JP2009098018A - 土壌水分計付き貫入試験器 - Google Patents

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Abstract

【課題】土層内部の土壌水分の空間分布を精度良く且つ簡便に計測することができるようにする。
【解決手段】本発明の土壌水分計付き貫入試験器は、円筒状のロッド20と、ロッド20の下端部に着脱可能に装着された円錐状の貫入コーン40と、前記ロッド20の上部外周に設けられたノッキングヘッド55と、前記ノッキングヘッド55上の前記ロッド20部分に遊挿され、前記ノッキングヘッド55上に自由落下して当該ノッキングヘッド55を打撃することにより前記貫入コーン40を地盤中に貫入させる重錘50と、前記ロッド20の下端部に着脱可能に装着されるセンサ部34を有し、前記貫入コーン40と共に地盤中に貫入されて土壌中の体積含水率を計測する土壌水分計30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤の貫入抵抗値と土壌の体積含水率を測定できる土壌水分計付き貫入試験器に関する。
豪雨の際に頻発するがけ崩れと呼ばれる表層崩壊は、家屋、人命などに多大な被害をもたらす。このことから、その発生メカニズムの解明及び発生場所の正確な予測が社会的に要請されており、そのために様々な方法が考えられている(例えば特許文献1参照)。
多くの表層崩壊は水の集まりやすい谷地形で発生する。谷地形で発生する表層崩壊は、降雨波形情報及び地形情報に基づく物理水文モデルから、発生場所や発生時刻をある程度予測することができる。
しかし、水の集中が起こりえない凸型斜面や平行斜面において発生する表層崩壊も決して少なくない。また、同じような斜面地形であっても表層崩壊が発生する場所と発生しない場所があり、表層崩壊の発生位置を正確に予測することは非常に困難である。
これに対して、表層崩壊の発生斜面を踏査した結果、崩壊斜面では岩の割れ目などからの湧水が頻繁に見つかり、このことから、集水性の高い場所で多くの表層崩壊が発生していることがわかってきている。従って、土層の内部構造、特に土層内の水の集中に関する情報、例えば斜面土壌水分の空間分布に関する情報を予め取得することができれば、表層崩壊の発生位置の予測精度を向上させることができる。
土壌水分は、例えば次の方法で計測することができる。
まず第1の方法は、土壌をサンプリングし、乾燥前後の重量を測ることにより土壌水分を計測する方法である。
第2の方法は、土壌に予め埋設した水分計によって土壌水分を計測する方法である。
しかし、これらの方法はいずれも、土壌水分の空間分解能を高めるために土壌のサンプリング場所、水分計の設置場所を増やす必要があり、手間や時間がかかる。
これに対して、第3の方法として、電気探査や地中レーダー等による非接触の土壌水分計測技術を用いる方法がある。しかし、この方法は、高価な装置を必要とする上、土壌水分以外の例えば岩石層や粘土層の特性が計測値に影響し、精度良く計測することができない。
特開2005-345110号公報
本発明が解決しようとする課題は、土層内部の土壌水分の空間分布を精度良く且つ簡便に計測することができる土壌水分計付き貫入試験器を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る土壌水分計付き貫入試験器は、
a)円筒状のロッドと、
b)前記ロッドの下端部に着脱可能に装着された円錐状のコーン部と、
c)前記ロッドの途中部外周に設けられたノッキングヘッドと、
d)前記ノッキングヘッド上の前記ロッド部分に遊挿され、前記ノッキングヘッド上に自由落下して当該ノッキングヘッドを打撃することにより前記コーン部を地盤中に貫入させる重錘と、
e)前記ロッドの下端部に着脱可能に装着され前記コーン部と共に地盤中に貫入されるセンサ部を有し土壌中の体積含水率を計測する土壌水分計と
を備えることを特徴とする。
上記土壌水分計付き貫入試験においては、
前記センサ部を、前記ロッドの下端部外周に着脱可能に装着される円筒部材と、
前記円筒部材の外周面に、その一部が露出するように螺旋状に埋め込まれた一対のステンレス製のワイヤとから構成し、
土壌水分計を、前記一対のワイヤに電磁波を伝える電磁波パルス発生装置と、前記電磁波パルス発生装置から前記一対のワイヤに伝えられた電磁波が当該一対のワイヤを往復する時間に基づき体積含水率を測定する測定部とを備えるTDR(Time Domain Reflectometry)式土壌水分計とすることができる。
また、前記ロッドは、上部ロッドと、この上部ロッドの下部に着脱可能に連結される下部ロッドと、前記上部ロッドと下部ロッドとの間に着脱可能に介挿され前記ロッド全体の長さを延長する延長ロッドとから構成すると、計測対象となる地盤の土壌の深さに応じてロッド全体を適宜の長さにすることができる。
崩壊発生斜面や緑化対象斜面においては、地盤の強度や密度、締まり具合の変化点の連続的な把握を目的として、貫入試験器を用いた地盤探査が行われる。
本発明の土壌水分計付き貫入試験器はこのような貫入試験器を用いて構成したものであり、重錘を自由落下させてノッキングヘッドに衝突させることによりコーン部と共に土壌水分計を地盤に貫入させることができる。このため、土層内部の土壌水分の空間分布を精度良く且つ簡便に計測することができる。
以下、本発明に係る土壌水分計付き貫入試験器の具体的な実施形態について図1〜図10を参照しつつ説明する。
本実施形態の土壌水分計付き貫入試験器は、ロッド20、土壌水分計30、貫入コーン40、重錘50から構成されている。
図1及び図2に示すように、ロッド20は、上部ロッド22及び下部ロッド24、これら上部ロッド22と下部ロッド24との間に介挿される延長ロッド26から構成されている。
図3に示すように土壌水分計30は電磁波パルス発生装置31,電磁波サンプリングレシーバー32からなる水分計本体33、及びセンサ部34から構成されている。前記センサ部34は下部ロッド24の下部に取り付けられている。
上部ロッド22、下部ロッド24、延長ロッド26はいずれも鋼鉄製であり、それぞれ上下に延びる貫通孔22a、24a、26aを有している。本実施形態では、上部ロッド22、下部ロッド24、延長ロッド26のそれぞれの長さ寸法を895mm、1040mm、1120mmに設定した。従って、上部ロッド22及び下部ロッド24のみを連結したときのロッド20全体の長さ寸法は1935mmになり、上部ロッド22と下部ロッド24との間に延長ロッド26を介挿したときのロッド20全体の長さ寸法は3055mmに延長される。
尚、各ロッド22,24,26の各部の長さ寸法は図面に示すとおりである。これら各ロッド22,24,26の各部の長さ寸法は適宜変更可能である。
また、複数の延長ロッド26のうちの一つ或いは複数本を上部ロッド22と下部ロッド24の間に介挿可能に構成しても良い。更に、全体の長さ寸法が異なる複数本の延長ロッド26を用意し、これらのうちの1〜数本を上下部ロッド22,24の間に介挿するようにしても良い。
前記ロッド20の外周面には、貫入コーン40の下端からの高さ寸法を示す複数の目盛線61が設けられている。また、ロッド20の外周面には複数のレンチ溝63が形成されている。
図4は上部ロッド22の全体構成を示す縦断面図(a)及び正面図(b)である。上部ロッド22の下部寄りの外周面にはノッキングヘッド65が設けられている。このノッキングヘッド65よりも上の上部ロッド22部分に取り外し可能に重錘50が遊挿されるようになっている(図2参照)。上部ロッド22の上部の外周面には環状の溝部67が形成されており、この溝部67にはCリング69が嵌め込まれている。Cリング69は、上部ロッド22の上端から重錘50を遊挿した後、前記溝部67に嵌め込まれる。これにより、前記重錘50が上部ロッド22から抜け出ることが防止される。また、溝部67からCリング69を取り外すことにより上部ロッド22から重錘50を取り出すことができる。
更に、上部ロッド22の下端部には下部ロッド24或いは延長ロッド26と連結するための連結部71が設けられている。連結部71は雄ねじ部71a及び円筒部71bから構成されている。
図5は下部ロッド24の全体構成を示す縦断面図(a)及び正面図(b)である。下部ロッド24の下部には、その他の部分よりも外径寸法が小さい装着部73が設けられている。この装着部73には前記センサ部34が装着される。装着部73の下端部にはスリット75が形成されている。
また、下部ロッド24の上下両端部には上部連結部77及び下部連結部78がそれぞれ形成されている。上部連結部77は、上部ロッド22或いは延長ロッド26に下部ロッド24を連結するためのもので、貫通孔24aに連通する雌ねじ部77a及び円筒状部77bから構成されている。雌ねじ部77a及び円筒状部77bはいずれも貫通孔24aよりも大きな内径寸法を有している。下部連結部78は貫入コーン40を下部ロッド24に連結するためのもので、貫通孔24aの内周面に形成された雌ねじから構成されている。
図6は延長ロッド26の全体構成を示す縦断面図(a)及び正面図(b)である。延長ロッド26はその上下両端部に上部連結部80及び下部連結部81が設けられている。上部連結部80は延長ロッド26と上部ロッド22とを連結するためのもので、貫通孔26aの内周面に形成され当該貫通孔26aよりも径大な雌ねじ部80a及び円筒状部80bから構成されている。下部連結部81は、延長ロッド26と下部ロッド26とを連結するためのもので、雄ねじ部81a及び円筒状部81bから構成されている。
図7は下部ロッド24の下部連結部78に連結した状態で示す貫入コーン40の正面図である。貫入コーン40は窒化処理加工が施されたステンレスから構成され、下端部に円錐状部41を、上端部に前記下部連結部78に螺合する雄ねじ部42を有している。貫入コーン40はゴムパッキン43を介して前記下部連結部78に連結される。
図8は土壌水分計30のセンサ部34の全体構成(a)及びセンサ部34と前記水分計本体33との接続部分の構成(b)並びにセンサ部34の一部拡大図(c)を示している。
センサ部34は下部ロッド24の装着部73に装着されるアクリル樹脂製の円筒体35、この円筒体35の外周面に巻き付けられた2本のステンレスワイヤ36、これらステンレスワイヤ36と水分計本体33とを接続する接続部37から構成されている。
円筒体35は紡錘形をしており、上下両端部の外径寸法はロッド20の外径寸法とほぼ同じに、中央部の外径寸法はロッド20の外径寸法よりもやや大きく設定されている。このため、ロッド20と共にセンサ部34が土壌中に貫入されるとき或いは土壌中から引き上げられるときに円筒体35が大きな抵抗になることがなく、円筒体35の破壊を極力防止できる。
また、円筒体35の中央部の外周面には2本の平行な螺旋溝38が形成されており、この螺旋溝38に前記ステンレスワイヤ36が埋め込まれている。螺旋溝38の深さ寸法は約0.5mmに設定され、ステンレスワイヤ36の直径寸法は約0.55mmに設定されている。従って、螺旋溝38に埋め込まれたステンレスワイヤ36の一部は外部に露出する(図8(c)参照)。このような構成により、土壌中に円筒体35が貫入されたときのステンレスワイヤ36と土壌との接触性が向上する。
また、円筒体35のうちステンレスワイヤ36の下端部の下部に位置する部分には、当該円筒体35の内方に突出するストッパ39が固定されている。円筒体35を装着部73に装着する際、前記ストッパ39は下部ロッド24のスリット75に挿入される。これにより、ロッド20を地盤中に出し入れする際に装着部73に沿って円筒体35が回転することが防止される。このため、ステンレスワイヤ36や信号線37a、グランド線37bの断線を防止できる。
前記接続部37はステンレスワイヤ36の下端部に接続された信号線37a及びグランド線37b及びこれら信号線37a及びグランド線37bと水分計本体33を接続する同軸ケーブル37cから構成されている。信号線37a及びグランド線37bは円筒体35の内部に配置されており、その下端部は円筒体35を貫通してステンレスワイヤ36の下端部に接続されている。また、信号線37a及びグランド線37bの上端部は前記同軸ケーブル37cに接続されている。
円筒体35はテフロン(登録商標)製パッド35aを介して下部ロッド24の装着部73に装着される。また、下部ロッド24には延長ロッド26及び上部ロッド22が連結される。このとき、信号線37a及びグランド線37bはスリット75を通して貫通孔24aに挿通される。また、同軸ケーブル37cは下部ロッド24の貫通孔24aを経て、延長ロッド26、上部22の貫通孔26a、22a内に通され、上部ロッド22の上端部から引き出される。上部ロッド22の上端部から引き出された同軸ケーブル37cの上端部は水分計本体33に接続される。
前記土壌水分計30は、一般的な土壌水分計の一つであるTDR(Time Domain Reflectometry)式土壌水分計から構成されている。2本のステンレスワイヤ36は、TDR(Time Domain Reflectometry)式土壌水分計の金属棒に相当し、電磁波パルス発生装置31から送り出された電磁波はステンレスワイヤ36に伝わり、その先端で反射されて戻ってくる。電磁波がステンレスワイヤ36を往復する時間tは、センサ部34が埋設された土壌の比誘電率をκsoil、ステンレスワイヤ36の長さをL、自由空間における電磁波の速さをcとすると次の関係式で表される。
自由空間での電磁波の速さc及びステンレスワイヤ36の長さLは一定であるため、時間tが求まれば、上記関係式から土壌の比誘電率κsoilを求めることができる。土壌水分計本体33には時間tから比誘電率κsoilを求める換算式が予め記憶されており、当該電磁波パルス発生装置31から電磁波を発生させたときの時間tから比誘電率を換算し出力する。
この場合、センサ部34毎に異なる特性による計測誤差を極力小さくするために、キャリブレーションを行う必要があるが、上記土壌水分計30においては、水と空気を用いて簡便且つ高精度のキャリブレーションを行うことができる。
具体的には、水及び空気の誘電率はそれぞれ80及び1であることから、円筒体35を水中及び空気中に配置したときの水分計本体33の出力値から、土壌中に円筒体35を埋設したときの水分計本体33の出力値を補正する。
図9及び図10は、異なる6個のセンサ部34をそれぞれロッド20に装着したとき水分計本体33の出力値及び補正後の出力値を示している。図9及び図10に示すように、補正後の出力値の方がセンサ部34間のバラツキが小さくなり、センサ部34固有の特性を除去することができる。
上記構成の土壌水分計付き貫入試験器は計測対象となる山地斜面等の地盤表面に貫入コーン40の先端を押し当てつつロッド20を鉛直方向に立てた状態で用いられる。具体的には、2kgの重錘50をノッキングヘッド55上に自由落下させノッキングヘッド55を重錘50で打撃すると、ロッド20と共に貫入コーン40が地盤中に貫入する。貫入抵抗の指標として貫入コーン40が10cm貫入する毎の打撃数(drop/10cm)を計測すれば、その地盤の土壌硬度や密度等の鉛直分布、土層の厚さ等を求めることができる。
また、貫入コーン40が地盤中に貫入されると、貫入コーン40の直ぐ上に位置する円筒体35が土壌中に埋没する。従って、この状態で電磁波パルス発生装置31から電磁波を発生させれば土壌中の比誘電率を求めることができる。
このように、本実施形態の貫入試験器は地盤の貫入抵抗値及び土壌の比誘電率の鉛直分布を同時に計測することができる。特に、貫入コーン40を10cm貫入させる毎に比誘電率を求めれば、貫入抵抗値と比誘電率とを関連づけて計測することができる。しかも、紡錘形の円筒体35の中央部にステンレスワイヤ36を巻回し、ステンレスワイヤ36と土壌との接触性を向上させたため、比誘電率を精度良く計測することができる。
次に、上述の土壌水分計付き貫入試験器を用いた計測事例について説明する。
〈計測事例1〉
図11は、ある試験地において上記実施形態の貫入試験器(以下、CPMP(Combined Penetrometer-TDR Moisture Probe)という)及び長谷川式土壌貫入計(図11中「長谷川式」と示す)を用いて貫入抵抗値(drop/10cm)の鉛直分布を計測した結果を示している。図11では異なる2地点の計測結果を並べて示している。尚、長谷川式土壌貫入計は、土壌の貫入抵抗値の計測器として従来より広く用いられているものである。
図11に示すように、両計測器による貫入抵抗値は完全に一致しないものの、鉛直分布の傾向や特徴は良好に一致した。このことから、土壌水分計を取り付けたことによる貫入抵抗値の計測への影響は小さいと考えられる。
〈計測事例2〉
図12は、滋賀県内にある異なる2箇所の試験地において上述の貫入試験器(CPMP)及び既存の土壌水分計(比較例2)を用いて土壌の比誘電率の鉛直分布を計測した結果を示している。既存の土壌水分計として、TDR(Time Domain Reflectometry)式土壌水分計(型番:CS605)を用いた。
図12に示すように、両計測器による土壌の比誘電率は完全に一致しないものの、鉛直分布の傾向や特徴は良好に一致した。このことから、上述の土壌水分計付き貫入試験器は土壌水分の鉛直分布を精度良く計測できるといえる。
〈計測事例3〉
図13は滋賀県内の試験地である山腹斜面における体積含水率と土壌深さとの関係を、図14は当該試験地における貫入抵抗値及び乾燥密度と土壌深さとの関係を示した図である。
図13中、実線はCPMPを用いて計測した土壌の比誘電率(κ)を下記の換算式に代入して求めた体積含水率(cm3/cm3)を、黒丸の点は当該試験地において採取した土壌サンプルから秤量法を用いて求めた体積含水率を示している。
また、図14中、実線はCPMPを用いて求めた貫入抵抗値を、黒三角の点は土壌サンプルの乾燥密度(g/cm3)を示している。乾燥密度は、単位体積の土壌に含まれる固体土粒子の重さであり、土壌の堅さとの間に高い相関がみられる。
図13に示すように、比誘電率から演算により求めた体積含水率と秤量法により求めた体積含水率とは概ね一致した。また、図14に示すように、CPMPにより求めた貫入抵抗値と土壌サンプルの乾燥密度との間に正の相関が見られた。以上より、CPMPを用いることにより、実際の山腹斜面において詳細な土壌水分の分布、土質構造の計測が可能であることが分かる。
〈計測事例4〉
図15は滋賀県内にある試験地においてCPMPを用いて求めた貫入抵抗値及び比誘電率の鉛直分布を示している。この計測事例では、比較的深い土壌層(5m以上)で計測を行った結果を示している。図15に示すように、深い土壌層(約5m)であっても貫入抵抗値及び比誘電率を良好に計測できる。
〈計測事例5〉
図16は、滋賀県内にある試験地においてCPMPを用いて求めた貫入抵抗値及び比誘電率の鉛直分布を示している。当該試験地には地下水が存在しており、観測井戸により実測した地下水位を図16中に実線で示す。図16から、比誘電率が急激に上昇する深さと、地下水位とが良好に一致することが分かる。このことから、本実施例の貫入試験器を用いることにより、地下水の存在や地下水位を精度良く把握することができる。
〈計測事例6〉
図17は滋賀県内にある試験地においてCPMPを用いて求めた貫入抵抗値及び比誘電率の鉛直分布を示している。図17に示すように、当該試験地では比誘電率が局所的に高い土壌層位(図17において矢印で示す)が観察されたことから、この層位には水が流れていると考えられる。このように、本実施例の貫入試験器を用いることにより、土層内の水が流れる箇所を選択的に検出することができる。
〈計測事例7〉
図18は滋賀県内にある試験地において上記CPMPを用いて求めた貫入抵抗値及び比誘電率の二次元分布を示してる。図18上部の多数の矢印は貫入抵抗値等を計測した各地点を示している。図18から、当該試験地では貫入抵抗値が深さ方向に向かってほぼ均一に変化しているのに対して、比誘電率は極めて不均一に分布していることが分かる。このように、貫入抵抗値及び比誘電率の鉛直分布を複数箇所で連続的に計測することにより、貫入抵抗値及び比誘電率の二次元分布を把握することができる。
本発明の一実施形態に係る土壌水分計付き貫入試験器のロッド(a)及び重錘(b)の全体構成を示す図。 ロッドの分解図。 土壌水分計の全体構成を示すブロック図。 上部ロッドの縦断面図(a)、正面図(b)。 下部ロッドの縦断面図(a)、正面図(b)。 延長ロッドの縦断面図(a)、正面図(b)。 下部ロッドに取り付けた状態で示す貫入コーンの正面図。 センサ部の正面図(a)、同軸ケーブル、信号線、グランド線を示す図(b)、(a)の一部を拡大して示す図(c)。 補正前の水分計本体の出力値を示す図 補正後の水分計本体の出力値を示す図 計測事例1の試験地における貫入抵抗値の鉛直分布を示す図。 計測事例2の試験地における比誘電率の鉛直分布を示す図。 計測事例3の試験地における体積含水率と土壌深さとの関係を示す図。 計測事例3の試験地における乾燥密度と貫入抵抗値との関係を示す図。 計測事例4の試験地における貫入抵抗値及び比誘電率の鉛直分布を示す図。 計測事例5の試験地における貫入抵抗値及び比誘電率と地下水位との関係を示す図。 計測事例6の試験地における貫入抵抗値及び比誘電率の鉛直分布を示す図 計測事例7の試験地における貫入抵抗値及び比誘電率のに次元分布を示す図。
符号の説明
20・・・ロッド
22・・・上部ロッド
24・・・下部ロッド
26・・・延長ロッド
30・・・土壌水分計
31・・・電磁波パルス発生装置
32・・・電磁波サンプリングレシーバー
33・・・水分計本体
34・・・センサ部
35・・・円筒体
36・・・ステンレスワイヤ
37a・・・信号線
37b・・・グランド線
38・・・螺旋溝
39・・・ストッパ
40・・・貫入コーン
41・・・円錐状部
50・・・重錘
55・・・ノッキングヘッド

Claims (4)

  1. a)円筒状のロッドと、
    b)前記ロッドの下端部に着脱可能に装着された円錐状のコーン部と、
    c)前記ロッドの途中外周に設けられたノッキングヘッドと、
    d)前記ノッキングヘッド上の前記ロッド部分に遊挿され、前記ノッキングヘッド上に自由落下して当該ノッキングヘッドを打撃することにより前記コーン部を地盤中に貫入させる重錘と、
    e)前記ロッドの下端部に着脱可能に装着され前記コーン部と共に地盤中に貫入されるセンサ部を有し土壌中の体積含水率を計測する土壌水分計と
    を備えることを特徴とする土壌水分計付き貫入試験器。
  2. 前記センサ部は、前記ロッドの下端部外周に着脱可能に装着される円筒部材と、
    前記円筒部材の外周面に、その一部が露出するように螺旋状に埋め込まれた一対のステンレス製のワイヤとから構成され、
    土壌水分計は、前記一対のワイヤに電磁波を伝える電磁波パルス発生装置と、前記電磁波パルス発生装置から前記一対のワイヤに伝えられた電磁波が当該一対のワイヤを往復する時間に基づき体積含水率を測定する測定部とを備えるTDR(Time Domain Reflectometry)式土壌水分計であることを特徴とする請求項1に記載の土壌水分計付き貫入試験器。
  3. 前記ロッド内に挿通され、前記電磁波パルス発生装置と前記ワイヤとを電気的に接続する接続ケーブルを備え、
    前記接続ケーブルの下端部は前記ロッド内の下端部において前記ワイヤに接続され、前記接続ケーブルの上端部は前記ロッドの上端部から外部に引き出されて前記電磁波パルス発生装置に接続されることを特徴とする請求項2に記載の土壌水分計付き貫入試験器。
  4. 前記ロッドは、上部ロッドと、この上部ロッドの下部に着脱可能に連結される下部ロッドと、前記上部ロッドと下部ロッドとの間に着脱可能に介挿され前記ロッド全体の長さを延長する延長ロッドとから構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌水分計付き貫入試験器。
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