JP2009077898A - 連結部材を備える時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の時計は、ムーブメント100が設けられるケース本体11、および裏蓋12を有する外装ケース10と、裏蓋12に対向した状態で外装ケース10の一部に着脱可能に固定される連結部材20と、連結部材20を介して外装ケース10に連結されるバンド部材30と、を備える。
【選択図】図8
Description
また、環状またはC字状に形成されたバングルと呼ばれるバンドの場合(例えば特許文献3)、胴の側面にバンドの端部がろう付けなどによって接合されているものが多い。
すなわち、バンドとケースとは直接連結されることが多く、バンドは胴の側面から突出するように設けられていた。
ここで、特許文献3のようなバングル時計の場合、ケースの連結部とバンド(バングル)の端部とが曲線などで構成された連続した形状となるようにケースとバンドとを連結することが意匠上好ましい場合があるが、ケースにおけるバンドの連結位置によっては、この連結部分の設計および製造が難しくなることが考えられる。例えば、ケースの裏蓋に近い位置にバンドを連結しようとすると、裏蓋の開閉がしずらくなったり、できなくなったりする虞がある。
ここで、裏蓋そのものをケースとバンドとの連結部材とすることによってケースとバンドとを連続した形状とすることも考えられるが、衝撃時に裏蓋に負荷が掛かり、バンドが裏蓋から離脱するなどの虞がある。このため、裏蓋の固定構造が制限されてしまう。
ここで、ケース本体とバンドとが連結部材を介して連結されることにより、ケースがバンド径に対してかなり大径であったとしてもケース本体とバンドとを連続した形状にできる。
そのうえ、ケース本体やバンドの形状が変わった場合に、ケース本体がバンドに直接連結される構造ではケース本体における連結部やバンドの端部の形状を変更する必要があるのに対して、本発明では連結部材の形状を変更すればよいことから、モデル展開を促進できる。
さらには、ケース本体にバンドの固定部を形成するよりも連結部材にバンドの固定部を形成する方が容易なため、バンドの取付を容易にできる。
また、前述のように衝撃の際に裏蓋が外れにくいため、固定力が比較的弱いダボ固定構造を採用することによって本発明の効果を大きくできる。
なお、バンドおよび連結部材の断面形状は、円形、楕円形、多角形など適宜決められる。
そのうえ、突出部同士が固定された状態において連結部材の突出部が裏蓋に近接するため、耐衝撃性を向上させることができる。
また仮に、バンドの端部に凹部が形成され、連結部材におけるバンド側の端部に凸部が形成されている場合、バンドと連結部材との固定部材がバンドの仕上げ後の表面に露出してしまうが、本発明のようにバンドの端部に凸部、連結部材におけるバンド側の端部に凹部が形成されることにより、仕上げ後のバンド表面に固定部材が露出しない。これにより、バンド表面の仕上げ後にバンドと連結部材とを固定することが可能となるので、作業性が良くなる。
本実施形態の時計のバンドは、バンド部材30とパーツ35とを有して全体として略環状に構成されたバングルタイプとされ、腕の周りにほぼ沿って湾曲している。
外装ケース10および連結部材20は、バンド部材30の湾曲形状に連続して湾曲している。これらのケース本体11および連結部材20の湾曲方向を図2にRで示す。
芯材31は、長さ方向にC字状に湾曲して形成されている。芯材31の一端部には連結部材20に固定される直方体状の凸部311が形成され、芯材31の他端部にはパーツ35取付用の孔312が形成されている。この芯材31の内周部には、周方向に沿って溝310が形成されている。
凸部311には、図示しないばね棒が挿通される孔311Aが形成されている。
表皮材32の端縁部同士は、芯材31の溝310に対応する位置で、絹、綿、樹脂繊維などの適宜の材質から形成された糸34によって縫い合わせられている。
外装ケース10は、図8に示すように、時計体としてのムーブメント100が設けられるケース本体11と、裏蓋12と、風防ガラス13とを有している。風防ガラス13はケース本体11の開口部に直接接着されている。
ここで、ムーブメント100は、文字板101および指針102を有する時刻表示部と裏蓋12とを結ぶムーブメント100の軸方向Sがケース本体11の湾曲方向R(図2)に対して交差した向きとなるようにケース本体11に設けられている。
なお、ケース本体11の内側には、図8に示すように文字板101の外周縁部を隠す見切り115が設けられている。
ケース本体突出部111における12時側の部分は3時側および9時側の部分に比べて高くなっており、この12時側の部分には裏蓋12と交差する方向に沿って2つのねじ孔111Aが形成されている。また、ケース本体突出部111における3時方向および9時方向のそれぞれの近傍の位置には、裏蓋12に沿った方向にねじが挿通される孔111Bが形成されている。
また、ケース本体11における6時方向の部分には、裏蓋12の外周部の一部が挿入される切欠113が形成されている。
また、裏蓋本体121の裏側には、図8のIX-IX線断面図である図9に示すように、ケース本体11の開口部114に嵌合するダボ123が形成されている。このダボ123は、裏蓋本体121の外周縁部に沿って、6時方向と12時方向とを除いた部分に形成されている。ケース本体11の開口部114と裏蓋本体121との間にはリング状のゴム製パッキン124が介装されている。
連結部材20の上面部20Aには、ケース本体突出部111の内側に挿入された状態で裏蓋12に対向する直方体状の連結部材突出部21が形成されている。この連結部材突出部21と裏蓋12とは、図8、図9に示すように隙間Aを挟んで近接する。
連結部材突出部21には、図10に示すように軽量化用の孔210が形成されているとともに、ケース本体突出部111に形成された各孔111B(図7)にそれぞれ対応するねじ孔である第1固定孔211が形成されている。この第1固定孔211にはそれぞれ、図8のXI-XI線断面図である図11に示すように、固定部材としてのねじ25が孔111Bを介して挿入される。
また、連結部材20の下端部20Bには、図8に示すように、バンド部材30側から外装ケース10側に向かって窪む凹部22が形成されている。
凹部22の内周部には、段差22Aが設けられており、凹部22における段差22Aの位置までバンド部材30の凸部311(図3)が挿入される。凹部22におけるバンド部材30の孔311A(図4)の両端側にそれぞれ対応する位置には、バンド固定孔231が形成されている。
そして凹部22の底部22Bには、上面部20Aまで貫通する2つの第2固定孔232が形成されている。これらの第2固定孔232にはそれぞれ、固定部材としてのねじ26が挿通される。
(1)連結部材20が外装ケース10とバンド部材30との間に介在するので、外装ケース10とバンド部材30とが連続的な形状に連結されていても外装ケース10の裏蓋12近傍はそれほど細くならない。すなわち、外装ケース10と連結部材20とを連続した形状に連結しつつ、連結部材20が外装ケース10から取り外された状態において治具により裏蓋12を容易に開閉できる。
また、裏蓋12が省スペースなダボ固定構造とされているため、ケース本体11が大径化しない。このため、ケース本体11からバンド部材30にかけて連続した形状とすることを容易にできる。
そのうえ、これらの連結部材突出部21とケース本体突出部111とが固定された状態において連結部材突出部21が裏蓋12に近接するため、耐衝撃性を向上させることができる。
本発明は前記実施形態には限定されず、本発明の課題を解決しうる範囲で各種の改良および変形が可能である。
前記実施形態では、図11のように2本のねじ25によって連結部材20とケース本体11とが固定されていたが、連結部材20とケース本体11との固定部材はねじに限らない。例えば、図12のようにケース本体11と連結部材20とに形成された貫通孔40に設けられるピン41および断面C字状のパイプ42とによって連結部材20とケース本体11とが固定されていてもよい。パイプ42は貫通孔40におけるケース本体11の一端部に配置されており、このパイプ42内にピン41が圧入されることにより、ピン41およびパイプ42が貫通孔40内に固定される。
また、図13のように連結部材20とケース本体11とがねじピン43によって固定されていてもよい。
また、裏蓋がねじによってケース本体に固定される構造としてもよい。この場合、ねじを立てるスペースの分、ケース本体が大径となるが、連結部材を適宜な長さとして外装ケース側からバンド側に縮径した形状とすることにより、外装ケースからバンドまでスムースに連続した形状とすることが可能となる。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (8)
- 時計体が設けられるケース本体、および裏蓋を有する外装ケースと、
前記裏蓋に対向した状態で前記外装ケースに着脱可能に固定される連結部材と、
前記連結部材を介して前記外装ケースに連結されるバンドと、を備える
ことを特徴とする時計。 - 請求項1に記載の時計において、
前記裏蓋は、前記ケース本体の開口部に嵌合するダボを有する
ことを特徴とする時計。 - 請求項1または2に記載の時計において、
前記バンドは、腕の周りにほぼ沿って湾曲し、
前記ケース本体および前記連結部材は、前記バンドの湾曲形状に連続して湾曲している
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から3のいずれかに記載の時計において、
前記連結部材は、前記外装ケース側から前記バンド側に向かって次第に縮径している
ことを特徴とする時計。 - 請求項3または4に記載の時計において、
前記時計体が有する時刻表示部と前記裏蓋とを結ぶ前記時計体の軸方向は、前記ケース本体の湾曲方向に対して交差している
ことを特徴とする時計。 - 請求項3から5のいずれかに記載の時計において、
前記裏蓋は、前記ケース本体の開口部に嵌合するダボを有し、
前記裏蓋の外周部の一部は、前記ケース本体の湾曲形状における内周側で前記ケース本体から露出している
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から6のいずれかに記載の時計において、
前記連結部材には、前記裏蓋に向かって突出する突出部が形成され、
前記ケース本体における前記裏蓋の周りの少なくとも一部には、前記連結部材に向かって突出する突出部が形成され、
前記連結部材と前記ケース本体とは、前記裏蓋にほぼ沿った方向において前記連結部材の突出部と前記ケース本体の突出部とに挿入される固定部材によって固定されている
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から7のいずれかに記載の時計において、
前記連結部材における前記バンド側の端部には、前記バンドの端部に形成された凸部が挿入される凹部が形成され、
前記連結部材と前記ケース本体とは、前記凹部の底部から前記ケース本体に向かって挿入される固定部材によって固定され、
前記連結部材と前記バンドとは、前記凹部に前記凸部が挿入された状態で前記連結部材と前記凸部とに挿入される固定部材によって固定されている
ことを特徴とする時計。
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