JP2009099225A - 多値情報記録方法および多値情報記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な技術や構造を要することなく、光記録媒体に対して多値情報を記録することが可能な多値情報記録方法、および多値情報記録装置を提供する。
【解決手段】光源11から出射された記録光の偏光状態を、1/4波長板13で円偏光に変換した後、第1偏光ビームスプリッタ14にて、0°偏光と90°偏光に分離し、分離した各々の偏光に対して、光量調整素子15,16を用いて光量調整を行い、その後、第2偏光ビームスプリッタ21を用いて合波させ、合波により偏光状態が変化した記録光を多値情報として扱い、記録層32に集光させることにより、光記録媒体300に多値情報を記録することが出来る。
【選択図】図1
【解決手段】光源11から出射された記録光の偏光状態を、1/4波長板13で円偏光に変換した後、第1偏光ビームスプリッタ14にて、0°偏光と90°偏光に分離し、分離した各々の偏光に対して、光量調整素子15,16を用いて光量調整を行い、その後、第2偏光ビームスプリッタ21を用いて合波させ、合波により偏光状態が変化した記録光を多値情報として扱い、記録層32に集光させることにより、光記録媒体300に多値情報を記録することが出来る。
【選択図】図1
Description
本発明は、大容量のデータを高密度に記録する光記録技術の記録方法および記録装置に関するものであり、データを記録する際に用いる記録光の偏光状態を変化させることで、異なる偏光状態を多値情報として光記録媒体に記録する多値情報記録方法および多値情報記録装置に関する。
近年、テレビジョン放送の録画や、ビデオカメラやデジタルカメラなどの撮像装置による撮影において、大容量のデータを保存するための記録媒体として、DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disc;登録商標)などの光記録媒体が用いられている。
しかしながら、テレビジョン放送のデジタル化や撮像装置の高性能化、映像のHD(High Definition)化など、今後の技術革新によって、動画データに代表される記録データの更なる大容量化が見込まれる。
これらの動向に対応すべく、光記録技術の分野において、高密度な光記録方式および光記録媒体に関する様々な研究がなされており、一例としては、ホログラム記録方式および該記録方式に対応したHVD(Holographic Versatile Disc)が挙げられる。
特許文献1には、光源からの出射光を2つの分割光に分割し、記録情報に応じて、一方の分割光に異なる位相差を与え、2つの分割光を合成することで記録光を生成し、該記録光により光記録媒体に対してデータの記録を行う光学情報記録方法および装置が記載されている。
特許文献2には、光記録媒体の単位記録マーク部内に、回折角の異なる回折光が得られる回折パターンを、記録情報に応じて形成することで記録を行い、該単位記録マーク部にビーム光を照射することにより出射される複数の回折光を情報信号として検出し、再生を行う光記録再生方法および装置が記載されている。
特許文献3には、照射された光の反射光量の変化を与える断続する第1のマークの列から成る渦巻状または同心円状の情報トラックを記録媒体上に記録形成し、かつ、情報トラックの幅方向にある第1のマークの側縁部に、照射された光の反射光量の変化を与える第2のマークを、その側縁部を密接または一部重複して記録形成し、情報信号を第1のマークの断続と第2のマークの情報トラックの幅方向の変位および断続により記録する光学的記録方法および装置が記載されている。
特許文献4には、情報の記録単位であるピット毎に、スリットまたはグレーティングを異なる直交方向に形成し、情報再生の際に、ピットの有無に加えて、ピットに形成されたスリット等の形成方向を検出することで、従来の記録密度を倍増させることが出来る情報記録および再生に係る方法および装置が記載されている。
上記特許文献に示されるように、多値情報を記録し、記録容量の大容量化を図る方法としては、記録光の位相や光量を変化させることによって、反射率の異なるピットを光記録媒体に形成し、多値情報を記録する記録方法(特許文献1)や、情報の記録単位であるピットの形状や構造を変化させることにより、多値情報を記録する記録方法(特許文献2〜4)がある。
しかしながら、BDなどの次世代光記録媒体では、ピットの間隔を狭めることによって、高密度な記録を行っているため、上述した記録方法により、次世代光記録媒体のピットに対して、形状や構造を変化させることは技術的な面で困難を極める。よって、上述の記録方法による記録容量の大容量化は、容易なものとは言えない。
本発明は、上述した問題点に鑑み、複雑な技術や構造を要することなく、光記録媒体に対して多値情報を記録することが可能な多値情報記録方法、および多値情報記録装置を提供することを目的としている。
本発明に係る多値情報記録装置は、光記録媒体に対して記録を行う際の記録光を出射する光源と、光源から出射された記録光を2つの偏光に分離するための分離手段と、分離手段で分離された2つの偏光の内、一方の偏光について光量の調整を行う第1光量調整手段と、分離手段で分離された2つの偏光の内、他方の偏光について光量の調整を行う第2光量調整手段と、第1光量調整手段および第2光量調整手段により光量が調整された2つの偏光を合波するための合波手段と、合波手段により合波された記録光を光記録媒体の記録層に集光させる対物レンズとを備えている。
このようにすることで、光源から出射された記録光の光量を調整し、以って記録光の偏光状態を容易に変化させることが出来る為、複雑な技術や構造を要することなく、光源からの出射直後とは異なる偏光状態の記録光を、光記録媒体の記録層に集光させることが出来る。
本発明の多値情報記録装置において、第1光量調整手段は、光量制御部と、この光量制御部により制御される第1光量調整素子から成り、第2光量調整手段は、光量制御部と、この光量制御部により制御される第2光量調整素子から成り、光量制御部は、第1および第2光量調整素子を制御する際に要する制御用データを記憶した記憶部を有している。
このようにすることで、分離手段により2つに分離された偏光各々について、独立した形で光量の調整を行うことが出来る。また、光量制御部に設けられ、記憶部に記憶された制御用データを検証し、光量の調整を行うため、複雑な技術や構造を必要としない。
本発明の多値情報記録装置において、第1および第2光量調整素子はPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal:高分子分散型液晶)である。
PDLCは、液晶素子等の素子と比較した場合、光量調整に係る応答速度が速いため、これを用いることで、複雑な技術や構造を要することなく、速やかに光量の調整を行うことが出来る。
本発明の多値情報記録装置においては、光源から出射した記録光の偏光状態を円偏光に変換する1/4波長板を設けている。
このようにすることで、互いに直交する2つの偏光の光量比が1:1となるため、各々の偏光に対する光量調整が容易となる。
本発明の多値情報記録装置において、分離手段は、記録光の一方を透過し、他方を反射することで、互いに直交する2つの偏光に分離する第1偏光ビームスプリッタから成り、合波手段は、第1偏光ビームスプリッタにより分離された、互いに直交する2つの偏光の内、一方を透過し、他方を反射することで合波する第2偏光ビームスプリッタから成る。
このようにすることで、互いに直交する2つの偏光として、光源から出射させた記録光を正確に分離することができ、また、一度分離した2つの偏光を再度合波させる際にも、互いの光軸を合わせることで、容易に合波することが出来るため、複雑な技術や構造を必要としない。
本発明の多値情報記録装置において、光記録媒体の記録層は、対物レンズにて集光される記録光の偏光状態を多値情報として記録する偏光記録材料から成る。
このようにすることで、光量調整素子による光量調整に応じて、偏光状態が変化する記録光の偏光状態を、多値情報として記録層に記録することが出来るため、複雑な技術や構造を要することなく、多値情報の記録を行うことが出来る。
本発明の多値情報記録装置において、偏光記録材料は、高分子にアゾベンゼン基を有する物質を分散した材料、またはアゾベンゼン基を有する物質と高分子との共重合体である材料により構成されている。
このようにすることで、高分子にアゾベンゼン基を有する物質を分散した材料、またはアゾベンゼン基を有する物質と高分子との共重合体である材料の特性を活かした上で、従来技術とは全く異なる方法により、複雑な技術や構造を要することなく、多値情報の記録を行うことが出来る。
本発明に係る多値情報記録方法は、光源から出射される記録光の偏光状態を円偏光に変換し、分離手段にて互いに直交する2つの偏光に分離した後、各々の偏光に対して、第1光量調整手段および第2光量調整手段により、光量の調整を行い、第1光量調整手段および第2光量調整手段により光量が調整された2つの偏光について、合波手段により合波し、合波後の記録光を記録層に集光させることで、記録層に合波後の記録光の偏光状態を記録させる。
このようにすることで、分離手段により分離された2つの偏光の光量をそれぞれ変化させて、合波後の記録光の偏光状態を多様に変化させることが出来る。この合波後の記録光の偏光状態を多値情報として扱うことにより、複雑な技術や構造を要することなく、光記録媒体に対して多値情報の記録を行うことが出来る。
本発明によれば、光源から出射された記録光の光量を調整し、以って記録光の偏光状態を容易に変化させることが出来る為、光源からの出射直後とは異なる偏光状態の記録光を、光記録媒体の記録層に集光させることが出来る。これにより、複雑な技術や構造を要することなく、光記録媒体に対して多値情報を記録することが可能となる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である多値情報記録装置100を示した概略構成図である。
図中の11は、光記録媒体300に対して、データの記録を行うための記録光を出射する光源であり、レーザダイオードから成る。光源11は、偏光状態が直線偏光であり、波長が405nmである青紫色レーザ光を出射する。
図中の11は、光記録媒体300に対して、データの記録を行うための記録光を出射する光源であり、レーザダイオードから成る。光源11は、偏光状態が直線偏光であり、波長が405nmである青紫色レーザ光を出射する。
12は、光源11から出射されたレーザ光を平行光に変換するためのコリメートレンズである。13は、光源11から出射され、コリメートレンズ12を透過したレーザ光の偏光状態を直線偏光から円偏光に変換する1/4波長板である。
14は、1/4波長板13にて円偏光に変換されたレーザ光を、図中の一点鎖線で示すP偏光と、同図中の二点鎖線で示すS偏光とに分離する第1偏光ビームスプリッタであり、該第1偏光ビームスプリッタで分離されたP偏光とS偏光は互いに直交し、光量比は1:1となる。
また、第1偏光ビームスプリッタ14は、P偏光を透過させ、S偏光を90°の角度で反射させる様に形成されている。
尚、以下の説明において、上述のP偏光を「0°偏光」と記載し、S偏光を「90°偏光」と記載する。
また、第1偏光ビームスプリッタ14は、P偏光を透過させ、S偏光を90°の角度で反射させる様に形成されている。
尚、以下の説明において、上述のP偏光を「0°偏光」と記載し、S偏光を「90°偏光」と記載する。
15は、第1偏光ビームスプリッタ14を透過した0°偏光の光量(強度)を調整する光量調整素子であり、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal:高分子分散型液晶)から成る。16は、第1偏光ビームスプリッタ14にて90°の角度で反射された90°偏光の光量(強度)を調整する光量調整素子であり、光量調整素子15と同様、PDLCから成る。
17は、光量調整素子15および16の制御を行うための光量制御部であり、マイクロコンピュータから成る。18は、光量制御部17に設けられた記憶部であり、ROM(Read Only Memory)等から成る。記憶部18には、光量制御部17での制御に係る制御用データが記憶されている。
記憶部18に記憶されている制御用データは、例えば図4に示すような、テーブル形式のデータである。
図4において、61は、光記録媒体300に対して、多値情報を記録する際に用いる記録信号であり、本実施形態においては、記録するデータに応じて、1〜7までの異なる記録信号が設けられている。
図4において、61は、光記録媒体300に対して、多値情報を記録する際に用いる記録信号であり、本実施形態においては、記録するデータに応じて、1〜7までの異なる記録信号が設けられている。
62は、記録信号毎に設けられた0°偏光の光量(強度)を示したものであり、63は、記録信号毎に設けられた90°偏光の光量(強度)を示したものである。尚、62,63の光量(強度)は、いずれも相対値で示してある。
光記録媒体300(図1)に対して、データの記録が行われる際は、光量制御部17(図1)の制御の下、記録するデータに応じた記録信号61が選択され、選択された記録信号に対応する0°偏光の光量(強度)と90°偏光の光量(強度)が、図4のテーブルに基づいて決定される。この選択結果に基づいて、光量制御部17により、光量調整素子15および16が制御され、該光量調整素子15に入射する0°偏光の光量および該光量調整素子16に入射する90°偏光の光量がそれぞれ調整される。
図1中の19および20は、光量調整素子15を透過した0°偏光を90°の角度で全反射するミラーである。
21は、第2偏光ビームスプリッタであり、0°偏光を90°の角度で反射させ、90°偏光を透過させる様に形成されている。これにより、該第2偏光ビームスプリッタ21に入射した0°偏光と90°偏光は合波されるため、第2偏光ビームスプリッタ21は、合波手段としての機能も有する。
22は、第2偏光ビームスプリッタ21にて合波されたレーザ光から成る記録光を、後述する光記録媒体300の記録層32(図2)に集光させるための対物レンズである。
図2は、本発明の多値情報記録方法によってデータを記録する際に用いる光記録媒体300(図1)の断面を示した図である。
図中において、31は基板であり、ガラスや樹脂等から成る。32はデータを記録する記録層であり、例えば、PMMA(poly methyl methacrylate:ポリメタクリル酸メチル)等の高分子固体にアゾベンゼン基を有する物質を分散した材料、またはアゾベンゼン基を有する物質とPMMA等の高分子との共重合体である材料から成る。PMMAに代えて、PVA(poly vinyl alcohol:ポリビニルアルコール)を用いてもよい。33は記録層32を疵や埃などから保護するための保護層であり、ポリカーボネート等の樹脂から成る。34は反射層であり、アルミニウム等、反射率の高い金属薄膜から成る。
図中において、31は基板であり、ガラスや樹脂等から成る。32はデータを記録する記録層であり、例えば、PMMA(poly methyl methacrylate:ポリメタクリル酸メチル)等の高分子固体にアゾベンゼン基を有する物質を分散した材料、またはアゾベンゼン基を有する物質とPMMA等の高分子との共重合体である材料から成る。PMMAに代えて、PVA(poly vinyl alcohol:ポリビニルアルコール)を用いてもよい。33は記録層32を疵や埃などから保護するための保護層であり、ポリカーボネート等の樹脂から成る。34は反射層であり、アルミニウム等、反射率の高い金属薄膜から成る。
また、図中の300Aは、光源11(図1)からの記録光が、記録層32で集光された後、該記録層32および保護層33を透過する透過型光記録媒体を示しており、300Bは、光源11(図1)からの記録光が、記録層32で集光された後、隣接する反射層34で反射される反射型光記録媒体を示している。
記録層32の構成要素の一つであるアゾベンゼン系の材料に使用されているアゾベンゼンの特徴として、光異性化が挙げられ、このアゾベンゼンの光異性化は、即ち、該アゾベンゼンの分子が光によって動くことを意味している。
例えば、アゾベンゼンに対して偏光を照射すると、該アゾベンゼンの分子は、光異方性を繰り返しながら動き、最終的に、その偏光を吸収出来ない配向に落ち着く。つまり、照射される偏光状態に応じて配向を変化させる性質を有する。
例えば、アゾベンゼンに対して偏光を照射すると、該アゾベンゼンの分子は、光異方性を繰り返しながら動き、最終的に、その偏光を吸収出来ない配向に落ち着く。つまり、照射される偏光状態に応じて配向を変化させる性質を有する。
上述したアゾベンゼンの特徴を応用すべく、アゾベンゼン系の材料を含む記録層32に集光させる記録光の光量調整を行い、偏光状態を変化させることで、様々な偏光状態を記録層32に記録することが出来る。これにより、様々な偏光状態を多値情報として記録することが出来る。
図3は、図1中の光量調整素子15および16を成すPDLC51の断面を示した図である。
図中の52はPMMA等の高分子から成る高分子樹脂、53はネマティック液晶から成る液晶分子、54は液晶分子53から成る液滴であり、高分子樹脂52が液滴54を包み込む様な構造をしている。
図中の52はPMMA等の高分子から成る高分子樹脂、53はネマティック液晶から成る液晶分子、54は液晶分子53から成る液滴であり、高分子樹脂52が液滴54を包み込む様な構造をしている。
55aおよび55bは液滴54中の液晶分子53に対して電圧を印加するための透明電極であり、対向する形で一対設けられている。また、56aおよび56bは透明なガラス基板であり、対向する形で一対設けられている。
液晶分子53から成る液滴54を含む高分子樹脂52は、透明電極55a,55bの間に配されており、透明電極55aはガラス基板56aに形成され、透明電極55bはガラス基板56bに形成されている。
液晶分子53から成る液滴54を含む高分子樹脂52は、透明電極55a,55bの間に配されており、透明電極55aはガラス基板56aに形成され、透明電極55bはガラス基板56bに形成されている。
透明電極55a,55b間に電圧を印加しない場合(図3(a)の状態)においては、高分子樹脂52内での液晶分子53の配向が、それぞれ異なった状態となっている。このため、PDLC51に入射する入射光57は、該PDLC51を透過出来ず、散乱光58となって散乱する。
また、透明電極55a,55b間に電圧を印加した場合(図3(b)の状態)においては、高分子樹脂52内での液晶分子53の配向が、印加される電圧に応じて変化する。これに伴って、PDLC51の透過率も変化するため、該PDLC51に入射する入射光57は、透過率に応じた光量(強度)の透過光59となって透過する。
上述したように、透明電極55a,55b間に印加する電圧を制御することによって、PDLC51を透過する入射光57の光量を調整することが出来る。また、PDLC51の液晶分子53において、配向の変化に要する時間、つまり応答速度は、液晶素子と比べて速い為、入射光57に対する光量調整を速やかに行うことが出来る。
以下、本発明に係る多値情報記録方法について詳述し、一例として、上述した記録信号61(図4)の1〜7の内、「3」を記録する場合を挙げる。
図1において、光源11から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ12にて平行光に変換され、1/4波長板13にて直線偏光から円偏光へ変換される。
1/4波長板13を透過したレーザ光は、第1偏光ビームスプリッタ14に入射することで、互いに直交し光量比が1:1となる0°偏光と90°偏光に分離される。分離されたレーザ光のうち、0°偏光は光量調整素子15に入射し、90°偏光は光量調整素子16に入射する。
1/4波長板13を透過したレーザ光は、第1偏光ビームスプリッタ14に入射することで、互いに直交し光量比が1:1となる0°偏光と90°偏光に分離される。分離されたレーザ光のうち、0°偏光は光量調整素子15に入射し、90°偏光は光量調整素子16に入射する。
光量調整素子15に入射した0°偏光と、光量調整素子16に入射した90°偏光は、光量制御部17の制御により、その光量(強度)が調整される。尚、下記において、光量(強度)の値は相対値で示すものとする。
光量(強度)の調整に際しては、まず始めに、光量制御部17が、光記録媒体300に記録する記録信号を選択し、該記録信号に対応する0°偏光の光量(強度)と、90°偏光の光量(強度)を、記憶部18に記憶された制御用データ(図4)に基づいて決定する。よって、記録信号61(図4)の1〜7の内、「3」を記録する場合の0°偏光の光量(強度)は0.67(図4の62)となり、90°偏光の光量(強度)は1.00(図4の63)となる。
次に、光量制御部17の制御の下、図3に示すPDLC51に設けられた透明電極55a,55b間に電圧を印加し、液晶分子53の配向を変化させることによって、該PDLC51から成る光量調整素子15を透過する0°偏光の光量(強度)が0.67、光量調整素子16を透過する90°偏光の光量(強度)が1.00となるように透過率を変化させる。尚、透明電極55a,55b間に印加する電圧は、変化させる透過率によって異なり、透過率に応じた電圧が予め光量制御部17に設定されている。
光量調整素子15にて光量(強度)が0.67に調整された0°偏光は、ミラー19および20で、90°の角度で全反射された後、第2偏光ビームスプリッタ21に入射し、光量調整素子16にて光量(強度)が1.00に調整された90°偏光は、第2偏光ビームスプリッタ21に入射する。
第2偏光ビームスプリッタ21に入射した0°偏光は90°の角度で反射され、同第2偏光ビームスプリッタ21に入射した90°偏光は、該第2偏光ビームスプリッタ21を透過する。これにより、第1偏光ビームスプリッタ14で2つに分離され、光量調整素子15,16で光量(強度)がそれぞれ調整された0°偏光と90°偏光とが合波され、合波後の記録光の偏光状態は楕円偏光となる。
また、合波する0°偏光と90°偏光の光量(強度)の組み合わせを変えることで、合波後の記録光の偏光状態を変化させることが出来る。
また、合波する0°偏光と90°偏光の光量(強度)の組み合わせを変えることで、合波後の記録光の偏光状態を変化させることが出来る。
合波後の記録光71は、図5に示すように、対物レンズ22により、光記録媒体300の記録層32(図2)に集光される。
図5中において、Lは光記録媒体300の一部、72は記録光71により多値情報が記録された記録部位、73は記録部位72における記録層32の層状態を示している。
図5中において、Lは光記録媒体300の一部、72は記録光71により多値情報が記録された記録部位、73は記録部位72における記録層32の層状態を示している。
記録光71が、光記録媒体300の一部Lにおける記録層32に集光されることにより、多値情報が記録された記録部位72が形成される。記録部位72の形成においては、記録層32の形状は変化しないが、記録層32を構成している材料、特に、上述したアゾベンゼン系の材料の分子の配向が、記録光の偏光状態に応じて変化し、層状態73で示すような状態となる。
このように、上述した第1実施形態においては、光源11から出射された記録光の偏光状態を、1/4波長板13により円偏光に変換し、円偏光となった記録光を第1偏光ビームスプリッタ14にて、0°偏光と90°偏光に分離し、分離した各々の偏光に対して、光量調整素子15,16を用いて光量調整を行い、その後、第2偏光ビームスプリッタ21を用いて合波させ、合波後の記録光71を記録層32に集光させる。
これにより、合波後の記録光71が集光された記録部位72では、記録光71の偏光状態に応じて記録層32の配向が変化するため、光量調整素子15,16による光量調整により、合波後の記録光71の偏光状態を様々な状態に変化させ、記録層32に集光することで、記録層32の配向を多様に変化させることが出来る。よって、合波後の記録光71の偏光状態を多値情報とすることにより、複雑な技術や構造を要することなく、光記録媒体300に対して、多値情報を記録することが出来る。
これにより、合波後の記録光71が集光された記録部位72では、記録光71の偏光状態に応じて記録層32の配向が変化するため、光量調整素子15,16による光量調整により、合波後の記録光71の偏光状態を様々な状態に変化させ、記録層32に集光することで、記録層32の配向を多様に変化させることが出来る。よって、合波後の記録光71の偏光状態を多値情報とすることにより、複雑な技術や構造を要することなく、光記録媒体300に対して、多値情報を記録することが出来る。
図6は、本発明の第2実施形態である多値情報記録装置200を示した概略構成図である。図6では、図1と同一部分または対応する部分に同一符号を付してある。
この図6に示す第2実施形態は、図1で示した第1実施形態とほぼ同様の構成であるが、図7(a)に示すような遮光部材81を光量調整素子15と第2偏光ビームスプリッタ21の間に配し、図7(b)に示すような遮光部材82を光量調整素子16と第2偏光ビームスプリッタ21の間に配している。
この図6に示す第2実施形態は、図1で示した第1実施形態とほぼ同様の構成であるが、図7(a)に示すような遮光部材81を光量調整素子15と第2偏光ビームスプリッタ21の間に配し、図7(b)に示すような遮光部材82を光量調整素子16と第2偏光ビームスプリッタ21の間に配している。
図7(a)中において、遮光部材81は、第1領域81aと第2領域81bとの2つの領域を有する。第1領域81aは0°偏光が透過可能な領域であり、この領域は半円状に形成されている。一方、第2領域81bは0°偏光が透過不可である領域であり、第1領域81aを取り囲むように形成されている。遮光部材81は、これを通過する0°偏光を全て遮光するわけではなく、一部を遮光するようになっている。
このような遮光部材81は、例えば、2つの偏光板を組合せる向きを第1領域81aと第2領域81bとで変えることによって製作出来る。また、透明なガラス板上の遮光したい部分に遮光膜を貼り合わせること等によっても製作出来る。
図7(b)中において、遮光部材82は、第1領域82aと第2領域82bとの2つの領域を有する。第1領域82aは90°偏光が透過可能な領域であり、この領域は、遮光部材81に形成された第1領域81aの反対側の位置に、半円状に形成されている。一方、第2領域82bは90°偏光が透過不可である領域であり、第1領域82aを取り囲むように形成されている。遮光部材82は、これを通過する90°偏光を全て遮光するわけではなく、一部を遮光するようになっている。
上述と同様、このような遮光部材82は、例えば、2つの偏光板を組合せる向きを第1領域82aと第2領域82bとで変えることによって製作出来る。また、透明なガラス板上の遮光したい部分に遮光膜を貼り合わせること等によっても製作出来る。
そして、遮光部材81と遮光部材82とは、0°偏光と90°偏光とが第2偏光ビームスプリッタ21によって合波された場合に、図7(c)に示すような偏光分布を有する光となるように調整配置されている。このようにすると、第2偏光ビームスプリッタ21で合波されて光記録媒体300の記録層32に集光される記録光71について、0°偏光と90°偏光との重なりを極力低減することが可能となるために、クロストークの低減が可能となる。従って、光記録媒体300の記録層に対して、精度の高い記録を行うことが出来る。
尚、遮光部材81,82によって遮光される部分は、図7に示した構成に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。すなわち、例えば図8のような構成とすることも可能である。なお、図8は、遮光部材81,82に関する変形例を示す模式図であり、図8(a)は、遮光部材81の変形例、図8(b)は遮光部材82の変形例、図8(c)は遮光部材81、82の変形例を用いた場合における、第2偏光ビームスプリッタ21で合波された記録光71の0°偏光と90°偏光との分布について示した図である。
この第2実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果が得られると共に、遮光部材81,82により、0°偏光と90°偏光との重なりを極力低減することが出来るため、クロストークを低減させることが出来る。従って、光記録媒体300の記録層に対して、精度の高い記録を行うことが出来る。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記実施形態では、1/4波長板13を設けることによって、光源11から出射されるレーザ光の偏光状態を直線偏光から円偏光に変換したが、1/4波長板13を設けずに、光源11を、円偏光の光を出射することが可能な光源としてもよい。
また、本発明の実施形態では、光量調整素子として、PDLCを用いたが、液晶素子を用いてもよい。また、図9に示すような円盤状であり、ブロック毎に異なる値の光量調整素子を配した光量調整用部材91を設け、回転させることで、必要な光量調整を行ってもよい。
さらに、本発明の実施形態では、記録層32に、PMMA等の高分子固体にアゾベンゼン基を有する物質を分散した材料、またはアゾベンゼン基を有する物質とPMMA等の高分子との共重合体である材料を用いたが、これに限られるものではなく、合波後の記録光71の偏光状態を記録することが出来る材料であればよい。
13 1/4波長版
14,21 偏光ビームスプリッタ
15,16 光量調整素子
17 光量制御部
18 記憶部
32 記録層
52 高分子樹脂
53 液晶分子
61 記録信号
81,82 遮光部材
100,200 多値情報記録装置
300 光記録媒体
14,21 偏光ビームスプリッタ
15,16 光量調整素子
17 光量制御部
18 記憶部
32 記録層
52 高分子樹脂
53 液晶分子
61 記録信号
81,82 遮光部材
100,200 多値情報記録装置
300 光記録媒体
Claims (8)
- 光記録媒体に対して記録を行う際の記録光を出射する光源と、
前記光源から出射された記録光を2つの偏光に分離するための分離手段と、
前記分離手段で分離された2つの偏光の内、一方の偏光について光量の調整を行う第1光量調整手段と、
前記分離手段で分離された2つの偏光の内、他方の偏光について光量の調整を行う第2光量調整手段と、
前記第1光量調整手段および前記第2光量調整手段により光量が調整された2つの偏光を合波するための合波手段と、
前記合波手段により合波された記録光を前記光記録媒体の記録層に集光させる対物レンズと、
を備えていることを特徴とする多値情報記録装置。 - 請求項1に記載の多値情報記録装置において、
前記第1光量調整手段は、光量制御部と、この光量制御部により制御される第1光量調整素子から成り、
前記第2光量調整手段は、光量制御部と、この光量制御部により制御される第2光量調整素子から成り、
前記光量制御部は、前記第1および第2光量調整素子を制御する際に要する制御用データを記憶した記憶部を有することを特徴とする多値情報記録装置。 - 請求項2に記載の多値情報記録装置において、
前記第1および第2光量調整素子がPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal:高分子分散型液晶)であることを特徴とする多値情報記録装置。 - 請求項1に記載の多値情報記録装置において、
前記光源から出射した記録光の偏光状態を円偏光に変換する1/4波長板を設けたことを特徴とする多値情報記録装置。 - 請求項1に記載の多値情報記録装置において、
前記分離手段は、前記記録光の一方を透過し、他方を反射することで、互いに直交する2つの偏光に分離する第1偏光ビームスプリッタから成り、
前記合波手段は、前記第1偏光ビームスプリッタにより分離された、互いに直交する2つの偏光の内、一方を透過し、他方を反射することで合波する第2偏光ビームスプリッタから成ることを特徴とする多値情報記録装置。 - 請求項1に記載の多値情報記録装置において、
前記光記録媒体の記録層が、前記対物レンズにて集光される記録光の偏光状態を多値情報として記録する偏光記録材料から成ることを特徴とする多値情報記録装置。 - 請求項6に記載の多値情報記録装置において、
前記偏光記録材料が、高分子にアゾベンゼン基を有する物質を分散した材料、またはアゾベンゼン基を有する物質と高分子との共重合体である材料により構成されていることを特徴とする多値情報記録装置。 - 請求項1に記載の多値情報記録装置において、
前記光源から出射される前記記録光の偏光状態を円偏光に変換し、前記分離手段にて互いに直交する2つの偏光に分離した後、各々の偏光に対して、前記第1光量調整手段および前記第2光量調整手段により、光量の調整を行い、前記第1光量調整手段および前記第2光量調整手段により光量が調整された前記2つの偏光について、前記合波手段により合波し、合波後の記録光を前記記録層に集光させることで、前記記録層に前記合波後の記録光の偏光状態を記録させることを特徴とする多値情報記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007271013A JP2009099225A (ja) | 2007-10-18 | 2007-10-18 | 多値情報記録方法および多値情報記録装置 |
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JP2009099225A true JP2009099225A (ja) | 2009-05-07 |
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ID=40702091
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180045971A (ko) * | 2016-10-26 | 2018-05-08 | 한국생산기술연구원 | 원스텝 편광조사를 통한 이종주기의 다중패턴형성장치 및 그 방법 |
-
2007
- 2007-10-18 JP JP2007271013A patent/JP2009099225A/ja active Pending
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