JP2009093797A - 燃料電池用セパレータのクラック検出方法および燃料電池用セパレータのクラック検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査工程が簡略な燃料電池用セパレータのクラック検査方法およびクラック検査装置を提供する。
【解決手段】燃料電池用セパレータ1の外周縁部1aに配置された押圧部材2aとマニホールド用の貫通孔1bに配置された押圧部材2bとのそれぞれが厚み方向から力を加えられて変形する。これにより、外周縁部1aの押圧部材2aがマニホールド用の貫通孔1b側に押す力F1と、マニホールド用の貫通孔1b内の押圧部材2bが外周縁部1a側に押す力F2とが互いに異なることを利用して燃料電池用セパレータ1のクラック1dの検出が行なわれる。
【選択図】図6
【解決手段】燃料電池用セパレータ1の外周縁部1aに配置された押圧部材2aとマニホールド用の貫通孔1bに配置された押圧部材2bとのそれぞれが厚み方向から力を加えられて変形する。これにより、外周縁部1aの押圧部材2aがマニホールド用の貫通孔1b側に押す力F1と、マニホールド用の貫通孔1b内の押圧部材2bが外周縁部1a側に押す力F2とが互いに異なることを利用して燃料電池用セパレータ1のクラック1dの検出が行なわれる。
【選択図】図6
Description
本発明は、燃料電池用セパレータのクラック検出方法および燃料電池用セパレータのクラック検出装置に関するものである。
固体高分子型燃料電池に用いられる基本セルは、イオン交換膜からなる電解質膜をアノード(燃料極)とカソード(空気極)とで挟み込むことで構成される膜/電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、この膜/電極接合体を両側から挟み込む2枚のセパレータとを有している。
セパレータ表面には、膜/電極接合体のアノード(燃料極)に水素などの燃料ガスを、またカソード(空気極)に酸素・空気などの酸化ガスを供給するための流路溝がそれぞれ形成される。また、冷媒を流すための冷媒流路が形成される場合もある。さらに、セパレータは、燃料ガスと酸化ガスとを分離するための遮蔽板としての機能をもつ。
そして、燃料電池システムに必要な電気出力に応じて、このような基本セルが数十〜数百枚直列に積層されて燃料電池が構成される。
このようなセパレータは、たとえば、導電性に優れた黒鉛粉末材料に樹脂系バインダを混合し、あらかじめ流路溝形状・孔形状を形成可能な金型で圧縮成形することにより製造される。しかしながら、上記の製造方法においては、セパレータにクラックなどの不良が発生する場合がある。
上記のようなクラックが生じた場合には、燃料ガスと酸化ガスを分離するための遮蔽板としてのセパレータの機能が損なわれることになる。そこで、このようなクラックをあらかじめ検出することが必要となる。燃料電池用セパレータのクラック検出方法は、たとえば特開2007−42406号公報に開示されている。
この公報に記載されたクラック検出方法は、膜/電極接合体とセパレータとを重ねたモジュールを複数積層したモジュール積層体の状態で、熱負荷もしくは圧力負荷をかけて亀裂を促進させる負荷工程と、セパレータの亀裂を検出する検出工程とを有している。負荷工程においては、セパレータの流体経路に燃料電池運転時のセパレータ温度以上の温度の流体が流されてセパレータに熱負荷がかけられる。もしくはセパレータの流体経路に燃料電池運転時のセパレータでの流体圧力以上の圧力の流体が流されてセパレータに圧力負荷がかけられる。
特開2007−42406号公報
上記の公報に記載されたクラック検出方法では、セパレータの流体経路に流す流体の温度または圧力を制御することでセパレータに負荷をかけているため、セパレータとMEAとを重ねてモジュールとした状態でなければクラックの検査ができない。このため、上記クラック検査においてクラックの程度が予め定められた程度を超えるセパレータのモジュールがあれば、それを合格品モジュールに組替えて、クラックを再度検査する必要があり、クラック検査工程が煩雑になるという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査工程が簡略な燃料電池用セパレータのクラック検査方法およびクラック検査装置を提供することである。
本発明の燃料電池用セパレータのクラック検出方法は、燃料電池用セパレータの外周縁部に配置された押圧部材とマニホールドに配置された押圧部材とのそれぞれに厚み方向から力を加え、外周縁部の押圧部材がマニホールド側に押す力と、マニホールドの押圧部材が外周縁部側に押す力とが互いに異なることを利用して燃料電池用セパレータのクラックの検出を行なう工程を有する。
本発明の燃料電池用セパレータのクラック検出方法によれば、セパレータのマニホールドと外周縁部との双方から異なる力を加えることで、セパレータにクラックが生じている場合には、そのクラックを広げることができる。このため、クラックの有無を検出することが可能となる。
また、セパレータのマニホールドと外周縁部との双方から異なる力を加えることでクラックの検出が行なわれるため、セパレータをモジュール化せずともセパレータ単体でクラックの検出が可能となる。よって、クラックの検出が完了した合格品のセパレータを用いてモジュールを作成すればよく、従来例における合格品モジュールへの組替えという煩雑な工程を省くことができる。したがって、クラックの検査工程を簡略化することができる。
上記の燃料電池用セパレータのクラック検出方法において好ましくは、外周縁部の押圧部材は、燃料電池用セパレータの外周縁部全周を取り囲むように配置される。
これにより、燃料電池用セパレータの全周についてクラックの検出が可能となる。
上記の燃料電池用セパレータのクラック検出方法において好ましくは、燃料電池用セパレータのクラックの検出を行なう工程は、燃料電池用セパレータを挟み込むように冶具で押圧部材の各々を厚み方向の両側から押圧して冶具と燃料電池用セパレータとの間の空間を気密状態とする工程と、その気密状態で、上記空間のうち燃料電池用セパレータの一方の表面側に位置する一方側空間に加圧した流体を供給し、上記空間のうち燃料電池用セパレータの他方の表面側に位置する他方側空間への流体の移動の有無を検出する工程とを有する。
上記の燃料電池用セパレータのクラック検出方法において好ましくは、燃料電池用セパレータのクラックの検出を行なう工程は、燃料電池用セパレータを挟み込むように冶具で押圧部材の各々を厚み方向の両側から押圧して冶具と燃料電池用セパレータとの間の空間を気密状態とする工程と、その気密状態で、上記空間のうち燃料電池用セパレータの一方の表面側に位置する一方側空間に加圧した流体を供給し、上記空間のうち燃料電池用セパレータの他方の表面側に位置する他方側空間への流体の移動の有無を検出する工程とを有する。
このように冶具で押圧部材の各々を厚み方向に押圧することで、押圧部材が変形してセパレータのマニホールドと外周縁部との双方から異なる力でセパレータを押圧することができる。これにより、セパレータにクラックが生じている場合には、そのクラックを広げることができる。
また押圧部材をセパレータの外周縁部全周を取り囲むように配置した場合には、その押圧部材を冶具で押圧することにより、冶具と押圧部材とセパレータとで囲まれる空間を外部の空間に対して気密状態にすることができる。
上記より、セパレータにクラックが発生している場合には、気密空間の一方側空間に流体を供給すると、その広がったクラックを通じて流体は他方側空間へ漏れ出す。よって、上記一方側空間に加圧した流体を供給しながら他方側空間内への流体移動の有無を検出することでクラックの有無を検出することができる。
上記の燃料電池用セパレータのクラック検出方法において好ましくは、マニホールドの押圧部材と外周縁部の押圧部材とは、互いに弾性率の異なる弾性体である。
これにより、マニホールドの押圧部材と外周縁部の押圧部材との各々を冶具で同じように押圧した場合でも、セパレータのマニホールドと外周縁部との各々から押圧部材で加える力を互いに異ならせることができる。
本発明の燃料電池用セパレータのクラック検出装置は、燃料電池用セパレータの外周縁部に配置する押圧部材およびマニホールドに配置する押圧部材と、冶具と、検出装置とを備えている。冶具は、燃料電池用セパレータを挟み込むように押圧部材の各々を厚み方向の両側から押圧して燃料電池用セパレータと冶具との間の空間を気密状態にできるものである。この冶具は、上記空間のうち燃料電池用セパレータの一方の表面側に位置する一方側空間に加圧した流体を供給するための流体通路を有している。検出装置は、上記空間のうち燃料電池用セパレータの他方の表面側に位置する他方側空間への流体の移動の有無を検出するためのものである。検出装置は、圧力計、流量計、バブラーなどの流体の移動を検出できるものであればよい。
本発明の燃料電池用セパレータのクラック検出装置によれば、上記の本発明のクラック検出方法を実現することができ、これによりクラックの検査工程を簡略化することができる。
以上説明したように本発明によれば、燃料電池用セパレータのクラック検査の工程を簡略化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず、燃料電池セルの構成について説明する。
まず、燃料電池セルの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における燃料電池用セパレータを用いた燃料電池セルの構造の例を示す分解斜視図である。図1を参照して、燃料電池セル20は、1対の燃料電池用セパレータ1、1と、膜/電極接合体(MEA)24とを有している。膜/電極接合体24は、たとえば固体高分子電解質膜22と、この固体高分子電解質膜22を挟み込む燃料極21および酸化剤極23とを有している。1対の燃料電池用セパレータ1、1が膜/電極接合体24を挟むように配置されることで、固体高分子型の燃料電池セル20が構成されている。
本実施の形態の燃料電池は、単一の燃料電池セル20により構成されていてもよいが、発電性能を高める目的で通常は該燃料電池セル20が複数個直列に配置された燃料電池スタックとされている。
次に、上記の燃料電池セルに用いられる燃料電池用セパレータの具体的な構造について説明する。
図2は本発明の一実施の形態における燃料電池用セパレータの構造を概略的に示す平面図であり、図3は図2のIII−III線に沿う概略断面図である。図2および図3を参照して、燃料電池用セパレータ1は、平面視においてたとえば矩形の外形を有している。この燃料電池用セパレータ1は、その燃料電池用セパレータ1を貫通するマニホールド用の貫通孔1bと、その燃料電池用セパレータ1の表面に形成された流路溝1cとを有している。
マニホールド用の貫通孔1bおよび流路溝1cは、燃料ガス、酸化ガスもしくは冷媒流体を供給するための流路となるものである。流路溝1cは、図3に示すように燃料電池用セパレータ1の両面に形成されていてもよい。
次に、上記の燃料電池用セパレータのクラックを検出するためのクラック検出装置の構成について説明する。
図4は、本発明の一実施の形態における燃料電池用セパレータのクラック検出装置の構成を概略的に示す断面図である。図4を参照して、燃料電池用セパレータのクラック検出装置10は、押圧部材2a、2bと、上下1対の冶具11、12と、上下1対のプレス盤面13、14と、圧力計15とを主に有している。
下側の冶具12は、その表面に燃料電池用セパレータ1と押圧部材2a、2bとを載置できるように構成されている。下側の冶具12は内部に流体経路12aを有しており、その流体経路12aは下側の冶具12の燃料電池用セパレータ1を載置する表面部分に開口している。この下側の冶具12は下側のプレス盤面14に取り付けられている。圧力計15は、流体経路12a内の流体(気体、液体)の圧力を測定できるように配置・構成されている。
上側の冶具11は、燃料電池用セパレータ1および押圧部材2a、2bを、下側の冶具12との間で挟み込むことができるように構成されている。上側の冶具11は内部に流体経路11aを有している。この流体経路11aは、燃料電池用セパレータ1および押圧部材2a、2bを上下1対の冶具11、12で挟み込んだ状態で、上側の冶具11の燃料電池用セパレータ1と対向する表面部分に開口している。この流体経路11aは、装置外部から流体を供給可能に構成されている。この上側の冶具11は、上側のプレス盤面13に取り付けられている。
上下1対のプレス盤面13、14は、いずれか一方または双方が移動可能に構成されている。これにより上下1対のプレス盤面13、14は、互いに接近・離隔可能である。上下1対のプレス盤面13、14が互いに接近した際には、上下1対の冶具11、12は、その間で押圧部材2a、2bを両側から押圧して変形させることが可能である。また上下1対のプレス盤面13、14が離隔した際には、冶具11、12の間から燃料電池用セパレータ1を取り出すことが可能である。
押圧部材2a、2bの各々は、加圧変形により密封性のある弾性体あるいは弾性発泡体であり、たとえば互いに弾性率の異なる弾性体あるいは弾性発泡体よりなっていてもよく、好ましくはセパレータの硬度より低い硬度を有する弾性体あるいは弾性発泡体であり、たとえば市販されている樹脂、エラストマー、ゴム(オレフィンゴム、SBR、シリコーンゴム)などよりなっていてもよい。ここで言う硬さは、ASTMD2240で測定するショア硬さである。
図5は、図4における押圧部材2a、2bの配置の様子を示す概略平面図である。図5を参照して、押圧部材2aは、燃料電池用セパレータ1の外周縁部1aの外周全周を取り囲むように配置されている。言い換えると、押圧部材2aは、燃料電池用セパレータ1の外形(平面形状)とほぼ同じか、もしくは少し大きい形状の孔を有し、その孔内に燃料電池用セパレータ1が嵌め込まれている。また押圧部材2bは燃料電池用セパレータ1のマニホールド用の貫通孔1bとほぼ同じか、もしくは少し小さい平面形状を有し、そのマニホールド用の貫通孔1b内に配置されている。また押圧部材2a、2bのいずれの厚みも、燃料電池用セパレータ1よりも厚くなっていることが好ましい。
次に、燃料電池用セパレータのクラックの検出方法について説明する。
図4および図6は、本発明の一実施の形態における燃料電池用セパレータのクラック検出方法を工程順に示す概略断面図である。まず図4を参照して、上下1対のプレス盤面13、14は互いに離隔した状態にある。この状態においては、冶具11と冶具12との間が開いているため、冶具12の表面上に燃料電池用セパレータ1と押圧部材2a、2bとを配置することができる。
図4および図6は、本発明の一実施の形態における燃料電池用セパレータのクラック検出方法を工程順に示す概略断面図である。まず図4を参照して、上下1対のプレス盤面13、14は互いに離隔した状態にある。この状態においては、冶具11と冶具12との間が開いているため、冶具12の表面上に燃料電池用セパレータ1と押圧部材2a、2bとを配置することができる。
この燃料電池用セパレータ1と押圧部材2a、2bとの配置の様子は、図5に示すような状態とされる。つまり図5を参照して、押圧部材2aが燃料電池用セパレータ1の外周縁部1aの外周全周を取り囲むように配置され、かつ押圧部材2bが燃料電池用セパレータ1のマニホールド用の貫通孔1b内に配置される。
この配置が完了した後、上下1対のプレス盤面13、14は互いに接近した状態へ移行する。
図6を参照して、上下1対のプレス盤面13、14が互いに接近した状態では、上下1対の冶具11、12の間で押圧部材2a、2bがその厚み方向(冶具11、12が互いに向かい合う方向)の両側から押圧されて幅方向(厚み方向に直交する方向)に広がるように変形する。この押圧部材2a、2bの変形により、燃料電池用セパレータ1の押圧部材2aと2bとで挟まれた箇所には、押圧部材2aが燃料電池用セパレータ1の外周縁部1aを押す力と、押圧部材2bがマニホールド用の貫通孔1bの壁面を押す力とが作用し負荷が加えられる。
ここで押圧部材2a、2bの各々は、たとえば互いに弾性率の異なる弾性体よりなっているため、外周縁部1aの押圧部材2aが燃料電池用セパレータ1をマニホールド用の貫通孔1b側へ押す力と、マニホールド用の貫通孔1b内の押圧部材2bが燃料電池用セパレータ1を外周縁部側へ押す力とが互いに異なることになる。この場合、燃料電池用セパレータ1の押圧部材2aと2bとで挟まれた箇所は、平面視において、押す力の強い方から押す力の弱い方へ向けて凸となるように湾曲する。これによりその箇所にクラックが生じている場合には、そのクラックが開くことになる。そのことを以下に図7を用いて説明する。
図7は、燃料電池用セパレータ1の押圧部材2aと2bとで挟まれた箇所にクラックが生じた様子を概略的に示す部分平面図(a)、および、そのクラックが開く様子を概略的に示す部分平面図(b)である。まず図7(a)に示すように燃料電池用セパレータ1の押圧部材2aと2bとで挟まれた箇所にクラック1dが生じていると仮定する。この状態で、図7(b)に示すように押圧部材2a、2bの各々が変形して燃料電池用セパレータ1を押圧する。このとき、たとえば押圧部材2aがマニホールド用の貫通孔1b側へ燃料電池用セパレータ1を押す力F1が、押圧部材2bが外周縁部1a側に燃料電池用セパレータ1を押す力F2よりも大きいとする。この場合、燃料電池用セパレータ1の押圧部材2aと2bとで挟まれた箇所は、平面視において、押圧部材2a側から押圧部材2b側へ向かって凸となるように湾曲する。これにより、クラック1dが押圧部材2b側へ開くことになる。
なお押圧部材2bの押す力F2が押圧部材2aの押す力F1よりも大きい場合には、燃料電池用セパレータ1の押圧部材2aと2bとで挟まれた箇所は、平面視において、押圧部材2b側から押圧部材2a側へ向かって凸となるように湾曲し、クラック1dが押圧部材2a側へ開くことになる。
図6を参照して、上下1対の冶具11、12で押圧部材2a、2bを押圧することにより、上下1対の冶具11、12と押圧部材2a、2bとが密着する。これにより、冶具11、12および押圧部材2aで囲まれた空間が気密空間となる。この気密空間は、燃料電池用セパレータ1と冶具11との間の空間16と、燃料電池用セパレータ1と冶具12との間の空間(図示せず)とを有する。
この気密空間が形成された状態で、装置10の外部から加圧した流体(気体、液体)が冶具11の流体経路11aを通じて空間16へ供給される。このとき、図7に示したように燃料電池用セパレータ1に生じたクラック1dが開いていれば、流体は空間16からクラック1dを介して燃料電池用セパレータ1と冶具12との間の空間へ流れ込む。これにより、冶具12の流体経路12a内の流体の移動の有無により圧力の変化が生じるため、この圧力変化を圧力計15で測定することにより燃料電池用セパレータ1にクラック1dが発生していることを検出することができる。
また燃料電池用セパレータ1にクラック1dが生じていない場合には、流体は空間16からクラック1dを介して燃料電池用セパレータ1と冶具12との間の空間へ流れ込むことはない。このため、冶具12の流体経路12a内の圧力は変化しない。よって、この圧力値を圧力計15で測定することにより燃料電池用セパレータ1にクラック1dが発生していないことを検出することができる。
なお図6においては燃料電池用セパレータ1と冶具12との間の空間を図示していないが、燃料電池用セパレータ1と冶具12との間には、微小な隙間が存在している。また冶具12の燃料電池用セパレータ1を載置する表面部分に溝を設けることで、燃料電池用セパレータ1と冶具12との間に積極的に空間が設けられてもよい。ただし、この場合、冶具12の表面に形成される溝は平面視において押圧部材2aに取り囲まれる領域の内側に位置しており、押圧部材2aに取り囲まれる領域の外側に延びていない必要がある。外側に延びていると空間内の気密性が保ちにくくなる。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、燃料電池用セパレータ1のマニホールド用の貫通孔1bと外周縁部1aとの双方から押圧部材2a、2bにより異なる大きさの力を加えることでクラック1dの検出が行なわれる。このため、燃料電池用セパレータ1単体でのクラック1dの検出が可能であり、燃料電池用セパレータ1を従来例のようにモジュール化せずともクラック1dの検出が可能となる。よって、クラック1dの検出が完了した合格品の燃料電池用セパレータ1を用いてモジュールを作成すればよく、従来例におけるような合格品モジュールへの組替えという煩雑な工程を省くことができる。したがって、本実施の形態によれば、クラック1dの検査工程を簡略化することができる。
本実施の形態によれば、燃料電池用セパレータ1のマニホールド用の貫通孔1bと外周縁部1aとの双方から押圧部材2a、2bにより異なる大きさの力を加えることでクラック1dの検出が行なわれる。このため、燃料電池用セパレータ1単体でのクラック1dの検出が可能であり、燃料電池用セパレータ1を従来例のようにモジュール化せずともクラック1dの検出が可能となる。よって、クラック1dの検出が完了した合格品の燃料電池用セパレータ1を用いてモジュールを作成すればよく、従来例におけるような合格品モジュールへの組替えという煩雑な工程を省くことができる。したがって、本実施の形態によれば、クラック1dの検査工程を簡略化することができる。
また上下1対の冶具11、12で押圧部材2a、2bを厚み方向に押圧することにより、押圧部材2a、2bが変形して燃料電池用セパレータ1を互いに異なる大きさの力で押圧することができる。また上下1対の冶具11、12で押圧部材2a、2bを厚み方向に押圧することにより、押圧部材2a、2bと上下1対の冶具11、12とが互いに密着して燃料電池用セパレータ1を取り囲む空間を気密空間とすることができる。
また押圧部材2aは、燃料電池用セパレータ1の外周縁部1a全周を取り囲むように配置されているため、燃料電池用セパレータ1の全周についてクラック1dの検出が可能になるとともに、燃料電池用セパレータ1を取り囲む空間を上下1対の冶具11、12と押圧部材2aとにより気密空間とすることができる。
なお上記の実施の形態においては、流体経路12aの流体圧力を測定することによりクラックを検出する場合について説明したが、流体経路11aもしくは燃料電池用セパレータ1と冶具11との間の空間16の流体圧力を測定することによりクラックの検出が行なわれてもよい。
また上記の実施の形態においては、流体の圧力を測定することによりクラックを検出する場合について説明したが、図6において燃料電池用セパレータ1と冶具11との間の空間16から、燃料電池用セパレータ1と冶具12との間の空間(図示せず)への流体の移動の有無を検出することによりクラックが検出されてもよい。この流体の移動の有無は、たとえば流量計、バブラーなどで検出されてもよい。
また本実施の形態のクラック検出方法においては、マニホールド用の貫通孔1b内に押圧部材2bを配置した場合について説明したが、マニホールド用の貫通孔1b以外の貫通孔が燃料電池用セパレータ1に設けられている場合には、その貫通孔内にも別の押圧部材が配置されてクラックの検出が行なわれてもよい。
また本実施の形態のクラック検出方法においては、押圧部材2aが外周縁部1aの全周を取り囲むように配置された場合について説明したが、クラック検出時に燃料電池用セパレータ1を取り囲む空間の気密を確保できるのであれば、押圧部材2aが外周縁部1aの全周を取り囲む必要はない。この場合には、燃料電池用セパレータ1のクラックの検出を行いたい部分を挟み込むように押圧部材2a、2bが配置されればよい。
また本実施の形態のクラック検出方法は、黒鉛粉末材料に樹脂系バインダを混合して成形した燃料電池用セパレータに適用されてもよく、またこれ以外の他の材質からなる燃料電池用セパレータに広く適用されてもよい。
また本実施の形態のクラック検出方法は、上記の固体高分子型の燃料電池のセパレータ以外に、ヒドラジン型、直接メタノール型、アルカリ型、リン酸型などの種々の燃料電池のセパレータにも適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、マニホールド用の貫通孔を有する燃料電池用セパレータに特に有利に適用され得る。
1 燃料電池用セパレータ、1a 外周縁部、1b 貫通孔、1c 流路溝、1d クラック、2a,2b 押圧部材、10 クラック検出装置、11,12 冶具、11a,12a 流体経路、13,14 プレス盤面、15 圧力計、20 燃料電池セル、21 燃料極、22 固体高分子電解質膜、23 酸化剤極、24 電極接合体。
Claims (5)
- 燃料電池用セパレータの外周縁部に配置された押圧部材とマニホールドに配置された押圧部材とのそれぞれに厚み方向から力を加え、前記外周縁部の前記押圧部材が前記マニホールド側に押す力と、前記マニホールドの前記押圧部材が前記外周縁部側に押す力とが互いに異なることを利用して前記燃料電池用セパレータのクラックの検出を行なう工程を有する、燃料電池用セパレータのクラック検出方法。
- 前記外周縁部の前記押圧部材は、前記燃料電池用セパレータの外周縁部全周を取り囲むように配置される、請求項1に記載の燃料電池用セパレータのクラック検出方法。
- 前記燃料電池用セパレータのクラックの検出を行なう工程は、
前記燃料電池用セパレータを挟み込むように冶具で前記押圧部材の各々を厚み方向の両側から押圧して前記冶具と前記燃料電池用セパレータとの間の空間を気密状態とする工程と、
前記気密状態で、前記空間のうち前記燃料電池用セパレータの一方の表面側に位置する一方側空間に加圧した流体を供給し、前記空間のうち前記燃料電池用セパレータの他方の表面側に位置する他方側空間への流体の移動の有無を検出する工程とを有する、請求項1または2に記載の燃料電池用セパレータのクラック検出方法。 - 前記マニホールドの前記押圧部材と前記外周縁部の前記押圧部材とは、互いに弾性率の異なる弾性体である、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータのクラック検出方法。
- 燃料電池用セパレータの外周縁部に配置する押圧部材およびマニホールドに配置する押圧部材と、
前記燃料電池用セパレータを挟み込むように前記押圧部材の各々を厚み方向の両側から押圧して前記燃料電池用セパレータと前記冶具との間の空間を気密状態にできる冶具とを備え、
前記冶具は、前記空間のうち前記燃料電池用セパレータの一方の表面側に位置する一方側空間に加圧した流体を供給するための流体通路を有し、さらに
前記空間のうち前記燃料電池用セパレータの他方の表面側に位置する他方側空間への流体の移動の有無の検出装置を備えた、燃料電池用セパレータのクラック検出装置。
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