JP2009096118A - 複層パーティクルボードの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面層用配合材料に対して、温度や圧力が伝達され難いという問題がある中間層用配合材料の密度を高めた強度の高い複層パーティクルボードの製造方法を提供する。
【解決手段】 複層パーティクルボードの表裏の表面を形成する表面層用配合材料と、複層パーティクルボードの中間層を形成する中間層用配合材料とを、それぞれ個別に、独立の一体材料としての取扱い可能状態に予備加熱圧縮成形し、予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とをそれぞれ仕上げ加熱圧縮成形に適する含水率と減容率と材料温度に調整した後、これらを3層配置して仕上げ加熱圧縮成形を実施する。
【選択図】 図1
【解決手段】 複層パーティクルボードの表裏の表面を形成する表面層用配合材料と、複層パーティクルボードの中間層を形成する中間層用配合材料とを、それぞれ個別に、独立の一体材料としての取扱い可能状態に予備加熱圧縮成形し、予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とをそれぞれ仕上げ加熱圧縮成形に適する含水率と減容率と材料温度に調整した後、これらを3層配置して仕上げ加熱圧縮成形を実施する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、家具材料や建築材料として利用されている複層パーティクルボードの製造方法に関する。より具体的には、複層パーティクルボードの製造プロセスを構成する一連の製造工程中に、パーティクルボードの各層部分を個別に成形する予備加熱圧縮成形工程を加えたことを特徴とする複層パーティクルボードの製造方法に関する。
パーティクルボードには、木質のチップを主体とする原材料物質を均一に撹拌混合してなる1種類の配合材料のみからなる単層パーティクルボードもあるが、単層パーティクルボードは、単層であることにより、多様な要求特性にバランスよく対応することができないため、用途が限定的となる。したがって、汎用のパーティクルボードの主流は、表面部と内部とで意図的に特性が異なるように構成される複層パーティクルボードである。
パーティクルボードに対する要求特性としては、曲げ剛性、捩れ剛性、圧縮耐力、非吸水性、寸法安定性、加工性、表面外観、表面高度、釘やもくねじの保持性、耐火性、ホルムアルデヒド等の有害物質の非放散性、耐候性、断熱性、吸音性、着火した際の難燃性等を例示することができる。このように、パーティクルボードに対する要求特性は実に多種多様であり、複層パーティクルボードは、特性が異なる表面部の表面層と内部の中間層との相乗効果による全体特性とによって、これらの多様な要求特性をバランスよく達成するように工夫されたものである。このため、複層パーティクルボードにおいては、表裏の表面層を形成するための表面層用配合材料と、中間層を形成するための中間層用配合材料とで異なる原材料を異なる割合で配合したものが使用される。そして、複層パーティクルボードが、所期の性能を発揮するためには、表面層用配合材料と中間層用配合材料とが互いに混ざり合うことなく層状態を維持して存在することが必要となる。また、いずれも原材料の配合は、木質のチップを主体として適切な含水率下において撹拌手段によって行われる。木質チップに添加物を付着させた状態とするためである。
従来、上記のような3層構造を実現するために必要とされる表面層用配合材料と中間層用配合材料との積層配置は、下記、特許文献に例示されるように、これらの配合材料が加熱圧縮成形される以前のフレーク状の粉粒体の状態において実施されている。
特開平6−297417号公報
特開2001−310311公報
上記、特許文献に示される方式を概念的に説明すると、搬送コンベヤの上方に表面層用配合材料を排出するホッパと、中間層用配合材料を排出するホッパと、さらに、表面層用配合材料を排出するホッパとを順に配置し、各ホッパからそれぞれ配合材料を排出しながら搬送コンベヤを運転する。この結果、最初のホッパから表面層用配合材料の排出を受けた搬送コンベヤのベルト面が、次順位のホッパを通過することによって、先に受け取った表面層用配合材料の上に中間層用配合材料が積層され、この時点で2層状態が実現される。次いで、搬送コンベヤのベルト面が最後のホッパを通過することによって、2層状態となった配合材料上にさらに表面層用配合材料が積層されて、配合材料の3層配置が完了する。そして、このように3層配置したものを各社独自の工夫によってこの状態を維持しながら加熱圧縮成形し、複層パーティクルボードが得られるのである。
上記、従来の複層パーティクルボードの製造方法においては、いくつかの問題点が指摘されている。
主な問題のひとつには、3層に積層配置した配合材料を加熱圧縮成形するに際して、表裏の表面層用配合材料の密度に対して中間層用配合材料の密度が上がらない、つまり、中間層用配合材料が締まらないために、表裏方向からの引っ張り応力またはこのような応力を含む応力に対して中間層部分から剥離するように簡単に断裂してしまうというパーティクルボードに特有の問題がある。この問題は、粉粒体を例えば熱圧板で上下方向から挟むように圧縮する場合においては、熱圧板に近接する部分には熱と上下方向の圧力がそのまま作用するが、熱圧板から離れた部分においては、熱および上下方向の圧力が多方向に分散されて伝達されるためである。したがって、3層に配置したフレーク状の粉粒体をそのまま加熱圧縮成形する従来の方法においては、避けることができない根本的な問題である。パーティクルボードの厚みは、段階的に規格化されているが、特に、板厚の厚いパーティクルボードの製造においてこの問題性が顕著に現われる。
また、他の問題としては、加熱圧縮成形に過分の時間を要するため、生産効率を一定限度以上に改善することができないという問題がある。この問題は、生産コストを切り下げることができないという商業上の問題のほか、次のようないくつかの問題を派生させている。
例えば、生産効率を向上させるために加熱圧縮成形時間を単純に短縮した場合は、蒸気爆発現象が発生する。この現象は、加熱圧縮されているフレーク状の配合材料に含まれる水分が、圧力から開放された瞬間に一気に蒸気化し、圧縮された配合材料を膨張させてしまう現象であり、これによってパーティクルボードの商品性は失われる。この問題は、加熱温度を下げたり配合材料の含水率を下げたりすることである程度まで緩和することができるが、加熱温度を下げると配合材料に含まれる接着剤等の熱反応等に支障をきたすこととなり、また、配合材料の含水率を下げると木質チップに必要な添加剤が付着しなくなるため配合材料の調整段階に支障をきたすこととなる。したがって、現時点では、加熱圧縮成形に一定の時間をかけて蒸気が逃げるのを待つという消極的な対策を採らざるを得ないのである。
上記のように、加熱圧縮成形は、ある程度まとまった時間を要する工程であるため、多段プレス装置等を用い、3層配置したフレーク状の配合材料を多数枚分多段に重ねてのバッジ処理方式によって行われる。そして、この際に必要な多段プレス装置の作動ストロークは、1枚分の圧縮に必要な作動ストロークに同時にバッジ処理する枚数を乗算した作動ストロークとなるため、処理枚数に対する装置規模が過大になってしまう、換言すれば、大掛かりな装置に見合う枚数を同時に処理することができないという問題もあった。この問題が解決されるならば、複層パーティクルボードの生産効率を相当に改善することが可能である。具体的に例えば、1枚分の圧縮に必要な作動ストロークを半減させることができれば、同じ装置で従来の2倍の枚数を同一時間内に処理することができることとなるからである。
本発明は、中間層用配合材料が締まらない、つまり、中間層用配合材料の密度が表面層用配合材料の密度に対して低密度であるため全体強度を高めることが困難であるという複層パーティクルボードの根本的問題を解決することを主な課題とし、併せて、複層パーティクルボードの製造工程を構成する各工程の高能率化および加熱圧縮成形工程に使用するプレス装置の小型化等を実現することができる複層パーティクルボードの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採用する。
本発明の請求項1に記載の複層パーティクルボードの製造方法は、パーティクルボードの表裏両面にそれぞれ表面層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である表面層用配合材料と、パーティクルボードの内部に中間層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である中間層用配合材料とを、表面層用配合材料−中間層用配合材料−表面層用配合材料の順に3層に積層配置し、3層に積層配置した配合材料を所定の温度条件と圧力条件と時間条件下において加熱圧縮成形する加熱圧縮成形工程を経て、表裏の表面層と中間層とで意図的に特性が異なるように成形される複層パーティクルボードの製造方法において、中間層用配合材料を、予め、独立の一体材料としての取扱い可能状態に予備加熱圧縮成形し、予備加熱圧縮成形を経た中間層用配合材料をフレーク状の粉粒体である表面層用配合材料によって表裏両面から挟み込んで3層に積層配置した後、仕上げ加熱圧縮成形することを特徴とする。
上記請求項1に記載の複層パーティクルボードの製造方法においては、従来製法に対して、3層に積層配置する以前の中間層用配合材料に対する予備加熱圧縮成形工程を有することが特徴となる。この際の予備加熱圧縮成形の程度は、中間層用配合材料が独立の一体材料としての取扱い可能性を有するに至る程度を限度として実施される。予備加熱圧縮成形を経た中間層用配合材料は、予備加熱圧縮成形において加えられる熱と圧力の限度において減容されるとともに、独立していることにより、表面層用配合材料とは別個に、例えば、含水率を蒸気爆発を誘発させない低い値に自由に調整することができる他、仕上げ加熱圧縮成形に有利な温度雰囲気内に備蓄しておくこともできる。予備加熱圧縮成形を経た中間層用配合材料は、次いで、フレーク状の粉粒体である表面層用配合材料によって表裏両面から挟み込んで3層に積層配置されて仕上げ加熱圧縮成形される。仕上げ加熱圧縮成形は、従来法により多数枚ごとのバッジ処理方式で実施されるのであるが、中間層用配合材料が予備加熱圧縮成形によってある程度にまで減容していることにより、多数枚を重ねたときの嵩だかが小さいため、熱圧プレス装置の装置規模を小型化することができるとともに、含水率や材料温度を中間層用配合材料として理想的な値に調整することができるため、蒸気爆発を発生させることなく短時間で仕上げ加熱圧縮成形を終了することができる。そして、この段階で、予備加熱圧縮成形を加えることによる全体処理時間の増加が相殺されるのである。
本発明の請求項2に記載の複層パーティクルボードの製造方法は、パーティクルボードの表裏両面にそれぞれ表面層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である表面層用配合材料と、パーティクルボードの内部に中間層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である中間層用配合材料とを、表面層用配合材料−中間層用配合材料−表面層用配合材料の順に3層に積層配置し、3層に積層配置した配合材料を所定の温度条件と圧力条件と時間条件下において加熱圧縮成形する加熱圧縮成形工程を経て、表裏の表面層と中間層とで意図的に特性が異なるように成形される複層パーティクルボードの製造方法において、表面層用配合材料と中間層用配合材料とを、それぞれ個別に、独立の一体材料としての取扱い可能状態に予備加熱圧縮成形し、予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とを3層に積層配置して仕上げ加熱圧縮成形することを特徴とする。
上記請求項2に記載の複層パーティクルボードの製造方法は、請求項1に記載の複層パーティクルボードの製造方法をさらに発展させ、中間層用配合材料に対してのみならず、表面層用配合材料に対しても予備加熱圧縮成形を実施するものである。この結果、表面層用配合材料と中間層用配合材料の材料温度や含水率、および減容率をそれぞれ独立して仕上げ加熱圧縮成形する上で理想的な値に追い込むことができるので、極めて高品質な複層パーティクルボードを得ることができるとともに、表面層用配合材料、中間層用配合材料ともにマット状に一体化しているため、仕上げ加熱圧縮成形に要する時間のみならず、3層に積層配置するのに要する時間も大幅に短縮されるので、予備加熱圧縮成形工程を加えてもなお、全体処理時間を短縮することが可能となる。
本発明の請求項3に記載の複層パーティクルボードの製造方法は、予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とのうち、中間層用配合材料に対して含水率を低下させるための乾燥処理をした後、これらを3層に積層配置して仕上げ加熱圧縮成形することによって、表裏の表面層用配合材料から発生した蒸気を中間層用配合材料に吸収させることを特徴とする。
上記請求項3に記載の複層パーティクルボードの製造方法は、請求項2に記載の複層パーティクルボードの製造方法をより発展させたものであり、中間層用配合材料を仕上げ加熱圧縮成形において発生する蒸気の吸収材料として利用する趣旨である。すなわち、中間層用配合材料の含水率を意図的に過少に設定し、表面層用配合材料から発生した蒸気を吸収させることによって適正な含水率とするのである。これによって、蒸気が外部に逃げるのを待つ待ち時間が短縮されるので、仕上げ加熱圧縮成形に要する時間をより短くすることができる。
本発明の請求項4に記載の複層パーティクルボードの製造方法は、予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とを3層に積層配置する際に、中間層用配合材料と、その表裏に配置される表面層用配合材料との間に接着促進材料をミスト状に噴霧することを特徴とする。
上記請求項4に記載の複層パーティクルボードの製造方法は、表面層用配合材料および中間層用配合材料に対する予備加熱圧縮成形の程度をより高めるための方法である。すなわち、予備加熱圧縮成形を高程度に実施した場合、有利な面もある反面で仕上げ加熱圧縮成形において3層に積層配置した表面層用配合材料と中間層用配合材料とが一体化し難くなるという問題が発生する。そこで、予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料を3層に積層配置する際に、これらの間に接着促進材料をミスト状に噴霧することによってこの問題を効果的に押さえ込むことができるのである。なお、接着促進材料は、複層パーティクルボードの種類によってことなり、例えば、水溶性の接着剤を添加物として含む複層パーティクルボードの場合は、単なる水で足り、熱可塑性樹脂である場合は、同樹脂の溶液等である。
本発明は、複層パーティクルボードの製造において、従来、その表裏の表面層を形成する表面層用配合材料と中間層を形成する中間層用配合材料とをフレーク状の粉粒体の状態において3層に積層配置していた方法に代えて、少なくとも表面層用配合材料を、または表面層用配合材料と中間層用配合材料とを、予め独立の一体物として取り扱うことができる程度まで予備加熱圧縮成形することによって、3層に積層配置するのに必要とされる時間の大幅な短縮を実現することができるとともに、表面層用配合材料および中間層用配合材料ごとに独立して、含水率や減容率および材料温度を仕上げ加熱圧縮成形に最適である値に追い込むことができるので、熱や圧力が伝達され難い中間層用配合材料の密度上昇不足や蒸気爆発を伴うことなく、仕上げ加熱圧縮成形工程の所要時間を短縮することができる。この結果、全体強度の高い高品質の複層パーティクルボードを高能率で製造することができる。
以下、図面を引用しながら本発明の複層パーティクルボードの製造方法の実施の形態例を説明する。なお、以下の説明において、表面層用配合材料M1と中間層用配合材料M2とを特に区別しないときは、単に「配合材料M」という。
本発明の複層パーティクルボードの製造方法は、パーティクルボードの製造プロセス中に、表面層用配合材料M1と中間層用配合材料M2とに対して、それぞれ個別に実施する予備加熱圧縮成形工程(S4)を含むことが特徴である(図1)。なお、同図は、複層パーティクルボード50の製造における主要な製造プロセスの流れを示している。
表面層用配合材料M1は、複層パーティクルボード50において(図10参照)、表裏両面にそれぞれ表面層51,51を形成することとなる材料であり、中間層用配合材料M2は、内部に中間層52を形成することとなる材料である。
粉砕工程(S1)は、間伐材等からパーティクルボードの主要原材料となる木質チップを作製する工程である。この工程は、従来より使用されている破砕機を使用することで足りる。
選別工程(S2)は、破砕機を経てチップ化された材料を表面層用配合材料M1として適するものと、中間層用配合材料M2として適するものとに選別する工程である。選別手段としては、送風による風選およびメッシュによるふるい分け選別を単独使用または併用することができる。いずれの方法による場合も、選別対象の性質上、厳密な選別は必要とされない。また、木質チップの材料として木質の廃材を利用する場合には、磁選手段を併用して金属性の異物を除去する工程を加えることが好ましい。チップ化された材料は、本工程によって、表面層用チップと中間層用チップとに分別される。
配合混練工程(S3)は、表面層用チップと中間層用チップとに、それぞれ、共通の添加物と固有の添加物を配合して混練する工程であり、混合釜を使用したバッチ処理方式で実施され、本工程を経ることによって、固有の配合組成を有する表面層用配合材料M1と中間層用配合材料M2とが得られる。なお、添加物の選択や配合割合、特に接着剤の種類は、パーティクルボードの用途によって異なるのであるが、次に説明する本発明の予備加熱圧縮成形工程(S4)は、いずれの用途の配合材料Mにも適用することができる。
予備加熱圧縮成形工程(S4)は、終局的には完成される複層パーティクルボードの品質を向上させるとともに、これ以後の製造プロセスの容易化と省力化を目的として実施する本発明に特有の工程であり、具体的には、上記工程で得られた表面層用配合材料M1と中間層用配合材料M2とを3層に積層配置する前の段階において、フレーク状の粉粒体であるそれぞれの配合材料Mを独立の一体材料としての取扱い可能状態に至るまで予備的に加熱圧縮成形することを内容とする。
上記予備加熱圧縮成形工程(S4)は、次の例のように実施することができる。
(例1)この方法は、表面層用配合材料M1および中間層用配合材料M2を1枚毎に処理する方法である(図2ないし図4)。この方法においては、プレス装置10と、成形枠20と、シート板30を使用する。
(例1)この方法は、表面層用配合材料M1および中間層用配合材料M2を1枚毎に処理する方法である(図2ないし図4)。この方法においては、プレス装置10と、成形枠20と、シート板30を使用する。
シート板30は、例えば、ステンレス板の表面にフッ素樹脂加工等の付着防止処理したものである。成形枠20は、金属製の角枠であり、シート板30の上に載せるように組み合わされる(図2)。シート板30と成形枠20との組合せは、多数組み準備し、図示しない予熱箱に収納して予熱しておくことができる。プレス装置10は、いずれもヒータを内蔵する下固定台12と、下固定台12に対して上下動自在に設ける上押圧板11を備える。この上押圧板11のサイズは、成形枠20の内法寸法相当に設定されている(図2,図3)。
シート板30と成形枠20の組合せは、順次に図示しない予熱箱から引き出され、その成形枠20内に表面層用配合材料M1または中間層用配合材料M2が均等な厚みに展開配置されるように供給される。なお、表面層用配合材料M1用の成形枠20と中間層用配合材料M2用の成形枠20とでは、成形枠20の厚みTが異なるが、配合材料Mの供給量は、いずれも成形枠20の厚みTによって規制することができる(図2)。
プレス装置10の下固定台12には、図示しない位置決めガイドが設けられており、所定量の配合材料Mを収納した成形枠20は、シート板30を介してプレス装置10の下固定台12上に位置決めされる。次いで、上押圧板11が作動し、成形枠20内の配合材料Mは、シート板30ごと所定の圧力で所定時間加圧される。この際の温度条件等は、仕上げ加熱圧縮成形工程(S6)における反応余地および状態変化余地を残すものでなければならない。したがって、配合材料Mを一体物として取り扱うことが可能となる最小限度で実施される。
プレス処理後、成形枠20を除去するとシート板30上に、いわば途中まで状態変化した配合材料Mが残る(図4)。この配合材料Mは、後工程の構成に応じてシート板30ごと取り扱うこともできる他、シート板30を抜き取って配合材料Mのみで扱うこともできる。なお、配合材料Mをシート板30と一体に扱う場合には、配合材料M自体に対する一体性の要求程度が低くなるので、予備加熱圧縮成形処理をより軽度で済ますことができる。
予備加熱圧縮成形工程は(S4)は、次の例のように実施することもできる。
(例2)この方法は、配合材料Mを供給する供給コンベヤC1上において予備加熱圧縮成形工程(S4)を実施するようにしたものである(図5ないし図7)。
(例2)この方法は、配合材料Mを供給する供給コンベヤC1上において予備加熱圧縮成形工程(S4)を実施するようにしたものである(図5ないし図7)。
この例における供給コンベヤC1は、上記したシート板30と同等の材料からなる金属シート製のコンベヤベルトV1を備え、配合材料Mを矢印FF方向に搬送する向きに間欠運転される(図5)。供給コンベヤC1の下流側には、供給コンベヤC1と同方向に運転される中継コンベヤC3が配設されるとともに、供給コンベヤC1の下方には、供給コンベヤC1と逆方向に運転されるリターンコンベヤC2が配設される。
プレス装置10の下固定台12は、供給コンベヤC1のコンベヤベルトV1の裏面に密接するように配置され、プレス装置10の上押圧板11は、コンベヤベルトV1を挟んで下固定台12の上方に対峙している。また、成形枠20は、上押圧板11に組み付けられ、上押圧板11に伴って上下動する。ただし、成形枠20は、圧縮ばね13,13を介して上押圧板11に対して進退自在に組み付けられている。また、待機時における成形枠20は、圧縮ばね13,13によって上押圧板11から下方に突出した状態となっている。
プレス装置10は、供給コンベヤC1の停止タイミングに同期して作動し、供給コンベヤC1のコンベヤベルトV1上の配合材料M挟み込んで、予備加熱圧縮成形工程(S4)を実行する(図6)。すなわち、供給コンベヤC1が一時的に停止すると、上押圧板11が下降動作をし、先ず、成形枠20が、コンベヤベルトV1上の配合材料Mの予備加熱圧縮成形の対象となる部分を他の部分から区分するように成形枠20内に拘束する(図6に示す状態)。
次いで、上押圧板11がさらに所定量の下降動作をし、配合材料Mを圧縮する。この際、成形枠20は、拘束した配合材料Mを解放することなく圧縮ばね13,13を押し縮めながら上押圧板11内部に後退するように動作をする。この後、供給コンベヤC1は、上押圧板11が上昇した直後のタイミングで運転再開する(図7)。そして、予備加熱圧縮成形によって一体性を獲得した配合材料Mは、供給コンベヤC1から中継コンベヤC3側に乗り移って次工程に移行する。一方、成形枠20の外側にあって予備加熱圧縮成形を受けなかった部分は、粉粒体の状態であるため、供給コンベヤC1の先端からリターンコンベヤC2上に落下し、供給コンベヤC1に再供給されることとなる。なお、この予備加熱圧縮成形方法においては、温度条件を高めに設定するとともに、圧力条件を強めに設定することによって供給コンベヤC1の停止時間を最小限に抑えることが好ましい。
配合材料Mに対する予備加熱圧縮成形工程(S4)は、次のように実施することもできる。
(例3)この方法は、プレス装置10や成形枠20を用いないで、配合材料Mを加熱室40内に設けた多数の上下対ローラR1,R2間を通過させることによって、連続的に予備加熱圧縮成形するものである(図8)。したがって、加熱室40内は、予備加熱圧縮成形に必要な温度条件に維持されている。
この方法に使用される供給コンベヤC1のコンベヤベルトV1は、加熱室40内の上下対ローラR1,R2間を通して循環駆動されるように巻きかけられている。上下対ローラR1,R2の上側のローラR1…には、押圧ベルトV2が巻きかけられ、下側のローラR2…は、供給コンベヤC1のコンベヤベルトV1の裏面に密接して配置されている。
上下対ローラR1,R2は、予備加熱圧縮成形に必要な配合材料Mの状態変化量を見込んだ上下間隔を保持して配置され、供給コンベヤC1は、コンベヤベルトV1の特定部分が予備加熱圧縮成形に必要な時間を要して加熱室40を通過する速度で運転される。供給コンベヤC1の下流側には、中継コンベヤC3が配設され、供給コンベヤC1と中継コンベヤC3との間には、カッタ装置41が配設されている。
供給コンベヤC1のコンベヤベルトV1上に供給された配合材料Mは、コンベヤベルトV1とともに加熱室40内に進行し、供給コンベヤC1のコンベヤベルトV1と上下対ローラR1,R2の上側の押圧ベルトV2との間に噛み込まれるようにして圧縮される。この圧縮状態は、配合材料Mが加熱室40に進入してから加熱室40を通過し切るまでの時間継続することによって、予備加熱圧縮成形に必要な時間条件を充足することができる。加熱室40を通過することによって一定の状態変化をした配合材料Mは、カッタ装置41によって所定の単位長さに切断され、次工程の3層配置工程(S5)に移行する。ただし、3層配置工程(S5)の構成次第では、切断作業は不要である。3層配置工程(S5)を経た後に切断する方が好都合である場合もあるからである。
本発明の予備加熱圧縮成形工程(S4)の存在は、極めて容易かつ効率のよい3層配置工程(S5)の実現に寄与することができる。
例えば、配合材料Mを連続して予備加熱圧縮成形する場合には、3層配置工程(S5)についても、連続処理とすることができる(図9)。3層配置工程(S5)は、それぞれ予備加熱圧縮成形工程(S4)を経た表面層用配合材料M1を搬送する上段供給コンベヤC4および下段供給コンベヤC6と、中間層用配合材料M2を搬送する中段供給コンベヤC5と、仮締めローラ対R3,R4等を用いて連続的に実行することができる。
この際、上段供給コンベヤC4と中段供給コンベヤC5と下段供給コンベヤC6と仮締めローラ対R3,R4は、同一周速度で運転され、それぞれ、表面層用配合材料M1と中間層用配合材料M2と表面層用配合材料M1とを同一速度で仮締めローラ対R3,R4へ向けて繰り出す。仮締めローラ対R3,R4は、繰り出された3枚の配合材料を同時に噛み込むようにして仮に3層配置する。3層配置された配合材料Mは、次いで、所定の長さ寸法に裁断される。
なお、上記の3層配置方法は、それぞれ所定の長さ寸法に切断した配合材料Mに対しても適用することができる。ただし、この場合には、上段供給コンベヤC4、中段供給コンベヤC5、下段供給コンベヤC6に供給される表面層用配合材料M1と中間層用配合材料M2との位置合わせ手段が必要となる。
また、上記の3層配置方法において、上段供給コンベヤC4に供給する表面層用配合材料M1を、予備加熱圧縮成形工程(S4)を経た際の表裏を反転させて供給することによって、より高品質の複層パーティクルボード50を得ることができる(図10)。すなわち、複層パーティクルボード50は、中間層52の両面を表面層51,51によって挟み込んだ断面構成である。したがって、表裏一対の表面層51,51の諸特性が同一でない場合には、製品である複層パーティクルボード50において、表裏の耐火特性等に差異が生じるとともに、反りが発生する原因となる。
ここで注目すべきことは、複層パーティクルボード50の表面層51,51を、それぞれ予備加熱圧縮成形工程(S4)を経た同一配合組成の表面層用配合材料M1を用いて形成する場合においても、複層パーティクルボード50における一対の表面層51,51の特性を同一にすることができない場合があるということである。これは、表面層用配合材料M1を予備加熱圧縮成形する工程において、表面層用配合材料M1自体において配合組成物の偏在による表面Aと裏面Bとが生じるからである。この問題は、配合材料Mの含水率を抑える場合には、完全には避けられない問題である。
表面Aと裏面Bとが生じている表面層用配合材料M1をそのまま3層配置工程(S5)に用いた場合、複層パーティクルボード50の一方の表面層51では、表面層用配合材料M1の表面Aが現れているのに対して、複層パーティクルボード50の他方の表面層51では、表面層用配合材料M1の裏面Bが現われることとなるからである。そこで、一方の表面層用配合材料M1を表裏反転して3層配置することにより、複層パーティクルボード50のいずれの表面層51,51においても表面層用配合材料M1の表面Aが現われるようにすることができるのである(図10に示す状態)。なお、表面層用配合材料M1の反転操作は、本発明の予備加熱圧縮成形工程(S4)を経ることによってはじめて実現できるきわめて有意な操作であることは言うまでもない。
本発明の3層配置工程(S5)に引き続く各工程は、従来技術における工程をそのまま適用するものであり、新規な構成を含んでいない。したがって、その工程内容のみを簡略に説明するに止める(図1)。
3層配置された配合材料Mは、仕上げ加熱圧縮成形工程(S6)において、熱気と蒸気の疎通を確保するようにした専用の熱板と交互に段積みされ、多数枚一挙に加熱圧縮成形される。この工程によって、配合材料Mは、複層パーティクルボード50となる。仕上げ加熱圧縮成形工程(S6)を経た複層パーティクルボード50は、養生工程(S7)において、所定期間ねかされて、荒熱や水分の分散、内部残留応力が除去される。養生された複層パーティクルボード50は、外周切断工程(S8)において、規定の縦横寸法に調整され、続くサンダー工程(S9)において、表裏両面に研磨を受けて規定の厚み寸法に調整される。製品としての複層パーティクルボード50の完成である。
M 配合材料
M1 表面層用配合材料
M2 中間層用配合材料
S4 予備加熱圧縮成形工程
S5 3層配置工程
S6 仕上げ加熱圧縮成形工程
50 複層パーティクルボード
51 表面層
52 中間層
M1 表面層用配合材料
M2 中間層用配合材料
S4 予備加熱圧縮成形工程
S5 3層配置工程
S6 仕上げ加熱圧縮成形工程
50 複層パーティクルボード
51 表面層
52 中間層
Claims (4)
- パーティクルボードの表裏両面にそれぞれ表面層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である表面層用配合材料と、パーティクルボードの内部に中間層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である中間層用配合材料とを、表面層用配合材料−中間層用配合材料−表面層用配合材料の順に3層に積層配置し、3層に積層配置した配合材料を所定の温度条件と圧力条件と時間条件下において加熱圧縮成形する加熱圧縮成形工程を経て、表裏の表面層と中間層とで意図的に特性が異なるように成形される複層パーティクルボードの製造方法において、
前記中間層用配合材料を、予め、独立の一体材料としての取扱い可能状態に予備加熱圧縮成形し、予備加熱圧縮成形を経た中間層用配合材料をフレーク状の粉粒体である表面層用配合材料によって表裏両面から挟み込んで3層に積層配置した後、仕上げ加熱圧縮成形することを特徴とする複層パーティクルボードの製造方法。 - パーティクルボードの表裏両面にそれぞれ表面層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である表面層用配合材料と、パーティクルボードの内部に中間層を形成するために配合されたフレーク状の粉粒体である中間層用配合材料とを、表面層用配合材料−中間層用配合材料−表面層用配合材料の順に3層に積層配置し、3層に積層配置した配合材料を所定の温度条件と圧力条件と時間条件下において加熱圧縮成形する加熱圧縮成形工程を経て、表裏の表面層と中間層とで意図的に特性が異なるように成形される複層パーティクルボードの製造方法において、
前記表面層用配合材料と中間層用配合材料とを、それぞれ個別に、独立の一体材料としての取扱い可能状態に予備加熱圧縮成形し、予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とを3層に積層配置して仕上げ加熱圧縮成形することを特徴とする複層パーティクルボードの製造方法。 - 予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とのうち、中間層用配合材料に対して含水率を低下させるための乾燥処理をした後、これらを3層に積層配置して仕上げ加熱圧縮成形することによって、表裏の表面層用配合材料から発生した蒸気を中間層用配合材料に吸収させることを特徴とする請求項2に記載の複層パーティクルボードの製造方法。
- 予備加熱圧縮成形を経た表面層用配合材料と中間層用配合材料とを3層に積層配置する際に、中間層用配合材料と表裏に配置される表面層用配合材料との間に接着促進材料をミスト状に噴霧することを特徴とする請求項2に記載の複層パーティクルボードの製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2239487A1 (en) | 2009-04-10 | 2010-10-13 | Honda Motor Co., Ltd. | Clamp device |
CN102555010A (zh) * | 2012-02-28 | 2012-07-11 | 佛山市沃德森板业有限公司 | 一种防辐射刨花板及其生产方法 |
-
2007
- 2007-10-18 JP JP2007271518A patent/JP2009096118A/ja active Pending
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