JP2009076870A - 電気的バイパス要素を用いて電気的スキューの低減したプラズマリアクタ - Google Patents

電気的バイパス要素を用いて電気的スキューの低減したプラズマリアクタ Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ均一性を改善したプラズマリアクタを提供する。
【解決手段】RF接地リターン電流は、バイパス電流路を提供することにより、リアクタチャンバの非対称なフィーチャーからは迂回されている。1つのバイパス電流路は、チャンバ床のポンピングポート162を排除するものであり、側壁から接地台座ベースまで延在する導電性の対称グリル200を含んでいる。他のバイパス電流路は、ウェハスリットバルブを排除するものであり、スリットバルブ128の占める側壁部分を橋架けする列をなす導電性ストラップを含んでいる。
【選択図】図1

Description

開示内容は、プラズマリアクタ、特に、半導体ウェハのようなワークピースの処理用のプラズマリアクタに関する。
背景
プラズマリアクタは、例えば、プラズマエッチングプロセス、プラズマ堆積プロセス及びプラズマ浸漬イオン注入等の様々なプラズマプロセスにおける半導体ウェハ等のワークピースの処理に用いられている。半導体装置フィーチャーサイズを減じるには、プラズマリアクタ及びプロセスを改善して、プラズマ処理結果における不均一性を減じる必要がある。例えば、プラズマエッチングプロセスにおいては、ウェハ全体のエッチングレートの半径方向分布は、約5%未満まで良好に減じている。装置フィーチャーサイズは、45nm、更に32nmまで収縮し続けており、プラズマ均一性の更なる改善が望まれている。
概要
本発明の実施形態は、プラズマ均一性の増大した、半導体ワークピース(例えば、ウェハ)を処理するのに用いることのできる装置及び方法に関する。一態様において、プラズマリアクタが、ワークピースの処理のために提供される。リアクタは、円筒形側壁、天井及び床を有する真空チャンバを含む。チャンバのワークピースサポート台座は、台座と側壁の間でポンピングアニュラスを画定しており、ワークピースサポート台座は、床に近接する接地表面を有している。RF電力印加装置は、RF電力を、天井と台座の間で画定されたプロセスゾーンへ結合している。真空ポンプは、床を通してポンピングポートを通してチャンバに結合されている。リアクタは、台座の接地表面と床の間に誘電体要素を更に含む。リアクタはまた、グリルから床までの間隙をあけて、床の上に配置されたポンピングアニュラスに環形導電性グリルも有する。グリルは、側壁から台座の接地表面まで均一な電流路を提供する。グリルは、通常、チャンバの対称軸に対して対称である。
一実施形態において、リアクタは、円筒形側壁の周囲部分を通るスリットバルブ開口部を更に含み、スリットバルブは、円筒形側壁の環形部分内に軸方向に制限されている。少なくとも第1の誘電体リングが、側壁の環形部分の軸方向境界近傍の円筒形側壁に配置されている。列をなす導電性ストラップが、円筒形側壁の環形部分をバイパスする軸方向電流流路を提供する。導電性ストラップは夫々、一対の端部を有し、一方の端部は、環形部分の上の側壁に電気的に接続されており、他方の端部は、環形部分の下の側壁に電気的に接続されている。一実施形態において、ストラップはスリットバルブ開口部へのアクセスを妨げないように迂回されている。
一実施形態において、第2の誘電体リングは、円筒形側壁に配置されており、第1の誘電体リングは、側壁の環形部分の上部軸方向境界に近接しており、第2の誘電体リングは、側壁の環形部分の下部軸方向境界に近接している。更なる実施形態において、ストラップは、均一な間隔で、側壁周囲に周期的に間隔をあけており、ストラップは、均一なインダクタンスをRF電流に与えるように構成されている。スリットバルブに近接するストラップは、スリットバルブの周囲を迂回するだけの十分な長さがあり、残りのストラップはこれより短い長さである。
詳細な説明
プラズマリアクタの電界における周方向スキューは、プラズマプロセス不均一性を3%未満に減少させる制限因子である可能性があることを知見した。このような周方向スキューは、プラズマリアクタそのものの非対称なフィーチャーに起因する。これら非対称なフィーチャーによって、チャンバ壁と床を通るRF接地リターン電流に不均一性が形成される。このような不均一性は、ウェハ表面の電界分布に反映されて、プロセス不均一性に寄与する。例えば、あるリアクタチャンバにおいては、通常、ポンピングアニュラスの床にある円形開口部であるポンピングポートを通して、そのポンピングアニュラスの下部で、チャンバを排気する。他の例を挙げると、あるリアクタチャンバにおいては、ウェハスリットバルブが提供され、円筒形チャンバ側壁のウェハスリットバルブは、円筒形側壁周囲の約四分の一にわたって延在している。これらのフィーチャーによって、チャンバの導電性床及び壁に不連続性が生じ、RF接地リターン電流を進めて、不均一に分配し、これによって、ウェハ表面で電界に周方向スキューが生じる。これらのスキューは、ウェハのプラズマ処理結果において1%〜2%の不均一性を示す。
本発明の実施形態は、電流路を提供することに関し、一実施形態においては、RF接地リターン電流は、バイパス電流路を提供することにより、リアクタチャンバの非対称なフィーチャーから迂回される。あるバイパス電流路は、チャンバ床のポンピングポートを避け、側壁から接地台座基部まで延在する導電性対称グリルを含む。他のバイパス電流路は、ウェハスリットバルブを避け、スリットバルブの占める側壁の部分を橋架けする列をなす導電性ストラップを含む。
図1を参照すると、プラズマリアクタは、円筒形側壁102、天井104及び床106により囲まれたチャンバ100を有する。ウェハサポート台座108は、床を貫くように延在しており、上昇機構110により、垂直軸に沿って動かすことができる。オーバーヘッドRF電力印加装置は、RF電力をチャンバ100の内側に結合する。図1の実施例において、オーバーヘッドRF電力印加装置は、天井104にある電極112である。電極112は、誘電体リング113により天井104からは電気的に絶縁されている。他の実施形態において、オーバーヘッドRF電極印加装置は、天井を覆う、又は側壁102周囲に配置されたコイルアンテナ(図示せず)である。ウェハサポート台座108は、カソード電極116を囲む上部誘電体部分114と、RF接地に接続された下部導電性基部118とを有していてよい。RFプラズマ電力は、RFインピーダンス整合120を通して、RFジェネレータ119からオーバーヘッド電極112に印加される。RFインピーダンス整合120は、同軸チューニングスタブ(図示せず)であってよい。オーバーヘッド電極112に対するRF供給構造は、同軸であってよく、中空円形中心導体124と、内側導体124と同軸の中空円形外側導体126とを含む。中空中心導体124は、オーバーヘッド電極112及びインピーダンス整合120のRFホット出力に接続されている。外側導体は、RF接地及び天井の接地部分に接続されている。同軸供給構造124及び126は、同軸チューニングスタブと一体化されていてもよい。ウェハの出入りを促すスリットバルブ128は、側壁102を通した浅い開口部として形成されており、図2の平面図に図示する通り、開口部は、側壁102の周囲の約四分の一にわたって延在している。RF電力は、RFインピーダンス整合42を通してRFジェネレータ40からカソード電極116に結合されている。チャンバ100は、チャンバ床のポンピングポート162を通して、真空ポンプ160により排気される。ポンピングアニュラス163は、ウェハサポート台座108と側壁102の間で画定されている。
一実施形態において、オーバーヘッド電極112への全ての設備ラインは、導電性円筒形中空缶130で囲まれており、冷却剤入口ライン132、冷却剤出口ライン134、センサ137(光学発光分光センサ)に結合された光学センサライン136及びプロセスガス供給ライン138を含む。図1に示す実施形態において、オーバーヘッド電極112はまた、複数のガス注入オリフィス112aと内側プロセスガスマニホルド112bを含むガス分配シャワーヘッドでもある。ガス供給ライン138は、内側ガスマニホルド112bに結合されている。オーバーヘッド電極112は、内側冷却剤ジャケット(図示せず)を有することができ、そこでは、冷却剤が入口132から循環して、出口134に戻る。図1に示す実施形態において、全ての設備ライン132、134、136、138は、缶130の内側でもあり、中心同軸導体124内側でもある。
プラズマ処理中、オーバーヘッド電極/シャワーヘッド112により注入されたプロセスガスは、チャンバ100に結合されたRF電力によりイオン化されて、天井電極112とウェハサポート108の間の処理ゾーンにプラズマを形成する。プラズマからのRF電力は、プラズマから側壁102及び上部電極112まで流されることにより接地に戻る。電流は、側壁102へ、側壁102の表面に沿って、床106周囲に下方に、更に、床106に沿って、ウェハサポート台座108の接地基部118まで半径方向に内側に流れる。図1及び2のリアクタは、概して、対称であって、ウェハサポート台座108周囲で均一又は対称プロセス条件を促進するが、スリットバルブ128やポンピングポート162のような特定のフィーチャーは、側壁102及び半径方向経路に沿って、床の端部からウェハサポート台座の接地基部まで、軸方向下方RF電流リターン経路において、不連続である。これによって、電界分布が不均一となり、このような不均一性は、チャンバの下部ばかりでなく、台座にサポートされるウェハ表面の電界にも影響する。このような不均一性によって、プラズマ処理結果、例えば、ウェハ表面全体のエッチングレート分布に2%の不均一性が導入される。
一実施形態において、完全に対称な(非対称の不連続性がない)隆起した導電性グリル200が、ポンピングアニュラス163に提供される。導電性グリル200は、非対称性のない変形の電流路となることにより、RF接地リターン電流路における周方向スキュー源として、ポンピングポート162の不連続性を排除することができる。導電性グリル200は、床からグリルまで間隙201をあけて床106より上にサポートされている。この間隙201は、グリル200を通してガスが流れ、間隙201内でポンピングポート162までスムーズに流れるだけの十分な長さがある。間隙201はまた、RFジェネレータ119の周波数又はRFジェネレータ40の周波数で、グリル200と床106の間の相当の容量結合を防ぐだけの十分な長さがある。
導電性グリル200は、導電性側壁102からウェハサポート台座108の接地基部108までの電気路を提供する。図2に示す通り、グリル200は、導電性スポーク210と円形導体215の均一で対称分布パターンを有するため、側壁102から接地台座基部118までの接地リターン路を提供する。これには、周方向スキュー、不均一性、非対称性はない。一実施形態において、全ての接地リターン電流が確実に導電性グリル200を通るようにするために、導電性チャンバ床106を、誘電体リング220により台座基部118から電気的に絶縁する(図1)。リング220の半径方向厚さは、RFジェネレータ119の周波数及びRFジェネレータ40の周波数で容量結合を防ぐのに十分なものとする。スポーク210のあるグリルパターン及びグリル200の導体215は、十分な空間を与えて、チャンバ100からポンプ160までのガスフロー抵抗を最小にする。具体的には、スポーク210及び円形導体215の占める水平面積対グリルの占める合計面積の比率は、グリル200を通るガスフロー抵抗を最小にするのに十分に小さい。一方で、この比率は、RF接地リターン電流のグリルパターンが、ウェハ表面(ワークピースサポート台座108の上部表面)の電界に現れないよう十分に大きい(グリル間隔は十分に小さい)。このため、スポーク210間の間隔は、ウェハサポート台座108の上部表面とグリル200の間の軸方向距離より遥かに狭い。具体的には、例えば、スポーク210間の最大間隔と、台座108の上部とグリル200の間の間隔の比率は、約3倍以上である。
他の実施形態(図3に図示)において、スリットバルブ128の上下にある上下絶縁リング240、245が、側壁102に提供されている。一実施形態において、電気的に絶縁された側壁部分102aをバイパスする電流路が、図4に図示する通り、絶縁部分102aを軸方向に横切るように接続された複数の導電性ストラップ230により提供されている。絶縁リング240、245は、接地リターン路電流分配において周方向スキューの源として、スリットバルブ128により生じる不連続性を排除することができる。導電性ストラップ230により提供される接地リターン路は、スリットバルブの占める側壁102の部分をバイパスする。このバイパス電流路は、チャンバ周囲に対称に分配されている。RF接地リターン電流は、図3に示す通り、スリットバルブ128の占める側壁102の部分102aにおいて、スリットバルブ128の側壁部分102aの夫々上下にある上部絶縁リング240と下部絶縁リング245により、流れが遮断される。誘電体リング240、245の両方がない場合でも、少なくとも1つは存在する。一実施形態において、図4に示す通り、複数の導電性ストラップ230が、側壁102周囲に均一な間隔で配置され、均一な長さ、幅及び厚さを有している。図5に示す通り、ストラップ230は、スリットバルブ128と重なるこれらのストラップ230a、230b、230c、230dは、スリットバルブ128の前を迂回する経路に設けられていて、ウェハの出入りを妨げないようになっている。変形実施形態において、ストラップは、それらの及ぶ分離された側壁部分102aの軸方向長さにより近付く対応する長さを有している。ただし、スリットバルブ128を迂回しなければならないストラップ230a〜230dは、それに対応して長くなっている。一実施形態において、ストラップの長さにおけるこのような差から生じる不均一な電流分布を排除するために、ストラップは全て、均一(又は略均一)なインダクタンスを備えている。この場合、長めのストラップ230a〜230dは、残りの(短めの)ストラップとは異なる幅及び厚さを有しており、幅と厚さの違いは、両方の長さのストラップに同じインダクタンスを与えるように選択されている。2つの異なる長さについて同じインダクタンスを得るための式(1):L=0.0002l[log(2l/(B+C))+1/2](式中、LはμHでのインダクタンスであり、lはcmでのストラップ長さであり、Bはcmでのストラップ幅であり、Cはcmでのストラップ厚さである)に制限することによりこれは達成される。
近接するストラップ230間の間隔dは、接地リターン電流路分布における不連続性を表している。一実施形態において、ストラップ間隔パターンが、ウェハサポート台座108の上部の電界と同様のパターンとならないように、ストラップ間の間隔は、スリットバルブ128の上部からウェハ台座108の上部までの距離より遥かに、例えば、約3倍短い。近接するストラップ230間の間隔は、ストラップ230の幅と周期的な間隔のストラップの数により決まる。ストラップの数は、少なくとも4であり、10以上であってもよい。ストラップの幅は、例えば、円筒形側壁102の周囲の約10分の1であってよい。
一実施形態において、絶縁部材400(図3)を側壁102に提供してもよい。絶縁部材は、本実施形態においては、スリットバルブ128を囲んでいる。絶縁部材400は、円筒形側壁の表面にボンドされた誘電体材料であってもよい。一実施形態において、絶縁部材400は、スリットバルブの占める側壁部分102aを横断する短絡を防ぐ。短絡は、例えば、スリットバルブ128が、外部ウェハ搬送チャンバ(図示せず)のポートとインタフェースする時に生じる恐れがある。
一実施形態において、図3に示す通り、高温の導電性グリル200及び周期的な間隔の列をなす導電性ストラップ230は、同じリアクタに含まれている。この組み合わせによって、ポンピングポート162とスリットバルブ128のRF接地リターン電流路不連続性に起因するワークピース電界の周方向スキューが減少又は排除される。オーバーヘッド電極112に供給された設備に起因し得るワークピース電界における他のスキュー又は不均一性は、このような設備供給ラインを全て、円筒形導電性缶130に含めることにより排除される。
他の実施形態において、図6に示す通り、導電性チャンバ側壁102の上部は、誘電体側壁部分102’に替えられる。天井104全体が、図6に示す通り、誘電体天井104’に替えられる。誘電体側壁部分102’は、天井104’から、プラズマが閉じ込められる傾向となる深さまで、下方に延在している。このフィーチャーによって、側壁102及び床106を通して流れるRF接地リターン電流を防ぐことができる。その結果、スリットバルブ128及びポンピングポート162の不連続性は、電界に影響しない。図6の実施形態において、異なる経路が、導電性環形バッフル260により、プラズマからRF接地リターン電流に提供されている。これは、ワークピースサポート台座の外側導電性ライナ265に接地されている。バッフル260は、プラズマシースと接触するレベルであり、RF接地リターン電流をプラズマから伝導することができる。ライナ265自体は、台座基部118に接地されている。バッフル260と側壁102の間の半径方向間隙270によって、台座上の処理領域からポンピングアニュラス163へガスが流れる。誘電体側壁部分102’は、チャンバの上下部分間での電流の流れを遮断するため、外側同軸導体126は、チャンバの下部、即ち、台座基部118に接地される必要がある。これは、外側同軸導体126と接地基部118の間で、同軸ケーブルの内側導体164を接続することによりなされる。
より経済的なアプローチは、図1の導電側壁102を完全に保持することであるが、図6のバッフル260を提供することもある。この組み合わせの一例を、図7及び8に図示する。バッフル260が、台座108と側壁102の間の全距離に少なくとも略及んでいる。図7のバッフル260は、ガス透過性であり、例えば、ガス透過性グリルとして形成される。或いは、バッフル260のガス透過性という特徴は、バッフル260を通して、列をなす軸方向孔を形成することによっても得られる。バッフル260のガス透過性という特徴によって、処理ゾーンからポンピングアニュラス163までガスが流れる。変形実施例において、床106は、絶縁リング220により、台座基部プレート118から電気的に絶縁されていてもよい。リング220は、図7の実施形態における任意のフィーチャーである。これは、RF接地リターン電流が、床106から台座108の接地基部118まで流れるのを防ぐ。一実施形態によれば、導電性側壁は、プラズマからバッフル260まで接地リターン電流を伝導する。このため、バッフル260は、側壁に電気的に結合されている。一実施形態において、これは、導電性側壁102からバッフル260までの低インピーダンス容量結合路により、バッフル260と側壁102の間に機械的な接触を必要とせずに達成される。このフィーチャーによって、金属間の摩擦なしに、ワークピースサポート台座108が上下に動いて、汚染を防ぐことができる。側壁102からバッフル260までの容量結合は、バッフル260の周囲端にサポートされた導電性軸方向フランジ280及び側壁102の内側表面の導電性リッジ287にサポートされた導電性軸方向フランジ285により、図7の実施形態においては実施されている。軸方向フランジ280、285は、十分に小さな空隙290を超えて互いに向き合っており、RFジェネレータ119又はRFジェネレータ40のいずれかの周波数で、非常に低いインピーダンス容量結合を与える。その結果、RF接地リターン電流は、チャンバ100内側のプラズマから側壁102まで、そして、そこからバッフル260まで、バッフルから接地台座ベース118まで流れる。リング絶縁体220は、RF接地リターン電流が、側壁102から接地台座基部118まで流れるのを防ぐ。このように、RF接地リターン電流分布は、ポンピングポート163の存在に影響されないよう、スリットバルブ128を通過して流れず、且つ、スリットバルブ128の存在に影響されないよう、ポンピングポート162を通過して流れない。
バッフル260は、スリットバルブ128の上の位置で、近い間隔のフランジ280、285を介して、側壁102に結合されている。一実施形態において、スリットバルブ128は、バッフル260のレベルの下の側壁102の一部にある。プラズマから側壁102までのRF接地リターン電流は、側壁102に沿って下方に流れるが、フランジ間の空隙290を横断して、バッフル260に引っ張られる(迂回する)ため、通常、バッフル260のレベルの下の側壁102を流れない。一実施形態において、RF接地リターン電流は、スリットバルブ128を含む側壁102の低部環形部分を流れない。その結果、バッフル260の空隙290を横断して、側壁102への結合によって、RF接地リターン電流が、スリットバルブ128に達するのを防ぐ。本実施形態によって、スリットバルブ128が、RF接地リターン電流分布に周方向スキューを形成する傾向を防ぐ又は減じる。
RF接地に周方向スキューを形成する傾向は、図9に図示する通り、スリットバルブ128の上に誘電体リング300を取り付けることによって更に抑制することができる。誘電体リング300の存在によって、側壁102に沿って下方に流れるRF接地リターン電流が、スリットバルブ128により生じる不連続性に達するのを防ぐ。誘電体リング300は、このような不連続性が、RF接地リターン電流分布に影響するのを防ぐ。スリットバルブ不連続性が、電流分布に影響するのを防ぐことによって、電界がワークピースに影響するのを防ぎ、プラズマ処理中のスキュー又は不連続性を防ぐ。
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の更なる実施形態は、その基本的範囲を逸脱することなしに創作することができ、その範囲は特許請求の範囲に基づいて定められる。
本発明の上述の実施形態が達成され、詳細に理解できるように、上に簡単に要約した本発明について、添付図面に示した実施形態を参照して、より具体的に説明する。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎないため、その範囲を限定するものとは考えられず、本発明は、その他の等しく有効な実施形態も含み得ることに留意すべきである。
隆起した導電性グリルが、プラズマリアクタチャンバの床の上に配置された実施形態を示す図である。 図1に対応する平面図である。 複数の導電性ストラップが、プラズマリアクタのスリットバルブ周囲にバイパス電流路を提供する実施形態を示す図である。 図3に対応する平面図である。 図3に対応する側面図である。 誘電体チャンバ本体と台座周囲の接地された導電性フランジを有する他の実施形態によるプラズマリアクタを示す図である。 導電性チャンバ本体と、台座にあって、側壁に電気的に結合された接地された導電性フランジとを有する更なる実施形態によるプラズマリアクタを示す図である。 図7に対応する平面図である。 誘電体リングが側壁に提供された図7の実施形態の変形例を示す図である。
理解を促すために、可能な場合は、図面で共通の同一の要素を示すのに、同一の参照番号を用いてある。図面は概略であり、縮尺は合っていない。

Claims (15)

  1. プラズマリアクタであって、
    円筒形側壁、天井及び床を有する真空チャンバと、
    前記チャンバ中のワークピースサポート台座であって、前記台座と前記側壁の間のポンピングアニュラスが画定されていて、前記床に近接する接地表面を含むワークピースサポート台座と、
    RF電力印加装置及び前記天井と前記台座の間に画定されたプロセスゾーンと、
    前記床を通るポンピングポートと、
    前記台座の前記接地表面と前記床の間の誘電体要素と、
    前記ポンピングアニュラス中で、グリルから床まで間隙をあけて前記床より上に配置された環形導電性グリルであって、前記側壁から前記台座の前記接地表面まで電流路を提供し、前記チャンバの対称軸に対して略対称であるグリルとを含むプラズマリアクタ。
  2. 前記台座が、前記床の中央開口部を通して延在しており、前記台座の前記接地表面が、前記中央開口部により画定された前記床の端部に対向する前記台座の外側円筒形表面を含む請求項1記載のリアクタ。
  3. 前記円筒形側壁の周囲部分を通るスリットバルブ開口部であって、前記円筒形側壁の環形部分内に軸方向に制限されたスリットバルブと、
    前記側壁の前記環形部分の軸方向境界に近接する前記円筒形側壁にある少なくとも1つの第1の誘電体リングと、
    前記円筒形側壁の前記環形部分をバイパスする軸方向電流流路を提供する列をなす導電性ストラップであって、前記導電性ストラップの夫々が一対の端部を有し、一方の端部は、前記環形部分の上の前記側壁に電気的に接続されており、他方の端部は、前記環形部分の下の前記側壁に電気的に接続されていて、前記ストラップは前記スリットバルブ開口部へのアクセスを妨げないように迂回されている導電性ストラップとを含む請求項1記載のリアクタ。
  4. 前記円筒形側壁に第2の誘電体リングを含み、前記第1の誘電体リングは、前記側壁の前記環形部分の上部軸方向境界に近接しており、前記第2の誘電体リングは、前記側壁の前記環形部分の下部軸方向境界に近接している請求項3記載のリアクタ。
  5. 前記ストラップが、均一な間隔で、前記側壁周囲に周期的に間隔をあけている請求項3記載のリアクタ。
  6. 前記ストラップが、RF電流に均一なインダクタンスを与えるように構成されており、
    前記スリットバルブに近接するストラップが、前記スリットバルブの周囲を迂回するだけの十分な長さがあり、残りのストラップはこれより短い長さである請求項5記載のリアクタ。
  7. 前記ストラップが、前記側壁の周囲に沿って互いに間隔があいており、これは、前記台座のウェハサポート表面と前記複数のストラップの間の軸方向距離よりも短い周方向距離である請求項3記載のリアクタ。
  8. 前記周方向距離が、前記軸方向距離より少なくとも3倍短い請求項7記載のリアクタ。
  9. ワークピースを処理するプラズマリアクタであって、
    円筒形側壁、天井及び床を有する真空チャンバと、
    前記チャンバ中のワークピースサポート台座であって、前記台座と前記側壁の間のポンピングアニュラスが画定されていて、接地表面を含むワークピースサポート台座と、
    RF電力印加装置及び前記天井と前記台座の間に画定されたプロセスゾーンと、
    前記床を通るポンピングポート及び前記ポンピングポートに結合された真空ポンプと、
    前記円筒形側壁にあるスリットバルブ開口部と、
    前記台座から前記側壁に半径方向に延在していて、前記台座を通して接地に電気的に結合された環形バッフルであって、前記プロセスゾーンの軸方向位置と前記スリットバルブの軸方向位置の間の軸方向位置にあるバッフルとを含むプラズマリアクタ。
  10. 前記環形バッフルが中空でなく、ガスが中を流れるのに十分な間隙で、前記側壁から分離された周囲端部を有する請求項9記載のリアクタ。
  11. 前記環形バッフルが、一列のガスフロー開口部を含み、周囲端を有し、前記リアクタが、前記周囲端と前記側壁の間に結合装置を含む請求項9記載のリアクタ。
  12. 前記結合装置が、
    前記バッフルの前記周囲端から軸方向に延在するバッフル軸方向フランジと、
    前記側壁の内側表面から半径方向に内側に延在する環形ショルダと、
    前記ショルダから軸方向に延在する側壁軸方向フランジとを含み、前記側壁軸方向フランジと前記バッフル軸方向フランジは互いに向き合っていて、RF周波数で容量結合を可能とするだけの十分に小さな間隙により間隔があいている請求項11記載のリアクタ。
  13. 前記環形ショルダが、前記プロセスゾーンの前記軸方向位置と前記スリットバルブの前記軸方向位置の間の軸方向位置にあり、これによって、前記側壁のRF接地リターン電流を、前記スリットバルブを含む前記側壁の軸方向部分から迂回する請求項12記載のリアクタ。
  14. 前記スリットバルブが、円形上部と下部境界により画定される前記円筒形側壁の軸方向部分に含まれており、前記リアクタが、前記境界の一方に近接する前記側壁に第1の絶縁リングを含む請求項9記載のリアクタ。
  15. 前記境界の他方に近接する前記側壁に第2の絶縁リングを含み、これによって、RF接地リターン電流が、前記スリットバルブを含む前記円筒形側壁の前記軸方向部分を流れるのを防ぐ請求項14記載のリアクタ。
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