JP2009083551A - サンドイッチパネルの亀裂進展防止構造 - Google Patents

サンドイッチパネルの亀裂進展防止構造 Download PDF

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Abstract


【課題】 亀裂の進展を防止または抑制し、生産性を向上することができるサンドイッチパネルの剥離進展防止構造を提供する。
【解決手段】 発泡合成樹脂から成る発泡コア21,22の厚み方向両側の各表面25,26に、繊維強化複合材料から成る面板27,28が積層された状態で一体的に形成されるサンドイッチパネル20において、発泡コア21,22には、その厚み方向一方側の表面25から厚み方向他方側の表面26ら向かって傾斜する傾斜部29,30が形成され、これらの傾斜部29,30と各面板27,28とが鋭角で交差する先端部23,24に、発泡コア21,22よりも剛性の高い材料から成るアレスタ32,33を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡合成樹脂から成る発泡コアとその表面に積層して一体的に形成される面板との間の亀裂の発生およびその進展を防止して、面板が発泡コアから剥離することを防止するサンドイッチパネルの亀裂進展防止構造に関する。
近年、航空機の機体を形成する構造材料として、発泡コアサンドイッチパネル(Foam
Core Sandwich Panel)が用いられている。この発泡コアサンドイッチパネルは、発泡合成樹脂から成る発泡コアに繊維強化複合材料から成る面板を積層して一体成形され、ハニカムコアサンドイッチパネルのように水浸入の問題がなく、軽量化および部品点数の削減を図る上で有効なパネル材として用いられている。
図8は従来技術の発泡コアサンドイッチパネル1の構造を示す一部の断面図であり、図9は図8に示す発泡コアサンドイッチパネル1のコア層2の先端部3a付近の拡大断面図である。発泡コアサンドイッチパネル1は、面方向に複数の発泡コア2a,2bが隣接してコア層2を構成し、コア層2の前記面方向に垂直な厚み方向一方側の表面および厚み方向他方側の表面には、面板4a,4bがそれぞれ積層されて一体的に形成される。前記発泡コア2a,2bは、フォームコアとも呼ばれ、発泡合成樹脂から成る。また、前記各面板4a,4bは、繊維強化複合材料から成る。
前述の発泡コアサンドイッチパネル1において、各発泡コア2a,2bは、各面板4a,4bと発泡コア2a,2bとの剥離を防止するため、各面板4a,4b間にわたってアレスタ5が設けられる。このアレスタ5は、鋭角に加工された発泡コア2a,2bの先端部3a,3bを覆う折曲げ部7と、折曲げ部7から各面板4a,4bに沿って延びる面板部8と、各発泡コア2a,2bの互いに傾斜して対向する傾斜部に沿って延びるスプライス部9とを有する。このようなアレスタ5は、前記面板4a,4bと同様な繊維強化複合材料から成る(たとえば、特許文献1参照)。
特開2006−282046号公報
前述の従来技術では、各面板4a,4b間にわたって設けられるアレスタ5は、各発泡コア2a,2bの先端部を覆う折曲げ部7の両側に面板部8とスプライス部9とが連なって形成され、このようなアレスタ5を形成するために、各発泡コア2a,2bに、前記折曲げ部7、面板部8およびスプライス部9に対応する位置にわたって、繊維強化複合材料の前駆体である未硬化のプリプレグを手作業で慎重に折曲げて積層しなければならず、製造時の作業性が悪いという問題がある。また、鋭角に加工した各発泡コア2a,2bの先端部3a,3bは、加工時に損傷しやすいため、加工に手間を要し、生産性が悪いという問題がある。
本発明の目的は、発泡コアの先端部を損傷することなく、発泡コアにプリプレグを容易に積層することができ、生産性を向上することができるサンドイッチパネルの亀裂進展防止構造を提供することである。
本発明は、発泡合成樹脂から成る発泡コアの厚み方向両側の各表面に、繊維強化複合材料から成る面板が積層された状態で一体的に形成されるサンドイッチパネルにおいて、
前記発泡コアは、その厚み方向一方側の表面から前記厚み方向他方側の表面に向かって傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部と面板とが鋭角で交差する先端部に、前記発泡コアよりも剛性の高い材料から成るアレスタが形成されることを特徴とするサンドイッチパネルの亀裂進展防止構造である。
本発明に従えば、発泡合成樹脂から成る発泡コアの厚み方向両側の各表面に、繊維強化複合材料から成る面板が積層される。前記発泡コアは、その厚み方向一方側の表面から前記厚み方向他方側の表面に向かって傾斜する傾斜部を有する。前記発泡コアの傾斜部と面板とが鋭角で交差する先端部は、前記発泡コアよりも剛性の高い材料から成るアレスタが形成される。
このように発泡コアの先端部を、この発泡コアよりも剛性に高い材料によって代替させるので、面板と発泡コアとの間の亀裂の進展を阻止し、剥離を防止することができる。このようなサンドイッチパネルの発泡コアには、鋭角の先端部を形成する必要がなく、前述のように発泡コアよりも剛性の高い材料によって先端部にアレスタが形成されるので、加工時における先端部が容易に損傷することを防止することができる。また、前記従来技術のように、発泡合成樹脂から成る発泡コアの先端部に、繊維強化複合材料の前駆体であるプリプレグを手作業で慎重に折曲げて積層する必要がないので、製造時の手間を削減することができ、生産性を向上することができる。
また本発明は、前記発泡コアは、その厚み方向一方側の表面から前記厚み方向他方側の表面に向かって傾斜する第1傾斜部と、第1傾斜部に対向して平行に延びる第2傾斜部とを有し、第1傾斜部と第2傾斜部とは、繊維強化複合材料から成るスプライス部を介して一体的に形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、前記発泡コアは、第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、第1傾斜部と第2傾斜部とは、繊維強化複合材料から成るスプライス部を介して一体的に形成されるので、製造時に手間を要することなく、生産性を向上して、面板と発泡コアとの間の亀裂の発生または進展を、より一層確実に防止することができる。
さらに本発明は、前記アレスタは、前記繊維強化複合材料から成ることを特徴とする。
本発明に従えば、前記アレスタが前記繊維強化複合材料から成るので、アレスタと面板とを共通な繊維強化複合材料によって形成することができ、これによって面板とアレスタとを材質的に一様な構造とし、荷重を広範囲に分散して発生させることができ、局所的に高い応力が発生することを防止し、より一層確実に亀裂の発生または進展を抑制することができる。
本発明によれば、発泡コアの先端部にアレスタを発泡コアよりも剛性の高い材料によって形成するので、加工時における先端部の損傷を防止し、先端部の繊維強化複合材料の前駆体であるプリプレグの積層作業を容易化し、生産性を向上して、確実に亀裂の発生または進展を抑制することができる。
また本発明によれば、発泡コアが第1傾斜部と第2傾斜部とがスプライス部を介して一体的に形成されるので、面板と発泡コアとのに間の亀裂の発生または進展をより一層確実に防止することができる。
さらに本発明によれば、アレスタが繊維強化複合材料から成るので、アレスタと面板とを共通な繊維強化複合材料によって形成することができ、これによってアレスタと面板とを一体化し、荷重をアレスタと面板とに分散して応力を軽減し、より一層確実に亀裂の発生または進展を防止することができる。
図1は本発明の実施の一形態の剥離進展防止構造が適用されたサンドイッチパネル20の一部の断面図であり、図2は一方の発泡コア21の先端部23付近の拡大断面図である。航空機の機体などの構造用材料として好適に用いられるサンドイッチパネル20は、面方向(図1の左右方向)に隣接し、発泡合成樹脂から成る複数(本実施の形態では2)の発泡コア21,22と、各発泡コア21,22の厚み方向(図1の上下方向)Y両側の各表面25,26上に積層されて一体的に設けられる面板27,28とを有する。
各発泡コア21,22は、厚み方向Y一方側の表面25から厚み方向他方側の表面26に向かって傾斜する第1傾斜部29と、第1傾斜部29に対向して平行に延びる第2傾斜部30とを有し、第1傾斜部29と第2傾斜部30とはスプライス部31を介して一体的に形成される。
前記発泡コア21,22は、発泡合成樹脂材料から成る。この発泡合成樹脂材料としては、たとえぼポリエーテルイミド(PEI)、ポリメタクリルイミド(PMI)またはポリビニルクロライド(PVC)が好適に用いられる。このような発泡合成樹脂は、独立気泡であってもよく、連続気泡であってもよい。
各面板27,28は、繊維強化複合材料から成る。この繊維強化複合材料は、強化繊維から成る基材に、マトリクス樹脂を含浸させたいわゆるシート状のプリプレグとして商業的に入手可能な材料を積層して加熱し、硬化させたものである。強化繊維は、たとえば炭素繊維またはガラス繊維が用いられ、2次元または3次元の織物あるいは編物によって実現される。また前記マトリクス樹脂は、たとえばエポキシ樹脂を用いることができ、このエポキシ樹脂を含浸させた未硬化の状態、すなわち前述のプリプレグを発泡コア21,22の各表面25,26上に積層し、加熱硬化させることによってサンドイッチパネル20が形成される。
各発泡コア21,22の各先端部23,24には、発泡コア21,22よりも剛性の高い材料から成るアレスタ32,33が形成される。このようなアレスタ32,33は、各発泡コア21,22の先端部23,24を面方向に予め定める幅Wだけ切落し、フィラー材を充填し、硬化させることによって形成される。
このようなアレスタ32,33を形成することによって、各発泡コア21,22の各先端部23,24の鋭角部に前述したプリプレグを巻付ける際に、先端部23,24が損傷してしまうという不具合を回避することができ、しかも従来技術のようにプリプレグを手作業に慎重に折曲げて積層する必要がないので、製造時の手間が少なくてすみ、生産性を向上することができる。
このようなアレスタ32,33を形成するフィラー材としては、前述の面板27,28と同種材料、すなわち繊維強化複合材料から成り、前記スプライス部31もまた同種材料から成る。面板スプライスは織物材であり、フィラーは一方向材でともにCFRP材である。また、材料はCFRP材に限らず、エポキシ樹脂(レジン材)でも、適用可能である。
このようなアレスタ32,33は各発泡コア21,22の接合部に設けられ、本実施の形態では格子状に設けられる。各発泡コア21,22が平板状の場合、アレスタ32,33は直線状に延び、また各発泡コア21,22が曲面状に湾曲して形成される場合には、その曲面に沿って直線状に延びる。
このようにアレスタ32,33を各面板27,28の素材である繊維強化複合材料と同種材料を用いることによって、各面板27,28とスプライス部31と各アレスタ32,33とを材質的に一様な構造として、荷重が作用したときに、その荷重を広範囲に分散し、局所的に高い応力が発生することを防止し、亀裂の発生または進展を抑制することができる。
図3はアレスタ32の剥離進展防止効果を確認するための解析モデル35を示す図であり、図4は解析モデル35へのモードI負荷形態を示す図であり、図5は解析モード35へのモードII負荷形態を示す図である。本件発明者は、アレスタ32による剥離進展防止効果を確認するために、サンドイッチパネル20を模擬する解析モデル35を図3に示すように想定し、有限要素法(FEM)解析によってアレスタ32による剥離進展防止効果を評価した。なお、解析モデル35において、サンドイッチパネル20と対応する部分には同一の参照符を付す。
解析モデル35では、発泡コア21,22の厚み方向Y両側に面板27,28が積層され、各面板27,28は樹脂層36を介して各発泡コア21,22の各表面25,26に接着され、各発泡コア21,22の各先端部23,24にはアレスタ32,33が設けられる。各アレスタ32,33の断面形状は直角三角形であり、最も長い一辺がスプライス部31に臨み、次に長い一辺が面板27,28に臨み、最も短かい一辺が発泡コア21,22に臨むように設けられる。
またこの解析モデル35では、樹脂層36は各アレスタ32,33と各面板27,28の間に介在されていない。各面板27,28は、発泡コア21,22寄りの厚み方向内方に配置される第1層と、その外側の第2層とから成る。第1層は、各表面25,26に平行な図3の左右方向である面方向Xに対して成す角度が0度および90度の繊維から成る2次元織物を基材とし、第2層は、前記面方向Xに対して成す角度が±45度の繊維から成る2次元織物を基材とする。
この解析モデル35におけるサンドイッチパネル20の前記面方向Xに沿う全長L0が300mmであり、前記面方向X一端部の端面から距離L1の位置に、アレスタ32が設けられる。このような解析モデル35によって表わされるサンドイッチパネル20の前記面方向X一端部の端面から面方向X他端部の端面に向けて他方の発泡コア22と面板27との間、さらに詳しくは他方の発泡コア22と一方の面板27を接着する樹脂層36との間に剥離長さaの剥離37が生じているものと仮定する。
このような解析モデル35を用いて、図4に示すモードI負荷形態および図5に示すモードII負荷形態で剥離の進展について評価した。モードI負荷形態では、面方向X一端部の端面と他方の面板28の発泡コア22と反対側の表面とが交差する角部の位置Ps1を、面方向Xおよび厚み方向の変位を阻止するように支持した状態で、面方向X一端部の端面と一方の面板27の発泡コア22に関して反対側の表面25とが交差する角部の位置Pf1に、他方の面板28から一方の面板27に向かう厚み方向の剥離力F1を与える負荷形態である。
すなわち、サンドイッチパネル20の面方向X一端部を下方から前記面方向Xに移動自在に支持して、第1可動支点41と、サンドイッチパネル20の面方向X一端部の下端を面方向X一方側から厚み方向Yに移動自在に支持する第2可動支点42と、サンドイッチパネル20の面方向X一端部を上端で前記面方向X一方側から厚み方向に移動自在に支持する第3可動支点43を設け、面方向X一端部の上面に剥離力F1を作用させた状態を、モードI負荷形態とする。ここで、剥離力F1は100Nである。
前記モードII負荷形態は、各サンドイッチパネル20の面板28上で、面方向X両端部の各端面から面方向X内方へそれぞれ距離L2,L3だけ近付いた位置Ps21,Ps22を、面方向Xおよび厚み方向の変位を阻止するように支持した状態で、一方の面板27の発泡コア21,22とは反対側の表面における面方向X中央位置Pf2に、一方の面板27から他方の面板28に向かって、せん断力F2を与える負荷形態である。
すなわち、サンドイッチパネル20の面方向X両端部の端面から内方に距離L2,L3の位置Ps21,Ps22を下方から面方向Xに沿って移動自在な第4可動支点44によって支持し、サンドイッチパネル20の下面を面方向X一端部の端面から内方に距離L2の位置で前記面方向X一方側から厚み方向に移動自在に第5可動支点45によって支持する。サンドイッチパネル20の面方向X他端部の端面から内方に距離L3の位置を前記面方向Xに移動自在に第6可動支点46によって支持し、さらにサンドイッチパネル20の面方向X一端部の端面から内方に距離L3の位置を下面で前記面方向X一方側から厚み方向に移動自在に第7可動支点47によって支持し、サンドイッチパネル20を全長L0の中央(L0/2)の上面の位置Pf2を厚み方向に移動自在に第8可動支点48によって面方向X一方側から支持し、この中央の位置Pf2に上方から、せん断力F2を作用させた負荷形態である。前記距離L2,L3は、50mmであり、せん断力F2は1000Nである。
図6は、モードI負荷形態での負荷に対する剥離長さaとエネルギ解放率Gとの関係を示すグラフである。同図には、炭素繊維を強化繊維とする一方向(紙面に垂直方向、UD90度)の材料を基材とする繊維強化複合材料(CFRP)から成るアレスタ32,33が設けられるサンドイッチパネル20のG値を示し、横軸は剥離長さaであり、縦軸はG値である。
同図において、符号「□」を結ぶライン51は、アレスタが設けられない場合のG値を示し、符号「◇」を結ぶライン52は、一方向(UD90度)の強化繊維を基材として用いた繊維強化複合材料から成るアレスタ32,33を設けた場合のG値を示し、符号「△」を結ぶライン53は、発泡コア21,22と同様な発泡合成樹脂から成るアレスタ32,33を設けた場合のG値を示し、符号「〇」を結ぶライン54は一方向(UD90度)の強化繊維を基材とする繊維強化合成樹脂から成るアレスタ32,33を設け、かつ3プライ(PLY)のスプライス部31を設けた場合のG値を示す。
図7は、モードII負荷形態での負荷に対する剥離長さaとG値との関係を示すグラフである。同図には、炭素繊維を強化繊維とする一方向(紙面に垂直方向、UD90度)の材料を基材とした繊維強化複合材料から成るアレスタ32,33が設けられた場合のG値を示し、横軸は剥離長さaを示し、縦軸はG値を示す。
同図において、符号「□」を結ぶライン61は、アレスタが設けられない場合のG値を示し、符号「◇」を結ぶライン62は、一方向(UD90度)の強化繊維を基材として用いた繊維強化複合材料から成るアレスタ32,33を設けた場合のG値を示し、符号「△」を結ぶライン63は、発泡コア21,22と同様な発泡合成樹脂から成るアレスタ32,33を設けた場合のG値を示し、符号「〇」を結ぶライン64は一方向(UD90度)の強化繊維を基材とする繊維強化合成樹脂から成るアレスタ32,33を設け、かつ3プライ(PLY)のスプライス部31を設けた場合のG値を示す。
前記剥離長さaは、面方向X一端部の端面寄りの支持位置Ps21から剥離37の先端37aまでの距離bに、軸線方向一端部の端面から前記支持位置Ps21までの距離L2を加えた値(a=b+L2)である。
これらの図6および図7に示すように、剥離長さaを変化させて剥離37の先端37aがアレスタ32,33から離れた位置に存在する場合と、近い位置に存在する場合とにおいて、G値をそれぞれ求めた結果、各負荷形態I,IIともに、剥離37の先端37aがアレスタ32,33に近付くにつれて、エネルギ解放率Gが急激に低減することを確認した。
このようにアレスタ32,33を設けることによって、剥離37の先端37aがアレスタ32,33に近付くと、エネルギ解放率Gが低下し、剥離37の進展を防止または抑制することが確認された。このようにフィラー材を充填することによって、アレスタ32,33を前記従来の技術のように加工に手間を要することなく、実現することができ、高い剥離防止機能を有するサンドイッチパネルを容易に製造することが可能となり、生産性を向上することができる。
本発明の実施の他の形態では、前記アレスタ32,33をフィラー材を充填するのではなく、別途に半硬化状態のブロックを形成して、サンドイッチパネルの成形時に各発泡コア21,22の先端部23,24に装着し、同時に硬化させてサンドイッチパネル20を製造するようにしてもよい。
本発明の実施の一形態の剥離進展防止構造が適用されたサンドイッチパネル20の一部の断面図である。 一方の発泡コア21の先端部23付近の拡大断面図である。 アレスタ32の剥離進展防止効果を確認するための解析モデル35を示す図である。 解析モデル35へのモードI負荷形態を示す図である。 解析モード35へのモードII負荷形態を示す図である。 モードI負荷形態での負荷に対する剥離長さaとエネルギ解放率Gとの関係を示すグラフである。 モードII負荷形態での負荷に対する剥離長さaとG値との関係を示すグラフである。 従来技術の発泡コアサンドイッチパネル1の構造を示す一部の断面図である。 図8に示す発泡コアサンドイッチパネル1のコア層2の先端部3a付近の拡大断面図である。
符号の説明
20 サンドイッチパネル
21,22 発泡コア
23,24 先端部
25,26 表面
27,28 面板
29,30 傾斜部
31 スプライス部
32,33 アレスタ

Claims (3)

  1. 発泡合成樹脂から成る発泡コアの厚み方向両側の各表面に、繊維強化複合材料から成る面板が積層された状態で一体的に形成されるサンドイッチパネルにおいて、
    前記発泡コアは、その厚み方向一方側の表面から前記厚み方向他方側の表面に向かって傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部と面板とが鋭角で交差する先端部に、前記発泡コアよりも剛性の高い材料から成るアレスタが形成されることを特徴とするサンドイッチパネルの亀裂進展防止構造。
  2. 前記発泡コアは、その厚み方向一方側の表面から前記厚み方向他方側の表面に向かって傾斜する第1傾斜部と、第1傾斜部に対向して平行に延びる第2傾斜部とを有し、第1傾斜部と第2傾斜部とは、繊維強化複合材料から成るスプライス部を介して一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチパネルの亀裂進展防止構造。
  3. 前記アレスタは、前記繊維強化複合材料から成ることを特徴とする請求項2に記載のサンドイッチパネルの亀裂進展防止構造。
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