JP2009098742A - 画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2009098742A
JP2009098742A JP2007267002A JP2007267002A JP2009098742A JP 2009098742 A JP2009098742 A JP 2009098742A JP 2007267002 A JP2007267002 A JP 2007267002A JP 2007267002 A JP2007267002 A JP 2007267002A JP 2009098742 A JP2009098742 A JP 2009098742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelet transform
coring
unit
cluster
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007267002A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Nagai
宏典 永井
Masato Nishizawa
眞人 西澤
Nobuyuki Hirose
信幸 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007267002A priority Critical patent/JP2009098742A/ja
Publication of JP2009098742A publication Critical patent/JP2009098742A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 ウェーブレット縮退を利用したノイズ処理方式であり、エッジ部分のボケを抑制しつつノイズ低減処理を行い、鮮明な画像が得られる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 画像処理装置1は、画像に対してウェーブレット変換を行うウェーブレット変換部103と、ウェーブレット変換によって得られる信号成分のうち低域成分に基づいて、信号成分をクラスタリングするクラスタ解析処理部104と、クラスタ解析によって得られたクラスタごとに信号成分の統計的な特徴量を算出する特徴量算出部106と、特徴量に応じてコアリング閾値を決定するコアリング閾値決定部107と、コアリング閾値決定部107にて決定されたコアリング閾値を用いてコアリング処理を行うコアリング処理部108と、コアリング処理を行った信号成分に対して逆ウェーブレット変換を行う逆ウェーブレット変換部109とを備えた構成を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェーブレット変換を用いてノイズを低減する画像処理装置に関する。
従来、ノイズを低減する画像処理方法としては、ローパスフィルタと呼ばれる平滑化フィルタによってノイズ(高周波成分)を抑制する方法が知られている。ローパスフィルタは、周辺画素との加算平均をとることによって平滑化を行うフィルタである。
また、別の方法として、多重解像度変換の一つであるウェーブレット変換を利用するノイズ低減方法が知られている。この方法では、画像信号を、ウェーブレット変換によって低域周波数帯と高域周波数帯とのサブバンドに分離し、得られた周波数信号に対して、同様の処理を繰り返すことで、周波数帯域毎のサブバンドに分離された周波数帯域信号に分離する。ウェーブレット変換によって得られた高域成分のうち、値の小さいウェーブレット変換係数はノイズ成分であるという前提の下で、所定の閾値よりも小さい高域成分を0に置き換えるコアリング処理を行う。その後、コアリング処理された高域成分と低域成分にウェーブレット逆変換を行って信号を再構成し、ノイズが低減された画像を得る。このノイズ低減方法は、1994年Donohoらによって提案されたウェーブレット縮退という手法を用いたものとして非特許文献1に紹介されている。
中野宏毅、山本鎮男、吉田靖夫「ウェーブレットによる信号処理と画像処理」共立出版 P.101
上記した平滑化フィルタを用いるノイズ低減方法では、一の画像に対して一律にノイズ低減の強さが決定されることになる。従って、この方法は、画素同士の相関が高い場合には効果が大きいが、画素同士の相関が高くない場合には、エッジのボケなどが発生し、輪郭部分が不鮮明となる場合があった。
本発明は、上記課題を解決されるためになされたもので、ウェーブレット縮退を利用したノイズ処理方式であり、エッジ部分のボケを抑制しつつノイズ低減処理を行い、鮮明な画像が得られる画像処理装置を提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、画像に対してウェーブレット変換を行うウェーブレット変換部と、ウェーブレット変換によって得られる信号成分のうち低域成分に基づいて、前記信号成分をクラスタリングするクラスタ解析処理部と、クラスタ解析によって得られたクラスタごとに前記信号成分の統計的な特徴量を算出する特徴量算出部と、前記特徴量に応じてコアリング閾値を決定するコアリング閾値決定部と、前記コアリング閾値決定部にて決定されたコアリング閾値を用いてコアリング処理を行うコアリング処理部と、前記コアリング処理を行った信号成分に対して逆ウェーブレット変換を行う逆ウェーブレット変換部とを備えた構成を有する。
このようにウェーブレット変換によって得られた信号成分のうちの低域成分を用いてクラスタ解析を行うことにより、細かな特徴の違いではなく、比較的大きな性質の違いにより信号成分を分類するので、急峻なエッジの有無に応じて信号成分をクラスタリングできる。そして、クラスタごとにコアリング閾値を決定することにより、輪郭のボケを抑制しつつ、適切にノイズを低減できる。
本発明の画像処理装置において、前記特徴量算出部は、前記ウェーブレット変換によって得られた前記信号成分のうち高域成分に基づいて、前記特徴量を算出する構成を有する。
この構成により、高域成分の統計的な特徴量を計算することにより、信号成分に含まれるノイズの大きさを算出できるので、ノイズの大きさに応じてコアリング閾値を決定することができる。
本発明の画像処理装置において、前記特徴量算出部は、前記信号成分の分散値を前記特徴量として算出し、前記コアリング閾値決定部は、前記分散値が大きい場合に前記分散値が小さい場合より大きいコアリング閾値を決定する構成を有する。
信号成分の分散値が大きければノイズ成分が大きく、分散値が小さければノイズ成分が小さいと推定されるので、信号成分の分散値の大きさに応じてコアリング閾値を決定することにより、適切にノイズを低減することができる。
本発明の画像処理装置において、前記コアリング閾値決定部は、ウェーブレット変換の単位となる矩形領域における信号成分が異なるクラスタに分類される場合に、前記単位に含まれる信号成分に対し、前記信号成分が同じクラスタに分類される場合より低いコアリング閾値を決定する構成を有する。
ウェーブレット変換の単位となる信号成分が複数のクラスタに分類される場合には、当該単位にエッジが含まれると推定される。本発明の構成により、ウェーブレット変換の単位となる信号が異なるクラスタに分類される場合には、コアリング閾値を低くすることにより、エッジを保存して画像の鮮鋭さを保つことができる。
本発明の画像処理装置において、前記ウェーブレット変換部は、複数段階のウェーブレット変換を行い、前記クラスタ解析処理部は、各段階において算出された信号成分をクラスタリングし、前記コアリング閾値決定部は、各段階におけるコアリング閾値を決定する構成を有する。
このようにウェーブレット変換の各段階において適切なコアリング閾値を決定することにより、画像の鮮鋭さを保ちつつ、ノイズを低減することができる。
本発明の携帯電話は、上記の画像処理装置を有する。
この構成により、携帯電話に搭載されたカメラにて撮像した画像に対し、輪郭のボケを抑制しつつ適切にノイズを低減する画像処理を行える。
本発明の画像処理方法は、画像に対してウェーブレット変換を行うステップと、ウェーブレット変換によって得られる信号成分のうち低域成分に基づいて、前記信号成分をクラスタリングするステップと、クラスタ解析によって得られたクラスタごとに前記信号成分の統計的な特徴量を算出するステップと、前記特徴量に応じてコアリング閾値を決定するステップと、前記コアリング閾値を用いてコアリング処理を行うステップと、前記コアリング処理を行った信号成分に対して逆ウェーブレット変換を行うステップとを備えた構成を有する。
この構成により、上記した画像処理装置と同様に、急峻なエッジの有無に応じて信号成分をクラスタリングし、クラスタごとにコアリング閾値を決定するので、輪郭のボケを抑制しつつ、適切にノイズを低減できる。なお、本発明の画像処理装置の各種の構成を本発明の画像処理方法に適用することも可能である。
本発明のプログラムは、画像のノイズを低減する処理を行うためのプログラムであって、コンピュータに、画像に対してウェーブレット変換を行うステップと、ウェーブレット変換によって得られる信号成分のうち低域成分に基づいて、前記信号成分をクラスタリングするステップと、クラスタ解析によって得られたクラスタごとに前記信号成分の統計的な特徴量を算出するステップと、前記特徴量に応じてコアリング閾値を決定するステップと、前記コアリング閾値を用いてコアリング処理を行うステップと、前記コアリング処理を行った信号成分に対して逆ウェーブレット変換を行うステップとを備えた構成を有する。
この構成により、上記した画像処理装置と同様に、急峻なエッジの有無に応じて信号成分をクラスタリングし、クラスタごとにコアリング閾値を決定するので、輪郭のボケを抑制しつつ、適切にノイズを低減できる。なお、本発明の画像処理装置の各種の構成を本発明のプログラムに適用することも可能である。
本発明によれば、ウェーブレット変換によって得られた信号成分のうちの低域成分を用いてクラスタ解析を行うことにより、細かな特徴の違いではなく、比較的大きな性質の違いにより信号成分を分類するので、急峻なエッジの有無に応じて信号成分をクラスタリングでき、クラスタごとにコアリング閾値を決定することにより、輪郭のボケを抑制しつつ、適切にノイズを低減できるというすぐれた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態に係る画像処理装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態の画像処理装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置1は、画像を撮影する撮影素子101と、撮影素子101から得られた画像を格納する画像メモリ102と、画像メモリ102から読み出された画像に対し、ウェーブレット変換を行うウェーブレット変換部103と、ウェーブレット変換部103にて生成された信号成分のうちの高域成分に対してコアリング処理を行うコアリング処理部108と、コアリング処理された高域成分とウェーブレット変換により帯域分割され生成された低域成分を基に信号を再構成するウェーブレット逆変換部109と、ウェーブレット逆変換部109により再構成された画像を表示させる画像表示部110とを備えている。
また、本実施の形態の画像処理装置1は、コアリング処理部108にてコアリングを行う際に用いる閾値を決定するための構成として、クラスタ解析処理部104と、ラベリング部105と、特徴量算出部106と、コアリング閾値決定部107とを備えている。
以下、実施の形態の画像処理装置1の各構成について順に説明する。
図2は、ウェーブレット変換部103の構成を示す図である。図2では、レベル1のウェーブレット変換の例を示す。なお、レベルとはサブバンド分解した回数である。ウェーブレット変換部103は、多重解像度変換の1つであるウェーブレット変換を利用し、観測信号をローパスフィルタ(以下、「LPF」という)201とハイパスフィルタ(以下、「HPF」という)202によって、低域成分、高域成分に分解(サブバンド分解)する。ウェーブレット変換部103は、サブバンド分解された低域成分、高域成分を二次元の画像信号に置き換え、さらにLPF203,205、HPF204,206によってサブバンド分解することにより、水平、垂直、斜めの高域信号成分と低域信号成分を得る。
図3は、二次元の水平・垂直2画素[A,B,C,D]を例として、各高域成分と、低域成分の具体的な計算方法を示す図である。図3に示すように、レベル1の低域成分は、LL=A+B+C+Dによって計算することができる。各高域成分は、HL=A−B+C−D、LH=A+B−C−D、HH=A−B−C+Dによって計算することができる。
ウェーブレット変換部103は、上記処理によって得られた低域信号成分を、上記と同様に順次サブバンド分解することにより、上位レベルのウェーブレット変換を行うことができる。図4は、ウェーブレット変換により、レベル2までサブバンド分解した例を示す図である。上位レベルの各成分も、下位レベルの低域成分LLと同様にサブバンド分解することが可能である。
ウェーブレット変換の具体的手法として、帯域分離の精度は低いがフィルタ係数が「1」と「−1」との2つのみで構成されるHaarの基底と呼ばれる方法が挙げられる。
[クラスタ解析処理部]
次に、クラスタ解析処理部104について説明する。クラスタ解析処理部104は、ウェーブレット変換後の信号の性質の類似度に基づいて、クラスタに分類する機能を有する。具体的には、クラスタ解析処理部104は、ウェーブレット変換部103にてサブバンド分解された低域成分に対して、クラスタ解析を行う。クラスタ解析の際、原画像を用いるのではなく低域成分を用いることにより、細かな特徴の違いではなく、比較的大きな性質の違いにより信号成分の分類を行うことができる。これにより、急峻なエッジを検出し、エッジの有無に応じて信号成分を分類することが可能となる。なお、クラスタ解析の手法は、一般的に知られているK−means法などを用いてもよいし、本発明に適した独自のアルゴリズムを適用してもよく、手法については特に限定しない。
図5は、クラスタ解析の例を示す図である。図5に示す例では、レベル1までのウェーブレット変換を行い、低域成分係数が二つのクラスタα、βに分類されている。また、分類された各クラスタに所属する係数の数を、クラスタのメンバー数と呼ぶことにする。図5に示す例では、クラスタαのメンバー数は2、クラスタβのメンバー数は2である。クラスタ解析処理部104は、各レベルの低域成分についてクラスタ解析を行う。例えばレベル3までのウェーブレット変換を考えた場合、レベル1、レベル2、レベル3のそれぞれで得られる低域成分に対し、クラスタ解析を行う。このように、ウェーブレット変換後の低域成分を解析することにより、帯域別に詳細な画像解析を行うことが可能となる。クラスタ解析処理部104は、各低域成分がどのクラスタに分類されたかを示すクラスタ解析の結果を、記録部111に保存する。
[ラベリング部]
ラベリング部105は、低域成分のクラスタ解析結果に基づいて高域成分にラベリングを行う。具体的には、ラベリング部105は、同じ信号成分について求められた低域成分のクラスタ解析結果を高域成分にラベリングする。
図6は、4×4画素の原画像に対してレベル1のウェーブレット変換を行った例を示す図である。この低域成分に対してクラスタ解析を行った結果、図示のように低域成分係数601がα、βの2つのクラスタに分類された。ラベリング部105は、高域成分係数602に対して、低域成分係数601と同じラベリングを行う。例えば、低域成分LL00は画素S00,S01,S10,S11に基づいて生成された信号成分であるが、高域成分HL00,LH00,HH00も同じ画素に基づいて生成されている。従って、高域成分HL00,LH00,HH00に、低域成分LL00と同じクラスタαをラベリングする。
ラベリング部105は、低域成分係数とそれが所属するクラスタの関係を、上記した記録部111から読み出す。以下、全ての高域成分に対して、低域成分と同様のラベリングを行い、図示のようなラベリング結果を得る。ラベリング部105は、ラベリングの結果を記録部111に保存する。
[特徴量算出部]
本発明における特徴量算出部106について説明する。特徴量算出部106は、ラベリング部105にてラベリングされた信号成分毎に特徴量を算出する機能を有する。特徴量算出部106は、高域成分に基づいて特徴量を算出する。ここで、レベル1のウェーブレット変換により得られた垂直高域成分、水平高域成分、斜め高域成分に対し、図6に示すようなラベリングがなされた場合を例として、特徴量算出部106の処理について説明する。特徴量算出部106は、垂直高域成分、水平高域成分、斜め高域成分のそれぞれについて分散値を算出し、その平均値を求めてその特徴量とする。垂直高域成分HLでクラスタαがラベリングされた信号成分、水平高域成分LHでクラスタαがラベリングされた信号成分、斜め高域成分HHでクラスタαがラベリングされた信号成分のそれぞれにおいて、分散値Var_HL_α,Var_LH_α,Var_HH_αを計算し、その平均をクラスタαの特徴量Var_αとする。同様に、クラスタβについても計算を行う。すなわち、特徴量は、次式(1)(2)で表される。
特徴量算出部106は、クラスタとそれに対応する特徴量を記録部111に保存する。なお、本実施の形態では、特徴量の例として分散値を用いているが、特徴量は分散値に限定されず、その他の統計量を用いてもよいし、複数の統計量を組み合わせて用いてもよい。
[コアリング閾値決定部]
次に、コアリング閾値決定部107について説明する。低域成分のクラスタ解析によって似通った性質同士の成分が分類されているが、クラスタ内の高域成分は均一ではない。特徴量算出部106にて求めた分散値は、クラスタに属するデータのばらつき具合を示している。すなわち、分散値が大きければばらつきが大きくノイズ成分が大きいと推測され、逆に分散値が小さければばらつきが小さくノイズ成分が小さいと推測される。従って、コアリング閾値決定部107は、分散値が大きい場合にはノイズ除去の強弱を制御するコアリング閾値を大きい方向に作用させ、分散値が小さい場合は、コアリング閾値を小さい方向に作用させる。
図7は、コアリング閾値決定部107が分散値に応じてコアリング閾値を決定するための関数701を示す図である。図7に示すように特徴量である分散値が大きくなるにつれてコアリング閾値を大きくすることにより、ノイズ成分の割合を考慮したノイズ除去が可能となる。なお、コアリング閾値を決定する関数701は、分散値が大きくなるにつれてコアリング閾値が大きくなる関係を満たせばよく、一次関数に限定されない。以上に、説明したコアリング閾値の決定法を閾値決定法aという。
また、コアリング閾値決定部107は、対象のクラスタにエッジが含まれるか否かに応じて、コアリング閾値を決定する。Haar基底を例とした場合、例えばレベルnまでのウェーブレット変換、逆変換を行うには、最小で2n×2n画素の画像を必要とする。図8および図9は、例えばレベル2でのウェーブレット変換を例としてコアリング閾値を決定する処理を説明する図である。
図8は、各レベル(レベル1、レベル2)の低域成分801,802が一つのクラスタに所属する例を示す図である。この場合、対象領域はほぼ性質の似通った信号成分によって構成され、エッジが存在していないことが推測される。ここで、対象領域とは、レベルnまでのウェーブレット変換、逆変換を想定した場合、2n×2n画素の矩形領域を指している。
図9は、各レベル(レベル1、レベル2)において、低域成分901,902が複数のクラスタに所属する例を示す図である。この場合、対象領域にはエッジが存在していると推測でき、エッジのボケを抑制するために、コアリング閾値を小さくする必要があることが分かる。
コアリング閾値決定部107は、ウェーブレット変換、逆変換の対象領域において、その低域成分のクラスタ分類結果とそれを基に計算された高域成分の分散値を考慮して決定する。
以上の閾値決定までの処理過程を、Haar基底を用いてレベル2までのウェーブレット変換を行った場合を例として説明する。例えば、レベル2までのウェーブレット変換で生成される低域成分を、クラスタ解析処理部104によりクラスタ解析を行い、図8に示すようにいずれのレベルにおいても低域成分が一つのクラスタに分類された場合、再構成対象領域にはエッジが存在しないことになる。従って、各レベルで生成される高域成分の分散値から閾値決定法aによって算出された閾値を適用する。一方、クラスタ解析により解析を行い、図9に示すように各レベルの低域成分が複数のクラスタに分類された場合、エッジが存在する可能性が高い。従って、エッジ成分のボケを抑制するためにコアリング閾値を小さく設定する必要がある。この際のコアリング閾値の決定方法は、例えば、対象領域において一番多く所属するクラスタの高域成分から算出した分散値を特徴量とし、微調整用として事前に設定した係数(t)を掛け合わせることにより、そのコアリング閾値とする。
図10は、コアリング閾値の決定方法の一例を示す図である。図10は、対象領域にα、β、γのクラスタが存在し、各クラスタに分類された信号成分のメンバー数と、分散値との関係を示している。メンバーの最も多いクラスタαの分散値に基づくコアリング閾値(THa)に微調整用係数(t)を掛け合わせた結果をコアリング閾値(THb)として適用する。この微調整用係数は、対象領域にエッジが存在していると推測されるので、エッジのボケ抑制の効果を目的としたものである。この決定手法を閾値決定法bとする。
コアリング閾値決定部107は、各レベルでコアリング閾値を決定することになるが、複数のレベルでコアリング閾値を決定する際に、(1)複数のクラスタに分類されたレベルのみ閾値決定法bを適用するか、(2)対象領域に、複数のクラスタに分類されたレベルが一つでもあれば、すべてのレベルにおいて閾値決定法bを用いるかは、ユーザが事前に選択し設定しておくことができる。ここで、レベル3までのウェーブレット変換を行った場合を例として説明する。レベル1において複数のクラスタに分類され、レベル2およびレベル3では一つのクラスタに分類された場合、レベル1のみ閾値決定法bを使い、それ以外のレベルでは閾値決定法aを使うか、それとも、いずれかのレベルで、複数のクラスタに所属した対象領域に存在したということで、全レベルで閾値決定法bを適用するかは、ユーザが選択することができる。
図11は、コアリング閾値決定部107の処理を示すフローチャートである。コアリング閾値決定部107は、まず、レベル1〜3のいずれのレベルにおいても低域成分が同一のクラスタに分類されているか否かを判定する(S10)。すべてのレベルで同一クラスタに分類されていると判定された場合(S10でYES)、コアリング閾値決定部107は、各レベル1〜3において、分散値のみによる閾値決定法aによりコアリング閾値を算出する(S12)。すべてのレベルで同一クラスタに分類されていると判定されなかった場合(S10でNO)、複数に分類されたレベルのみ閾値決定法bを適用するか否かを判定する(S14)。ここでは、ユーザによって予め設定された内容によって判定を行う。複数に分類されたレベルのみ閾値決定法bを適用する場合には(S14でYES)、複数に分類されたレベルのみエッジを考慮した閾値決定法bを適用し、それ以外のレベルに対しては閾値決定法aを適用して閾値を決定する(S16)。複数に分類されたレベルのみ閾値決定法bを適用するという設定でない場合には(S14でNO)、全てのレベルにおいてエッジを考慮した閾値決定法bを適用して閾値を決定する(S18)。
[コアリング処理部]
次に、コアリング処理部108について説明する。コアリング処理部108は、ウェーブレット変換部103にて生成される高域成分信号と、コアリング閾値決定部107により決定されたコアリング閾値とを比較し、コアリング閾値より低い高域成分信号を0に置き換えることによりノイズを除去する。
図12は、コアリング閾値をThとしたときのコアリング入出力特性の例を示す図である。コアリング処理部108は、コアリング閾値決定部107で決定したコアリング閾値を適用することにより、対象領域のエッジの有無、ノイズの分布具合を考慮したコアリング処理を行うことができる。
[ウェーブレット逆変換部]
図13は、ウェーブレット逆変換部109の構成を示す図である。ウェーブレット逆変換部109は、コアリング処理部108にてコアリング処理された高域成分と、ウェーブレット変換部103にて得られた低域成分に対してウェーブレット逆変換を行うことによって信号を再構成する。図13に示すように、サブバンド分解過程で使用した基底関数から生成される再構成用LPF1301,1303,1305、HPF1302,1304,1306を用いて、帯域分割により得られたLL,LH,HL,HHの成分から信号を再構成することができる。
図14(a)は、ウェーブレット逆変換の計算方法の例を示す図である。図14(a)は、Haar基底を用いたレベル1のウェーブレット変換を行うことにより、サブバンド分解して得られた結果(LL,LH,HL,HH)から二次元の水平・垂直2画素[A,B,C,D]再構成の計算方法を示している。図14(a)に示す通り、A=(LL+HL+LH+HH)/4,B=(LL−HL+LH−HH)/4,C=(LL+HL−LH−HH)/4,D=(LL−HL−LH+HH)/4によってウェーブレット逆変換を行うことができ、図14(b)に示すように再構成画像が得られる。
また、上位レベルから再構成されたLL成分と下位レベルの高域成分を上記と同様の計算方法によって順次ウェーブレット逆変換を行うことにより、ノイズ成分の抑制を行いつつ、エッジのボケが抑制された鮮鋭な画像を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態の画像処理装置1について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されない。
上記した実施の形態では、画像処理装置1について説明したが、上記した画像処理装置1の各構成を実現するためのモジュールを有するプログラムも本発明の範囲に含まれる。
上記した実施の形態では、ウェーブレット変換における基底をHaarの基底を用いた例について説明を行ったが、Haar基底以外の基底に基づいたウェーブレット変換、逆変換を利用した画像処理装置にも適用することが可能である。また、サブバンドへの分離として、分離するレベルも任意である。
本発明によれば、輪郭のボケを抑制しつつ、適切にノイズを低減できるというすぐれた効果を有し、ウェーブレット変換を利用してノイズを低減する画像処理装置、あるいは当該画像処理装置を搭載したカメラや携帯電話等として有用である。
本発明の実施の形態の画像処理装置のブロック図 ウェーブレット変換部の構成を示す図 Haar基底によるウェーブレット変換計算方法図 ウェーブレット変換によりレベル2までサブバンド分解した例を示す図 レベル1の低域成分をクラスタ解析した結果を示す図 レベル1の高域成分をラベリングした結果を示す図 閾値決定法aを示す図 各レベルの低域成分が同一クラスタに分類された例を示す図 低域成分が複数のクラスタに分類された例を示す図 閾値決定法bを示す図 コアリング閾値決定部の処理を示すフローチャート コアリング入出力特性の一例 ウェーブレット逆変換部の構成を示す図 (a)ウェーブレット逆変換の計算方法の例を示す図(b)ウェーブレット逆変換による再構成画像の例を示す図
符号の説明
1 画像処理装置
101 撮像素子
102 画像メモリ
103 ウェーブレット変換部
104 クラスタ解析処理部
105 ラベリング部
106 特徴量算出部
107 コアリング閾値決定部
108 コアリング処理部
109 ウェーブレット逆変換部
110 画像表示部
111 記録部

Claims (8)

  1. 画像に対してウェーブレット変換を行うウェーブレット変換部と、
    ウェーブレット変換によって得られる信号成分のうち低域成分に基づいて、前記信号成分をクラスタリングするクラスタ解析処理部と、
    クラスタ解析によって得られたクラスタごとに前記信号成分の統計的な特徴量を算出する特徴量算出部と、
    前記特徴量に応じてコアリング閾値を決定するコアリング閾値決定部と、
    前記コアリング閾値決定部にて決定されたコアリング閾値を用いてコアリング処理を行うコアリング処理部と、
    前記コアリング処理を行った信号成分に対して逆ウェーブレット変換を行う逆ウェーブレット変換部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記特徴量算出部は、前記ウェーブレット変換によって得られた前記信号成分のうち高域成分に基づいて、前記特徴量を算出する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特徴量算出部は、前記信号成分の分散値を前記特徴量として算出し、
    前記コアリング閾値決定部は、前記分散値が大きい場合に前記分散値が小さい場合より大きいコアリング閾値を決定する請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記コアリング閾値決定部は、ウェーブレット変換の単位となる信号成分が異なるクラスタに分類される場合に、前記単位に含まれる信号成分に対し、前記信号成分が同じクラスタに分類される場合より低いコアリング閾値を決定する請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記ウェーブレット変換部は、複数段階のウェーブレット変換を行い、
    前記クラスタ解析処理部は、各段階において算出された信号成分をクラスタリングし、
    前記コアリング閾値決定部は、各段階におけるコアリング閾値を決定する請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置を有する携帯電話。
  7. 画像に対してウェーブレット変換を行うステップと、
    ウェーブレット変換によって得られる信号成分のうち低域成分に基づいて、前記信号成分をクラスタリングするステップと、
    クラスタ解析によって得られたクラスタごとに前記信号成分の統計的な特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じてコアリング閾値を決定するステップと、
    前記コアリング閾値を用いてコアリング処理を行うステップと、
    前記コアリング処理を行った信号成分に対して逆ウェーブレット変換を行うステップと、
    を備える画像処理方法。
  8. 画像のノイズを低減する処理を行うためのプログラムであって、コンピュータに、
    画像に対してウェーブレット変換を行うステップと、
    ウェーブレット変換によって得られる信号成分のうち低域成分に基づいて、前記信号成分をクラスタリングするステップと、
    クラスタ解析によって得られたクラスタごとに前記信号成分の統計的な特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じてコアリング閾値を決定するステップと、
    前記コアリング閾値を用いてコアリング処理を行うステップと、
    前記コアリング処理を行った信号成分に対して逆ウェーブレット変換を行うステップと、
    を備えるプログラム。
JP2007267002A 2007-10-12 2007-10-12 画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム Pending JP2009098742A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007267002A JP2009098742A (ja) 2007-10-12 2007-10-12 画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007267002A JP2009098742A (ja) 2007-10-12 2007-10-12 画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009098742A true JP2009098742A (ja) 2009-05-07

Family

ID=40701716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007267002A Pending JP2009098742A (ja) 2007-10-12 2007-10-12 画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009098742A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013145051A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 日本電気株式会社 ノイズ除去処理システム、ノイズ除去処理回路、プログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体、記憶媒体、ノイズ除去処理方法
CN103426145A (zh) * 2012-05-23 2013-12-04 中国科学院声学研究所 一种基于多分辨分析的合成孔径声纳相干斑噪声抑制方法
WO2014042155A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 日本電気株式会社 画像処理装置及び画像処理方法
JP2018174470A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 日本放送協会 雑音除去装置及びプログラム
WO2019069543A1 (ja) * 2017-10-03 2019-04-11 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 情報処理装置及び情報処理方法
JP2019174933A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 日本放送協会 画像雑音除去装置及びプログラム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001119696A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Canon Inc 画像符号化方法及び装置
JP2003134352A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Konica Corp 画像処理方法及び装置並びにプログラム
JP2007041834A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Olympus Corp 画像処理装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001119696A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Canon Inc 画像符号化方法及び装置
JP2003134352A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Konica Corp 画像処理方法及び装置並びにプログラム
JP2007041834A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Olympus Corp 画像処理装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013145051A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 日本電気株式会社 ノイズ除去処理システム、ノイズ除去処理回路、プログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体、記憶媒体、ノイズ除去処理方法
JPWO2013145051A1 (ja) * 2012-03-28 2015-08-03 日本電気株式会社 ノイズ除去処理システム、ノイズ除去処理回路、プログラム、ノイズ除去処理方法
CN103426145A (zh) * 2012-05-23 2013-12-04 中国科学院声学研究所 一种基于多分辨分析的合成孔径声纳相干斑噪声抑制方法
WO2014042155A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 日本電気株式会社 画像処理装置及び画像処理方法
US9922401B2 (en) 2012-09-11 2018-03-20 Nec Corporation Image processing device and image processing method
JP2018174470A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 日本放送協会 雑音除去装置及びプログラム
WO2019069543A1 (ja) * 2017-10-03 2019-04-11 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 情報処理装置及び情報処理方法
JP2019174933A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 日本放送協会 画像雑音除去装置及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8279345B2 (en) System and method for random noise estimation in a sequence of images
US10168526B2 (en) Cell contour formation apparatus and method of the same, and non-transitory computer readable storage medium storing a cell contour formation program
US8107765B2 (en) Block-based image restoration system and method
CN111798396A (zh) 一种基于小波变换的多功能图像处理方法
US20080166064A1 (en) Method And Apparatus For Reducing Noise In An Image Using Wavelet Decomposition
US20080152247A1 (en) Methods and Systems for Image Noise Processing
JP5348145B2 (ja) 画像処理装置および画像処理プログラム
JP2009098742A (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム
KR101766536B1 (ko) 다중 스케일 블록 영역 검출을 이용한 영상 잡음 제거 방법 및 장치
Hossain et al. Medical image enhancement based on nonlinear technique and logarithmic transform coefficient histogram matching
JP2007316983A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及びそのプログラム
JP2000306089A (ja) 画像処理方法および装置並びに記録媒体
Shankara et al. Noise removal techniques for lung cancer CT images
TWI460667B (zh) 模糊指紋影像重建方法
JP2005318614A (ja) 入力画像中のアーチファクトを低減する方法
Abd-Elhafiez Image compression algorithm using a fast curvelet transform
Mohiddin et al. Enhancement of Mammographic Images in the DCT Compressed Domain
Paul et al. MR image enhancement using an extended neighborhood filter
KR101753365B1 (ko) Non-local means 방법을 이용한 효율적인 영상 잡음 제거 방법 및 장치
Kurt et al. Comparison of enhancement methods for mammograms with performance measures
Lashari et al. Wavelet threshold de-noising for mammogram images
Wang et al. Study of single image dehazing algorithms based on shearlet transform
Kawasaki et al. A multiscale retinex with low computational cost
Taujuddin et al. Image compression using wavelet-based thresholding technique for human visual system (HVS) improvement
Ishak et al. Comparison of denoising techniques applied on low-field MR brain images

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111220