が刻々と変化する映像中に写された雨滴を除去する構成を示したが、図9において示したhlfrangeを0とし、hrfrangeの値を(j−1)とすれば背景が静止した画像に対しても同様に雨滴を除去することができる。
なお、上記実施の形態1に係る画像処理装置では、カメラの移動方向は水平方向のみの場合について説明したが、カメラが水平方向に加えて垂直方向に移動した場合であっても、このカメラの移動方向情報を用いてウィンドウ領域を設定することにより、上述の処理を行うことができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、移動するカメラで撮影された動画像に含まれる雨滴を除去した画像を出力する構成を示したが、この実施の形態2では、実施の形態1で示した構成を動画像の符号化を行う符号化部を備えた画像処理装置に適用する実施の形態を示す。図11は、この発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図12は、この発明の実施の形態2に係る符号化部の構成を示すブロック図である。以下では、実施の形態1に係る画像処理装置の構成要素と同一の部分には実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。この画像処理装置1は、図1に示した実施の形態1に係る画像処理装置1に符号化部(符号化手段)9を追加して構成している。
探索部5aは、実施の形態1の探索部5の処理に加え、符号化部9に対して探索情報としてベクトル情報を出力する。これは、符号化部9が符号化処理を実施する場合にベクトル情報が必要となり、探索部5aにおいて動き探索を行いこのベクトル情報を得る。なお、ベクトル情報とは、ブロックTとブロックSfの座標差、ブロックTとブロックSbの座標差を示すものである。図13は、この実施の形態2の画像処理装置のベクトル情報を示す図である。図13に示すように、例えば、ブロックTの左上端部点aの座標を(αj、βk)、ブロックSfの左上端の座標を(Sfh,Sfv)、ブロックSbの左上端の座標を(Sbh,Sbv)とした場合、ブロックSfに対するベクトル情報Vfは(Sfh−αj,Sfv−βk)、ブロックSbに対するベクトル情報Vbは(Sbh−αj,Sbv−βk)と表される。
なお、実施の形態1の探索部5と同一の動作であるブロックSfの探索は、画像データM(t−1)、または後述する復号画像データR(t−1)が存在する場合には、画像データP(t−1)の画像信号ではなく、画像データM(t−1)の画像信号、または復号画像データR(t−1)の画像信号を用いてよい。
演算部7aは、実施の形態1の演算部7と同様にブロックMの画像信号を生成すると共に、一画素単位でブロックSfの信号値とブロックSbの信号値の平均値を求めて予測画像信号を算出し、予測画像信号で構成されるブロックPを生成する。なお、予測画像信号は、ブロックSfの画像信号またはブロックSbの画像信号としてもよい。さらに、演算部7aは、ブロックMの画像信号とブロックPの予測画像信号との差分を求めて予測誤差信号を算出し、予測誤差信号で構成されるブロックDを生成する。
符号化部9は、直交変換・量子化部91、可変長符号化部92、逆量子化部93、逆直交変換部94及び加算部95で構成されている。直交変換・量子化部91は、予測誤差信号を直交変換して変換係数を得て、さらに変換係数を量子化する。可変長符号化部92は、量子化された変換係数及びベクトル情報を可変長符号化し、その符号化データを多重化して出力信号を生成する。逆量子化部93は、量子化された変換係数を逆量子化する。逆直交変換部94は、逆量子化された変換係数を逆直交変換して予測誤差信号を復号する。加算部95は、復号された予測誤差信号と予測画像信号を一画素単位で加算して復号画像信号を算出する。
次に、この実施の形態2に係る画像処理装置の動作について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。また、以下では、実施の形態1に係る画像処理装置と同一のステップには図9で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略する。
探索部5は、ステップST5において入力されたブロックTの画像信号及びステップST7において入力されたウィンドウWf及びウィンドウWbの領域情報に基づき、ウィンドウWf内で画像データP(t)のブロックTと一画素単位の差分絶対値和が最小となるブロックSfを探索して判定部6に出力すると共に、ブロックSfに対するベクトル情報Vfを符号化部9の可変長符号化部92に出力する(ステップST41)。同様に、探索部5はウィンドウWb内で画像データP(t)のブロックTと一画素単位の差分絶対値和が最小となるブロックSbを探索して判定部6に出力すると共に、ブロックSbに対するベクトル情報Vbを符号化部9の可変長符号化部92に出力する(ステップST42)。
次に、図9に示したステップST10からステップST13の実施の形態1と同一の動作を行う。ステップST13において、演算部7aがブロックMの画像信号を生成すると、演算部7aはさらに一画素単位でブロックSfの信号値とブロックSbの信号値との平均値から予測画像信号を算出する。算出した予測画像信号で構成されるブロックPを生成する(ステップST43)。次に、演算部7aは一画素単位でブロックMの画像信号とブロックPの予測画像信号との差分を求めて予測誤差信号を算出し、予測誤差信号で構成されるブロックDを生成して符号化部9の直交変換・量子化部91に出力する(ステップST44)。
直交変換・量子化部91は、ステップST44において入力されたブロックDの予測誤差信号を直交変換して変換係数を得て、さらにこの変換係数を量子化して可変長符号化部92及び逆量子化部93に出力する(ステップST45)。可変長符号化部92は、ステップST45において入力された量子化された変換係数と、ステップST41及びステップST42において入力されたベクトル情報Vf及びベクトル情報Vbを可変長符号化し、その符号化データを多重化して出力信号として外部装置である表示装置12に出力する(ステップST46)。一方、逆量子化部93は、ステップST45において入力された量子化された変換係数を逆量子化し、逆量子化した変換係数を逆直交変換部94に出力する(ステップST47)。
逆直交変換部94は、ステップST47において入力された逆量子化された変換係数を逆直交変換して復号予測誤差信号を算出し、復号予測誤差信号で構成されるブロックIを算出する(ステップST48)。加算部95は、ステップST48において逆直交変換部94で生成されたブロックIの復号予測誤差信号と、演算部7aにおいて生成されたブロックPの予測画像信号を一画素単位で加算して復号画像信号を算出し、復号画像信号で構成されるブロックRを生成して記憶部2に出力する(ステップST49)。ステップST49の処理後、フローは実施の形態1と同様の処理であるステップST14及びステップST15の処理を行う。
ステップST15において、ブロック数カウンタ31のカウンタ値とブロックTの総数とが一致していると判定された場合には、記憶部2において複数のブロックRで構成される復号画像データR(t)が生成される(ステップST50)。復号画像データR(t)は、雨滴を除去した画像データを符号化及び復号した画像データとなる。その後、記憶部2は画像データP(t−1)を削除し(ステップST17)、制御部8が終了指示を出力しているか否か判定する(ステップST51)。ステップST51において、終了指示を出力していると判定された場合には処理を終了する。制御部8は外部からの終了指示を全ブロックに指示する。
一方、ステップST51において終了指示を出力していないと判定された場合にはステップST1の処理に戻り、時系列順にP(t+1)の次の画像データが入力され、上述した処理を繰り返す。一方、ステップST15において、ブロック数カウンタ31のカウンタ値とブロックTの総数とが一致していないと判定された場合には、ステップST7の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
ここまで、一枚の画像データを分割したブロック単位の動作について説明したが、次に画像単位の処理について説明する。特に画像内符号化画像(以下、I(Inter coded)ピクチャと称する)及び片方向予測符号化画像(以下、P(Predictive coded)ピクチャと称する)の符号化処理について説明する。図15は、この実施の形態2に係る画像処理装置の符号化処理を示す図である。
Iピクチャとは、フレーム内で符号化されるフレーム内符号化画像である。Pピクチャとは、フレーム間予測を用いて符号化される予測符号化画像であり、時間的に前に存在する一枚のピクチャから予測され、符号化される。即ち画像データP(t)の雨滴を除去する動作では画像データP(t−1)、P(t)、P(t+1)を用いるが、画像データP(t)をPピクチャとして符号化する動作では画像データP(t−1)とP(t)のみを用いる。
まず、Iピクチャの符号化を行う動作について説明する。雨滴を除去する対象画像である画像データP(t)をIピクチャ10aに設定し、連続する画像データP(t−1)、P(t)、P(t+1)の画像信号を用いて雨滴除去を行う。Iピクチャ10aは、フレーム内符号化画像であり画像データP(t)内で符号化を行うため、画像データP(t−1)、P(t+1)は雨滴除去のみに使用し、符号化には使用しない。そのため、図14のフローチャートで示したステップST43において、演算部7aは画像データP(t−1)のブロックSfの信号値及び画像データP(t+1)のブロックSbの信号値の平均値から予測画像信号を算出してブロックPを生成するが、この場合にはブロックSfとブロックSbの信号値を「0」に設定してブロックPを生成する。
ステップST44では、演算部7aがブロックMの画像信号とブロックPの画像信号との差分を求めて予測誤差信号を算出し、ブロックDを生成するが、画像データP(t−1)及びP(t+1)のブロックPの予測画像信号はそれぞれ「0」であるため、ブロックMがブロックDとなる。ステップST45からステップST49では、符号化部9においてブロックDが符号化され、ブロックRが生成される。これらの処理を画像データP(t)を構成する全てのブロックに対して実行し、画像データP(t)の符号化処理を終了する。符号化処理が終了すると、記憶部2には復号画像データR(t)が記憶される。
次に、Pピクチャの符号化を行う動作について説明する。雨滴を除去する対象画像である画像データP(t+1)をPピクチャ10bに設定し、連続する画像データP(t)、P(t+1)、P(t+2)の画像信号を用いて雨滴除去を行う。ただし、ここでは画像データP(t)に替えて上述した雨滴が除去された復号画像データR(t)の画像を用いる。つまり復号画像データR(t)、画像データP(t+1)及びP(t+2)の画像信号を用いて画像データP(t+1)から雨滴を除去する。Pピクチャ10bは、時間的に前に存在する一枚のピクチャから予測して符号化するため、画像データ(P+2)は雨滴除去のみに使用し、符号化には使用しない。つまり、図14のフローチャートで示したステップST43において、演算部7aは復号画像データR(t)のブロックSfの信号値を予測画像信号としてブロックPを生成する。
ステップST44では、演算部7aがブロックMの画像信号とブロックPの画像信号との差分を求めて予測誤差信号を算出し、ブロックDを生成する。ステップST45からステップST49では、符号化部9においてブロックDが符号化され、ブロックRが生成される。なお、ステップST46において、ベクトル情報Vf及びベクトル情報Vbを可変長符号化し、その符号化データを多重化して出力信号を生成するが、Pピクチャ10bは時間的に前に存在する一枚のピクチャから予測して符号化するため、ベクトル情報Vfのみを可変長符号化して出力信号を生成する。これらの処理を画像データP(t+1)を構成する全てのブロックに対して実行し、画像データP(t+1)の符号化処理を終了する。符号化処理が終了すると、記憶部2に復号画像データR(t+1)が記憶される。また、これと同時に画像データP(t)及び復号画像データR(t)は不要となるため、記憶部2から削除される。
以上のように、この実施の形態2によれば、演算部から入力される雨滴などの移動物体を除去した映像に対して、さらに符号化処理を実行する符号化部を設けるように構成したので、雨滴などの移動物体を除去した映像の符号化映像を生成することができる。
また、この実施の形態2によれば、画像処理を実行する際のブロックの探索処理と符号化処理を実行する際に用いるベクトル情報の取得処理を1つの探索部を兼用して実行するように構成したので、画像処理及び符号化処理それぞれに対応する探索部を設ける必要がなく、1台の画像処理装置で画像処理機能と符号化処理機能を実現することができる。また、画像処理装置の省スペース化を図ることができる。
この発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る画像処理装置に入力される動画像信号の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る画像処理装置に入力される動画像信号の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るブロック分割部の処理内容を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る画像データの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るウィンドウ設定部及びブロック分割部の処理内容を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る判定部及び演算部のデータの入出力を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る演算部の処理内容を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る判定部及び演算部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る符号化部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係るベクトル情報の内容を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る画像処理装置の符号化処理を示す図である。
符号の説明
1 画像処理装置、2 記憶部、3 ブロック分割部、4 ウィンドウ設定部、5,5a 探索部、6 判定部、7,7a 演算部、8 制御部、9 符号化部、10a Iピクチャ、10b Pピクチャ、11 カメラ、12 表示装置、21 画像データカウンタ、31 ブロック数カウンタ、91 直交変換・量子化部、92 可変長符号化部、93 逆量子化部、94 逆直交変換部、95 加算部、M(t),P(t),P(t−1),P(t+1),P(t+2) 画像データ、R(t),R(t+1) 復号画像データ、D,I,M,R,Sb,Sf,T ブロック、Vb,Vf ベクトル情報、Wb,Wf ウィンドウ、X 矢印。

Claims (3)

  1. 撮像手段が撮像した画像の動画像信号から移動物体を除去する画像処理装置において、
    前記除去する移動物体を含む対象画像の動画像信号を、所定画素サイズの対象ブロックに分割するブロック分割手段と、
    前記撮像手段の移動方向を示す移動情報及び前記対象ブロックの位置情報に基づいて、前記対象画像と時間的に前後して位置する参照画像の動画像信号に、前記対象ブロックの移動軌跡上に位置する参照ウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、
    前記参照ウィンドウ内で、前記対象ブロックとの特徴量の差が最小となる前記所定画素サイズの参照ブロックを特定するブロック探索手段と、
    前記対象ブロックの各画素の信号値と前記参照ブロックの各画素の信号値に基づき、前記対象ブロックに対して演算を行うか否か判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づき、前記対象ブロックの各画素の信号値に対して演算を行う演算手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 特徴量は、参照ブロックの各画素の信号値と対象ブロックの各画素の信号値との差分絶対値和であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 動画像信号は、インターレース信号であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021035812A1 (zh) * 2019-08-30 2021-03-04 深圳市商汤科技有限公司 一种图像处理方法及装置、电子设备和存储介质

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