JP2009096689A - セメント組成物 - Google Patents

セメント組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2009096689A
JP2009096689A JP2007271622A JP2007271622A JP2009096689A JP 2009096689 A JP2009096689 A JP 2009096689A JP 2007271622 A JP2007271622 A JP 2007271622A JP 2007271622 A JP2007271622 A JP 2007271622A JP 2009096689 A JP2009096689 A JP 2009096689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
zinc
weight
parts
cement composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007271622A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kawamata
孝治 川俣
Tatsuya Okamura
達也 岡村
Shukuji Asakura
祝治 朝倉
Takaaki Nagai
崇昭 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama TLO Co Ltd
Original Assignee
Yokohama TLO Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama TLO Co Ltd filed Critical Yokohama TLO Co Ltd
Priority to JP2007271622A priority Critical patent/JP2009096689A/ja
Publication of JP2009096689A publication Critical patent/JP2009096689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/20Resistance against chemical, physical or biological attack
    • C04B2111/26Corrosion of reinforcement resistance

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】 コンクリート構造物の鉄筋、鋼構造物の防食に好適なセメント組成物を提供する。
【解決手段】 セメント、炭素粒子、亜鉛粒子、およびセメントの水和反応時の亜鉛とセメントとの反応による水素発生を抑制する水素発生抑制物質を含有するセメント組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンクリート構造物中の鉄筋等の鋼材の電気防食に関し、特にコンクリート構造物の補修等に好適なセメント組成物に関するものである。
コンクリート構造物中の鉄筋等の鋼材は、コンクリート中のアルカリ性環境では通常は腐食は進行しない。しかし、沿岸部に位置するコンクリート構造物や凍結防止用に散布された塩化カルシウム、食塩等のハロゲン化物を含有した水に接触する構造物においては、ハロゲン化物がコンクリート中に浸入して、鉄筋の腐食が生じることがある。
鉄筋が腐食すると、生成した鉄の水酸化物等によって体積が膨脹して、周囲のコンクリートに応力が作用してコンクリートのひび割れが生じる。コンクリートに生じたひび割れによって、さらに海水等のハロゲン化物を含有した水が浸入して鉄筋の腐食が進行することがあった。コンクリート構造物の鉄筋の腐食が進行するとコンクリート片となって落下する等の重大な問題が生じる危険性がある。コンクリート中の鉄筋、鋼構造物の鋼材の腐食を防止してコンクリートあるいは鋼構造物の性能を長期にわたり維持することが不可欠である。
コンクリート構造物において、鉄筋等の腐食が進行してコンクリートのひび割れが生じたり、あるいは鋼材との間に浮きが生じた場合には、該当箇所を取り除き、重量比で60〜95%という大量の金属粉を含有したセメント組成物からなる防食材を充填して、亜鉛粉末等の金属粉末を犠牲陽極として鋼材の防食を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、大量の金属粉末の混合は、セメント組成物の質量を大きくするので、施工部分が限定されたり、構造物の強度上の問題が発生する可能性があった。
そこで、本出願人は、セメント組成物中に、炭素粒子を混合することによって、亜鉛含有量を少なくしても同様の防食性能が得られるセメント組成物を提案している(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、亜鉛粉末を含有したセメント組成物をコンクリート構造物の補修に使用した場合に、コンクリート構造物中の鉄筋等の付着性が悪化したり、あるいは補修箇所のひび割れ、膨れ等によって長期にわたり充分な性能が保持できないこともあった。
特開平6−345512号公報 特開2005−146319号公報
本発明は、コンクリート構造物中の鉄筋、あるいは鋼材等を防食する犠牲陽極として作用する亜鉛を含有したセメント組成物において、基材のコンクリート、鉄筋あるいは鋼材等への付着性が良好で、長期にわたり電気防食作用を維持し、またコンクリート構造物の特性の保持が可能なセメント組成物を提供することを課題とするものである。
本発明は、セメント、炭素粒子、亜鉛粒子、およびセメントの水和反応時の亜鉛とセメントとの反応による水素発生を抑制する水素発生抑制物質を含有するセメント組成物である。
水素発生抑制物質が、亜硝酸塩類、硝酸塩類からなる群から選ばれる少なくも一種の塩である前記のセメント組成物である。
また、亜硝酸塩、硝酸塩が、リチウム塩である前記のセメント組成物である。
乾燥質量で、組成物中100重量部に対して、セメント20〜60重量部、炭素粒子10〜30重量部、亜鉛粒子20〜50重量部、細骨材10〜30重量部を含有し、更に亜鉛粒子100重量部に対して亜硝酸リチウムまたは硝酸リチウムを5〜10重量部を含有する前記のセメント組成物である。
本発明のセメント組成物は、コンクリート構造物中の鉄筋、鉄骨等を防食電位に保持するために配合した亜鉛粒子が、セメントの水和反応時の反応によって起こる水素発生反応を抑制することが可能となるので、施工したモルタルが硬化する前に水素発生によって膨張することがなく、亜鉛粒子を含有したモルタルとコンクリート中の鉄筋、鋼構造物との付着性が良好なものとなり、防食特性が良好なセメント組成物を提供することができる。
従来の防食用の亜鉛粒子を含有したセメント組成物にあっては、施工したモルタルが膨張してモルタル充填箇所の鋼材やコンクリートと密着しないという現象が生じたり、壁面や天井部では基材面との充分な接合強度が保持できないことが生じることがあった。
これは、亜鉛粒子を配合したセメント組成物は、水和反応時の強アルカリ性環境下において含有した亜鉛粒子が溶解反応を起こして水素発生をし、発生した水素によって接合強度が不充分なものとなることが原因であることを見出したものである。
モルタルを薄膜状に施工した場合には水素発生による影響はそれほど大きくはないが、モルタルをコンクリート構造物等の穴に充填した場合には、硬化する前に発生した水素に起因して膨張が生じて、気泡を多く含んだ強度が充分ではない硬化物が形成される。また、壁面や天井部に施工した場合には、硬化前に発生した水素によって施工したモルタルと基材との間に空間が生じて長期間の経過の後には落下、剥離等の可能性あった。
亜鉛粒子を含有した各種のセメント組成物について検討したところ、アルミナの含有量が20質量%以上であるような急硬性セメントの場合には、水と混練した当初は水素発生は全くないか、あるいは水素の発生量はごくわずかであって、しばらく経過して水素の発生が始まるので、コンクリート構造物の補修等の目的では、アルミナの含有率が高い急硬性セメントを使用することも一つの解決方法である。しかしながら、アルミナの含有量が20質量%以上である急硬性セメントは、急硬性である故に施工条件が制限される場合もあった。
これに対して本発明は、一般的な普通ポルトランドセメントを使用した場合でも亜鉛粒子の水和反応時の水素発生反応による膨張を防止することが可能なセメント組成物を提供すべく鋭意検討した結果、モルタルの施工直後におけるセメントの水和反応時において亜鉛粒子との反応による水素発生反応を抑制する物質を添加し、セメントが硬化する際の水素発生による強度低下あるいは膨張等が生じることを防止したものである。
本発明のセメント組成物は、亜鉛粒子を含有したセメントの水和反応時のアルカリ性環境下における亜鉛とセメントとの反応による水素発生を、水素発生抑制物質を配合することによって抑制したものである。
水素発生抑制物質としては、亜鉛をアルカリ性環境下において酸化する酸化剤として作用する物質を挙げることができる。特に好適な酸化剤としては、亜硝酸塩、硝酸塩を挙げることができる。
酸化剤として配合した亜硝酸塩、硝酸塩による亜鉛の酸化反応は、亜鉛による水の還元反応、すなわち水素発生反応と競合して水素発生を抑制するものと考えられる。また、硝酸イオンは、亜鉛によって亜硝酸イオンに還元され、更に、亜硝酸イオンは亜鉛によって、アンモニウムイオンあるいはアンモニアに還元される。水和反応中のコンクリート内部のアルカリ性の水中においては、アンモニアおよびアンモニウムイオンはその平衡定数から明かなように、アンモニウムイオンの数千倍の濃度でアンモニアとして存在しており、一部はコンクリート中に含まれた水中にアンモニアとして溶存している。
また、水中の溶解量を超えたアンモニア、および水和反応の進行、あるいは乾燥等による水分の減少に伴って溶存できなくなったアンモニアは、コンクリートから徐々に放出されるものと考えられる。
その結果、本発明のように亜鉛を含有したモルタルは、施工直後には水素発生反応が抑制される結果、膨張等を起こすことがなくなるものと考えられる。
本発明の亜鉛粒子を含有したセメント組成物の防食作用は、配合した亜鉛粒子がアノードとして作用してコンクリート構造物中の鉄筋等の鋼構造物の電位を鉄の腐食反応が生じない卑な電位に保持することによって鋼構造物の腐食を防止するものである。
このように亜鉛粒子を配合したセメント組成物中に、酸化剤として作用する亜硝酸塩、硝酸塩等を配合すると、亜鉛粒子による防食作用を阻害するので、亜鉛粒子を配合したセメント組成物において酸化剤である亜硝酸塩、硝酸塩を配合することは亜鉛による防食作用を得ようとする場合には相反することである。
一方、亜硝酸塩のうち、亜硝酸リチウムを含有したセメント組成物は、リチウム成分によるアルカリ骨材反応の抑制機能とともに、亜硝酸イオンによる鋼構造物の表面への不導態化膜の形成による鋼構造物の防食機能を有していることが知られている。
このように亜硝酸イオンによる防食作用は、酸化剤によって鋼構造物の表面に鉄化合物の不導体酸化膜を形成するものであって、本発明の亜鉛粒子を含有したセメント組成物による鉄の電位を卑な防食電位に保持する防食機構とはその機構が異なるだけではなく、それぞれの防食機構が相反するものである故に、亜鉛粒子による防食反応を利用するセメント組成物に酸化剤である亜硝酸塩を配合することは、当業者の技術的な常識に反するものであり、当業者といえども全く予期し得ないものであった。
本発明の亜鉛粒子および亜鉛粒子を酸化する酸化剤を配合したセメント組成物に使用することが可能なセメントとしては、一般的な普通ポルトランドセメントを含めて各種のセメントに広く適用することができる。また、新規に施工する場合はもちろん、コンクリートの補修用に広く利用することができ、鋼製の支柱構造物の地際補修剤としても有効である。
また、本発明のセメント組成物は、セメントをそのまま使用しても良いが、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等の混和材を配合して硬化特性等をはじめとするセメントの特性を調整することができる。高炉スラグ微粉末およびフライアッシュは、セメント混和材として一般に使用されているものを用いることができる。これらの混和材は、内割で50質量%までの量を含有することができる。
本発明のセメント組成物において、亜鉛粒子の配合量は、20質量%ないし50質量%とすることができ、炭素粒子の配合量は、10質量%ないし30質量%とすることが好ましく、亜鉛粒子と炭素粒子の合計配合量は、60質量%以下であることが好ましい。
亜鉛粒子の配合量が多くなると防食対象に対して与える防食電位の面では好ましい結果が得られるが、硬化後のセメント組成物の質量増加、強度の低下等の問題がある。また、炭素粒子の配合量の増加は、電子伝導性の増大に寄与するが、亜鉛粒子の場合と同様に、硬化後のセメント組成物の強度に影響を及ぼすので、これらの配合量は、セメント組成物の硬化後に要求される強度、防食対象に与える防食電位等を考慮して決定することが好ましい。
亜鉛粒子としては、砂状亜鉛、粉末状亜鉛を使用することができ、炭素粒子としては、黒鉛、あるいは導電性が大きなカーボンブラックを用いることができる。
また、本発明のセメント組成物中には、細骨材を配合してもよい。本発明において細骨材は、JIS A0203のコンクリート用語で定義されているものを意味し、10mm網ふるいを全部通り、5mm網ふるいを質量で85%以上が通る骨材である。
細骨材としては、ケイ砂すなわち砂、あるいは砕石、石灰石、高炉スラグ等の粉砕物を挙げることができる。これらの細骨材は一般的な骨材としての機能のみではなく、細骨材を配合しないものに比べて電気導電性が良好なものとなり、また防食特性の面でも充分な防食電位を得ることができる。
このように導電性を有さないケイ砂等の細骨材の配合によって、これらを配合しないものに比べて電気導電性が良好なものとなる理由は不明であるが、細骨材によって硬化物中に微細な空隙が生じ、混練に使用した水が空隙中に保持されて導電性が向上するものと考えられる。細骨材の配合量は、10質量%〜30質量%とすることが好ましい。
本発明のセメント組成物中の亜鉛の水和反応時の水素発生を抑制する物質としては、セメントの水和反応、硬化後のセメントに悪影響を及ぼすことがない酸化剤を挙げることができる。また、セメントの水和反応時に形成されるアルカリ性環境下で亜鉛を酸化し、セメントの硬化反応、コンクリート、あるいはコンクリート中の鋼構造物に悪影響を与えない各種の酸化剤を用いることができ、各種の酸素酸塩を挙げることができる。
これらのなかでも、亜硝酸塩、硝酸塩が好ましい。亜硝酸塩、硝酸塩はアルカリ性の環境での亜鉛との反応性が良好であり、最終的な反応生成物はアンモニウムイオンおよびアンモニアであって、コンクリート構造物に対して悪影響を及ぼすことはない。
また、酸素酸塩を構成する各種の金属成分としては、水溶性が良好なリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属を挙げることができる。しかしながら、ナトリウムは、使用する骨材の種類によってはアルカリ骨材膨張を引き起こす可能性があるので配合する骨材の種類によっては使用することができない。またカルシウムは硬化反応を促進するので使用条件、あるいは配合量が制限を受けるので、亜鉛粒子の水素発生を抑制するのに好適な量を配合することが困難となる場合がある。
これに対して、リチウムは、アルカリ骨材膨張の抑制効果を有しているので好ましい。リチウム塩の酸素酸塩として亜硝酸リチウム、硝酸リチウムを用いる場合には、いずれか一種、あるいは両者を含むものを用いることができる。
亜硝酸リチウムまたは硝酸リチウムは、組成物中の亜鉛粒子100重量部に対して5〜10重量部を配合することが好ましく、両者を混合して用いる場合にも合計量が亜鉛粒子100重量部に対して5〜10重量部とすることが好ましい。
亜硝酸リチウム、硝酸リチウムは、粉末の所定量を配合しても良いが、セメントの混練時に水溶液の形態で配合して組成物を形成しても良い。
以上の各成分の配合割合は好ましくは、乾燥質量で、組成物中100重量部に対して、セメント20〜60重量部、炭素粒子10〜30重量部、亜鉛粒子20〜50重量部、細骨材10〜30重量部を含有し、更に亜鉛粒子100重量部に対して亜硝酸リチウムまたは硝酸リチウムを5〜10重量部を含有するものが好ましい。
以下に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
セメント:亜鉛粒子:黒鉛粉末:細骨材:水=30g:33g:20g:17g:30gの配合量で、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント製)、亜鉛粒子(東邦亜鉛工業製 AN−200)、黒鉛粉末(日本黒鉛工業製 NP1)、細骨材(硅砂5号)を基本組成1として配合し、亜鉛粒子に対する亜硝酸リチウムの配合比を変化させた組成物を調製した。
亜硝酸リチウムは、リフレα40(住友大阪セメント製 亜硝酸リチウム40質量%、硝酸リチウム5質量%)水溶液を配合した。そして、配合する亜硝酸リチウムの水溶液として導入される水の量に応じて、加える水の量が基本組成1の量となるように調製した。
次いで調製した組成物を混練して図1に示すように、アクリル樹脂製の透明容器1に、混練物2を充填して試料1−1ないし試料1−9を作製し、25℃の水を満たした恒温槽3に浸漬して浸漬後に発生する気体の時間に対する変化量を流量計4(コフロック社製)によって測定し、気体が発生するまでの時間を水素発生抑制時間として表1に示した。
また、充分な水素発生抑制時間が示され試料1−5ないし試料1−7については、強度試験方法JIS−R5201に基づき、40mm×40mm×160mmの試験体1−5ないし試験体1−7を作製して、24時間の養生を行った後に脱型し、28日間、20℃水中養生した後に、圧縮強度を測定し、その結果を表1に示す。
Figure 2009096689
以上の測定結果から、亜硝酸リチウムの所定量を配合した組成物にあっては、モルタルを形成した時点からセメントの水和反応の初期段階での亜鉛粒子のモルタル中でのアルカリとの反応による水素発生を抑制することができ、強度においても充分なものが得られることが確認できた。
比較例1
実施例1における試料1−1について実施例1と同様の条件で水素の発生量の時間に対する変化量を測定し、その結果を図2に示す。
実施例2
実施例1において、亜硝酸リチウムの配合量を亜鉛100重量部に対して6.1重量部である組成の組成物を図3に示すように、電位測定用の試験体5を3個作製した。試験体5は、直径19mmの棒鋼6を、調製した組成物7によって直径50mm、高さ50mmの円柱状に被覆し、棒鋼の底面はエポキシ樹脂で被覆し、セメント組成物の上部15mmが液体中に浸漬されるように、試験槽8内の3質量%食塩水9中に浸漬した。
参照電極10として、飽和塩化カリウム銀塩化銀電極を用いて、塩橋11で試験槽8と接続して電位差計12によって、3個の試験体A、B,Cの鋼材の電位変化を測定した。
測定結果を図4に示す。試験期間中の電位は充分卑な防食電位に維持できた。また、浸漬液中に露出した部分の鋼材の腐食状況を確認したところ、いずれの試験体にも錆の発生はなかった。
実施例3
セメント:亜鉛粒子:黒鉛粉末:細骨材:水=30g:20g:20g:30g:30gの配合量で、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント製)、亜鉛粒子(東邦亜鉛工業製 AN−200)、黒鉛粉末(日本黒鉛工業製 NP1)、細骨材(硅砂5号)を基本組成2として配合し、亜鉛粒子に対する亜硝酸リチウムの配合比を変化させた組成物を調製した。
亜硝酸リチウムは、リフレα40(住友大阪セメント製 亜硝酸リチウム40質量%、硝酸リチウム5質量%)水溶液を配合した。そして、亜硝酸リチウム水溶液として導入される水の量に応じて、配合する水の量が基本組成2の量となるように調製した。
次いで調製した組成物を混練して実施例1と同様にして、試料1−1ないし試料2−9を作製し、25℃の水を満たした恒温槽3に浸漬して浸漬後に発生する気体の時間に対する変化量を流量計3(コフロック社製)によって測定し、気体が発生するまでの時間を水素発生抑制時間として表2に示す。
Figure 2009096689
以上の測定結果から、亜鉛粒子の配合比が異なる組成物においても、亜鉛粒子の酸化剤として作用する亜硝酸リチウムの所定量を配合した組成物にあっては、モルタルを形成した時点からセメントの水和反応の初期段階での亜鉛粒子のモルタル中でのアルカリによる水素発生を抑制することが確認できた。
実施例4
亜硝酸リチウムの純物質は試薬として販売されておらず入手することができないのが現状である。そこで、純物質の入手が容易な亜硝酸ナトリウムと硝酸ナトリウムのそれぞれを、亜鉛粒子を含有したセメント組成物に配合した以下の試験を行って亜硝酸塩および硝酸塩がともに、亜鉛粒子のセメントの水和反応時における水素発生反応を抑制するとともに、亜鉛粒子による防食性能を発揮することを確認した。
実施例1で用いた基本組成1において、リフレα40(住友大阪セメント製 亜硝酸リチウム40質量%、硝酸リチウム5質量%)水溶液に代えて、亜硝酸ナトリウムを亜鉛粒子100重量部に対して6.1重量部を配合し、試料1−5と同様に発生気体の量を測定したところ、実施例1における試料1−5の水素発生抑制時間である10.8時間後では、気体の発生は始まらなかった。
また、同様に、実施例3で用いた基本組成2において、リフレα40(住友大阪セメント製 亜硝酸リチウム40質量%、硝酸リチウム5質量%)水溶液に代えて、硝酸ナトリウムを、亜鉛粒子100重量部に対して6重量部を配合して試料2−5と同様に発生気体の量を測定したところ、試料2−5の水発生抑制時間である5.5時間後では、気体の発生は始まらなかった。
また、調製した亜硝酸ナトリウムおよび硝酸ナトリウムを含有したそれぞれの組成物から実施例2と同様にして、試験体を調製して電位を測定したところ、20日の経過後も飽和銀塩化銀電極に対して−920mVの電位を示した。
本発明のセメント組成物は、コンクリート構造物中の鉄筋、鋼構造物の防食材として好適であり、特に施工後には水素の発生に起因する膨張がないので、防食対象の鉄筋、鋼材等との付着性が良好であり、また、壁面、天井面等のような個所に施工した場合にも充分な強度を有するものを得ることができる。
図1は、セメント組成物から発生する水素の量を測定する装置を説明する図である。 図2は、セメント組成物から発生する水素の量の変化を説明する図である。 図3は、本発明のセメント組成物を適用した試験体の電位変化の測定方法を説明する図である。 図4は、本発明のセメント組成物を適用した試験体の電位変化の測定結果を説明する図である。
符号の説明
1…透明容器、2…混練物、3…恒温槽、4…流量計、5…試験体、6…棒鋼、7…調製した組成物、8…試験槽、9…食塩水、10…参照電極、11…塩橋、12…電位差計

Claims (4)

  1. セメント、炭素粒子、亜鉛粒子、およびセメントの水和反応時の亜鉛とセメントとの反応による水素発生を抑制する水素発生抑制物質を含有することを特徴とするセメント組成物。
  2. 水素発生抑制物質が、亜硝酸塩類、硝酸塩類からなる群から選ばれる少なくも一種の塩であることを特徴とする請求項1記載のセメント組成物。
  3. 亜硝酸塩、硝酸塩が、リチウム塩であることを特徴とする請求項2記載のセメント組成物。
  4. 乾燥質量で、組成物中100重量部に対して、セメント20〜60重量部、炭素粒子10〜30重量部、亜鉛粒子20〜50重量部、細骨材10〜30重量部を含有し、更に亜鉛粒子100重量部に対して亜硝酸リチウムまたは硝酸リチウムを5〜10重量部を含有することを特徴とする請求項3記載のセメント組成物。
JP2007271622A 2007-10-18 2007-10-18 セメント組成物 Pending JP2009096689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007271622A JP2009096689A (ja) 2007-10-18 2007-10-18 セメント組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007271622A JP2009096689A (ja) 2007-10-18 2007-10-18 セメント組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009096689A true JP2009096689A (ja) 2009-05-07

Family

ID=40700036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007271622A Pending JP2009096689A (ja) 2007-10-18 2007-10-18 セメント組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009096689A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115611558A (zh) * 2022-09-13 2023-01-17 安徽师范大学 一种立体生态混凝土制备方法及在黑臭水体治理中的应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4847527A (ja) * 1971-10-20 1973-07-06
JP2005146319A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Yokohama Tlo Co Ltd セメント系組成物
JP2006273604A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 防錆剤組成物およびその防錆処理方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4847527A (ja) * 1971-10-20 1973-07-06
JP2005146319A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Yokohama Tlo Co Ltd セメント系組成物
JP2006273604A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 防錆剤組成物およびその防錆処理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115611558A (zh) * 2022-09-13 2023-01-17 安徽师范大学 一种立体生态混凝土制备方法及在黑臭水体治理中的应用
CN115611558B (zh) * 2022-09-13 2023-08-22 安徽师范大学 一种立体生态混凝土制备方法及在黑臭水体治理中的应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gowripalan et al. Chloride-ion induced corrosion of galvanized and ordinary steel reinforcement in high-performance concrete
Song et al. Influence of Chemistry of Chloride Ions in Cement Matrix on Corrosion of Steel.
JPS5883071A (ja) 建造物ユニツトに於ける鉄筋、緊張線材などの防蝕法
Agboola et al. A review on corrosion in concrete structure: inhibiting admixtures and their compatibility in concrete
Ben et al. Chloride erosion resistance of calcium formate incorporated cement mortar under chloride attack
Kiran et al. Effect of nano cementitious composites on corrosion resistance and residual bond strength of concrete
Tang et al. Electrochemical behavior of steel bars in magnesium phosphate cement
JP5259094B6 (ja) 鉄筋を有する耐中性化に優れた水和硬化体
JP2006248792A (ja) 軽量導電性セメント組成物及び当該導電性セメント組成物を用いた電気防食用保護材
JP4796424B2 (ja) 耐中性化性および耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体およびその製造方法
Sadawy Effect of Al2O3 additives on the corrosion and electrochemical behavior of steel embedded in ordinary Portland cement concrete
JP2009096689A (ja) セメント組成物
JP4827585B2 (ja) 耐中性化性および耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体
JP4708264B2 (ja) セメント組成物
US4705569A (en) Hydraulic material composition
JP2017206418A (ja) Pcグラウト及びpcグラウト注入工法
JP2009227475A (ja) セメント組成物
Aperador Chaparro et al. Corrosion behavior of steel bar embedded in alkali-activated slag concrete subjected to carbonation and chloride attack
JP4796419B2 (ja) 耐中性化性および耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体およびその製造方法
JP4827580B2 (ja) 耐中性化性および耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体
JP4791231B2 (ja) 耐中性化性および耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体およびその製造方法
JP4882257B2 (ja) 耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体
JP6397721B2 (ja) 注入用グラウト組成物及び鋼材の腐食抑制方法
Kupwade-Patil et al. Selected studies of the durability of fly-ash-based geopolymer concretes
JP4882258B2 (ja) 耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20101006

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111208

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20111228

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120420