JP2009094936A - アンテナ切替装置および人工衛星 - Google Patents
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Abstract
【課題】 衛星に搭載された衛星搭載アンテナを切替える際の、地上における衛星運用者の負担を大幅に軽減するとともに、アンテナ切替時の観測データ喪失を防ぐ。
【解決手段】 少なくとも2以上の送信アンテナと、RF送信系11と、送信アンテナとRF送信系11との接続を切替えるアンテナ切替スイッチ21と、衛星の軌道および姿勢と地上局の位置とアンテナ利得特性を含む通信回線パラメータに基づき、通信予定時間内に地上局の受信限界電力レベルが所定以上となる通信可能期間を求め、求めた通信可能期間に基づいて通信を行う送信アンテナをRF送信系11に接続するようにアンテナ切替コマンドを生成し、アンテナ切替スイッチ21の切替接続を制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】 少なくとも2以上の送信アンテナと、RF送信系11と、送信アンテナとRF送信系11との接続を切替えるアンテナ切替スイッチ21と、衛星の軌道および姿勢と地上局の位置とアンテナ利得特性を含む通信回線パラメータに基づき、通信予定時間内に地上局の受信限界電力レベルが所定以上となる通信可能期間を求め、求めた通信可能期間に基づいて通信を行う送信アンテナをRF送信系11に接続するようにアンテナ切替コマンドを生成し、アンテナ切替スイッチ21の切替接続を制御する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、人工衛星(以下、衛星)に搭載された衛星搭載アンテナを、地上局との通信用に切替えるアンテナ切替装置に関する。
衛星は軌道上で、衛星搭載のミッションデータプロセッサに記録された観測データの再生データ、もしくは、リアルタイムの観測データを、衛星通信回線を介して地上局にダウンリンクする。その際、太陽観測や深宇宙観測を目的として慣性航法する周回衛星や、地球観測において観測地域に衛星姿勢を向けて観測する周回衛星などについては、地上局からの衛星の見え方が時間とともに変わる。このため、ダウンリンクに使用する少なくとも2つの衛星搭載アンテナは、その指向方向が異なる方向を向くように取付けられ、送信に使用する衛星搭載アンテナを、地上局が可視となる軌道上で切替える必要がある。従来、衛星にスイッチ回路を設けて、衛星に搭載された複数の衛星搭載アンテナを切替えるアンテナの切替装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来は、地上側で運用者が、衛星搭載アンテナの切替時刻を計算し、アンテナ切替用のコマンドセットを地上局から送信している。切替時刻を決めるためにはまず、衛星搭載の姿勢制御系計算機(CPU)が行っている軌道伝播計算と同じ計算を、地上側でも実施する。
この軌道伝播の計算結果に加えて、衛星姿勢、通信回線パラメータ、および地上局位置情報から、切替時刻が計算される。これらの計算作業は運用者にとって大きな負担であり、また切替時刻の計算を誤ると、所望の使用アンテナへの切替が実行されず、観測データの喪失につながる。
また、衛星搭載用アンテナの切替時、アンテナ切替動作を実行するためのコマンドセットを、衛星搭載の通信データ処理系CPUに向け、地上局からアップロードする。このコマンドセットの送信順序を誤ると、RF送信機およびアンテナ切替用スイッチなどの衛星搭載機器に損傷を与えることになる。
以上に説明したように、従来、衛星で行うのと同じ軌道伝播計算を、地上運用者が実施する必要があり、その作業は運用者にとって大きな負担になるという問題があった。また、アンテナ切替時刻や切替コマンドの送信順序を誤ると、観測データ喪失や衛星搭載機器の損傷を引き起こすことに繋がるという問題があった。
本発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、衛星に搭載された衛星搭載アンテナを切替える際の、地上における衛星運用者の負担を大幅に軽減するとともに、アンテナ切替時の観測データ喪失や、衛星搭載機器の損傷を防ぐすることを目的とする。
この発明によるアンテナ切替装置は、少なくとも2以上の衛星搭載アンテナのそれぞれについて、衛星の軌道および姿勢と地上局の位置とアンテナ利得特性に基づき、通信予定時間内に地上局の受信電力レベルが所定以上となる通信可能期間を求め、求めた通信可能期間に基づいて通信を行う衛星搭載アンテナを選択し、選択した衛星搭載アンテナへの切替信号を生成するものである。
また、この発明によるアンテナ切替装置は、少なくとも2以上の衛星搭載アンテナと、送信機と、上記衛星搭載アンテナと送信機との接続を切替えるアンテナ切替スイッチと、衛星の軌道および姿勢と地上局の位置とアンテナ利得特性に基づき、通信予定時間内に上記衛星搭載アンテナから送信され地上局で受信する受信電力レベルが所定以上となる通信可能期間を求め、求めた通信可能期間に基づいて通信を行う衛星搭載アンテナを上記送信機に接続するようにアンテナの切替信号を生成し、上記アンテナ切替スイッチの切替接続を制御する計算機と、を備えたものであっても良い。
この発明によれば、衛星に搭載された衛星搭載アンテナを切替える際の、地上における衛星運用者の負担を大幅に軽減するとともに、アンテナ切替時の観測データ喪失や衛星搭載機器の損傷を抑えることができる。
実施の形態1.
この発明に係る実施の形態1では、人工衛星(衛星)の実運用時、衛星と地上局の通信、特に衛星から地上局へのデータのダウンリンクに使用する複数の衛星搭載アンテナを、衛星にて自動的に切替えるアンテナ切替装置について説明する。
この発明に係る実施の形態1では、人工衛星(衛星)の実運用時、衛星と地上局の通信、特に衛星から地上局へのデータのダウンリンクに使用する複数の衛星搭載アンテナを、衛星にて自動的に切替えるアンテナ切替装置について説明する。
図1は、実施の形態1によるアンテナ切替装置を搭載した衛星について、その運用形態を示す図である。
図において、衛星3は第1の衛星搭載アンテナである送信アンテナ1と、第2の衛星搭載アンテナである送信アンテナ2とを備えている。勿論、送信アンテナは2つに限ることはなく、3つ以上の複数個備えていても良い。衛星3は、地球5の上空を周回し、送信アンテナ1または送信アンテナ2を介して、軌道6上で地上局4と交信する。衛星3は図中の矢印の方向に向かって軌道上を移動しているものとする。地上局上空で、衛星3が観測データをダウンリンクする際、衛星3と地上局4との位置関係と衛星3の姿勢と各送信アンテナの利得特性により、使用する送信アンテナ1または送信アンテナ2を途中で切替える。
図において、衛星3は第1の衛星搭載アンテナである送信アンテナ1と、第2の衛星搭載アンテナである送信アンテナ2とを備えている。勿論、送信アンテナは2つに限ることはなく、3つ以上の複数個備えていても良い。衛星3は、地球5の上空を周回し、送信アンテナ1または送信アンテナ2を介して、軌道6上で地上局4と交信する。衛星3は図中の矢印の方向に向かって軌道上を移動しているものとする。地上局上空で、衛星3が観測データをダウンリンクする際、衛星3と地上局4との位置関係と衛星3の姿勢と各送信アンテナの利得特性により、使用する送信アンテナ1または送信アンテナ2を途中で切替える。
図に示す例の場合、衛星3の送信アンテナ1の電波放射面に対してその裏面側の方向に電波を放射するように送信アンテナ2を配置し、送信アンテナ1と送信アンテナ2が、互いに反対方向を向いている。これにより、例えば衛星3が地上局4の上空を飛翔する場合、衛星3が図の右側から地上局4に近付くときは送信アンテナ1を介して地上局4との交信が行われ、衛星3が図の左側に向かい地上局4から遠ざかるときは送信アンテナ2を介して地上局4との交信が行われる。
すなわち、衛星3の送信アンテナ1のビームカバレッジ(送信アンテナのビームの覆域)が地上局4を覆い、送信アンテナ1から地上局4が可視となって、送信アンテナ1が軌道6上で地上局4と交信可能な位置に到達すると、送信アンテナ1から地上局4に観測データが送信される。
その後、衛星3の移動に伴い、衛星3の送信アンテナ2のビームカバレッジ(送信アンテナのビームの覆域)が地上局4を覆い、送信アンテナ2が軌道6上で地上局4と交信可能な位置に到達する。この際、送信アンテナ1が地上局4と交信不能な軌道位置に至ると、地上局4と交信するアンテナが送信アンテナ1から送信アンテナ2に自律的に切り替わる。そして、送信アンテナ2から地上局4に観測データが送信される。
すなわち、衛星3の送信アンテナ1のビームカバレッジ(送信アンテナのビームの覆域)が地上局4を覆い、送信アンテナ1から地上局4が可視となって、送信アンテナ1が軌道6上で地上局4と交信可能な位置に到達すると、送信アンテナ1から地上局4に観測データが送信される。
その後、衛星3の移動に伴い、衛星3の送信アンテナ2のビームカバレッジ(送信アンテナのビームの覆域)が地上局4を覆い、送信アンテナ2が軌道6上で地上局4と交信可能な位置に到達する。この際、送信アンテナ1が地上局4と交信不能な軌道位置に至ると、地上局4と交信するアンテナが送信アンテナ1から送信アンテナ2に自律的に切り替わる。そして、送信アンテナ2から地上局4に観測データが送信される。
なお、アンテナ切替え時に、使用する送信アンテナの情報と、アンテナを切替えるタイミング(切替時刻)を示す情報と、アンテナの切替動作開始から切替処理が完了するまでの各種手続きを実行するためのコマンドを示すコマンドセット情報と、アンテナの切替えが正常に終了したことを示すステータス情報とが、テレメトリとして、衛星3から地上局4に送られる。
この実施の形態1では、使用する送信アンテナを切替えるとき、衛星3に搭載されたアンテナ切替装置が自律的にアンテナの切替信号を生成する。このため、地上局4から衛星3に対して、アンテナ切替の動作手順を制御するコマンドセットを送る必要はない。
この実施の形態1では、使用する送信アンテナを切替えるとき、衛星3に搭載されたアンテナ切替装置が自律的にアンテナの切替信号を生成する。このため、地上局4から衛星3に対して、アンテナ切替の動作手順を制御するコマンドセットを送る必要はない。
次に、アンテナ切替装置の構成について説明する。
図2はアンテナ切替装置の構成を示す図である。
図において、送信アンテナ1および送信アンテナ2は衛星3に搭載され、それぞれアンテナ切替スイッチ12の第1の出力信号端子21および第2の出力信号端子22に接続される。アンテナ切替スイッチ12の入力端子23は、RF送信系11に接続される。送信機から構成されるRF送信系11は、ミッションデータプロセッサ10から観測データが入力される。RF送信系11は、入力された観測データに基づいて変調信号を生成し、マイクロ波帯の通信波長域のRF(Radio Frequency)信号に周波数変換して、送信アンテナ1または送信アンテナ2に送信電波を給電する送信機を構成する。ミッションデータプロセッサ10は、衛星3に搭載された観測装置16により観測された観測データを受信し、受信データをデータレコーダ(図示せず)に記録したり、記録データの再生を行う。データレコーダはミッションデータプロセッサ10の内部に設けられるか、もしくは外部から接続されていても良い。また、ミッションデータプロセッサ10は、観測装置16の動作を制御する。ミッションデータプロセッサ10は、データレコーダに記録された観測データもしくは、観測装置16によってリアルタイムに観測される観測データを、RF送信系11に出力する。観測装置16としては、例えば地球5の表面や大気温度、大気の成分や、地球5の画像、他の惑星や太陽など他の天体の画像や活動状態を示す情報を観測し、観測したデータをテレメトリとして出力する。
図2はアンテナ切替装置の構成を示す図である。
図において、送信アンテナ1および送信アンテナ2は衛星3に搭載され、それぞれアンテナ切替スイッチ12の第1の出力信号端子21および第2の出力信号端子22に接続される。アンテナ切替スイッチ12の入力端子23は、RF送信系11に接続される。送信機から構成されるRF送信系11は、ミッションデータプロセッサ10から観測データが入力される。RF送信系11は、入力された観測データに基づいて変調信号を生成し、マイクロ波帯の通信波長域のRF(Radio Frequency)信号に周波数変換して、送信アンテナ1または送信アンテナ2に送信電波を給電する送信機を構成する。ミッションデータプロセッサ10は、衛星3に搭載された観測装置16により観測された観測データを受信し、受信データをデータレコーダ(図示せず)に記録したり、記録データの再生を行う。データレコーダはミッションデータプロセッサ10の内部に設けられるか、もしくは外部から接続されていても良い。また、ミッションデータプロセッサ10は、観測装置16の動作を制御する。ミッションデータプロセッサ10は、データレコーダに記録された観測データもしくは、観測装置16によってリアルタイムに観測される観測データを、RF送信系11に出力する。観測装置16としては、例えば地球5の表面や大気温度、大気の成分や、地球5の画像、他の惑星や太陽など他の天体の画像や活動状態を示す情報を観測し、観測したデータをテレメトリとして出力する。
計算機13は、例えば姿勢制御系CPUのような衛星搭載CPUやメモリから構成され、記憶装置15が接続されている。計算機13は、ミッションデータプロセッサ10の記録処理を制御する記録コマンドを生成し、ミッションデータプロセッサ10に入力する。計算機13は、ミッションデータプロセッサ10の再生処理を制御するための再生コマンドまたは再生停止コマンドを生成し、ミッションデータプロセッサ10に入力する。計算機13は、RF送信系11の送信出力を制御し、送信出力ゲインを切替える送信ゲイン切替コマンドや、送信を開始するための送信開始コマンドや、送信出力を停止するための送信停止コマンドなどを生成し、RF送信系11に入力する。計算機13は、アンテナ切替スイッチ12の入力端子23と第1、第2の出力端子21、22との接続を切替えるためのアンテナ切替コマンド(アンテナの切替信号)を生成し、アンテナ切替スイッチ12に入力する。アンテナ切替スイッチ12は、RF送信系11を送信アンテナ1に接続するためのアンテナ切替コマンドを受けると、入力端子23を第1の出力端子21に接続する。また、アンテナ切替スイッチ12は、RF送信系11を送信アンテナ2に接続するためのアンテナ切替コマンドを受けると、入力端子23を第2の出力端子22に接続する。勿論、アンテナ切替スイッチ12は3端子以上の出力端子を有していても良く、冗長系を構成したり、さらに多くの送信アンテナに切替え接続しても良い。
また、計算機13は、無指向性の受信アンテナ17を備えており、地上局4あるいは他の地上局から送信されアップロードされるコマンドや軌道情報および通信回線パラメータなどの地上局送信データ(アップリンクデータ)を受信し、受信信号をRF受信系18に出力する。RF受信系18では、受信したアップリンクデータについて波形整形や信号増幅、周波数変調などの処理を行い、処理信号を記憶装置15に格納する。
記憶装置15は、軌道上で地上局からアップロードされるアップリンクデータに基づいて、データベースを書き換え可能となっている。
また、計算機13は、無指向性の受信アンテナ17を備えており、地上局4あるいは他の地上局から送信されアップロードされるコマンドや軌道情報および通信回線パラメータなどの地上局送信データ(アップリンクデータ)を受信し、受信信号をRF受信系18に出力する。RF受信系18では、受信したアップリンクデータについて波形整形や信号増幅、周波数変調などの処理を行い、処理信号を記憶装置15に格納する。
記憶装置15は、軌道上で地上局からアップロードされるアップリンクデータに基づいて、データベースを書き換え可能となっている。
次に、計算機13による送信アンテナの切替え制御動作について説明する。図3は、計算機13の処理フローを示す図である。
まず、計算機13は、送信アンテナの切替計算処理として、使用する送信アンテナの順番と切替時刻を計算する(ステップS1)。
続いて、送信アンテナの切替に必要なアンテナ切替コマンドセットを自動的に出力する(ステップS2)。
この際、衛星3から地上局4にダウンリンクするデータとして、リアルタイム観測データか再生データの何れかを選択する。
リアルタイム観測データをダウンリンクする場合は、出力されるアンテナ切替コマンドセットとして、コマンドセットAを出力する。
「コマンドセットA」:次の手順1〜手順3の順序で動作させる。
<手順1(時刻T1)>:送信停止コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力OFF。
<手順2(時刻T2)>:アンテナ切替コマンドをアンテナ切替スイッチ12に出力し、送信アンテナの切替。
<手順3(時刻T3)>:送信開始コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力ON。
また、記録した観測データを再生し、再生データをダウンリンクする場合は、出力されるアンテナ切替コマンドセットとして、コマンドセットBを出力する。
「コマンドセットB」:次の手順1b〜手順5bの順序で動作させる。
<手順1b(時刻T1)>:再生停止コマンドを出力し、ミッションデータプロセッサ10の再生STOP。
<手順2b(時刻T2)>:送信停止コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力OFF。
<手順3b(時刻T3)>:アンテナ切替コマンドをアンテナ切替スイッチ12に出力し、送信アンテナの切替。
<手順4b(時刻T4)>:送信開始コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力ON。
<手順5b(時刻T5)>:再生コマンドを出力し、ミッションデータプロセッサ10の再生START。
まず、計算機13は、送信アンテナの切替計算処理として、使用する送信アンテナの順番と切替時刻を計算する(ステップS1)。
続いて、送信アンテナの切替に必要なアンテナ切替コマンドセットを自動的に出力する(ステップS2)。
この際、衛星3から地上局4にダウンリンクするデータとして、リアルタイム観測データか再生データの何れかを選択する。
リアルタイム観測データをダウンリンクする場合は、出力されるアンテナ切替コマンドセットとして、コマンドセットAを出力する。
「コマンドセットA」:次の手順1〜手順3の順序で動作させる。
<手順1(時刻T1)>:送信停止コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力OFF。
<手順2(時刻T2)>:アンテナ切替コマンドをアンテナ切替スイッチ12に出力し、送信アンテナの切替。
<手順3(時刻T3)>:送信開始コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力ON。
また、記録した観測データを再生し、再生データをダウンリンクする場合は、出力されるアンテナ切替コマンドセットとして、コマンドセットBを出力する。
「コマンドセットB」:次の手順1b〜手順5bの順序で動作させる。
<手順1b(時刻T1)>:再生停止コマンドを出力し、ミッションデータプロセッサ10の再生STOP。
<手順2b(時刻T2)>:送信停止コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力OFF。
<手順3b(時刻T3)>:アンテナ切替コマンドをアンテナ切替スイッチ12に出力し、送信アンテナの切替。
<手順4b(時刻T4)>:送信開始コマンドを出力し、RF送信系11のRF送信出力ON。
<手順5b(時刻T5)>:再生コマンドを出力し、ミッションデータプロセッサ10の再生START。
ここで、ステップS1で行われる送信アンテナの切替計算処理について、細部を説明する。この切替計算では、衛星3と地上局4の位置関係(相対距離、衛星3から地上局4を見込む方向)、衛星3の姿勢、および衛星3と地上局4との通信回線に関する送信アンテナ利得を含むパラメータ(通信回線パラメータ)を使用する。衛星3の位置と姿勢は、衛星に搭載された計算機13の姿勢制御系CPUにより計算される。
この際、地上で測距された衛星軌道情報は、地上局4あるいは他の地上局から事前に衛星3へアップロードされる。この軌道情報を基に、計算機13の姿勢制御系CPUが衛星軌道伝播計算を行い、軌道伝播データを得て、時刻に対応した衛星位置を把握する。
また、衛星搭載の姿勢センサ(図示せず)が衛星姿勢を検知し、計算機13の姿勢制御系CPUが、衛星3の姿勢を把握する。
また、地上局4の位置と通信回線に用いる通信回線パラメータの構成データについては、計算機13の記憶装置15の搭載メモリに、打上げ前にデータベースとして登録しておく。打上げ後も必要に応じて、搭載メモリにアップロードし、データベースを書き換えることが可能である。
なお、衛星軌道伝播とは、ある時刻の衛星位置の軌道6要素を初期値として、ケプラー運動により、時刻とともに衛星位置が変化することを意味し、軌道伝播計算は、ある時刻の衛星位置の軌道6要素を初期値として、ケプラー運動により、時刻とともに変化する衛星位置を計算することを表し、衛星軌道伝播データを算出する。衛星軌道伝播データは、(時刻、衛星位置)データ、(時刻、軌道6要素)データで構成される。
この際、地上で測距された衛星軌道情報は、地上局4あるいは他の地上局から事前に衛星3へアップロードされる。この軌道情報を基に、計算機13の姿勢制御系CPUが衛星軌道伝播計算を行い、軌道伝播データを得て、時刻に対応した衛星位置を把握する。
また、衛星搭載の姿勢センサ(図示せず)が衛星姿勢を検知し、計算機13の姿勢制御系CPUが、衛星3の姿勢を把握する。
また、地上局4の位置と通信回線に用いる通信回線パラメータの構成データについては、計算機13の記憶装置15の搭載メモリに、打上げ前にデータベースとして登録しておく。打上げ後も必要に応じて、搭載メモリにアップロードし、データベースを書き換えることが可能である。
なお、衛星軌道伝播とは、ある時刻の衛星位置の軌道6要素を初期値として、ケプラー運動により、時刻とともに衛星位置が変化することを意味し、軌道伝播計算は、ある時刻の衛星位置の軌道6要素を初期値として、ケプラー運動により、時刻とともに変化する衛星位置を計算することを表し、衛星軌道伝播データを算出する。衛星軌道伝播データは、(時刻、衛星位置)データ、(時刻、軌道6要素)データで構成される。
次に、通信回線パラメータのデータ構成について説明する。図4は、計算機13で用いる通信回線パラメータのデータ構成を示す。図に示すように、通信回線パラメータは次の1)〜10)のデータ項目から構成され、計算機13の記憶装置15の搭載メモリにデータベースとして格納される、もしくは計算機13の内部メモリに一時記憶される。
1)衛星送信電力:予めデータベースに格納
2)衛星内部での送信機〜アンテナ間の給電損失:予めデータベースに格納
3)送信アンテナ利得:予めデータベースに格納されたアンテナパターンデータに基づいて該当個所の値を参照する。参照結果は計算機13の内部メモリに一時記憶される。
4)衛星と地上局間の自由空間損失:衛星と地上局間の相対距離に基づいて自由空間損失を計算する。計算結果は計算機13の内部メモリに一時記憶される。
5)地上局アンテナのポインティング損失:予めデータベースに格納
6)偏波損失+大気吸収損失+降雨損失:予めデータベースに格納
7)地上局の受信アンテナ利得:予めデータベースに格納
8)地上局受信アンテナのアンテナ端受信レベル:データ項目1)〜7)の各値の和を計算により求める。計算結果は計算機13の内部メモリに一時記憶される。
9)地上局受信限界電力レベル:予めデータベースに格納
10)回線マージン:予めデータベースに格納
ここで、回線マージンは、打上げ後の調整時に修正が必要な項目であり、地上局から計算機13の記憶装置15の搭載メモリへアップロードすることで書換えられる。他のデータ項目は、通常打上げ後の修正は行わないが、書換え機能が備えられている。
1)衛星送信電力:予めデータベースに格納
2)衛星内部での送信機〜アンテナ間の給電損失:予めデータベースに格納
3)送信アンテナ利得:予めデータベースに格納されたアンテナパターンデータに基づいて該当個所の値を参照する。参照結果は計算機13の内部メモリに一時記憶される。
4)衛星と地上局間の自由空間損失:衛星と地上局間の相対距離に基づいて自由空間損失を計算する。計算結果は計算機13の内部メモリに一時記憶される。
5)地上局アンテナのポインティング損失:予めデータベースに格納
6)偏波損失+大気吸収損失+降雨損失:予めデータベースに格納
7)地上局の受信アンテナ利得:予めデータベースに格納
8)地上局受信アンテナのアンテナ端受信レベル:データ項目1)〜7)の各値の和を計算により求める。計算結果は計算機13の内部メモリに一時記憶される。
9)地上局受信限界電力レベル:予めデータベースに格納
10)回線マージン:予めデータベースに格納
ここで、回線マージンは、打上げ後の調整時に修正が必要な項目であり、地上局から計算機13の記憶装置15の搭載メモリへアップロードすることで書換えられる。他のデータ項目は、通常打上げ後の修正は行わないが、書換え機能が備えられている。
通信回線パラメータを構成する送信アンテナ利得(データ項目3)について、その計算処理の概要を説明する。
各送信アンテナ1、2のアンテナパターンは、地上で実際に測定したアンテナパターンを、アンテナ軸に対するθφ角とアンテナ利得の関係を示すアンテナパターンデータベースに登録しておく。図5はアンテナパターンデータベースに格納される送信アンテナのアンテナパターンを示す図であり、(a)はアンテナパターンの例、(b)はアンテナ軸の座標定義(角度θφ)を示す。図6は衛星位置と地上局位置から、搭載アンテナ軸方向に対する地上局方向の図で定義された角度θφを示す図である。また、図7は計算機13の衛星搭載CPUに登録する、送信アンテナ利得についてのアンテナパターンデータベース例を示す図である。このアンテナパターンデータベースには、送信アンテナ毎に、図5で定義されたアンテナ軸座標系(角度θφ)での、所定の刻み角度毎の送信アンテナ利得のデータが格納される。
送信アンテナ利得は、送信アンテナ毎に、計算機13の衛星搭載CPUによって演算される。この際、通信予定時間内で刻まれた時刻毎に、衛星と地上局の位置関係から該当するθφ角を計算し、その角度に対応するアンテナ利得をアンテナパターンデータベースから得て、得られた送信アンテナ利得を通信回線計算に適用する。
各送信アンテナ1、2のアンテナパターンは、地上で実際に測定したアンテナパターンを、アンテナ軸に対するθφ角とアンテナ利得の関係を示すアンテナパターンデータベースに登録しておく。図5はアンテナパターンデータベースに格納される送信アンテナのアンテナパターンを示す図であり、(a)はアンテナパターンの例、(b)はアンテナ軸の座標定義(角度θφ)を示す。図6は衛星位置と地上局位置から、搭載アンテナ軸方向に対する地上局方向の図で定義された角度θφを示す図である。また、図7は計算機13の衛星搭載CPUに登録する、送信アンテナ利得についてのアンテナパターンデータベース例を示す図である。このアンテナパターンデータベースには、送信アンテナ毎に、図5で定義されたアンテナ軸座標系(角度θφ)での、所定の刻み角度毎の送信アンテナ利得のデータが格納される。
送信アンテナ利得は、送信アンテナ毎に、計算機13の衛星搭載CPUによって演算される。この際、通信予定時間内で刻まれた時刻毎に、衛星と地上局の位置関係から該当するθφ角を計算し、その角度に対応するアンテナ利得をアンテナパターンデータベースから得て、得られた送信アンテナ利得を通信回線計算に適用する。
次に、図6を用いて、ある時刻における衛星位置関係に基づいてθφ角を得る計算法を説明する。ある時刻における衛星位置は、衛星軌道情報としての軌道6要素から求まり、ベクトルS→(軌道6要素, 時刻)と表せる。
また同時刻における地上局位置ベクトルG→は、地上局位置から求まり、G→ (地上局緯度, 地上局経度, 地上局高度, 時刻)と表せる。
衛星から地上局の見える方向ベクトルSG→=ベクトルG→−S→と、衛星姿勢から求まる衛星搭載アンテナ方向(送信アンテナ1、2の方向)a→ (衛星姿勢)とのなす角θ(SG→,a→)と、φ(SG→,a→)から、その角度に対応する送信アンテナのアンテナ利得を、アンテナパターンデータベースから引き出し、通信回線計算に適用する。
このように、地上局の位置と衛星軌道情報に基づいて衛星に対する地上局の相対方向を求め、この相対方向と送信アンテナの姿勢と衛星の姿勢に基づいて、各送信アンテナ1、2から地上局4を望む方向を求める。
かくして、送信アンテナ毎に、アンテナパターンデータベースから送信アンテナ利得を取得する(データ項目3)。また、衛星と地上局間の相対距離に基づいて衛星と地上局間の自由空間損失(データ項目4)を演算することができる。
また同時刻における地上局位置ベクトルG→は、地上局位置から求まり、G→ (地上局緯度, 地上局経度, 地上局高度, 時刻)と表せる。
衛星から地上局の見える方向ベクトルSG→=ベクトルG→−S→と、衛星姿勢から求まる衛星搭載アンテナ方向(送信アンテナ1、2の方向)a→ (衛星姿勢)とのなす角θ(SG→,a→)と、φ(SG→,a→)から、その角度に対応する送信アンテナのアンテナ利得を、アンテナパターンデータベースから引き出し、通信回線計算に適用する。
このように、地上局の位置と衛星軌道情報に基づいて衛星に対する地上局の相対方向を求め、この相対方向と送信アンテナの姿勢と衛星の姿勢に基づいて、各送信アンテナ1、2から地上局4を望む方向を求める。
かくして、送信アンテナ毎に、アンテナパターンデータベースから送信アンテナ利得を取得する(データ項目3)。また、衛星と地上局間の相対距離に基づいて衛星と地上局間の自由空間損失(データ項目4)を演算することができる。
図4の通信回線パラメータにおける、各データ項目1)〜7)は上記のように決定し、これらの和から、地上局アンテナ端受信レベル(データ項目8)を計算する。計算により得られた地上局アンテナ端受信レベル(データ項目8)が、地上局受信限界電力レベル(データ項目9)と回線マージン(データ項目10)の和より高いレベルであれば、計算機13は計算に用いた送信アンテナ(例えば送信アンテナ1)が受信可能であると判断する。
一方、計算により得られた地上局アンテナ端受信レベル(データ項目8)が、地上局受信限界電力レベル(データ項目9)と回線マージン(データ項目10)の和より低いレベルであれば、計算機13は計算に用いた送信アンテナ(例えば送信アンテナ2)で受信できないと判断する。
このように、衛星送信電力、衛星内部給電損失、送信アンテナ利得、衛星と地上局間の自由空間損失、地上局アンテナ利得、および回線マージンに基づいて、地上局アンテナ端の受信レベルを求め、求めた受信レベルと地上局受信限界レベルとの比較により、衛星搭載アンテナ毎に通信可否を判定する。
一方、計算により得られた地上局アンテナ端受信レベル(データ項目8)が、地上局受信限界電力レベル(データ項目9)と回線マージン(データ項目10)の和より低いレベルであれば、計算機13は計算に用いた送信アンテナ(例えば送信アンテナ2)で受信できないと判断する。
このように、衛星送信電力、衛星内部給電損失、送信アンテナ利得、衛星と地上局間の自由空間損失、地上局アンテナ利得、および回線マージンに基づいて、地上局アンテナ端の受信レベルを求め、求めた受信レベルと地上局受信限界レベルとの比較により、衛星搭載アンテナ毎に通信可否を判定する。
図8は、地上局受信限界レベルに対する、地上局アンテナ端受信レベル変化の代表的な例を示す図である。
ある地上局上空を衛星が通過する約10分間の通信予定時間内の運用中に、図8(a)では、運用開始時は衛星に搭載された送信アンテナ1からRF送信し、約1分後に送信アンテナ2に切替え、運用終了まで送信アンテナ2を使用するケース(1)を示している。
図8(b)では、運用前半の約5分間は送信アンテナ1を使用し、途中で送信アンテナ2に切替えるケース(2)を示している。
図8(c)では、運用開始から終了まで送信アンテナ1を使用し、切替の発生しないケース(3)を示している。
このように、2つの衛星搭載の送信アンテナを用いた場合に、アンテナ毎に得られる地上局アンテナ端受信レベルを計算機13の衛星搭載CPUが比較計算し、所定の閾値(地上局受信限界電力レベル)以上となる受信レベルの大小関係が逆転する前後の時刻に合わせて、アンテナ切替コマンドセットを生成する。
この生成されたアンテナ切替コマンドセットが各衛星搭載機器に出力されて、送信アンテナの切替え制御や、RF送信系の送信制御、ミッションデータプロセッサの再生制御が行われる。
この際、地上局アンテナ端受信レベルが地上局受信限界電力レベルより大きくなる連続した時間が一定以上(例えば1分間以上)続く期間を、通信可能期間として設定する。
例えば図8(b)の例では、通信予定時間内で、送信アンテナ1が所定時間以上(5分間)続く通信可能期間を有しており、この通信可能期間を送信アンテナ1でダウンリンクを行う第1の通信可能期間とする。また、同じ通信予定時間内で、送信アンテナ2が所定時間以上(5分間)続く第2の通信可能期間を有しており、この通信可能期間を第2の通信可能期間とする。この第2の通信可能期間では、送信アンテナ2により通信した場合の地上局アンテナ端受信レベルが送信アンテナ1により通信した場合の地上局アンテナ端受信レベルよりも大きくなっていること、なおかつ送信アンテナ1が通信不可となっていること、を条件として、その地上局アンテナ端受信レベルの大小関係が逆転する前後の時間で、送信アンテナ2を通信すべき衛星搭載アンテナとして選択する。かくして、送信アンテナ1から送信アンテナ2に接続を切替えるようにRF送信系11との切替接続を制御した後、送信アンテナ2でダウンリンクが行われるようになる。
ある地上局上空を衛星が通過する約10分間の通信予定時間内の運用中に、図8(a)では、運用開始時は衛星に搭載された送信アンテナ1からRF送信し、約1分後に送信アンテナ2に切替え、運用終了まで送信アンテナ2を使用するケース(1)を示している。
図8(b)では、運用前半の約5分間は送信アンテナ1を使用し、途中で送信アンテナ2に切替えるケース(2)を示している。
図8(c)では、運用開始から終了まで送信アンテナ1を使用し、切替の発生しないケース(3)を示している。
このように、2つの衛星搭載の送信アンテナを用いた場合に、アンテナ毎に得られる地上局アンテナ端受信レベルを計算機13の衛星搭載CPUが比較計算し、所定の閾値(地上局受信限界電力レベル)以上となる受信レベルの大小関係が逆転する前後の時刻に合わせて、アンテナ切替コマンドセットを生成する。
この生成されたアンテナ切替コマンドセットが各衛星搭載機器に出力されて、送信アンテナの切替え制御や、RF送信系の送信制御、ミッションデータプロセッサの再生制御が行われる。
この際、地上局アンテナ端受信レベルが地上局受信限界電力レベルより大きくなる連続した時間が一定以上(例えば1分間以上)続く期間を、通信可能期間として設定する。
例えば図8(b)の例では、通信予定時間内で、送信アンテナ1が所定時間以上(5分間)続く通信可能期間を有しており、この通信可能期間を送信アンテナ1でダウンリンクを行う第1の通信可能期間とする。また、同じ通信予定時間内で、送信アンテナ2が所定時間以上(5分間)続く第2の通信可能期間を有しており、この通信可能期間を第2の通信可能期間とする。この第2の通信可能期間では、送信アンテナ2により通信した場合の地上局アンテナ端受信レベルが送信アンテナ1により通信した場合の地上局アンテナ端受信レベルよりも大きくなっていること、なおかつ送信アンテナ1が通信不可となっていること、を条件として、その地上局アンテナ端受信レベルの大小関係が逆転する前後の時間で、送信アンテナ2を通信すべき衛星搭載アンテナとして選択する。かくして、送信アンテナ1から送信アンテナ2に接続を切替えるようにRF送信系11との切替接続を制御した後、送信アンテナ2でダウンリンクが行われるようになる。
以上説明したように、計算機13は、通信予定時間内の刻み時間毎に、次のa)〜f)の順序で、アンテナ切替えのための演算処理を実行する。
a)予め設定された地上局の位置と衛星軌道情報に基づいて衛星3に対する地上局4の相対方向、および衛星3と地上局4間の距離を求める。
b)各送信アンテナ1、2の向きと衛星3に対する地上局4の相対方向と衛星3の姿勢に基づいて送信アンテナ1、2から地上局4を望む方向を求める。
c)送信アンテナ毎にデータベースから衛星送信アンテナ利得を取得する。
d)衛星3と地上局4間の距離に基づいて衛星3と地上局4間の自由空間損失を演算する。
e)衛星送信電力、衛星送信アンテナ利得、衛星と地上局間の自由空間損失、地上局アンテナ利得に基づいて、地上局アンテナ端の受信レベルを求め、求めた受信レベルと地上局受信限界レベルとの比較により、送信アンテナ毎に通信可否を判定する。
f)通信予定時間内に、一定時間以上通信可能となる通信可能期間を有した送信アンテナを、通信を行う送信アンテナとして選択し、切替信号を生成する。
この際、衛星内部給電損失、地上局受信アンテナのポインティング損失、偏波損失+大気吸収損失+降雨損失などによる損失分や、回線マージンを考慮して通信可否を判定することは謂うまでもない。
なお、記憶装置15は、衛星送信電力、衛星内部給電損失、衛星送信アンテナ利得データ、地上局アンテナ利得、地上局受信限界レベル、および回線マージンの各データから構成されるデータベースを格納する。このデータベースは、送信アンテナ毎に、送信アンテナから地上局を望む方向に対応付けられた送信アンテナ利得データが格納される。
a)予め設定された地上局の位置と衛星軌道情報に基づいて衛星3に対する地上局4の相対方向、および衛星3と地上局4間の距離を求める。
b)各送信アンテナ1、2の向きと衛星3に対する地上局4の相対方向と衛星3の姿勢に基づいて送信アンテナ1、2から地上局4を望む方向を求める。
c)送信アンテナ毎にデータベースから衛星送信アンテナ利得を取得する。
d)衛星3と地上局4間の距離に基づいて衛星3と地上局4間の自由空間損失を演算する。
e)衛星送信電力、衛星送信アンテナ利得、衛星と地上局間の自由空間損失、地上局アンテナ利得に基づいて、地上局アンテナ端の受信レベルを求め、求めた受信レベルと地上局受信限界レベルとの比較により、送信アンテナ毎に通信可否を判定する。
f)通信予定時間内に、一定時間以上通信可能となる通信可能期間を有した送信アンテナを、通信を行う送信アンテナとして選択し、切替信号を生成する。
この際、衛星内部給電損失、地上局受信アンテナのポインティング損失、偏波損失+大気吸収損失+降雨損失などによる損失分や、回線マージンを考慮して通信可否を判定することは謂うまでもない。
なお、記憶装置15は、衛星送信電力、衛星内部給電損失、衛星送信アンテナ利得データ、地上局アンテナ利得、地上局受信限界レベル、および回線マージンの各データから構成されるデータベースを格納する。このデータベースは、送信アンテナ毎に、送信アンテナから地上局を望む方向に対応付けられた送信アンテナ利得データが格納される。
実施の形態1のアンテナ切替装置は以上のように構成され、少なくとも2以上の衛星搭載アンテナ(送信アンテナ1、2)と、RF送信系11(送信機)と、上記衛星搭載アンテナとRF送信系11との接続を切替えるアンテナ切替スイッチ21と、衛星の軌道および姿勢と地上局の位置とアンテナ利得特性を含む通信回線パラメータに基づき、通信予定時間内に地上局の受信限界電力レベルが所定以上となる通信可能期間を求め、求めた通信可能期間に基づいて通信を行う衛星搭載アンテナをRF送信系11に接続するようにアンテナ切替コマンド(アンテナの切替信号)を生成し、アンテナ切替スイッチ21の切替接続を制御する計算機13とを備える。
これにより、衛星3に搭載された送信アンテナを切替える際の、地上における衛星運用者の負担を大幅に軽減するとともに、アンテナ切替時の観測データ喪失を低減できる。
これにより、衛星3に搭載された送信アンテナを切替える際の、地上における衛星運用者の負担を大幅に軽減するとともに、アンテナ切替時の観測データ喪失を低減できる。
なお、従来は、衛星に搭載されている姿勢制御系CPUと、通信データ処理系CPUが独立であったため、各CPUを制御するためのコマンドセットを、衛星搭載の通信データ処理系CPUに向け、地上局からアップロードしていた。このコマンドセットの順番を誤ると、RF送信系およびアンテナ切替用スイッチなどの衛星搭載機器に損傷を与えることになる。
しかし、この実施の形態1では、衛星3の軌道位置に基づいて衛星3側で送信アンテナが自律的に切り替わるので、RF送信系11やアンテナ切替用スイッチ12やミッションデータプロセッサ10などの衛星搭載機器について、その損傷を抑えることができる。
しかし、この実施の形態1では、衛星3の軌道位置に基づいて衛星3側で送信アンテナが自律的に切り替わるので、RF送信系11やアンテナ切替用スイッチ12やミッションデータプロセッサ10などの衛星搭載機器について、その損傷を抑えることができる。
1 送信アンテナ(衛星搭載アンテナ)、2 送信アンテナ(衛星搭載アンテナ)、3衛星、4 地上局、5 地球、10 ミッションデータプロセッサ、11 RF送信系、12 アンテナ切替スイッチ、13 計算機、15 記憶装置、16 観測装置、17 受信アンテナ。
Claims (6)
- 少なくとも2以上の衛星搭載アンテナのそれぞれについて、衛星の軌道および姿勢と地上局の位置とアンテナ利得特性に基づき、通信予定時間内に地上局の受信電力レベルが所定以上となる通信可能期間を求め、求めた通信可能期間に基づいて通信を行う衛星搭載アンテナを選択し、選択した衛星搭載アンテナへの切替信号を生成するアンテナ切替装置。
- 少なくとも2以上の衛星搭載アンテナと、
送信機と、
上記衛星搭載アンテナと送信機との接続を切替えるアンテナ切替スイッチと、
衛星の軌道および姿勢と地上局の位置とアンテナ利得特性に基づき、通信予定時間内に上記衛星搭載アンテナから送信され地上局で受信する受信電力レベルが所定以上となる通信可能期間を求め、求めた通信可能期間に基づいて通信を行う衛星搭載アンテナを上記送信機に接続するように衛星搭載アンテナの切替信号を生成し、上記アンテナ切替スイッチの切替接続を制御する計算機と、
を備えたアンテナ切替装置。 - 上記計算機は、通信予定時間内で所定時間以上続く通信可能期間を有する第1の衛星搭載アンテナを、通信を行う衛星搭載アンテナとして選択した後、
同じ通信予定時間内で上記第2の衛星搭載アンテナから送信され地上局で受信する受信電力レベルが所定以上であって、かつ第1の衛星搭載アンテナから送信され地上局で受信する受信電力レベルを超えると予想される場合に、第2の衛星搭載アンテナを通信する衛星搭載アンテナとして選択して、第1の衛星搭載アンテナから第2の衛星搭載アンテナに接続を切替えるように、送信機との切替接続を制御することを特徴とする請求項2記載のアンテナ切替装置。 - 衛星送信電力、衛星内部給電損失、衛星送信アンテナ利得データ、地上局アンテナ利得、地上局受信限界レベル、および回線マージンの各データから構成されるデータベースを格納する記憶装置を備え、
上記データベースは、衛星搭載アンテナ毎に、衛星搭載アンテナから地上局を望む方向に対応付けられた衛星送信アンテナ利得データが格納され、
上記計算機は、通信予定時間内の刻み時間毎に、次の1)〜6)の演算を処理する、
1)予め設定された地上局の位置と衛星軌道情報に基づいて衛星に対する地上局の相対方向、および衛星と地上局間の距離を求める、
2)各衛星搭載アンテナの向きと衛星に対する地上局の相対方向と衛星の姿勢に基づいて衛星搭載アンテナから地上局を望む方向を求める、
3)衛星搭載アンテナ毎に上記データベースから衛星送信アンテナ利得を取得する、
4)衛星と地上局間の距離に基づいて衛星と地上局間の自由空間損失を演算する、
5)衛星送信電力、衛星送信アンテナ利得、衛星と地上局間の自由空間損失、地上局アンテナ利得に基づいて、地上局アンテナ端の受信レベルを求め、求めた受信レベルと地上局受信限界レベルとの比較により、衛星搭載アンテナ毎に通信可否を判定する、
6)通信予定時間内に、一定時間以上通信可能となる通信可能期間を有した衛星搭載アンテナを、通信を行う衛星搭載アンテナとして選択し、切替信号を生成する、
ことを特徴とした請求項1または請求項2記載のアンテナ切替装置。 - 上記記憶装置は、軌道上で地上局からアップロードされるアップリンクデータに基づいて、上記データベースを書き換え可能なことを特徴とした請求項4記載のアンテナ切替装置。
- 第1の衛星搭載アンテナと、上記第1のアンテナの電波放射面に対して異なる方向に電波を放射する第2の衛星搭載アンテナと、上記請求項1乃至5に記載のアンテナ切替装置とを備えた人工衛星。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007265483A JP2009094936A (ja) | 2007-10-11 | 2007-10-11 | アンテナ切替装置および人工衛星 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113196688A (zh) * | 2018-12-27 | 2021-07-30 | 星际资讯有限公司 | 信息处理装置、信息处理方法及程序 |
CN115632693A (zh) * | 2020-10-12 | 2023-01-20 | 中国科学院微小卫星创新研究院 | 卫星测控载荷失效处置方法 |
CN116131920A (zh) * | 2021-02-26 | 2023-05-16 | 中国科学院微小卫星创新研究院 | 卫星数传链路传输系统 |
US11742936B2 (en) | 2018-12-27 | 2023-08-29 | Infostellar Inc. | Information processing device, information processing method, and program |
CN116667953A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-08-29 | 中国人民解放军战略支援部队航天工程大学 | 一种兵棋棋盘的通讯强度计算方法、装置及电子设备 |
-
2007
- 2007-10-11 JP JP2007265483A patent/JP2009094936A/ja active Pending
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CN113196688B (zh) * | 2018-12-27 | 2022-08-16 | 星际资讯有限公司 | 信息处理装置、信息处理方法及程序 |
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CN116131920B (zh) * | 2021-02-26 | 2024-05-03 | 中国科学院微小卫星创新研究院 | 卫星数传链路传输系统 |
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