JP2009084341A - 希土類金属錯体及びそれを用いた蛍光発光材料 - Google Patents

希土類金属錯体及びそれを用いた蛍光発光材料 Download PDF

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JP2009084341A
JP2009084341A JP2007253543A JP2007253543A JP2009084341A JP 2009084341 A JP2009084341 A JP 2009084341A JP 2007253543 A JP2007253543 A JP 2007253543A JP 2007253543 A JP2007253543 A JP 2007253543A JP 2009084341 A JP2009084341 A JP 2009084341A
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Hideo Saji
英郎 佐治
Yuji Kuge
裕司 久下
Takashi Tenma
敬 天滿
Kazuki Aida
一樹 相田
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Abstract

【課題】新規な希土類金属錯体及びそれを用いた蛍光発光材料を提供する。
【解決手段】例えば下記構造式で例示される希土類金属錯体、及びそれを用いる蛍光発光材料。
Figure 2009084341

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な希土類金属錯体及びそれを用いた蛍光発光材料に関する。
蛍光分析法は、空間・時間分解能が高く、安全で操作も簡便であることが多いため、生体組織内物質の測定、特にin vitroにおいて多用されている。この蛍光分析法で用いられている蛍光分子プローブとしては、種々のものが提案されている(特許文献1及び非特許文献1)。
しかしながら、これらの蛍光分子プローブを用いると、1)観測する蛍光波長が可視光領域であるため、生体組織中の水分、ヘモグロビン等による吸収又は散乱が生じてしまう(さらに、in vivoでの蛍光分析を行うと仮定すると、その検出限界はせいぜい1mm程度であると推測されている)、2)蛍光物質が有機分子であることが多いため、照射する励起光と観測される蛍光とのスペクトルピークが大きく重複することにより、スペクトルのバックグランドが高くなり、S/N比(Signal/Noise比)が非常に悪くなってしまう、3)励起光が紫外線領域にあり、生体組織にダメージを与えてしまう、という種々の問題が生じている。これらの問題により、in vitroの測定にさえ、精度・感度の点において、さらなる改良の余地が残されている。また、現時点ではまだ実現されていないin vivoへの応用を考えると、上記問題はより一層深刻になる。
したがって、高精度及び高感度の検出が可能な蛍光発光材料及び蛍光分子プローブの開発が望まれている。
本発明者らは、上記問題に鑑み研究を行い、上記問題を解決できる蛍光発光材料及び蛍光分子プローブの開発に成功している(特許文献2)。特許文献2の蛍光発光材料を使用すると、バックグランドを顕著に減少させることができ、高精度及び高感度の測定が可能となる。
この蛍光発光材料は蛍光検出測定の精度、感度等の点で十分に優れたものではあるが、バックグランドをさらに減少させて、より一層高精度な測定を行える余地が残されている。また、測定に際し、蛍光発光材料を溶液中に含有させて測定するが、この蛍光発光材料では当該溶液のpHを6程度以上の条件で行わなければならないため、pHの調整が必要となる場合があり、簡便性にやや欠ける問題がある。
特表2005−529219号公報 特開2007−238650号公報 Ntziachristos et al., pages12294-12299, PNAS, August 17, 2004, vol.101, no.33
本発明は、測定時のバックグランドをより一層低減でき、さらに測定の際に使用する溶液のpHの調整が不要な蛍光発光材料及び蛍光分子プローブを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の問題点を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する希土類金属錯体を用いることにより、上記問題点を解決するに至った。すなわち、本発明は下記の希土類金属錯体、それを用いた蛍光発光材料及び蛍光分子プローブ等に係る。
項1.
下記一般式(1):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基とYbとを含む発光基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
で表される希土類金属錯体。
項2.
前記Aが下記一般式(2)〜(11)のいずれか1つで表される、項1に記載の希土類金属錯体。
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R及びRは、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R〜R11は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R12は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R13〜R15は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R16は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R17〜R20は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R21は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R22〜R25は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R26は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R27〜R31は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R32は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R33〜R37は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R38は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R39〜R43は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R44は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R45〜R48は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R49は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R50〜R53は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
項3.
下記一般式(12):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示す。)
で表される、希土類金属錯体。
項4.
一般式(12)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示し、Bはリンカー部を示す、項3に記載の希土類金属錯体。
項5.
前記Bがアミド基、エステル基、ウレア基又はチオウレア基である、項1〜4のいずれかに記載の希土類金属錯体。
項6.
項1〜5のいずれかに記載の希土類金属錯体を含む、蛍光発光材料。
項7.
項1〜5のいずれかに記載の希土類金属錯体を含む、蛍光分子プローブ材料。
項8.
下記一般式(13):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
で表される化合物。
項9.
前記Aが下記一般式(14)〜(23)のいずれか1つで表される、項8に記載の化合物。
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R及びRは、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R〜R11は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R12は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R13〜R15は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R16は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R17〜R20は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R21は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R22〜R25は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R26は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R27〜R31は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R32は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R33〜R37は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R38は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R39〜R43は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R44は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R45〜R48は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
Figure 2009084341
(式中、R49は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R50〜R53は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
項10.
下記一般式(24):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示す。)
で表される、化合物。
項11.
一般式(24)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示し、Bはリンカー部を示す、項10に記載の化合物。
項12.
前記Bがアミド基、エステル基、ウレア基又はチオウレア基である、項8〜11のいずれかに記載の化合物。
項13.
下記一般式(1):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基とYbとを含む発光基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
で表される希土類金属錯体の製造方法であって、
下記一般式(13):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
で表される化合物に、Ybを含む化合物を与えることを特徴とする希土類金属錯体の製造方法。
項14.
下記一般式(25):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示し、Xは、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アミノ基、R’COO−基、R’OCO−基(R’は、水素原子又はアルキル基)又はイソチオシアネート基を示す。)
で表される化合物。
項15.
一般式(25)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示し、Bはリンカー部を示す、項14に記載の化合物。
項16.
前記Bがアミド基、エステル基、ウレア基又はチオウレア基である、項14又は15に記載の化合物。
1.希土類金属錯体
本発明の希土類金属錯体は、下記一般式(1):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCH等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)等を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基とYbとを含む発光基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
で表されることを特徴とする。
まず、本錯体は、1)エネルギー供給部、2)リンカー部B、及び3)発光部Aからなる。
本発明の発光メカニズムは、励起光が照射された場合にエネルギー供給部がエネルギーを吸収し、エネルギートランスファー(エネルギー移動)の過程を経て、発光部(発光基)にエネルギーを移動させ、その結果、発光部が有する希土類金属が蛍光を放射すると考えられる。
エネルギー供給部
エネルギー供給部は、励起光が照射された場合にエネルギーを吸収し、エネルギートランスファー(エネルギー移動)の過程を経て、発光部(発光基)にエネルギーを移動させる役割を果たし、下記一般式(26)で表される。
Figure 2009084341
は、N、CH等である。好ましくは、Nである。
は、同一又は異なって、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、カルボン酸含有基、アミノ基、ニトロ基等である。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等である。
アルキル基は、炭素数1〜8程度のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、また、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。
カルボン酸含有基は、カルボン酸基を含有している基である限り限定的でなく、例えば、−CH−COOH、−CH(CH)−COOH、−C−COOH、−C−COOH等が挙げられる。
また、pは、0〜4の整数である。好ましくは、0である。ここで、pが2以上の整数である場合は、Rは2つ存在するが、その場合は、当該2つのRは同一の置換基であってもよく、また、異なる置換基であってもよい。例えば、両者がハロゲン原子同士であったりしてもよく、一方が、ハロゲン原子で、他方がアルキル基等であってもよい。3以上の場合も同様であり、3つの置換基Rすべてが同一であってもよく、2つの置換基のみが同一であったり、3つの置換基全てが異なっていたりしてもよい。
は、同一又は異なって、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、カルボン酸含有基、アミノ基、ニトロ基等である。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等である。
アルキル基は、炭素数1〜8程度のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、また、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。
カルボン酸含有基は、カルボン酸基を含有している基である限り限定的でなく、例えば、−CH−COOH、−CH(CH)−COOH、−C−COOH、−C−COOH等が挙げられる。
また、qは、0〜3の整数である。好ましくは、0である。ここで、qが2以上の整数である場合は、Rは2つ存在することになるが、その場合は、当該2つのRは同一の置換基であってもよく、また、異なる置換基であってもよい。qが3の場合も同様であり、3つの置換基Rすべてが同一であってもよく、2つの置換基のみが同一であったり、3つの置換基全てが異なっていたりしてもよい。
は、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はR2PO−O−基等である。ここで、Rはアルキル基を示し、好ましくは炭素数1〜16(特に炭素数1〜4)のアルキル基を示す。
RCOO−基としては、例えば、メチルカルボン酸エステル(CHCOO−)、エチルカルボン酸エステル(CCOO−)、プロピルカルボン酸エステル(CCOO−)等が挙げられる。
RO−基としては、例えば、メトキシ基(CH−O−)、エトキシ基(C−O−)、プロポキシ基(C−O−)等が挙げられる。
RSO−O−基としては、例えば、メチルスルホキシド基(CHSO−O−)、エチルスルホキシド基(CSO−O−)、プロピルスルホキシド基(CSO−O−)等が挙げられる。
PO−O−基としては、例えば、ジメチルホスホキシド基((CH2PO−O−)、ジエチルホスホキシド基((C2PO−O−)、ジプロピルホスホキシド基((C2PO−O−)等が挙げられる。
本発明では、下記式(27)で表される基が最も好ましい。
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCH等を示す。)
発光部(A)
発光部(A)は、Yb(イッテルビウム)と、窒素原子を3つ以上有する、Yb(イッテルビウム)と配位し得る基とを含む発光基である。発光部(A)は、リンカー部を通じて移動してきたエネルギーを利用して、希土類金属錯体から蛍光を放射する役割を果たす。
具体例として、下記一般式(2)〜(11)で表される基である。
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−等を示す。R及びRは、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
は、アルキレン基又は−CH−C−等を示す。アルキレン基の炭素数は、例えば1〜4であり、好ましくは、1〜3である。アルキレン基は、さらにメチル基、エチル基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。アルキレン基として、最も好ましくはメチレン基である。
が−CH−C−の場合は、通常C(ベンゼン環)部分がリンカー部Bに結合する形をとる。
及びRは、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。
カルボン酸含有基は、カルボン酸基を含有している基である限り限定的でなく、例えば、−CH−COOH、−CH(CH)−COOH、−C−COOH、−C−COOH等が挙げられる。この中でも好ましくは、−CH−COOHである。
カルボン酸エステル含有基は、カルボン酸エステル基を含有している基である限り限定的でなく、例えば、−CH−COO(t−Bu)、−CH−COOCH等が挙げられる。この中でも好ましくは、−CH−COO(t−Bu)である。
カルボン酸アミド含有基は、カルボン酸アミド基を含有している基である限り限定的でなく、例えば、−CH−COONH,−CH−COON(CH等が挙げられる。この中でも好ましくは、−CH−COONHである。
リン酸含有基は、リン酸基を含有している基である限り限定的でなく、例えば、−CH−PO、−CH(CH)−PO、−C−PO、−C−PO等が挙げられる。この中でも好ましくは、−CH−POである。
上記カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基及びリン酸含有基は、1価又は2価のアニオンであってもよい。例えば、カルボン酸含有基であれば、通常、1価のアニオンとなり、カルボン酸基部分が−COOとなる。また、リン酸含有基であれば、通常1価又は2価のアニオンとなり、リン酸基部分が−PO又は−PO 2−となる。
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R〜R11は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R12は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R13〜R15は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R16は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R17〜R20は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R21は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R22〜R25は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R26は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R27〜R31は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R32は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R33〜R37は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R38は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R39〜R43は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R44は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R45〜R48は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R49は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R50〜R53は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
なお、上記、R、R12、R16、R21、R26、R32、R38、R44及びR49におけるアルキレン基及び−CH−C−は、上述したRと同じものが挙げられる。好ましいものも同様である。
〜R11、R13〜R15、R17〜R20、R22〜R25、R27〜R31、R33〜R37、R39〜R43、R45〜R48及びR50〜R53におけるカルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基又はカルボン酸アミド含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンにおいても、上述したR及びRと同じものが挙げられる。好ましいものも同様である。
上記発光部の中として、好ましいのは、一般式(4)及び(5)で表される基であり、より好ましくは下記式(28)で表される基である。
Figure 2009084341
すなわち、希土類金属錯体として、下記式(12)が好ましい。
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCH等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)等を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示す。)
本発明では、特に一般式(12)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示す希土類金属錯体が好ましい。
本発明において、配位されている中心金属である希土類金属はYb(イッテルビウム)である。この希土類金属は通常3価のカチオンとなって配位されている。これにより、蛍光を当該希土類金属から放射することができる。具体的には、近赤外領域の波長(700〜1000nm程度)の波長の蛍光が放射され、生体組織をより一層的確に透過することができる。
本発明の発光部は、上記構造を有することより、上記発光部への希土類金属の配位は安定である。これにより、例えば、溶媒等による影響が少なく脱離しにくいため、安定した良好な蛍光発光材料、さらには蛍光分子プローブ等として用いることができる。
リンカー部(B)
リンカー部(B)は、上記発光部Aとエネルギー供給部を結合する部分である。リンカー部は、発光部Aとエネルギー供給部を結合する限り限定されないが、発光部とエネルギー供給部とのエネルギー伝搬効率の観点から、例えば、アミド基(−NHCO−)、エステル基(−COO−)、ウレア基(−NH−C(O)−NH−)又はチオウレア基(−NH−C(S)−NH−)等が好ましい。
また、下記一般式(29):
Figure 2009084341
(式中、X及びXはそれぞれ独立にアミド基、エステル基、ウレア基又はチオウレア基等を示す。R54は、炭素数1〜4のエーテル結合を有していてもよいアルキレン基等を示す。)
であってもよい。
なお、−NHCO−、−COO−、−NHC(O)NH−等の結合部は、発光部A又はエネルギー供給部のいずれにも結合していてもよい。すなわち、例えば、(発光部A)−NHCO−(エネルギー供給部)というように結合していてもよいし、(発光部A)−CONH−(エネルギー供給部)というように結合していてもよい。また、X及びXについても同様に、X及びXのいずれの部分が発光部Aに結合していてもよい。すなわち、例えば、(発光部A)−X−R54−X−(エネルギー供給部)というように結合していてもよいし、(発光部A)−X−R54−X1−(エネルギー供給部)というように結合していてもよい。
上記のうち、より具体的な好ましい組み合わせは、
(発光部A)−CONH−(エネルギー供給部)
(発光部A)−NHC(S)NH−(エネルギー供給部)
(発光部A)−CONHCNHCO−(エネルギー供給部)であり、より好ましくは、(発光部A)−CONH−(エネルギー供給部)である。
2.化合物(13)
本発明の化合物は、さらに上記希土類金属錯体の中間体であって、下記一般式(13):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCH等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)等を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基を示し、Bは、リンカー部を示し、pは0〜4の整数を示し、qは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物をも含むことを特徴とする。
リンカー部及びエネルギー供給部は、上述したものと(好ましいものも含めて)同様のものが挙げられる。
について
は、窒素原子を3つ以上有する、Ybに配位し得る基である。
具体例としては、一般式(14)〜(23)で表される基である。
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R及びRは、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R〜R11は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R12は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R13〜R15は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R16は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R17〜R20は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R21は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R22〜R25は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R26は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R27〜R31は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R32は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R33〜R37は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R38は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R39〜R43は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R44は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R45〜R48は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
Figure 2009084341
(式中、R49は、アルキレン基又は−CH−C−等を示し、R50〜R53は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオン等を示す。)
上記基の中でも好ましいのは、一般式(16)及び(17)で表される基であり、最も好ましくは下記式(30)で表される基である。
Figure 2009084341
すなわち、化合物として、一般式(24)が好ましい。
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCH等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)等を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示す。)
本発明では、特に一般式(24)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示す化合物が好ましい。
3.化合物(25)
本発明の化合物(25)は、上記希土類金属錯体及び上記化合物(13)の中間体であって、下記一般式(25):
Figure 2009084341
(式中、Rは、N又はCH等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基等を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)等を示し、Bは、リンカー部を示し、Xは、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アミノ基(HN−基)、R’COO−基、R’OCO−基(R’は、水素原子又はアルキル基)又はイソチオシアネート基等を示し、pは0〜4の整数を示し、qは0〜3の整数を示す。)
で表されることを特徴とする。
リンカー部及びエネルギー供給部は、上述したものと(好ましいものも含めて)同様のものが挙げられる。
Xは、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アミノ基(HN−基)、R’COO−基、R’ OCO−基(R’は、水素原子又はアルキル基)、イソチオシアネート基(−NCS)等である。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を示す。
ハロゲン化アルキル基は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が1又は2以上置換されたアルキル基(炭素数は、好ましくは1〜8程度、より好ましくは、1〜3程度)を示す。また、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。好ましい具体例は、−CH−Cl基である。
R’COO−基(R’は、水素原子又はアルキル基)としては、具体的には、例えば、HCOO−、CHCOO−、CH3CH2COO−等が挙げられる。この場合のアルキル基の好ましい炭素数は0〜8程度、より好ましくは0〜3程度である。
R’OCO−基(R’は、水素原子又はアルキル基)としては、具体的には、例えば、HOCO−、CHOCO−、CH3CH2OCO−等が挙げられる。この場合のアルキル基の好ましい炭素数は0〜8程度、より好ましくは0〜3程度である。
化合物(25)の具体例を挙げると、例えば、下記一般式(31)〜(33)で表される化合物である。
Figure 2009084341
Figure 2009084341
Figure 2009084341
本発明では、特に一般式(25)(特に一般式(31)〜(33))において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示す化合物が好ましい。
4.希土類金属錯体の製造方法
本発明の希土類金属錯体の典型的な製造方法としては、図1に示されるように、
I)一般式(34):
Figure 2009084341
(式中、Zは、−NH、−COOH、−NCO又は−NCS等を示し、R〜R及びp、qは前述したものと同じである。)
で表される化合物にリンカー部の前駆体(−B−X基)を結合させて、一般式(25)で表される化合物を得る工程、
II)一般式(25)で表される化合物にAを結合させて、式(13)で表される化合物を得る工程、
III)式(13)で表される化合物とYbを含む化合物とを反応させて、式(1)で表される化合物を得る工程、
を経て製造される。
一般式(34)に表される化合物及びリンカー部の前駆体は公知又は市販のものを使用すればよい。
としては公知又は市販のものを使用でき、例えば、式(35)で表される種々の化合物を原料として使用できる。
Figure 2009084341
上記の中でも、本発明では、特に式(35−2)、(35−4)、(35−14)等で表される化合物を使用することが好ましい。
なお、窒素原子に置換基が置換されていない化合物(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン等)を原料として用いる場合においては、所望の化合物を用いて当該窒素原子に置換基を置換させればよい。窒素原子に置換基を置換させる方法は常法に従って行えばよい。
Ybを含む化合物としては、例えば、Ybのハロゲン化物、酸化物等を用いればよい。ハロゲン化物としては、例えばLnY等が挙げられる(LnはYbを示し、Yは、Cl、Br等を示す。)。
必要に応じて、所望の部位を結合させるために、他の部位に保護基を結合させてもよい。保護基の脱着は、公知又は市販のものを用いて、公知の方法に従って行うことができる。例えば、(t−BuOCO)O、CHOH、t−BuOH等を用いて保護することができる(この場合、後述するように、保護基が予め結合されているAを結合させる工程を工程II(a)とし、工程II(a)で得られた化合物から保護基を脱離させる工程を工程II(b)とする)。
本発明のより具体的な典型例として、図2に下記一般式(36)の希土類金属錯体の合成手順の一例を示す。この具体例に従い上記工程を詳細に説明する。なお、各部を結合させる順番は図1及び2の合成手順に限定されず、適宜設定できる。
Figure 2009084341
I工程
工程Iは、式(37)で表される化合物(「PAN−NH」ともいう。)と、リンカー部Bの前駆体(−B−X基)を形成できるクロロアセチルクロライド等とを反応させて、式(38)で表される化合物(以下、「PAN−Cl」ともいう。)を得る工程である。なお、クロロアセチルクロライドの代わりにブロモアセチルブロマイド等であってもよい。
Figure 2009084341
Figure 2009084341
PAN−NHに対して、クロロアセチルクロライドを通常1.0〜1.2当量程度加えればよい。
溶媒は限定的でなく、例えば、THF、CHCl等を用いることができる。
必要に応じて、塩基等を加えても良い。塩基は限定的でなく、例えば、トリエチルアミン等をPAN−NHに対して、5〜20当量程度加えればよい。
なお、PAN−NH等は公知又は市販のものを使用すればよいが、例えば、2−アミノピリジンに対して、2−アミノ−5−ナフトールを1.0〜1.2当量程度加えることにより製造することもできる。この際、必要に応じて、2−アミノピリジンに対して、NaNH、イソアミルニトレート等を1.0〜1.5当量加えてもよい。溶媒は限定的でなく、テトラヒドロフラン(THF)、エタノール等を使用すればよい。
II工程
工程II(a)は、PAN-Clと、tBu3DOTA(1,4,7,10-tetraazacyclododecane- 1,4,7-triacetic acid tri-tert-butyl ester)とを反応させて、式(39)で表される化合物(以下、「PAN-tBuDOTA」ともいう。)を得る工程である。
Figure 2009084341
PAN-Cl に対して、tBu3DOTAを通常1〜1.5当量程度加えればよい。
溶媒は限定的でなく、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等を用いることができる。
必要に応じて、塩基等を加えてもよい。塩基は限定的でなく、例えば、炭酸カリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。添加量は通常1.0〜10当量程度とすればよい。
また、反応進行促進剤等の添加物を加えても良い。反応促進剤としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどが挙げられる。これにより、塩素−ヨウ素交換反応により反応を効率よく進めることができる。添加量は通常1.0〜10当量程度とすればよい。
II(b)工程
工程II(b)は、PAN-tBuDOTAをトリフルオロ酢酸(TFA)等の溶媒と混合させて、式(40)で表される化合物(以下、「PAN-DOTA」ともいう。)を得る工程である。TFAの代わりにアニソール(anisole)等を使用してもよい。
Figure 2009084341
III工程
工程IIIは、PAN-DOTAとYbCl3とを反応させて、式(36)で表される化合物(以下、「PAN-DOTA(Yb)」とする)を得る工程である。
PAN-DOTAに対して、通常YbCl3を1.0〜1.2当量程度加えればよい。
溶媒は限定的でなく、例えば、水、メタノール、DMF等が挙げられる。
5.希土類金属錯体の用途
本発明の希土類金属錯体は、蛍光発光材料として用いることができる。特に、蛍光分子プローブとして用いることに適している。例えば、新規生体機能解析イメージング、蛍光分析法(in vivo, in vitro)、機能的分子イメージング(in vivo, in vitro)、高感度反応指示薬等として用いることができる。
特に、本発明の希土類金属錯体は、測定時におけるバックグランドが極めて少なくなっているため、従来の蛍光分子プローブよりも高精度及び高感度で分析が可能となっている。また、測定時における溶媒のpHによる影響が少なく、測定溶媒のpHに拘わらず、高精度及び高感度の測定が可能となる。なお、測定溶媒としては、例えば、各種水溶液、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
蛍光分子プローブとして用いる場合は、公知の蛍光分子プローブと同様にして行えばよい。
対象認識部位としては、例えば、抗体のほか、RGDペプチド等のペプチド構造、エステル等の化学結合形構造などの特定の生体分子によって認識される構造が挙げられる。RGDペプチドをさらに詳述すると、RGDペプチドが特異的に認識するインテグリンは癌の悪性度と密接な関係にある(悪性度の高い癌に多く発現している)ため、RGDペプチドの導入により、癌の質的診断に有効に活用できる。
対象認識部位の導入方法としては、例えば、一般式(26)に挙げられる構造について、RあるいはRに導入された置換基を通じて、エステル結合、エーテル結合、チオウレア結合などを利用して、対象認識部位(抗体、ペプチドなど)を結合(導入)させる方法等が挙げられる。これらは、例えば、J. Biol. Chem., 2003, 78, 3170-3175、Inorg. Chem. 2004, 43, 2624〜2635等に記載の公知の方法に従って行えばよい。
本発明の希土類発光金属は、蛍光分子プローブとして用いる場合、注射用蒸留水、生理食塩水、リンゲル液等の溶媒(有機溶媒及び無機溶媒)中に分散又は溶解して用いればよい。必要に応じて、担体、賦型剤、電解質、バッファー等の添加物を用いてもよい。
注射、血管内(動脈、静脈)、経口、腹腔内、経皮、皮下等によって生体に投与することができる。好ましくは、水剤、乳剤又は懸濁剤の形態で、静脈注射すればよい。
照射する励起光は限定的でなく、250〜550nmと幅広い範囲から選択されるが、特に生体組織にダメージを与えない観点から、400〜550nmが好ましい。励起光の光源は特に制限されず、イオンレーザー、色素レーザー、半導体等のレーザー、ハロゲン光源、キセノン光源等を使用することができる。必要に応じて、公知の光学フィルターを用いて、所望の励起光及び蛍光を得ることができる。
本発明の希土類金属錯体は、励起光を照射されることにより、エネルギー供給部が励起され、当該励起エネルギーがエネルギートランスファーの過程を経て発光部(発光基)に到達し、発光部にある希土類金属が励起されて、希土類金属が蛍光を発光する。よって、蛍光発光材料として用いることができる。
本発明の希土類金属錯体は、エネルギー供給部である有機分子の励起光の吸収領域と、希土類金属が行う蛍光発光の波長領域(近赤外領域:700〜1000nm程度)とが、適度に離れているため、励起光のスペクトルピークと蛍光発光のスペクトルピークが重なりにくくなっている。その結果、バックグランドが低くなり、S/N比(Signal/Noise比)が良好である(ノイズが少ない)ことから、蛍光分子プローブとして用いることにより、高感度及び高精度での蛍光分析が行うことが可能である。特に、本発明の希土類金属錯体は、測定時におけるバックグランド(蛍光発光の周辺部の波長のスペクトル)が極めて少なくなっているため、非常に高精度及び高感度での蛍光分析が可能となる。さらに、蛍光発光の波長が近赤外領域(700〜1000nm程度)であるため、生体組織透過性に優れている。
本発明の希土類金属錯体によれば、400〜550nm程度の励起光(照射光)で励起することができ、これにより生体組織にダメージを与えず、安全性の高い蛍光分子プローブとなる。
本発明の希土類金属錯体は発光原子がイッテルビウム(Yb)であるため、有機蛍光分子の蛍光寿命(一般的にナノ秒(10−9秒)程度)に比べて、蛍光寿命が一般的にマイクロ秒〜ミリ秒(10−6秒〜10−3秒)程度と長い。従って、この時間差を利用して、時間分解蛍光分析法を用いれば、より一層バックグランドを低減でき、より一層高感度及び高精度での測定が可能となる。
これらの特徴により、本発明の希土類金属錯体は、測定溶媒のpHによる影響を少なくでき、溶媒のpHに拘わらず、幅広い範囲のpHで測定が可能である。すなわち、測定溶液のpHの調整を不要とすることができる。
従って、本発明の希土類金属錯体は、in vivo及びin vitroにおける蛍光プローブとして非常に優れている。
以下に実施例及び比較例を用いて、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
I工程
(PAN-NH2の合成)
2-aminopyridine (1.9 g, 20.0 mmol) 及びNaNH2 (882.1 mg, 22.6 mmol) を嫌気条件下dry Et2O (50 mL) に加え、40℃で30 分間加熱還流した。Isoamylnitrate (2.4 g, 20.2 mmol) のdry Et2O 溶液 (50 mL) をゆっくり滴下し、引き続き1.5 時間加熱還流した。生じた沈殿を桐山漏斗を用いて濾過し、残渣をEt2O で洗浄した後、ただちにdry EtOH (50 mL) に溶解させた。その溶液をCO2 ガスをバブリングしている2-amino-5-naphthol (3.2 g, 20.0 mmol) のdry THF 溶液 (50 mL) に、ゆっくり滴下し、8 時間攪拌した。エバポレーターを用いて溶媒を留去した後、NH2修飾シリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ = 8.0 cm, l = 20 cm, eluent: CHCl3:MeOH = 10:1) を用いて不要成分を除去し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ = 6.0 cm, l = 20 cm, eluent: AcOEt) で単離した。エバポレーターを用いて溶媒を留去し、PAN-NH2を褐色粉末として、728 mg (2.8 mmol, 14%) を得た。
(PAN-Cl の合成)
PAN-NH2 (77.7 mg, 0.3 mmol) とEt3N (80 mL, 0.6 mmol) をdry THF (10 mL) に加え、ClCH2COCl (39.3 mg,0.3mmol) のdry THF 溶液(5 mL) を滴下し8 時間攪拌した。エバポレーターを用いて溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ= 4.5 cm, l = 15 cm, eluent: CHCl3:MeOH = 10:1) で単離した。エバポレーターを用いて溶媒留去し、PAN-Cl を赤色粉末として、79.2 mg (0.09 mmol, 77 %) を得た。
II(a)工程(PAN- t BuDOTA の合成)
PAN-Cl (68.2 mg,0.2 mmol) をKI (50.0 mg, 0.3 mmol)、 K2CO3 (34.6 mg,0.3 mmol)及びtBu3DOTA (104.5 mg,0.2 mmol) とともにdry MeCN (40 mL) に懸濁させ、60 ℃で12 時間加熱攪拌した。その後、ガラスフィルターを用いて、K2CO3 を除去し、エバポレーターで溶媒を留去した。残渣をCHCl3に溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ= 3.0 cm, l = 15 cm, eluent: CHCl3:MeOH = 10:1 → 1:1) で単離した。エバポレーターを用いて溶媒を留居し、PAN -tBuDOTA を赤色粉末として 112.9 mg (0.14 mmol, 69%) 得た。
II(b)工程(PAN-DOTA の合成)
PAN-tBuDOTA (83.1 mg,0.1 mmol) をTFA (8 mL) に加え、室温で8 時間攪拌した。エバポレーターを用いて溶媒を留去し、Et2O を加え、PAN-DOTA を析出させた。桐山漏斗を用いて吸引濾過し、残渣をEt2O で洗浄した。残渣を乾燥後回収し、PAN-DOTA を赤色粉末として64.1 mg(0.1 mmol,98%) 得た。
MS (ESI, pos.) m/z found 651 ([M+H]+), calcd. 651
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.39-8.35 ( 2H, m), 8.05-7.96 ( 3H, m), 7.57-7.53 ( 2H, m), 7.25 ( 1H, dd, J = 8.0 and 4.4 Hz), 6.70 ( 1H, d, J = 10.0 Hz), 4..04-3.43 ( 8H, m), 3.30 ( 16H, br), 1.47 ( 27H, s)
III工程(PAN-DOTA (Yb)の合成)
PAN-DOTA (7.1 mg, 11 μmol) をMeOH (1mL) に溶解させた。得られたPAN-DOTA溶液に、YbCl3・6H2O (12.0 mg, 31 mmol) をMeOH (1 mL) に溶解させた溶液をゆっくり加え、室温にて2 時間攪拌した。エバポレーターを用いて溶媒を留去した後、MeOH少量を加え、急激に混ざり合わず、2層に分離するようにEt2O を加え、一晩液-液拡散法により再結晶した。析出した橙色粉末を桐山漏斗を用いて回収し、Et2O で洗浄、次いで真空ラインで乾燥させることにより、目的のPAN-DOTA(Yb) (式40)を橙色粉末として3.6 mg (4.4 mg, 40%)得た。
試験例
実施例1で得たPAN-DOTA(Yb)に約530nmの励起光を行い、蛍光スペクトル(装置名「Fluorolog-3」, Jobin Yvon Inc.社製)(測定条件: 測定範囲 800-1200nm、励起波長530nm、スリット長 10nm(励起側)、10nm(蛍光側)、積算回数 5回、積算方法 平均化、測定間隔 1nm、測定時間 0.1s/nm、high voltage 1450V、720nm cut-off filter 使用、測定濃度 10 μM、測定溶媒 0.01 M Tris-HCl buffer pH 8.0(通常の蛍光スペクトル)、0.01 M britton-Robinson Buffer pH 2.0, 5.0, 8.0, 11.0(各pH ごとのスペクトル測定用))を測定した。この測定結果を図3に示す。
これらの図からも明らかなように、近赤外領域である975nm付近にイッテルビウム(Yb)由来の蛍光が測定された。また、励起光と蛍光とのスペクトルが十分離れており、生体組織透過性の良好な波長域(700〜1000nm)での測定が可能であるため、高感度及び高精度の蛍光分子プローブとして使用でき、さらに、in vitro及びin vivoでの蛍光分析及びイメージングに適用し得ることが分かった。
また、pHが2〜11の間で、Yb由来の蛍光が明確に測定できていることから、本発明の実施例は測定可能な測定溶媒のpHが非常に広範囲であることが分かった。
比較例1
特開2007−238650号公報の実施例1に従って、下記式(41)の希土類金属錯体(4AMF-DOTA(Nd))を製造した。
Figure 2009084341
この4AMF-DOTA(Nd)に約500nmの励起光を行い、蛍光スペクトル(装置名「Fluorolog-3」, Jobin Yvon Inc.社製)(測定条件:測定範囲 800-1200nm、励起波長 488nm、スリット長 5nm(励起側)、5nm(蛍光側)、積算回数 5回、積算方法 平均化、測定間隔 1nm、測定時間 1s/nm、high voltage1450V、720nm cut-off filter 使用、測定濃度 10 μM、測定溶媒 0.01 M Tris-HCl buffer pH 8.0)を測定した。この結果を図4に示す。図4から、近赤外領域である870nm及び900nm付近にネオジウム(Nd)由来の蛍光が観測された。
なお、測定条件において、測定溶媒のpHを4にした場合の実験も行ったところ、比較例1の希土類金属錯体の蛍光がほとんど観測されなかった。
評価
図3及び図4を比較すると、図4の比較例1では希土類金属元素由来の蛍光波長近傍(800-850nm)付近におけるバックグランドが観察されたのに対し、本発明では希土類金属元素由来の蛍光波長近傍(850-900nm)におけるバックグランドはほとんど観察されなかった。従って、本発明の希土類金属錯体は、比較例1の希土類金属錯体を用いた蛍光プローブよりも高精度及び高感度で測定可能なことが分かった。
図1は、本発明の希土類金属錯体の製造方法の一例を示す。 図2は、本発明の式(36)で表される希土類金属錯体の合成手順の一例を示す。 図3は、実施例1で製造した希土類金属錯体の蛍光スペクトルを示す。 図4は、比較例1で製造した希土類金属錯体の蛍光スペクトルを示す。

Claims (16)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基とYbとを含む発光基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
    で表される希土類金属錯体。
  2. 前記Aが下記一般式(2)〜(11)のいずれか1つで表される、請求項1に記載の希土類金属錯体。
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R及びRは、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R〜R11は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R12は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R13〜R15は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R16は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R17〜R20は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R21は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R22〜R25は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R26は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R27〜R31は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R32は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R33〜R37は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R38は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R39〜R43は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R44は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R45〜R48は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R49は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R50〜R53は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
  3. 下記一般式(12):

    Figure 2009084341
    (式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示す。)
    で表される、希土類金属錯体。
  4. 一般式(12)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示し、Bはリンカー部を示す、請求項3に記載の希土類金属錯体。
  5. 前記Bがアミド基、エステル基、ウレア基又はチオウレア基である、請求項1〜4のいずれかに記載の希土類金属錯体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の希土類金属錯体を含む、蛍光発光材料。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の希土類金属錯体を含む、蛍光分子プローブ材料。
  8. 下記一般式(13):
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
    で表される化合物。
  9. 前記Aが下記一般式(14)〜(23)のいずれか1つで表される、請求項8に記載の化合物。
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R及びRは、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R〜R11は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R12は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R13〜R15は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R16は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R17〜R20は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R21は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R22〜R25は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R26は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R27〜R31は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R32は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R33〜R37は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R38は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R39〜R43は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R44は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R45〜R48は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
    Figure 2009084341
    (式中、R49は、アルキレン基又は−CH−C−を示し、R50〜R53は、それぞれ独立に、カルボン酸含有基、カルボン酸エステル含有基、カルボン酸アミド含有基又はリン酸含有基或いはこれらの1価又は2価のアニオンを示す。)
  10. 下記一般式(24):
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示す。)
    で表される、化合物。
  11. 一般式(24)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示し、Bはリンカー部を示す、請求項10に記載の化合物。
  12. 前記Bがアミド基、エステル基、ウレア基又はチオウレア基である、請求項8〜11のいずれかに記載の化合物。
  13. 下記一般式(1):
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基とYbとを含む発光基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
    で表される希土類金属錯体の製造方法であって、
    下記一般式(13):
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Aは、窒素原子を3つ以上有するYbに配位し得る基を示し、Bは、リンカー部を示す。)
    で表される化合物に、Ybを含む化合物を与えることを特徴とする希土類金属錯体の製造方法。
  14. 下記一般式(25):
    Figure 2009084341
    (式中、Rは、N又はCHを示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボン酸含有基を示し、Rは、ヒドロキシル基、RCOO−基、RO−基、RSO−O−基又はRPO−O−基(Rはアルキル基)を示し、pは、0〜4の整数を示し、qは、0〜3の整数を示し、Bは、リンカー部を示し、Xは、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アミノ基、R’COO−基、R’OCO−基(R’は、水素原子又はアルキル基)又はイソチオシアネート基を示す。)
    で表される化合物。
  15. 一般式(25)において、RがN又はCHを示し、Rがヒドロキシル基を示し、p及びqが0の整数を示し、Bはリンカー部を示す、請求項14に記載の化合物。
  16. 前記Bがアミド基、エステル基、ウレア基又はチオウレア基である、請求項14又は15に記載の化合物。
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