JP2009081045A - 放電ランプ及びバックライト - Google Patents

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Takuya Hara
拓也 原
Shigehisa Kawazuru
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Abstract

【課題】 リード線と半田層の接触不良を抑制した放電ランプ及びバックライトを提供する。
【解決手段】 本発明の放電ランプは、内部に放電空間11を有するガラスバルブ1と、放電空間11内に配置された電極5と、ガラスバルブ1の端部に封着され、一端は電極5に接続され、他端はガラスバルブ1の外部に導出されたリード線6と、リード線6と導通するようにガラスバルブ1の外端部に形成された半田層8とを具備し、リード線6とガラスバルブ1の間には隙間9が形成され、隙間9には半田が流入しており、隙間9に流入した半田とリード線6との軸方向の接触長Mが0.05mm以上、1.0mm以下である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液晶テレビやパーソナルコンピュータなどに用いられる放電ランプ及びバックライトに関する。
現在、液晶テレビ等に用いられる光源としては、冷陰極蛍光ランプが使用されている。冷陰極蛍光ランプは、一般にカップ状の電極にリード線が接続された電極マウントをガラスバルブの両端に封着してなる。
この冷陰極蛍光ランプに対し、特開2006−294593号公報(以下、特許文献1)や特開2006−351460号公報(以下、特許文献2)のように、ガラスバルブの両端部にリード線と接合された給電端子を有する冷陰極蛍光ランプが開発されている。この給電端子は半田などで形成され、導電性のソケットで給電端子部分を挟持することにより、ランプを機械的かつ電気的に接続することができるという利点がある。
特開2006−294593号公報 特開2006−351460号公報
しかしながら、リード線と半田層の接触不良などの不具合が発生している。これは、リード線に半田がのらなかったり、リード線と半田層の間にピンホールが発生したりすることが原因と考えられる。なお、ガラスバルブから導出されるリード線の寸法を長くし、半田との接触面積を増すことで半田ののりを改善することが考えられるが、この方法でもリード線と半田層との接触が確実ではなく、また全長が長くなってしまう。
本発明の目的は、リード線と半田層の接触不良を抑制した放電ランプ及びバックライトを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の放電ランプは、内部に放電空間を有する放電容器と、前記放電空間内に配置された電極と、前記放電容器の端部に封着され、一端は前記電極に接続され、他端は前記放電容器の外部に導出されたリード線と、前記リード線と導通するように前記放電容器の外端部に形成された半田層とを具備し、前記リード線と前記放電容器の間には隙間が形成され、前記隙間には半田が流入しており、前記隙間に流入した半田と前記リード線との軸方向の接触長Mは、0.05mm以上、1.0mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、リード線と半田層の接触不良を抑制することができる。
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態の放電ランプについて図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための断面図、図2は本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための外観図である。
本実施の形態の放電ランプは、例えば硼珪酸ガラスなどの軟質ガラスからなるガラスバルブ1により放電容器が形成され、そのガラスバルブ1の内部には放電空間11が形成されている。放電空間11にはネオンNeとアルゴンArの混合ガスからなる希ガスと水銀Hgが封入されている。ガラスバルブ1の内面には、例えばRGBの3波長蛍光体からなる蛍光体層2が形成されている。
ガラスバルブ1の両端部には、電極マウント3が封着されている。電極マウント3は、ビーズガラス4、電極5及びリード線6で構成されている。
ビーズガラス4は、例えば、ガラスバルブ1と同じ軟質ガラスからなり、ガラスバルブ1両端の放電空間11側に気密封着されている。電極5は、例えば、ニッケルNiからなる有底開口状であり、その開口がガラスバルブ1の中央側、底部が端部側になるように放電空間11の両端部に対向配置されている。リード線6は、インナーリード線61とアウターリード線62とからなり、それらは接合部7によって接続され、ガラスバルブ1とビーズガラス4に封着されている。そして、インナーリード線61は電極5に接続され、アウターリード線62はガラスバルブ1の両端から外部に導出している。なお、インナーリード線61は例えば、コバール(ニッケルNi、鉄Fe、コバルトCoの合金)、モリブデンMoなどガラスバルブ1の熱膨張率に近い金属を使用することができ、アウターリード線62は、ジュメット線(銅Cuで被覆されたニッケルNi線)などの導電性が高く、切断しやすい金属を使用することができる。
ガラスバルブ1端部の外表面には、給電部として半田層8が形成されており、アウターリード線62と電気的に接続されている。半田層8の軸方向の形成領域は、端部側はガラスバルブ1から突出したアウターリード線62を覆う位置まで、中央側は電極5の先端部を超えない、例えば1.0mm程度、端部側の位置までが好適である。なお、半田層8としては、ガラスとのなじみが良好なスズ、スズとインジウムの合金、スズとビスマスの合金、アンチモン、亜鉛、アルミニウムなどの材料を使用することができる。また、ガラスバルブ1の半田層8の形成予定部分に、あらかじめアルミナ微粒子などを吹き付けて表面をブラスト加工しておけば、半田のなじみをさらに向上させることができる。
なお、半田層8は、超音波半田ディップ法により形成するのが望ましい。超音波半田ディップ法とは、特開2004−146351号公報に記載のような、超音波振動を加えながら半田メッキを行う方法であり、ガラスおよび金属に対して半田ののりが良くなるためである。なお、超音波半田ディップ法を用いることで、後述する隙間9から空気を外部に排出することができるため、半田を確実かつ安定的に流入させることができる。また、電極マウント3のガラスバルブ1への封着工程時の熱によって生じるアウターリード線62の酸化膜や錆を、キャビテーション作用により除去することができる。
ここで、放電ランプの端部構造を、図3を参照しながらさらに詳しく説明する。図3は図1の一点鎖線部分の拡大図である。
この図からわかるように、半田層8で覆われたガラスバルブ1にはアウターリード線62及び接合部7に沿って隙間9が形成されており、この隙間9は半田で満たされている。すなわち、隙間9は図3に示されるように、ガラスバルブ1の管軸方向における最も外側に位置する端面から接触部に至る深さDを有している。
隙間9に流入した半田層8は、アウターリード線62の突出部分に形成された半田層8よりも接触面積が増すため、接触が強固になり、リード線6と半田層8との接触不良を低減することができる。また、リード線6と半田層8との接触面積が増すため、従来と同程度の接触強度でもアウターリード線62の突出長Lを短くすることができ、ランプの小型化が可能となる。ここで、隙間9に流入した半田とリード線6との軸方向の接触長Mは、0.05mm以上、1.0mm以下であるのが望ましい。これは、接触長Mが0.05mmよりも小さいと半田の流入効果が少なくなり、反対に1.0mmよりも大きいとバルブ端部に応力が加わった際にガラスが割れる可能性が高くなるためである。また、隙間9の深さDは0.10mm以上、0.50mm以下であるとさらに望ましい。ここで、隙間9は、ガラスバルブ1端部の封着工程において、放電空間11の圧力、封着場所、封着条件を調整することにより、あるいは、ランプを作成したあと、機械的方法で切削することにより所望の深さ、大きさに形成することができる。
また、図のように、隙間9にリード線6の接合部7を位置させるのが望ましい。これは、接合部7がガラスバルブ1の端部に向けて細くなるテーパー形状(インナーリード線61の直径R1>アウターリード62の直径R2)であるために、ガラスバルブ1との隙間を大きく確保しやすくなるからである。なお、半田の流入しやすさ、接触状態を良好に保つという観点から、隙間9の面積Sは0.002mm以上、1.0mm以下であるのが望ましい。
下記に本発明の放電ランプの実施例の一仕様を示す。
ガラスバルブ1;硼珪酸ガラス、内径=2.4mm、外径=3.4mm、全長=約950mm、
放電媒体:ネオンNe+アルゴンAr、水銀Hg、
蛍光体層2;3波長蛍光体、
ビーズガラス4;硼珪酸ガラス、
電極5;ニッケルNi、カップ状、
インナーリード線61;コバール、直径R1=0.8mm、
アウターリード線62;ジュメット、直径R2=0.6mm、突出長L=1.0mm、
接合部7;接合長=0.6mm、
半田層8;スズとインジウムの合金、軸方向形成長さ=7.0mm、接触長M=0.2mm、
隙間9;深さD=0.2mm、面積S=0.01mm
上記実施例のランプと隙間9を形成しない従来のランプのリード線と半田層の接触不良による歩留まりは、実施例が0.1%、従来例が2〜3%であり、従来よりも格段に接触不良が改善されていることがわかった。また、リード線6の切断工程では、その切断精度のばらつきによって突出長Lがばらつき、極端な場合、突出長Lがほぼ0mmになってしまうこともあるが、その場合でも隙間9によってリード線6と半田層8との接触長を確保できるために接触不良にはならず、接合状態は良好であった。もちろん、突出長Lが十分に長い場合においても効果を得られる。
したがって、第1の実施の形態では、アウターリード線62と導通するようにガラスバルブ1の外端部に半田層8を形成した放電ランプにおいて、アウターリード線62とガラスバルブ1の間に隙間9を形成し、その隙間9に半田を流入することにより、リード線6と半田層8との接触不良を低減することができる。また、リード線6と半田層8との接触面積が増すため、従来と同程度の接触強度でもアウターリード線62の突出長Lを短くすることができ、ランプの小型化が可能となる。なお、半田層8を超音波半田ディップ法によって形成することで、半田を確実かつ安定的に流入させることができるとともに、キャビテーション作用により、アウターリード線62の酸化膜や錆を除去することができる。
また、隙間9に流入した半田とリード線6との軸方向の接触長Mを0.05mm以上、1.0mm以下とすることにより、接触不良が発生しにくい接触面積を確保できるとともに、応力によるガラスの割れを防止することができる。
さらに、インナーリード線61とアウターリード線62の接合部7を隙間9に位置させることにより、ガラスバルブ1との隙間9を大きく確保できるため、半田を流入させやすくなる。また、接合部7はインナーリード線61とアウターリード線62の合金からなるため、通常半田がのりにくい部分であるが、隙間9に半田が流入しようとする作用によりこの接合部7でも半田との接触状態を良好に保つことができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態のバックライトについて説明するための全体図である。
バックライトの筐体は、例えば白色プラスチックからなるフロントフレーム101とバックフレーム102とで構成されている。フロントフレーム101には、光を取り出すための開口部1011が形成されており、この開口部1011には輝度向上や輝度ムラ抑制を目的として拡散板、拡散シート、プリズムシートなどの光学部材103が配置される。バックフレーム102は、有底開口形状であり、その内表面は反射シートを貼り付けるなどして高反射性を有している。
バックフレーム102の底部には、ランプ保持部材として一対のランプホルダー104a、104bが配置されている。そして、このランプホルダー104a、104bには、放電ランプ105の両端に形成された半田層8が保持される。ここで、ランプホルダー104a、104bは導電性かつバネ性を有する金属、例えば銅合金で形成されているので、放電ランプ105を機械的かつ電気的に接続保持することができる。
したがって、第2の実施の形態では、半田層8をランプホルダー104a、104bによって保持することにより、放電ランプ105の機械的かつ電気的接続を容易に行うことができる。また、本実施の形態の放電ランプ105は、隙間9によりリード線6の突出長Lが短くても十分な半田層8との接触強度を維持することが可能であるため、放電ランプ105の軸方向長さを短くすることができる。つまり、放電ランプ105の無効発光長が短くなるため、バックライトの開口部1011を広く確保でき、狭額縁のバックライトを実現することができる。
なお、本発明の実施の形態は上記に限られるわけではなく、例えば次のように変更してもよい。
ガラスバルブ1とリード線6の周囲との接触部は、ガラスバルブ1の端部に封着されるビーズガラス4に形成してもよい。この場合、ガラスバルブ1はリード線6の周囲とは接触することないので、隙間9はビーズガラス4とリード線6の間に形成されることになる。
電極マウント3のビーズガラス4は必須ではなく、ビーズレス構造であっても良い。
リード線6は、第1の実施の形態のように2以上の金属で構成する必要はなく、図5に示すように一の金属で構成してもよい。この場合、ニッケルNiなどの封着に適し、かつ切断が困難でない金属が適している。
また、半田層8の形成前にガラスバルブ1から突出したリード線部分をブラスト加工によって粗面状態にしても良い。これにより、突出部分と半田の接触強度が格段に向上する。また、表面の酸化層を除去することができる。なお、その突出部分の粗面状態としては、平均粗さRaが10μm〜60μm程度であるのが望ましい。
接合部7を図6に示すように、ガラスバルブ1の端部の外側に配置しても良い。通常、この構成では、接合部7は半田がのりにくい部分であるため、接触不良が発生しやすいところ、本発明によって接触不良を回避できる。また、図7のように半田を薄く形成した場合、半田の量を減らしつつ、接触不良を低減することができる。
第1の実施の形態では、給電部を半田層8のみで構成したがこれに限られず、例えば図8に示すように、ガラスバルブ1の端部に銅などの金属の薄板を円筒状に形成してなるキャップ電極81が装着された状態で半田層82が形成された給電部であってもよい。この場合、半田が剥がれることによるランプホルダー104a、104bとの接触不良を防止でき、接触の信頼性を向上させることができる。
隙間9は、ビーズガラス4にまで到達していてもよい。また、隙間8には、半田が完全に満たされている必要はなく、すなわち深さD>接触長Mであってもよい。
隙間9とその隙間9に半田が流入する構造は、ランプの両端ともで採用されるのが最も望ましいが、少なくとも一方の端部がそのような構造となっていれば良い。
本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための断面図。 本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための外観図。 図1の一点鎖線部分の拡大図。 本発明の第2の実施の形態のバックライトについて説明するための全体図。 本発明の放電ランプの第1の変形例について説明するための図。 本発明の放電ランプの第2の変形例について説明するための図。 本発明の放電ランプの第3の変形例について説明するための図。 本発明の放電ランプの第4の変形例について説明するための図。
符号の説明
1 ガラスバルブ
2 蛍光体層
3 電極マウント
4 ガラスビーズ
5 電極
6 リード線
61 インナーリード線
62 アウターリード線
7 接合部
8 半田層
9 隙間
104a、104b ランプホルダー
104 放電ランプ

Claims (3)

  1. 内部に放電空間を有する放電容器と、前記放電空間内に配置された電極と、前記放電容器の端部に封着され、一端は前記電極に接続され、他端は前記放電容器の外部に導出されたリード線と、前記リード線と導通するように前記放電容器の外端部に形成された半田層とを具備し、
    前記リード線と前記放電容器の間には隙間が形成され、前記隙間には半田が流入しており、
    前記隙間に流入した半田と前記リード線との軸方向の接触長Mは、0.05mm以上、1.0mm以下であることを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記リード線は、互いに直径の異なるインナーリード線とアウターリード線とからなり、前記インナーリード線と前記アウターリード線の接合部が前記隙間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 筐体と、
    前記筐体の底面に配置されたランプ保持部材と、
    前記ランプ保持部材に前記半田層が機械的かつ電気的に接続保持された請求項1又は請求項2に記載の放電ランプと、を具備することを特徴とするバックライト。
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