JP2009095115A - 回転電機の固定子 - Google Patents

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Abstract


【課題】 固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子を提供すること。
【解決手段】 本発明の回転電機の固定子1は、軸方向にのびる複数のスロット11,12をもつ固定子コア10と、スロット11,12内に設置される固定子巻線3と、固定子コア10と固定子巻線3とを電気的に絶縁する絶縁部材4と、を備えた回転電機の固定子1において、絶縁部材4が、固定子巻線3の外周を囲包するスロット絶縁部材40と、固定子コアの軸方向の端面および側面のそれぞれに所定の範囲に形成された絶縁皮膜41と、からなることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、回転電機の固定子に関し、詳しくは、固定子コアと固定子巻線との絶縁性能に優れた回転電機の固定子に関する。
一般的に、回転電機は、周方向に交互に異なる複数の磁極を形成している回転子と、回転子と内周側または外周側で向き合う、周方向に複数のスロットを有する固定子コアと、スロットに設置されている固定子巻線が連続して形成したコイルと、を備えている。そして、固定子巻線は、導体と、該導体の外周を被覆する絶縁皮膜から構成されている。
この回転電機においては、固定子巻線と固定子コアとの電気絶縁性が重要となっている。すなわち、固定子巻線の絶縁皮膜に加工傷などが存在すると、固定子巻線の導体が露出することとなる。固定子巻線の導体が露出した状態で高電圧が印加されると、露出した部分と近接した固定子コアとの間で放電が生じ、周囲の異物や絶縁皮膜が炭化して、導体と固定子コアとが導通される(絶縁破壊に至る)。その結果、コイルを流れる電流が減少し、回転電機の性能が低下する。さらに、固定子コアにも電流が流れることとなり、固定子コアにおいて発生する磁束も減少する。
このような固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性を確保するために、固定子巻線と固定子コアとの間に絶縁部材を介在させることで両者の間の電気絶縁性を確保することが、特許文献1〜2に開示されている。
特許文献1には、固定子コアのスロットに挿入されているスロット絶縁部と固定子コアの軸方向の端面に鍔状に設置されたコア絶縁部を一体に有した構造のコア絶縁部材が開示されている。ここで、スロット絶縁部は、コアのスロットの内周面と略一致する形状に形成されており、スロットの開口部は開口している。
しかしながら、このコア絶縁部材はスロットが軸方向に沿って開口したコア内周面に対する電気絶縁性が十分に確保されていなかった。つまり、固定子巻線に製造欠陥や加工傷による皮膜欠損部が固定子コアの内周面の近傍に存在した場合には、皮膜欠損部と固定子コアとの絶縁のための距離(沿面距離)が十分に確保されなくなり、コイル導体とコア内径表面の耐電圧の低下や使用環境時の汚損によるトラッキング現象を誘発する恐れがあった。すなわち、固定子巻線と固定子コアの間の電気絶縁性が低下するという問題があった。
また、特許文献2には、スロット絶縁部とスロット絶縁紙折り曲げ部を一体化している絶縁紙が開示されている。
しかしながら、この絶縁紙は、固定子コアの側面(固定子コアの内周面)と固定子巻線との間が完全に絶縁できない構造となっている。このため、特許文献1の時と同様に、固定子巻線と固定子コアとの間の沿面距離が電気絶縁性を確保するためには不十分となり、固定子巻線と固定子コアの間の電気絶縁性が低下するという問題があった。
特開2002−199641号公報 特開平8−237897号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の請求項1に記載の回転電機の固定子は、軸方向の両端面および内径側と外径側の一方の側面に開口した軸方向にのびる複数のスロットをもつ固定子コアと、連続してスロット内に設置されてコイルを形成する固定子巻線と、固定子コアとコイルとを電気的に絶縁する絶縁部材と、を備えた回転電機の固定子において、絶縁部材が、スロット内で固定子巻線の外周を囲包する略筒状のスロット絶縁部材と、固定子コアの軸方向の端面および固定子コアの側面のそれぞれの表面に、固定子コアの軸方向の端面でのスロットの開口部から所定の距離の範囲に形成された絶縁皮膜と、からなることを特徴とする。
請求項2に記載の回転電機の固定子は、請求項1記載の回転電機の固定子において、絶縁皮膜は、固定子コアのスロットの内周面に、固定子コアの軸方向の端面でのスロットの開口部から所定の距離の範囲に形成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の回転電機の固定子は、請求項1〜2のいずれかに記載の回転電機の固定子において、絶縁皮膜が、固定子コアの軸方向の端面の全面に形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の回転電機の固定子は、請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機の固定子において、スロット絶縁部材は、固定子巻線を巻回した絶縁シートであることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の回転電機の固定子は、軸方向の両端面および内径側と外径側の一方の側面に開口した軸方向にのびる複数のスロットをもつ固定子コアと、連続してスロット内に設置されてコイルを形成する固定子巻線と、固定子コアとコイルとを電気的に絶縁する絶縁部材と、を備えた回転電機の固定子において、絶縁部材が、スロットの内表面に沿って広がるスロット絶縁部と、スロット絶縁部に一体に形成された固定子コアの軸方向の端面に沿って広がる端面鍔部と、スロット絶縁部に一体に形成された固定子コアのスロットの開口した側面に沿って広がる側面鍔部と、からなることを特徴とする。
請求項6に記載の回転電機の固定子は、請求項5に記載の回転電機の固定子において、周方向で隣り合ったスロットに配される二つの絶縁部材は、それぞれの端面鍔部が重なり合っていることを特徴とする。
請求項7に記載の回転電機の固定子は、請求項5〜6のいずれかに記載の回転電機の固定子において、周方向で隣り合ったスロットに配される絶縁部材の重なり合った端面鍔部は、さらに、絶縁シートとも重なり合っていることを特徴とする。
請求項8に記載の回転電機の固定子は、請求項5〜7のいずれかに記載の回転電機の固定子において、周方向で隣り合ったスロットに配される絶縁部材は、それぞれの側面鍔部が重なり合うことを特徴とする。
請求項9に記載の回転電機の固定子は、請求項8に記載の回転電機の固定子において、周方向で隣り合ったスロットに配される絶縁部材の重なり合った側面鍔部は、さらに、絶縁シートとも重なり合っていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の回転電機の固定子は、スロット内で固定子巻線の外周を囲包する略筒状のスロット絶縁部材と、固定子コアの軸方向の端面および固定子コアの側面のそれぞれの表面に、固定子コアの軸方向の端面での該スロットの開口部から所定の距離の範囲に形成された絶縁皮膜と、からなる絶縁部材を有している。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子コアの端面から所定の距離の範囲が絶縁されており、固定子コアの絶縁部材が被覆していない部分までの距離が十分に確保されている。このため、固定子巻線に皮膜欠損部があっても、固定子コアとの間で絶縁破壊を生じなくなっている。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子となっている。
請求項2に記載の固定子は、固定子コアのスロットの内周面に絶縁皮膜が形成されている。これにより、コイルを形成する固定子巻線に加工傷等が発生しても、固定子コアのスロットの内周面との間に絶縁破壊を生じなくなっている。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子となっている。
請求項3に記載の固定子は、固定子コアの軸方向の端面の全面に絶縁皮膜が形成されている。これにより、コイルを形成する固定子巻線の固定子コアの端面から突出した部分に加工傷等が発生しても、固定子コアの端面との間に絶縁破壊を生じなくなっている。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子となっている。
請求項4に記載の固定子は、スロット絶縁部材が固定子巻線を巻回した絶縁シートで構成されている。これにより、簡単にスロット内に収容された固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性を確保できる。
本発明の請求項5に記載の回転電機の固定子は、スロットの内表面に沿って広がるスロット絶縁部と、スロット絶縁部に一体に形成された固定子コアの軸方向の端面に沿って広がる端面鍔部と、スロット絶縁部に一体に形成された固定子コアのスロットの開口した側面に沿って広がる側面鍔部と、を有する絶縁部材を有している。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線と固定子コアとの間に絶縁部材が位置している。このため、固定子巻線に皮膜欠損部があっても、絶縁部材により固定子コアとの間で絶縁破壊を生じなくなっている。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子となっている。
請求項6に記載の固定子は、隣接する二つの絶縁部材のそれぞれの端面鍔部が重なり合っている。このため、コイルを形成する固定子巻線の固定子コアの端面から突出した部分に加工傷等が発生しても、固定子コアの端面までの沿面距離が端面鍔部の表面及び裏面に沿った距離となり、固定子コアの端面との間に絶縁破壊を生じなくなっている。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子となっている。
請求項7に記載の固定子は、請求項6において、さらに絶縁シートが重なり合っている。これにより、より沿面距離が長くなり、固定子コアの端面との間に絶縁破壊を生じなくなっている。
請求項8に記載の固定子は、隣接する二つの絶縁部材のそれぞれの側面鍔部が重なり合っている。このため、固定子巻線が固定子コアの側面との間で放電を生じようとしても、固定子コアの側面までの沿面距離が側面鍔部の表面及び裏面に沿った長い距離となる。沿面距離が長くなることで、固定子コアとの間に絶縁破壊を生じなくなっている。つまり、本発明の回転電機の固定子は、固定子巻線と固定子コアとの間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子となっている。
請求項9に記載の固定子は、請求項8において、さらに絶縁シートが重なり合っている。これにより、より沿面距離が長くなり、固定子コアの端面との間に絶縁破壊を生じなくなっている。
以下、本発明を実施の形態で具体的に説明する。
(第一実施形態)
本実施形態の回転電機の固定子を用いた回転電機の構成を図1に示した。この回転電機は、略円筒状の固定子1と、固定子1の軸心部に回転自在に収容された回転子2と、を有する。
回転子2は、図1に示したように、径方向の外周面で周方向に交互に異なる磁極が位置するように永久磁石が配置された構成となっている。回転子2は、外周面の磁極が固定子1に対向した状態で形成されている。
固定子1は、図2に示したように、略円筒状の固定子コア10と、コア10のスロット11,12内に設置された固定子巻線3と、固定子巻線3と固定子コア10との間の電気絶縁性を確保する絶縁部材4と、を有する。
固定子コア10には、軸方向に沿ってのび、周方向に隣接するスロット11,12を一組として固定子コア10の内周側の周方向に複数組のスロットが形成されている。固定子巻線3は三相巻線であり、周方向に隣接する一組のスロット11,12に各相の固定子巻線3が設置されている。そして、スロット11,12を一組として周方向に隣接する三相のスロット11,12に異なる相の固定子巻線3が設置されている。
固定子コア10の軸方向の両端面には、各スロット11,12の開口部から所定の距離の範囲内に絶縁皮膜41が形成されている。絶縁皮膜41は、図3(a)に示した本実施形態のように、固定子コア10の端面の全面に形成されていることが好ましい。この絶縁皮膜41は、電気絶縁性を付与できればその材質が限定されるものではなく、エポキシ樹脂やフェノール樹脂よりなる樹脂皮膜とすることができる。
また、絶縁皮膜41は、固定子コア10のスロット11,12が開口した側面(本実施形態では固定子コア10の内周面)であって、軸方向の両端部から所定の距離までの範囲内にも形成されている。この固定子コア10の側面での絶縁皮膜41の形成された範囲は、本実施形態の固定子の使用状況により適宜決定される。絶縁皮膜41は、この固定子コア10の側面の全面に形成してもよい。
さらに、絶縁皮膜41は、図3(b)に示したように、スロット11,12の内面の軸方向の両端部から所定の距離までの範囲内にも形成されていてもよい。
固定子コア10は、複数枚の金属薄板を積層させてなる。なお、積層された金属薄板の間には、絶縁薄膜が配置されている。ここで、金属薄板および絶縁薄膜の材質や厚さについては従来公知の材質や厚さとすることができる。
固定子巻線3は、図4に示したように、銅製の導体35と、導体35の外周を覆い導体35を絶縁する絶縁皮膜36とから形成された線材よりなる。
固定子巻線3は、連続巻線で固定子コア10に波巻されており、固定子コア10に開口したスロット11,12に収容されるスロット収容部30と、固定子コア10の軸方向の端面から突出したターン部31を有し、全体でコイルを形成している。また、図5〜6に示したように、固定子巻線3は、スロット11,12内に、径方向に複数層が並んだ状態で配設されている。
固定子巻線3のスロット収容部30は、絶縁シートを巻回して筒状に成形してなるスロット絶縁部材40内に収容された状態で、スロット11,12に収容される。スロット絶縁部材40は、径方向に複数並んだ状態の複数の複数のスロット収容部30をその内部に配した状態でスロット11,12に収容される。
スロット絶縁部材40は、固定子コア10の側面でのスロット11,12側で端部が重なり合った状態で、複数のスロット収容部30を巻回した絶縁シートよりなる。スロット絶縁部材40を構成する絶縁シートは、電気絶縁性を備えたシート状の部材であれば特に限定されるものではなく、従来の固定子で用いられている絶縁紙を用いることができる。
スロット絶縁部材40は、その軸方向の長さが固定子コア10の軸方向の長さと一致し、軸方向の両端部が固定子コア10の両端面に一致した状態で配されている。
本実施形態においては、スロット絶縁部材40と絶縁皮膜41とにより絶縁部材4が構成される。
本実施形態の回転電機の固定子1は、固定子コア10の表面の所定の位置に絶縁皮膜41を形成し、その後、スロット11,12内にスロット絶縁部材40を形成するための絶縁シートを収容し、固定子巻線3のスロット収容部30をスロット11,12内に収容して製造することができる。
本実施形態の回転電機の固定子1では、スロット11,12に収容された固定子巻線3のスロット収容部30に皮膜欠損部32が存在した場合に絶縁破壊が最も起きやすい経路(破壊最短経路)は、スロット収容部30の表面でのスロット絶縁部材40の軸方向の端部までの経路と、スロット絶縁部材40の軸方向の端部からコア露出部までの経路の和となっている。つまり、本実施形態の回転電機の固定子1では、絶縁皮膜41により皮膜欠損部32からコア露出部までの距離(破壊最短経路)が長く設定されている。
スロット収容部30に皮膜欠損部32が存在した場合の別の破壊最短経路としては、スロット絶縁部材40の重なり合った端部を回り込むような経路がある。この場合でも、破壊最短経路がスロット絶縁部材40の重なり合った端部を回り込む経路であることから、コア露出部までの距離が長くなっている。
また、固定子コア10の端面から突出した固定子巻線3のターン部31に皮膜欠損部32が存在した場合の破壊最短経路37は、図7に示したように、固定子コア10の端面の内周面との角部までの経路と、この角部からコア露出部までの経路の和となっている。つまり、本実施形態の回転電機の固定子1では、絶縁皮膜41により皮膜欠損部32からコア露出部までの距離(破壊最短経路37)が長く設定されている。
一般に、絶縁破壊を生じるために必要な電圧は、図8に示したように、沿面距離が長くなればなるほど、絶縁破壊を生じさせるための電圧が大きくなる。そして、本実施形態では、皮膜欠損部32からコア露出部までの破壊最短経路37は、回転電機の駆動時に固定子巻線3の電圧では絶縁破壊が生じない長さとなるように、絶縁皮膜41の形成された領域(特に、固定子コア10の内周面での軸方向の長さ)が設定されている。これにより、本実施形態の回転電機の固定子1は、絶縁破壊が生じなくなっている。
上記したように、本実施形態の回転電機の固定子1は、絶縁部材4により固定子巻線3と固定子コア10との間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子1となっている。
(第二実施形態)
本実施形態の回転電機の固定子を用いた回転電機は、第一実施形態と同様に、略円筒状の固定子1と、固定子1の軸心部に回転自在に収容された回転子2と、を有する。
回転子2は、第一実施形態の時と同様に、径方向の外周面で周方向に交互に異なる磁極が位置するように永久磁石が配置された構成となっている。回転子2は、外周面の磁極が固定子1に対向した状態で形成されている。
固定子1は、略円筒状の固定子コア10と、コア10のスロット11,12内に設置された固定子巻線3と、固定子巻線3と固定子コア10との間の電気絶縁性を確保する絶縁部材5を有する。
固定子コア10は、第一実施形態の時と同様な構成を有し、同様にして固定子巻線3が波巻きされて設置されている。
固定子巻線3は、第一実施形態の時と同様に、銅製の導体35と、導体35の外周を覆い導体35を絶縁する絶縁皮膜36とから形成された線材である。
固定子巻線3は、連続巻線で固定子コア10に波巻されており、固定子コア10に開口したスロット11,12に収容されるスロット収容部30と、固定子コア10の軸方向の端面から突出したターン部31を有し、全体でコイルを形成している。また、固定子巻線3は、スロット11,12内に、径方向にスロット収容部30が複数層が並んだ状態で配設されている。
絶縁部材5は、図9に示したように、スロット11,12の内表面に沿って広がるスロット絶縁部50と、スロット絶縁部50の軸方向の端部に一体に形成された固定子コアの軸方向の端面に沿って広がる端面鍔部51と、スロット絶縁部50に一体に形成された固定子コア10のスロット11,12の開口した側面に沿って広がる側面鍔部52と、からなる。この絶縁部材5は、電気絶縁性を備えた材質であればその材質が特に限定されるものではなく、従来の固定子で用いられている絶縁紙を用いることができる。
スロット絶縁部50は、スロット11,12の内周形状と略一致する形状に形成されている。
端面鍔部51および側面鍔部52は、絶縁部材5がスロット11,12に組み付けられたときに、隣接する絶縁部材5の鍔部51,52同士が周方向で重なり合うように、固定子コア10の端面または内周面の形状に沿って広がる形状で形成されている。ここで、本実施形態では、端面鍔部51は、固定子コア10の端面の径方向外方の周縁部が露出している。
本実施形態において、絶縁部材5は、それぞれのスロット11,12に組み付けられる。ここで、絶縁部材5が組み付けられた状態では、図10〜11に示したように、固定子コア10の軸方向の端面および内周面は、重なり合った鍔部51,52により完全に被覆されている。
本実施形態の回転電機の固定子1は、固定子コア10の全てのスロット11,12に絶縁部材5を組み付けた後に、固定子巻線3をスロット11,12内に収容して製造することができる。
本実施形態の回転電機の固定子1では、固定子コア10の端面から突出した固定子巻線3のターン部31に皮膜欠損部32が存在した場合の破壊最短経路37は、図12に示したように、固定子コア10の端面の周縁部までの距離となっている。つまり、本実施形態の回転電機の固定子1では、皮膜欠損部32から固定子コア10の周縁部までの距離(破壊最短経路37)が端面鍔部51により長く設定されている。
また、端面鍔部51の時と同様に、重なり合った側面鍔部52により固定子コア10の側面までの距離も長く設定されている。
上記したように、絶縁破壊を生じるために必要な電圧は、破壊最短経路が長くなればなるほど、絶縁破壊を生じさせるための電圧が大きくなる。すなわち、本実施形態においても、第一実施形態の時と同様に、固定子巻線3と固定子コア10との間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子1となっている。
本実施形態においては、端面鍔部51は、固定子コア10の端面の周縁部が露出する形状に(径方向の長さが固定子コア10の内径よりも短く)形成されていたが、端面鍔部51を固定子コア10の端面を完全に被覆できる形状に形成すると、より固定子巻線3と固定子コア10との間の電気絶縁性を確保することができる。
(第三実施形態)
本実施形態は、図13に示したように、固定子コア10の軸方向の端面と端面鍔部51との間に絶縁シート53を配していること以外は第二実施形態と同様な回転電機の固定子である。
絶縁シート53は、固定子コア10の軸方向の端面と略一致する形状に形成されている。絶縁シート53は、電気絶縁性を備えた材質であればその材質が特に限定されるものではなく、絶縁部材5と同様に絶縁紙を用いることができる。
本実施形態は、固定子コア10の端面上に絶縁シート53を配した状態で、絶縁部材5および固定子巻線3を組み付けることで製造できる。
本実施形態の回転電機の固定子は、破壊最短経路が、重なり合った二つの端面鍔部51を回り込んだ後にさらに、絶縁シート53を回り込むようになっている。つまり、端面鍔部51の合わせ代が固定子コア10の端面の幅より小さい場合、固定子コア10の端面の幅と同様の絶縁シート53を配すると、本実施形態の回転電機の固定子1では、皮膜欠損部からコア露出部までの距離がさらに長く設定されている。これにより、本実施形態の回転電機の固定子1は、固定子巻線3と固定子コア10との間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子1となっている。
(第四実施形態)
本実施形態は、固定子コア10の径方向の内周面と側面鍔部52との間に絶縁シートを配していること以外は第二実施形態と同様な回転電機の固定子である。
絶縁シートは、固定子コア10の軸方向の端面と略一致する形状に形成されている。絶縁シートは、電気絶縁性を備えた材質であればその材質が特に限定されるものではなく、絶縁部材5と同様に絶縁紙を用いることができる。
本実施形態は、固定子コア10の内周面上に絶縁シートを配した状態で、絶縁部材5および固定子巻線3を組み付けることで製造できる。
本実施形態の回転電機の固定子は、破壊最短経路が、重なり合った二つの側面鍔部52を回り込んだ後にさらに、絶縁シートを回り込むようになっている。つまり、本実施形態の回転電機の固定子1では、皮膜欠損部からコア内周面までの距離がさらに長く設定されている。これにより、本実施形態の回転電機の固定子1は、固定子巻線3と固定子コア10との間の電気絶縁性が十分に確保された回転電機の固定子1となっている。
(その他の形態)
なお、上記の各実施形態においては、固定子1が回転子2の外周に配置された回転電機の固定子1が説明されていたが、回転子が固定子の外周に配された構成の回転電機に本発明を用いてもよい。
第一実施形態の回転電機の構成を示した図である。 第一実施形態の回転電機の固定子の斜視図である。 第一実施形態の回転電機の固定子の絶縁皮膜を示した図である。 第一実施形態の固定子巻線の断面図である。 第一実施形態の回転電機の固定子のスロット近傍を示した図である。 第一実施形態の回転電機の固定子のスロット近傍を示した断面図である。 第一実施形態の回転電機の固定子の破壊最短経路を示した図である。 沿面距離と絶縁破壊電圧の関係を示したグラフである。 第二実施形態の回転電機の固定子の絶縁部材を示した図である。 第二実施形態の回転電機の固定子の絶縁部材が組み付けられた固定子コアを示した図である。 第二実施形態の回転電機の固定子のスロット近傍を示した図である。 第二実施形態の回転電機の固定子の破壊最短経路を示した図である。 第三実施形態の回転電機の固定子のスロット近傍の断面図である。
符号の説明
1:固定子 10:固定子コア
11,12:スロット
2:回転子
3:固定子巻線 30:スロット収容部
31:ターン部 32:皮膜欠損部
35:導体 36:絶縁皮膜
37:破壊最短経路
4:絶縁部材 40:スロット絶縁部材
41:絶縁皮膜
5:絶縁部材 50:スロット絶縁部
51:端面鍔部 52:側面鍔部
53:絶縁シート

Claims (9)

  1. 軸方向の両端面および内径側と外径側の一方の側面に開口した軸方向にのびる複数のスロットをもつ固定子コアと、
    連続して該スロット内に設置されてコイルを形成する固定子巻線と、
    該固定子コアと該コイルとを電気的に絶縁する絶縁部材と、
    を備えた回転電機の固定子において、
    該絶縁部材が、
    該スロット内で該固定子巻線の外周を囲包する略筒状のスロット絶縁部材と、
    該固定子コアの軸方向の端面および該固定子コアの側面のそれぞれの表面に、該固定子コアの軸方向の端面での該スロットの開口部から所定の距離の範囲に形成された絶縁皮膜と、
    からなることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記絶縁皮膜は、前記固定子コアの前記スロットの内周面に、該固定子コアの軸方向の端面での該スロットの開口部から所定の距離の範囲に形成された請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記絶縁皮膜は、前記固定子コアの軸方向の端面の全面に形成された請求項1〜2のいずれかに記載の回転電機の固定子。
  4. 前記スロット絶縁部材は、前記固定子巻線を巻回した絶縁シートである請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機の固定子。
  5. 軸方向の両端面および内径側と外径側の一方の側面に開口した軸方向にのびる複数のスロットをもつ固定子コアと、
    連続して該スロット内に設置されてコイルを形成する固定子巻線と、
    該固定子コアと該コイルとを電気的に絶縁する絶縁部材と、
    を備えた回転電機の固定子において、
    該絶縁部材が、
    該スロットの内表面に沿って広がるスロット絶縁部と、該スロット絶縁部に一体に形成された該固定子コアの軸方向の端面に沿って広がる端面鍔部と、該スロット絶縁部に一体に形成された該固定子コアの該スロットの開口した側面に沿って広がる側面鍔部と、
    からなることを特徴とする回転電機の固定子。
  6. 周方向で隣り合った前記スロットに配される二つの前記絶縁部材は、それぞれの前記端面鍔部が重なり合っている請求項5に記載の回転電機の固定子。
  7. 周方向で隣り合った前記スロットに配される前記絶縁部材の重なり合った前記端面鍔部は、さらに、絶縁シートとも重なり合っている請求項5〜6のいずれかに記載の回転電機の固定子。
  8. 周方向で隣り合った前記スロットに配される前記絶縁部材は、それぞれの前記側面鍔部が重なり合う請求項5〜7のいずれかに記載の回転電機の固定子。
  9. 周方向で隣り合った前記スロットに配される前記絶縁部材の重なり合った前記側面鍔部は、さらに、絶縁シートとも重なり合っている請求項8記載の回転電機の固定子。
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