JP2009091787A - 屋根構造 - Google Patents

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JP2009091787A
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Masaya Ebara
正也 江原
Akinori Kamiya
昭範 神谷
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Abstract

【課題】合成樹脂製の波板を用いた場合であっても十分な耐候性と強度を有しつつ、屋根材下部の換気を行うこと。
【解決手段】垂木11と、垂木11に下面が支持された野地板12と、野地板12の上に配置された波板13と、波板13の上に配置された桟木14と、桟木14の上に配置された瓦15と、波板13の波上部13aを貫通して野地板12、垂木11の順で打たれた固定釘20と、瓦15から桟木14に打たれた締結釘22とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、合成樹脂製の波板を屋根下葺防水材として用いた屋根構造に関し、特に耐久性と軒先から棟へ空気が流れる通気性(8mm以上)を有するものに関する。
家屋の屋根構造に用いる屋根下葺防水材として、アスファルトルーフィングとゴムアスファルトルーフィングや、透湿防水シート(野地から垂直方向に湿気をシート上に通過させる透湿性を持った防水シート)がよく知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このような屋根下葺防水材は低コストであり多用されている。
特開2007−126953号公報 特開2007−223046号公報
上述した屋根下葺防水材を用いた屋根構造では、次のような問題があった。すなわち、現在の住宅は長寿命化が推進されているため、その寿命が60〜100年とも言われているのに対し、アスファルトルーフィングやゴムアスファルトルーフィングは熱劣化が起きやすく、30年もしないうちに劣化して収縮し破れてしまう。また、防水性は優れているものの、野地の湿気を排出する透湿性はない。そのため、野地で結露が起きやすく、野地の劣化も進行するという問題があった。
一方、透湿透湿防水シートは、シートの熱劣化と野地の劣化を防ぐための改良が加えられ、耐久性に関しては十分であるが、防水性に問題がある。すなわち、釘穴シール性の改善がいろいろ検討されているが、防水シートを止め付けるためのタッカー(針)に対する止水性はなかなか改善されていない。
そこで本発明は、十分な耐久性及び防水性を備えた屋根構造を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の屋根構造は次のように構成されている。
垂木と、この垂木に下面が支持された野地板と、この野地板の上に配置された波板と、この波板の上に配置された桟木と、この桟木の上に配置された屋根材と、上記波板の波上部を貫通して上記野地板、上記垂木の順で打たれた固定釘と、上記屋根材から上記桟木に打たれた締結釘とを備えていることを特徴とする。
垂木と、この垂木に下面が支持された野地板と、この野地板の上に配置された波板と、この波板の上に配置された金属屋根材と、この金属屋根材から上記波板の波上部を貫通して上記野地板、上記垂木の順で打たれた固定釘とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、十分な耐久性及び防水性を備えることが可能となる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る屋根構造10を示す断面図、図2〜図4は同屋根構造10の施工手順を示す断面図である。
屋根構造10は、垂木11と、この垂木11に下面が支持された野地板12と、この野地板12の上に配置された波板13と、この波板13の上に配置された桟木14と、この桟木14の上に配置された瓦(屋根材)15とを備えている。これら垂木11、野地板12、波板13、桟木14、瓦15は、固定釘20,21及び締結釘22により固定されている。固定釘20は、波板13、野地板12、垂木11の順で打たれ、固定釘21は、桟木14、波板13、野地板12、垂木11の順で打たれ、締結釘22は瓦15から桟木14に向かって打たれている。
野地板12の最上部には、換気スリット12aが形成され、この換気スリット12aに跨るようにして棟金具30が設けられ、この棟金具30により水平方向に配置された垂木31が支持されている。垂木31はその上側から冠瓦32により覆われている。また、図1中33は空気流通部材を示している。
波板13は、合成樹脂製(ポリ塩化ビニル樹脂やポリカーボネート樹脂)であり、波上部13aと波下部13bとが交互に、かつ、一定の間隔で形成されている。また、波上部13aと波下部13bとが並ぶ波方向は、垂木11の延びる方向と直交して配置されている。なお、固定釘20,21は、図2〜図4に示すように波上部13aを貫通して打ち込まれている。
このような屋根構造10は、次のようにして施工される。最初に、図2に示すように、垂木11上に野地板12を配置し、その上に波板13を敷く。そして、固定釘20にて波板13の波上部13aから野地板12を貫通させ、垂木11に向かって打ち込む。次に、図3に示すように、桟木14を配置し、固定釘21にて桟木14の上から波板13の波上部13a及び野地板12を貫通させ、垂木11に向かって打ち込む。次に、図4に示すように、瓦15を配置し、締結釘22により、瓦15と桟木14とを固定する。
このように構成された屋根構造10では、波板13の上に瓦15が配置されるため、合成樹脂製の波板13には直射日光は当たらず、経年劣化が少なくなる。また、波板13には固定釘20,21を貫通するための孔が形成されるが、その孔は波板13の波上部13aに形成されることになるため、瓦15と波板13との間に浸入した水滴は、波上部13aに流入することがない。すなわち、水滴は波板13の波下部13bに溜まり、軒先側に流れ落ちることになり、防水のためのルーフィングが別途不要となる。すなわち、波板13は屋根下葺材としての機能を有することとなり、十分な耐候性と低コスト性を有することになる。
一方、波板13はその構造上通気路が形成されているため、野地板12と瓦15の間の換気を十分に行うことができる。特に、波上部13aと波下部13bとが並ぶ波方向を垂木11の延びる方向と直交して配置することで、通気路が軒先から棟側に向かって形成されることとなり、図1中Fに示すように換気を円滑に行うことができる。このため、野地板12の湿気を野地板12と波板13との空間から棟から排湿できる、野地板12での結露を防止でき、野地板12の耐久性を向上させることができる。同様にして瓦15下の熱気や雨水等の湿気を棟から排出できる。このため、断熱性も向上させることができる。
上述したように、本実施の形態に係る屋根構造10によれば、合成樹脂製の波板13を屋根下葺材として用いることで十分な耐久性を有しつつ、防水性を維持し、また野地板12と瓦15との間(屋根材の下部)の換気を行うことが可能となる。
図5は本発明の第2の実施の形態に係る屋根構造10Aの要部を示す斜視図、図6は同屋根構造10Aの断面図である。図5及び図6において図1〜図4と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。屋根構造10Aにおいては、屋根材として金属瓦(金属屋根材)40を用いている。
金属瓦40を用いた場合においては、桟木14を用いず、金属瓦40に係合部41を形成し、その係合部41に上段の金属瓦40の下端42を引っ掛けて係止することで金属瓦40同士を固定している。このため、締結釘は不要となる。なお、固定釘21は、金属瓦40から波板13の波上部13aを貫通して野地板12、垂木11の順で打たれている。この場合であっても、屋根構造10と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、波板の波方向を垂木11の延びる方向と並行に配置してもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
本発明の第1の実施の形態に係る屋根構造を示す断面図。 同屋根構造の施工工程を示す断面図。 同屋根構造の施工工程を示す断面図。 同屋根構造の施工工程を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態に係る屋根構造を示す斜視図。 同屋根構造を示す断面図。
符号の説明
10,10A…屋根構造、11…垂木、12…野地板、13…波板、14…桟木、15…瓦(屋根材)、20,21…固定釘、22…締結釘、40…金属瓦(金属屋根材)。

Claims (5)

  1. 垂木と、
    この垂木に下面が支持された野地板と、
    この野地板の上に配置された波板と、
    この波板の上に配置された桟木と、
    この桟木の上に配置された屋根材と、
    上記波板の波上部を貫通して上記野地板、上記垂木の順で打たれた固定釘と、
    上記屋根材から上記桟木に打たれた締結釘とを備えていることを特徴とする屋根構造。
  2. 垂木と、
    この垂木に下面が支持された野地板と、
    この野地板の上に配置された波板と、
    この波板の上に配置された金属屋根材と、
    この金属屋根材から上記波板の波上部を貫通して上記野地板、上記垂木の順で打たれた固定釘とを備えていることを特徴とする屋根構造。
  3. 上記波板と上記野地板との間には、通気層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋根構造。
  4. 上記波板と上記屋根材との間には、通気層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  5. 上記波板と上記金属屋根材との間には、通気層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の屋根構造。
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