JP2009087545A - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】焼入装置1は、高周波電源2に加熱ユニット3を接続した構成とされている。加熱ユニット3は、カレントトランス11を有し、この二次側に二次側電気系統33を介して誘導加熱コイル10が接続されている。誘導加熱コイル10は、処理対象物を加熱するための加熱処理部31と、二つの導通部32とを有する。導通部32には、それぞれコア部35が接続されており、これに装着された電流検知用コイル38に流れる誘導電流を検知できる。電流検知用コイル38の信号は、制御装置5に入力されて常時監視し、比較される。両者の差異が一定値を越えると、制御装置5から警報信号が発せられる。
【選択図】図1
Description
高周波焼き入れは、ワークに誘導加熱コイルを近接させ、ワークに誘導電流を発生させて昇温するものである。
誘導加熱を利用して焼き入れを行う焼入装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。
すなわち誘導加熱コイルとワークが接触すると、誘導加熱コイルからワークに対して直接的に大電気が流れ、接触部分が溶変してしまう。そのため誘導加熱コイルとワークが接触した場合は、ただちに作業者にそれを知らせる警報を出したり、装置を停止するといった処置をこうじる必要がある。
図7に示す検知回路は、低電圧供給回路100を備え、低電圧供給回路100からトランス101を介して誘導加熱コイル100とアース間に低電圧を印加するものである。従来技術の検知回路では、低電圧供給回路100(トランス101の一次側)にリレー103が挿入されている。リレー103は、このコイルに一定以上の電流が供給されると図示しない接点が動作してオン又はオフ状態となる。
しかしながらワークと誘導加熱コイルとが接触すると、一方の部位(電流検知手段CT1の部位)には電流Icが流れるが、接触点を挟んだ他の部位(電流検知手段CT2の部位)には接地を介しても電流ILも流れるので、電流検知手段CT2が検知する電流は、(Ic−IL)となり、両者の間に異常値たる差異が生じる。
本発明は、この異常値又は差異が一定以上となれば、所定の処置を実行する。
すなわち誘導加熱コイルには高周波電流が流されるので、導通部の周辺に変動する磁界が生じ、コアは変動する磁界に晒される。その結果、変動する磁束によってコアが貫通され、コア部に巻き付けられた電流検知用コイルに誘導電流が生じる。
従って、本発明の誘導加熱コイルは、電流検知用コイルに流れる誘導電流を検知することにより、誘導加熱コイルへの通電状態を検知することができる。
また、本発明の誘導加熱コイルにおいて、電流検知用コイルには、加熱処理部に流れる電流の大きさを反映した大きさの誘導電流が流れるものと想定される。そのため、本発明の誘導加熱コイルを用いて誘導加熱焼入処理を行う場合は、誘導電流値を監視することにより、加熱処理部に流れる電流値の推移を監視することができる。
さらに本発明は、誘導加熱コイルから漏れた磁束を拾って電流を検知するものであるから、誘導加熱コイル自体のインダクタンスは変化しない。そのため誘導加熱コイルに流れる電流にロスは無い。
さらに本発明では、コア部は絶縁体を介して誘導加熱コイルに取り付けられてるから、コア部は誘導加熱コイルから絶縁されている。そのため例え電流検知用コイルに絶縁不良があっても測定機器側に過大な電流が流れることはない。
図1は、本発明の一実施形態にかかる焼入装置の回路構成図である。図2は、本発明の実施形態の誘導加熱コイルの概念図である。図3は、図2の誘導加熱コイルのコア部の斜視図及び分解斜視図である。図4は、他の実施形態における誘導加熱コイルのコア部の斜視図である。
図1に示すように、誘導加熱装置1(以下、焼入装置1とも称す)は、高周波電源2と、加熱ユニット3と、制御装置5とを有する。
誘導加熱コイル10は、焼入処理に際して処理対象物の外周側に配される加熱処理部31と、カレントトランス11の二次側に接続される通電部32とを有する。
二つの通電部32は加熱処理部31を挟んだ位置にある。
二つの電流検知手段50,51は、同一の構造であるから、一方の電流検知手段50を例に構造を説明する。本実施形態では、電流検知手段50はコア部材35(コア部)と絶縁体39及び電流検知用コイル38によって構成されている。
電流検知手段50を構成するコア部材35(コア部)は、絶縁体39を介して通電部32に取り付けられている。絶縁体39は、樹脂や雲母等で作られた薄い板である。
コア部材35は、磁性体によって構成されており、外観が略「ロ」字型の部材である。すなわちコア部材35は、長方形の閉ループを構成した枠体であり、コア部材35は、図2に示すように、通電部32に対して片持ち状に取り付けられている。
固定部37と通電部32との間には前記した絶縁体39が介在されており、固定部37と通電部32とは電気的に絶縁されている。本実施形態においては、コア部材35の取付け姿勢は、図2、図3の様に固定部37及び芯部36が通電部32の電流の流れ方向と平行となる姿勢であるが、図4に示すように固定部37及び芯部36を電流の流れ方向に対して直行する姿勢に取り付けてもよい。
二つの電流検知手段50,51の電流検知用コイル38の信号は、制御装置5に入力されて監視される。
すなわち電流検知手段50,51は、直列状態に接続されているから、両者の電流は同一のはずである。
しかしながら誘導加熱コイル10とワークが接触する事態となれば、誘導加熱コイル10からワークに対して電流が流れ、平衡関係が崩れて電流検知手段50,51が検知する電流値に差異が生じる。そこで本発明は、二つの電流検知手段50,51の電流検知用コイル38の信号を常時監視して比較し、両者の差異が一定値を越えると、誘導加熱コイル10とワークが接触したものと判断して警報を発する。
図5は、本発明の他の実施形態の誘導加熱コイルの概念図である。
図5に示す誘導加熱コイル53は、断面形状角形のパイプを複雑に折り曲げる等して形成された、いわゆる開放型の鞍型コイルである。さらに詳細に説明すると、誘導加熱コイル53は、その一端側(端部10a)から他端側(端部10b)に至るまで一連とされている。また、誘導加熱コイル53は、内部に形成された通液路45についても端部10aから端部10bに至る全区間にわたって連通している。
2 高周波電源
3 加熱ユニット
10 誘導加熱コイル
11 カレントトランス
31 加熱処理部
32 導通部
35 コア部材(コア部)
39 絶縁体
38 電流検知用コイル
40 電流計(電流検知手段)
50,51 電流検知手段
Claims (4)
- 処理対象物を誘導加熱するための誘導加熱コイルを備えた誘導加熱装置において、誘導加熱コイル又は誘導加熱コイルに電力を供給する回路に2以上の電流検知手段を直列に設け、前記電流検知手段によって検知される電流を監視し、両者に一定以上の異常が生じた場合に所定の処置が実行されることを特徴とする誘導加熱装置。
- 処理対象物を誘導加熱するための誘導加熱コイルを備えた誘導加熱装置において、誘導加熱コイル又は誘導加熱コイルに電力を供給する回路に2以上の電流検知手段を直列に設け、前記電流検知手段によって検知される電流を監視し、両者に一定以上の差異が生じた場合に所定の処置が実行されることを特徴とする誘導加熱装置。
- 所定の処置は、異常の表示であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱装置。
- 誘導加熱コイルは、加熱処理時に処理対象物に対向する位置に配される加熱処理部と、加熱処理部に対して電気的に導通した導通部とを有し、加熱処理部を挟んで加熱処理部に対して電気的に導通した二つの導通部を備え、当該二つの導通部にそれぞれ電流検知手段が設けられ、当該電流検知手段は、磁性体からなるコア部が絶縁体を介して取り付けられ、当該コア部に電流検知用コイルが設けられてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱装置。
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2007
- 2007-09-27 JP JP2007251665A patent/JP5103117B2/ja active Active
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