JP2009080043A - 光学特性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定位置の高さ変動による誤差(曲面起因の誤差)の発生を防止する。
【解決手段】光学特性測定装置を、平面試料又は所定の曲率を有する曲面試料の試料面を照明する照明光学系と、前記照明による前記試料面からの反射光を受光する受光光学系と、前記照明光学系及び受光光学系を内蔵する筐体であって、測定時に該筐体における試料との対向部位に前記試料面が外側から接触する筐体とを備え、前記曲面試料の頭頂位置が前記平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ前記対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、前記照明光学系は、前記対向部位の開口部において前記頭頂位置を所定の角度で照明し、前記受光光学系は、前記照明による前記頭頂位置から所定の角度方向の光を受光することが可能に構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料の光学特性を測定する光学特性測定装置に関し、特に、試料表面を照明し、該試料面からの反射光に基づいて光学特性を測定する光学特性測定装置に関する。
表面の光沢は外観上重要な要素であり、種々の製品について光沢が測定される。光沢の測定方法は規格化されている。一例として、ASTM D523に規定されている60度光沢を測定する装置(表面状態測定装置;光沢測定装置)の構成を図18に示す。同図において、開口板901の開口(照明側開口;矩形の開口)902を通過した光源903の光束は、照明レンズ904によって平行光束905とされて試料面906を照射する。この試料面906からの試料面反射光の正反射方向の成分907が受光レンズ908によって収束され、開口板909の開口(受光側開口;矩形の開口)910を通過して受光素子911によって受光される。
照明系の光軸912及び受光系の光軸913は、それぞれ試料面法線914に対して60°の角度をなす。照明側開口902の紙面内方向(x方向)及び紙面に直交する方向(y方向)の幅w及び高さlは、画角にして例えばw=0.75度、l=2.5度であり、同様に受光側開口910では、幅W及び高さLは、画角にして例えばW=4.4度、L=11.7度である。試料面906が鏡面である場合、受光側開口910内に照明側開口902の像902’がつくられ、試料面反射光(成分907)の全てが受光素子911で受光されるものの、試料906の光沢が低下するとこれに伴って像902’が広がり、受光側開口910よりも像902’が大きくなるなどにより、受光側開口910を通過する光量(受光素子911による受光量)が減少する。このように光沢と受光量との間には所定の関係があるが、光学特性測定装置は、この関係を利用し(受光量を光沢値と結び付けて)、受光量の違いに基づいて光沢値を測定する。
特開2002−5830号公報
しかしながら、この方法で正確に光沢が測定できるのは、像902’が受光側開口910の中心近傍に作られる場合、すなわち測定光学系が試料面906に対して姿勢誤差なく配置されている場合に限られる。このため、試料が曲面である場合(曲面測定時)には、当該曲面試料を測定する際に測定位置に高さ変動(測定位置の違い)が生じて試料への入射角が変化することにより、或いは、不安定な状態での測定による手振れ等の影響のため、装置が試料に対して傾いて入射角が変化することにより誤差が生じてしまう。
これに関し、例えば特許文献1には、曲面試料測定時に発生しうる傾きに測定光学系を追従させる、すなわち試料面に対して測定光学系(測定ベースユニット)を弾性的に調整可能な位置に保持することで装置の傾きに起因する誤差の発生防止を図る技術が開示されている。しかしながらこの技術は、当該試料面に対する装置の傾きに起因する誤差を或る程度解消することができるものの、曲面試料測定時におけるその他の誤差、すなわち例えば、同様の表面状態を有する平面試料と曲面試料とを測定したときの、上記測定位置の高さ変動による誤差(曲面起因の誤差)については全く考慮されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、測定位置の高さ変動による誤差(曲面起因の誤差)の発生を防止することが可能な光学特性測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光学特性測定装置は、平面試料又は所定の曲率を有する曲面試料の試料面を照明する照明光学系と、前記照明による前記試料面からの反射光を受光する受光光学系と、前記照明光学系及び受光光学系を内蔵する筐体であって、測定時に該筐体における試料との対向部位に前記試料面が外側から接触する筐体とを備え、前記曲面試料の頭頂位置が前記平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ前記対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、前記照明光学系は、前記対向部位の開口部において前記頭頂位置を所定の角度で照明し、前記受光光学系は、前記照明による前記頭頂位置から所定の角度方向の光を受光することが可能に構成されていることを特徴とする。そして、好ましくは、前記所定の角度方向の光は、正反射方向の光である。なお、この正反射方向の光には、正反射光だけでなく、正反射の角度近傍の光も含まれる。
上記構成によれば、光学特性測定装置が、平面試料又は所定の曲率を有する曲面試料の試料面を照明する照明光学系と、照明による試料面からの反射光を受光する受光光学系と、照明光学系及び受光光学系を内蔵する筐体であって、測定時に該筐体における試料との対向部位に試料面が外側から接触する筐体とを備えたものとされ、曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、照明光学系は、対向部位の開口部において曲面試料の頭頂位置を所定の角度で照明し、受光光学系は、この照明による頭頂位置から所定の角度方向の光を受光することが可能に構成されている。
このように、曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、照明光学系によって曲面試料の頭頂位置が所定の角度で照明され、この頭頂位置から所定の角度方向の光が受光光学系によって受光される構成であるので、手振れ等の発生を防止することができつまり安定した状態(装置に対する試料のぐらつきが無い状態)で試料測定を行うことが可能となる。また、曲面試料の頭頂位置(試料面)を照明する場合と平面試料の試料面を照明する場合とにおいて、照明光の試料面法線に対する入射角(又は正反射角)を等しくすることができ、当該頭頂位置が照明される曲面試料よりも曲率が小さな(半径が大きな)曲面試料の場合も略同じ入射角にすることができる。すなわち曲面試料を測定する場合と平面試料を測定する場合とにおいて当該入射角の変化を抑えることが可能となり、測定位置の高さ変動による誤差(曲面起因の誤差)の発生を防止することができる。これらのことから、ひいては試料の光沢等の表面特性測定における測定精度を高めることができる。
また、上記構成において、前記筐体は、前記対向部位が、前記頭頂位置を測定における基準点とする場合の該基準点を含む測定基準面と前記平面試料の試料面とが平行となるように該試料面が前記外側から接触可能に構成されていることが好ましい。
これによれば、筐体の対向部位が、頭頂位置を測定における基準点とする場合の該基準点を含む測定基準面と平面試料の試料面とが平行となるように該試料面が外側から接触可能に構成されているので、曲面試料及び平面試料それぞれを測定するための専用の構成を備えることなく、上述のように入射角の変化を抑えて測定位置の高さ変動による誤差の発生を防止しながら、曲面試料と平面試料との測定を行うことが可能な構成を容易に実現することができる。
また、上記構成において、前記対向部位は、該対向部位の外壁が試料に対して凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に前記開口部が形成されており、前記曲面試料が前記凹状部の山の周縁に接触する位置まで前記外側から開口部側へ押し込まれた状態で前記頭頂位置が照明される構成とされていることが好ましい。
これによれば、対向部位が、該対向部位の外壁が試料に対して凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に開口部が形成され、曲面試料が凹状部の山の周縁に接触する位置まで外側から開口部側へ押し込まれた状態で頭頂位置が照明される構成とされているので、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を、この凹状部といった簡易な構成で実現することができる。また、後述の開口部内に曲面試料を押し込む場合のように押し込み量(頭頂位置の平面試料の試料面からの距離の設定)が直接開口部に影響される(開口部の開口サイズを小さくしようとしても、或いは開口形状を防塵性の高い形状にしようとしても、所要の押し込み量を得るためににこれを行うことができない)ことがないため、当該押し込み量に依らず開口サイズを小さくする或いは開口形状を好適なものにすることができ、防塵性を高めることができる。なお、当該凹状部を備えた構成により、平面試料が小さい場合であったとしても、この小さい平面試料を凹状部の谷の位置に配置して曲面試料或いは大きな(通常の)平面試料を測定する場合と同じ入射角となるようにして測定することが可能となる、すなわちサイズに依らず平面試料を精度良く測定することが可能となる。
また、上記構成において、前記凹状部の山の頂面は平面にされており、該山の頂面と前記平面試料の試料面とが面接触することが好ましい。
これによれば、凹状部の山の頂面が平面にされており、該山の頂面と平面試料の試料面とが面接触するので、上述したように曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を凹状部を用いて実現しつつ、同じこの凹状部を利用して、試料面が測定基準面と平行となるように平面試料を配置した状態で該平面試料の測定を行うことが可能となる。すなわち、山の頂面が平面とされた凹状部という簡易な構成を用いて曲面試料及び平面試料の両方の信頼性の高い測定が可能となる。
また、上記構成において、前記対向部位は、前記曲面試料が前記開口部の周縁に接触する位置まで前記外側から該開口部内に押し込まれた状態で前記頭頂位置が照明される構成とされていることが好ましい。
これによれば、対向部位が、曲面試料が開口部の周縁に接触する位置まで外側から該開口部内に押し込まれた状態で頭頂位置が照明される構成とされるので、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を、単に対向部位の開口部を利用した簡易な構成で実現することができる。
また、上記構成において、前記対向部位の外壁面は平面とされており、該外壁面と前記平面試料の試料面とが面接触することが好ましい。
これによれば、対向部位の外壁面が平面とされており、該外壁面と平面試料の試料面とが面接触するので、上述したように曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を対向部位の開口部を用いて実現しつつ、外壁面が平面にされている対向部位を利用して、試料面が測定基準面と平行となるように平面試料を配置した状態で該平面試料の測定を行うことが可能となる。すなわち、外壁面が平面にされている対向部位(開口部が形成されている対向部位)という簡易な構成を用いて曲面試料及び平面試料の両方の測定が可能となる。
また、上記構成において、前記対向部位は、該対向部位の外壁における前記開口部を囲む周辺位置に突起部が設けられており、前記曲面試料が前記突起部の周縁に接触する位置まで前記外側から開口部側へ押し込まれた状態で前記頭頂位置が照明される構成とされていることが好ましい。
これによれば、対向部位が、該対向部位の外壁における開口部を囲む周辺位置に突起部が設けられ、曲面試料が突起部の周縁に接触する位置まで外側から開口部側へ押し込まれた状態で頭頂位置が照明される構成とされているので、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を、この突起部といった簡易な構成で実現することができる。また、上記凹状部を設ける場合と同様、曲面試料の押し込み量に依らず開口形状及び開口サイズを自由に設定することができ、防塵性を高めることができる。なお、当該開口部を囲む周辺位置に突起部を備えた構成により、平面試料が小さい場合であったとしても、この小さい平面試料を突起部の間の位置に配置して曲面試料或いは大きな(通常の)平面試料を測定する場合と同じ入射角となるようにして測定することが可能となる、すなわちサイズに依らず平面試料を精度良く測定することが可能となる。
また、上記構成において、前記突起部の頂面は平面とされており、該突起部の頂面と前記平面試料の試料面とが面接触することが好ましい。
これによれば、突起部の頂面が平面とされており、該突起部の頂面と平面試料の試料面とが面接触するので、上述したように曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を突起部を用いて実現しつつ、同じこの突起部を利用して、試料面が測定基準面と平行となるように平面試料を配置した状態で該平面試料の測定を行うことが可能となる。すなわち、頂面が平面とされた突起部という簡易な構成を用いて曲面試料及び平面試料の両方の測定が可能となる。
また、上記構成において、前記対向部位は、該対向部位の外壁が山の頂面が平面である凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に前記開口部及び突起部が配置された構成とされ、当該山及び突起部の頂面と前記平面試料の試料面とが面接触することが好ましい。
これによれば、対向部位が、該対向部位の外壁が山の頂面が平面である凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に開口部及び突起部が配置された構成とされ、当該山及び突起部の頂面と平面試料の試料面とが面接触するので、曲面試料を測定する際には、突起部を用いて、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態にして測定し、平面試料を測定する際には、凹状部の山の頂面及び突起部の頂面と平面試料の試料面とを面接触させた状態(突起部だけでは平面試料がぐらつく可能性があるため、この突起部と併せて謂わば補助的に凹状部を用いて平面試料を安定させた状態)で安定的に測定するといったことが可能となる。
また、上記構成において、前記対向部位は、該対向部位の外壁における前記開口部を囲む周辺位置で且つ前記凹状部の谷の位置に弾性を有する複数の突起部が設けられていることが好ましい。
これによれば、対向部位が、該対向部位の外壁における開口部を囲む周辺位置で且つ凹状部の谷の位置に弾性を有する複数の突起部が設けられているので、曲面試料の測定をこの凹状部を用いて行うつまり曲面試料が凹状部の山の周縁に接触する位置まで外側から開口部側へ押し込んだ状態で測定するとともに、この状態の曲面試料を、当該弾性を有するつまり曲面試料に押下されて縮んで逆に曲面試料を押し返した状態にすることのできる複数の突起でさらに支持することができるため、測定時に曲面試料がぐらつかないよう一層安定させる(位置決めする;上記入射角の変化を抑える)ことが可能となり(平面試料も同様にぐらつかないよう一層安定させることができる)、ひいてはより精度度良く測定を行うことが可能となる。
また、上記構成において、前記突起部はゴム状部材からなることが好ましい。
これによれば、突起部がゴム状部材からなるので、上記弾性を有する突起部をこのゴム状部材を用いて容易に実現できる。また、当該ゴム状部材によってグリップ力(摩擦力)の高い支持、つまり測定時に曲面試料(平面試料)が滑らないようにして一層安定した位置決め(測定)が可能となる。
また、上記構成において、前記突起部の個数は、3個又は4個であることが好ましい。
これによれば、上記突起部の個数は3個又は4個とされるので、3個の場合は、球面、シリンドリカル面、自由曲面など種々の形状の試料に対して安定的に支持することが可能となり、一方、4個の場合は、当該4個という必要最小限の個数で(3個で支持する場合よりも)高い安定性が得られる。
本発明によれば、曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、照明光学系によって曲面試料の頭頂位置が所定の角度で照明され、この頭頂位置から所定の角度方向の光が受光光学系によって受光される構成であるので、手振れ等の発生を防止することができつまり安定した状態(装置に対する試料のぐらつきが無い状態)で試料測定を行うことが可能となる。また、曲面試料の頭頂位置(試料面)を照明する場合と平面試料の試料面を照明する場合とにおいて、照明光の試料面法線に対する入射角(又は正反射角)を等しくすることができ、当該頭頂位置が照明される曲面試料よりも曲率が小さな(半径が大きな)曲面試料の場合も略同じ入射角にすることができる。すなわち曲面試料を測定する場合と平面試料を測定する場合とにおいて当該入射角の変化を抑えることが可能となり、測定位置の高さ変動による誤差(曲面起因の誤差)の発生を防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学特性測定装置の一例を示す構成図である。光学特性測定装置1は、試料(被測定物)の光学特性例えば光沢値を測定するものである。ここでは、光学特性測定装置1はASTM D523に規定されている60度光沢を測定するものとし、平面を有する試料(平面試料)や曲面を有する試料(曲面試料)に対する測定を行う。光学特性測定装置1は、同図に示すように、筐体(本体フレーム)10中に、光源2、第1開口板3、照明レンズ4、受光レンズ5、第2開口板6及び受光センサ7を備えている。筐体10は、光学特性測定装置1の謂わば外枠部(フレーム体)であり、この筐体10における試料との対向部(装置の底面部)には、測定時に試料面を照明するための開口部(測定開口101)が形成されている。ここで、筐体10(外枠部)における試料との対向部(試料対向枠部と表現する)は平板状に形成されており、具体的にはこの試料対向枠部の外壁面が後述する平面試料PSの測定面と平面接触(試料対向枠部の外壁面と平面試料PS表面とが同一面内で接する、或いは密着する)することが可能なように平面(フラット)状になっている。
光源2は、平面試料や曲面試料の表面に対して投光するべく照明光を発光するものであり、発光ダイオード、レーザー光源、ハロゲン電球などからなる。ただし、メンテナンス性や電力消費などの点で発光ダイオードが望ましい。第1開口板3は、所定の開口を有し、光源2からの投光光束(試料面上の照明径)を規制する所謂規制スリットである。照明レンズ4は、光源2からの光束2aを平行光束(平行光束2a)にして該平行にした光束2aによって試料面を照射するための照明光学系(コリメータレンズ)である。受光レンズ5は、試料面からの反射光(試料反射光)を平行光束にして受光センサ7へ導く(集光する)ための受光光学系(コリメータレンズ)である。照明レンズ4及び受光レンズ5は、このように1枚のレンズでなく、複数枚のレンズから構成されてもよい。
第2開口板6は、所定の開口(第1開口板3の開口よりも大サイズ)を有し、試料反射光における受光センサ7に入射させる光束を規制するものである。受光センサ7は、試料面反射光を受光するものであり、単数又は複数の受光素子(画素)から構成され、該受光素子への入射光強度に応じた画素信号を図略の制御部或いは演算部へ出力する。
<原理の説明>
ここで、本実施形態での光学特性測定装置1における測定の原理について、本発明の特徴点を明確にするべく従来の場合と比較しながら説明する。図15は、従来の光学特性測定装置801での測定について説明する図である。同図に示すように、従来、光学的な測定基準点(光学基準点)の位置は、平面試料PSを設置(配置)したときに該平面試料PS表面の所定の箇所が照明されるような位置となるように設定される。この場合、平面試料PS表面におけるA点の位置が、光源802から発せられて第1開口板803及び照明レンズ804を通過した光束802aによって照明される。このときの入射角はθとなる。このA点を光学基準点といい、また、この光学基準点A点を含む平面(平面試料PS表面と同じ位置の平面)を測定基準面という。
なお、A点で反射した試料反射光は、受光レンズ805及び第2開口板806を経て受光センサ807に入射する。また、装置本体810における試料との対向部周辺には、測定開口811が形成されている。ただし、これら各部802〜808、810及び811は光学特性測定装置1の同各部2〜7、10及び101にそれぞれ対応するものである。
このように、平面試料PSを測定する際に照明される位置(A点)を光学基準点とする光学特性測定装置801において、曲面(球面)試料CSを測定する場合、この曲面試料CSは、同図に示すようにその頭頂部821が平面試料測定時よりも矢印M方向に示す装置内側に謂わば潜り込こんだ(押し込まれた)位置にくるように配置される。このため、平面試料PSではA点が照明されていたものが、曲面試料CSではB点つまり曲面試料CS表面の位置が照明されることになる。
この曲面試料CSにおけるB点での法線は平面試料PSにおけるA点での法線と比べて曲面試料CSの曲率に応じてα°傾くことになるので、曲面試料測定時の入射角はθ−αとなる。すなわち図15に示すように光学基準点をA点とする場合、平面試料測定時と曲面試料測定時とで入射角が異なる。一般的に、ペイントやプラスチックなど誘電体試料の反射率は、試料の屈折率と入射角とに依存するが、図15に示すように曲面試料頭頂部が測定基準面に対して潜り込んだ場合、試料への入射角が測定基準面(平面試料PS)の法線に対して所望の角度より小さくなり、当該屈折率と入射角とに依存することから、反射率が低下して受光量が低下する。この受光量の低下は、表面状態例えば光沢の変化による低下と区別することができない。このように入射角の変化は、光沢といった表面の光学特性を測定するという目的においては非常に大きな誤差となり得る。
ところで、図15に示すように、上記曲面試料CSの半径Rを例えば100mm(R100)とし、このR100の曲面試料CSよりも半径が大きい(曲率が小さい)例えば半径Rが200mm(R200)の曲率試料を曲面試料CS2とする。曲面試料CS2も曲面試料CSと同様に測定基準面に対して潜り込んだ状態となっている。ただし、曲率が小さいため、曲面試料CSほど深くは潜り込んでいない。このように試料半径Rが異なり、潜り込み量も異なる各場合では、上述のように測定誤差が異なるものとなるが、その「試料半径と曲面試料測定誤差との関係」を図16のグラフに示す。同図に示すように、試料半径が∞の場合、つまり平面試料PSの場合に誤差がゼロであるとすると、半径Rが小さくなるほど誤差が(謂わば指数的に)大きくなることが分かる。なお、この場合の誤差をマイナス側の誤差としている。
ここで、上記図15で説明したように、平面試料PS上に光学基準点(A点)を定める従来の場合において、図17に示すように平面試料PSと曲面試料CSとを同一平面で測定しようとすると、当該試料面を照明するために測定部が開口部となっているような表面特性測定装置801では曲面試料CSの頭頂部821が上記A点(光学基準点;平面試料PS表面と同位置の測定基準面)の位置にくるようにする必要が生じる。この場合、曲面試料CSを宙に浮いた状態で保持しなければならず、手振れ等が生じる(手振れ等によって測定誤差が生じる)などして、測定再現性において或いは実使用上、使い勝手の悪いものとなってしまう。
そこで、本実施形態における光学特性測定装置1は図1に示す構成としている。すなわち、曲面試料測定時の照明位置がD点となり、このときの照明光の入射角がθとなる構成としている。具体的には、曲面試料CSの頭頂部(頭頂位置)が平面試料PSの試料面(F点を含む面)の位置よりも筐体内側(装置内側;照明光側)に配置されて且つ筐体10(後述の試料対向枠部)に面試料CSの試料面が接触した状態において、測定開口101において照明系によって曲面試料CSの頭頂位置(D点)を所定の角度つまりここでは試料面法線nに対する入射角θで照明し、受光系によってこの照明による頭頂位置から所定の角度方向の光、例えば正反射方向の光を受光する構成としている。この正反射方向の光には、正反射光および正反射の角度近傍の光が含まれる。なお、この曲面試料を測定する場合を謂わば基準(標準)での測定と定め、この基準測定において照明される位置ここでは頭頂位置(D点)を光学基準点と定める。また、各機能部2〜7を一つの測定ユニットとして考えると、この測定ユニットが、上記図15の場合と比べて装置の内側に入り込んだ位置、ここでは矢印M方向に試料対向枠部の厚みtの長さ分だけずれた位置、に配設されているとも言える。
この場合、測定基準面は、同図に示すようにこのD点を含む平面、つまり試料対向枠部の内壁面となる。ただしここでは、曲面試料CS(R100)が測定開口101内に潜り込んだときにその曲面試料CSの頭頂部(D点)が、丁度この試料対向枠部の内壁面と同じ高さの位置となるように設定している。逆に言えば、必ずしも試料対向枠部の内壁面と同じ高さの位置に測定基準面を設定せずともよく、要は曲面試料CSが測定開口101に最も潜り込んだときの該曲面試料CSの頭頂部を含む平面を測定基準面とすればよい。なお、上記“最も潜り込んだとき”とは、符号201、202の接触点で示すように曲面試料CSと測定開口101の外側の周縁部(端辺)とが当接するときであり、謂わばぐらつきのない安定した位置関係となるときである。
また、このときの曲面試料CSの潜り込み位置(潜り込み量)は、測定開口101の寸法つまり開口サイズ(図1では符号Wで示す開口幅;四角形である場合には辺の長さ、円形である場合には開口径としてもよい)、或いは形状によって決定される。開口サイズ(開口幅W)が大きければ、その分だけ潜り込み量も多くなる。開口サイズが小さければ潜り込み量も少ない。上記外枠部の内壁面の位置を測定基準面(光学基準点を含む平面)とする場合などでは、当該開口サイズとともに上記試料対向枠部の厚みtを当該潜り込み量を決定する要因としてもよい。また、開口の形状については、開口形状が例えば四角であって正方形である場合には、曲面試料CSがこの正方形の四辺の縁と当接する。ここでは接点が4つとなる。長方形である場合には対向している辺同士の間の距離が短い方の辺で当接する。開口形状が例えば正三角である場合には、同様に曲面試料CSがこの三角形の三辺の縁と当接(接点は3つ)する。円形状であればこの円の全周縁と曲面試料CSとが円状に当接する。このように、開口形状に応じて曲面試料CSと当接する位置や当接個数は異なり、そのため、潜り込み量も異なる。なお、本実施形態では、開口形状は略四角形(長方形;例えば図7参照)であるとする。
一方、平面試料PSの測定時には、該平面試料PS表面上のE点が照明されることになるが、このとき入射角は、上記光学基準点D点を照明する(曲面試料CSの頭頂部を照明する)ときの入射角θと同じ角度θとなる(入射角が一定で変化しない)。入射角θは、本実施形態ではASTM D523に規定されている60度光沢を測定することから60°に設定される。なお、D点が照明されたときの曲面試料CSの正反射光と、E点が照明されたときの平面試料PSからの正反射光とは、いずれも光軸が試料面法線nに対して角度θの平行光であり、受光レンズ5の焦点位置に配置された受光センサ7の同一箇所に入射するので、受光側に受光角を規制するスリット(第2開口板6)が配置されていたとしても原理的に誤差は発生しない。
ところで、曲面試料は、ここに示す曲面試料CS(R100)以外にも種々なものがある。例えば試料半径Rが大きな上記曲面試料CS2(R200)の場合、当該平面試料の試料面よりも光学基準点(頭頂部)の潜り込み量が曲面試料CS(R100)と比べて小さく、その曲面試料CS2の頭頂部であるF点が照明される。この場合、光学基準点(D点)の法線nに対してθ+β°の入射角で照明されるため、入射角θの場合と比べて誤差を有することになるが、このときの誤差は、光学基準点を従来の平面試料位置に置いた場合よりも顕著に小さなものとなる。換言すれば、平面試料PSの試料面位置よりも潜り込んだ状態での曲面試料CSの頭頂部(頭頂点)を光学基準点として設定すれば(試料対向枠部外壁面は平面状に形成されているとする)、平面試料PSを測定する際でも入射角はこれと同じ入射角θとなり、また、この曲面試料CSよりもRが大きな曲面試料例えば曲面試料CS2に対しても入射角θとさほど差違が生じなくなるようにすることが可能となる。このように、入射角変化を抑えることができれば、曲面試料の光沢等の表面特性測定における誤差を大幅に改善することが可能となる。
図2は、R100の曲面試料CSの頭頂位置を光学基準点にした場合における「試料半径と曲面試料測定誤差との関係」を示すグラフ図である。当該頭頂位置に光学基準点を設定した場合、頭頂部が光学基準点であるR100の曲面試料CSについては誤差がゼロであるが、それ以外の半径の曲面試料については、照明される位置に応じてプラス(+)或いはマイナス(−)の誤差を生じる。ただし、このプラス、マイナスというのは、図4に示すように、投光による曲面試料表面の照明位置が、曲面試料の頭頂位置(光学基準点)に対して照明レンズ4(光源2)より遠くなる側の位置となるときをプラス、照明レンズ4側に近に位置となるときをマイナスと表現するものである(プラス、マイナスを逆に表現してもよい)。図2のグラフは図1に示す場合と対応する。すなわち図1において、R100の曲面試料CSの光学基準点(D点)よりも遠い側のF点の位置が照明されたときには、図2に示す試料半径R200の位置の誤差は、符号301で示すプラスの誤差となる。半径R200より大きくなるにつれて誤差は徐々に小さくなり、やがて半径∞(無限大)つまり平面試料PSとなるとゼロになる。なお、試料半径がR100よりも小さく、光学基準点(D点)よりも照明レンズ4側に近い位置が照明されたときには、マイナス側の誤差が発生する。
同様に、図3は、R200の曲面試料CSの頭頂部位置を光学基準点にした場合における「試料半径と曲面試料測定誤差との関係」を示すグラフ図である。当該頭頂位置に光学基準点を設定した場合、当該頭頂位置に光学基準点を設定した場合、頭頂部が光学基準点であるR200の曲面試料CS2については誤差がゼロであるが、このR200よりも半径が小さくなる例えばR100になると、上記R100の頭頂位置を光学基準点とする場合とは逆にマイナス側の位置が照明され、符号302で示すようなマイナス側の誤差が発生する。このR100よりも半径が小さくなると更にマイナス側の誤差が大きくなる。またR200よりも大きくなるにつれて、誤差もゼロに近づいていく。
要は、曲面試料CSの頭頂部位置を光学基準点に設定することで、図2や図3に示す場合であっても、特定測定における誤差を従来の誤差よりも遙かに小さなものにすることができる。このことは、図2、図3におけるR100、R200での誤差に対し、図16における従来での誤差(R100やR200での誤差)の大きさと比較しても顕著であると言える。
なお、上述のように、測定開口101の形状や寸法(例えば外枠厚みt)を一定とした場合には、曲面試料の曲率(半径)の違いによる潜り込み量の違いに応じて誤差が異なる、すなわち最適な曲面試料(曲率、半径)を選定するこによって誤差を最小化させることができる。これとは逆に、曲面試料の半径を一定とした場合には、この曲面試料に対する測定開口101の最適な形状や寸法を選定することによって、誤差を最小化させることができると言える。
<変形態様1>
ところで上記実施形態では、図1に示すように、測定開口101への曲面試料の潜り込み位置(量)は、曲面試料を半径がR100の曲面試料CSの場合で固定して考えると、測定開口101の寸法(開口サイズ;開口幅W)や形状によって決定される構成であった。しかしながらこれに限定されずともよく、試料対向枠部の外壁部(測定開口101の周辺部)が凹状に形成されることにより決定される構成であってもよい。これを概念的に説明すると、図5に示すように、図1の場合には図410で示すように測定開口101そのもの(開口サイズや形状)によって潜り込み量が決定されるが、変形態様においては、図420で示すように試料対向枠部の外壁部に凹状部(凹部)を設ける(外壁部が凹状に形成される)ことによって潜り込み量が決定される(図420の上下逆に見ると凹状部になっている)。
図6は上記凹状部における具体的な構成を示すものである。同図に示すように、光学特性測定装置1aは、試料対向枠部103が、寸法a、bを有する形状にされている。具体的には図7に示すように、試料対向枠部103の外壁部に深さa、溝幅(谷幅)bの凹状部が形成されている。ただし、上記潜り込み位置を決定するべくこの凹状部に曲面試料(曲面試料CS)を配置させるとき、溝方向すなわち矢印P方向に該曲面試料が転がって(ぐらついて)しまわないように矢印Q方向にも所定幅(深さはa)の溝が形成されている。これにより、凹状部における各山部(突出部)の測定開口104に近い側の符号105で示す4箇所(角部)と曲面試料CSとが接触する。このように接触した状態において、寸法a、bの大きさに応じて曲面試料の潜り込み量が決定される。当該潜り込んだ曲面試料CSの頭頂部を光学基準点として設定する。ここでは、光学基準点の位置(測定基準面)が、測定開口104の入口位置すなわち図7の符号Tで示す溝部(谷部)の底面の位置となるように設定している。
上記寸法a、bの大きさに応じて曲面試料の潜り込み量を決定することは、換言すれば、寸法a、bを調整することで、或る曲面試料に対する測定誤差を最小化させることが可能であると言える。寸法a、bの大きさが一定であるとき、半径が異なる曲面試料毎に潜り込み量も異なるが、いずれにしても或る曲面試料の頭頂部を光学基準点と設定しておけば、この曲面試料と異なる半径の曲面試料の場合でもさほど誤差が生じない構成を実現することが可能となる。
なお、上記各山部の頂面106は平面(フラット)に形成されており、平面試料PSと平面接触するようになっている。この各山部の頂面位置を平面試料接触面と表現する(図6参照)。上記潜り込み量とは、この平面試料接触面の位置から測定開口104側(矢印E方向)にどれくらい潜り込んでいるかを示す量である。なお、図7では山部が4つ存在する場合つまり4点で曲面試料と接触する構成であるが、少なくとも3点で接触する構成であればよく、この場合、例えば山部Y1及びY2の代わりに山部Y3を設けて、該山部Y3の例えば符号107で示す点で接触させる構成としてもよい。ただし、凹状部に対して曲面試料をより安定的に配置させるという観点では、4点の方が好ましい。
このように、凹状部を設けることで(凹状部の寸法・形状によって)、潜り込み量、光学基準点を規定する構成とすることで、測定開口104の形状・寸法を曲面試料のR寸法に影響されず、設計上必要な形状・寸法に抑えることが可能となる。すなわち、図1では謂わば測定開口101そのものの形状・寸法(開口幅W等)によって潜り込み量(光学基準点)が規定される(所要の潜り込み量を得るための測定開口101の形状・寸法は1対1の関係で決まってくる)のに対し、図6の場合では、測定開口104の形状・寸法は当該潜り込み量の規定には直接には関係しないことから(凹状部の寸法a、bによって規定されるので)、この測定開口104を、測定において設計上必要な形状・寸法つまり最低限、試料を照明して反射光を受光することができるだけの形状・寸法が確保されればよいため、例えば上記開口幅を狭くして開口面積を可能な限り小さくして、該開口から塵や埃が入ってこないようにするつまり防塵性を高めるといったことが可能となる。勿論、測定開口104の形状・寸法を曲面試料に合わせることなく自由度の高い形状にすることができるという効果もある。
ところで、光学特性測定装置1は、より具体的には図14に示す構成(形状、各部の配置)となっている。すなわち、光学特性測定装置1は、筐体500中に光源510、照明径規制スリット520、照明レンズ530、角度規制スリット540、コリメータレンズ550、受光レンズ560、フィルタ570及び受光センサ580を備えている。光源510、照明径規制スリット520、コリメータレンズ550、受光レンズ560、フィルタ570及び受光センサ580はそれぞれ図1に示す光源2、第1開口板3、照明レンズ4、受光レンズ5、第2開口板6及び受光センサ7に相当する。また、符号510aは光源510から試料へ照射される光束(光束510a)を示しており、光束2aに相当する。
照明径規制スリット520は、光源510からの光束510aによって試料表面が照明(照射)されたときの照明領域(測定域)の大きさつまり照明径を規制するためのスリット板である。照明レンズ530は、所謂リレーレンズであり、照明径規制スリット520を通過して発散した光束を角度規制スリット540のスリットへ集光するものである。角度規制スリット540は、コリメータレンズ550に対する光束の発散角(視野角)を規制するスリットである。この角度規制スリット540は、照明レンズ530による光源510の結像位置に配置されている。フィルタ570は、所定の波長域すなわちV−λの分光感度特性(V:視線方向ベクトル、λ:波長)を有する光を透過させる所謂色フィルタである。このフィルタ570を通過した光束が受光センサ580に受光される。なお、受光センサ580は、受光レンズ560の焦点位置に配置されている。また、照明径規制スリット520は、後述の測定基準面と共役の関係にあって上記照明径を規制する。また、角度規制スリット540は、受光センサ580と共役の関係にある。
筐体500の試料対向枠部590には、その中央部に測定開口591が形成されており、また、上記変形態様1で説明した凹状部が形成されている。符号592で示す箇所はこの凹状部の山部592に相当する。この山部592の角部593に接触した状態で曲面試料CSが最も潜り込んだときの該曲面試料CSの頭頂位置が光学基準点Gである。ここでは、この光学基準点Gの高さ位置(光学基準点Gを含む測定基準面)が、試料対向枠部590の外壁面(符号Vで示す水平面)の位置或いは測定開口591の入口位置となるように定められている。なお、山部592の頂面(先端面)は平面(フラット)に形成されており、平面試料PSはこの山部592の頂面と平面接触した状態で測定される。
<変形態様2>
上記変形態様1では、試料対向枠部103の外壁部に凹状部を設ける、すなわち外壁部に謂わば溝をつくることで、その溝の深さ(山部の高さ)や溝の幅によって曲面試料CSの潜り込み量が決定される構成であったが、これに限らず、例えば図8に示す光学特性測定装置1bのように、試料対向枠部110に、試料側へ向けて突出した突起部121を設ける構成としてもよい。この突起部121は測定開口111を挟んでその周辺部に配設されている。
この突起部121を設ける場合も、上記凹状部を設ける場合と同様、突起部121の高さe(深さaに相当)と間隔(配置間隔)fとによって曲面試料CSの潜り込み量が決定される。このとき、突起部121と曲面試料CSとは符号122で示す点で接触した状態となっており、ここでは光学基準点としての曲面試料CSの頭頂位置が試料対向枠部110の外壁面と一致する、すなわち当該外壁面が測定基準面となるように設定されている(測定開口111の入口位置が測定基準面の位置と考えてもよい)。また、突起部121はその頂面(先端面)が平面(フラット)に形成されており、平面試料PSを測定する場合には、この突起部121の頂面と平面接触(面接触)するようになっている。
試料面が突起部121と当接して傷つけられるのを防ぐため、或いは測定時に試料が滑って移動してしまわないようにするため、この突起部121を、弾性(弾性力)があり且つ試料面に対して摩擦力の高い(摩擦抵抗の大きい、グリップ性を有する)弾性部材(弾性体)で構成してもよい。ここでの弾性部材は、或る程度の硬さを有するものが好ましく、この弾性部材として例えば硬質なゴムや硬質なエラストマー(これらを纏めてゴム状部材と表現する)が採用可能である。突起部121は、全体が弾性部材で構成されてなくともよく、その一部分例えば硬質な部材の表面に薄いゴム状部材がコーティングされてなるものであってもよい。ただし、弾性部材を用いた場合、突起部121に撓み(歪み、収縮、変形)が生じ得るため、測定時に手振れ等による傾きが発生して試料への入射角が変化し、反射光から得られる光学特性結果が誤差をもつ原因にもなる。
曲面試料CSを測定する場合、このように弾性部材の突起部121を用いることに効果はあるが、平面試料PSを測定する場合には、特に平行度が、つまり試料表面の損傷を防止することよりも如何に装置に対して安定的に水平に試料を設置するのかが重要となるため、当該弾性部材を使用せず撓みの影響を受けないようにし、且つ比較的広い面を有する水平面(頂面)で平面試料PSと接触させるようにすることが望ましい。このように広い面を有する水平面で接触させると、試料との接触時の圧力が分散されることなどにより、当該表面の損傷防止効果が得られる。
なお、図8において、試料対向枠部110の測定開口111は、実際には、平面試料PSからの反射光が遮られないように(受光系に届くように)該測定開口111の周縁端の位置が例えば符号Zで示す位置になっている、具体的には例えば後述の図10における測定開口113の円弧状の周縁部に示すように切り欠かれた状態に形成されている。換言すれば、測定開口111(図1、6、9、13及び14に示す測定開口も同様)は、照明系によって試料面を投光してその試料面からの反射光の受光系による受光が好適に行われるような開口サイズ及び開口形状とされている。また、図8において、突起部121の高さe又は間隔fを調整可能な構成(不図示)とすることが好ましい。これによって曲面試料の曲率が変わっても、高さe又は間隔fを調整することで潜り込み量を一定にすることができ、曲面試料頭頂位置を所定の角度で照明することが可能となる。あるいは、突起物121の高さeや間隔fが異なる取替え可能な調整部材を一体構造にしておき、試料に応じて交換するように構成されてもよい。
<変形態様3>
また、図6に示す凹状部を設ける構成と図8に示す突起部を設ける構成とを併せた構成、すなわち例えば図9に示す光学特性測定装置1cのように、試料対向枠部112を、頂面が平面とされた山部114を備えた凹状部に形成し、この凹状部に対してさらに測定開口113を挟んでその周辺部に突起部131を設けた構成としてもよい。この場合、山部114(試料対向枠部112全体)は例えばプラスチック等の謂わば硬い合成樹脂で構成し、突起部131は上記弾性部材で構成するようにしてもよい。また、光学基準点の位置は、図8での説明と同様、突起部131の寸法(形状)に応じて曲面試料CSを潜り込ませたときの最大潜り込み位置における該曲面試料CSの頭頂位置であり、この場合も、この光学基準点の位置(測定基準面)が、測定開口113の入口位置つまり溝部の底面の位置にくるように設定されている。同図に示すように、曲面試料CSについては、該曲面試料CSを突起部131の角部に接触させて潜り込ませて測定を行う。一方、平面試料PSについては、突起部131の頂面に接触させるとともに、凹状部の各山部114の頂面に接触させて測定を行う、すなわち突起部131と凹状部とを用いて支持した状態で平面試料PSを測定する。このように突起部131だけでなく凹状部も利用するので、平面試料PSをより安定して支持することができ、ひいては測定精度を向上することができる。ただしこれに限定されず、平面試料PSの測定時に凹状部(各山部114)のみで支持する、つまり平面試料PSの測定時、突起部131の頂面は接触しない構成としてもよい。
この図9における凹状部及び突起部131のより具体的な構成は、図10に示すものとなる。すなわち、図7に示すものと同様、測定開口113の周辺位置(水平な試料対向枠部112の4つ角部)に4つの山部114(合成樹脂)を備えるように凹状部が形成されており、また、測定開口113の周辺における該測定開口113と各山部114との間に突起部131が設けられている。ここでは、3つの突起部131が測定開口113の周囲に略正三角形状に配置されており、突起部131全体或いは突起部131の先端部が上記弾性部材となっている。曲面試料CSの測定時にはこの3つの突起部131の角部或い頂面に接触した状態で曲面試料CSの位置決めがなされる。平面試料PSの測定時にはこの4つの山部114の頂面に接触した状態で平面試料PSの位置決めがなされる。このように、曲面試料CSと平面試料PSとの潜り込み量を決定するために使用するものを、それぞれ突起部131と凹状部(山部114)とで使い分けるようにしてもよい。
<変形態様4>
なお、この変形態様3に対する更なる変形態様として、図10に示す突起部131を、測定安定足として用いる構成としてもよい。すなわち、曲面試料CS及び平面試料PSいずれの場合も凹状部(山部114)によって位置決めを行うようにし(曲面試料CSの場合は潜り込み量を決定する)、さらには例えば上記ゴム或いはウレタン等(これらを纏めてゴム状部材と表現する)の伸縮性(可撓性)を有した柔らかい且つ摩擦力の大きい部材からなる測定安定足を設けることで、曲面試料CS及び平面試料PSの位置決めを安定させるようにしてもよい。具体的には、当該曲面試料CSを測定するときは、各山部114の測定開口113に近い側の符号115で示す4箇所(角部)と曲面試料CSとが接触する。このとき3つの測定安定足は、曲面試料CSに押されて縮んだ状態(押されて縮むことにより逆に曲面試料CSに対して付勢力を有した状態)、つまり曲面試料CSを押圧して謂わばグリップが効いた滑りにくい状態となっている。一方、平面試料PSを測定する場合は、平面試料PSが全ての山部114の頂面と面接触しており、3つの測定安定足が縮んで同様に平面試料PSを押圧してグリップが効いた状態となる。このように測定安定足を設ける構成とすることで、曲面試料CS及び平面試料PS測定時の位置決めを安定させる(測定時の手振れ等による傾きを抑える)ことができ、測定安定性、ひいては測定精度を向上させることができる。
上記突起部131(或いは測定安定足)の個数については、球面、シリンドリカル面、自由曲面など種々の形状の試料に対して安定して位置決め(保持)できることから3つが望ましい。ただし、突起部131(測定安定足)が4つある場合のこれら4点を結んで得られる面積は(図11参照)、3つの場合の同面積(図12参照)よりも大きくなるので、測定試料が例えば上記曲面試料CS(球面)に限定されるような限られた範囲では、この4点とした場合の方が高い安定性が得られることもある(この場合は4つの方が望ましい)。
なお、上述の図6、図8、図9に示す場合のように、試料対向枠部に凹状部を設けたり、突起部(測定安定足)を設けた場合、小さな平面試料PS2を測定する際には、図13に示すように、本来の平面試料PSの測定位置(図中に示す「平面試料測定面」の位置)よりも奥側の位置(潜り込んだ位置)、すなわち図13では測定基準面の位置に配置されることになる。しかしながら、この小さな平面試料PS2の場合でも、大きな平面試料PSの場合でも、試料面への入射角はθであり同じである。つまり本実施形態の構成においては、曲面試料だけでなく、平面試料もその大きさの制約を受けず、誤差の少ない測定を行うことが可能となる。ただし、この小さな平面試料PS2を測定開口から装置内に入ってしまわないよう上記位置に配置させるためには、少なくとも図13に示す符号H又は符号hで示す部分、すなわち凹状部のみが設けられた場合の左右の山部114と測定開口113(104)との間の試料対向枠部の部分(測定開口周縁部)、或いは左右の突起部131(121)と測定開口113との間の試料対向枠部の部分が必要となる。この符号H又は符号hで示す部分に平面試料PS2の両端部が謂わば架かった状態で配置される。
<変形形態5>
また、図1、図6、図8及び図9に示す本発明の実施形態に係る光学特性測定装置1、1a、1b、1cの例に代えて、例えば、照明光の入射角θを45゜に設定し、受光系の位置を光学基準点における法線上に配置した、照明光学系及び受光光学系を備えた光学特性測定装置においても、本発明の適用が可能である。すなわち、代表として、図1に示す例について説明すると、θ=45゜で受光光学系は、光学基準点における法線上(n−oライン上)に配置されることになる。試料面を45゜の角度で照明した場合、曲面試料CSでは光学基準点(頭頂点位置D点)で反射、拡散した法線方向への光を受光し、平面試料では、E点で反射、拡散した法線方向の光を受光することになり、例えば、正反射方向の光を受光するような光沢計と同様の効果が得られる。なお、照明光学系の照明角、受光光学系の受光角は、上記説明に記載された角度に限定されるものではない。
以上のように本実施形態の光学特性測定装置1(1a、1b、1c)によれば、光学特性測定装置1が、平面試料(平面試料PS)又は所定の曲率を有する曲面試料(曲面試料CS)の試料面を照明する照明光学系(照明系;光源2、第1開口板3及び照明レンズ4)と、照明による試料面からの反射光を受光する受光光学系(受光系;受光レンズ5、第2開口板6及び受光センサ7)と、照明光学系及び受光光学系を内蔵する筐体(筐体10であって、測定時に該筐体における試料との対向部位(試料対向枠部103、112)に試料面が外側から接触する筐体とを備えたものとされ、曲面試料の頭頂位置(頭頂部、頭頂点)が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、照明光学系は、対向部位の開口部(測定開口101;104、111、113、591)において曲面試料の頭頂位置を所定の角度(例えば入射角θ)で照明し、受光光学系は、この照明による頭頂位置から所定の角度方向の光を受光することが可能に構成されている。
このように、曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体10内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、照明光学系によって曲面試料の頭頂位置が所定の角度で照明され、この頭頂位置から所定の角度方向の光、例えば正反射方向の光が受光光学系によって受光される構成であるので、手振れ等の発生を防止することができつまり安定した状態(装置に対する試料のぐらつきが無い状態)で試料測定を行うことが可能となる。また、曲面試料の頭頂位置(試料面)を照明する場合と平面試料の試料面を照明する場合とにおいて、照明光の試料面法線(試料面法線n)に対する入射角(又は正反射角)を等しくすることができ、当該頭頂位置が照明される曲面試料よりも曲率が小さな(半径が大きな;R200)曲面試料(曲面試料CS2)の場合も同等の(略同じ)入射角にすることができる。すなわち曲面試料を測定する場合と平面試料を測定する場合とにおいて当該入射角の変化を抑えることが可能となり、測定位置の高さ変動(例えば図1のD点、E点、F点の高さ位置の違い)による誤差(曲面起因の誤差)の発生を防止することができる。これらのことから、ひいては試料の光沢等の表面特性測定における測定精度を高めることができる。
また、上記構成において、筐体の対向部位が、頭頂位置を測定における基準点(光学基準点)とする場合の該基準点を含む測定基準面と平面試料の試料面とが平行となるように該試料面が外側から接触可能に構成されているので、曲面試料及び平面試料それぞれを測定するための専用の構成を備えることなく、上述のように入射角の変化を抑えて測定位置の高さ変動による誤差の発生を防止しながら、曲面試料と平面試料との測定を行うことが可能な構成を容易に実現することができる。
また、上記構成において、対向部位が、該対向部位の外壁が試料に対して凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に開口部が形成され、曲面試料が凹状部の山(例えば山部Y1、Y2、Y3)の周縁(例えば図7の符号105や符号107で示す点の位置)に接触する位置まで外側から開口部側へ押し込まれた(潜り込んだ)状態で頭頂位置が照明される構成とされているので(上記変形態様1の場合;図6参照)、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を、凹状部といった簡易な構成で実現することができる。また、開口部内に曲面試料を押し込む場合のように押し込み量(頭頂位置の、平面試料の試料面からの距離の設定)が直接開口部に影響される(開口部の開口サイズを小さくしようとしても、或いは開口形状を防塵性の高い形状にしようとしても、所要の押し込み量を得るためににこれを行うことができない)ことがないため、当該押し込み量に依らず開口サイズを小さくする或いは開口形状を好適なものにすることができ、防塵性を高めることができる。なお、当該凹状部を備えた構成により、平面試料が小さい場合であったとしても、この小さい平面試料を凹状部の谷の位置(図7の符号Tで示す溝部)に配置して曲面試料或いは大きな(通常の)平面試料を測定する場合と同じ入射角となるようにして測定することが可能となる、すなわちサイズに依らず平面試料を精度良く測定することが可能となる。
また、上記構成において、凹状部の山の頂面が平面にされており、該山の頂面と平面試料の試料面とが面接触するので、上述したように曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を凹状部を用いて実現しつつ、同じこの凹状部を利用して、試料面が測定基準面と平行となるように平面試料を配置した状態で該平面試料の測定を行うことが可能となる。すなわち、山の頂面が平面とされた凹状部という簡易な構成を用いて曲面試料及び平面試料の両方の測定が可能となる。
また、上記構成において、対向部位が、曲面試料が開口部(図1の測定開口101)の周縁(例えば符号201で示す点)に接触する位置まで外側から該開口部内に押し込まれた状態で頭頂位置(D点)が照明される構成とされるので、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を、単に対向部位の開口部を利用した簡易な構成で実現することができる。
また、上記構成において、対向部位の外壁面が平面とされており、該外壁面と平面試料の試料面とが面接触するので、上述したように曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を対向部位の開口部を用いて実現しつつ、外壁面が平面にされている対向部位を利用して、試料面が測定基準面と平行となるように平面試料を配置した状態で該平面試料の測定を行うことが可能となる。すなわち、外壁面が平面にされている対向部位(開口部が形成されている対向部位)という簡易な構成を用いて曲面試料及び平面試料の両方の測定が可能となる。
また、上記構成において、対向部位が、該対向部位の外壁における開口部を囲む周辺位置に突起部(図8の突起部121)が設けられ、曲面試料が突起部の周縁(例えば符号122で示す点)に接触する位置まで外側から開口部側へ押し込まれた状態で頭頂位置が照明される構成とされているので(上記変形態様2の場合)、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を、この突起部といった簡易な構成で実現することができる。また、上記凹状部を設ける場合と同様、曲面試料の押し込み量に依らず開口部(測定開口111)の開口形状及び開口サイズを自由に設定することができ、防塵性を高めることができる。なお、当該開口部を囲む周辺位置に突起部を備えた構成により、平面試料が小さい場合(図13に示す平面試料PS2参照)であったとしても、この小さい平面試料を突起部の間の位置に配置して曲面試料或いは大きな(通常の)平面試料を測定する場合と同じ入射角となるようにして測定することが可能となる、すなわちサイズに依らず平面試料を精度良く測定することが可能となる。
また、上記構成において、突起部の頂面が平面とされており、該突起部の頂面と平面試料の試料面とが面接触するので、上述したように曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態を得る構成を突起部を用いて実現しつつ、同じこの突起部を利用して、試料面が測定基準面と平行となるように平面試料を配置した状態で該平面試料の測定を行うことが可能となる。すなわち、頂面が平面とされた突起部という簡易な構成を用いて曲面試料及び平面試料の両方の測定が可能となる。
また、上記構成において、対向部位が、該対向部位の外壁が山の頂面が平面である凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に開口部及び突起部が配置された構成とされ、当該山及び突起部の頂面と平面試料の試料面とが面接触するので(上記変形態様3の場合;図9参照)、曲面試料を測定する際には、突起部(突起部131)を用いて、上記曲面試料の頭頂位置が平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態にして測定し、平面試料を測定する際には、凹状部の山(山部114)の頂面及び突起部(突起部131)の頂面と平面試料の試料面とを面接触させた状態(突起部だけでは平面試料がぐらつく可能性があるため、この突起部と併せて謂わば補助的に凹状部を用いて平面試料を安定させた状態)で安定的に測定するといったことが可能となる。
また、上記構成において、対向部位が、該対向部位の外壁における開口部を囲む周辺位置で且つ凹状部の谷の位置に弾性を有する複数の突起部が設けられているので(上記変形態様4の場合;図10において突起部131を測定安定足として用いる場合)、曲面試料の測定をこの凹状部を用いて行うつまり曲面試料が凹状部の山の周縁に接触する位置まで外側から開口部側へ押し込んだ状態で測定するとともに、この状態の曲面試料を、当該弾性を有するつまり曲面試料に押下されて縮んで逆に曲面試料を押し返した状態にすることのできる複数の突起でさらに支持することができるため、測定時に曲面試料がぐらつかないよう一層安定させる(位置決めする;上記入射角の変化を抑える)ことが可能となり(平面試料も同様にぐらつかないよう一層安定させることができる)、ひいてはより精度度良く測定を行うことが可能となる。
また、上記構成において、突起部がゴム状部材からなるので、上記弾性を有する突起部をこのゴム状部材を用いて容易に実現できる、すなわち上記図8や図9に示す突起部によって試料表面が傷つかないようにする、或いは突起部を測定安定足として用いる場合の伸縮性(柔軟性)を得ることができる。また、当該ゴム状部材によってグリップ力(摩擦力)の高い支持、つまり測定時に曲面試料(平面試料)が滑らないようにして一層安定した位置決め(測定)が可能となる。
さらに、上記構成において、突起部の個数は3個又は4個とされるので、3個の場合は、球面、シリンドリカル面、自由曲面など種々の形状の試料に対して安定的に支持することが可能となり、一方、4個の場合は、当該4個という必要最小限の個数で(3個で支持する場合よりも)高い安定性が得られる。
本発明の一実施形態に係る光学特性測定装置の一例を示す構成図である。 R100の曲面試料CSの頭頂位置を光学基準点にした場合における「試料半径と曲面試料測定誤差との関係」を示すグラフ図である。 R200の曲面試料CSの頭頂部位置を光学基準点にした場合における「試料半径と曲面試料測定誤差との関係」を示すグラフ図である。 投光による曲面試料表面の照明位置による、誤差のプラス、マイナスについて説明するための模式図である。 曲面試料の潜り込み量の、測定開口を利用する場合と凹状部(突起部)を利用する場合との違いを説明するための模式図である。 図5に示す凹状部を利用する場合の試料対向枠部の具体的な構成例を示す図である。 上記凹状部の実際の構成例を示す図である。 図5に示す突起部を利用する場合の試料対向枠部の具体的な構成を示す図である。 試料対向枠部の構成の一変形例であって、試料対向枠部に突起部と凹状部とを備える場合の構成例を示す図である。 試料対向枠部に突起部と凹状部とを備える場合の実際の構成例を示す図である。 突起部の個数(3個又は4個)の違いによる効果を説明するための模式図である。 突起部の個数(3個又は4個)の違いによる効果を説明するための模式図である。 通常の平面試料よりも小さな平面試料を測定する場合の様子を説明するための図である。 本実施形態における光学特性測定装置の実際の構成の一例を示す図である。 従来の光学特性測定装置における曲面試料と平面試料との測定時の入射角の違いについて説明するための図である。 従来の光学特性測定装置における曲面試料と平面試料との測定時の誤差の違いについて説明するためのグラフ図である。 従来の光学特性測定装置における不安定な状態での測定が行われる場合を説明するための図である。 従来の光学特性測定装置の構成を示す図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c 光学特性測定装置
2 光源
2a 平行光束
3 第1開口板
4 照明レンズ
5 受光レンズ
6 第2開口板
7 受光センサ
10 筐体
103、112 試料対向枠部
101、104、111、113 測定開口
106 頂面
121、131 突起部
500 筐
510 光源
520 照明径規制スリット
530 照明レンズ
540 角度規制スリット
550 コリメータレンズ
560 受光レンズ
570 フィルタ
580 受光センサ
590 試料対向枠部
591 測定開口
592 山部
n 試料面法線
D、G 光学基準点
Y1、Y2、Y3、114 山部
CS 曲面試料
PS 平面試料
θ 入射角

Claims (13)

  1. 平面試料又は所定の曲率を有する曲面試料の試料面を照明する照明光学系と、
    前記照明による前記試料面からの反射光を受光する受光光学系と、
    前記照明光学系及び受光光学系を内蔵する筐体であって、測定時に該筐体における試料との対向部位に前記試料面が外側から接触する筐体とを備え、
    前記曲面試料の頭頂位置が前記平面試料の試料面の位置よりも筐体内側に配置されて且つ前記対向部位に該曲面試料の試料面が接触して位置固定された状態において、
    前記照明光学系は、前記対向部位の開口部において前記頭頂位置を所定の角度で照明し、前記受光光学系は、前記照明による前記頭頂位置から所定の角度方向の光を受光することが可能に構成されていることを特徴とする光学特性測定装置。
  2. 前記筐体は、
    前記対向部位が、前記頭頂位置を測定における基準点とする場合の該基準点を含む測定基準面と前記平面試料の試料面とが平行となるように該試料面が前記外側から接触可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学特性測定装置。
  3. 前記対向部位は、
    該対向部位の外壁が試料に対して凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に前記開口部が形成されており、
    前記曲面試料が前記凹状部の山の周縁に接触する位置まで前記外側から開口部側へ押し込まれた状態で前記頭頂位置が照明される構成とされていることを特徴とする請求項2に記載の光学特性測定装置。
  4. 前記凹状部の山の頂面は平面にされており、該山の頂面と前記平面試料の試料面とが面接触することを特徴とする請求項3に記載の光学特性測定装置。
  5. 前記対向部位は、
    前記曲面試料が前記開口部の周縁に接触する位置まで前記外側から該開口部内に押し込まれた状態で前記頭頂位置が照明される構成とされていることを特徴とする請求項2に記載の光学特性測定装置。
  6. 前記対向部位の外壁面は平面とされており、該外壁面と前記平面試料の試料面とが面接触することを特徴とする請求項5に記載の光学特性測定装置。
  7. 前記対向部位は、
    該対向部位の外壁における前記開口部を囲む周辺位置に突起部が設けられており、
    前記曲面試料が前記突起部の周縁に接触する位置まで前記外側から開口部側へ押し込まれた状態で前記頭頂位置が照明される構成とされていることを特徴とする請求項2に記載の光学特性測定装置。
  8. 前記突起部の頂面は平面とされており、該突起部の頂面と前記平面試料の試料面とが面接触することを特徴とする請求項7に記載の光学特性測定装置。
  9. 前記対向部位は、
    該対向部位の外壁が山の頂面が平面である凹状に形成されるとともに、該凹状部の谷の位置に前記開口部及び突起部が配置された構成とされ、当該山及び突起部の頂面と前記平面試料の試料面とが面接触することを特徴とする請求項8に記載の光学特性測定装置。
  10. 前記対向部位は、
    該対向部位の外壁における前記開口部を囲む周辺位置で且つ前記凹状部の谷の位置に弾性を有する複数の突起部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光学特性測定装置。
  11. 前記突起部はゴム状部材からなることを特徴とする請求項8又は請求項10に記載の光学特性測定装置。
  12. 前記突起部の個数は、3個又は4個であることを特徴とする請求項7又は請求項10に記載の光学特性測定装置。
  13. 前記所定の角度方向の光は、正反射方向の光であることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の光学特性測定装置。
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