JP2009081444A - 分子メモリとそのプロセスシステムおよびプロセス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリシステムの一部または全部の構成要素を分子スケールの構造にすることにより記憶密度の向上をはかった分子メモリとそのプロセスシステム及びプロセス方法を提供する。
【解決手段】ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルを含む分子記憶デバイスからなり、電気化学セルは、作用電極103と、対向電極111と、作用電極103および対向電極111と接する電解質109と、それらの電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含む。
【選択図】図1

Description

本出願は、その開示が参照により本明細書に完全に組み込まれている、(A)2005年1月28日に出願された米国特許出願第11/046518号(件名「Molecular Memory Devices and Methods」)、ならびに(B)2004年4月29日に出願された米国特許出願第10/834630号(件名「Systems,Tools and Methods for Production of Molecular Memory」)の一部継続出願である。
開示の実施形態は、主に分子メモリ、すなわち、電荷蓄積のために分子を組み込んだメモリに関する。より具体的には、開示の実施形態は、分子メモリセル、分子メモリアレイ、分子メモリを含む電子デバイス、および分子メモリを製造するためのプロセスシステムおよびプロセス方法に関する。
半導体プロセスおよびデバイス設計の進歩により、従来のプログラマブルコンピュータから通信機器および娯楽機器に至る、ほとんど無限に多様なツールおよびマシンにコンピューティングデバイスが組み込まれるようになっている。目的や用途を問わず、一般にコンピューティングデバイスは、中央処理ユニット(CPU)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、CPUとRAMとの間のデータ交換を可能にするアドレス指定および通信のメカニズムとを含む。コンピューティングデバイスにおいては、データが信号(たとえば、電圧、電流、光、その他)の形で、蓄積、伝達、および操作される。CPUは、信号を論理的に操作する回路を含み、メモリは、CPUがそれらの信号を操作する前、操作している間、および操作した後にそれらの信号を蓄積する回路を含む。
従来のCPU、メモリデバイス、およびデータ通信メカニズムは、固体電子デバイスとして大量生産されている。「半導体デバイス」と呼ばれることもある固体電子デバイスは、金属、半導体、および絶縁体を含む複数の種類の固体材料の電気的挙動に依存する。固体デバイスを製造する技術および設備は、時とともに劇的に進歩し、サブミクロンスケールのフィーチャを有する、スイッチ、コンデンサ、抵抗、および相互配線などのデバイスの製造が可能になっている。
今日のメモリデバイスは、1つの集積回路で数百メガビットの記憶を実現する。これらのデバイスは、揮発性メモリ(たとえば、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)や静的ランダムアクセスメモリ(SRAM))、不揮発性メモリ(たとえば、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュEPROM、強誘電DRAM)、その他を含む。メモリ製造のシステムおよびプロセスは、微細ジオメトリのパターニングおよび製造の技術の限界を押し広げ続ける。
コンピューティング装置のメモリ部品の性能は、ますます、システムの全体性能の重要な決定要因になりつつある。メモリの数が多くなるほど、多様な用途および機能がコンピューティング装置によって実現可能になり、独立したマスストレージ装置の必要性は低くなるか、なくなるであろう。メモリが高速になるほど、サポートされるCPU処理周波数が高くなり、コンピューティング装置が、複雑なタスクやリアルタイムタスク向けに一層有用になる。メモリデバイスが高密度になるほど、より多様な、バッテリー駆動の電子機器(たとえば、ラップトップコンピュータ、PDA、多機能携帯電話、その他)がサポートされるようになる。同時に、これらの用途の多くは、電力消費が減ることの恩恵を受ける。
多くの場合、半導体プロセス技術の改良は、より高密度の、より大規模な、より高速の、より電力効率が高いメモリデバイスの製造につながっている。多くの場合、デバイスの固体電子的動作は、デバイスが小さくなるにつれて向上する。しかしながら、シリコンベースのDRAMメモリのような従来型のメモリは、従来型半導体メモリセルのサイズを減らし続けることが、それらの重要なパラメータの少なくとも一部に悪影響を与え、コストを上げてしまうと考えられる段階に到達している。
寸法を小さくすると速度が低下し、電力消費が増えることの一因は、メモリセルが、通常、情報の記憶ビットごとにコンデンサを実装することである。コンデンサは、絶縁体を電極板ではさんで形成される電荷蓄積デバイスである。コンデンサが小さくなるほど、蓄積可能な電荷の数が減る。メモリセルにおいて信頼性の高い記憶デバイスとして動作するためには、コンデンサは、確実にデータとして検出できるレベルの信号を保持するのに十分な容量を必要とする。さらに、従来のコンデンサは、各メモリロケーションに接続されているスイッチまたはトランジスタを通して、蓄積電荷が時間とともに失われていく。トランジスタは本質的に「漏れる」デバイスなので、コンデンサに蓄積されている電荷の一部が時間とともに消散するか漏れる。用いられるコンデンサが小さいメモリセルほど、漏れの問題には敏感である。これは単純に、より少ない量の電荷漏れで記憶データが取り出せなくなるからである。そのようなメモリは、信頼性も低下することになる。
容量蓄積の過渡的性質を克服するために、メモリデバイスはリフレッシュ回路を用いる。リフレッシュ回路は、蓄積信号を読み出し、それをより高いレベルまで増幅して、コンデンサに再度蓄積することを頻繁に行う。コンデンサに割り当てられる物理的面積が小さくなるにつれ、より小さくなる利用可能領域で同じ電荷蓄積容量を維持することが困難になる。蓄積容量の低下に伴って漏れを少なくすることができない限り、コンデンサをリフレッシュしなければならない頻度が高くなる。コンデンサをリフレッシュする頻度が高くなると、メモリセルをデータの読出しおよび書込みに利用できる時間の割合が減る。さらに、メモリデバイスの総電力消費のうちの、メモリのリフレッシュに使われる割合が増える。従来型のDRAMは、デバイスが待機中または非アクティブ状態であっても、継続的なリフレッシュを必要とし、したがって、継続的な電力消費を必要とする。したがって、研究者らは、従来のコンデンサベースのメモリセルにおける、より小さくなるリソグラフィフィーチャおよび複雑なコンデンサ形状に関連する問題を克服する、データ信号の新しい蓄積方法をなんとか見いだそうとしている。
メモリセル設計者らは、所与のチップ面積に形成可能な容量を増大させることによって、より小さなメモリセルでも低いリフレッシュ頻度を維持しようとした。容量を増大させることは、しばしば、コンデンサの電荷保持材料の表面積を増やすことを伴うが、これは、コンデンサの全体サイズが縮小している状況では非常に困難である。設計者らは、電荷保持材料を三次元トレンチまたはスタック状のコンデンサに形成することによって、表面積を制御することに一定の成功を収めたが、より小さなセルに十分な容量を形成するためには、これらの手法だけでは頼りになるとは言い難い。セル性能を予想する基になる固体電子的動作は、各種セルフィーチャの寸法が小さくなりすぎて、コンデンサが、十分な電荷を、メモリセルにおいて有用であるために十分な時間だけ蓄積することができなくなると崩れ始める。
これらの問題を緩和する1つの方法として可能性があるのは、電子デバイスまたはシステムの一部または全部の構成要素を、分子スケールの構造および構成材で実現する分子デバイスを用いることである。このような分子スケールの構造および構成材は、固体の挙動ではなく分子の挙動を呈し、これによって、多くの場合に性能を強化することが可能になる。さらに、分子は、その本質的特性を個々の分子レベルに至るまで保持するので、今後、プロセスツールおよびプロセス技術が開発されるにつれ、分子スケールの構成材およびデバイス構造を拡大(または縮小)することが可能である。
分子を電子デバイス(たとえば、スイッチ、コンデンサ、導体、その他)に使用することが広く普及するかどうかは、妥当なスループットおよびコストで高い歩留まりを達成する、付着の化学作用およびプロセスが開発されるかどうかにかかっている。しかしながら、今日に至るまで、機器メーカーやツール開発技術者らは、分子電子デバイスの製造に用いることが可能な、付着の化学作用を応用するための十分なツールおよびプロセスを開発していない。分子スケールの構成材が普及するためには、所望の化学種を基板に、他のデバイス構造に、および互いに付着させることが可能な反復可能プロセスが必要である。さらに、新しいタイプの構成材(たとえば、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電荷蓄積用電気化学セル)を半導体材料と組み合わせて実装することを可能にするためには、分子構造を形成するロバストなプロセスが必要である。
分子デバイスの製造技術に望まれるのは、既存の半導体産業のプロセスとの互換性があること、および既存の半導体産業のツールまたはそれを改良したものを用いることである。しかしながら、分子デバイスプロセスは、半導体プロセスの場合とは異なる影響を分子デバイスプロセスに及ぼす多くの変動要素および条件に敏感である。たとえば、ほとんどの半導体製造プロセスには、洗浄液として、かつ、周囲湿度の形で水が終始存在する。しかしながら、水は、一部の分子プロセスに対して破壊的影響を及ぼす可能性がある。水の分子が付着の化学作用に干渉したり、活性分子を破壊したりするからである。同様に、半導体プロセスにおいては、自然酸化物の層および超低レベルの異物は許容される。これは、これらの異常なフィーチャのバルク効果がデバイス動作全体からみれば最小限だからである。これに対し、分子スケールのフィーチャでデバイスを製造する場合は、これらの分子スケールの欠陥が無視できない可能性がある。
情報密度(たとえば、メモリを含むチップの所与の面積に記憶可能な情報の量)を増やそうとするメモリ設計者は、別の問題に直面する。現在のDRAM技術の実際的な制限により、従来型の固体コンデンサを有する各メモリセルは、1ビットの情報しか記憶できない。したがって、3つ以上の離散状態を確実に記憶できるメモリセルを使用するなどして情報蓄積密度を向上させたメモリ(およびプロセスシステムとその方法)が望まれよう。
以上を鑑みて、メモリデバイスを改良する必要がある。特に、分子メモリセル、分子メモリアレイ、および分子メモリを含む電子デバイスが必要である。さらに、分子メモリを製造するための、より効率的なツールおよびプロセスが必要である。さらに、半導体デバイスおよび相互配線が分子メモリとモノリシックに製造可能であるように、既存の半導体製造業務と互換性のある技術で製造可能な分子メモリが必要である。
米国特許出願第10/800147号 米国特許出願第10/046499号 米国特許第6272038号 米国特許第6212093号 米国特許第6208553号 国際公開第01/03126号 米国特許第6728129号 米国特許第6451942号 米国特許第6777516号 米国特許第6381169号 米国特許第6657884号 米国特許第6484394号 米国特許出願第10/040059号 米国特許出願第10/682868号 米国特許出願第10/445977号 米国特許出願第10/834630号 米国特許出願第10/135220号 米国特許出願第10/723315号 米国特許出願第10/456321号 米国特許出願第10/376865号 米国特許第6324091号 米国特許第6642376号 米国特許第6855417号 米国特許出願第60/473782号 米国特許出願第6212093号 J.Porphyrins Phthalocyanines、3:117〜147(Yangら、1999年) J.Am.Chem.Soc.,116:10578〜10592(Sethら、1994年) J.Am.Chem.Soc.,118:11194〜11207(Sethら、1996年) J.Am.Chem.Soc.,119:11191〜11201(Strachanら、1997年) J.Mater.Chem.,7:1245〜1262(Liら、1997年) Inorg.Chem.,37:1191〜1201(Strachanら、1998年) J.Am.Chem.Soc.,121:4008〜4018(Yangら、1999年) 「Handbook of Electrochemistry of the Elements;Porphyrin Handbook」 Vac.Sci.Technol.B 18:2359〜2364(Rothら、2000) J.Am.Chem.Soc.125:505〜617(Rothら、2003) 「Advanced Inorganic Chemistry,5th Ed.」(Cotton & Wilkinson,John Wiley&Sons(1988年)、第26章) 「Organometallics,A Concise Introduction,Elschenbroich et al.,2nd Ed」(1992年)(VCH) 「Comprehensive Organometallic Chemistry II,A Review of the Literature 1982−1994」(Abelら編、Vol.7、第7、8、10、および11章、Pergamon Press J.Am.Chem.Soc.104:1882〜1893(Robinsら、1982年) J.Am.Chem.Soc.108:4228〜4229(Gassmanら、1986) Chem.Rev.96:877〜910(Connellyら、1996年) 「Advances in Organometallic Chemistry 23:1〜93(Geigerら) 「Advances in Organometallic Chemistry 24:87」(Geigerら) Chemical Society Reviews 26:433〜442(Ng、Jiangら、1997年) J.Porphyrins Phthalocyanines 3:322〜328(Jiangら、1999年) Chemistry Letters 483〜484(Arnoldら、1999年) 「Advanced Organic Chemistry,5th Edition」(Cotton、Wilkensonら、1988年、John Wiley&Sons)
本発明は、前述の必要性に応えるものである。
本発明の一態様は、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルを含む分子記憶デバイスを含む。この電気化学セルは、作用電極と、対向電極と、補助対向電極と、作用電極、対向電極、および補助対向電極と接触する電解質と、それらの電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含む。
本発明の別の態様は、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを含むメモリ素子を含む。この電気化学セルは、作用電極と、対向電極と、補助対向電極と、作用電極、対向電極、および補助対向電極と接触する電解質と、それらの電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含む。
本発明の別の態様は、メモリ素子のアレイを含むメモリアレイを含む。それらのメモリ素子の少なくともいくつかは、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを含む。この電気化学セルは、作用電極と、対向電極と、補助対向電極と、作用電極、対向電極、および補助対向電極と接触する電解質と、それらの電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含む。
本発明の別の態様は、メモリ素子のアレイを含む分子メモリと結合された中央処理ユニットを含むコンピューティングデバイスを含む。それらのメモリ素子の少なくともいくつかは、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを含む。この電気化学セルは、作用電極と、対向電極と、補助対向電極と、作用電極、対向電極、および補助対向電極と接触する電解質と、それらの電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含む。
本発明の別の態様は、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルを含む分子記憶デバイスを含む。この電気化学セルは、化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、作用電極および対向電極と接触する電解質とを含む。
本発明の別の態様は、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを含むメモリ素子を含む。この電気化学セルは、化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、作用電極および対向電極と接触する電解質とを含む。
本発明の別の態様は、メモリ素子のアレイを含むメモリアレイを含む。それらのメモリ素子の少なくともいくつかは、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを含む。この電気化学セルは、化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、作用電極および対向電極と接触する電解質とを含む。
本発明の別の態様は、メモリ素子のアレイを含む分子メモリと結合された中央処理ユニットを含むコンピューティングデバイスを含む。それらのメモリ素子の少なくともいくつかは、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを含む。この電気化学セルは、化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、作用電極および対向電極と接触する電解質とを含む。
本発明の別の態様は、ビット線を電気化学セルに接続することによって分子メモリデバイスの読出しを行う方法を含む。この電気化学セルは、記憶分子の層と結合された作用電極と、対向電極と、補助対向電極と、作用電極、対向電極、および補助対向電極と接触する電解質とを含む。ビット線は、記憶分子の酸化状態を示す電位の変化を監視している。
本発明の別の態様は、ビット線を電気化学セルに接続することによって分子メモリデバイスへの書込みを行う方法を含む。この電気化学セルは、記憶分子の層と結合された作用電極と、対向電極と、補助対向電極と、作用電極、対向電極、および補助対向電極と接触する電解質とを含む。記憶分子の酸化状態をセットするためにビット線に電圧が印加される。
本発明の別の態様は、ビット線を電気化学セルに接続することによって分子メモリデバイスの読出しを行う方法を含む。この電気化学セルは、化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、作用電極および対向電極と接触する電解質とを含む。ビット線は、記憶分子の酸化状態を示す電位の変化を監視している。
本発明の別の態様は、ビット線を電気化学セルに接続することによって分子メモリデバイスへの書込みを行う方法を含む。この電気化学セルは、化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、作用電極および対向電極と接触する電解質とを含む。記憶分子の酸化状態をセットするためにビット線に電圧が印加される。
本発明の別の態様は、一部製造された半導体ウェハに酸化還元活性分子を堆積させるように構成された塗布ユニットと、塗布ユニットを収容する密閉チャンバと、密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、塗布ユニットの動作を管理する制御システムとを含む装置を含む。
本発明の別の態様は、一部製造された半導体ウェハを350〜450℃の温度でアニールするように構成された加熱ユニットと、加熱ユニットを収容する密閉チャンバと、密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、加熱ユニットの動作を管理する制御システムとを含む装置を含む。
本発明の別の態様は、一部製造された半導体ウェハに酸化還元活性分子を堆積させるように構成された塗布ユニットと、一部製造されたシリコンウェハを350〜450℃の温度でアニールするように構成された加熱ユニットと、塗布ユニットおよび加熱ユニットを収容する1つまたは複数の密閉チャンバと、1つまたは複数の密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、塗布ユニットおよび加熱ユニットの動作を管理する制御システムとを含む一体型装置を含む。
本発明の別の態様は、一部製造された半導体ウェハに電解質を堆積させるように構成された塗布ユニットと、塗布ユニットを収容する密閉チャンバと、密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、塗布ユニットの動作を管理する制御システムとを含む装置を含む。
本発明の別の態様は、作用電極のアレイを形成することと、分子記憶デバイスのアレイのための、1つまたは複数の補助対向電極を形成することと、作用電極に記憶分子を付着させることと、分子記憶デバイスのアレイのための、1つまたは複数の電解質を形成することと、分子記憶デバイスのアレイのための、1つまたは複数の対向電極を形成することとによって、一部製造された半導体ウェハの上に分子記憶デバイスのアレイを作成する方法を含む。
本発明の別の態様は、第1の監視されたガス環境において、一部製造された半導体ウェハの表面に酸化還元活性分子を堆積させることと、第2の監視されたガス環境において、ウェハ上の複数の作用電極の表面にいくつかの酸化還元活性分子を化学的に付着させることと、化学的に付着していない酸化還元活性分子をウェハから除去することと、ウェハ上に電解質を形成することと、電解質上に導体を堆積させることとを含む方法を含む。
本発明の前述の態様ならびにその他の態様、およびそれらの実施形態のよりよい理解のために、以下の発明を実施するための最良の形態を、添付の図面と併せて参照する。図面において、類似する参照符号は、図面全体を通して対応する部分を参照する。
分子メモリとそのプロセスシステムおよびプロセス方法について説明する。本発明の特定の実施形態を参照するが、その例を添付図面に示している。本発明をそれらの実施形態と併せて説明するが、本発明をそれらの個々の実施形態のみに限定することを意図していないことを理解されたい。逆に、本発明は、添付の特許請求項で定義される本発明の趣旨および範囲に含まれる代替物、修正物、および等価物を包含するものとする。
分子記憶デバイスを用いて電荷蓄積を実現する分子メモリに関して、本発明を具体的に説明する。分子メモリは、既に製造およびデモンストレーションが行われている。これに対し、本発明の教示は、分子スイッチ、分子ロジック、分子データプロセッサなどを含む様々な分子電子デバイスに容易に適用される。したがって、一部または全部のデバイス構成材が分子スケールの構造を含む様々なデバイスの製造に、それらの具体的な教示および実施例を容易に適応させることが可能であろう。
さらに、以下の説明では、本発明の深い理解が得られるように、数多くの具体的な詳細を示す。しかしながら、それらの具体的な詳細がなくても本発明が実施可能であることは、当業者であれば自明であろう。本発明の態様が不明瞭になることを避けるために、当業者によく知られている、他の事例、方法、手続き、部品、システムなどについては、詳しく説明していない。
定義集
以下の用語は、本明細書で用いられる場合には、以下のように定義される。
「酸化」という用語は、元素、化合物、分子、または化学的置換基/サブユニットにおいて1つまたは複数の電子が失われることを意味する。酸化反応では、電子は、反応に関与した原子または分子から失われる。その結果、これらの原子または分子の電荷は、より正になる。電子は、酸化を受けた化学種から失われるので、電子は酸化反応の産物であるように見える。酸化は、Fe2+(aq)→Fe3+(aq)+eという反応において起こる。これは、酸化反応においては、産物である電子が「自由な」実体であるように見えるにもかかわらず、電子は、酸化された化学種Fe2+(aq)から失われたものだからである。逆に、還元という用語は、元素、化合物、分子、または化学的置換基/サブユニットが1つまたは複数の電子を得ることを意味する。
「酸化状態」は、電気的に中性である状態、あるいは、元素、化合物、分子、または化学的置換基/サブユニットが電子を得るか失った結果の状態を意味する。
「複合酸化状態」という用語は、複数の酸化状態を意味する。この酸化状態は、1つまたは複数の電子を得ること(還元)、または1つまたは複数の電子を失うこと(酸化)を反映することが可能である。
「異なっていて区別可能」という用語は、2つ以上の酸化状態を指す場合には、実体(原子、分子、集合体、サブユニットなど)の正味電荷が、少なくとも2つの異なる状態で存在しうることを意味する。状態間の差が熱エネルギーより大きければ、それらの状態は「区別可能」であると言われる。
「密結合」という用語は、マルチサブユニットの(たとえば、ポリマーの)記憶分子のうちのサブユニットに関して用いる場合には、一方のサブユニットの酸化によって他方のサブユニットの酸化電位が変化するように複数のサブユニットを互いに位置付けることを意味する。いくつかの実施形態では、この変化は、第2のサブユニットの(非中性の)酸化状態が、第1のサブユニットの中性でない酸化状態と異なっていて区別可能であるほどに十分である。いくつかの実施形態では、密結合は、(たとえば、単一、二重、三重などの)共有結合によって達成される。しかしながら、実施形態によっては、密結合は、リンカ、イオン相互作用、疎水性相互作用、金属の配位(たとえば、サンドイッチ配位化合物)、または単純な機械的並置によって行われることも可能である。酸化還元プロセスが、複数の酸化状態を有する単一巨大分子の酸化還元プロセスであるほどサブユニットを強く密結合させることが可能であることを理解されたい。
電気化学的な文脈では、「電極」という用語は、電気化学セル内の反応物(たとえば、記憶分子などの酸化還元活性分子)との間の電子のやりとりを可能にする、電気化学セルの一部品を意味する。好ましい電極は、金属または導電性有機分子である。何種類かの電極(たとえば、W、Ti、Ta、Siなど)は、電極の表面に自然酸化物または計画的に成長させた酸化物の層があってもよい。この酸化物があっても、電気化学セル内の反応物との間の電子のやりとりは(たとえば、トンネリングまたは酸化物内のピンホールによって)可能である。電子は、ほぼいかなる2次元または3次元形状でも製造可能である(たとえば、離散電線、パッド、平面、球、円柱など)。他の文脈では、電極は、回路の部品との電気的接触のために用いる導体を意味する。
「固定電極」という用語は、電極が基本的に安定していて、記憶媒体に対して動かすことができないという事実を表そうとするものである。すなわち、電極および記憶媒体は、互いに、基本的に固定された幾何学的関係に配置されている。この関係が、熱的変化による媒体の膨張および収縮、あるいは電極および/または記憶媒体を含む分子の構造の変化によって多少変化するものであることは、当然ながら理解されよう。それにもかかわらず、全体的な空間配置は基本的に不変のままである。この用語は、電極が可動の「プローブ」であるシステム(たとえば、書込みまたは記録「ヘッド」、原子間力顕微鏡(AFM)チップ、走査型トンネル顕微鏡(STM)チップなど)を除外するものである。
「作用電極」という用語は、記憶媒体および/または記憶分子の状態のセットまたは読出しに用いられる電極を意味する。
「基準電極」という用語は、作用電極を用いて行う測定の基準(たとえば、特定の基準電圧)を与える電極を意味する。好ましい実施形態では、分子メモリ内の基準電極はすべて同じ電位であるが、実施形態によっては同じでなくてもよい。
「対向電極」という用語は、たとえば電気化学セルの電解質との電気的接続を形成することによって、電気化学セルの作用電極に電流を与える電極を意味する。分子記憶デバイスの電気化学セルのいくつかの実施形態について述べる場合、「対向電極」という用語は、「基準電極」と区別なく用いられる。これは、それらの実施形態では、この電極が、作用電極に電流を供給することと、作用電極の電位を測定する際の基準電位を与えることとの両方に用いられるからである。
「補助対向電極」という用語は、作用電極における反応の速度を、対向電極のみの場合に可能な速度より高めるために用いる電極を意味する。補助対向電極は、作用電極における反応の全体速度を制限する可能性のある、電気化学セルの電解質の電気的インピーダンスおよび/または対向電極の低電流密度の影響を低減するために、作用電極上の分子の酸化または還元の間に用いる一時的電荷蓄積庫を与える。補助対向電極は、以下に示すうちの1つまたは複数の特性を有することが可能である。(1)対向電極に比べて、作用電極のより近くに配置される。(2)電気的に固く結合された酸化還元活性分子を有する。これらの分子は、作用電極に付着している分子と同じであってもなくてもよい。(3)作用電極における反応に対して所望の量の電流を供給できるようにバイアスされる。(4)自身が酸化還元活性であることが可能である(たとえば、電気化学反応を受けることが可能な銅金属)。
「電解質」という用語は、電気化学セル内のイオン伝導用媒体を意味する。電解質は、1つまたは複数の構成材(液体、ゲル、固体、またはこれらの組合せが可能)で構成されることが可能である。例示的な電解質としては、ポリマーマトリクスとイオン液体、イオン伝導ガラスまたはセラミック、イオン伝導遷移金属酸化物、固体電解質などがあり、これらに限定されない。
「電気的に結合された」という用語は、記憶分子(または、より一般的に、酸化還元活性分子)および/または記憶媒体および電極に関して用いられる場合は、電子が記憶媒体/分子から電極に移動するか、電極から記憶媒体/分子に移動することによって記憶媒体/分子の酸化状態が変化するような、記憶媒体または分子と電極との間の関連を意味する。電気的結合としては、記憶媒体/分子と電極との間の直接共有結合、間接共有結合(たとえば、リンカを介して)、記憶媒体/分子と電極との間の直接または間接のイオン結合、または他の結合(たとえば、疎水性結合)がある。さらに、実際の結合が必要ではなく、記憶媒体/分子が単純に電極表面と接触することが可能である。また、電極が記憶媒体/分子に十分近く、それによって記憶媒体/分子と電極との間の電子トンネリングが可能であるならば、電極と記憶媒体/分子との間の接触は必ずしも必要ではない。
「酸化還元活性ユニット」、「酸化還元活性分子」(ReAM)、または「酸化還元活性サブユニット」は、適切な電圧を印加されることによって酸化または還元されることが可能な分子または分子の成分を意味する。
「サブユニット」という用語は、本明細書で用いられる場合は、分子の成分を意味する。
「記憶分子」および「メモリ分子」という用語は、情報の記憶に用いることが可能な1つまたは複数の酸化状態を有する分子(たとえば、1つまたは複数の酸化還元活性サブユニットを含む分子)を意味する。好ましい記憶分子は、異なっていて区別可能な、非中性の酸化状態を2つ以上有する。
「記憶媒体」という用語は、2つ以上の記憶分子を含む組成物を意味する。記憶媒体は、記憶分子の1つの化学種だけを含むことが可能であるか、記憶分子の2つ以上の異なる化学種を含むことが可能である。好ましい実施形態では、「記憶媒体」という用語は、記憶分子の集合体を意味する。好ましい記憶媒体は、多数の(少なくとも2つの)、異なっていて区別可能な(好ましくは非中性の)酸化状態を含む。多数の、異なっていて区別可能な酸化状態は、記憶分子の様々な化学種を組み合わせることによって生成可能であり、それぞれの化学種は、前記多数の異なる酸化状態の一因となり、それぞれの化学種は、単一の非中性の酸化状態を有する。代替として、または追加で、記憶媒体は、多数の非中性の酸化状態を有する記憶分子の1つまたは複数の化学種を含むことが可能である。記憶媒体は、主に1つの化学種の記憶分子を含むことが可能であるか、いくつかの異なる記憶分子を含むことが可能である。記憶媒体はさらに、(たとえば、化学的安定性を与えること、適切な機械的特性を与えること、電荷漏れを防ぐことなどのために)記憶分子以外の分子を含むことが可能である。
「化学吸着された化学種」という用語は、基板に化学的に結合された分子を意味し、その結合は共有結合を含む。
「電気化学セル」という用語は、デバイス内で化学反応(たとえば、還元/酸化)が起こったときに、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイス、または電気エネルギーを化学エネルギーに変換するデバイスを意味する。
「分子記憶デバイス」(MSD)という用語は、2つ以上の電極と電解質とを含み、酸化還元活性分子が電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合されている、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルを意味する。
「メモリセル」および「メモリ素子」という用語は、電荷蓄積デバイス(たとえば、従来型メモリにおけるコンデンサや、分子メモリにおける分子記憶デバイス)およびその関連回路(たとえば、トランジスタなどのスイッチングデバイス)を意味する。別の観点からは、これらの用語は、個別アドレス指定が可能な最小の、情報を記憶する回路素子を意味する。
「メモリアレイ」という用語は、メモリセルのアレイを意味する。「分子メモリアレイ」および「分子アレイ」という用語は、分子記憶デバイスを使用するメモリセルのアレイを意味する。
「記憶場所」という用語は、記憶媒体が配置されている離散領域を意味する。1つまたは複数の電極でアドレス指定される場合、記憶場所は記憶セルを形成することが可能である。
特定のメモリ素子を「アドレス指定」することは、読出しまたは書込み動作などにおいて、そのメモリ素子へのアクセスを提供するために、そのメモリ素子を電極に関連付けること(たとえば、電気的に結合すること)を意味する。
「読み出す」および「問い合わせる」という用語は、1つまたは複数のメモリ素子の状態を判定することを意味する。
「リフレッシュ」という用語は、分子メモリ素子に関して用いられる場合には、メモリ素子の記憶分子または記憶媒体に電圧を印加して、その記憶分子または記憶媒体の酸化状態を、リフレッシュ動作の直前のメモリ素子の論理状態に対応する所定の状態にリセットすることを意味する。メモリ素子の論理状態は、リフレッシュ動作によって保存される。
「E1/2」という用語は、E1/2=E+(RT/nF)ln(Dox/Dred)で定義される、酸化還元プロセスの式量電位(E)の実際的な定義を意味する。ただし、Rは気体定数、Tは温度(単位はK(ケルビン))、nはプロセスに関与した電子の数、Fはファラデー定数(96485クーロン/モル)、Doxは酸化化学種の拡散係数、Dredは還元化学種の拡散係数である。
「電圧源」は、対象(たとえば、電極)に電圧を印加することが可能な任意の電源(たとえば、分子、デバイス、回路など)である。
「集積回路の出力」というフレーズは、1つまたは複数の集積回路および/または集積回路の1つまたは複数の部品によって生成された電圧または信号を意味する。
「ボルタンメトリー装置」は、電圧の印加または電圧の変化の結果として電気化学セル内に生じた電流を測定することが可能な装置である。
「アンペロメトリー装置」は、一定時間にわたる特定電位(「電圧」)の印加の結果として電気化学セル内に生じた電流を測定することが可能な装置である。
「ポテンショメトリー装置」は、電気化学セル内の酸化還元分子の平衡濃度の差の結果である、境界面の両端の電位を測定することが可能な装置である。
「クーロメトリー装置」は、電気化学セルに電位場(「電圧」)を印加する間に生成される正味電荷を測定することが可能な装置である。
「インピーダンス分光器」は、電気化学セルの全インピーダンスを決定することが可能な装置である。
「正弦波ボルタンメータ」は、電気化学セルの周波数領域特性を決定することが可能なボルタンメトリー装置である。
「基板」は、分子付着の文脈では、1つまたは複数の酸化還元活性分子の付着に好適な、好ましくは固体の材料である。基板を形成できる材料としては、ガラス、プラスチック、カーボン、シリコン、ゲルマニウム、鉱物(たとえば、石英)、半導電性材料(たとえば、ドープドシリコン、酸化シリコン、ドープドゲルマニウムなど)、セラミック、金属、金属酸化物、金属窒化物などがあり、これらに限定されない。別の文脈では、「基板」は、(a)シリコンウェハ、または(b)他の層が堆積する、集積回路の主要部または基層(たとえば、シリコン基板やサファイア基板)を意味する。
分子メモリ
図1は、本発明の一実施形態による分子記憶デバイスの概略断面図である。
全体構造は、基盤となる半導体デバイスの上に構築されることが可能であり、その半導体デバイスの電極またはボンディングパッドと電気的に結合されることが可能である。たとえば、導電バイアまたはプラグ101が、半導体デバイスの不動態化層および平坦化層を通って延びて、アクセストランジスタ(図8の803)または他のアクティブデバイスのソース/ドレイン領域と電気的に接触することが可能である。導電プラグ101は、金属ボンディングパッドと、または半導体デバイスの活性領域と結合することが可能である。ある特定の例ではプラグ101はタングステンを含むが、電気的接続を実現することが可能な任意の金属、合金、シリサイド、または他の材料により製造可能である。
作用電極103は、たとえば、アルミニウム、金、銀、タングステン、または他の利用可能な導体(銅、白金、チタン窒化物、多結晶シリコンなど)を含むことが可能である。他の好適な材料として、Ti、Ta、TaN、導電性酸化物(たとえば、IrO、RuO、OsO、RhO)、その他、またはこれらの組合せがある。いくつかの実施形態では、作用電極103は、他の構造物(集積回路のボンディングパッドや相互配線など)と同時に形成される。プラグ101および電極103を形成するプロセスおよび材料は、半導体プロセス産業においては広く利用可能である。多くの集積回路プロセスでは、金属パッドに絶縁層105を塗布する。絶縁層105は、作用電極103を保護および/または不動態化するよう動作する。絶縁層105は、堆積酸化物、シリコン窒化物、その他として実装可能である。層105は、作用電極103の一部を露出させるようにパターン形成される。これは、プロセスによっては、集積回路のボンディングパッドの部分を露出させるために用いる操作と同じ操作で実施可能である。作用電極103の露出部分によって、記憶分子を付着させる「活性領域」の範囲が定まる。いくつかの実施形態では、この構造は、業界標準のプロセスフローにより、酸化物105の形成およびパターン形成までの間に製造される。
記憶分子の薄層107は、作用電極103の活性領域に形成され、作用電極103に付着して電気的に結合される。層107の厚さは、具体的な例では、1〜100ナノメートルの範囲であることが可能である。いくつかの実施形態では、層107は、化学吸着された分子の層である。いくつかの実施形態では、層107は、自己組織化単分子層(SAM)である。他の実施形態では、層107は、たとえば、以下の記述、および参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第10/800147号の記述のように、その場重合を含む選択的堆積または他の好適なプロセスによっても形成可能である。分子の付着部位については、図示したように、導電性材料の上に層105をパターン形成することによって、リソグラフィ的に範囲を定めることが可能である。あくまで代表的な例としてであるが、層107で用いられる可能性のある記憶分子として、基板との共有結合を形成(し、それによって、化学吸着された化学種の層を形成)するように設計された特定のリンカ成分を有する、ポルフィリンの大規模なライブラリ(最大150個の化合物)が利用可能である。現在、これらの分子は多数の様々なアーキテクチャを含み、これには、酸化還元活性部分(ReAM)が、モノマーまたはポリマーReAM、派生物、およびそのポリマーなど、様々に異なる構成で含まれ、ReAMに限定されない。
いったん分子が付着すると、材料の薄い(たとえば、1〜200ナノメートルの)層が塗布されて電解質109が形成される。電解質109は、電気化学セル用電解質である。金属層111を、蒸着、スパッタリング、化学蒸着、または他の堆積手法により、電解質層109に堆積させる。金属層111は、電気化学セルの基準電極および/または対向電極を形成し、たとえば、任意の対向電極材料(たとえば、銅、銀、白金など)を含むことが可能である。
電解質109は、液体、ゲル、固体、またはこれらの組合せであってよく、記憶分子、ならびに他の、分子記憶デバイスで用いられる導体および絶縁体と化学的に互換でなければならず、半導体プロセスとも化学的に互換でなければならない。電解質109は、作用電極と、電気化学セル内の他の電極(たとえば、基準電極)との間の電荷のイオン輸送を促進する。
図1に示したスタックアーキテクチャの1つの利点は、分子記憶デバイスの底面が電極面を形成し、記憶分子がこの面に、化学吸着された化学種の1つまたは複数の層を形成することが可能であることである。さらに、電解質層109は、記憶分子を覆って本質的に封入し、それらを後続のステップに対して保護する。さらに、図1の構造は、基盤となる半導体ベースの超小型電子デバイスの製造後に金属、絶縁体、分子(たとえば、化学吸着された化学種の層の中の分子)、その他の後続層が追加されるという点で、三次元アーキテクチャを実装する方法を提供する。
図2aおよび2bは、本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイにおける分子記憶デバイスの概略断面図であり、これらの分子記憶デバイスは、作用電極(WE)201および対向電極(CE)203の両方に酸化還元活性分子を有する電気化学セルとして構成される。
図1の作用電極103と同様に、これらの電気化学セルの作用電極201は、基盤となる半導体デバイスの上に構築されることが可能であり、その半導体デバイスの電極またはボンディングパッドと電気的に結合されることが可能である。たとえば、導電バイアおよび/またはプラグ211、213、215などが、不動態化層および平坦化層(たとえば、絶縁体219)を通って延びて、アクセストランジスタ(図8の803)または他のアクティブデバイスと電気的に接触することが可能である。
図1の作用電極103と同様に、これらの電気化学セルの作用電極201は、記憶分子205の薄層と電気的に結合される。いくつかの実施形態では、記憶分子の層205は、化学吸着された層である。
この実施形態では、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルは、共通電解質層207を用いて、作用電極201と対向電極203とに接触する。いくつかの実施形態では、対向電極203へのバイアスは、(図2の面の外に延びる)導線217から供給される。
さらに、これらの電気化学セルの対向電極203は、酸化還元活性分子205の層と電気的に結合されている。いくつかの実施形態では、対向電極203上の酸化還元活性分子205の層は、化学吸着された層である。いくつかの実施形態では、(たとえば、化学吸着された層において)作用電極201の場合と同じ分子層205が対向電極203に付着する。別の実施形態では、作用電極201上に存在するものとは異なる、酸化還元活性分子の層が、対向電極203に固く付着している(図2には示していない)。別の実施形態では、対向電極203に酸化還元活性分子がまったく付着せず(図2には示していない)、代わりに、対向電極材料自体(たとえば、銅)の酸化還元反応が用いられている。図2aでは、作用電極201に化学吸着された記憶分子の層と、対向電極203に化学吸着された酸化還元活性分子の層とが、作用電極201および対向電極203と同様に、互いに同一平面上にある。
図2bに示すように、いくつかの実施形態では、作用電極201および対向電極203を収容する面(たとえば、ドープド多結晶シリコン、ナノ結晶ドープドシリコン、Cu、Ti、Ta、TiN、TaN、TiW、またはW)の上に、導電材料(たとえば、ドープド多結晶シリコン、ナノ結晶ドープドシリコン、Cu、Ti、Ta、TiN、TaN、TiW、またはW)の層221を堆積させ、パターン形成し、エッチングすることによって、対向電極203と、隣接する作用電極201との間の距離を短くすることが可能である。その後、分子205を材料221に堆積させ、付着させ、材料221と電気的に結合させて、それを、作用電極201および対向電極203の新しい面にすることが可能である。この実施形態では、作用電極201に化学吸着された記憶分子の層と、対向電極203に化学吸着された酸化還元活性分子の層とが、やはり、作用電極201および対向電極203と同様に、互いにほぼ同一平面上にある。
図2aおよび2bに示した実施形態のいずれにおいても、作用電極201と、隣接する対向電極203との間の分離は、電解質の厚さではなく、用いられたリソグラフィによって決まる。用いるリソグラフィおよび電解質しだいで、これらの実施形態において、作用電極201での反応の全体速度を制限しうる、電解質207の電気的インピーダンスの影響を減らすことが可能である。
図3aおよび3bは、本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイにおける分子記憶デバイスの概略断面図であり、これらの分子記憶デバイスは、作用電極(WE)301、対向電極309、および1つまたは複数の補助対向電極(ACE)303を有する電気化学セルとして構成される。
これらの電気化学セルの作用電極301は、基盤となる半導体デバイスの上に構築されることが可能であり、その半導体デバイスの電極またはボンディングパッドと電気的に結合されることが可能である。たとえば、導電バイアおよび/またはプラグ311、313、315などが、不動態化層および平坦化層(たとえば、絶縁体319)を通って延びて、アクセストランジスタ(図8の803)または他のアクティブデバイスと電気的に接触することが可能である。
これらの電気化学セルの作用電極301は、記憶分子305の薄層と電気的に結合される。いくつかの実施形態では、記憶分子の層305は、化学吸着された層である。
この実施形態では、電気化学セルは、共通電解質層307と、共通対向電極309とを使用する。
さらに、この実施形態の電気化学セルは、1つまたは複数の補助対向電極303を有する。補助対向電極303の主目的は、作用電極301での酸化/還元反応の速度を、対向電極309のみを用いる場合に可能な速度より高めることである。補助対向電極303は、作用電極301での反応の全体速度を制限しうる、電解質307の電気的インピーダンスおよび/または対向電極309の低電流密度の影響を軽減する。補助対向電極303は、一般に、対向電極309に比べて、作用電極301のより近くに配置される。いくつかの実施形態では、(たとえば、化学吸着された層において)作用電極301の場合と同じ分子層305が補助対向電極303に付着する。別の実施形態では、作用電極301上に存在するものとは異なる、酸化還元活性分子の層が、補助対向電極303に固く付着している(図3には示していない)。別の実施形態では、補助対向電極303に酸化還元活性分子がまったく付着せず(図3には示していない)、代わりに、補助対向電極材料自体(たとえば、銅)の酸化還元反応が用いられている。いくつかの実施形態では、補助対向電極303は、より多くの電流を作用電極301での反応に供給できるようにバイアスされる。いくつかの実施形態では、補助対向電極303へのバイアスは、(図3の面の外に延びる)導線317から供給される。
図3bに示すように、いくつかの実施形態では、作用電極301および補助対向電極303を収容する面(たとえば、ドープド多結晶シリコン、ナノ結晶ドープドシリコン、Cu、Ti、Ta、TiN、TaN、TiW、またはW)の上に、導電材料(たとえば、ドープド多結晶シリコン、ナノ結晶ドープドシリコン、Cu、Ti、Ta、TiN、TaN、TiW、またはW)の層321を堆積させ、パターン形成し、エッチングすることによって、付着された対向電極303と、隣接する作用電極301との間の距離を短くすることが可能である。その後、分子305を材料321に堆積させ、付着させ、材料321と電気的に結合させて、それを、作用電極301および補助対向電極303の新しい面にすることが可能である。
図4は、本発明の別の実施形態による、分子記憶デバイスの概略断面図であり、この分子記憶デバイスは、作用電極、対向電極、および補助対向電極を有する電気化学セルとして構成される。
この実施形態では、作用電極403が別の導体401の上に形成される。導体401は、アクセストランジスタ803または他のアクティブデバイスと電気的に接触する一連の導体の一部である。作用電極403および導体401は、絶縁体(たとえば、SiO)405および402に、それぞれ囲まれる。絶縁層406(たとえば、SiO)は、作用電極403と、補助対向電極407とを隔てる。導体400および404は、補助対向電極407をバイアスする。作用電極403および補助対向電極407には、酸化還元活性分子の層409(たとえば、化学吸着された層)が付着する。この実施形態では、電解質410および対向電極411が複数の電気化学セルに対して共通ではない。その代わりに、各電気化学セルが専用の電解質と専用の対向電極とを有する。絶縁層408(たとえば、SiO)を用いて、電解質410用のウェルが形成される。対向電極411は、シーリング層412(たとえば、ポリマー、またはSiN、SiOなどのような絶縁体)によって封入される。この実施形態を作成する方法については、後で図27に関して詳述する。
図4に示した分子記憶デバイスの実施形態は、さらに、1つまたは複数の補助対向電極407が作用電極403のそばに配置される別の構造を提供する。図3および4に示した構造が、分子記憶デバイス内の電気化学セルに補助対向電極を組み込むことが可能な様々な方法の例示にすぎないことは、当業者であれば理解されよう。
図5は、本発明の一実施形態による、トレンチまたは「モールホール」分子記憶デバイスおよびその、メモリセル部品への組込みの概略断面図である。
この実施形態では、電気化学セルをトレンチ構造または「モールホール」構造として形成する(たとえば、参照により本明細書に完全に組み込まれている、2001年10月26日に出願された米国特許出願第10/046499号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、トレンチを、上部の誘電体層505(たとえば、酸化物)および対向電極511を介して基板501まで延ばす。トレンチの壁は、露出しており、記憶分子507を付着または他の方法で結合させるための接触面を与える。記憶分子507および電解質509を追加した後、構造をポリマー513(または、SiN、SiOなどの絶縁体)で覆ってアレイを密封することが可能である。
図5に示したアーキテクチャは、金属が分子層507に堆積する可能性を排除して損傷を防ぐように形成することが可能である。トレンチの内部は、作用電極面および対向電極面を形成し、分子は、トレンチの内部に、化学吸着された化学種の1つまたは複数の層を形成する。したがって、トレンチを深くすることにより、分子の数を増やすことが可能である。図5では、作用電極502および対向電極511の相対的な高さが一定の縮尺では描かれていないことに注意されたい。対向電極511は、一般に、作用電極502より高い。さらに、半導体基板の高濃度にドープされた領域に作用電極502を形成するのではなく、金属−絶縁体−金属のサンドイッチ層にトレンチまたはモールホールをエッチングすることによって作用電極502を形成することが可能である。これらのサンドイッチ層は、半導体基板、または他の何らかの、半導体ウェハのバックエンドオブライン(BEOL)プロセス中に生成される面に堆積させることが可能である。トレンチの高さは、金属の各層の高さによって決まるので、2つの電極の有効領域を容易に調節することが可能である。垂直次元を用いるので、より多くの分子が利用可能である。これにより、半導体ウェハ(図5で、基板501として表されているウェハ)の所与の断面領域に対する感度を大幅に高めることが可能である。さらに、図5の設計では、各電極の相対的なサイズをいかようにも変更することが容易である。
いくつかの実施形態では、各対向電極511を、(好ましくはpチャネルの)MOSトランジスタのゲート515に接続し、作用電極502を、固定電位(ここではgnd 515で表す)に接続する。これにより、ゲート517の電圧は、分子層507の酸化状態によって変調される。分子層507の状態は、電流が流れ始める場所であるソースノード519に印加された電圧を測定することによって、あるいは、ノード519に固定高電位が印加された場合に流れる電流の量を測定することによって決定することが可能である。この構成要素は、完成メモリセル内に組み込まれた場合には、ノード517への書込み電圧の印加によって書込みが行われ、ノード519へのプローブ電圧の印加によって読出しが行われる。これによって、非破壊読出しメカニズムが可能になる。
図1〜5に示したような分子記憶デバイスは、分子ベースの電子デバイスのメモリ素子内での使用に好適であり、1メガビット以上の大容量を有する、高密度の分子メモリアレイおよびデバイスの実装に利用することが可能である。
分子記憶デバイスにおいては、作用電極(たとえば、103、301、403、または502のような作用電極)に結合された酸化還元活性分子が、ビットの記憶に用いられる。いくつかの実施形態では、各酸化還元状態が、ビットまたはビットの組合せを表現することが可能である。電極に付着した酸化還元分子は、メモリセルの一部であって、1つまたは複数のビットを様々な酸化状態の形で記憶することが可能である。いくつかの実施形態では、メモリセルは、記憶媒体に電気的に結合された固定作用電極を含み、この記憶媒体は、1つまたは複数の酸化還元活性分子を含み、多数の、異なっていて区別可能な酸化状態を有する。データの記憶は、記憶媒体に電気的に結合された電極を介して、1つまたは複数の電子が記憶媒体に追加されるか、記憶媒体から引き出されることによって、(好ましくは非中性の)酸化状態の形で行われる。酸化還元活性分子の酸化状態は、電気化学的方法(たとえば、サイクリックボルタンメトリー)により、セットおよび/または読出しが可能である。これは、たとえば、米国特許第6272038号、第6212093号、および第6208553号、ならびに国際公開第01/03126号に記載されているとおりであり、これらの開示は、参照により本明細書に完全に組み込まれている。特に用いられるのは、様々なタイプのテザーを有するモノマーポルフィリン、フェロセン被覆ポルフィリン、翼状トライマーポルフィリン、直接リンクされたダイマーおよびトライマーポルフィリン、二層型および三層型ポルフィリンなどであり、これらについては後で詳述する。
図6は、分子メモリアレイ601を組み込んだ分子メモリ600の概略ブロック図である。いくつかの実施形態では、分子メモリアレイ601は、2N行2M列の配列を含む。2N行のそれぞれはワード線607に関連付けられ、2M列のそれぞれはビット線609に関連付けられる。一般的な用途では、ワード線607およびビット線609は、互いに交差する。ワード線とビット線とが交差する場所を、「交差点」と呼ぶ場合がある(ワード線とビット線とが互いに接続されていなくてもそのように呼ぶ場合がある)。分子メモリセル800(図8)は、一般に、各行と各列との交差点またはそのそばに配置される。分子メモリアレイ601は、特定の用途の要求を満たす任意の形に配列された、任意の数の分子メモリセル800を含むことが可能である。
メモリ600は、アドレスをアドレスレジスタ619に取り込むことによって動作する。アドレスレジスタ619は、Nビットの行アドレスを行アドレスデコーダ603に送り、Mビットの列アドレスを列アドレスデコーダ605に送る。行アドレスデコーダ603は、1つのワード線607に信号を発生させる。ワード線607は、高電流信号をワード線607に送り出すワード線ドライバ回路615を含むことが可能である。ワード線607は、チップ表面の大部分にわたって延びる、長く薄い導体になる傾向があるので、ワード線信号を駆動するには、十分な電流と大電力スイッチとが必要である。結果として、ワード線ドライバ回路615には、電源617が、他のロジックの動作電力を供給する電源回路(図示せず)とともに提供される場合が多い。したがって、ワード線ドライバ615に用いられる部品は大きくなりがちである。大電流の高速スイッチングは、傾向として、ノイズを発生させ、電源および電源レギュレータの限界にストレスを与え、分離構造にストレスを与える。
従来のメモリアレイは、多くの場合、列(ビット線)の数が行(ワード線)より多い。これは、リフレッシュ動作において、各ワード線がアクティブ化されることによって、そのワード線に結合されているすべての記憶素子がリフレッシュされるためである。したがって、行の数が少ないほど、すべての行をリフレッシュするのに要する時間が短くなる。いくつかの実施形態では、数十秒、数百秒、あるいは数千秒のオーダーで、データ保持時間が一般のコンデンサより格段に長くなるように、分子メモリセル800を構成することが可能である。したがって、リフレッシュサイクルを、格段に低い頻度で(たとえば、最大で何桁も低い頻度で)実施するか、完全に省略することが可能である。したがって、メモリアレイの物理レイアウトに実際に影響を及ぼすリフレッシュの問題を緩和し、様々な形状のアレイを実現することが可能である。たとえば、ワード線607の数を増やすことによって各ワード線を短くした分子メモリアレイ601を製造することが容易に可能である。結果として、各ワード線の高速駆動に必要な電流が少なくてすみ、ワード線ドライバ回路615を小さく作成するか、なくすことが可能である。代替として、または追加で、より短いワード線607をより高速で駆動して、読出し/書込みアクセス時間を短縮することが可能である。さらに別の代替として、メモリロケーションの各行に複数のワード線を与えて、各メモリロケーションにおいて複数の状態の情報を記憶するメカニズムを実現することが可能である。
センスアンプ611が、各ビット線609に結合され、そのビット線に結合されたメモリセル800の状態を表す信号をビット線609上で検出して、その状態を適切な論理レベルの信号にまで増幅するよう動作する。一実施形態では、センスアンプ611をほぼ従来型の設計のままで実装することが可能である。そのような従来型の設計は、分子メモリセル800からの信号を検出および増幅するよう動作するからである。代替として、従来型のコンデンサと異なり、自分の状態を示す非常に明確な信号を与える分子記憶デバイスがある。
読出し/書込みロジック613は、メモリ600を読出し状態または書込み状態にする回路を含む。読出し状態では、分子アレイ601からのデータがビット線609上に出力され(センスアンプ611の動作を伴っていてもいなくてもよいが、一般には伴う)、読出し/書込みロジック613のバッファ/ラッチによってキャプチャされる。個々の読出し動作において、列アドレスデコーダ605が、ビット線609のうちのアクティブなビット線を選択する。書込み動作では、読出し/書込みロジック613が、選択されたビット線609にデータ信号を送り出す。このデータは、ワード線がアクティブのときに、アドレス指定されたメモリ素子800に既に記憶されているデータを上書きする。
リフレッシュ動作は、読出し動作とほぼ同様であるが、ワード線607が、外部から印加されたアドレスではなく、リフレッシュ回路(図示せず)によって駆動される。リフレッシュ動作では、センスアンプ611(用いられる場合)がビット線609を、メモリ素子800の現在の状態を表す信号レベルに駆動する。この値は、自動的にメモリ素子800に再書き込みされる。リフレッシュ中は、読出し動作と異なり、ビット線609の状態が読出し/書込みロジック613に結合されない。リフレッシュ動作が必要になるのは、使用している分子の電荷保持時間が、使用しているデバイスの動作寿命(たとえば、フラッシュメモリの場合は約10年)より短い場合だけである。
図7は、本発明の一実施形態による、分子メモリが埋め込まれたシステムオンチップ(SOC)の概略ブロック図である。
SOC 700は、中央処理ユニット701と分子メモリ703とを含む。メモリバス705が、アドレス、データ、および制御信号の交換のために、CPU 701と分子メモリ703とを結合する。SOC 700は、任意で、メモリバス705に結合された従来型メモリ707を含むことも可能である。従来型メモリ707としては、ランダムアクセスメモリ(たとえば、DRAM、SRAM、SDRAMなど)や読出し専用メモリ(たとえば、ROM、EPROM、EEPROMなど)が可能である。SOC 700は、CPU 701を分子メモリ703および他の任意の、SOC 700に含まれるメモリデバイスと結合するために、メモリバス705に加えてメモリコントローラ(図示せず)を含むことが可能である。SOC 700は、CPU 701が外部のデバイスやシステムと通信することを可能にする1つまたは複数の入力/出力(I/O)インターフェース709を含むことが可能である。I/Oインターフェース709は、シリアルポート、パラレルポート、無線周波数ポート、光ポート、赤外線ポートなどによって実装可能である。さらに、インターフェース709は、パケットベースのプロトコルを含む任意の利用可能なプロトコルを用いて通信するように構成されることが可能である。当該技術分野においてよく知られているように、SOCは、様々なコンピューティングデバイスにおいて組込みおよび使用が可能であり、たとえば、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、埋込みコンピュータなどにおいて可能であって、これらに限定されない。分子メモリ600の単体、またはSOC 700に埋め込まれた分子メモリ703も、そのようなコンピュータデバイスにおいて組込みおよび使用が容易に可能である。
図8は、本発明の一実施形態によるメモリセル800の概略回路図である。メモリセル800は、広く使用されている1トランジスタ1コンデンサ(1T1C)メモリセルデザインと類似している。しかしながら、セル800は、従来型コンデンサではなく分子記憶デバイス801が用いられているという点が異なる。いくつかの実施形態では、分子記憶デバイス801は、アクティブデバイスが半導体基板に形成された後に、その上に形成される構造として実装される。他の実施形態では、分子記憶デバイス801は、アクティブデバイスが形成された半導体基板に、ミクロンからナノメートルのサイズのホールまたはトレンチとして実装される。分子記憶デバイス801は、半導体基板および半導体基板に既に形成されているアクティブデバイスと互換性のあるプロセス技術で製造される。いくつかの実施形態では、分子記憶デバイス801は、電解質をはさむ2つ以上の電極面を有する電気化学セルを含む。記憶分子(たとえば、情報の記憶に利用されることが可能な1つまたは複数の酸化状態を有する分子)は、電気化学セル内で電極面と結合されている。記憶分子の例としては、様々な化合物があるが、特に、モノマーポルフィリン、フェロセン被覆ポルフィリン、トライマーポルフィリン、ポルフィリンポリマー、三層型サンドイッチポルフィリンなどがある。好適な記憶分子の例については、後でさらに詳述する。
図9は、本発明の一実施形態による、分子メモリからの読出しの方法を示すフローチャートである。
ワード線607がアクティブになると、アクセストランジスタ803が導電状態になり、それによって、分子記憶デバイス801をその関連付けられたビット線609に結合する(902)。多くの場合、分子記憶デバイス801によって生成された信号は、従来型ロジックデバイスを駆動するには十分ではない。センスアンプ805が、分子記憶デバイス801によって生成された信号を検出し、その信号を適切な論理レベル(すなわち、他のシステムロジックと互換性のある信号)まで増幅する。たとえば、ポルフィリン記憶分子を用いる場合は、(Ag/Agに対して)+0.55V、+0.48V、+0.39V、+0.17V、−0.05V、および−0.18Vで、安定した酸化状態を有する分子記憶デバイス801を構築することが可能である。実施形態によっては、より多い、またはより少ない、安定した酸化状態を提供することが可能である。しかるべきワード線607をアクティブにした状態で、しかるべき電圧をビット線609に印加することによって、記憶分子を、それらの酸化状態のうちの選択された状態にすることが可能である。分子記憶デバイス801は、いったん所望の酸化状態になると、実施形態に応じて、数十秒、数百秒、数千秒、または無限の秒数の間、その酸化状態を保持する。
読出し時には、ワード線607がアクティブになり、分子記憶デバイス801がビット線609を、その酸化状態を表す電圧に駆動する。いくつかの実施形態では、ビット線は、所定の電位までプリチャージされた後、電気化学セルに結合され、電気化学セル内の記憶分子の酸化状態を示す電位が変化しないかどうかを監視される(904)。これは、従来型メモリの読出し動作と非常によく似た方法で行われる。アクセストランジスタ803がアクティブになると(すなわち、導電状態になり、閉回路を形成すると)、分子記憶デバイス(MSD)801がビット線609に接続される。たとえば、(MSDまたは対向電極の最上部金属を基準として)ビット線が分子の酸化電位より大きな負の値にプリチャージされていて、その分子が酸化状態であれば、電流が分子からビット線に流れる(そして、電子がビット線から分子に流れる)。この結果として、ビット線に電荷が蓄積される。この電荷量は、MSD内の分子の数と、各分子の酸化状態によって決まる(Q=nFN(ファラデーの法則))。その電荷が出現すると、ビット線609の電圧が変化し(V=Q/C)、その電圧変化は、当該技術分野において一般に用いられているように、電圧センスアンプによって識別可能である。
読出し動作時のビット線の電圧は、読出し回路の寄生効果およびローディングのために酸化状態の電圧から変動する可能性があるが、回路は、安定した酸化状態を明確に読み取れるように構成されている。ビット線の電圧は、外部ロジックによる直接の読み取りが可能であるか、センスアンプ805によって従来型の論理レベルまで増幅されることが可能である。特定の実施態様では、センスアンプ805は、安定した多値信号をビット線に生成するために複数の基準点を含むことが可能である(たとえば、マルチステートセンスアンプであることが可能である)。代替として、センスアンプ805は、特定のメモリセル800から読み出された多値電圧信号に応答して複数の論理レベルバイナリ出力を生成するアナログデジタル変換機能を含むことが可能である。
分子記憶デバイス801の1つの利点として、記憶分子を選択することによって複数ビットのデータを各ロケーションに記憶させるように分子記憶を適合させることが可能である。図10は、3ステート(2つの酸化状態とグラウンド状態)モノマーポルフィリン記憶分子の電流−電圧特性を示す、例示的なサイクリックボルタモグラムである。ピークと谷は、情報の記憶に用いることが可能な、異なる酸化状態に対応する。図10の例では、2つのピーク(および非酸化状態)が3つの異なる状態に対応し、したがって、分子記憶デバイス801は3つの状態の情報を記憶することが可能である。各酸化状態は、順に設定または書込みを行うことが可能である。0Vで読み出された電荷の大きさは、酸化された状態の数を反映しており、これを、書き込まれたビットパターンに変換することが可能である。
図11は、本発明の一実施形態による、分子メモリへの書込みの方法を示すフローチャートである。
分子記憶デバイス801に状態を書き込む場合は、ビット線609が分子記憶デバイス801に結合され(1102)、ビット線609に電圧が印加されて(1104)、記憶分子の所望の酸化状態が生成される。一般に、ビット線609に印加される電圧は、MSD 801で用いられる分子のE1/2より、正の方向に多少大きい。これは、書込み回路の抵抗性および容量性の損失を補償するためである。書込み回路に関連する損失は、測定可能かつ不変であるので、補償が容易に可能である。
図10の特定の例では、水平軸で示されるバイアス電位は、対向電極での特定の反応における、対向電極(または基準電極)(たとえば、111、309、411、または511)の印加電位を基準とする作用電極の電位を表している。したがって、曲線の、水平軸における場所は、対向電極で起こる電気化学反応によって決定される。この基準電圧は、一般にネルンスト式で示されているように、化学平衡電位によって決定される。一般に、これは0Vとして定義され、すべての電圧がこの電位を基準とする。この電圧が対向電極および電解質の化学組成によって決まること、ならびに、この電圧が広い範囲にわたって調節可能であること(たとえば、反応物質の選択および対向電極における反応物質濃度によって調節可能であること)に注目されたい。図10の例では、作用電極における500mV信号は、規定されているとおり、酸化を起こすには不十分であり、800mV信号は、第1の離散的酸化状態の酸化を起こすのに十分である。同じ記憶デバイス801に第2の状態を書き込む場合は、作用電極(たとえば、111、309、411、または511)のバイアス電位を1100mV以上に設定する。800mV信号は、第2の状態の酸化を起こすには不十分であり、1100mV信号は、第2の離散的酸化状態の酸化を起こすのに十分である。したがって、第1および第2のビットを順に書き込むことが可能である。
書込み動作後、記憶分子は、その酸化状態を存続させる傾向がある。本質的に、書込みプロセスで追加または除去された電子は、記憶分子に強く拘束されている。結果として、記憶分子内に蓄積された電荷は、従来型コンデンサ内に蓄積された電荷に比べて、漏れ方が遅い。記憶分子は、ある酸化状態がいったん書き込まれると、電圧モードセンスアンプでも電流モードセンスアンプでも読出しが可能である。
図10に示すように、記憶分子の一特性として、分子記憶デバイス801に線形電圧傾斜波を印加した場合、電流の大きさは、記憶分子の酸化状態が変化して、電荷が分子から除去されたか、分子に吸収されたときに明瞭に変化する。図10に示した電流−電圧曲線の各ピークは、個々の酸化状態の間の個別の遷移に対応する。記憶分子が既に特定の酸化状態にある場合は、そうでない場合にはその特定の状態への遷移をもたらすであろう「読出し電圧」をデバイスに印加しても、電流はほとんどまたはまったく流れない。たとえば、分子記憶デバイス801の読出しは、対向電極(たとえば、111、309、411、または511)と作用電極(たとえば、103、301、403、または502)との間にゼロボルトを印加し、発生した電荷の量を測定することによって可能である。電荷(すなわち、時間積分された電流)が比較的多量である状態は、第2の論理状態(たとえば、図10の状態2)を示し、電荷が比較的少量である状態は、第1の論理状態(たとえば、図10の状態1)を示し、電荷がほとんどまたはまったくない状態は、完全に還元された状態(たとえば、図10の状態0)を示す。したがって、既知の電位をデバイスに印加し、分子から除去されたか、分子に吸収された電荷の符号および総量を評価することによって、その分子の元の酸化状態を一意識別することが可能である。同様に、書込み後の記憶分子の酸化状態は、ビット線609と結合された書込み電圧の大きさで決まる。
この読出し方法は、読出し時の電位の印加によって、分子記憶デバイス801内の少なくともいくつかの記憶分子の酸化状態が変化するという点で、部分的または全体的に破壊的である。したがって、いくつかの実施形態では、読出し動作の後に、記憶分子の酸化状態を復元するために、分子記憶デバイス801への再書込みが行われる。
図12は、複数の異なる酸化状態を有する記憶分子の例示的な電流−電圧ボルタモグラム曲線を示している。各酸化状態は、曲線のピークによって示されている。記憶分子は、いくつかの異なる酸化状態により設計可能なので、分子記憶を用いれば情報密度の拡大が可能である。このようにして、メモリアレイの情報密度が増える。分子記憶を支援する読出し/書込みロジック、センス増幅メカニズム、その他を実装することによって、これらの複数の酸化状態を実際のメモリデバイスで用いることが可能になる。
図13は、複数の異なる酸化状態を有する記憶分子を利用する、図5のメモリ素子部分の例示的な電流−電圧曲線である。ゲート517の電圧によってゲート制御される(好ましくはpチャネルの)トランジスタのソースノード519にどのような特定の電圧が印加されても、電流は、各種酸化状態によって決まる。したがって、分子507の酸化状態を読み取るには、特定の電圧をノード519に印加し、その電流を測定し、測定した電流を、図5に示されたメモリ素子部分に記憶されているビット数に対応する論理状態にマッピングする。
図14aおよび14bは、本発明の2つの実施形態による、分子メモリセルの論理状態を読み出すための2つの構成の概略ブロック図である。いずれの構成も、マルチステート分子メモリに適用可能である。
図14aでは、セル電流,(ICELL)が積分器1401に結合されている。セル電流は、ビット線609から直接流すことも、前置増幅することも可能である。前置増幅器は、積分器1401に含めても、単独で設けてもよい。積分器1401は、分子メモリセルの酸化状態を表すアナログ信号を生成する。ロジックエンコーダ1403が、積分器からのアナログ信号を受け取り、それを論理信号にマッピングする。この論理信号は、個々の用途の必要に応じて、レベルシフト、反転、または他の組合せ論理による処理を含むことが可能である。
図14bの構成は、パラレル電流センスを実現し、たとえば、図5に示したメモリ素子部分との使用が可能である。セル電流(ICELL)は、電流モードセンスアンプ1407に結合される。セル電流は、ビット線609から直接流すことも、前置増幅することも可能である。前置増幅器は、各電流モードセンスアンプ1407に含めても、単独で設けてもよい。各センスアンプ1407は、個々の論理状態に対応するしきい値電流値を示す一意の電流基準1405を有する。各センスアンプ1407は、セル電流が基準電流を超えたかどうかを示すバイナリ信号を発生させる。ロジックエンコーダ1409が、そのバイナリ信号を受け取り、それらを論理信号にマッピングする。この論理信号は、個々の用途の必要に応じて、レベルシフト、反転、または他の組合せ論理による処理を含むことが可能である。
図15は、本発明の一実施形態による、分子メモリならびに補助のインターフェースおよび制御ロジックの概略図である。
図15は、本明細書に示す分子記憶デバイスの多くの特徴を実際的な大容量メモリの形で組み合わせた1メガビットの実装を示している。図15に示したようなレイアウトは、実施可能な限り、業界標準のピン配列に従う。しかしながら、各セルに複数の状態が記憶されている場合は、データのパラレル読出しを可能にし、読出しに消費されるクロックサイクル数を少なくするために、複数のピン配列を設けることが望ましいであろう。図15に示した特定の実装は、分子メモリセルアレイ1501の4つのバンクを用い、各バンクは、512行512列に配列された256K個のメモリロケーションを実装する。図15に示したメモリは、全体で、512行2048列、すなわち、1048576個のロケーションを有する(すなわち、1メガビットのメモリである)。図15に示した特定の配列を、他の、任意のサイズの配列で置き換えることが容易に可能である。図を簡単にするために、電源電圧やアースなどの一般的なチップ入力は省略してある。
この実施形態では、RA<0:8>入力において外部デバイスから9ビットの行アドレスが行プリデコーダ1503’に与えられる。行プリデコーダ1503’は、行アドレスを部分的にデコードし、部分的にデコードされた出力を行デコーダ1503のそれぞれに与える。行デコーダ1503はバンクごとに提供されるが、行プリデコーダ1503’はすべてのバンクで共用されるのが一般的である。行プリデコーダ1503’があることで、行デコーダ1503は、部分的にデコードされているアドレスを処理することになるため、より小さく、概して高速であることが可能である。図15の特定の実施形態では、行デコーダ1503は、ワード線ごとにワード線ドライバ回路を含む。列アドレスは、CA<0:8>入力ピンから列アドレスプリデコーダ1505’に与えられる。列アドレスプリデコーダ1505’は、プリデコードされたアドレスを列デコーダ1505に与え、列デコーダ1505は、完全にデコードされた列アドレスを発生させる。
この実施形態では、各分子メモリアレイ1501は512本のワード線1507を含む。図15の上側部分に示したDBLA線のうちの1つに適切な信号が与えられることによって、特定のバンクが読出し/書込みのために選択される。DBLA線は、列デコーダ1505によってアドレス指定されたビット線をアクティブにする。各センスアンプモジュール1511に、ビット線基準電圧VBLREFが与えられる。ビット線基準電圧は、電圧モードセンス増幅に用いたり、シリアルまたはパラレルの電流モードセンス増幅の駆動に用いたりすることが可能である。
この実施形態では、分子メモリアレイ1501の512本のビット線に結合されたセンス増幅回路を含むセンス増幅モジュール1511が、各分子メモリアレイ1501に与えられる。センス増幅モジュール1511はさらに、分子メモリアレイ1501に書き込まれるデータがセンスアンプをバイパスすることを可能にする書込みパスゲートと、ビット線プリチャージ信号(用いられる場合)がセンスアンプをバイパスすることを可能にするプリチャージパスゲートとを含むことが可能である。ビット線プリチャージ電圧は、読出しサイクル中にワード線がアクティブになったときに、セルがどの状態に駆動されるかを決定する。
この実施形態では、データバッファ1503が、書込み動作時にはデータ信号をビット線に送り込むよう動作し、読出し動作時にはデータ信号をビット線から読み出すよう動作する。複数ビットのデータをエンコードするロジックエンコーダ1405をデータバッファモジュール1503に含めることが可能である。書込みデータはD<>入力で受け取られ、読出しデータ出力はQ<0>〜Q<3>出力に与えられる。図15の実装は一般化されたものであるが、分子メモリを操作することに、DRAMの回路技術および機能部品を適合させることが可能であるのは明らかである。そして、これにより、既存の回路技術を高密度分子記憶デバイスに活用することが可能になる。
プロセスシステム
図16は、本発明の一実施形態による分子付着プロセスツールの概略図である。
図16は、ロボット式基板移送メカニズムによって結合された複数の機能モジュールを有する一体型プロセスツールを示している。一体型ツール方式であれば、周囲環境を注意深く監視および調節して、汚染物質レベル、湿度レベル、温度、その他を制御することが可能である。たとえば、周囲空調ユニット1605は、一定の低湿度レベルを維持する除湿機能、温度制御機能、および約0.1ミクロンメートルを超えるサイズの粒子を除去する機械的、化学的、および/または電気的フィルタリング機能を含むことが望ましい。また、周囲空調ユニット1605は、任意で、乾燥剤および粒子凝集メカニズムを用いて、周囲環境条件をさらに改善および制御することが可能である。
図16の一体型ツール1600のプロセスモジュールの構成および配置は、説明を目的としたものにすぎず、入手可能な任意のツール構成を用いることが可能である。代替として、複数の独立したプロセスステーションを有する非一体型環境の形でプロセスモジュールを個別に設けることが可能である。非一体型ツールの場合は、各ツールを同等に制御された環境に置くこと、およびプロセス場所環境の移送を、密封された、環境を制御されたキャリアで実施することが必要になる可能性がある。
図16の装置は、特に、アクティブデバイス分子(たとえば、記憶分子)1604を付着させるプロセスを支援することに適合されている。それらのプロセスは、多くの半導体プロセスと異なり、フォトパターン形成ステップを必要とせずに順に実施可能なので、特に一体型プロセスに好適である。フォトパターン形成は、かさばる専用設備が必要であること、ならびに設備の操作および維持に人間の介入が頻繁に必要であることから、一体化が非常に困難なプロセスの1つである。したがって、分子製造ツールは、他の半導体製造ツールにおける実際的なプロセス数よりずっと多くのプロセスを一体化することが可能であると考えられる。
図16に示した実施形態では、部分的にプロセスされた基板が、ロードチャンバ1601からツールに入る。ロードチャンバ1601は、ツール内の内部周囲環境を保護するエアロックとして動作する。基板は一度に1枚ずつロードしても、バッチでロードしてもよい。
移送メカニズム1602は、プロセスモジュール間で基板を移動するとともに、基板をプロセスモジュールに入れたり、プロセスモジュールから出したりする。コータ1603は、特定の実装ではスピンコーティングモジュールを含むが、用途によっては、スプレーヤ、蒸着コータ、ディッピング、その他を用いることも可能である。本発明の特定の実施態様では、アクティブデバイス分子を含む溶液の補給品1604にコータ1603を結合することが可能であるが、蒸着のような他のメカニズムを用いて活性分子を分与することも可能である。前述のように、汚染を防ぐために、コータ1603を、周囲空調ユニット1605および周囲ガス1606によって維持される低湿度、超高純度の環境において維持することが可能である。他の機器も、エッチング操作、化学蒸着プロセスなどのための環境制御がしやすい。コーティングされる基板ごとに補給品1604から新鮮な化学薬剤を供給することが、多くの用途において望まれる。これにより、化学薬剤の枯渇を回避でき、化学薬剤の再利用に伴う汚染のリスクを低減できる。
分子をコーティングされた基板は、移送メカニズム1602によって熱プロセスモジュール1607に移送される。熱プロセスモジュール1607は、ホットプレート、対流加熱器、赤外線加熱器、マイクロ波加熱器、または他の入手可能な熱制御システムを用いて加熱および/または冷却を行う。選択的化学吸着付着プロセスの付着反応の動特性は、しばしば、温度の影響を受ける。すなわち、ある温度で一定時間にわたって付着プロセスが行われることを可能にすることによって、付着効率が上がり、プロセス時間が短くなり、かつ/または付着品質が向上する。温度は、一定であってもよく、特定用途の必要に応じてプログラムされた特性に従って時間とともに変動してもよい。具体例として、アルコールとリンクしたポルフィリンをアクティブデバイス分子として用いた場合には、少なくとも2分間、基板を400℃に維持することが可能である。熱プロセスはさらに、アクティブデバイス分子を保持する溶液の中で使用可能な溶剤を除去するよう動作することが可能である。熱プロセスモジュール1607は、また、温度を上昇させてプロセスした基板を冷却してから、後続のモジュールに移管することも可能である。
図17aおよび17bは、本発明の一実施形態による熱プロセスユニットの、それぞれ上面および側面の概略図である。熱プロセスユニット1700は、一体型分子付着プロセスツール1600に含まれる熱プロセスモジュール1607であるか、独立したスタンドアロンユニットであることが可能である。
熱プロセスユニット1700は、ベークプレート1716と冷却プレート1714とを囲む外部容器1708を有する。いくつかの実施形態では、加熱区画および冷却区画への空気漏れを最小限にするために、ベークプレート1716および冷却プレート1714を内部容器1712で囲む。出入口1702は(たとえば、Oリングで)密封され、空気がシステム内に入るのを防ぐ真空ロードロックに似ている。いくつかの実施形態では、ガス供給システム1720が不活性ガス流(たとえば、ArまたはN)を供給して、各プレートを取り巻く周囲空気を一掃する。ガス監視および収集システム1706は、一般に、水センサ1722、酸素センサ1724、および真空ポンプ1726を含む。外部コンピュータ(たとえば、2000)が、電力、温度特性、周囲ガス、ならびに水および酸素の監視を制御する。このコンピュータはさらに、ユニットの機械的機能(たとえば、コンピュータ制御の空気圧1718による出入り口1702、シャトルアーム1704、およびベークシャッター1710の操作)も制御する。
ベークプレート1716は、500℃に達する能力がある。一般的には、ベークプレート1716は、分子および電極の材料に応じてウェハを350〜450℃で2〜20分間加熱するために用いる。ベークプレート1716は、他の、より低温のプロセス(溶剤の乾燥など)にも用いることが可能である。冷却プレート1714は、ベーク区画から出たウェハの冷却に用いる。冷却プレート区画は、出入り口区画とベーク区画との間のバッファ区画としても動作する。これは、水および酸素が混入する原因となる可能性がある。いくつかの実施形態では、ベーク区画と冷却区画とが、ウェハ移送時のみ開く内部ドア/シャッター1710で分離される。
いくつかの実施形態では、ベークプレート1716を囲むチャンバを(一般に1×10−5トルを下回る)高度真空レベルまで排気して、水および酸素を除去する。これにより、後続の金属堆積のためのクラスタツールも一体化することが可能である。
説明を図16に戻すが、移送メカニズム1602は、基板を熱プロセスモジュール1607から洗浄モジュール1609に移送する。洗浄モジュール1609は、特定の実施態様では、基板を回転させながら洗浄液を補給品1611から基板表面に吹き付けるスピン洗浄機を含む。洗浄液は、たとえば、エーテル(テトラヒドロフラン)またはニトリル(アセトニトリル)などの溶剤を含む。洗浄液は、化学的に付着しなかった分子を除去して、他のデバイス領域を洗浄する間、アクティブデバイス領域(たとえば、図24の2401)を分子が付着したままにするように選択される。洗浄後、基板を、乾燥のために熱プロセスユニット1607に戻すことが可能である。
任意で、付着したアクティブデバイス分子の品質を評価するために、1つまたは複数の計測モジュール1613を含めることが可能である。計測モジュール1613は、プロセス済み基板の目視観察および認定を含むこと、および/またはプロセス済み基板の電気的特性評価を含むことが可能である。図18は、電極面への化学吸着が十分でない記憶分子の様子を概略的に示したものである。図18に示すように、不十分に付着した酸化還元活性分子は、不十分な並び、分布、および付着を呈するであろう。これらの様子は、目視観察は困難だが、電気的には明瞭である。図19は、電極面への付着が不十分な記憶分子についての例示的な電流−電圧曲線である。たとえば、図19を図12と比較すると、不十分な付着が容易に検出可能であるのは明らかである。化学吸着された化学種の良好に形成された層の存在を検出する、エリプソメトリーなどの代替計測方法または他のフォトニック方法を、クラスタツールに組み込むことが可能である。多くの場合、この種の計測は、基板がプロセスツールから出る前にプロセス収差を検出するために用いることが可能である。付着が不十分な分子をはぎ取り、形成が不十分な基板のアクティブ領域(たとえば、2401)の表面を再度アクティブにする再加工モジュール(図示せず)を組み込むことが望ましいであろう。このようにして、基板がプロセスツールから取り出される前に、プロセスの容認できないばらつきや失敗を、自動的または半自動的に検出して修正することが可能である。
プロセス済み基板は、ロードポート1601を介してプロセスツールから取り出される。化学吸着の化学反応ステップが完了すれば、基板は汚染されにくくなる。しかしながら、基板を後続プロセスの場所に移送する際には、環境を制御されたキャリアの中に基板を置くことが望ましいであろう。
図16の付着プロセスツールは、シングルウェハプロセスモジュール(たとえば、コータ1603および洗浄機1609)、バッチプロセスモジュール(たとえば、熱プロセスモジュール1607)、またはこれらの組合せを含むことが可能である(ユニット1700のような、いくつかの実施形態では、熱プロセスモジュール1607もシングルウェハモジュールである)。一体型環境の中でも、様々なプロセスをバッチプロセスとして実施することが可能であると考えられる。シングル基板プロセスは、プロセス制御に関しては何らかの恩恵があるが、バッチプロセスのほうが安価である傾向がある。
図20は、本発明の一実施形態による分子付着プロセスツール制御システムを示すブロック図である。制御システム2000は、一般に、1つまたは複数の処理ユニット(CPU)2002、1つまたは複数のネットワークインターフェースまたは他の通信インターフェース2004、メモリ2006、およびこれらのコンポーネントを相互接続する1つまたは複数の通信バス2014を含む。制御システム2000は、任意で、ディスプレイ装置2010およびキーボード2012を含むユーザインターフェース2008を含むことが可能である。メモリ2006は、高速ランダムアクセスメモリを含むことが可能であり、また、1つまたは複数の磁気ディスク記憶装置のような不揮発性メモリを含むことも可能である。メモリ2006は、任意で、CPU 2002から遠く離れた1つまたは複数の記憶装置を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、メモリ2006は、以下のプログラム、モジュール、およびデータ構造体、あるいは、これらのサブセットまたはスーパセットを記憶する。
・各種の基本システムサービスを処理するプロシージャ、およびハードウェア依存タスクを実行するプロシージャを含むオペレーティングシステム2016。
・1つまたは複数の通信インターフェース2004(有線または無線)を介して制御システム2000を他のコンピュータ(たとえば、メモリ製造に用いられる他の制御システム)または装置に接続するために用いる通信モジュール2018。通信インターフェースには、(インターネット、ローカルエリアネットワークなどに接続するための)ネットワークインターフェース、RS232インターフェース、または他の任意の好適なインターフェースが含まれる。
・ロードポート1601および移送メカニズム1602の動作を管理する移送制御モジュール2020。
・コータ1603の動作を管理するコータ制御モジュール2030。
・ツール1600の各種モジュール内およびモジュール間のプロセス周囲を(たとえば、酸素センサ、水センサ、および温度センサで)監視し、(たとえば、周囲空調ユニット1605で)制御する周囲制御モジュール2040。
・熱プロセスモジュール1607の動作を管理する熱プロセス制御モジュール2050。
・洗浄機1609の動作を管理する洗浄制御モジュール2060。
・1つまたは複数の計測モジュール1613においてプロセス済み基板の特性評価を管理する計測制御モジュール2070。
図21は、本発明の一実施形態による電解質プロセスツールの概略図である。
電気化学セルのアレイの作成の一環として、基板表面の、付着したアクティブデバイス分子の上に電解質を塗布する。電解質プロセスツール2100は、分子塗布ツール1600とインラインで、またはスタンドアロンツールとして使用可能である。いくつかの実施形態では、電解質は、組成および粘度がフォトレジストと同等のゲルである。ゲル電解質の場合は、フォトレジスト塗布ツールを適合させて、厚さ約200nmの(またはさらに大幅に厚いか薄い)電解質ゲルを塗布し、それをベークして、プロセスの次のステップに移送することが可能である。
図21は、付着ツール1600の後に一般に用いられるであろう電解質プロセスツール2100を示している。代替として、電解質プロセスツール2100は、付着ツール1600と一体化するか、付着ツール1600と結合して、ツール間で基板を自動的に(たとえば、ロボット式移送メカニズムによって)移送できるようにすることが可能である。いくつかの実施形態では、電解質形成は、アクティブデバイス分子を覆うために、電解質の溶液またはゲルのコンフォーマル層を塗布することを伴う。電解質補給品2104は、不変の温度、濃度、および均質性でコータ2103から提供できるように、環境を制御された収納容器に保持される。電解質構成材として好適な材料の例として、酸化ポリエチレン、炭酸プロピレン、炭酸エチレンなどがある。個々の用途に応じて電解質の覆い具合ならびに最終的な厚みが適切になるように、電解質の粘性および流量特性に基づいて、コータ2103の回転速度および回転速度特性を調節する。電解質材料およびプロセス条件の詳細については、この後の図25および表2の説明を参照されたい。
移送メカニズム2102は、基板をコータ2103から熱プロセスモジュール2107に移す。熱プロセスモジュール2107は、たとえば、ホットプレート、対流加熱器、赤外線加熱器、マイクロ波加熱器、または他の好適な、基板を加熱および/または冷却するための制御された熱的メカニズムを含む。熱プロセスは、溶剤またはキャリア液を除去して、ゲル電解質の粘性を上げる。さらに熱プロセスは、用途に応じて、ゲル電解質を重合または部分的に重合させて、機械的安定性を上げることも可能である。熱プロセスの実施は、周囲空調ユニット2105によってもたらされる雰囲気、あるいは熱プロセスモジュール2107に直接供給される周囲プロセスガスによってもたらされる雰囲気の下で可能である。一般的な熱処理サイクルには、基板を65℃で約1分間ソークすることが含まれる。
任意で、計測ユニット2113を用いて、部分的プロセス済み基板を、電解質形成ツール2100の保護された環境に置いたまま、物理的、光学的、または電子的に特性評価することが可能である。計測ユニット2113で実施する検査は、図16を参照して説明した、計測ユニット1613で実施する検査と同様であることが可能である。計測ユニット2113によって容認不可と判定された生成物を再加工するために、一体型の再加工ユニット(図示せず)を含めることが可能である。
図22は、本発明の一実施形態による電解質プロセスツール制御システムを示すブロック図である。図22の態様のうち、図20にあるものと類似しているものについては、ここで繰り返しては説明しない。制御システム2200のメモリ2206は、以下のプログラム、モジュール、およびデータ構造体、あるいは、これらのサブセットまたはスーパセットを記憶する。
・オペレーティングシステム2216(前述と同様)。
・通信モジュール2218(前述と同様)。
・ロードポート2101および移送メカニズム2102の動作を管理する移送制御モジュール2220。
・コータ2103の動作を管理するコータ制御モジュール2230。
・ツール2100の各種モジュール内およびモジュール間のプロセス周囲を(たとえば、酸素センサ、水センサ、および温度センサで)監視し、(たとえば、周囲空調ユニット2105で)制御する周囲制御モジュール2240。
・熱プロセスモジュール2107の動作を管理する熱プロセス制御モジュール2250。
・1つまたは複数の計測ユニット2113においてプロセス済み基板の特性評価を管理する計測制御モジュール2260。
図20および22を参照すると、列挙したモジュールおよびアプリケーションのそれぞれは、列挙した機能を実行する命令のセットに対応する。これらのモジュール(すなわち、命令のセット)は、個別のソフトウェアプログラム、プロシージャ、またはモジュールとして実装しなければならないわけではなく、これらのモジュールの様々なサブセットを組み合わせたり、様々な実施形態において再編成したりすることが可能である。いくつかの実施形態では、メモリ2006または2206は、列挙したモジュールおよびデータ構造体のサブセットを記憶することが可能である。さらに、メモリ2006または2206は、列挙していない別のモジュールおよびデータ構造体を記憶することも可能である。
図20および22は、制御システム2000および2200を、いくつかのディスクリートアイテムとして示しているが、図20および22は、本明細書で示す実施形態の構造概略ではなく、制御システム2000および2200において存在しうる様々な特徴の機能説明であることを意図したものである。実際には、そして当業者であれば理解されるように、個別に示したアイテムを組み合わせたり、いくつかのアイテムを分離したりすることが可能である。たとえば、図20および22で個別の形で示したいくつかのアイテムを1つのコンピュータに実装することが可能であり、1つのアイテムを1つまたは複数のコンピュータに実装することも可能である。制御システム2000および2200の実装に用いるコンピュータの実際の数、およびそれらのコンピュータへの機能の割り当て方は、実装ごとに様々である。
図23は、本発明の一実施形態によるバッチプロセスツールの一部分の概略図である。
バッチプロセス技術は、複数の基板を同時にプロセスする技術であり、傾向として、コストの点でシングルウェハプロセスより有利である。たとえば、大きなタンクまたは吹き付け洗浄機で25〜100枚(またはそれ以上)の基板を一度に洗浄するように設計された製造ツールを、分子付着用の大きな反応容器として用いるように改造することが可能である。したがって、アクティブデバイス分子(たとえば、記憶分子)を含む溶液で一杯の大きなタンクを用意して、しかるべき温度で維持することが可能であり、多数のウェハを同時にプロセスすることが可能である。これらの自動ツールは、インラインのウェハ洗浄/乾燥ステーションが可能であるという利点がある。
図23では、オーバーヘッドトラック2301を含むロボット式移送メカニズムが、ウェハをインラインカセット(図示せず)から積み込み、分子および溶剤の溶液と接触して使用されるように設計された過フッ化炭化水素ポリマーキャリア2303(または他の不活性キャリア)に移送する。大きな製造ツールであれば100枚ものウェハを一度に積み込むことが可能だが、多くの用途では、25ウェハバッチのような、より小さい収容能力が望ましい。
ロボットアーム2305は、キャリア2303を移送し、温度を制御され、分子の溶液で満たされた不活性タンク2307の中に下ろす。いくつかの実施形態では、付着化学反応が完了するのに十分な、所定の長さの時間だけ、ボート2303およびウェハをタンクに浸けたままにする。いくつかの実施形態では、付着反応に高温が必要な場合に、ウェハを、分子を含む溶液に浸してからオーブン(図23には示さず)に移送することが可能である。化学的付着の後、ロボットアーム2305は、キャリア2303を持ち上げ、洗浄タンク2309に移送する。洗浄タンク2309は、表面に付着していない分子の除去を促進する溶剤または他の好適な試薬で満たされている。一般に、洗浄タンク2309は、泡立つ不活性ガスまたは超音波エネルギーで激しく動かすか、かき回すことが可能である。適切な時間が経過してから、ロボットアーム2305はボートを再度持ち上げ、最終洗浄タンク2311に移送する。最終洗浄タンク2311には、洗浄のための溶剤または他の好適な試薬が入っている。洗浄後、キャリア2303およびウェハを、制御された雰囲気(たとえば、窒素)の中で乾燥して汚染を除去することが可能である。
バッチプロセスには、潜在的な負の特徴がいくつかある。第1に、汚染に関しては、不要な化学薬剤や他の汚染物質がいずれかのタンクに誤って混入されると、積み込まれたウェハの全体が汚染されやすい。さらに、雰囲気を制御する環境封じ込めシステムをすべてのプロセスステーションおよび移送メカニズムの周囲に設けるべきであるが、これは、シングル基板システムの場合と比べて、構築コストが高く、維持が困難である。活性電荷部位の表面密度が予想される場合は、この汚染レベルは大きくならないであろう。さらに、貴重かつ高価な化学薬剤が、ウェハの裏側やボートまたはカセットに付着する可能性がある。これが起こりうるのは、たとえば、現行の製造ラインツールで使用されている材料(たとえば、石英)の製造工程(たとえば、酸化物、窒化物など)において、ウェハプロセスの結果としてウェハの裏側に残った特定の付着テザーが面上で化学的に活性である場合である。
完成した分子記憶デバイスの活性領域面(たとえば、作用電極面)に最終的に付着する分子は、実際には、溶液中の分子のうちのわずかな割合である。分子デバイス製造に現在用いられている最小のアクティブデバイス分子であっても、その飽和カバレージは、表面積1平方センチメートル当たり約1×1014個の分子を占めること、および溶液の飽和濃度が約50ミリモルであるという事実を考慮されたい。シングルウェハツールの場合、各基板に必要な分子溶液が5mlであると仮定すると、8インチのウェハに塗布される分子は約250mgである。さらに、1平方センチメートル当たり1×1014個の分子は、数ナノグラムの材料が実際に表面に付着することを意味する。したがって、後続の洗浄ステップでは、潜在的に有用な、大量のアクティブデバイス分子が洗い流される。
バッチツールの場合、潜在的な無駄は、より劇的である。溶液の溶解度が同じであると仮定すると、一般的な30リットルタンクには約20〜30グラムの分子が含まれる。キログラムどころかグラム量を使い切ろうとするだけでも、このタンクを通して何十万枚ものウェハをプロセスしなければならないであろう。この量の材料を使い切る前にタンク内の汚染によって溶液が無駄になる可能性のほうが高い。
したがって、シングル基板ツールであっても、バッチプロセスツールであっても、表面への分子付着の後に溶液を回収し、その後の基板ウェハのプロセスに使えるように溶液を再加工する方法を組み込むのは、価値のあることである。このリサイクルの取り組みの一環として、付着面に対する高品質かつ非競争的な化学反応を保証する化学的精製方法が既に開発されており、大規模生産に向けて必要な量への拡大がなされつつある。したがって、これらのツールに対する単純な収集戦略(たとえば、スピナシングルウェハツールからの、またはバルクプロセスツール内の使用済み溶液の貯蔵タンクからの廃水収集など)を用いることが可能である。収集した溶液は、製造所に送り返し、溶液を精製および再分解して、正確な溶液濃度にする。プロセス制御および再現性を考慮するために品質保証プログラム(純度、イオン強度など)を用いる。
プロセス方法
図24a〜24dは、本発明の一実施形態によるプロセスの各種段階における分子電子デバイスの一部分を示す図である。
いくつかの実施形態では、アクティブデバイス分子(たとえば、記憶分子)は、選択的化学吸着プロセスによって付着する。これは、通常は、デバイス基板または構造の表面特性を分子の付着特性と調和させるプロセスを意味する。これは、アクティブデバイス分子が所望の形で自然に付着しようとするように、基板および/またはデバイスの構造の表面特性を操作することによって達成される。選択的化学吸着を用いた場合は、分子を特定タイプの面(たとえば、金、シリコン、各種金属および酸化物)に選択的に付着させることが可能になり、マスキングおよびパターン形成の操作を不要にすることができる。さらに、選択的化学吸着プロセスは、アクティブデバイス分子が面上で強く集まること、および、分子が1つまたは複数の所望の挙動を呈するように、アクティブデバイス分子が面上で所望の形に並ぶことを促進することが可能である。場合によって、選択的化学吸着は、面上での分子の向きを均一にする。場合によって、選択的化学吸着は、自己組織化単分子膜の生成に用いることが可能である。本明細書で説明するように、最初の化学吸着ステップを実行した後に、ReAMのその場重合を行うことが可能である。
選択的化学吸着プロセスの重要な利点は、分子スケールのフィーチャおよび構成要素を有するデバイスの製造を、ずっと大きな寸法向けに設計されたツールおよび設備を用いて行うことが可能なことである。(たとえば、スピンコーティング、吹き付け、気相コーティング、および/または浸漬によって)バッチプロセスを用いて分子をウェハ全体に塗布することが可能であり、分子は、付着するように意図された表面にのみ付着する。付着しなかった分子は、他の「不活性」表面から洗い流されるだけである。このように、コーティング、エッチング、およびフォトパターン形成のための半導体ツールを用いて、分子デバイスより大きな構造を定義し、選択的化学吸着プロセスを用いて分子スケールのフィーチャを定義することが可能である。
図24aでは、フォトリソグラフィ、自己整合エッチングなどの、ミクロンまたはサブミクロンスケールの技術を用いて活性領域2401が定義されている。第1のデバイス構成材2403は、後続の化学吸着プロセスにおいてアクティブデバイス分子(たとえば、ポルフィリン)が付着する材料の一種を含む。第2のデバイス構成材2405は、アクティブデバイス分子が付着しない材料の一種を含む。
いくつかの実施形態では、活性領域2401は、酸化物の薄層を形成するために酸化された複数の付着部位を含む。この酸化物層は、材料2403の表面が酸素にさらされたときに形成された自然酸化物であってよい。酸素原子は、潜在的な付着部位に結合して、アクティブデバイス分子の付着を防ぐか、抑える。図24bに示すように、いくつかの実施形態では、活性領域2401を不動態化プロセスで処理して、酸素原子の一部または全部を水素原子に置き換える。不動態化は、酸素を水素で置き換えるのに十分な時間の間、ほどほどの温度で、基板を水素またはフォーミングガスの雰囲気の中でソークすることによって達成可能である。他の実施形態では、酸化物の薄層を維持し、その薄層に分子を付着させる。
注目すべきことに、典型的な表面が提供する潜在的付着部位の数は、活性領域2401内の表面にある分子の総数に対して比較的少ない。これは、活性領域が、アクティブデバイス分子より格段に多い不活性分子を含む可能性が高いことを意味する。したがって、アクティブデバイス分子の付着に用いるすべてのプロセスを、付着率が高く、汚染が少なくなるように最適化することが可能である。汚染には、付着を妨害する任意の化学種および/または分子電子デバイス内の挙動が有益でない任意の化学種が含まれる。
図24bの不動態化された表面を、熱、光、放射線、および/または他の利用可能な表面活性化手段にさらすことによって活性化することが可能である。図24cの「X」は、活性化された付着部位を表す。活性化は、半導体産業で用いられている高速熱処理技術を用いることが必要になる場合がある。活性化は、部位を、アクティブデバイス分子と容易に結合する状態のままにするよう働く。活性化は、超高純度アルゴン、窒素、真空などの不活性環境において実施可能である。アクティブデバイス分子に最初から十分な付着強度があるような場合には、活性化が不要である可能性がある。
図24cの活性化された表面または図24bの不動態化された表面は、アクティブデバイス分子を含む溶液でコーティングされる。特定の実施形態では、溶液は、スピンコーティング、吹き付けコーティング、気相コーティング、または同様のプロセスによって塗布される、アルコールとリンクしたポルフィリン分子を含む。活性領域を熱、電磁エネルギー、放射線、または他の化学線エネルギーにさらすと、アクティブデバイス分子の付着を促進することが可能である。
活性化された表面の不活性化を抑える場合は、化学付着プロセスの前、途中、後にわたってプロセス環境の雰囲気を慎重に制御しなければならない。従来のフォトレジストまたはHMDS(ヘキサメチルジシラザン)スピンコーティングツールは、アクティブデバイス分子溶液の塗布に用いることが可能であるが、このツールを改良すると、付着部位に結合する化学種がほとんどない低湿度環境に、製造中の加工品を閉じ込めることが可能である。これらの化学種には、水素、酸素、ほとんどの金属原子、および水が含まれるが、フィルタリングされなければならない特定の化学種は、用途ごとに異なり、使用される特定のアクティブデバイス分子および材料に基づいて予測可能である。
図25は、本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイの作成方法を示すフローチャートである。この方法を用いると、たとえば、図2に示した分子記憶デバイスを作成できる。
従来のBEOL半導体プロセス方法では、一部プロセス済み半導体ウェハ(たとえば、既に基板上にトランジスタが形成され、1つまたは複数のレベルの相互配線が作成されているウェハ)上に、作用電極(たとえば、301)と(いくつかの実施形態では)補助対向電極(たとえば、303)とのアレイを形成する(2502)。作用電極および/または補助対向電極の例示的な材料としては、タングステン、チタン、タンタル、アルミニウム、ドープされた多結晶シリコンまたはナノ結晶シリコン、銅、以上の元素の酸化物、窒化チタン、窒化タンタル、窒化タングステン、およびチタンタングステンなどがあり、これらに限定されない。さらに、絶縁体(たとえば、319)、および作用電極(たとえば、311、313、および315)と(いくつかの実施形態では)補助対向電極(たとえば、317)とに電気的に接続する導体も、BEOL半導体プロセス方法を用いて作成できるが、この方法はよく知られているので、詳細な説明は不要である。
いくつかの実施形態では、化学機械研磨(CMP)を用いて、滑らかな作用電極面および補助対向電極面(たとえば、図3a)のアレイを作成する。いくつかの実施形態では、作用電極301および補助対向電極303を含む表面に導電材料の層(たとえば、321)を堆積させ、パターン形成し、エッチングすることによって、これらの電極が互いに近接する新しい面を作成する(たとえば、図3b)。
いくつかの実施形態では、アクティブデバイス分子(たとえば、記憶分子)を堆積させる電極面を作成する(2504)。いくつかの実施形態では、露出した電極面を有する一部プロセス済みウェハを、非常に薄い(0.1%の)HF溶液で30秒間洗浄し、引き続いて、アセトン、水、およびイソプロピルアルコールの洗浄液に浸す。いくつかの実施形態では、電極にわずかなスパッタエッチングを施すことが可能である。いくつかの実施形態では、タングステン電極の場合に、酸素プラズマを用いて、酸化タングステンの薄層(〜2nm厚)を電極面上で成長させる。
ウェハ上にアクティブデバイス分子を物理的に堆積させる(2506)。この堆積を実施するには、様々な方法がある。
いくつかの実施形態では、(たとえば、コータ1603、または制御されたプロセス雰囲気の中に閉じ込められたスタンドアロンコータを用いて)ウェハに吹き付けられる液体キャリア溶剤に分子が含まれる。このウェハを加熱して液体を蒸発させ、分子をウェハ表面に残す。例示的な溶剤としては、キシレン、シクロヘキサノン、ジグライム、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどがあり、これらに限定されない。加熱は、一般に、使用する溶剤に応じて、60〜120℃の範囲で行う。例示的なプロセス雰囲気としては、真空またはアルゴンや窒素などの不活性ガスがある。いくつかの実施形態では、センサを用いて、プロセス雰囲気内の水および酸素を監視する。例示的なスタンドアロンコータとしては、水センサおよび酸素センサを含む気密筐体に収容される改良型Brewer Science Cee 100スピンコータ(www.brewerscience.com/cee/products/cee100.html)がある。堆積中の、周囲水濃度は一般に1ppm未満であり、周囲酸素濃度は一般に1ppm未満である。
いくつかの実施形態では、分子は、(たとえば、コータ1603、または制御されたプロセス雰囲気の中に閉じ込められたスタンドアロンコータを用いて)アトマイザでウェハに吹き付けられる低沸点溶剤(たとえば、キシレン、シクロヘキサノン、ジグライム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど)に含まれる。アトマイザを用いると、堆積中の溶剤の蒸発が促進されて、その後の、溶剤を除去するための加熱がほとんどまたは完全に不要になる。例示的なアトマイザとしては、Spraying Systems Co.No.1/8JJAU Air Atomizing Nozzle(たとえば、http://service.spray.com/Literature_PDFs/b553humidification.pdfを参照)がある。エアロゾルの製造にはアルゴンまたは窒素が一般に使用される。エアロゾル堆積中のプロセス雰囲気の制御は、吹き付け堆積について前述したものと同じである。
いくつかの実施形態では、インクジェット印刷技術を用いて、分子をウェハ上に堆積させることが可能である。アトマイザと同様に、分子含有溶液の高圧インクジェットを用いると、堆積中の溶剤の蒸発が促進されて、その後の、溶剤を除去するための加熱がほとんどまたは完全に不要になる。インクジェット技術の1つの利点は、インクジェットヘッドがウェハ表面の上を通過する際に、インクジェットヘッドの判断プログラムによって、ウェハ表面全体ではなくチップの活性領域の上にのみ分子溶液を塗布することで、分子溶液を節約できることである。
いくつかの実施形態では、昇華を用いて、溶剤を用いることなく分子をウェハ上に堆積させることが可能である。たとえば、分子が昇華してウェハ表面付近に堆積するまで、ポルフィリン結晶を不活性雰囲気内で(一般に450℃まで)加熱することが可能である。
アクティブデバイス分子(たとえば、305)を、電極面(たとえば、301および303)に化学的に付着させる(2508)。
いくつかの実施形態では、熱プロセスユニット1700を、単独で、または一体型分子付着プロセスツール1600の一部として用いて、分子を化学的に付着させる。付着プロセスは、制御された環境で(一般に、酸素および水を可能な限り少なくして)実施する。いくつかの実施形態では、酸素および水を除去するために、不活性雰囲気(たとえば、ArまたはN)内でゆるく(たとえば、150℃未満に)加熱してオキシダントを除去してから、温度を上げて実際の付着反応を起こさせる。ゆるい加熱の間に、周囲水濃度は一般に3ppm未満まで下がり、周囲酸素濃度は一般に10ppm未満まで下がる。高温に加熱している間の、周囲水濃度は一般に200ppm未満であり、周囲酸素濃度は一般に80ppm未満である。高温に加熱した後の冷却期間では、周囲水濃度は一般に50ppm未満であり、周囲酸素濃度は一般に40ppm未満である。
分子を(たとえば、化学吸着された化学種の層として)電極面に化学的に付着させるのに必要な温度および時間は、分子、付着リンカ、および表面自体によって異なる。表1は、一連の表面および分子についての例示的な化学的付着プロセス条件を示したものである。
Figure 2009081444
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ただし、分子AはZn(II)−5,10,15−トリメシチル−20−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル)]ポルフィリン、分子BはZn(II)−5,10,15−トリパラトリル−20−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]ポルフィリン、分子CはCu(II)−5,10,15−トリパラトリル−20−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]ポルフィリンである。
反応しなかった分子(たとえば、絶縁体319上の分子)を、ウェハを洗浄および乾燥することによって除去する(2510)。いくつかの実施形態では、(たとえば、洗浄液1609または制御されたプロセス雰囲気内に閉じ込められたスタンドアロン洗浄を用いて)洗浄液をウェハに吹き付ける。洗浄液に用いる例示的な溶剤として、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどがあり、これらに限定されない。洗浄は、5〜10回の洗浄の場合は、各回を10〜60秒ずつ行うのが一般的である。洗浄は、不活性雰囲気(たとえば、ArまたはN)内で行うのが好ましい。例示的なスタンドアロン洗浄としては、水センサおよび酸素センサを含む気密筐体に収容される改良型Brewer Science Cee 100スピンコータがある。洗浄後、ウェハを、乾燥のために熱プロセスユニット1700に戻すことが可能である。乾燥は、60℃で30秒間行うのが一般的である。
いくつかの実施形態では、電解質(たとえば、307)の堆積のために、電極面上の分子(たとえば、305)および他の露出面(たとえば、絶縁体319の表面)の準備を行う(2512)。いくつかの実施形態では、粘着促進剤(たとえば、Silicon Resources,Inc(www.siliconresources.com)製のAP200、AP225、AP221、AP001、またはAP 310)を塗布することが、この準備に含まれる。いくつかの実施形態では、ウェハを洗浄して、表面に蓄積している可能性のある揮発性有機化合物を除去する。この洗浄が必要になる可能性があるのは、分子305の付着と電解質307の堆積との間に大きな時間差がある場合である。
ウェハ上に電解質(たとえば、307)を堆積させる(2514)。この堆積を実施するには、様々な方法がある。
電解質は、一体型電解質プロセスツール2100内のコータ2103を用いて、または制御されたプロセス雰囲気内で(たとえば、1ppm未満の水と1ppm未満の酸素がある状態で)スタンドアロンコータを用いて塗布することが可能である。様々なタイプのコータを用いることが可能であり、たとえば、スピンコータ、吹き付けコータ、アトマイズコータ、ディップコータ、インクジェットコータ、ドクターブレードコータ、カーテンコータ、スパッタコータ、化学気相成長コータ、物理気相成長コータなどを用いることが可能であって、これらに限定されない。例示的なスタンドアロンコータとしては、水センサおよび酸素センサを含む気密筐体に収容される改良型Brewer Science Cee 100スピンコータがある。
いくつかの実施形態では、電解質は、ポリマーマトリックスおよびイオン液体を含む。いくつかの実施形態では、ポリマーマトリックスおよびイオン液体を溶剤に入れ、(一般に5%未満の電解質を含む)この組合せ溶液をウェハ上に堆積させる。
堆積後、(たとえば、1ppm未満の水と1ppm未満の酸素がある状態の)制御された環境において(たとえば、熱プロセスユニット2107内またはスタンドアロンユニット1700内で)ウェハを加熱して溶剤を除去する。ホットプレート、オーブン、(たとえば、コータ内の)赤外線熱ランプ、電子レンジなどを含み、これらに限定されない、様々な熱源を用いることが可能である。表2は、例示的な電解質およびプロセス条件を示したものである。
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いくつかの実施形態では、対向電極(たとえば、309)の堆積のために電解質(たとえば、307)を準備する(2516)。いくつかの実施形態では、粘着促進剤(たとえば、Silicon Resources,Inc(www.siliconresources.com)製のAP200、AP225、AP221、AP001、またはAP 310)を塗布することが、この準備に含まれる。いくつかの実施形態では、ウェハを洗浄して、表面に蓄積している可能性のある揮発性有機化合物を除去する。いくつかの実施形態では、電解質にスパッタクリーンを与える。電解質表面の準備が必要になる可能性があるのは、電解質の堆積と対向電極の堆積との間に大きな時間差がある場合である。
ウェハ上に対向電極(たとえば、309)を堆積させる(2518)。対向電極として用いることが可能な材料としては、銀、銅、チタン、タンタル、アルミニウム、タングステン、窒化チタン、チタンタングステン、窒化タンタル、および導電性酸化物(インジウムスズ酸化物など)があり、これらに限定されない。
対向電極を堆積させるためには様々な技術を用いることが可能であり、たとえば、物理気相成長(スパッタリング)、化学気相成長、プラズマ化学気相成長、熱または電子ビーム蒸着などの技術を用いることが可能であって、これらに限定されない。しかしながら、どの堆積技術を用いる場合でも、ウェハに当たる放射線および他のエネルギー(特に紫外線)の量を減らさなければならない。そのような放射線は、記憶分子によって強力に吸収される可能性があり、それによって、望ましくない反応および/または分子の分解が誘導される可能性がある。スパッタリングやプラズマCVDなどの堆積技術は、プラズマを支援するために用いるキャリアガス分子の励起波長の放射線を発生させる。これらの波長は、用いるガスに固有であり、各ガス(たとえば、Ar、Kr、Xe、およびHe)は、それぞれまったく異なるスペクトルを有する。これらの堆積技術では、一般に、キャリアガスとしてArを用いる。Arは、イオン化されると、分子を損壊させうる波長の紫外線を放射する。この損壊させうる放射線を低減または阻止する1つの方法は、他の、分子によって余り強力に吸収されない波長の放射線を放射するガス(キセノンなど)を使用することである。堆積中にウェハ上に蓄積される潜在的に有害なエネルギーの量は、スパッタリングターゲットがプラズマによってクリーニングされているときにウェハをシャッターで保護すること、堆積速度を下げること、およびウェハを冷却することによっても低減可能である。
従来の、よく知られたBEOL半導体プロセス方法では、対向電極に接触して(2520)、分子記憶デバイス(および他の構成材)を封入するか、その他の方法で分子メモリの製造を完結させる。
図26は、本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示すフローチャートであり、図27a〜27iは、その方法を示す概略断面図である。プロセスの各ステップのうち、既に説明したものについては、ここでは詳述を繰り返さない。
不動態化層および平坦化層(たとえば、2702)を通って延びて、アクセストランジスタ(803)または他のアクティブデバイスと電気的に接触する導電バイアおよび/またはプラグ2701の上に、作用電極2703を形成する(2602)。いくつかの実施形態では、従来のBEOLプロセスによって既に作成されている(図27a)プラグ2701および2700ならびに絶縁層2702の上に導電フィルムを堆積させ、パターン形成し、エッチングすることによって作用電極2703を形成する。補助対向電極2707(図27aに示さず)をバイアスするための電気的接触を行うために、導電フィルムの一部2704を用いることも可能である。
絶縁層2705(たとえば、SiO)を堆積させ、作用電極2703の上面に合わせて(たとえば、化学機械研磨によって)平坦化する(図27b)。
絶縁層2706(たとえば、SiO)を堆積させる(図27c)。補助対向電極を下層の相互接続層(たとえば、2704)と接触させるコンタクトホールを、絶縁層2706においてパターン形成し、エッチングする。
補助対向電極2707を形成する(2604)。一部の実施形態では、補助対向電極を作成する方法として、絶縁層2706の上に導電フィルムを堆積させ、導電フィルム2707および絶縁体2706の両方を通るホールをパターン形成し、エッチングすることによって、作用電極2703の表面を露出させる(図27d)。補助対向電極は、絶縁体2706内のホールを通して相互接続層2704と電気的に接触する。
絶縁層(たとえば、SiO2)2708を堆積させ、パターン形成し、エッチングすることにより、電解質2710を保持する井戸を作成する(図27e)。
酸化還元活性分子2709を作用電極2703および補助対向電極2707に堆積させ、化学的に付着させる(2606)ことによって、分子2709を電極と電気的に結合させる(図27f)。いくつかの実施形態では、選択的化学吸着プロセスを用いて、分子2709を作用電極2703および補助対向電極2707に付着させる。いくつかの実施形態では、分子2709は、作用電極2703および補助対向電極2707の上に、化学吸着された化学種の1つまたは複数の層を形成する。いくつかの実施形態では、分子2709は、作用電極2703および補助対向電極2707の上にSAMを形成する。いくつかの実施形態では、作用電極2703と電気的に結合している分子2709は、補助対向電極2707と電気的に結合している分子2709と同じである。いくつかの実施形態では、作用電極2703と電気的に結合している分子2709は、補助対向電極2707と電気的に結合している分子2709と異なる。
たとえばイオン導体を含む層を堆積させ、平坦化することによって、電解質2710を形成する(2608)(図27g)。
たとえば電解質2710の上面に導電層を堆積させ、パターン形成し、エッチングすることによって、対向電極2711を形成する(2610)(図27h)。
ポリマーまたは絶縁体の層2712を堆積させて、分子記憶デバイスを密封する。必要に応じて(たとえば、対向電極2711と電気的に接触するために)、この密封層をパターン形成およびエッチングして、分子記憶デバイスと接触することが可能である。
分子
本発明での使用に好適な、酸化還元活性部分または酸化還元活性分子をベースとする記憶分子には様々な種類がある。本明細書での「酸化還元活性部分」または「酸化還元活性分子」または「ReAM」は、適切な電圧を印加することによって酸化または還元することが可能な部分を意味する。
いくつかの実施形態では、酸化還元活性部分は、少なくとも2つ以上の区別可能な非中性酸化状態を有し、特に分子1個に複数のビットを記憶させる場合には、少なくとも3、4、5、6、7、8、またはそれ以上の数の酸化状態が有用である。いくつかの実施形態では、特に、各記憶場所において、複数の異なるReAMの混合物を用いる場合に、個々のReAMは非中性酸化状態を1つだけ有することが可能であるが、各場所に複数の異なる部分が集まっている場合は、複数の酸化状態が与えられて記憶密度が上がる。さらに、ReAMポリマーの場合は、少ない酸化状態を有する複数の異なるモノマーのヘテロポリマーを用いることによっても、複数の酸化状態を作り出すことが可能である。
代替として、いくつかの実施形態では、電荷密度の高い記憶デバイスが、同じ電圧で複数の電荷(たとえば、電子)を読み出すことができるので有用である。たとえば、特定の電圧で記憶分子を酸化した場合に、1個ではなく2〜3個の電子を失うことが可能である。したがって、酸化状態の数を少なくする代わりに、各状態で多くの電子を放出させて表面の電荷密度を上げるようにReAMを設計することが可能である。
後述するように、一般に、大環状部分および非大環状部分を含む多座プロ配位子をベースとする、本発明において有用なReAMには様々なタイプがある。多数の好適なプロ配位子および錯体、ならびに好適な置換基が、米国特許第6212093号、第6728129号、第6451942号、第6777516号、第6381169号、第6208553号、第6657884号、第6272038号、第6484394号、および米国特許出願第10/040059号、第10/682868号、第10/445977号、第10/834630号、第10/135220号、第10/723315号、第10/456321号、第10/376865号において概説されており、特にそれらの中で述べられているプロ配位子および錯体、ならびに置換基の構造および説明に関して、これらの特許文献はすべて明示的に参照によって組み込まれている。
好適なプロ配位子は2つのカテゴリに分けられる。(金属イオンに応じて)窒素、酸素、硫黄、炭素、またはリンの原子を配位原子として用いる(一般に、文字どおりσドナーと呼ばれる)配位子と、メタロセン配位子などの(一般に、文字どおりπドナーと呼ばれ、本明細書ではLmと記す)有機金属配位子とである。
さらに、単一のReAMは、2つ以上の酸化還元活性サブユニットを有することが可能である。たとえば、図29aに示すように、2つの酸化還元活性サブユニットがある。これらは、(金属が欠けた状態で図29に示されている)ポルフィリンと、フェロセンとであり(後述し、図29bに示すように、これらはいずれも任意で、どの位置でも、独立に選択された置換基で置き換えることが可能)、これらは通常は(ただし、任意で)リンカLを介して接合される。同様に、サンドイッチ配位化合物は1つのReAMと見なされる。これは、これらのReAMがモノマーとして重合される場合と区別しなければならない。たとえば、図29cでは、図29bのものが重合されており、hは2以上の整数である。さらに、本発明の金属イオン/錯体は、対イオンとの対応付けが可能であるが、本明細書では一般的に説明していない。
大環状配位子
一実施形態では、ReAMは、大環状プロ配位子および大環状錯体の両方を含む大環状配位子である。「大環状プロ配位子」は、本明細書では、金属イオンとの結合が可能であるように配向されたドナー原子(本明細書では「配位原子と呼ぶこともある)を含み、金属原子を取り囲むほどの十分な大きさである環状化合物を意味する。一般に、ドナー原子は、窒素、酸素、および硫黄を含み、これらに限定されないが、先に挙げたものが好ましいヘテロ原子である。ただし、当業者であれば理解されるように、金属イオンが異なれば、それと優先的に結合するヘテロ原子も異なるので、使用するヘテロ原子は、所望の金属イオンによって変えることが可能である。さらに、いくつかの実施形態では、1つの大員環が様々な種類のヘテロ原子を含むことが可能である。
「大環状錯体」は、少なくとも1つの金属イオンを有する大環状プロ配位子である。いくつかの実施形態では、大環状錯体は1つの金属イオンを含むが、後述するように、多核大環状錯体を含む多核錯体も考えられる。
本明細書では様々な大環状配位子を用いることが可能であり、これらは、電子的に共役であってもなくてもよい。しかしながら、本発明の大環状配位子は、少なくとも1つの酸化状態を有することが好ましく、2つ以上の酸化状態を有することが好ましく、4、6、または8つの酸化状態を有することが特に好ましい。
好適な大環状配位子の概略を図31に示す。この実施形態では、大まかにポルフィリンをベースとして、16員環(−X−部分が1つの原子(炭素原子またはヘテロ原子)を含む場合)、17員環(1つの−X−部分が2つの骨格原子を含む場合)、18員環(2つの−X−部分が2つの骨格原子を含む場合)、19員環(3つの−X−部分が2つの骨格原子を含む場合)、または20員環(4つの−X−部分すべてが2つの骨格原子を含む場合)のすべてが考えられる。各−X−基は独立に選択される。・・・・Q・・・・部分は、一重結合または二重結合で炭素およびヘテロ原子と独立に接続される、5または6員環の骨格−C−ヘテロ原子−Cとともに、任意で、1または2個(5員環の場合)、あるいは、1、2、または3個(6員環の場合)の、独立に選択されたR2基に置き換えられる。いくつかの実施形態では、化合物が電子的に共役になり、最低でも少なくとも2つの酸化状態を有するように、環、結合、および置換基を選択する。
いくつかの実施形態では、大環状配位子は、ポルフィリン(特に、後で定義するポルフィリン誘導体)、およびシクレン誘導体からなる群から選択される。
ポルフィリン
本発明に好適な大員環の、特に好ましいサブセットがポルフィリンである(ポルフィリン誘導体を含む)。そのような誘導体として、エクストラ環がポルフィリン核にオルト縮合またはオルトペリ縮合しているポルフィリン、ポルフィリン環の1つまたは複数の炭素原子を別の元素の原子で置き換えた(骨格置換)ポルフィリン、ポルフィリン環の窒素原子を別の元素の原子で置き換えた(窒素の骨格置換誘導体、ポルフィリンの周辺(メサ−、(3−またはコア原子の場所に水素以外の置換基を有する誘導体、ポルフィリン(ヒドロポルフィリン、たとえば、塩素、バクテリオクロリン、イソバクテリオクロリン、デカヒドロポルフィリン、コーフィン、ピロコーフィンなど)の1つまたは複数の結合が飽和している誘導体、ポルフィリン環に挿入された、ピロールユニットおよびピロメチニルユニットを含む1つまたは複数の原子を有する誘導体(拡張ポルフィリン)、ポルフィリン環から除去された1つまたは複数の基を有する誘導体(縮小ポルフィリン、たとえば、コリン、コロール)上述の誘導体の組合せ(たとえば、フタロシアニン、サブフタロシアニン、およびポルフィリンイソマー)などがある。好適なポルフィリン誘導体としては、さらに、クロロフィル群(エチオフィリン、ピロポルフィリン、ロドポルフィリン、フィロポルフィリン、フィロエリスリン、クロロフィルaおよびbを含む)、ならびにヘモグロビン群(ジュウテロポルフィリン、ジュウテロヘミン、ヘミン、ヘマチン、プロトポルフィリン、メソヘミン、ヘマトポルフィリン、メソポルフィリン、コプロポルフィリン、ウルポルフィリンおよびテュラチン、ならびに一連のテトラアリラザディピロメチンを含む)などがあり、これらに限定されない。
本明細書で概説した化合物にあてはまることであり、当業者であれば理解されることであるが、炭素であれ、ヘテロ原子であれ、各不飽和部分は、本明細書で定義した1つまたは複数の置換基を、システムの所望の原子価に応じて含むことが可能である。
好ましい一実施形態では、酸化還元活性分子は、図28aに示すように、メタロセンであることが可能である。ただし、Lはリンカ、Mは金属(たとえば、Fe、Ru、Os、Co、Ni、Ti、Nb、Mn、Re、V、Cr、W)、SおよびSは、アリール基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、ピリジル基、シアン基、チオシアナト基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシル基、サルフォキシル基、サルフォニル基、イミド基、アミド基、カルバミル基からなる群から独立に選択される置換基である。
好ましい実施形態では、置換されたアリール基がポルフィリンに付着し、アリール基の置換基は、アリール基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、ピリジル基、シアン基、チオシアナト基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシル基、サルフォキシル基、サルフォニル基、イミド基、アミド基、カルバミル基からなる群から選択される。
特に好ましい置換基としては、4−クロロフェニル、3−アセトアミドフェニル、2,4−ジクロロ−4−トリフルオロメチル、ならびに、その全体(および特に置換基および化合物についての記載)が本明細書に組み込まれている米国特許第6208553号、第6381169号、第6657884号、第6324091号、第6272038号、第6212093号、第6451942号、第6777516号、第6642376号、第6728129号、第6855417号に記載されている置換基があり、これらに限定されない。好ましい置換基は、酸化還元電位の範囲が約2ボルト未満である。Xは、基板、基板と共有結合できる反応部位(たとえば、アルコール、チオールなど)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、L−Xはアルコールまたはチオールであってもよいことを理解されたい。L−Xは、4−ヒドロキシフェニル、4−(2−(4−ヒドロキシフェニル)エチニル)フェニル、4−(ヒドロキシメチル)フェニル、4−メルカプトフェニル、4−(2−(4−メルカプトフェニル)エチニル)フェニル、4−(メルカプトメチル)フェニル、4−ヒドロセレノフェニル、4−(2−(4−ヒドロセレノフェニル)エチニル)フェニル、4−(ヒドロセレニルメチル)フェニル、4−ヒドロテルロフェニル、4−(2−(4−ヒドロテルロフェニル)エチニル)フェニル、または4−(ヒドロテルロメチル)フェニルであることが好ましい。
図28aの式の分子の酸化状態は、金属および置換基によって決まる。そこで、特に好ましい実施形態を、図28b〜28gに示す。
これらの図の式に示したフェロセンは、異なっていて区別可能な酸化状態を有する1ビット分子の便利な系列を与える。すなわち、これらの式の分子は、それぞれ、+0.55V、+0.48V、+0.39V、+0.17V、−0.05V、−0.18Vの酸化状態を有し、本発明の記憶媒体への組込みに便利な分子系列を与える。金属(M)または置換基を変更することによって、この系列の要素の酸化電位をごく普通に変えることができることを理解されたい。
別の好ましい酸化還元活性分子は、図28hの式で示されるポルフィリンである。ただし、Fは酸化還元活性サブユニット(たとえば、フェロセン、置換フェロセン、メタロポルフィリン、メタロクロリンなど)であり、J1はリンカであり、Mは金属(たとえば、Zn、Mg、Cd、Hg、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Mn、B、Al、Ga、Pb、およびSn)であり、S1およびS2は、アリール基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリール基、ピリジル基、シアン基、チオシアナト基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシル基、サルフォキシル基、サルフォニル基、イミド基、アミド基、カルバミル基からなる群から独立に選択され、前記置換基は酸化還元電位の範囲が約2ボルト未満であり、K1、K2、K3、およびK4は、N、O、S、Se、Teからなる群から独立に選択され、Lはリンカであり、Xは、基板、基板と共有結合できる反応部位、および基板とイオン結合できる反応部位からなる群から選択される。好ましい実施形態では、XまたはL−Xは、アルコールまたはチオールであってもよい。いくつかの実施形態では、L−Xを除去して、S1またはS2と同じ群から独立に選択される置換基で置き換えることが可能である。
本発明のメモリデバイスに用いられる酸化還元活性分子の酸化還元活性ユニットのホール蓄積特性およびホールホッピング特性を制御することにより、メモリデバイスのアーキテクチャを精密に制御することが可能である。
そのような制御は、合成デザインを通して実施される。ホール蓄積特性は、記憶媒体の組み立てに用いられる酸化還元活性ユニットまたはサブユニットの酸化電位に依存する。ホール蓄積特性および酸化還元電位は、ベース分子、関連金属、および周辺置換基の選択によって精密に調整することが可能である(J.Porphyrins Phthalocyanines、3:117−147(Yangら、1999年))。この開示は、参照によって本明細書に組み込まれている。
たとえば、ポルフィリンに関して言えば、MgポルフィリンはZnポルフィリンより酸化しやすく、アリール基を引き出す電子、またはアリール基を放出する電子が酸化特性を変調することが可能である。ホールホッピングは、ナノ構造内の等エネルギーのポルフィリン同士の間で起こり、それらのポルフィリンを結合する共有結合リンカを介して調整される(J.Am.Chem.Soc.,116:10578〜10592(Sethら、1994年)、J.Am.Chem.Soc.,118:11194〜11207(Sethら、1996年)、J.Am.Chem.Soc.,119:11191〜11201(Strachanら、1997年)、J.Mater.Chem.,7:1245〜1262(Liら、1997年)、Inorg.Chem.,37:1191〜1201(Strachanら、1998年)、J.Am.Chem.Soc.,121:4008〜4018(Yangら、1999年))。これらの開示は、その全体が、参照によって本明細書に具体的に組み込まれている。
酸化還元電位が予測される化合物の設計については、当業者によく知られている。一般に、酸化還元活性ユニットまたはサブユニットの酸化電位は、当業者にはよく知られており、検索が可能である(たとえば、「Handbook of Electrochemistry of the Elements; Porphyrin Handbook」を参照されたい)。さらに、一般に、分子の酸化還元電位に対する各種置換基の効果は、概して付加的である。したがって、どのような潜在的データ記憶分子についても、理論的な酸化電位を予測することが容易に可能である。実際の酸化電位、特に情報記憶分子または情報記憶媒体の酸化電位は、標準的な方法に従って容易に測定可能である。一般に、酸化電位の予測は、ベース分子と、ある置換基を保持するベース分子との、実験的に決定される酸化電位を比較して、その特定の置換基に起因する電位シフトを決定することによって行われる。各置換基のそのような置換基依存の電位シフトを合計することにより、予測酸化電位が得られる。
特定の酸化還元活性分子が本発明の方法での使用に好適かどうかは、容易に決定できる。本発明の方法によれば、対象の分子は、表面(たとえば、水素によって不動態化された表面)に結合される。そこで、(たとえば、本明細書、または米国特許第6272038号、第6212093号、第6208553号、国際公開第01/03126号、またはVac.Sci.Technol.B 18:2359〜2364(Rothら、2000)、J.Am.Chem.Soc.125:505〜617(Rothら、2003)に示されるように)正弦波ボルタンメトリーを実施して、1)分子が表面と結合しているかどうか、2)実施範囲(結合)の程度、3)結合手順の間に分子が劣化していないかどうか、4)複数の読出し/書込み動作に対する分子の安定性を評価することが可能である。
さらに、「ポルフィリン」の定義にはポルフィリン錯体が含まれており、ポルフィリン錯体は、ポルフィリンプロ配位子および少なくとも1つの金属イオンを含む。ポルフィリン化合物に好適な金属は、配位原子として用いるヘテロ原子によって異なるが、一般には遷移金属イオンから選択される。本明細書で用いる「遷移金属」という用語は、通常、周期表の3〜12族の38個の元素を意味する。一般に、遷移金属は、その価電子(他の元素と結合するために用いる電子)が複数の殻に存在し、その結果として、様々な共通酸化状態をしばしば呈する事実によって特徴づけられる。特定の実施形態では、本発明の遷移金属として、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、および/またはラザフォージウムのうちの1つまたは複数があり、これらに限定されない。
その他の大員環
シクレン誘導体をベースとする大員環もいくつかある。図33は、シクレン/チクロ誘導体を大まかにベースとする、いくつかの大環状プロ配位子を示している。これらは、独立に選択される炭素またはヘテロ原子を含むことによって骨格拡大を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR基が酸化還元活性サブユニットであり、好ましくは金属と電子的に共役している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR基が酸化還元活性サブユニットである場合を含み、2つ以上の隣接R2基がチクロ基またはアリール基を形成する。
さらに、いくつかの実施形態では、大環状錯体に依存する有機金属配位子を用いる。酸化還元部分として用いる純粋有機化合物、および複素環式置換基または環外置換基としてドナー原子とσ結合している有機配位子を有する様々な遷移金属配位錯体に加えて、π結合している有機配位子を有する様々な遷移金属有機金属化合物が利用可能である(参照によって明示的に本明細書に組み込まれている「Advanced Inorganic Chemistry,5th Ed.」(Cotton & Wilkinson,John Wiley&Sons(1988年)、第26章)、「Organometallics,A Concise Introduction,Elschenbroich et al.,2nd Ed」(1992年)(VCH)、および「Comprehensive Organometallic Chemistry II,A Review of the Literature 1982−1994」(Abelら編、Vol.7、第7、8、10、および11章、Pergamon Press)を参照されたい)。そのような有機金属配位子としては、シクロペンタジエニドイオン[C5H5(−1)]などの環式芳香族化合物や、ビス(シクロペンタジエル)金属化合物群(すなわち、メタロセン)をもたらす、各種の環置換誘導体および環縮合誘導体(インデニライド(−1)イオンなど)がある。たとえば、参照によって組み込まれているJ.Am.Chem.Soc.104:1882〜1893(Robinsら、1982年)、およびJ.Am.Chem.Soc.108:4228〜4229(Gassmanら、1986)を参照されたい。もちろん、フェロセン[(C5H5)2Fe]およびその誘導体は、様々な化学的(参照によって組み込まれているChem.Rev.96:877〜910(Connellyら、1996年))および電気化学的(参照によって組み込まれている「Advances in Organometallic Chemistry 23:1〜93(Geigerら)、および「Advances in Organometallic Chemistry 24:87」(Geigerら)電子移動(または「酸化還元」)反応において用いられてきた原型的な例である。第1、第2、および第3行の様々な遷移金属のメタロセン誘導体が、酸化還元部分(および酸化還元サブユニット)として有用である。他の潜在的に好適な有機金属配位子として、ビス(アレーン)金属化合物とその環置換誘導体および環縮合誘導体とをもたらす環式アレーン(ベンゼンなど)があり、そのビス(ベンゼン)クロムは原型的な例である。他の非環式π結合配位子(アリル(−1)イオンなど)またはブタジエンは、潜在的に好適な有機金属化合物をもたらし、そのような配位子はすべて、他のπ結合配位子またはσ結合配位子との組合せで、金属と炭素との結合を有する有機金属化合物の一般分類を構成する。架橋有機配位子を有するそのような化合物、および追加で非架橋配位子を有するそのような化合物、ならびに金属−金属の結合を有するか有さないそのような化合物の各種ダイマーおよびオリゴマーを電気化学的に検討することはすべて有用である。
1つまたは複数の共役配位子が有機金属配位子の場合、その配位子は、有機金属配位子の炭素原子の1つを介して付着するのが一般的であるが、複素環配位子の場合は他の原子を介する付着も可能である。好ましい有機金属配位子は、置換誘導体およびメタロセンオーファンを含むメタロセン配位子を含む(前掲のCotton、Wilkensonらの文献の1174ページを参照されたい)。たとえば、メタロセンの安定性を高めるために、メチルシクロペンタジエニルのような、メタロセン配位子の誘導体(ペンタメチルシクロペンタジエニルのように複数のメチル基を有することが好ましい)を用いることが可能である。いくつかの実施形態では、本明細書で概説するように、メタロセンを、1つまたは複数の置換基とともに誘導体化する。これは特に、サブユニットまたは部分の酸化還元電位を変えるためである。
本明細書で示すように、配位子の任意の組合せを用いることが可能である。好ましい組合せとしては、a)すべての配位子が窒素供与配位子である組合せ、b)すべての配位子が有機金属配位子である組合せがある。
サンドイッチ配位錯体
一部の実施形態では、ReAMはサンドイッチ配位錯体である。「サンドイッチ配位化合物」または「サンドイッチ配位錯体」という単語は、式L−Mn−Lの化合物を意味する。ただし、各Lは複素環配位子(後述)であり、各Mは金属であり、nは2以上(最も好ましくは2または3)であり、各金属は、配位子のペアの間に位置し、(金属の酸化状態に応じて)各配位子の1つまたは複数のヘテロ原子(一般には、複数(たとえば、2、3、4、5個)のヘテロ原子)と結合する。したがって、サンドイッチ配位化合物は、金属と炭素原子とが結合する、フェロセンのような有機金属化合物ではない。サンドイッチ配位化合物内の配位子は、ほぼ積層配向で並ぶ(すなわち、ほぼ対面型に配向され、互いに軸方向に並ぶが、各配位子は、互いに対してその軸のまわりを回転していてもいなくてもよい)(たとえば、参照によって組み込まれるChemical Society Reviews 26:433〜442(Ng、Jiangら、1997年)を参照されたい)。サンドイッチ配位錯体としては、「二層型サンドイッチ配位化合物」や「三層型サンドイッチ配位化合物」があり、これらに限定されない。サンドイッチ配位化合物の合成および使用については、米国特許第6212093号、第6451942号、第6777516号に詳細に説明されている。また、これらの分子の重合については、米国特許出願第10/800147号(件名「Procedure for Preparing Redox−Active Polymers on Surfaces」(Bocian、Liu、Lindseyら)(譲渡先:Regents of the University of California))で説明されている。これらはすべて本明細書に含まれ、特に、サンドイッチ錯体および単一大環状錯体の両方に用いられる個々の置換基が含まれる。
「二層型サンドイッチ配位化合物」は、前述のサンドイッチ配位化合物の、nが2の場合を意味しており、したがって、式L’−M’−LZを有するサンドイッチ配位化合物を意味する。ただし、L1およびLZのそれぞれは同じであっても異なっていてもよい(たとえば、J.Porphyrins Phthalocyanines 3:322〜328(Jiangら、1999年)、および米国特許第6212093号、第6451942号、第6777516号を参照されたい。また、これらの分子の重合については、参照によってそのすべてが組み込まれている米国特許出願第10/800147号(件名「Procedure for Preparing Redox−Active Polymers on Surfaces」(Bocian、Liu、Lindseyら)(譲渡先:Regents of the University of California))で説明されている。
「三層型サンドイッチ配位化合物」は、前述のサンドイッチ配位化合物の、nが3の場合を意味しており、したがって、式L’−M’LZ−MZ−L3を有するサンドイッチ配位化合物を意味する。ただし、L1、LZ、およびL3のそれぞれは同じであっても異なっていてもよく、M1およびMZは同じであっても異なっていてもよい(たとえば、Chemistry Letters 483〜484(Arnoldら、1999年)、および米国特許第6212093号、第6451942号、第6777516号を参照されたい。また、これらの分子の重合については、参照によってそのすべてが組み込まれている米国特許出願第10/800147号(件名「Procedure for Preparing Redox−Active Polymers on Surfaces」(Bocian、Liu、Lindseyら)(譲渡先:Regents of the University of California))で説明されている。
さらに、これらのサンドイッチ化合物のポリマーも有用である。これは、米国特許出願第6212093号、第6451942号、第6777516号で説明されているように「二価元素」および「三価元素」を含む。また、これらの分子の重合については、米国特許出願第10/800147号(件名「Procedure for Preparing Redox−Active Polymers on Surfaces」(Bocian、Liu、Lindseyら)(譲渡先:Regents of the University of California))で説明されている。
非大環状プロ配位子および錯体
原則として、ReAMを含む非大環状キレート剤は、金属イオンと結合して非大環状キレート化合物を形成する。これは、金属の存在によって、複数のプロ配位子が互いに結合して複数の酸化状態を呈することが可能だからである。
いくつかの実施形態では、窒素供与プロ配位子を用いる。好適な窒素供与プロ配位子は、当該技術分野ではよく知られており、NH2、NHR、NRR’、ピリジン、ピラジン、イソニコチンアミド、イミダゾール、ビピリジンおよびビピリジンの置換誘導体、テルピリジンおよび置換誘導体、フェナントロリン(特に、1,10−フェナントロリン(略してphen)およびフェナントロリンの置換誘導体(4,7−ジメチルフェナントロリンおよびジピリドール[3,2−a:2’,3’−c]フェナジン(略してdppz)など))、ジピリドフェナジン、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニリン(略してhat)、9,10−フェナンスレンキノンジイミン(略してphi)、1,4,5,8−テトラアザフェナンセレン(略してtap)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(略してcyclam)、イソシアニドなどがあるが、これらに限定されない。縮合誘導体を含む置換誘導体も使用可能である。金属イオンを配位飽和させない(配位飽和には別のプロ配位子を追加しなければならない)大環状配位子は、この目的に関しては非大環状と見なされることに注意されたい。当業者であれば理解されるように、いくつかの「非大環状」配位子を共有結合させて配位飽和化合物を形成することが可能であるが、これは環状骨格を欠いている。
炭素、酸素、硫黄、およびリンを用いる好適なシグマ供与配位子が、当該技術分野では知られている。たとえば、好適なシグマ炭素ドナーについては、参照によって組み込まれている「Advanced Organic Chemistry,5th Edition」(Cotton、Wilkensonら、1988年、John Wiley&Sons)に説明されている。たとえば、38ページを参照されたい。同様に、好適な酸素配位子は、クラウンエーテル、水、および当該技術分野において既知であるその他のものを含む。ホスフィンおよび置換ホスフィンも好適である。Cotton、Wilkensonらの文献の38ページを参照されたい。
酸素、硫黄、リン、および窒素の供与配位子は、ヘテロ原子が配位原子として動作することを可能にするように付着する。
多核プロ配位子および多核錯体
さらに、いくつかの実施形態では、多核配位子である(たとえば、複数の金属イオンを拘束できる)多座配位子を利用する。これらは、大環状であっても非大環状であってもよい。
多数の好適なプロ配位子および錯体、ならびに好適な置換基が、米国特許第6212093号、第6728129号、第6451942号、第6777516号、第6381169号、第6208553号、第6657884号、第6272038号、第6484394号、および米国特許出願第10/040059号、第10/682868号、第10/445977号、第10/834630号、第10/135220号、第10/723315号、第10/456321号、第10/376865号において概説されており、特にそれらの中で述べられているプロ配位子および錯体、ならびに置換基の構造および説明に関して、これらの特許文献はすべて明示的に参照によって組み込まれている。
ポリマー
本発明のメモリ素子はさらに、既に概説したとおり、ReAMのポリマーを含むことが可能である。たとえば、(ポルフィリン錯体のポリマーを含む)ポルフィリンポリマー、大員環錯体ポリマー、2つの酸化還元活性サブユニットを含むReAM、その他が利用可能である。これらのポリマーは、ホモポリマーであってもヘテロポリマーであってもよく、モノマーReAMの様々な混合物(混合剤)を任意の数だけ含むことが可能である。ただし、「モノマー」はさらに、2つ以上のサブユニット(たとえば、サンドイッチ配位化合物、1つまたは複数のフェロセンで置換されたポルフィリン誘導体、その他)を含むReAMを含むことが可能である。ReAMポリマーについては、参照によってそのすべてが明示的に組み込まれている米国特許出願第10/800147号(件名「Procedure for Preparing Redox−Active Polymers on Surfaces」(Bocian、Liu、Lindseyら)(譲渡先:Regents of the University of California))で説明されている。
電極上にはポリマーを様々に構成することが可能である。いくつかの実施形態では、ポリマーはZ次元内で(図30aに示すように、基板表面に垂直な方向に)直線状であり、任意で交差結合することも可能である(図30b)。Z次元内で分岐するポリマーも考えられ、同様に任意で交差結合することも可能である。X−Y次元で直線状であるポリマー(図30c)や、分岐かつ/または交差結合するポリマーも含まれる。さらに、これらの構成のいずれにおいても、ポリマーの混合物を使用することが可能である。
いくつかの実施形態では、ポリマーであれモノマーであれ、ReAMの配向および間隔を制御する構成(リンカの選択を含む)が好ましい。これは、一般的に、より高密度のReAMを達成できるため、ならびに電子移動速度を高めることができるためである。リンカの長さは、電荷の速度および保持力に寄与することが可能である。
一般に、重合の実施形態は、電極面への付着と、追加ReAMへの重合との両方をもたらす置換基の使用が前提である。米国特許出願第10/800147号(件名「Procedure for Preparing Redox−Active Polymers on Surfaces」(Bocian、Liu、Lindseyら)(譲渡先:Regents of the University of California))で説明されているように、これらのReAMの合成については、一般的な方法が2つある。表面で「その場」重合を行う方法と、予備重合をしてから、1つまたは複数の付着部分を用いて表面に加える方法である。これらについては、参照によってそのすべてが明示的に組み込まれている米国特許出願第10/800147号において詳細に説明されており、「1ステップ」および「2ステップ」の重合/付着のステップに関しての説明が特に本明細書においては重要である。
置換基
本明細書で示している化合物の多くは置換基を利用しており、本明細書では置換基を一般的に「R」で示している。好適なR基としては、水素、アルキル、アルコール、アリール、アミノ、アミド、ニトロ、エーテル、エステル、アルデヒド、スルホニル、ケイ素部分、ハロゲン、シアン、アシル、硫黄含有部分、リン含有部分、アミド、イミド、カルバミル、リンカ、付着部分、他のReAM(たとえば、サブユニット)などがあり、これらに限定されない。場所によっては、2つの置換基RおよびR’が可能であることに注目されたい。この場合、R基およびR’基は同じであっても異なっていてもよく、一般には、置換基のうちの1つが水素であることが好ましい。
多数の好適なプロ配位子および錯体、ならびに好適な置換基が、米国特許第6212093号、第6728129号、第6451942号、第6777516号、第6381169号、第6208553号、第6657884号、第6272038号、第6484394号、および米国特許出願第10/040059号、第10/682868号、第10/445977号、第10/834630号、第10/135220号、第10/723315号、第10/456321号、第10/376865号において概説されており、特にそれらの中で述べられているプロ配位子および錯体、ならびに置換基の構造および説明に関して、これらの特許文献はすべて明示的に参照によって組み込まれている。これによって、これらは、置換基が中に描かれている特定の大員環と、さらに別の置換誘導体との両方に関して、置換基実施形態として明示的に組み込まれている。
本明細書における「アルキル基」またはその文法的等価物は、直線連鎖または分岐連鎖のアルキル基を意味し、直線連鎖アルキル基が好ましい。分岐連鎖の場合は、1つまたは複数の位置で分岐していてもよく、特に指定されない限り、どの位置で分岐していてもよい。アルキル基は約1〜約30個の範囲の炭素原子(C1〜C30)であることが可能であり、好ましい実施形態は約1〜約20個の炭素原子(C1〜C20)を利用し、約C1から約C12を経て約C15までが好ましく、C1からC5までが特に好ましい。アルキル基の定義にはさらに、C5およびC6環のようなシクロアルキル基や、窒素、酸素、硫黄、またはリンによる複素環も含まれる。アルキル基にはさらにヘテロアルキル基も含まれ、ヘテロアルキル基は、硫黄、酸素、窒素、およびケイ素のヘテロ原子を有することが好ましい。
本明細書における「アリール基」またはその文法的等価物は、モノおよびマルチ置換アリール環、モノおよびマルチ環系、モノおよびマルチ置換複素環、ならびに複素環状芳香族環および環系(たとえば、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、インドール、プリンなど)を含む芳香族アリール環を意味する。
「アルキル基」および「アリール基」の定義には、置換アルキル基および置換アリール基が含まれる。すなわち、アルキル基およびアリール基は、1つまたは複数の、本明細書で定義している「R」置換基で置換可能である。たとえば、フェニル基は、1つまたは複数のR基で置換された置換フェニル基であってよい。好ましいアルキル基は、アルキルチオ基、ペルフルオロアルキル基、アルキルアミノ基、およびアルコキシル基である。
本明細書における「アミノ基」またはその文法的等価物は、−NH2基、−NHR基、および−NR2基を意味する。Rは、本明細書で定義しているとおりである。
本明細書における「ニトロ基」は、−NO2基を意味する。
本明細書における「硫黄含有部分」は、硫黄原子を含む化合物を意味し、これに含まれるのは、チア−、チオ−、およびスルファ−化合物、チオール(−SHおよび−SR)、ならびに、サルフォキシルおよびサルフォニルを含む硫化物(−RSR−)などであり、これらに限定されない。本明細書における「リン含有部分」は、リンを含む化合物を意味し、これに含まれるのは、ホスフィンやホスフェイトなどであり、これらに限定されない。本明細書における「ケイ素含有部分」は、ケイ素を含む化合物を意味する。
本明細書における「エーテル基」は、−O−R基を意味する。好ましいエーテル基は、アルコキシル基を含み、−O−(CH2)2CH3および−O−(CH2)4CH3が好ましい。
本明細書における「エステル基」は、−COOR基を意味する。
本明細書における「ハロゲン」は、臭素、ヨウ素、塩素、またはフッ素を意味する。好ましい置換アルキル基は、CF3などのように、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基である。
本明細書における「アルデヒド基」は、−RCHO基を意味する。
本明細書における「アルコール基」は、−OH基、およびアルキルアルコール基−ROHを意味する。
本明細書における「アミド基」は、−RCONH−または−RCONR−基を意味する。
本明細書における「エチレングリコール基」は、−(O−CH2−CH2)n−基を意味するが、エチレン基の各炭素原子もまた、一重置換または二重置換されていてもよい。すなわち、−(O−CR2−CR2)n−であってもよい。Rは前述のとおりである。酸素の代わりに他のヘテロ原子を有するエチレングリコール誘導体(すなわち、−(N−CH2−CH2)n−または−(S−CH2−CH2)n−、あるいは、置換基を有するもの)も好ましい。
付着部分
本明細書で示すように、付着部分(本明細書では「Z」で示している)は、本発明のReAMを電極に付着させるために用いる。「付着群を保持する分子」は、付着群がその分子の固有成分である分子、付着群を追加するために誘導体化された分子、および付着群を含むリンカを保持するように誘導体化された分子を含む。
付着部分の性質は、電極基板の組成に依存する。一般に、付着部分は、リンカが存在すればリンカとともに、記憶分子と電極との電子的結合を可能にする。
一般に、好適な付着部分としては、カルボキシル酸、カルボキシルエステル、アルコール、チオール(S−アセチルチオールを含む)、セレノール、テルロール、ホスホン酸、ホスホノチオアート、アミン、アミド、トリメチルシリラレンニトリル、アリール基およびアルキル基(イオドアリールおよびブロモメチルなどの置換アリール基および置換アルキル基を含む)などがあり、これらに限定されない。本目的のために参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願第10/800147号(件名「Procedure for Preparing Redox−Active Polymers on Surfaces」(Bocian、Liu、Lindseyら)(譲渡先:Regents of the University of California))では、(いずれも独立に、かつ「L〜Z」族として)好適な付着部分およびリンカの包括的なリストが示されている。パラグラフ107〜113を参照されたい。付着部分は、単一族を介して付着(たとえば、「モノポッド型」付着)しているか、複数族を介して付着(「ポリポッド型」付着)しているReAM(またはReAMに付着しているリンカ)をもたらしうることに注目されたい。いくつかの実施形態では、ポリポッド型付着(トライポッド型付着など)は、より高密度かつクリーンな信号につながりうる、ReAM(ReAMポリマーを含む)の、より固定された配向をもたらす。チオール、カルボキシル酸、アルコール、またはホスホン酸を利用するポリポッド型(トライポッド型を含む)の付着部分は、特に好ましい。参照した応用において概説したように、いくつかの実施形態は、トリフェニルメタンまたはテトラフェニルメタンのユニットをベースとする付着部分を利用する。ここでは、2つまたは3つのフェニルユニットが、付着に好適な機能群(たとえば、Z−アセチルチオールのようなチオール基や、ジヒドロキシルホスホリル基)で置換される。
リンカ
リンカは、本発明における様々な構成で用いられる。たとえば、付着部分を本発明のReAMとリンクさせる構成、ReAMの酸化還元活性サブユニットをまとめてリンクする構成、ReAMを重合する構成などに用いられる。リンカは、高速書込みおよび/または消去を低電圧および小セルサイズで達成するために用いられ、本発明で用いるためにリンカのスケーリングを最適化することが可能である。リンカの最適サイズは理論的に計算できる(参照によって明示的に組み込まれる米国特許出願第60/473782号を参照されたい)。代替として、リンカ(および、実際にはさらにReAMの適合性)を単純に、実験的に評価することが可能であり、これは、本明細書および引用文献で説明されているようにReAMを表面に結合させ、ボルタンメトリーを実施して、付着したポリマーの電気化学的特性を評価することによって可能である。
ここまでの記述は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して記述したものである。しかしながら、前述の例示的説明は、本発明の内容のすべてを言い尽くすものではなく、本発明を、開示したそのままの形態に限定するものでもない。前述の教示に鑑みて、様々な修正や変形が可能である。各実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を最も良く説明するために選択および記載されたものであり、したがって、当業者が本発明および各種実施形態を、想定される個々の用途に適する様々な修正を加えて最適に利用することを可能にするために選択および記載されたものである。
本発明の一実施形態による分子記憶デバイスの概略断面図である。 本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイにおける分子記憶デバイスの概略断面図であり、これらの分子記憶デバイスは、作用電極および対向電極の両方に酸化還元活性分子を有する電気化学セルとして構成される。 本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイにおける分子記憶デバイスの概略断面図であり、これらの分子記憶デバイスは、作用電極および対向電極の両方に酸化還元活性分子を有する電気化学セルとして構成される。 本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイにおける分子記憶デバイスの概略断面図であり、これらの分子記憶デバイスは、作用電極、対向電極、および1つまたは複数の補助対向電極を有する電気化学セルとして構成される。 本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイにおける分子記憶デバイスの概略断面図であり、これらの分子記憶デバイスは、作用電極、対向電極、および1つまたは複数の補助対向電極を有する電気化学セルとして構成される。 本発明の別の実施形態による、分子記憶デバイスの概略断面図であり、この分子記憶デバイスは、作用電極、対向電極、および補助対向電極を有する電気化学セルとして構成される。 本発明の一実施形態による、トレンチまたは「モールホール」分子記憶デバイスおよびその、メモリ素子部品への組込みの概略断面図である。 分子メモリアレイを組み込んだ分子メモリの概略ブロック図である。 本発明の一実施形態による、分子メモリが埋め込まれたシステムオンチップ(SOC)の概略ブロック図である。 本発明の一実施形態によるメモリセルの概略回路図である。 本発明の一実施形態による、分子メモリからの読出しの方法を示すフローチャートである。 3ステート(2つの酸化状態とグラウンド状態)モノマーポルフィリン記憶分子の電流−電圧特性を示す、例示的なサイクリックボルタモグラムである。 本発明の一実施形態による、分子メモリへの書込みの方法を示すフローチャートである。 複数の異なる酸化状態を有する記憶分子の例示的な電流−電圧ボルタモグラム曲線である。 複数の異なる酸化状態を有する記憶分子を利用する、図5のメモリ素子部品の例示的な電流−電圧曲線である。 本発明の実施形態による、分子メモリセルの論理状態を読み出すための構成の概略ブロック図である。 本発明の実施形態による、分子メモリセルの論理状態を読み出すための構成の概略ブロック図である。 本発明の一実施形態による、分子メモリならびに補助のインターフェースおよび制御ロジックの概略図である。 本発明の一実施形態による分子付着プロセスツールの概略図である。 本発明の一実施形態による熱プロセスユニットの上面の概略図である。 本発明の一実施形態による熱プロセスユニットの側面の概略図である。 電極面への化学吸着が十分でない記憶分子の様子を概略的に示す図である。 電極面への付着が不十分な記憶分子についての例示的な電流−電圧曲線である。 本発明の一実施形態による分子付着プロセスツール制御システムを示すブロック図である。 本発明の一実施形態による電解質プロセスツールの概略図である。 本発明の一実施形態による電解質プロセスツール制御システムを示すブロック図である。 本発明の一実施形態によるバッチプロセスツールの一部分の概略図である。 本発明の一実施形態によるプロセスの各種段階における分子電子デバイスの一部分を示す図である。 本発明の一実施形態によるプロセスの各種段階における分子電子デバイスの一部分を示す図である。 本発明の一実施形態によるプロセスの各種段階における分子電子デバイスの一部分を示す図である。 本発明の一実施形態によるプロセスの各種段階における分子電子デバイスの一部分を示す図である。 本発明の一実施形態による、分子記憶デバイスのアレイの作成方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による、補助対向電極を用いて分子記憶デバイスを作成する方法を示す概略断面図である。 酸化還元活性分子の公式をメタロセンとして示す図である。 酸化還元活性分子の公式をフェロセンの形でのメタロセンの具体的な実施形態として示す図である。 酸化還元活性分子の公式をフェロセンの形でのメタロセンの具体的な実施形態として示す図である。 酸化還元活性分子の公式をフェロセンの形でのメタロセンの具体的な実施形態として示す図である。 酸化還元活性分子の公式をフェロセンの形でのメタロセンの具体的な実施形態として示す図である。 酸化還元活性分子の公式をフェロセンの形でのメタロセンの具体的な実施形態として示す図である。 酸化還元活性分子の公式をフェロセンの形でのメタロセンの具体的な実施形態として示す図である。 酸化還元活性分子の公式をポルフィリンとして示す図である。 各種の酸化還元活性分子を示す図であり、2つの酸化還元活性サブユニット、すなわち、ポルフィリンおよびフェロセンを含む酸化還元活性分子を示す図である。 各種の酸化還元活性分子を示す図であり、図29aと同様であるが、可能な置換基を示す図である。 各種の酸化還元活性分子を示す図であり、図29bの構造のポリマーを示す図であり、hは整数(少なくとも2)である。 様々なポリマー構成を概略的に示す図であり、電極3015上で、独立に選択されたリンカ3010を有する、独立に選択された酸化還元活性分子3000の、Z次元において直線状であるポリマーを示す図である。nは0以上の整数であり、1〜8が好ましく、付着部分は示していない。 様々なポリマー構成を概略的に示す図であり、交差結合3015を有する、図30aと同様の、Z次元において直線状であるポリマーを示す図である。後述のように、1つまたは複数の分岐点を有する、分岐した、Z次元のポリマーも想定される。 様々なポリマー構成を概略的に示す図であり、複数の付着部分3020を有する、X−Y次元において直線状である酸化還元活性分子ポリマーを示す図である。有用なホモポリマーまたはヘテロポリマーをやはり有する酸化還元活性分子の別の直線状ポリマーを含む表面も想定される。任意で交差結合を有する、分岐した酸化還元活性分子ポリマーも可能である。 広い大環状配位子(たとえば、プロ配位子(qが0の場合)または錯体(qが1の場合)を示す図である。 酸化還元活性分子を示す図である。この構造は、窒素をヘテロ原子配位原子として利用するが、代替のヘテロ原子(特に酸素および硫黄)も使用可能である(ただし、当業者であれば理解されるように、大員環の原子価が変わる可能性がある)。図32aはフタロシアニン誘導体である。 酸化還元活性分子を示す図である。この構造は、窒素をヘテロ原子配位原子として利用するが、代替のヘテロ原子(特に酸素および硫黄)も使用可能である(ただし、当業者であれば理解されるように、大員環の原子価が変わる可能性がある)。図32bはポルフィリン誘導体である。 酸化還元活性分子を示す図である。この構造は、窒素をヘテロ原子配位原子として利用するが、代替のヘテロ原子(特に酸素および硫黄)も使用可能である(ただし、当業者であれば理解されるように、大員環の原子価が変わる可能性がある)。図32cは拡張ポルフィリンである。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33bの12員環では、A、B、C、およびDを、独立に、一重結合および二重結合から選択することが可能である。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33cでは、シクレンは、ヘテロ原子のうちの2つの間に「ブリッジ」を有し、各A−Bは、−CR−CR−、−CR=CR−、−CR−CRCR−、−CR=CR−CR−、−CR−CR=CR−、CR−NR−CR−、−CR=N−CR−、および−CR−N=CR−からなる群から独立に選択される。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33dは、空き置換基位置を有する、様々な具体的な構造を示す図である。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33eは、空き置換基位置を有する、様々な具体的な構造を示す図である。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33fは、空き置換基位置を有する、様々な具体的な構造を示す図である。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33gは、空き置換基位置を有する、様々な具体的な構造を示す図である。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33hは、シクレン誘導体の「アーム」の1つの「欠損」を示す図である。ここでの教示によって理解されるように、様々な追加シクレンベースの誘導体も、結合の原子価を変え、R基を除去することが可能である。 シクレン誘導体をベースとする大環状プロ配位子を示す図である。金属イオンは図示していないため、結果として図示されていない追加の水素原子が存在する可能性のあることを理解されたい。誘導体は、−−Y−−−構造内の骨格原子の数に応じて、12、13、14、15、または16員環であることが可能であり、追加の骨格原子は炭素またはヘテロ原子であることが可能である。図33iは、5個のドナーヘテロ原子を有する大環状プロ配位子である。いくつかの例では、より大きな環が用いられ、その結果として多核錯体がもたらされる。やはり、本明細書で示すように、これらの大環状プロ配位子および錯体のいずれか、またはすべて、またはそれらの混合物、ならびに他のタイプのReAMとの混合物を、重合反応においてモノマーとして用いることが可能である。

Claims (42)

  1. ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルを備え、前記電気化学セルが、
    作用電極と、
    対向電極と、
    補助対向電極と、
    前記作用電極、前記対向電極、および前記補助対向電極と接触する電解質と、
    前記電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含む分子記憶デバイス。
  2. 前記酸化還元活性分子のうちの少なくともいくつかが、1つまたは複数の化学吸着された層の中にある、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記酸化還元活性分子が、前記電極のうちの少なくとも1つと共有結合している、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記酸化還元活性分子が前記作用電極および前記補助対向電極と電気的に結合している、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記記憶分子が、モノマーポルフィリン、フェロセン誘導体化ポルフィリン、ダイマーポルフィリン、トライマーポルフィリン、ポルフィリン誘導体、ポルフィリンポリマー、またはこれらの組合せである、請求項1に記載のデバイス。
  6. 前記作用電極が、金、アルミニウム、銀、炭素、タングステン、銅、白金、チタン、タンタル、タングステン、多結晶シリコン、ナノ結晶シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、チタンタングステン、IrO、RuO、OsO、RhO、ITO、またはこれらの組合せである、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記補助対向電極が、金、アルミニウム、銀、炭素、タングステン、銅、白金、チタン、タンタル、タングステン、多結晶シリコン、ナノ結晶シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、チタンタングステン、IrO、RuO、OsO、RhO、ITO、またはこれらの組合せである、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記電解質が、ポリマーマトリックスおよびイオン液体、イオン導電ガラス(またはセラミック)、イオン導電遷移金属酸化物、または固体電解質を含む、請求項1に記載のデバイス。
  9. ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを備え、前記電気化学セルが、
    作用電極と、
    対向電極と、
    補助対向電極と、
    前記作用電極、前記対向電極、および前記補助対向電極と接触する電解質と、
    前記電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含むメモリ素子。
  10. メモリ素子のアレイを備え、前記メモリ素子の少なくともいくつかが、
    ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを備え、前記電気化学セルが、
    作用電極と、
    対向電極と、
    補助対向電極と、
    前記作用電極、前記対向電極、および前記補助対向電極と接触する電解質と、
    前記電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含むメモリアレイ。
  11. 前記アレイが、ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを有する、少なくとも250000個のメモリ素子を備える、請求項10に記載のメモリアレイ。
  12. メモリ素子のアレイを含む分子メモリと結合された中央処理ユニットを備え、前記メモリ素子の少なくともいくつかが、
    ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを備え、前記電気化学セルが、
    作用電極と、
    対向電極と、
    補助対向電極と、
    前記作用電極、前記対向電極、および前記補助対向電極と接触する電解質と、
    前記電極のうちの少なくとも1つと電気的に結合された酸化還元活性分子とを含むコンピューティングデバイス。
  13. 前記コンピューティングデバイスが、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、または埋込みコンピュータである、請求項12に記載のコンピューティングデバイス。
  14. 前記スイッチングデバイスがトランジスタである、請求項12に記載のコンピューティングデバイス。
  15. ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルを備え、前記電気化学セルが、
    化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、
    化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、
    前記作用電極および前記対向電極と接触している電解質とを含む分子記憶デバイス。
  16. 化学吸着された記憶分子の前記層と、化学吸着された酸化還元活性分子の前記層とが、互いにほぼ同一平面上にある、請求項15に記載のデバイス。
  17. ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを備え、前記電気化学セルが、
    化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、
    化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、
    前記作用電極および前記対向電極と接触している電解質とを含むメモリ素子。
  18. メモリ素子のアレイを備え、前記メモリ素子の少なくともいくつかが、
    ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを備え、前記電気化学セルが、
    化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、
    化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、
    前記作用電極および前記対向電極と接触している電解質とを含むメモリアレイ。
  19. メモリ素子のアレイを含む分子メモリと結合された中央処理ユニットを備え、前記メモリ素子の少なくともいくつかが、
    ミクロンまたはサブミクロンサイズの電気化学セルと結合されたスイッチングデバイスを備え、前記電気化学セルが、
    化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、
    化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、
    前記作用電極および前記対向電極と接触している電解質とを含むコンピューティングデバイス。
  20. 分子メモリデバイスの読出しを行う方法であって、
    ビット線を電気化学セルと結合することを含み、前記電気化学セルが、
    記憶分子と電気的に結合された作用電極と、
    対向電極と、
    補助対向電極と、
    前記作用電極、前記対向電極、および前記補助対向電極と接触する電解質とを含み、
    前記記憶分子の酸化状態を示す電位の変化について前記ビット線を監視することを含む方法。
  21. 前記補助対向電極が酸化還元活性分子と電気的に結合されている、請求項20に記載の方法。
  22. 前記電気化学セルがミクロンまたはサブミクロンサイズである、請求項20に記載の方法。
  23. 分子メモリデバイスの書込みを行う方法であって、
    ビット線を電気化学セルと結合することを含み、前記電気化学セルが、
    記憶分子と電気的に結合された作用電極と、
    対向電極と、
    補助対向電極と、
    前記作用電極、前記対向電極、および前記補助対向電極と接触する電解質とを含み、
    前記記憶分子の酸化状態をセットするために前記ビット線に電圧を印加することを含む方法。
  24. 前記補助対向電極が酸化還元活性分子と電気的に結合されている、請求項23に記載の方法。
  25. 前記電気化学セルがミクロンまたはサブミクロンサイズである、請求項23に記載の方法。
  26. 分子メモリデバイスの読出しを行う方法であって、
    ビット線を電気化学セルと結合することを含み、前記電気化学セルが、
    化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、
    化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、
    前記作用電極および前記対向電極と接触している電解質とを含み、
    前記記憶分子の酸化状態を示す電位の変化について前記ビット線を監視することを含む方法。
  27. 分子メモリデバイスの書込みを行う方法であって、
    ビット線を電気化学セルと結合することを含み、前記電気化学セルが、
    化学吸着された記憶分子の層と電気的に結合された作用電極と、
    化学吸着された酸化還元活性分子の層と電気的に結合された対向電極と、
    前記作用電極および前記対向電極と接触している電解質とを含み、
    前記記憶分子の酸化状態をセットするために前記ビット線に電圧を印加することを含む方法。
  28. 一部製造された半導体ウェハの上に酸化還元活性分子を堆積させるように構成された塗布ユニットと、
    前記塗布ユニットを収容する密閉チャンバと、
    前記密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、
    前記塗布ユニットの動作を管理する制御システムとを備える装置。
  29. 前記1つまたは複数のガスセンサが、前記密閉チャンバ内の水ガスおよび酸素ガスを監視する、請求項28に記載の装置。
  30. 一部製造された半導体ウェハを350〜450℃の温度でアニールするように構成された加熱ユニットと、
    前記加熱ユニットを収容する密閉チャンバと、
    前記密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、
    前記加熱ユニットの動作を管理する制御システムとを備える装置。
  31. 前記1つまたは複数のガスセンサが、前記密閉チャンバ内の水ガスおよび酸素ガスを監視する、請求項30に記載の装置。
  32. 一部製造された半導体ウェハの上に酸化還元活性分子を堆積させるように構成された塗布ユニットと、
    一部製造されたシリコンウェハを350〜450℃の温度でアニールするように構成された加熱ユニットと、
    前記塗布ユニットおよび前記加熱ユニットを収容する1つまたは複数の密閉チャンバと、
    前記1つまたは複数の密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、
    前記塗布ユニットおよび前記加熱ユニットの動作を管理する制御システムとを備える一体型装置。
  33. 前記1つまたは複数のセンサが、雰囲気内の水および酸素を監視する、請求項32に記載の装置。
  34. 一部製造された半導体ウェハの上に電解質を堆積させるように構成された塗布ユニットと、
    前記塗布ユニットを収容する密閉チャンバと、
    前記密閉チャンバ内の1種類以上のガスを監視する1つまたは複数のガスセンサと、
    前記塗布ユニットの動作を管理する制御システムとを備える装置。
  35. 前記1つまたは複数のガスセンサが、前記密閉チャンバ内の水ガスおよび酸素ガスを監視する、請求項34に記載の装置。
  36. 一部製造された半導体ウェハの上で、分子記憶デバイスのアレイを作成することを、
    作用電極のアレイを形成すること、
    分子記憶デバイスの前記アレイに用いる1つまたは複数の補助対向電極を形成すること、
    前記作用電極に記憶分子を付着させること、
    分子記憶デバイスの前記アレイに用いる1つまたは複数の電解質を形成すること、および、
    分子記憶デバイスの前記アレイに用いる1つまたは複数の対向電極を形成することによって行うことを含む方法。
  37. 前記1つまたは複数の補助対向電極に酸化還元活性分子を付着させることを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記1つまたは複数の対向電極を形成することが、前記分子を分解するであろう放射線に対する前記酸化還元活性分子の露出を減らすかなくすように行われる、請求項36に記載の方法。
  39. 第1の監視されたガス環境において、一部製造された半導体ウェハの表面に酸化還元活性分子を堆積させること、
    第2の監視されたガス環境において、前記ウェハ上の複数の作用電極の表面にいくつかの前記酸化還元活性分子を化学的に付着させること、
    化学的に付着していない酸化還元活性分子を前記ウェハから除去すること、
    前記ウェハ上に電解質を形成すること、および、
    前記電解質上に導体を堆積させることを含む方法。
  40. 前記第1および第2の監視されたガス環境において酸素ガスおよび水ガスが監視される、請求項39に記載の方法。
  41. 前記付着した酸化還元活性分子のうちの少なくともいくつかが、1つまたは複数の化学吸着された層の中にある、請求項39に記載の方法。
  42. 電解質上に前記導体を堆積させることが、前記分子を分解するであろう放射線に対する前記酸化還元活性分子の露出を減らすかなくすように行われる、請求項39に記載の方法。
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