JP2009095394A - 食品加熱装置 - Google Patents

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國治 川村
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Abstract

【課題】赤外線放射率を高め、比較的低温で、かつ比較的短時間で、しかも加熱領域を満遍なく均一に加熱し、焦げのない良好な塊状野菜類の加熱処理を行うこと。
【解決手段】 直方体状の炉本体1と、炉本体1の底部にその底面との間に隙間を空けた状態に固設したシーズヒータ2と、その上に載置した銅板3と、銅板3の上方にその間に若干の隙間を空けて配した引き出し式の網棚4と、炉本体1の底部中央に開口した空気導入孔1aと、炉本体1の天板部中央に開口した排気口1bとで構成した。銅板3は、その表面の全体に酸化皮膜を施したものである。空気導入孔1aには、その開閉及び導入空気の流量を調節する蝶形弁1eを配してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、サツマイモ、ジャガイモ、タマネギ又はカボチャなどの主として塊状野菜類を加熱調理するための食品加熱装置に関する。
この種の食品加熱装置の一例として焼き芋製造装置の例がある。古くから使用されてきたそれは、大型の壺状容器又はドラム缶を利用した焼成容器に多数の玉石を投入し、重油をバーナで燃焼して該玉石を加熱し、その熱を利用して、この焼成容器中に配したサツマイモを焼成しようとするものである。加熱手段としてバーナに代えて電熱装置を利用したものもある。
このような焼き芋製造装置では、玉石の遠赤外線の放射率が低いため焼成温度を高める必要がある。例えば、焼成対象のサツマイモの配置の仕方に応じて、300℃、或いは600℃程度に設定する必要があり、調理済みのサツマイモに焦げが発生し、更にでん粉の糖化を良好に進行させることができないので十分な甘さを確保できない問題が発生することとなっていた。
その後に提案されたこの種の装置としては、サツマイモ等食品加熱調理保温装置(特許文献1)がある。
この装置は、加熱室を備えた装置本体と、該加熱室内に配した、調理用のサツマイモを載せる多孔状の受皿と、同様に該加熱室内に配した、該受皿上のサツマイモを加熱する遠赤外線ヒータと、該装置本体の加熱室の上部に配した保温室であって、該加熱室との間に放熱孔が開口されている保温室とで構成したものである。
この装置は、それ以前の装置よりは合理化されているが、作用は大きくは変わらない。0.7μm〜1000μmの波長の電磁波を赤外線と称するが、その内、4μmより長い波長の電磁波を遠赤外線と称し、それより短い波長の電磁波を近赤外線と称している。そしてサツマイモ中の水分の光吸収帯は4μmより短い近赤外線側に偏っており、これを前記遠赤外線ヒータで加熱するのは能率が悪い。温度を高めるか、或いは長時間の加熱を要することとなる。前者の場合は、調理対象のサツマイモに焦げを発生させることになり、後者の場合は調理時間が極端に長くなる。
更にこの後に提案されたこの種の装置には、焼き芋製造装置(特許文献2)がある。
この装置は、最下部に二次加熱室、その上部に一次加熱室、最上部に保温室を備えた装置本体と、一次加熱室及び二次加熱室に配したセラミックボールを充填した受皿と、二次加熱室に配したヒータと、二次加熱室から一次加熱室に加熱空気及び加熱蒸気を移動させるべく連通した熱導入路と、一次加熱室及び二次加熱室の内面に配した鏡面状鋼板と、保温室底部に配した小石とで構成したものである。
この装置は、上下方向中央部の一次加熱室の受皿上に生サツマイモを並べて運転を開始し、該一次加熱室で約70℃までの比較的低温で加熱し、次にそのサツマイモを一次加熱室から取り出して二次加熱室に移し、その受皿上に載置し、該二次加熱室中で70℃から100℃の高温で加熱し、焼き芋の調理を完了させる。
一次加熱室で良好なでん粉の糖化が進行させ得、次いで二次加熱室で高温で速やかに焼成を完了させることにより、でん粉のα化に必要な水分の蒸発が最小限に抑えられ、糖度が高く美味なサツマイモが製造しうるとされている。
しかし種々の疑問がある。一つは、一次加熱室と二次加熱室との間に熱導入路があるが、一次加熱室には排気口が存在していないので、加熱空気及び加熱蒸気が二次加熱室から一次加熱室に十分移動するかどうかには疑問がある。またサツマイモが焼き芋ではなく、蒸し芋になる可能性が高い。
更にまた焼き芋の製造の開始時には、二次加熱室には二次加熱状態のサツマイモが存在しない。従ってこの装置の運転を開始すれば、二次加熱室で加熱空気が発生することは確かであるが、加熱蒸気が発生することを期待はできない。そのため、一次加熱室に於ける加熱を加熱水蒸気の導入を期待して設定したのでは良好な加熱ができないことになると思われる。そうであるとすれば、この時点とその後とでは、設定を変更する必要があるように思われ、操作が厄介である。
更に、この装置では、二次加熱室の受皿にセラミックボールを充填しているが、赤外線の放射率が十分に高いとは云えないので、サツマイモの良好な加熱処理を実行するためには、温度を高めるか、加熱処理時間を長くするしかないが、前記したように、いずれにも問題がある。またセラミックボールは、放射する赤外線が遠赤外線領域に偏っており、前記特許文献2について述べたように、必要水分の蒸発のためには、更に時間と高温とが必要になる筈である。
特開2003−135284号公報 特開2005−278798号公報
本発明は、以上のような従来技術の問題を解決し、加熱手段の赤外線放射率を高め、比較的低温で、かつ比較的短時間で、しかも加熱領域を満遍なく均一に加熱し、焦げのない良好な塊状野菜類の加熱処理を行うことができる食品加熱装置を提供することを解決の課題とする。
本発明は、周壁を断熱材で構成した炉本体と、
該炉本体の底部に底面との間に隙間を空けた状態に配した加熱手段と、
該加熱手段上に配した表面を酸化皮膜で覆った銅板と、
該炉本体の底部の中央付近に炉内外を連通すべく開口した空気導入孔と、
炉本体の上部中央付近に開口した排気口と、
を備えた食品加熱装置である。
本発明の2は、本発明の1の食品加熱装置に於いて、前記炉本体の天板部直下に加熱手段を配し、更にその上下のいずれか一方に表面を酸化皮膜で覆った銅板を配したものである。
本発明の3は、本発明の1又は2の食品加熱装置に於いて、前記空気導入孔又は前記排気口のいずれか一方に導入空気又は排気の流量を調節する流量調節手段を配したものである。
本発明の4は、本発明の1、2又は3の食品加熱装置に於いて、前記炉本体の底部に近接する位置の銅板の直上に加熱対象食品の載置用の網棚を配したものである。
本発明の1の食品加熱装置によれば、炉内の銅板より上方に若干の隙間をあけて塊状野菜類、例えば、サツマイモ、カボチャ、タマネギ、ジャガイモ、ニンニクなどを装入配置して運転を開始すると、加熱手段によってその直上の銅板が加熱され、その表面に施した酸化皮膜より赤外線が放射され、これが前記塊状野菜類に吸収されて良好に加熱されることになる。
銅板に施された酸化皮膜の赤外線の放射率は広い波長域及び温度域で0.9以上の高い値を示しており、また良熱伝導性であるため、前記塊状野菜類に熱エネルギーを均一かつ効率的に伝えることができる。更に銅板に施した酸化皮膜は、このように放射率が高いので、これに加えられる温度が比較的低くても熱エネルギーを良好に伝達できる。従って加熱温度を比較的低い温度に保持可能であり、それ故、加熱対象である塊状野菜類に焦げを生じさせることなく、必要な加熱を行うことが可能となる。また加熱初期の低温時間を比較的長く維持することが可能であるため、でん粉の分解酵素の作用可能な温度を長く維持可能であり、該塊状野菜類中のでん粉の糖化をより効率的に進行させ、糖度の高い加熱塊状野菜類を得ることが可能となる。
更に本発明の1の食品加熱装置によれば、炉本体の底部中央付近に空気導入孔を開口してあり、装置の運転中にここから空気を導入しうる。導入した空気は、発熱状態の加熱手段及びその直上の銅板に近接した位置を熱エネルギーを受け取りながら通過して、或いはそれらに接触して熱エネルギーを受け取りながら移動して、炉内周側方向に移動し、側壁に沿って、或いは若干内側に戻りながら上昇することになる。こうして、前記加熱手段及び銅板によっては十分に加熱できない炉内周壁付近の温度を中心付近に近い温度まで上昇させ、炉内温度の均一化を図ることが可能である。またこうして上昇した加熱空気は、加熱対象の塊状野菜類から放出される加熱蒸気と共に天板部中央付近の排気口から排気され、炉内を適切な湿度状態に保持することができる。
本発明の2の食品加熱装置によれば、炉本体の天板部直下に更に他の加熱手段を配し、その上下のいずれか一方に、表面に酸化皮膜を施した銅板を配したため、炉内の温度を更に均一にすることができるし、加熱対象の塊状野菜類を下方からばかりでなく、上方からも加熱し、加熱の均一性を確保することができる。
本発明の3の食品加熱装置によれば、前記空気導入孔又は前記排気口のいずれかに流量調節手段を配したので、空気の導入量及び排気量を適切に制御して、炉内の温度及び炉内温度の均一性を良好に調節することが可能となる。
本発明の4の食品加熱装置によれば、炉底部側の銅板の直上に加熱対象食品の載置用の網棚を配したため、対象の塊状野菜類を銅板から適切な距離の位置に載置して加熱処理することができる。従って適切な糖度を有する焦げのない加熱塊状野菜類を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態をふたつの実施例に基づいて図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施例1>
この実施例1の食品加熱装置は、図1〜図3に示すように、基本的に、直方体状の炉本体1と、該炉本体1の底部にその底面との間に隙間を空けた状態に固設したシーズヒータ(加熱手段)2と、その上に載置した銅板3と、更に該銅板3の上方にその間に若干の隙間を空けて配した引き出し式の網棚4と、炉本体1の底部中央に開口した空気導入孔1aと、炉本体1の天板部中央に開口した排気口1bとで構成したものである。
前記炉本体1は、最外周は図示しない鋼板で構成し、その内側に内張状態に断熱材dを配して構成したものであり、その底部外面の四隅には脚体1c、1c…が垂下状態に構成してある。なお炉本体1の構成は、素材及び形状等ともこれに限定されない。
前記シーズヒータ2は、図2〜図4に示すように、一本のそれを折り曲げて平行な四列の棒状ヒータが並ぶような形態に構成したものであり、特に図3に示すように、その両端を炉本体1の後壁に貫通状態に固設し、後壁内面から前方に向かって水平に延長した態様に取り付けたものである。このシーズヒータ2は、図2及び図3に示すように、2本の支持棒5、5でその下降を防止すべく支持してある。なおこれらの支持棒5、5は、同図に示すように、その両端を左右側壁に埋め込んでその両端を固定してある。なお、この実施例1では、加熱手段としてシーズヒータ2を採用したが、これに限定されないのは云うまでもない。
前記銅板3としては、図2〜図4に示すように、この実施例1では、炉本体1の内部形状に対応させて、平面から見て長方形状に形成した銅製の板材を採用したものであり、その表面の全体に酸化皮膜を施してあるものである。この酸化皮膜は、この実施例1では、銅板3を大気中で270〜300℃程度の温度で30分以上加熱することで生成させたものである。なお、この銅板3は、装置に酸化被膜を施してないそれを配置し、装置を運転し、そのシーズヒータ2を270℃以上に昇温させるべく制御し、その状態を30分以上維持するようにすることにより該銅板3に酸化被膜を生成するようにすることも可能である。この銅板3は、その全体の温度を均一にする趣旨からはできるだけ厚い方が良いが、費用対効果やエネルギー効率の問題もあるので、それを考慮して決定する。
前記網棚4は、この実施例1では、図2及び図3に示すように、両側及び後端を構成するフレーム部4aとその内側底部を構成する網状部材4bとで構成し、フレーム部4aの両前端を炉本体1の正面の引き出し片1dの裏面側に結合したものである。該引き出し片1dは、図1及び図3に示すように、この実施例1では、炉本体1の正面の開口部に嵌め込まれた横長四辺形の断熱材片、その外面を被覆する同形状の鋼板及び正面中央の取っ手1fで構成したものである。
この網棚4は、図2及び図3に示すように、炉本体1の両側に固設した断面L型又は逆L型のスライド支持片6、6上にスライド引き出し自在に配したものであり、前記引き出し片1dと共にスライド引き出し又は押し込み自在に構成したものである。これらのスライド支持片6、6は、この実施例1では、網棚4を、その底面と前記銅板3の上面との隙間が4mmになるように位置決めしてあるものである。この間隔は、これに限定されないが、なるべく狭い方が効率は良くなる。
該網棚4は、この実施例1では、以上のように構成したが、加熱対象である塊状野菜類を炉本体1内の適切な位置に良好に加熱可能な状態で配置できる構成であれば特定のそれに限定されない。
前記空気導入孔1aは、図1〜図3に示すように、炉本体1の底部中央に形成した円形口とこれに嵌め込み固定した筒体とで構成したものである。筒体は炉本体1の底部より下方に垂下している。またこの空気導入孔1aには、蝶形弁1eを配し、該空気導入孔1aの開閉及び導入空気の流量を調節するようにした。この蝶形弁1eは、流量調節手段として作用するものである。もっともこの流量調節手段としては、この蝶形弁1eに限らず、これ以外の種々の手段を採用しても良いことは云うまでもない。なお、この蝶形弁1eの軸は筒体外部に延長して摘み1gを構成してある。外部から摘み1gを回転させて導入空気の流量の調節を行うことができるようにしたものである。
前記排気口1bは、前記し、図1〜図3に示すように、炉本体1の天板部中央に開口したものであり、該天板部中央に形成した円形口とこれに嵌め込み固定した筒体とで構成したものである。該筒体は天板部の上面より上方まで立ち上がっているものである。前記したように、炉壁を立ち上る加熱された空気や加熱されて発した塊状野菜類からの蒸気等が該排気口1bから外気に放出され、塊状野菜類の必要な水分の除去が行われる訳である。
なお、前記シーズヒータ2には、図示しない制御手段が付設してあり、かつ炉本体1内には図示しない温度センサが配してある。後者はその検出した温度を常時前記制御手段に供給するようになっている。こうして該制御手段により、該シーズヒータ2の加熱開始・終了・加熱温度・加熱時間の制御ができるようになっている。
従ってこの実施例1の食品加熱装置によれば、以下に説明するように、種々の塊状野菜類を良好に加熱して調理することができる。
まず塊状野菜類の加熱調理をする場合は、炉本体1の正面の取っ手1fを掴んで、正面の引き出し片1dと共にその背後の網棚4を引き出し、引き出した網棚4に塊状野菜類を載せる。以下にはサツマイモ(紅吾妻)を例に取って具体的に説明する。引き出した該網棚4の網状部材4b上に3本のサツマイモ(直径3cm前後、5cm位までは加熱可能)を載せ、次いで炉本体1内に該網棚4を押し込む。このような網棚4のスライド引出及びスライド押し込み操作は、先に述べたように、該網棚4の両側部が炉本体1の側壁に固設されたスライド支持片6、6によって支持されて可能になっている。
この後、前記制御手段を操作して、前記シーズヒータ2を加熱駆動する。通常の動作では、炉内雰囲気が200〜230℃になるように設定して加熱動作を開始させる。このように制御すると、通常シーズヒータ2の温度は300℃になり、その上に載せた銅板3の温度は270℃程度になる。
この実施例1の炉本体1の内部容量は0.029m3 であり、シーズヒータ2は消費電力600Wのそれを用いたが、その加熱動作を炉内雰囲気24℃で開始して、10分後に炉内中央の雰囲気は210℃になった。この温度を更に60分維持してサツマイモの加熱調理を完了させる。即ち、シーズヒータ2の加熱動作を停止させ、次いで、網棚4を引き出して加熱調理の完了したサツマイモを取り出した。
以上の加熱動作を観察すると、該加熱動作の開始10分後の炉内四隅の高さ方向中央部の温度は200℃であり、前記した炉内中央部の温度210℃と比較して10℃しか差が無く、炉内の温度が比較的均一になっていることが分かる。実際、加熱調理完了後の3本のサツマイモは後述するように焼成状態に違いが見られなかった。
また熱電対で加熱調理中のサツマイモ(直径3cm)の内部中央付近の温度を測定すると、以上の加熱開始時点から5分後で30℃、10分後で40℃、30分後で80℃、40分後で100℃となり、その後はほぼ100℃を維持した。
こうして加熱調理の完了したサツマイモを観察すると、3本のそれは、いずれもでん粉のα化が完了しており、かつ糖度も糖度計で測定したところ、35%(度)前後を示していた。また各サツマイモの間で糖度及びα化に関して殆ど差がないことが分かった。比較のためにほぼ同じサイズの3本のサツマイモ(紅吾妻)を電子レンジで加熱調理したところ、それらの糖度はいずれも10%(度)程度であった。電子レンジで加熱調理したものよりこの実施例1の食品加熱装置で加熱調理したものの方が遥かに甘みが増していることが分かる。10人の女子学生に電子レンジで加熱調理したサツマイモとこの実施例1の食品加熱装置で加熱調理したサツマイモとを試食して比較して貰ったところ、全ての女子学生が、この実施例装置で加熱調理したサツマイモの方が明らかに甘くて美味しく、フルーティであるとの結論を示した。試食はいずれもサツマイモを厚さ10mmに輪切りにした物を用いた。
<実施例2>
図5は実施例2を示している。これは、同図に示すように、炉本体21の天板部直下に、先の実施例1の下方のシーズヒータ2に加えて、もう一つのシーズヒータ22を追加し、該シーズヒータ22の上に他の銅板23を載置し、かつ該シーズヒータ22を支持棒25、25で支持したものである。
該シーズヒータ22の基本的構成は、下方に配した実施例1のそれと同様の構成のものであり、その両端を同様に炉本体21の後壁に貫通状態に固設し、後壁内面から前方に向かって水平に延長した態様に取り付けたものである。また前記支持棒25、25は、上記シーズヒータ22の直下に該シーズヒータ22を支持すべく配したものであり、下方に配した実施例1の支持棒5、5と同様に、その両端を左右側壁に埋め込んでその両端を固定したものである。この実施例2では、下方のシーズヒータ2は、実施例1のそれと同様であるから、600Wのそれを採用し、この実施例2で追加したシーズヒータ22は500Wのそれを採用した。
前記銅板23としては、実施例1で説明した前記銅板3と全く同様の寸法形状のそれを採用したものであり、その表面の全体に酸化皮膜を施してあるのも同様である。この酸化皮膜も、実施例1のそれと同様に、銅板23を大気中で270〜300℃程度の温度で30分以上加熱することで生成させたものである。この銅板23の厚さも前記銅板3と同様とした。
このようにこの実施例2の食品加熱装置は、先に説明した実施例1のそれと比べて、上方に配したシーズヒータ22と、銅板23と、該シーズヒータ22を支持する支持棒25、25とが追加された構成に過ぎないが、これらを追加する都合上、炉本体21は、前記炉本体1と比べて高さ方向の寸法が大きくなっている。また前記制御手段には、この実施例2では、シーズヒータ2、22の加熱駆動を同時に開始させたり又は終了させたり、個別に加熱駆動させ又は終了させたりする態様の制御も可能なようにする。
従ってこの実施例2の食品加熱装置によれば、基本的に、実施例1の構成に上方の加熱手段を加えた構成であるから、云うまでもなく、実施例1とほぼ同様に使用することができるものであり、前記のように、網棚4を正面側に引き出し、これに加熱対象の塊状野菜類を載置して再度該網棚4を炉本体21内に押し込んで加熱を開始すれば良い。
この実施例2でも、加熱対象の塊状野菜類としては、サツマイモ(紅吾妻)を例にとって説明する。この実施例2では、実施例1の装置に対して加熱手段であるシーズヒータ22を追加したものであり、若干多量の塊状野菜類を同時に加熱調理することができる。この実施例2では、前記網棚4に5本のサツマイモ(直径3cm前後)を載置して加熱を開始した。
上下のふたつのシーズヒータ2、22を同時に加熱開始させることも可能であるが、この実施例2では、加熱初期には下方のシーズヒータ2のみを加熱動作させ、加熱の初期には加熱対象の温度をゆっくりと上昇させることとした。これによってでん粉分解酵素の活性温度領域を比較的長く維持する趣旨である。そして該温度がでん粉分解酵素の活性領域を越えた(70℃を越えた)と推定できる時点、即ち、炉内雰囲気が概ね150℃を越えた時点で、シーズヒータ2の加熱動作に加えて、シーズヒータ22の加熱動作も開始させることとしたものである。こうして、その後は、よりスピーディに炉内雰囲気を最高温度(200〜230℃)に上昇させて、必要な時間、即ち、約60分間その温度を維持するようにした。こうしてサツマイモの加熱調理を完了させた。
なお、この実施例2に於いても、実施例1と同様に、シーズヒータ22を加熱駆動すると、銅板23が加熱され、その酸化被膜から全波長領域の赤外線が効率よく放射され、サツマイモを効率よく加熱することができる。この作用は、云うまでもなく、シーズヒータ2を加熱駆動させた際の下方の銅板3の作用と全く同様である。
前記のように、この実施例2では、加熱手段の複雑な制御をすることなく、当初は、下方のシーズヒータ2のみを加熱駆動させ、前記条件を満足した時点、即ち、サツマイモ内の温度がでん粉分解酵素の活性温度領域を越えたと推定できる時点で、上方のシーズヒータ22の加熱動作を開始させるようにするのみで、加熱当初に、でん粉分解酵素の活性温度領域を比較的長く保ち、次いで、この温度領域を越えた後は、急速に所定の高温度まで上昇させ、サツマイモの水分の蒸発が十分に進まずまだ水分を十分に保持している間に所定の高温にさせることにより、サツマイモ中のでん粉のα化を良好に進めることができるようにしたものである。
従ってこの実施例2の食品加熱装置によれば、サツマイモを加熱調理した場合は、以上のように、糖度が十分に高く、かつでん粉のα化を良好に進めたサツマイモを得ることができる。しかもこのような加熱調理を炉内雰囲気の最高温度230℃程度で行うことが可能であるため、サツマイモに焦げを生じさせることもない。他の塊状野菜類の加熱調理をする場合は、対象塊状野菜類の性質に応じて加熱温度や加熱時間を若干変更する必要がある場合もあるが、概ね以上に説明したところが当て嵌まる。
なお、この実施例2の装置で、前記のようにして、加熱調理した5本のサツマイモは、いずれもそのでん粉がα化しており、かつ糖度も糖度計で測定したところ、いずれも35%(度)を越えていた。また各サツマイモの間には以上の点に大きな差がなかった。
この実施例2でも、比較のためにほぼ同じサイズの5本のサツマイモ(紅吾妻)を電子レンジで加熱処理し、15人の女子学生に電子レンジで加熱処理したサツマイモとこの実施例2の食品加熱装置で加熱調理したサツマイモとを試食して比較して貰ったところ、全ての女子学生が、この実施例装置で加熱調理したサツマイモの方が明らかに甘くて美味しく、フルーティであるとの結論を表示した。試食はいずれもサツマイモを厚さ10mmに輪切りにした物を用いた。
実施例1の食品加熱装置の正面図。 実施例1の食品加熱装置を前後方向中央部で前後を分けるように切断して後方側の部分を正面側から見た状態の断面図。 実施例1の食品加熱装置を左右方向中央部で左右を分けるように切断して左側の部分を右側から見た状態の断面図。 実施例1の銅板及びシーズヒータの平面図。 実施例2の食品加熱装置を前後方向中央部で前後を分けるように切断して後方側の部分を正面側から見た状態の断面図。
符号の説明
1 炉本体
1a 空気導入孔
1b 排気口
1c 脚体
1d 引き出し片
1e 蝶形弁
1f 取っ手
1g 摘み
2 シーズヒータ(加熱手段)
3 銅板
4 網棚
4a フレーム部
4b 網状部材
5 支持棒
6 スライド支持片
21 炉本体
22 シーズヒータ
23 銅板
25 支持棒
d 断熱材

Claims (4)

  1. 周壁を断熱材で構成した炉本体と、
    該炉本体の底部に底面との間に隙間を空けた状態に配した加熱手段と、
    該加熱手段上に配した表面を酸化皮膜で覆った銅板と、
    該炉本体の底部の中央付近に炉内外を連通すべく開口した空気導入孔と、
    炉本体の上部中央付近に開口した排気口と、
    を備えた食品加熱装置。
  2. 前記炉本体の天板部直下に加熱手段を配し、更にその上下のいずれか一方に表面を酸化皮膜で覆った銅板を配した請求項1の食品加熱装置。
  3. 前記空気導入孔又は前記排気口のいずれか一方に導入空気又は排気の流量を調節する流量調節手段を配した請求項1又は2の食品加熱装置。
  4. 前記炉本体の底部に近接する位置の銅板の直上に加熱対象食品の載置用の網棚を配した請求項1、2、又は3の食品加熱装置。
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