以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の斜視図、図2はスロットマシン10の正面図、図3はスロットマシン10の側面図、図4はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図5は前面扉12の背面図、図6は筐体11の正面図である。
図1〜図6に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着剤等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。因みに、天板11aには内外に貫通する開口部200が複数設けられており(本実施の形態では3つ)、熱を帯びた空気を筐体11の外部に排出することが可能となっている。これら開口部200にはメッシュ状の図示せぬカバー部材が取り付けられており、埃や針金等の不正具の筐体11内部への侵入を抑制している。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側中央部には内外に貫通するキー孔201が形成されており、解錠操作部たるキーシリンダ20が同キー孔201から前面扉12の前方に突出して設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、略矩形状をなす下側視認窓31が形成されており、下側視認窓31の上部には同じく略矩形状をなす上側視認窓202が合成樹脂製の枠部203に囲われて形成されている。これら下側視認窓31及び上側視認窓202は、透明又は半透明な材質により構成されており、それら視認窓31,202を通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。また、遊技パネル30の左右両側には、同遊技パネル30の左右の縁部に沿って上下方向に延びる側方ランプ204が設けられているが、同側方ランプ204についての詳細は後述する。
図4に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された周回体としての左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されており、各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。各リール42L,42M,42Rの表面の一部が下側視認窓31を通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、視認窓31を通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
図7は左リール42Lの組立斜視図である。同図に示すように、これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれが駆動手段としてのステッピングモータ61L,61M,61R(図7においては左リール用ステッピングモータ61Lのみ図示)に連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図4)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が下側視認窓31から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を下側表示窓31から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、下側視認窓31を介して全体を視認可能な図柄数は、主として下側視認窓31の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図8には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が視認窓31から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト16番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト12番目)の7種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
ここで、各リール42L,42M,42Rの図柄の組み合わせと入賞との関係について説明する。下側視認窓31を介して視認可能な左・中・右のそれぞれの図柄を一本の直線で結ぶ有効ライン、すなわち水平方向に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが設定されており、これら各組合せラインに対応して、下側視認窓31の正面から見て下側にはベットランプ32,33,34が設けられている。第1ベットランプ32が点灯等によって表示報知された状態においては組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化され、第2ベットランプ33が点灯等によって表示報知された状態においては組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化され、第3ベットランプ34が点灯等によって表示報知された状態においては組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等への移行処理などが実行される。ベットランプ32〜34の詳細については後述する。
なお、本実施の形態においては、有効ラインを遊技パネル30(詳しくは視認窓31)に設けない構成としたが、有効ラインを設ける構成としてもよい。また、最大組合せライン数は6以上としてもよく、5未満としてもよい。所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにすることも可能である。
図9には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄,「7」図柄,「7」図柄と並んで停止した場合は、BB入賞として遊技状態が通常遊技状態としての通常ゲームから特別遊技状態としてのBBゲームに移行する。但し、かかるBB入賞図柄の組合せが有効ライン上に停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ役入賞と、ベル役入賞と、チェリー役入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄,「スイカ」図柄,「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ役入賞として15枚のメダル払出が行われる。
また、有効ライン上に左から「ベル」図柄,「ベル」図柄,「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル役入賞となる。このベル役入賞は遊技状態が通常ゲームのときだけでなくBBゲームにおいても発生する。そして、いずれの遊技状態であっても、ベル役入賞が発生した場合、12枚のメダル払出が行われる。
また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー役入賞となる。即ち、チェリー役入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー役入賞が成立する。このチェリー役入賞はベル役入賞と同様に、遊技状態が通常ゲームのときだけでなくBBゲームにおいても発生する。そして、いずれの遊技状態であっても、チェリー役入賞が発生した場合、5枚のメダル払出が行われ、上記のように複数の有効ラインが重なる位置にてチェリー役入賞が成立した場合、10枚のメダル払出が行われる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次の遊技回を開始することが可能となる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lと右リール42Rの「青年」図柄、左リール42Lの「チャンス」図柄、及び中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者が遊技を開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、ボタン状の3つのストップスイッチ72〜74が左右に並設されている。各ストップスイッチ72〜74は、停止対象となる各リール42L,42M,42R(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、これらストップスイッチ72〜74を操作することで回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させることができる。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
下側視認窓31の下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダル受け皿18は、上方に開放され、多量のメダルを貯留可能な容量を有する。メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。メダル排出口17の左右には下部スピーカ205,206が設けられおり、メダル受皿18の左方(左側の下部スピーカ205の前側)には、スロットマシン10の手前側下方に反転可能な灰皿207が設けられている。
メダルを遊技者に付与する手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
下側視認窓31の下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に最大数投入するためのボタン状のMAXクレジット投入スイッチ77が設けられている。また、MAXクレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、1クレジット投入スイッチ78が設けられている。1クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77,78は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77,78は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、MAXクレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、MAXクレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に最大数のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30における下側視認窓31の下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部36とがそれぞれ設けられている。これら表示部35,36は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。但し、本スロットマシン10では、遊技状態が通常ゲームの場合とBBゲームとでベットされる手順が異なっている。そこで、以下の手順の説明では通常ゲームについて説明し、BBゲームについては後ほど説明する。
遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1ベットランプ32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第2ベットランプ33が点灯するとともに、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第3ベットランプ34が点灯するとともに、これに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、クレジット投入スイッチ77,78のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。1クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1ベットランプ32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。1クレジット投入スイッチ78が2度押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1ベットランプ32および第2ベットランプ33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。また、MAXクレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全てのベットランプ32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、MAXクレジット投入スイッチ77又は1クレジット投入スイッチ78のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときにMAXクレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部、すなわち前記上側視認窓202の左右両側には、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対の上部スピーカ14が設けられている。同じく前面扉12の上部には、上側視認窓202及び上部スピーカ14を囲い遊技パネル30よりも前方に張り出した門型の上部ランプ208が設けられている。上部ランプ208は上述した側方ランプ204と共に、上下の視認窓31、202を上方及び側方から一体的に囲う構成となっている。
また、上側視認窓202の後方、すなわち前面扉12の背面側には、遊技者に各種情報を与える補助表示装置15が、スロットマシン10の前方から上側視認窓202を介して視認可能な状態で設けられている。補助表示装置15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示装置15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示装置15と称している。補助表示装置15の背面にはスピーカ14、補助表示装置15等を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。
以下、図10〜図14に基づき、上部ランプ208について詳細に説明する。図10は上部ランプ208の主要な構成を分解して示す分解斜視図、図11は中央反射部材220の構成を示す斜視図、図12は中央レンズ部材230の構成を示す斜視図、図13は図2のA−A線部分端面図、図14は図13の部分拡大図である。
図10に示すように、前面扉12の前面側上部における上側視認窓202の上方には、スロットマシン10の正面視において上側視認窓202の上端縁に沿って左右方向に延びる長尺状の中央基板210がビス等の締結具によって固定されている。中央基板210の前面は中央発光体211を搭載する搭載面210aとされ、複数(本実施の形態においては上下に2列且つ左右に14列の計28個)の発光ダイオードがハンダ付け等の固定手段によって固定されている。より詳しくは、上下及び左右に2つづつの計4つの中央発光体211を一組として等間隔で整列された状態となっている。
中央基板210は図示しない配線によって表示制御装置111に接続されており、その表示制御装置11によって中央発光体211の点灯、点滅等の発光態様の制御(以下、発光制御ともいう)が行われる。
中央基板210の前面側には、中央基板210とほぼ同等の大きさ(上下方向及び左右方向の長さ寸法)を有し、表面にメッキ処理等の鏡面加工が施された中央反射部材220が設けられている。中央反射部材220はスロットマシン10の後方に延びるボス部220a(図13参照)を複数備えている。それらボス部220aが、前面扉12に接触した状態において前面扉12の背面側からビス等の締結具により固定されることで、中央反射部材220の取り付けがなされている。
中央反射部材220は主として、搭載面210aと略平行で板状をなすベース部221と、ベース部221からスロットマシン10の前方に隆起する第1仕切り部222及び第2仕切り部223と、前記ボス部220aとから構成されている。ベース部221の背側には、中央発光体211を覆う透明樹脂製の中央レンズ部材230がビス等の締結具により固定されており、その中央レンズ部材230によって中央発光体211の保護がなされる。中央レンズ部材230には、個々の中央発光体211に対応してレンズ231が形成されている。ベース部221にはそれらレンズ231に対応する開口部224が複数形成されており、開口部224を介してレンズ231の一部がベース部221よりも前方に突出している。
第1仕切り部222と第2仕切り部223とは、これら開口部224を左右から挟むように複数配されている。上述したように4つの中央発光体211が一組として構成されており、これら各組は第1仕切り部222によって仕切られた状態となっている。第1仕切り部222はスロットマシン10の前方に延びる板状をなす。それら第1仕切り部222の前端部には隣接すレンズ231の一部をスロットマシン10の前方から視認できないように遮蔽する遮蔽板222aが形成されている。具体的には、遮蔽板222aは、中央基板210と対向し、スロットマシン10の正面視においてレンズ231のおよそ半分(隣接する第1仕切り部222側のおよそ半分)と重なっている。なお、第1仕切り部222が、ベース部221の左右の端部と、中央発光体211の各組みの間とに計8つ設けられており、ベース部221の左右の端部に設けられた第1仕切り部222の外面には側方へ突出する爪部222bが形成されている。
第2仕切り部223は、これら第1仕切り部222の間にそれぞれ設けられており(計7つ)、中央発光体211の各組を左右に2つづつのグループに分割している。第2仕切り部223は三角形山状をなし、その表面には全体に亘って細かな線状の凹凸223aが形成されている。中央発光体211からの光は、この凹凸223aに当たることで反射されるとともに、多方向に拡散される。
ここで、上述したレンズ231について詳細に説明する(図12〜図14参照)。レンズ231には、中央基板210の長手方向(左右方向)と直交する境界面231aが設けられている。境界面231aは、発光体211の中央部位の前方に配置されている。境界面231aの上下方向寸法は、スロットマシン10の正面視において発光体211の上下寸法よりも大きい構成となっている。レンズ231は、境界面231aを境に左側半分と右側半分とで異なる形状をなす。より具体的には、レンズ231において隣接する第2仕切り部223と対向する側は、略四半球状をなしている(以下、四半球状レンズ部231bという)。また、レンズ231において隣接する第1仕切り部222に対向する側は、スロットマシン10の前方に延びる砲弾状をなしている(以下、砲弾状レンズ部231cという)。なお、砲弾状レンズ部231cと四半球状レンズ部231bとは異なる曲率を有している。
中央発光体211から射出された光は、レンズ部231b,231aを介することで、スロットマシン10の前方以外の方向(例えば左右方向)へ屈折する。特に中央発光体211の中央部位からスロットマシン10の前方へ真っ直ぐ射出された光は、境界面231aによって遮られる。これにより、レンズ231によって、中央発光体211からの光のうちスロットマシン10の前方に向かって直進する成分が抑えられ、光の大半は中央反射部材220へと誘導される。中央発光体211から射出された光の伝わり方(移動経路)についての詳細は後述する。
中央反射部材220の前方には、その中央反射部材220を内外二重に覆う内側透過部材240と外側透過部材250とが設けられている。これら各透過部材240,250は共に光透過性を有する合成樹脂材料からなり、スロットマシン10の後方に開放された箱状をなす本体部241,251と、それら本体部241,251の前面部からの前方に突出する複数の膨出部245,255とを備えている。
内側透過部材240における本体部241の両側面には、中央反射部材220の爪部222bに対応する受け孔242が形成されている。受け孔242に爪部222bが引っ掛かかった状態で、内側透過部材240は前面扉12(詳しくは中央反射部材220)に取り付けられている。また、内側透過部材240の本体部241の両側面には、側方に突出する爪部243も形成されている。外側透過部材250における本体部251の両側面には、内側透過部材240の爪部243に対応する受け孔252が形成されており、受け孔252に爪部243が引っ掛かることで両透過部材240,250が一体となっている。因みに、外側透過部材250の本体部251における両側部にも、スロットマシン10の後方へ延びる爪部253が形成されており、前面扉12にはこれら爪部253に対応する受け孔12aが形成されている。爪部253が受け孔12aに引っ掛かった状態となることで、両透過部材240,250の重量の一部を前面扉12で保持することができ、取り付け状態の安定化を図っている。
図13等に示すように、膨出部245,255は上述した第2仕切り部223の前方に配置されている。また、膨出部245,255によって区画された(挟まれた)、本体部241,251の前面部241a,251aは、第1仕切り部222(詳しくは遮蔽板222a)の前方に配置されている。これにより、1組の中央発光体211からの光は、1つの膨出部245,255に入射し、隣接する他の膨出部245,255に影響を与えにくくなっている。また、本実施の形態においては特に、前面部251aと遮蔽板222aとは、スロットマシン10の正面視においてほぼ重なる構成となっている。このため、中央発光体211からの光は、遮蔽板222aによって遮られ、前面部241a,251aを通過しにくい構成となっている。
また、透過部材240,250の膨出部245,255は、それら膨出部245,255のほぼ全体が上側視認窓202よりも前方に突出する構成となっている。中央発光体211からの光が膨出部245,255を通過することで、あたかも膨出部245,255自身が発光しているように見せることができる。これにより、より遊技者に近い位置での発光演出が可能となる。また、スロットマシン10の側方からの視認性を向上し、他者への報知機能の向上に貢献することができる。
ここで、透過部材240,250の膨出部245,255について詳細に説明する。
膨出部245,255は中央基板210に向かって(後方に)開放された箱状(中空状)をなしている。内側透過部材240の膨出部245は、外側透過部材250の膨出部255の内部に、同膨出部255の内周面に対し所定のクリアランス(本実施の形態においては0.5mm〜3mm程度)を有する状態で収容されている。
各膨出部245,255はスロットマシン10前方で小さくなる先細り形状をなしている。換言すれば、両膨出部245,255を構成する天板部245a,255a及び底板部245b,255bは前後方向及び上下方向と交差する方向に傾斜し、両膨出部245,255を構成する左側板部245c,255c及び右側板部245d,255dは前後方向及び左右方向と交差する方向に傾斜している(すなわち、左側板部245cはスロットマシン10の左前方、右側板部245dはスロットマシン10の右前方を向いている)。
内側透過部材240の各側板部245c,245dの後端縁よりも後側には、それら各側板部245c,245d(詳しくは側板部245c,245dの相対向する各面)と同一面上となるように前記中央発光体211(レンズ231)が配置されている。すなわち、中央発光体211は、上述した前面部241aの後方に配置されており、スロットマシン10の正面視において膨出部245と重ならない構成となっている。
膨出部245,255の頂部245e,255eは、中央基板210と対向する板状をなしている。頂部245eの中央基板210と対向する側は、各側板部245c,245dに緩やかに連続する曲面状をなしている。すなわち、中央発光体211からの光が頂部245eに到達した際には、光がスロットマシン10の左右方向に向かって屈折しやすい構成となっている。このように発光体211からの光を左右方向に分散させることで、スロットマシン10の前方における眩しさの低減に貢献している。
膨出部245,255同士が互いに対向する面(膨出部245の外周面、膨出部255の内周面)にはそれぞれ光拡散部位が形成されている。より具体的には、膨出部245における各板部245a,245b,245c,245dの外面には湾曲状の凹凸246が複数形成されている。同様に、膨出部255における各板部255a,255b,255c,255dの外面には湾曲状の凹凸256が複数形成されている。これら凹凸246,256においては、それぞれ異なる形状及び個数が設定されており、光が膨出部245,255を通過する際の屈折方向を多様なものとしている。なお以下、中央基板210,中央発光体211,中央反射部材220,及び透過部材240,250で構成された部位を中央ランプ部と称する。
中央ランプ部の左右両側には上部スピーカ14の外周縁に沿って下方へ延びる隅側基板が設けられており(図示略)、上記中央発光体211と同様に基板の前面は隅側発光体として複数(本実施の形態においては左右で計26個)の発光ダイオードがハンダ付け等の固定手段により固定されている。また、基板は図示しない配線によって表示制御装置111に接続され、隅側発光体の点灯、点滅等の発光制御が行われる。これら隅側発光体の前面側には中央ランプ部と同様に隅側レンズ部材270及び隅側反射部材271が設けられ、隅側発光体や隅側反射部材271等で隅側ランプ部が構成されている(図10参照)。因みに、前記側方ランプ204も隅側ランプ部と同様に、基板、レンズ部材、反射部材を備え、透過部材は備えない構成となっている。
図10等に示すように、中央ランプ部及び隅側ランプ部の前側には、それら中央ランプ部及び隅側ランプ部を包括的に覆う門型状のランプカバー280が設けられている。ランプカバー280は光透過性を有する合成樹脂材料により一体成型されており、中央ランプ部及び隅側ランプ部から発せられた光は同ランプカバー280を介してスロットマシン10の前方へと射出される。本実施の形態においてはランプカバー280を、光透過性を有する有色透明な樹脂材料により形成したが、光透過性を有する無色透明な樹脂材料により形成することも可能である。
ここで再び図14を用いて、中央ランプ部における光の移動経路についてより詳細に説明する。図14の上側はスロットマシン10の前側、図14の右側はスロットマシン10の左側である。なお、図14においては、第2仕切り部223によって隔てられた発光体211のうち、スロットマシン10における第2仕切り部223の左方(図14の右側)に位置するものを発光体211aとし、スロットマシン10における第2仕切り部223の右方(図14の左側)に位置するものを発光体211bとして示す。また、図14における2点鎖線は、光の移動経路の一例を示す。
発光体211aから発せられた光は、レンズ231を通過する際に、四半球状レンズ部231bから射出される光と、砲弾状レンズ部231cを介して境界面231aから射出される光とに大別される。
四半球状レンズ部231bを通過することで屈折された光は、第2仕切り部223の凹凸223aに照射される。凹凸223aに到達した光は、それら凹凸223aによって拡散されつつ、内側透過部材240の膨出部245(詳しくは左側板部245c)に向かって反射される。
一方、砲弾状レンズ部231cを通過することで屈折された光の少なくとも一部は、境界面231aを介して第2仕切り部223に照射される。すなわち、砲弾状レンズ部231c及び境界面231aによって、本来第1仕切り部222側に射出される光が第2仕切り部223側に導かれている。第2仕切り部223に到達した光は、四半球状レンズ部231bを介して屈折された光と同様に、凹凸223aによって拡散されつつ、内側透過部材240の膨出部245(詳しくは左側板部245c)に向かって反射される。
このように、中央発光体211から射出された光は、レンズ231を介することで集約され(射出方向を規制され)、第2仕切り部223に対して照射されやすい構成となっている。
第2仕切り部223によって拡散されつつ反射された光は、側板部245c内面のほぼ全域に到達する。そしてその光は、側板部245c,245dに到達した際に、側板部245c,245dを通過する光と、側板部245c,245dによって反射される光に分けられる。このうち側板部245c,245dを通過する光はスロットマシン10の正面視において膨出部245の中心から外側(例えば左右方向)に向かって折れ曲げられる。また、側板部245c,245dからの反射光は、膨出部245の別の部位(例えば天板部245a等)に到達し、その部位を通過する光と、その部位で再び反射される光とに分けられる。このように膨出部245内で反射を繰り返すことで、光は分散される。
側板部245cを通過した光は、外側透過部材250の側板部255cに入射する。そして、側板部255cへの入射光も同様に、膨出部255を通過する光と、膨出部255で反射される光とに分けられる。このうち側板部255cを通過した光は、スロットマシン10の正面視において膨出部245の中心から外側(例えば左右方向)に向かって再度折れ曲げられる。膨出部255で反射された光は、膨出部245又は膨出部255の別の部位に入射し再び通過する光と、反射される光とに分けられる。
このように反射及び屈折を繰り返した光は、側板部255cを通過した後、ランプカバー280に到達する。そして、ランプカバー280を介してスロットマシン10の外部に射出される。なお、上述の如く膨出部245,255(側板部245c,255c)には凹凸246,256が設けられている。発光体211aからの光は、これら凹凸246,256を介して屈折することで、スロットマシン10の正面方向と交差する方向に拡散されやすくなっている。
発光体211bから射出された光は、第2仕切り部223を基準として発光体211aから射出された光と対称な移動経路をたどる。すなわち、レンズ231を通過した光は、第2仕切り部223,内側透過部材240の右側板部245d,外側透過部材250の右側板部255dを経由してランプカバー280に到る。
本実施の形態においては特に、中央発光体211からの光が側板部245c,245dに直接入射するのではなく、第2仕切り部223にて屈折された光が間接的に側板部245c,245dに入射する。これにより、側板部245c,245dに対する入射角を大きくしている。側板部245c,245dに対する入射角を大きくすることで、それら側板部245c,245dに照射される光の量が担保されている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基板としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、各BBゲームにおける残払出数をカウントするための残払出数カウンタ154等の各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図14以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムやスベリテーブルデータ群152aなどといった各種のデータ群はROM152に記憶されている。
RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、スベリテーブルのアドレス情報が格納されるスベリテーブル格納エリア153a及び遊技状態がBBゲームである場合にBB設定フラグが格納されるBB設定フラグ格納エリア153bなどの格納エリアが設けられている。また、RAM153には、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのバックアップエリアが設けられている。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
次に、表示制御装置111の電気的構成について、図13のブロック図に基づいて説明する。
表示制御装置111には、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置111には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置131が接続されており、出力側にランプ204,208とスピーカ14,205,206と補助表示装置15が接続されている。そして、主制御装置131から入力する各種コマンドに基づいてランプ204,208とスピーカ14,205,206と補助表示装置15とを駆動制御する。つまり、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基板となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設けることにより、メイン基板の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜36を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
かかる構成において、表示制御装置111のROM182には、表示演出用動画データ群184aやホール報知用動画データ群184b等からなる補助表示装置用動画データ群184が記憶されている。この補助表示装置用動画データ群184の各データ群184a等が補助表示装置15に対して適宜セットされることにより、補助表示装置15において補助演出等が表示される。また、ROM182には同様に、発光演出用点灯データ群185aやホール報知用点灯データ群185b等からなるランプ用点灯データ群185が記憶されている。ランプ用点灯データ群185の各データ群185a等がランプ204,208に対して適宜セットされることにより、ランプ204,208において発光演出等が行なわれる。これら各データ群184,185を別々にセットすることで、補助表示装置とランプとを別々の用途に使用でき、各データ群184,185を同期してセットすることで、補助表示装置15及びランプ204,208における演出及び報知を一体的に行うことができる。なお、スピーカについても類似のデータ群が記憶されている。
次に、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図14〜図29のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図14はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を入力した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図15は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図16を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの出力処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。
ステップS301では、コマンド出力が終了しているか否かを判定する。出力が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド出力を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの出力が完了しているか否かを判断し、出力が未完であるときには出力処理を優先し、単位コマンドの出力処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの出力途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの出力が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図12参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、タイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、各種コマンドを表示制御装置111へ出力するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図17は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を入力しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図18を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に出力する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図19のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、ベット枚数設定処理を実行する。ベット枚数設定処理では、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定し、遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合には、任意ベット設定処理を実行する。任意ベット設定処理では、遊技を開始する上で必要なベット枚数を1枚に設定し、さらに受入が許容されるベット枚数を3枚に設定する。これにより、メダル又は仮想メダルを1枚ベットしない限り遊技の開始に必要なメダルがベットされた状態とならない。また、メダル投入口75に4枚以上のメダルが投入された場合には、3枚を超えるメダルは仮想メダルとして貯留記憶されるか、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚のとき又は50枚に達したときにはメダル受け皿18へ返却される。
一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合には、1枚ベット設定処理を実行する。1枚ベット設定処理では、遊技を開始する上で必要なベット枚数を1枚に設定し、さらに受入が許容されるベット枚数も1枚に設定する。受入が許容されるベット枚数が1枚に設定されることにより、メダル投入口75に2枚以上のメダルが投入された場合には、1枚を超えるメダルは仮想メダルとして貯留記憶されるか、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚のとき又は50枚に達したときはメダル受け皿18へ返却される。さらに、第1クレジット投入スイッチ77又は第2クレジット投入スイッチ78が操作された場合には、2枚以上の仮想メダルが貯留記憶されていたとしても1枚の仮想メダルのみがベットされる。
ステップS601にてベット枚数設定処理を実行した後は、ステップS602にて、遊技の開始に必要なメダルがベットされているか否かを判定する。遊技の開始に必要なメダルがベットされているときには、続いてステップS603にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。スタートレバー71が操作されているときには、ステップS604にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合には、ステップS605〜ステップS607の報知コマンドセット処理を実行することなくステップS608〜ステップS612の各処理に進む。遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合には、ステップS605〜ステップS607の報知コマンドセット処理を実行した後にステップS608〜ステップS612の各処理に進む。かかる報知コマンドセット処理については後に説明する。
その後、ステップS608の有効ライン設定処理、ステップS609の抽選処理、ステップS610のリール制御処理、ステップS611のメダル払出処理、ステップS612のBBゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS602にてメダルがベットされていない、またはステップS603にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、ステップS608の有効ライン設定処理について、図20のフローチャートに基づき説明する。
有効ライン設定処理では、先ずステップS701にて、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合には、ステップS701にて否定判定しステップS702に進む。
ステップS702では、今回の遊技回でベットされたメダル又は仮想メダルの数が3枚か否かを判定する。3枚の場合にはステップS703にて有効ラインを設定可能な最大数である5ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。3枚でない場合にはステップS704に進む。
ステップS704では、今回の遊技回でベットされたメダル又は仮想メダルの数が2枚か否かを判定する。2枚の場合にはステップS705にて有効ラインを3ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。2枚でない場合には、今回の遊技回でベットされたメダル又は仮想メダルの数が1枚であることを意味するため、ステップS706にて有効ラインを1ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。
一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合には、ステップS701にて肯定判定しステップS703に進む。ステップS703では、有効ラインを5ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。つまり、本スロットマシン10では、BBゲームにおいて各遊技回で必要なベット枚数及び許容されるベット枚数が1枚に設定されるにも関わらず、設定可能な最大数の有効ラインが設定される。
次に、ステップS609の抽選処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。
抽選処理では、先ずステップS801〜ステップS803にて、当否決定用の抽選テーブルを選択する抽選テーブル選択処理を実行する。つまり、ステップS801にて、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合にはステップS802に進み、通常ゲーム用抽選テーブルを選択する。一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合にはステップS803に進み、BBゲーム用抽選テーブルを選択する。
ここで、通常ゲーム用抽選テーブル及びBBゲーム用抽選テーブルについて説明する。先ず通常ゲーム用抽選テーブルについて説明する。通常ゲーム用抽選テーブルはスロットマシン10の現在の設定状態に対応させて設けられており、さらにベットされるメダルの枚数に対応させて設けられている。したがって、ステップS802における処理では現在の設定状態、及び今回の遊技回にてベットされたメダルの枚数に対応した通常ゲーム用抽選テーブルを選択する。ちなみに、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB役当選確率が最も低い通常ゲーム用抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB役当選確率が最も高い通常ゲーム用抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほどBB役当選確率が高い通常ゲーム用抽選テーブルが選択される。
「設定1」の状態下で3枚ベットされた場合に選択される通常ゲーム用抽選テーブルを図22(a)に例示する。通常ゲーム用抽選テーブルには、入賞となる役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。すなわち、通常ゲーム下では、再遊技、チェリー、ベル、チェリー+ベル、スイカ、BBの6種類の入賞が発生し得るため、1〜6の6つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。ここで、チェリー+ベル役(以下、複数対応役という)とは、かかる複数対応役が当選となることで、チェリー役入賞とベル役入賞とのいずれもが発生し得る役のことをいう。
ちなみに、図22(a)に示した通常ゲーム用抽選テーブルが選択された場合、BB役当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB役当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、チェリー役当選確率は128分の1、ベル役当選確率は約48分の1、複数対応役当選確率は約8.1分の1、スイカ役当選確率は128分の1である。
次に、BBゲーム用抽選テーブルについて説明する。BBゲーム用抽選テーブルは、通常ゲーム用抽選テーブルと異なり1パターンのみとなっている。つまり、BBゲーム用抽選テーブルはスロットマシン10の現在の設定状態とは無関係に設けられている。また、上記のとおりBBゲームでは1枚ベット設定処理が実行されるため、各遊技回のベット枚数は1枚に限定される。
BBゲーム用抽選テーブルを図22(b)に例示する。BBゲーム用抽選テーブルは、インデックス値IVが1つのみ設定されており、このインデックス値IVには複数対応役が対応付けられている。また、このインデックス値IVに対応したポイント値PVは「63150」となっている。上述したように、本スロットマシン10では「0〜65535」の65536個の乱数を生成しているため、BBゲーム用抽選テーブルでは複数対応役当選確率は約1.04分の1となっている。したがって、BBゲームでは、複数対応役当選が比較的高い確率で発生することとなる。
ステップS802又はステップS803の処理を実行した後は、ステップS804にてインデックス値IVを1とし、続くステップS805では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて「0〜65535」の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS806ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS807にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをRAM153に設けられた対応する各当選フラグ格納エリアに格納する。例えば、BB役に対応したインデックス値IVである場合にはBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグを格納する。
ここで、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグが格納された遊技回の終了時にクリアされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、そのBB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてクリアされる。すなわち、BB当選フラグは、複数の遊技回にわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次遊技回以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BB役に関する当否判定は行わない。
ステップS806にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS808にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS809ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS805に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS805では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS806では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS807にて当選フラグを格納した後、又はステップS809にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS810にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行った後に本抽選処理を終了する。
次に、スベリテーブル設定処理について説明する。
スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、視認窓31から視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
図23は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの11番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、13番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分だけ滑り、13番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールはその滑り数分だけ滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。
但し、上記スベリテーブルがセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(到達図柄を停止させる場合よりも最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄と次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄との間に5図柄分以上の区間(5個以上の図柄が存在する区間)が設定されているためである。
この取りこぼしに関して、本スロットマシン10においては、取りこぼしが発生する場合の態様が2パターンある。このうち第1パターンは、同種の図柄の間に5図柄分以上の区間が設定されている場合に発生し得る。詳細には、上記のとおり抽選処理にてチェリー役を除く何れかの役に当選したとしても、その当選役に対応した入賞図柄の組合せが一の有効ライン上に並ばない限り入賞とならない。また、各リール42L,42M、42Rのうち2つのリールが停止した段階では、当選役に対応した入賞図柄の組合せが並ぶ有効ライン(以下、当該ラインを成立ラインともいう)が限定される。かかる状況において、残りのリールにおいて入賞図柄の組合せを構成する同種の図柄間に5図柄分以上の区間が設定されていると、ストップスイッチの操作タイミングによっては成立ライン上に入賞図柄の組合せを構成する図柄が停止せず、取りこぼしが発生することもある。また、当該第1パターンの態様の取りこぼしは、当選役に対応した入賞図柄の組合せを停止させる有効ライン(以下、当該ラインを優先ラインともいう)が第1停止や第2停止の段階で限定される場合にも発生し得る。
第2パターンは、同種の図柄の間に7図柄分以上の区間(7個以上の図柄が存在する区間)が設定されている場合に発生し得る。詳細には、本スロットマシン10では上記のとおり下側視認窓31を介して全体を視認可能な図柄数は各リール3個ずつとされており、各有効ラインはこれら各3個の図柄が停止する合計9個の位置のいずれか3個を直線状に通るようにして設定されている。かかる状況において、各リール42L,42M,42Rのうちいずれかのリールにおいて入賞図柄の組合せを構成する同種の図柄間に7図柄分以上の区間が設定されていると、当該リールを第1停止させる場合であったとしてもストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの有効ライン上にも入賞図柄の組合せを構成する図柄が停止せず、第1停止の段階で取りこぼしが発生することもある。
「スイカ」図柄については、例えば左リール42Lでは、0番の「スイカ」図柄から13番の「スイカ」図柄までの間は12図柄分の区間が設定されている。このため、例えば左リール42Lの3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで左ストップスイッチ72が押された場合、仮に左リール42Lを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。つまり、スイカ役については、上記第1,第2パターンの両方の取りこぼしの態様が発生し得る。
ここで、スイカ役の取りこぼしだけでなく他の小役の取りこぼし発生の有無に関して説明する。チェリー役については、上記のとおり左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー役入賞となる。したがって、上記第1パターンの態様の取りこぼしは発生しない。一方、左リール42Lにおいて、5番の「チェリー」図柄から17番の「チェリー」図柄までの間は11図柄分の区間が設定されている。したがって、上記第2パターンの態様の取りこぼしは発生し得る。
また、再遊技については、各リール42L,42M,42Rにおいて「リプレイ」図柄は、各図柄の間の図柄数が4図柄以下となるように配置されている。したがって、上記第1,第2パターンのいずれの取りこぼしの態様も発生することはない。つまり、各ストップスイッチ72,73,74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、再遊技当選フラグがセットされていれば再遊技入賞図柄の組合せを有効ライン上に停止させることができる。
また、ベル役については、中リール42M及び右リール42Rにおいて「ベル」図柄は、各図柄の間の図柄数が4図柄以下となるように配置されている。一方、左リール42Lにおいて、2番の「ベル」図柄から8番の「ベル」図柄までの間は5図柄分の区間が設定されている。また、14番の「ベル」図柄から20番の「ベル」図柄までの間も5図柄分の区間が設定されている。但し、7図柄分以上の区間は設定されていない。当該図柄配列においては、上記第2パターンの態様の取りこぼしは発生しないものの、各リール42L,42M,42Rの停止順序などによっては上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生することがある。例えば、第3停止として左リール42Lを停止させる場合には、上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生し得る。より具体的には、成立ラインが中ラインの場合に下ラインに14番の「ベル」図柄又は2番の「ベル」図柄が到達しているタイミングで左ストップスイッチ72が停止操作されると上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生する。また、優先ラインが設定される場合にも上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生することがある。つまり、優先ラインが中ラインの場合に、下ラインに14番の「ベル」図柄又は2番の「ベル」図柄が到達しているタイミングで左ストップスイッチ72が停止操作されると上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生する。
図24に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS901にてRAM153のBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグが格納されているか否かを判定する。BB当選フラグが格納されていない場合にはステップS902に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリアに格納する。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号が格納されている場合には、当選フラグが格納されていない又は当選フラグが1つだけ格納されていることを意味する。続くステップS903では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルのアドレス情報をRAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納し、本処理を終了する。
ステップS901にてBB当選フラグが格納されていると判定した場合には、さらにステップS904にてRAM153の他の当選フラグ格納エリアに当選フラグが格納されているか否かを判定する。他の当選フラグが格納されていない場合にはBB当選フラグのみが格納されていることを意味するため、上述したステップS902〜ステップS903の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグが格納されている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS905に進み、格納されている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリアに格納する。第2当選番号が格納されている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つが格納されていることを意味する。続くステップS906では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルのアドレス情報をRAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納し、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。
次に、ステップS610のリール制御処理について、図25のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS1001において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技回においてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS1002では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS1002にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS1003に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令でない場合にはステップS1004にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第1変更処理について図26のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1101にて今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち全てのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令である場合にはステップS1102〜ステップS1105に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1102にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1103では、左ストップスイッチ72が操作されたか否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作された場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図24参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルを設定しているためである。一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1104に進み、RAM153の当選番号格納エリアに格納された当選番号を確認する。続くステップS1105では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたスベリテーブルのアドレス情報を、当選番号及び操作されたストップスイッチと対応する変則押し用スベリテーブルのアドレス情報に変更して本処理を終了する。換言すれば、第1停止変更処理は、格納されている当選フラグの種別と、操作されたストップスイッチとに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS1101にて今回の停止指令が第1停止指令でないと判定した場合には、当該停止指令が第2停止指令であること、すなわち1つのリールが停止している状況下でストップスイッチが押下操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1106〜ステップS1109に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、先ずステップS1106において、第1停止指令時に操作されたストップスイッチと、第2停止指令時に操作されたストップスイッチ、すなわちストップスイッチの操作された順序を確認する。続くステップS1107では、第2停止指令時に操作されたストップスイッチと対応するストップ検出センサからON信号を受信したタイミングにおいて、下ライン上に何番の図柄が到達しているかを確認する。続くステップS1108では、下ライン上に到達している到達図柄が、現在格納されているアドレス情報に対応したスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄か否かを確認する。到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1109に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたスベリテーブルのアドレス情報を、ライン変更用スベリテーブルのアドレス情報に変更して本処理を終了する。また、到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致しなかった場合にはそのまま本処理を終了する。換言すれば、第2停止変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、ストップスイッチの操作タイミング(リールの停止開始位置)とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
リール制御処理の説明に戻り、スベリテーブル第1変更処理を行った後、または今回の停止指令が第3停止指令であった場合には、ステップS1005にて下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。ステップS1006では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたアドレス情報に対応したスベリテーブルから到達図柄と対応するスベリ量を算出し、ステップS1007にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS1008では到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS1009にてリールを停止させるリール停止処理を行う。ステップS1010では全てのリールが停止したか否かを判定し、全てのリールが停止していない場合にはステップS1011にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図27のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1201にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1202では、停止図柄の図柄番号が、現在格納されているアドレス情報に対応したスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定する。一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。一致した場合にはステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたスベリテーブルのアドレス情報を、ライン変更用スベリテーブルのアドレス情報に変更して本処理を終了する。そして、スベリテーブル第2変更処理を行った後は、回転中のリールが存在するためステップS1002に戻る。換言すれば、スベリテーブル第2変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、リールの停止位置とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS1010にて全てのリールが停止していた場合には、ステップS1012に進み、払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをクリアすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに「0」をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、小役当選フラグをクリアすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットする。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをクリアすると共に払出予定数格納エリアに「0」をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかる遊技回のベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。従って、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次の遊技回を開始することが可能となる。
また、払出判定処理では、上記払出枚数等の設定を行うとともに、入賞が正当のものか否かを判定する。つまり、小役入賞や再遊技入賞が小役当選フラグや再遊技当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに「0」をセットする。さらに、BB入賞についても入賞が正当のものか否かを判定する。つまり、各BB入賞が各BB当選フラグに対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行う。
次に、ステップS611のメダル払出処理について、図28のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1301にて払出完了数カウンタがカウントした払出完了数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出完了数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1302にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1303,S1305にてクレジットカウンタのカウント値及び払出完了数カウンタの払出完了数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1306では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1302にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1304にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1305ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出完了数カウンタの払出完了数を1加算する。その後、ステップS1306にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1306にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1301に戻る。ステップS1301で払出完了数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1307にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。BB設定フラグが格納されていない場合にはステップS1309に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出完了数カウンタの値を「0」にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次の遊技回を開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。
一方、BB設定フラグが格納されている場合には、ステップS1308にてCPU151の残払出数カウンタ154のカウント値から今回の払出完了数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。その後、ステップS1309にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、ステップS612のBBゲーム処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。
BBゲーム処理では、先ずステップS1401にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームである場合にはBB設定フラグが格納されていないため、ステップS1401にて否定判定しステップS1402に進む。
ステップS1402では、RAM153のBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグが格納されているか否かを判定する。BB当選フラグが格納されていない場合にはそのまま本BBゲーム処理を終了する。BB当選フラグが格納されている場合には、ステップS1403にて今回有効ライン上にBB入賞図柄の組合せが停止したか否かを判定する。BB入賞図柄の組合せが停止していない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。BB入賞図柄の組合せが停止している場合には、ステップS1404にてBBゲーム開始処理を実行した後に本BBゲーム処理を終了する。
BBゲーム開始処理では、RAM153のBB当選フラグ格納エリアからBB当選フラグをクリアするとともに、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグを格納する。また、CPU151の残払出数カウンタ154に「348」をセットする。また、BBゲーム開始処理では、開始コマンドをセットする。この開始コマンドは、上述したタイマ割込み処理(図15)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。表示制御装置111では、主制御装置131から開始コマンドを入力することにより、補助表示装置15を制御してBBゲーム用の表示を開始する。このBBゲーム用の表示については後に説明する。
一方、遊技状態がBBゲームである場合にはBB設定フラグが格納されているため、ステップS1401にてステップS1405に進む。ステップS1405では、残払出数カウンタ154が「0」か否かを判定する。残払出数カウンタ154が「0」でない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。残払出数カウンタ154が「0」の場合には、ステップS1405にて肯定判定し、ステップS1406にてBBゲーム終了処理を実行した後に本BBゲーム処理を終了する。
ここで、上述したようにBBゲーム開始処理に際して残払出数カウンタ154に「348」がセットされる。したがって、BBゲームは348枚以上のメダルが払い出されることを条件として終了する。また、BBゲーム処理はメダル払出処理の後に実行される。したがって、メダルの払出途中で残払出数カウンタ154が「0」となったとしても、その遊技回の入賞に関わるメダルの払い出しは完了される。つまり、BBゲーム中における入賞に関わるメダルの払い出しは、メダルの総払出枚数が規定数に達したことに基づいて途中で中止されないようになっている。
BBゲーム終了処理では、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bからBB設定フラグをクリアする。また、BBゲーム終了処理では、終了コマンドをセットする。この終了コマンドは、上述したタイマ割込み処理(図15)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。表示制御装置111では、主制御装置131から終了コマンドを入力することにより、補助表示装置15を制御してBBゲーム用の表示を終了する。
次に、本スロットマシン10におけるBBゲームについて詳細に説明する。遊技状態がBBゲームである場合には、上述したように通常処理(図19)におけるステップS601のベット枚数設定処理にて1枚ベット設定処理が実行されることにより、遊技を開始する上で必要なベット枚数及び受入が許容されるベット枚数が1枚に設定される。また、上述したように有効ライン設定処理(図20)におけるステップS703において有効ラインが設定可能な最大数である5ラインに設定される。また、抽選処理(図21)におけるステップS803においてBBゲーム用抽選テーブルが選択されることにより、抽選役が複数対応役のみとなる。但し、かかる複数対応役の当選確率は通常ゲームに比べ非常に高くなっている。また、上述したようにBBゲーム処理(図29)におけるステップS1404のBBゲーム開始処理において残払出数カウンタ154に「348」がセットされることにより、BBゲームは348枚以上のメダルが払い出されることを条件として終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前面扉12の中央ランプ部から発せられた光はスロットマシン10の側方等に向かって分散される。このため、スロットマシン10の前方に照射される光の量を減じることができる。中央ランプ部全体での発光量を下げるのではなく、光の射出方向を分散している。これにより、中央ランプ部の演出及び他者報知の機能を担保しつつ、スロットマシン10の前方での眩しさの低減に貢献することができる。中央ランプ部は上側視認窓202の上側部分に設けられており、上述のごとく減光が行われることで同上側視認窓202への光の映り込みを好適に抑制できる。より詳細には、上側視認窓202を介して視認可能となる補助表示装置15の表示演出が、光の映り込みにより見にくくなるといった不都合を抑制することができる。
また、補助表示装置15による表示演出は、遊技抽選の当否等を示唆する演出等を含んでおり遊技者の注意を引きやすい。このため、遊技者が上側視認窓202で行なわれる表示演出を注視した場合、上側視認窓202と中央ランプ部とが隣接しているため中央ランプ部からの光が目に入りやすくなる。本実施の形態においては、上述のごとく中央部からスロットマシン10の前方に向かって射出される光を減じているため、遊技者が同中央ランプ部からの光により眩しく感じる度合いを低減させることができる。故に、遊技者に不快感を与える可能性を低減することができ、遊技に対する興味を減退させないようにすることが可能となる。なお、長時間の遊技に際し遊技者の目に生じる疲労の低減にも貢献できると考えられる。
図14に示すように、透過部材240,250の側板部245c,245d,255c,255dに入射した光は屈折して膨出部245,255の外部に射出されるか、反射して膨出部240,250の他の部位に向かう。光が膨出部245,255内で反射を繰り返すことで光は拡散される。これにより、スロットマシン10の前方等に局所的に強い光が射出されるといった不都合を抑制することができる。また、中央発光体211から光が射出された際に、膨出部245,255全体が輝く。膨出部245,255はスロットマシン10の前方に膨出しているため、発光状態の遊技機外部からの視認性が担保される。これにより、ホール管理者や他の遊技者への他者報知機能を向上することが可能となっている。通常スロットマシン10の前方に射出され遊技者にとって眩しさの要因となり得る光を、スロットマシン10の側方に向かって射出したり、膨出部245,255全体で拡散したりすることで、副次的報知手段として有効利用している。
同図10に示すように、透過部材240,250は膨出部245,255を備えており、同膨出部245,255に入射した光はスロットマシン10の前方以外、例えば同スロットマシン10の側方に折り曲げられる。これにより、スロットマシン10の前方すなわち遊技者に向かって照射される光の量を低減することが可能となる。本実施の形態においては特に、膨出部245,255の側板部245c,245d,255c,255dに中央発光体211からの光が入射することで、スロットマシン10の側方への光の照射が可能となっている。これにより、ホール管理者や他の遊技者への他者報知機能を向上することが可能となっている。すなわち、通常スロットマシン10の前方に射出され遊技者にとって眩しさの要因となり得る光を、スロットマシン10の側方に向かって射出することで、副次的報知手段として光の有効利用を図っている。
膨出部245,255に入射した光は、同膨出部245,255に形成された凹凸246,256によって多方向に拡散される。これにより、光に広がりを与えることができ、発光体の数を増やすことなく、装飾効果を向上することができる。
膨出部245,255を後方へ開放された箱状とし(中空状とし)、膨出部245からの光の出口(側板部245c,245d)と膨出部255への光の入口(側板部255c,255d)とを近づけた。これにより、両膨出部245,255に確実に光を通すことができ、所望とする位置(すなわち膨出部245,255)での光の屈折が確実に実現できる。故に、上部ランプ208における側方への発光を強めスロットマシン10の側方への放置手段としての機能を担保することができる。
透過部材240,250を前後に重ねて設けたことで、中央発光体211から遊技機前方に直接的に照射される光の光量をより一層低減できる。これにより、中央発光体211から照射される光により遊技者が眩しく感じる度合いを好適に抑えることができる。透過部材を有色透明とすることで減光を行うことを想定すれば、中央発光体211から照射される光の色は透過部材によって左右されやすい。かかる場合、発光部での発光態様(特に色)を変化させることは困難となると懸念される。しかしながら、上述のごとく光透過部材を重ねることで眩しさの低減を行えば、発光色が複数で変化する構成を容易に実現可能である。故に、発光態様の多様化を図り、発光演出の単調化抑制を図ることが可能である。なお、遊技機の機種変更の際には、透過部材240,250が無色透明であることで対応できる機種が限定されにくくリユースが可能である。
スロットマシン等の遊技機が遊技ホールの島設備等へ設置される際には、スロットマシン同士を左右に隣接して配置するのが一般的である。前面扉12の一部(中央ランプ部)を前方に突出させ、その突出部位(中央ランプ部)でスロットマシン10の側方に光が射出されることで、他者への報知(アピール)が容易となる。これにより、遊技者同士が互いの遊技状況を知りやすい状況となることで、競争心を適度に煽ることが可能となる。また、例えばスロットマシン10に不具合が発生した場合に、中央ランプ部を点灯させてエラー報知を行うことで、遊技ホールのホール管理者等は、島設備の端からどのスロットマシンに不具合が発生しているのかを容易に確認することができる。
本実施の形態においては、上部ランプ208(中央ランプ部及び隅側ランプ部)及び側方ランプ204を一体的に設けることで、発光体演出の多様化を図った。すなわち、個々のランプで個別の演出を行う他に、全てのランプで光の流れを左側から右側、又は右側から左側、又は上側から下側等へ流れるように点灯、点滅させることで、ランプ全体で1つの演出を行うことが可能となる。これにより、遊技をより賑やかにすることができる。
他者報知を主の目的とする隅側ランプ部及び側方ランプ204における発光レベル(他者への報知が十分に機能する発行レベル)を基準とし同一の発光ダイオードを全てのランプに使用するとともに、発光体演出を主の目的とする中央ランプ部にのみ透過部材240,250を設けた。これにより、中央ランプ部での発光レベルを抑えつつ、隅側ランプ部及び側方ランプ204での発光レベルを高く設定することができる。すなわち、他者報知の機能を確保しつつ遊技者へ眩しい等の不快感を与えにくい構成とすることができる。また、全てのランプで同一の発光ダイオードを用いることができるため、発光ダイオードの在庫管理が容易なものとなる。上述のごとく、透過部材240,250等によって構造的側面から光量の抑えることができるため、表示制御装置111によって発光レベルを制御する必要が無い。故に、表示制御装置111に生じる制御負荷の増加を抑制することが可能である。
中央反射部材220(詳しくは第2仕切り部223)により、中央発光体211からの光を内側透過部材240の膨出部245に導く構成とした。本実施の形態においては中央発光体211が複数設けられているが、中央反射部材220によって光の進行方向を調整することで、中央発光体211の取り付け方向を統一することができる。すなわち取り付け方向をスロットマシン10の前後方向で揃えることができる。このため、中央発光体211をメンテナンス等の目的で着脱する際に、その作業性を担保することができる。故に、スロットマシン10の側方への報知機能を高めつつ、それら中央発光体211数の多さに起因する作業性の悪化を抑制することができる。
透過部材240,250全体をランプカバー280によって覆いスロットマシン10の前方に露出しない構成とし、爪部222b等を受け部242等に引っ掛けることで前面扉12への取り付けを行う構成とした。透過部材240,250はランプカバー280によって覆われているため、スロットマシン10外部からの外力による影響を受けにくい。このため、透過部材240,250をビス等の締結具により固定する必要が無く、メンテナンス等による着脱を容易なものとすることができる。透過部材240,250を設けることで眩しさの低減がなされる反面、透過部材240,250の組み付け作業が必要となり作業が煩雑化することが懸念される。また、中央発光体211のメンテナンスに際し、作業性が悪化することも懸念される。しかしながら、上述のごとく透過部材240,250を有する構成であっても、その着脱を容易に行うことができる。故に、上部ランプ208の眩しさの低減を実現しつつ、透過部材240,250を備えることに起因する作業性等の悪化を抑制することができる。
本実施の形態においては特に、中央発光体211及び、反射部材220を膨出部240によって区画形成される空間外に配置した。このため、膨出部240,250内で光の反射が繰り返されたとしても、その反射光が中央発光体211等によって遮られるといった不都合が生じにくい。このように、光の通過可能領域を担保することで、光の拡散を一層好適に実現することができる。また、膨出部240,250が輝いた際に、中央発光体211や反射部材220自身によって膨出部240,250内に影が形成されにくい。このため、上部ランプ部の装飾性の向上にも貢献することができる。
膨出部245,255に入射した光は、同膨出部245,255に形成された凹凸246,256によって多方向に拡散される。これにより、光に広がりを与えることができ、発光体の数を増やすことなく、装飾効果を向上することができる。
膨出部245,255を後方へ開放された箱状とし(中空状とし)、膨出部245からの光の出口(側板部245c,245d)と膨出部255への光の入口(側板部255c,255d)とを近づけた。これにより、両膨出部245,255に確実に光を通すことができ、所望とする位置(すなわち膨出部245,255)での光の屈折がより確実に実現できる。故に、上部ランプ208における側方への発光を強めスロットマシン10の側方への放置手段としての機能を担保することができる。
また、各左側板部245c,255cを近づけて配置したため、それら左側板部245c,255cの間で光が反射を繰り返す回数を増加させやすい。このように光の反射回数を増すことで、光の拡散を一層好適に実現することができる。ちなみに、右側板部245d,255dについても同様に、光の拡散に貢献している。
本実施の形態においては特に、中央発光体211からの光が側板部245c,245d
に直接入射するのではなく、第2仕切り部223にて屈折された光が間接的に側板部245c,245dに入射する。これにより、側板部245c,245dに対する光の入射角を大きくしている。このように光の入射角を大きくすることで、側板部245c,245cに照射される光の量を担保しやすくなっている。
中央発光体211を前面部241aの後方に配置した。このため、発光体211からの光が膨出部245の頂部245eに到達しにくい構成となっている。また、前面部241aの後方に配置された遮蔽板222aによって中央発光体211からの光が前面部241aを通過することが抑えられている。これにより、スロットマシン10の前方に射出される光が過度に直接的になるといった不都合を抑制することが可能となっている。なお、頂部245eの内面は曲面で構成されている。このため、頂部245eに到達した光はスロットマシン10の側方に向かって折り曲げられやすくなっている。
中央ランプ部は上側視認窓202の上側部分に設けられており、上述のごとくスロットマシン10前方での減光が行われることで同上側視認窓202への光の映り込みを好適に抑制できる。より詳細には、上側視認窓202を介して視認可能となる補助表示装置15の表示演出が、光の映り込みにより見にくくなるといった不都合を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、前面扉12の上側視認窓202の左右両側に上部スピーカ14を設けたが、これら上部スピーカ14を設けなくてもよい。すなわち、上部ランプ208が上側視認窓202及び上部スピーカ14の両者を囲う構成としたが、上側視認窓202のみを囲う構成としてもよい。例えば、上部ランプ208が、上側視認窓202の外周縁(下端縁以外)に沿って延びる門型状をなす構成にするとよい。
また、上部ランプ208及び側方ランプ204によって、上下の側視認窓31,202をまとめて囲う構成としたが、これを変更する。ランプが上下の側視認窓31,202のいずれか一方のみを囲う構成としてもよい。また、上下の側視認窓31,202をそれぞれ独立して囲う構成としてもよい。例えば、各視認窓31,202の外周縁に沿って延び、スロットマシン10の正面視において略ロ字状をなすランプを設けるとよい。
(b)上記実施の形態では、透過部材240,250の左右方向の長さ寸法を上側視認窓202の左右方向の長さ寸法と同等としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、透過部材240,250の左右方向の長さ寸法を上側視認窓202の左右方向の長さ寸法よりも大きくしてもよいし小さくしてもよい。但し、上側視認窓202への光の
映り込みを考慮し、透過部材240,250の左右方向の長さ寸法を上側視認窓202の左右方向の長さ寸法よりも大きくすることが望ましい。
(c)上記実施の形態では、中央ランプ部と隅側ランプ部とを別体で設けたが、これを変更し、両ランプ部を一体で設けてもよい。より具体的には、中央ランプ部の中央基板210と隅側ランプ部の隅側基板とを一体とするとともに、中央ランプ部の中央反射部材220と隅側ランプ部の隅側反射部材271とを一体としてもよい。因みに、中央発光体211のみを透過部材240,250で覆う構成としたが、透過部材240,250を拡大し中央発光体211と隅側ランプ部の発光体の少なくとも一部とを覆う構成とすることも可能である。
また、中央ランプ208と側方ランプ202とを分離して設けたが、これを変更し、両ランプ202,208を連続して設けてもよい。かかる場合、ランプカバー280も側方ランプ部までを一体に覆う大きさで設けるとよい。
(d)上記実施の形態では、光透過部材を内外2重に設けたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、光透過部材の数は2つ(2重)に限定されるものではなく、1重としてもよいし、3重としてもよいし4重以上としてもよい。
また、各光透過部材は、それぞれ別体で着脱可能とする必要は無く、複数の透過部材を一体的(樹脂による一体成型や別部材形成後の接着等)に設け、前面扉12(又は中央反射部材220)に対してまとめて着脱する構成とすることも可能である。
(e)上記実施の形態では、透過部材240,250によって中央発光体211の後方以外(すなわち、前方と左方と右方と上方と下方と)を覆う構成としたが、これを変更し、前方のみを覆う構成としてもよい。例えば、光透過部材を板状とし中央発光体211の前方(例えば中央発光体211と遊技者との間)に配置するとよい。
(f)上記実施の形態では、各透過部材240,250がそれぞれ膨出部245,255を備える構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、透過部材240,250のいずれか一方のみが膨出部を有する構成としてもよいし、両透過部材240,250が膨出部を有さない構成としてもよい。
(g)上記実施の形態では、透過部材240,250の膨出部245,255が後方に開放された箱状をなす構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、膨出部は箱状に限定されるものではなく、スロットマシン10の前後方向及び左右方向と交差する「壁面」を少なくとも有していればよい。例えば、膨出部245,255をスロットマシン10の前方に突出する円錐状や角錐状としてもよいし、円柱状や角柱状としてもよい。また、半球状とすることも可能である。
(h)上記実施の形態では、内側透過部材240の外周面に凹凸246を形成したが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、内側透過部材240の外周面ではなく内周面に凹凸を形成してもよいし、内周面及び外周面の両方に凹凸を形成してもよい。
外側透過部材250についても同様に、内周面に凹凸246を形成したが、内周面ではなく外周面に凹凸を形成してもよいし、内周面及び外周面の両方に凹凸を形成してもよい。
(i)上記実施の形態では、内側透過部材240に爪部243を設け、外側透過部材に受け孔252を設けたが、これを変更し、内側透過部材240に受け孔を設け、外側透過部材に爪部を設けることも可能である。
また、外側透過部材250は、内側透過部材240(詳しくは爪部243)及び前面体13(詳しくは受け孔12a)との両者に引っ掛かる構成としたが、これを変更し、いずれか一方にのみ引っ掛かる構成としてもよい。
(j)上記実施の形態では、「導光部材」として中央レンズ部材230を設けたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、中央レンズ部材230に代えて、多数の光ファイバを束ねることで構成した導光部材を用いることも可能である。また、レンズ231を有さない構成とすることも可能である。
(k)上記実施の形態では、透過部材240,250が前面扉12に対し移動不能な状態で取り付けられる構成としたが、これを変更し、透過部材240,250が前面扉12に対し移動可能な状態で取り付けられる構成としてもよい。より詳しくは、内側透過部材240及び外側透過部材250の少なくともいずれかを駆動する駆動手段(例えばバイブレータ等)を設けるとよい。発光演出に応じてバイブレータが駆動することで、内側透過部材240と外側透過部材250との位置関係が変わり、光の乱反射の態様を変更することが可能となる。これにより、光の照射パターンが画一的となることを防止でき、演出の多様化を実現できる。
(l)上記実施の形態では、中央ランプをランプカバー280で覆う構成としたが、中央ランプをランプカバー280で覆わない構成としてもよい。すなわち、ランプカバー280の代わりに、外側透過部材250を保護カバーとして利用してもよい。
(m)上記実施の形態では、「光透過部材」として内側透過部材240及び外側透過部材250を設け、それら透過部材240,250が内外2重となる構成とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、光透過部材の数は2つ(2重)に限定されるものではなく、1重としてもよいし、3重としてもよいし4重以上としてもよい。
なお、各光透過部材は、それぞれ個別で着脱可能とする必要は必ずしも無く、複数の透過部材を一体的(樹脂による一体成型や別部材形成後の接着等)に設け、前面扉12(又は中央反射部材220)に対してまとめて着脱する構成とすることも可能である。
(n)上記実施の形態では、透過部材240,250に膨出部245,255を設けたが、膨出部245,255に代えて、スロットマシン10の後方に凹む凹部を設けてもよい。すなわち、膨出部245,255に壁面(側板部245c,245d,255c,255d)を設ける代わりに、凹部に壁面を設けてもよい。
例えば、図33の(a)に示すように、透過部材300,310に凹部301,311を形成する。これら凹部301,311が、前後方向及び左右方向と交差する平板301a,301b,311a,311bを有する構成とするとよい。かかる場合、例えば、中央発光体211を凹部301,311の後方に配置するとともに、反射部材320を中央発光体211の側方に配置し、中央発光体211からの光を反射部材320に導くレンズ部材330を中央発光体211の前方に配置するとよい。すなわち、レンズ231の境界面231aが、反射部材320と対向する構成とするとよい。なお、レンズ部材330から射出された光が凹部301,311に直接到達しないように、光を遮蔽する遮蔽部材340を設けることが望ましい。
(o)上記実施の形態では、内側透過部材240の膨出部245における両側板部245c,245dに中央発光体211からの光が照射される構成としたが、側板部245c,245dのいずれか一方にのみ光が照射される構成とすることも可能である。例えば、上記実施の形態に示したように複数の膨出部245を備える構成の場合、中央の膨出部245よりも右方に位置する膨出部245においては右側板部245c,255cに光を照射し、中央の膨出部245よりも左方に位置する膨出部においては左側板部245d,255dに光を照射する構成とするとよい。
(p)上記実施の形態では、スロットマシン10の正面視において中央発光体211と膨出部245の内周面とが重ならない構成としたが、これを変更し、両者が重なる構成としてもよい。すなわち、中央発光体211を膨出部245の後方に配置してもよい。
また、中央反射部材220の第2仕切り部223を膨出部245の後方に配置したが、これを変更し、前面部241aの後方に配置することも可能である。例えば図33の(b)に示すように、膨出部245を挟んで一方の前面部241aの後方に中央発光体211(レンズ部材400)を配置し、他方の前面部241aの後方に第2仕切り部410を配置するとよい。かかる場合、側板部245c,255cに到達する光の入射角をより大きくすることができる。このように、光をスロットマシン10の側方により一層傾けることで、スロットマシン10の前方における更なる眩しさの低減と、他者報知機能の向上に貢献することができる。
(q)同様に、第1仕切り部222及び第2仕切り部223の位置を変更することも可能である。例えば図33の(c)に示すように、第1仕切り部500と第2仕切り部510との位置を互いに入れ替えてもよい。かかる場合、レンズ部520の向きも左右で逆向きとすることが望ましい。また、第1仕切り部500の起立量を小さくするとよい。第2仕切り部510からの反射光が第1仕切り部500によって遮られ側板部245c,245dへの到達が阻害されるといった不都合を抑制できる。一方、第2仕切り部510の起立量を大きくすることが望ましい。これにより、隣接する他の膨出部への光の流入を抑制することができる。
(r)上記実施の形態では、内側透過部材240(1つの部材)によって全ての中央発光体211を覆う構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、透過部材を別体で複数設け、それら透過部材によって各組の中央発光体211を別々に覆う構成としてもよい。例えば、図33の(d)に示すように、後方に開放された箱状の透過部材500,510によって中央発光体211,レンズ231,及び第2仕切り部223を覆うとよい。このように透過部材500,510が箱状をなす場合、その左右の側板部500a,500b,510a,510bの内面によって「壁面」を構成すればよい。なお、透過部材によって中央発光体211を個々に覆う構成とすることも可能である。
(s)上記実施の形態では、レンズ231が四半球状レンズ部231bと砲弾状レンズ部231cとを有する構成としたが、これを簡素化し、レンズ231が半球状をなす構成
としてもよい。
(t)上記実施の形態では、内側透過部材240(詳しくは膨出部245)の外周面に凹凸246を形成したが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、内側透過部材240の外周面ではなく内周面に凹凸を形成してもよいし、内周面及び外周面の両方に凹凸を形成してもよい。
外側透過部材250(詳しくは膨出部250)についても同様である。すなわち、内周面に凹凸246を形成したが、内周面ではなく外周面に凹凸を形成してもよいし、内周面及び外周面の両方に凹凸を形成してもよい。
(u)上記実施の形態では、中央反射部材220に「光規制部」としての遮蔽板222aを設けたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、透過部材240,250に光の透過を妨げる非光透過部を設けることも可能である。例えば、透過部材240,250の前面部241a,251a等に非光透過性を有する塗装を施たり、シール等を貼り付けるることも可能である。
(v)上記実施の形態では、中央ランプ208及び側方ランプ204の発光体を全て同一色の発光ダイオードにより構成したが、複数色の発光ダイオードを混合して構成してもよい。これにより、発光体の演出効果を更に向上することができる。但しかかる場合、ランプカバーは透明樹脂材料により形成することが望ましい。
(w)上記実施の形態では、中央発光体211として発光ダイオードを用いる構成としたが、これを変更し、豆球等の電球を用いる構成とすることも可能である。
(x)上記実施の形態とは異なる他のタイプの遊技機にも適応可能である。例えば、遊技球を遊技媒体として用いるパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の弾球遊技機に適用可能である。また、遊技球を遊技媒体として用い、いわゆるスロットマシンに類似した遊技を行うことのできる球使用回胴遊技機(いわゆる、パロット)へも適用できる。
10…遊技機としてのスロットマシン、12…前面体としての前面扉、15…報知手段としての補助表示装置、31…下側視認窓、41…絵柄表示装置としてのリールユニット、42L…規定の周回体としての左リール、42M,42R…他の周回体としての中リール,右リール、61…駆動手段としてのステッピングモータ、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、91…媒体付与手段を構成するホッパ装置、111…発光体制御装置としての表示制御装置、131…主制御装置、151…CPU、152…停止情報群記憶手段及び対応値記憶手段としてのROM、153…RAM、153a…格納手段としてのスベリテーブル格納エリア、181…CPU、182…ROM、202…透視窓としての上側視認窓、208…ランプ装置としての上部ランプ部、210…発光体搭載基板としての中央基板、210a…搭載面、211…中央発光体、220…中央反射部材、222…光規制部としての第1仕切り部、222a…遮蔽板、223…光反射部としての第2仕切り部、223a…光拡散部としての凹凸、230…導光部材又はレンズ部としてのレンズ部材、240,250…光透過部材としての透過部材、241,251…本体部、241a,251a…前面部、245,255…膨出部、245c,255c…壁部としての左側板部、245d,255d…壁部としての右側板部、280…ランプカバー。