JP2009096721A - 植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除方法及び該植物病虫害の防除剤 - Google Patents

植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除方法及び該植物病虫害の防除剤 Download PDF

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Abstract

【課題】環境汚染が少なく、生態系に調和した植物寄生性線虫由来の植物病虫害防除方法及び該植物病虫害の防除剤を提供する。特に、植物病虫害の防除効果の安定性、持続性および広域性に優れた、植物病虫害防除方法及び植物病虫害の防除剤を提供する。
【解決手段】植物の育成に使用する土壌にもみがら堆肥を施用する。また、植物病虫害の防除剤の有効成分として、もみがら堆肥を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物寄生性線虫が引き起こす植物病虫害を防除する方法、及びこの様な植物病虫害を防除するための資材に関する。
植物寄生性線虫の多くはほとんどの作物に寄生し、土壌線虫害や連作障害を引き起こす。連作栽培や施設栽培におけるその被害は深刻であり、農作物の安定生産に対して重大な脅威を与えている。我が国ではこれらの被害を回避するために、D−D剤や臭化メチル等の土壌燻蒸剤が使用されてきた。しかしながら、このような土壌燻蒸剤の使用に当たっては、環境破壊や生態系破壊、人体への安全性などが懸念されている。このような中、臭化メチルはオゾン層の破壊の問題で使用が禁止され、その結果、植物寄生性線虫の被害を防ぐための新たな技術の開発が強く望まれている。
一方で、人々の食の安全安心や環境保護に対する関心は急激に高まっており、化学農薬に頼らない新たな農作物栽培技術・病害虫防除技術の開発が望まれている。
このような要望に応えるべく、これまでに線虫捕捉性菌や線虫寄生性菌等の天敵微生物を利用した有害線虫の生物的防除技術の開発が盛んに試みられている。例えば、線虫に寄生するパスツーリア属(Pasteuria)細菌を用いて植物寄生性線虫による作物の被害を軽減する技術が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、この細菌は寄主特異性の高い絶対寄生菌であるが故に人工培養による大量増殖が至難である上に、線虫の種類に応じて菌の系統を使い分けないと効果が期待できないといった問題がある。また、この技術の改良技術として、パスツーリア属細菌とアミノ酸と組み合わせる方法が報告されている(特許文献1)。この方法は、パスツーリア属細菌の使用量を低減し得るものではあったが、菌の系統の使い分けについての問題は解決しておらず、さらに、アミノ酸は高価であるという問題もある。
一方、もみがら等の植物系資材、家畜糞等の動物系資材を堆肥化することは知られているが(例えば、特許文献2、3など)、このような資材が、植物寄生性線虫などによる植物病虫害の防除に有効であることは知られていない。
Phytopathology, Vol. 74, pp. 55-60, 1984 特開2001−010916号公報 特開2004−051380号公報 特開平11−225747号公報
本発明は、環境汚染が少なく、生態系に調和した植物寄生性線虫由来の植物病虫害防除方法及び該植物病虫害の防除剤を提供することを課題とする。また、本発明は植物病虫害の防除効果の安定性、持続性及び適用植物種の広域性に優れた、植物病虫害防除方法及び植物病虫害の防除剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、植物寄生性線虫を防除するのに有効な資材を探索した結果、もみがら堆肥に植物寄生性線虫を防除する作用があることを知見した。さらに、本発明者らは、もみがら堆肥とアーバシュキュラー菌根菌を組み合わせることにより、植物寄生性線虫の防除効果が飛躍的に向上することを知見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)もみがら堆肥を施用することを含む、植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除方法。
(2)さらに、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを施用することを含む、(1)に記載の方法。
(3)さらに、アーバシュキュラー菌根菌(arbuscular mycorrhizal fungi)を施用することを含む、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)もみがら堆肥は、もみがらを家畜糞と共に発酵させて製造される、(1)〜(3)の何れかに記載の方法。
(5)もみがら堆肥を含む、植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除剤。
(6)さらに、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを含む、(5)に記載の植物病虫害の防除剤。
(7)さらに、アーバシュキュラー菌根菌を含む、(5)又は(6)に記載の植物病虫害の防除剤。
(8)アーバシュキュラー菌根菌の含有量が、25〜75%(w/v)である、(7)に記載の植物病虫害の防除剤。
(9)もみがら堆肥は、もみがらを家畜糞と共に発酵させて製造される、(5)〜(8)の何れかに記載の植物病虫害の防除剤。
本発明の植物病虫害の防除方法によれば、植物寄生性線虫由来の植物病虫害を、安定的に防除できる。また、本発明の植物病虫害の防除剤は、効果の安定性に優れる上に、環境や人体に対して安全であり、さらに安価に製造できる。
本発明の植物病虫害の防除方法は、もみがら堆肥を施用することを含む。
もみがら堆肥とは、もみがらの発酵物を含有する堆肥をいう。
もみがら堆肥は、もみがらのみを発酵させたものでも良いし、もみがらともみがら以外の有機物を混合して発酵させたものでも良い。このような有機物としては、例えば、家畜糞、生ゴミ、食物残渣、汚泥、稲ワラ、麦ワラ、剪定枝、雑草、魚介類食品加工排物、農業生産物残渣等が挙げられる。中でも、家畜糞を用いることが好ましい。家畜糞としては、牛糞、豚糞、鶏糞などが挙げられる。
もみがらともみがら以外の有機物を混合して発酵させる際には、これらを未発酵の状態で混合して発酵させてもよいし、それぞれを別々に発酵させた後、得られた発酵物を混合して更に発酵させてもよいし、もみがらを発酵させた後、もみがら以外の有機物を混合して、更に発酵させてもよい。
もみがらの発酵は、常法により行うことができる。例えば、もみがらを5〜20時間程度活性汚泥水に浸漬し、水切り後、必要に応じてリグニン分解酵素、セルラーゼ、又はこれらの酵素を産生する微生物などを添加して0.5〜数ヶ月程度発酵を行えばよい。
また、もみがら以外の有機物を混合する際にも、有機物の種類に応じて、常法により添加酵素や発酵時間を調節すればよい。
もみがら堆肥の製造に用いる全資材におけるもみがらの量は、乾燥状態を基準にして、好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上である。
特に、もみがらを発酵させた後、家畜糞を混合して更に発酵させる場合のもみがらの発酵物と家畜糞の体積比は、好ましくは1:10〜5:1、さらに好ましくは1:5〜2:1である。
もみがら堆肥には、市販されているものもあるので、これを用いることもできる。例えば、(株)アイオム製の「花サプリ」(商品名)が好ましく挙げられる。
もみがら堆肥の施用量や施用方法は、土壌の状態、育成する植物種に応じて適宜調節することができる。例えば、下記時期に、下記施用量及び及び施用方法でもみがら堆肥を施用することが好ましい。
(i)播種時処理
培養土10Lあたり、もみがら堆肥200〜500mlを均一に混合する。セル苗トレー又は播種箱に作製した培養土をつめ、播種する。
(ii)苗の仮植時処理
培養土10Lあたり、もみがら堆肥200〜500mlを均一に混合する。仮植用のポットに作製した培養土をつめ、苗を仮植する。
(iii)苗の定植時の本圃処理
本圃10aあたり100〜1000Lを土壌に混和処理し、苗を定植する。
本発明の植物病虫害の防除方法は、さらに、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを施用することを含むことが好ましい。
珪砂は、市販されているものを用いることができ、例えば、北日本産業(株)製の「ファインサンド」(商品名)が挙げられる。
珪藻土は、市販されているものを用いることができ、例えば、和光純薬工業(株)製のケイソウド(商品名)が挙げられる。
珪砂及び珪藻土の少なくとも一つは、もみがら堆肥と予め混合しておいて施用することもできるし、もみがら堆肥とは別々に施用することもできる。施用の時期及び施用方法は、もみがら堆肥のそれと同じとすることが好ましい。
本発明の植物病虫害の防除方法は、さらに、アーバシュキュラー菌根菌(arbuscular mycorrhizal fungi)を施用することを含むことが好ましい。
アーバシュキュラー菌根菌としては、グロムス属、ギガスポラ属、スカテロスポラ属、アカウロスポラ属、エントロフォスポラ属、スクレロシスティス属などに属する菌が好ましく挙げられる。
中でもグロムス属又はギガスポラ属に属する菌が好ましい。グロムス属に属する菌としては、グロムス モセアエ、グロムス ファスキュレータム、グロムス エツニケータム、グロムス ベルシフォルメ、グロムス イントララデシス、グロムス カレドニウム、グロムス マニフォルティスなどが挙げられるが、グロムス sp.を用いることもできる。ギガスポラ属に属する菌としては、ギガスポラ マルガリータ、ギガスポラ アルビーダ、ギガスポラ ラミスポロフォラ、ギガスポラ ギガンティアなどが挙げられる。
本発明においては、グロムス sp.R10(ATCC74311)が特に好ましく用いられる。グロムス sp.R10は、American Type Culture Collection (ATCC)に登録されている菌株である。
アーバシュキュラー菌根菌は、もみがら堆肥と予め混合しておいて施用することもできるし、もみがら堆肥とは別々に施用することもできる。施用の時期及び施用方法は、もみがら堆肥のそれと同じとすることが好ましい。
本発明の植物病虫害の防除方法は、植物寄生性線虫に対する抗線虫活性を有する微生物をさらに施用することを含んでいてもよい。植物寄生性線虫に対する抗線虫活性を有する微生物としては、パストリア属、グリオクラディウム属、タラロマイセス属、ケトミウム属、アゾスピリラム属、バチルス属、パエニバチルス属などに属する菌が挙げられる。パストリア属に属する菌としては、パストリア・ペネトランスが、グリオクラディウム属に属する菌としては、グリオクラディウム・ビレンスが、タラロマイセス属に属する菌としては、タラロマイセス・フラバスが、ケトミウム属に属する菌としては、ケトミウム・ア
ウレウムが、アゾスピリラム属に属する菌としては、アゾスピリラム・ブラジレンスが、バチルス属に属する菌としては、バチルス・サブチルス、バチルス・チューリンゲンシス、バチルス・パミルス、バチルス・クラウジ、バチルス・コアギュランスが、パエニバチルス属に属する菌としては、パエニバチルス・マセランス、パエニバチルス・ポリミキサが好ましく挙げられる。
また、これらの菌の使用量は、菌の種類によって決定できるが、通常は、もみがら堆肥1gあたりの菌数で、1.0×104〜1.0×1012 CFUの範囲が好ましい。それぞれの菌の使用量は、具体的には以下のようにすることが好ましい。
パストリア属
好ましくは1.0×107〜1.0×1010 CFU、さらに好ましくは1.0×108〜1.0×109 CFU
グリオクラディウム属
好ましくは1.0×105〜1.0×109 CFU、さらに好ましくは1.0×106〜1.0×108 CFU
タラロマイセス属
好ましくは1.0×106〜1.0×1010 CFU、さらに好ましくは1.0×107〜1.0×109 CFU
ケトミウム属
好ましくは1.0×106〜1.0×1010 CFU、さらに好ましくは1.0×107〜1.0×109 CFU
アゾスピリラム属
好ましくは1.0×104〜1.0×107 CFU、さらに好ましくは1.0×105〜1.0×106 CFU
バチルス属
粒剤の菌数:好ましくは1.0×106〜1.0×1010 CFU、さらに好ましくは1.0×107〜1.0×109 CFU
水和剤の菌数:好ましくは1.0×1010〜1.0×1012 CFU、さらに好ましくは5.0×1010〜5.0×1011 CFU
パエニバチルス属
粒剤の菌数:好ましくは1.0×106〜1.0×1010 CFU、さらに好ましくは1.0×107〜1.0×109 CFU
水和剤の菌数:好ましくは1.0×1010〜1.0×1012 CFU、さらに好ましくは5.0×1010〜5.0×1011 CFU
これらの微生物は、もみがら堆肥に混合して施用することもできるし、もみがら堆肥とは別に施用することもできる。施用の時期及び施用方法は、もみがら堆肥のそれと同じとすることが好ましい。
本発明の植物病虫害の防除方法は、植物寄生性線虫由来の植物病虫害を防除するために使用される。
植物寄生性線虫としては、例えば、以下の線虫が挙げられる。
(1)ネコブセンチュウ
サツマイモネコブセンチュウ、ジャワネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ、リンゴネコブセンチュウ等
(2)ネグサレセンチュウ
キタネグサレセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウ、ムギネグサレセンチュウ等
(3)シストセンチュウ
ダイズシストセンチュウ、ジャガイモシストセンチュウ、イネシストセンチュウ等
(4)ネモグリセンチュウ
ミカンネモグリセンチュウ、イネネモグリセンチュウ等
(5)フクロセンチュウ
ミカンネセンチュウ、ニセフクロセンチュウ等
(6)ピンセンチュウ
(7)イモグサレセンチュウ
本発明の植物病虫害の防除剤は、もみがら堆肥を含むことを特徴とする。
もみがら堆肥は、上述した態様のものを使用することができる。
また、本発明の植物病虫害の防除剤は、さらに、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを含むことが好ましい。珪砂及び珪藻土の少なくとも一つの含有量は、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは、1〜10質量%である。
また、本発明の植物病虫害の防除剤は、さらにアーバシュキュラー菌根菌を含むことが好ましい。アーバシュキュラー菌根菌の含有量は、好ましくは25〜75%(w/v)、さらに好ましくは40〜60%(w/v)である。
また、本発明の植物病虫害の防除剤は、さらに、上述したような植物寄生性線虫に対する抗線虫活性を有する微生物を含んでいてもよい。
また、その他通常有機肥料又は土壌改良剤の成分として用いられる添加剤を含んでいてもよい。
この様な添加剤として、例えば、窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム等が挙げられる。
本発明の植物病虫害の防除剤は、もみがら堆肥、好ましくはアーバシュキュラー菌根菌、必要に応じて任意成分を混合撹拌することにより製造することができる。
<1>植物病虫害の防除剤の製造例
[A]製造例1(もみがら堆肥)
もみがら300Lを活性汚泥処理水(酵素液)に12時間浸漬した。水切り後、こめぬか3Lとモミラーゼ(商品名)300g(製造元:(株)アイオム)を加え1〜2日通気しながら攪拌後、1日に一回切り返しをしながら3週間発酵し、植物病虫害の防除剤とした。
[B]製造例2(家畜糞混合もみがら堆肥)
製造例1で得たもみがら発酵物と牛糞を体積比1:1で混合し、1週間に一回切り返しをしながら3ヶ月発酵し、家畜糞混合もみがら堆肥を製造し、植物病虫害の防除剤とした。
[C]製造例3(アーバシュキュラー菌根菌入りもみがら堆肥)
製造例1で得たもみがら堆肥15Lと15kgのアーバシュキュラー菌根菌(商品名:バイオポンプ−P、出光興産(株)製)とをコンクリートミキサーに入れ、4分間撹拌混合し、アーバシュキュラー菌根菌入りもみがら堆肥を製造し、植物病虫害の防除剤とした。
<2>もみがら堆肥の施用試験
以下の各試験区について、ベールマン法を用いた下記方法により、土壌中の植物寄生性線虫を計数した。
植物寄生性線虫数の計数方法は以下の通りである。
ベールマン装置((株)藤原製作所製)を組み立てた。すなわち、直径9cmのベールマンロートにビニールチューブを取り付け、先端に小型試験管を取り付けた。ベールマン装置のロートのふちまでを脱イオン水を注いだ。二重にしたキムワイプを、直径7cm、
深さ1.5cm、開口1mmのベールマン篩2つではさみ、土壌をのせた。サンプルを載せたベールマン篩を水を満たしたベールマン装置にのせ、室温で線虫を抽出した。抽出後、ベールマン装置から小型試験管を取り外し、上清をパスツールピペットで除いた。底に沈殿している植物寄生性線虫を、プランクトン計数板(松浪硝子工業(株)製)にのせ、顕微鏡下(×40)で計数した(参考図書:線虫学実験法、日本線虫学会編、2004)。
[A]試験区及び試験方法
(1)比較例1
出光興産(株)中央研究所内の圃場の5ヶ所の表層下20cmより黒ぼく土壌を採取し、均一に混合後、20gをベールマン篩にのせて平らにし、ベールマン装置で3日間線虫を抽出した。なお、黒ぼく土壌20gは35mlであった。3反復で試験を行い、植物寄生性線虫数を計数した。
(2)比較例2
ベールマン篩にもみがら12.5mlをのせて平らにし、その上に上記と同様にして得た黒ぼく土壌10gを平らに乗せた。ベールマン装置で3日間線虫を抽出した。3反復で試験を行い、植物寄生性線虫数を計数した。
(3)比較例3
上記と同様にして得た黒ぼく土壌10gと、もみがら12.5mlを均一に混合し、ベールマン篩にのせて平らにした。ベールマン装置で3日間線虫を抽出した。3反復で試験を行い、植物寄生性線虫数を計数した。
(4)実施例1
ベールマン篩に製造例1の植物病虫害の防除剤(もみがら堆肥)12.5mlをのせて平らにし、その上に上記と同様にして得た黒ぼく土壌10gを平らに乗せた。ベールマン装置で3日間線虫を抽出した。3反復で試験を行い、植物寄生性線虫数を計数した。
(5)実施例2
上記と同様にして得た黒ぼく土壌10gと、製造例1の植物病虫害の防除剤12.5mlを均一に混合し、ベールマン篩にのせて平らにした。ベールマン装置で3日間線虫を抽出した。3反復で試験を行い、植物寄生性線虫数を計数した。
[B]結果
植物寄生性線虫としてサツマイモネコブセンチュウ(以下、「ネコブセンチュウ」とよぶ。)が観察された。各試験区におけるネコブセンチュウの数を表1に示す。なお、比較例2、3、実施例1、2については、10gの黒ぼく土壌当たりのネコブセンチュウ数を、20gの黒ぼく土壌当たりのネコブセンチュウ数に換算し、併記した。
Figure 2009096721
比較例1の試験区でネコブセンチュウが平均421頭抽出された。これより、この圃場はネコブセンチュウ自然汚染圃場であることがわかる。比較例2および比較例3の試験区でも、比較例1の試験区とほぼ同等のネコブセンチュウが抽出された。これより、もみがらには植物寄生性線虫の防除能が無いことが分かった。
一方、実施例1の試験区では、20gの黒ぼく土壌当たりのネコブセンチュウ数に換算して、平均3頭のネコブセンチュウしか抽出されず、実施例2の試験区でも平均17頭のネコブセンチュウしか抽出されなかった。これより、もみがら堆肥には植物寄生性線虫の防除能があることが分かった。
<3>線虫由来の植物病虫害の防除試験−I
以下の各試験区について、トマト(品種:強力米寿)の育成に用いる土壌にネコブセンチュウを灌注し、トマトの病虫害の発生状態を観察し、もみがら堆肥又はこれとアーバシュキュラー菌根菌を施用した場合の植物病虫害の防除効果を評価した。
灌注するネコブセンチュウは、以下の方法により得た。
ネコブセンチュウで汚染されたトマト(品種:強力米寿)の根を掘り上げ、根を0.5質量%のフロキシンB(和光純薬工業(株)製)で染色した。赤く染色された卵塊のみをピンセットであつめ、ベールマン篩に乗せ、これをベールマン装置に乗せてネコブセンチュウを抽出した。
[A]試験区及び試験方法
(1)比較例4、参考例
上記と同様にして得た黒ぼく土壌を、121℃で60分滅菌し、翌日もう一度121℃で60分滅菌した。128穴セルトレーに滅菌黒ぼく土壌をつめ、トマト(品種:強力米寿)を播種した。4葉期まで育苗した後、滅菌黒ぼく土壌を2Lつめた1/5,000aワーグネルポットに滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。上記方法で抽出したネコブセンチュウ5,000頭を100mlの脱イオン水に懸濁してネコブセンチュウ懸濁液を作製し、1ポット当たり、ネコブセンチュウ懸濁液100mlを灌注した(比較例4)。ネコブセンチュウの灌注は実験室内で行った。また、参考のために、1ポット当たり、脱イオン水100mlを灌注した(参考例)。試験は3反復で行った。灌注処理後のポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(2)比較例5
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに、500gのアーバシュキュラー菌根菌(商品名:バイオポンプ−P、出光興産(株)製)を加え均一に混合した。128穴セルトレーにアーバシュキュラー菌根菌入り滅菌黒ぼく土壌をつめ、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。アーバシュキュラー菌根菌入り滅菌黒ぼく土壌を1/5,000aワーグネルポットに2Lつめ、アーバシュキュラー菌根菌入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。上記と同様にネコブセンチュウ懸濁液を灌注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを灌注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(3)比較例6
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに、500mlのもみがらを加え均一に混合した。もみがら入り滅菌黒ぼく土を1/5,000aワーグネルポットに2Lつめ、滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。上記と同様にネコブセンチュウ懸濁液を灌注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを灌注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(4)実施例3
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに、500mlの製造例1の植物病虫害の防除剤(もみがら堆肥)を加え均一に混合した。もみがら堆肥入り滅菌黒ぼく土を1/5,000aワーグネルポットに2Lつめ、滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。上記と同様にネコブセンチュウ懸濁液を灌注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを灌注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(5)実施例4
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに、500gのアーバシュキュラー菌根菌を加え均一に混合した。128穴セルトレーにアーバシュキュラー菌根菌入り滅菌黒ぼく土壌をつめ、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。続いて、滅菌黒ぼく土壌10Lに500mlの製造例1のもみがら堆肥および500gのアーバシュキュラー菌根菌を加え均一に混合した。この滅菌黒ぼく土壌を1/5,000aワーグネルポットに2Lつめ、アーバシュキュラー菌根菌入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。上記と同様にネコブセンチュウ懸濁液を灌注した。試験は3反復で行
った。ネコブセンチュウを灌注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(6)実施例5
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに、750gの製造例3のアーバシュキュラー菌根菌入りもみがら堆肥を加え均一に混合した。128穴セルトレーにアーバシュキュラー菌根菌入りもみがら堆肥を加えた滅菌黒ぼく土壌をつめ、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。滅菌黒ぼく土壌10Lに、750gの上記アーバシュキュラー菌根菌入りもみがら堆肥を加え均一に混合した。この滅菌黒ぼく土壌を1/5,000aワーグネルポットに2Lつめ、アーバシュキュラー菌根菌入りもみがら堆肥で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。上記と同様にネコブセンチュウ懸濁液を灌注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを灌注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
[B]結果
60日間育苗したトマトの苗を掘り出し、丁寧に水洗し、下記の基準により根こぶ程度を判定し、根こぶ指数を算出した(線中学実験法、日本線虫学会編、2004参照)。本試験においては、「根こぶ程度」の判定は以下の5段階で行った。
(根こぶ程度)
0:こぶがみとめられない。
1:主根の末端にのみ、こぶが認められる。
2:主根の末端と、側根の半分未満に、こぶが認められる。
3:主根の末端と、側根の半分以上に、こぶが認められる。
4:主根と、側根の半分以上に、こぶが認められる。
根こぶ指数は、以下の式(1)により算出した。
根こぶ指数=Σ(根こぶ程度×当該株数)/調査株数×4 ・・・(1)
また、比較例5、6及び実施例3〜5の各試験区について、比較例4に対するネコブセンチュウの防除価(%)を以下の式(2)により算出した。
Figure 2009096721
結果を表2に示す。
Figure 2009096721
苗の移植時に、もみがら堆肥を約5体積%施用した実施例3の試験区では、防除価が54.1%であり、実際に植物において、植物寄生性線虫由来の植物病虫害を防除できるこ
とが分かった。さらに、アーバシュキュラー菌根菌のみを施用した比較例5では防除価が0%であったのに対し、苗の移植後に、もみがら堆肥とアーバシュキュラー菌根菌を組み合わせて施用した実施例4の試験区では防除価が81.1%であった。これより、苗の移植時にもみがら堆肥とアーバシュキュラー菌根菌を組み合わせて施用することにより、もみがら堆肥の植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除能が飛躍的に向上することが分かった。
さらに、アーバシュキュラー菌根菌入りもみがら堆肥を用いた実施例5の試験区では防除価が91.9%であった。これより、予めアーバシュキュラー菌根菌ともみがら堆肥を混合しておくことにより、もみがら堆肥の植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除能がさらに向上することが分かった。
<4>線虫由来の植物病虫害の防除試験−II
以下の各試験区について、トマト(品種:強力米寿)の育成に用いる土壌にネコブセンチュウを灌注し、トマトの病虫害の発生状態を観察し、もみがら堆肥と珪砂又は珪藻土を施用した場合の植物病虫害の防除効果を評価した。ネコブセンチュウは、<3>の方法に従って抽出した。
[A]試験区及び試験方法
(1)比較例7
上記と同様にして得た黒ぼく土壌を、121℃で60分間滅菌し、翌日もう一度121℃で60分間滅菌した。得られた滅菌黒ぼく土壌を128穴セルトレーに詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種した。4葉期まで育苗した後、滅菌黒ぼく土を2Lつめた1/5000aワーグネルポットにトマト苗を1本移植した。上記方法で抽出したネコブセンチュウ5,000頭を100mlの脱イオン水に懸濁してネコブセンチュウ懸濁液を作製し、1ポット当たり、ネコブセンチュウの懸濁液100mlを潅注した。ネコブセンチュウの潅注は実験室内で行った。試験は3反復で行った。潅注処理後のポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(2)比較例8
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに50gの珪砂(商品名:ファインサンド、北日本産業(株)製)を加え均一に混合した。128穴セルトレーに珪砂入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。珪砂入り滅菌黒ぼく土壌を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、珪砂入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(3)比較例9
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに50gの珪藻土(商品名:ケイソウド、和光純薬工業(株)製)を加え均一に混合した。128穴セルトレーに珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(4)実施例6
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに500mlの製造例1のもみがら堆肥を加え均一に混合した。128穴セルトレーにもみがら堆肥入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。もみがら堆肥入り滅菌黒ぼく土壌
を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、製造例1のもみがら堆肥入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(5)実施例7
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに450mlの製造例1のもみがら堆肥および50gの珪砂(商品名:ファインサンド、北日本産業(株)製品)を加え均一に混合した。128穴セルトレーにもみがら堆肥および珪砂入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。もみがら堆肥および珪砂入り滅菌黒ぼく土壌を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、もみがら堆肥および珪砂入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(6)実施例8
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに450mlの製造例1のもみがら堆肥および50gの珪藻土(商品名:ケイソウド、和光純薬工業(株)製品)を加え均一に混合した。128穴セルトレーにもみがら堆肥および珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。もみがら堆肥および珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、もみがら堆肥および珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(7)実施例9
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに400mlの製造例1のもみがら堆肥、50gの珪砂(商品名:ファインサンド、北日本産業(株)製品)、および50gの珪藻土(商品名:ケイソウド、和光純薬工業(株)製品)を加え均一に混合した。128穴セルトレーにもみがら堆肥、珪砂および珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。もみがら堆肥、珪砂および珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、もみがら堆肥、珪砂および珪藻土入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
[B]結果
<3>[B]と同様に根こぶ指数を算出した。また、比較例8、9、及び実施例6〜9の各試験区について、比較例7に対するネコブセンチュウの防除価(%)を以下の式(3)により算出した。
Figure 2009096721
結果を表3に示す。
Figure 2009096721
もみがら堆肥(製造例1)を施用した実施例6の試験区では、防除価が50.0%であり、実際に植物において植物寄生性線虫由来の植物病虫害を防除できることが分かった。
さらに、珪砂及び珪藻土をそれぞれ施用した試験区では防除価が7.5%であったのに対し、もみがら堆肥と、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを組み合わせて施用した実施例7〜9の試験区では防除価が67.5%であった。これより、もみがら堆肥と、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを組み合わせて施用することにより、もみがら堆肥の植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除能が向上することが分かった。
<5>線虫由来の植物病虫害の防除試験−III
以下の各試験区について、トマト(品種:強力米寿)の育成に用いる土壌にネコブセンチュウを灌注し、トマトの病虫害の発生状態を観察し、家畜糞混合もみがら堆肥を施用した場合の植物病虫害の防除効果を評価した。ネコブセンチュウは、<3>の方法に従って抽出した。
[A]試験区および試験方法
(1)比較例10
上記と同様にして得た黒ぼく土壌を、121℃で60分間滅菌し、翌日もう一度121℃で60分間滅菌した。得られた滅菌黒ぼく土壌を128穴セルトレーに詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種した。4葉期まで育苗した後、滅菌黒ぼく土を2Lつめた1/5000aワーグネルポットにトマト苗を1本移植した。上記方法で抽出したネコブセンチュウ10,000頭を100mlの脱イオン水に懸濁してネコブセンチュウ懸濁液を作製し、1ポット当たり、ネコブセンチュウの懸濁液100mlを潅注した。ネコブセンチュウの潅注は実験室内で行った。試験は3反復で行った。潅注処理後のポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(2)比較例11
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに250mlの牛糞堆肥を加え均一に混合した。128穴セルトレーに牛糞堆肥入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。牛糞堆肥入り滅菌黒ぼく土壌を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、牛糞堆肥入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
(3)実施例10
上記と同様にして得た滅菌黒ぼく土壌10Lに500mlの製造例2の家畜糞混合もみがら堆肥を加え均一に混合した。128穴セルトレーに家畜糞混合もみがら堆肥入り滅菌黒ぼく土壌を詰め、トマト(品種:強力米寿)を播種し、4葉期まで育苗した。家畜糞混合もみがら堆肥入り滅菌黒ぼく土壌を1/5000aワーグネルポットに2Lつめ、家畜糞混合もみがら堆肥入り滅菌黒ぼく土壌で育苗した4葉期トマト苗を1本移植した。(1)と同様にネコブセンチュウ懸濁液を潅注した。試験は3反復で行った。ネコブセンチュウを潅注したポットは翌日温室に移動し、60日間育苗した。
[B]結果
<5>[B]と同様に根こぶ指数を算出した。また、比較例11及び実施例10の各試験区について、比較例10に対するネコブセンチュウの防除価(%)を以下の式(4)により算出した。
Figure 2009096721
結果を表4に示す。
Figure 2009096721
家畜糞混合もみがら堆肥を約5体積%施用した実施例10の試験区では防除価が67.5%であり、実際に植物において植物寄生性線虫由来の植物病虫害を防除できることが分かった。その効果は、牛糞堆肥のみを施用した比較例11の防除価25.0%より十分高い値を示した。

Claims (9)

  1. もみがら堆肥を施用することを含む、植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除方法。
  2. さらに、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを施用することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、アーバシュキュラー菌根菌(arbuscular mycorrhizal fungi)を施用することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. もみがら堆肥は、もみがらを家畜糞と共に発酵させて製造される、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. もみがら堆肥を含む、植物寄生性線虫由来の植物病虫害の防除剤。
  6. さらに、珪砂及び珪藻土の少なくとも一つを含む、請求項5に記載の植物病虫害の防除剤。
  7. さらに、アーバシュキュラー菌根菌を含む、請求項5又は6に記載の植物病虫害の防除剤。
  8. アーバシュキュラー菌根菌の含有量が、25〜75%(w/v)である、請求項7に記載の植物病虫害の防除剤。
  9. もみがら堆肥は、もみがらを家畜糞と共に発酵させて製造される、請求項5〜8の何れか一項に記載の植物病虫害の防除剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010119825A1 (ja) 2009-04-13 2010-10-21 日本曹達株式会社 環状シラン化合物および/または環状カルボシラン化合物の製造方法
CN102726461A (zh) * 2012-06-18 2012-10-17 湖南人文科技学院 一种利用紫苏提取物减轻潜根线虫对水稻危害的方法
AU2012101627B4 (en) * 2012-10-31 2013-08-01 Lovegrove Turf Services Composition and methods for the control of soil-borne invertebrate pests and diseases
CN105646011A (zh) * 2016-01-11 2016-06-08 济南康众医药科技开发有限公司 五灵脂的新用途

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