JP2009076255A - 発光素子およびそれを用いた表示装置、並びに発光素子の製造方法 - Google Patents

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隆之 島村
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Abstract

【課題】高輝度および高効率の発光が可能であり、かつ、容易に製造可能な発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の発光素子は、発光層3と、発光層3に電流を注入する一対の電極2,4と、を備えている。発光層3は、蛍光体粒子7と、蛍光体粒子7を分散させるバインダ6とを含んでいる。蛍光体粒子7は、バインダ6中で、一対の電極2,4間に電流パスが形成されるように整列している。このような蛍光体粒子7の整列は、蛍光体粒子7とバインダ6とを含むペーストを用いて発光層3を形成した後、一対の電極2,4間に電圧を印加することによって、実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子およびそれを用いた表示装置と、発光素子の製造方法とに関する。
近年、軽量・薄型の面発光型の発光素子として、エレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子という)が注目されている。EL素子は大別すると、有機材料からなる蛍光体に直流電圧を印加し、電子と正孔とを再結合させて発光させる有機EL素子と、無機材料からなる蛍光体に交流電圧を印加し、およそ106V/cmもの高電界で加速された電子を無機蛍光体の発光中心に衝突させて励起させ、その緩和過程で無機蛍光体を発光させる無機EL素子とがある。
無機EL素子には、無機蛍光体粒子を高分子有機材料からなるバインダ中に分散させて発光層とする分散型EL素子と、厚さが1μm程度の無機蛍光体からなる薄膜発光層の両側あるいは片側に絶縁層を設けた薄膜型EL素子とがある。これらのうち分散型EL素子は、消費電力が少なく、しかも製造が簡単なため製造コストが安くなる利点があるとして、注目されている。
従来の分散型EL素子の一例について、図6を用いて説明する。従来の分散型EL素子100は、層状の構造であり、例えば、基板101上に、透明電極102、発光層103、絶縁体層104および背面電極105がこの順に配置されて形成されている。発光層103は、ZnS:Mn等の無機蛍光体粒子108を有機バインダ107に分散させることによって形成されている。絶縁体層104は、BaTiO3等の強絶縁体を有機バインダに分散させることによって形成されている。透明電極102と背面電極104との間には交流電源106が設置されており、交流電源106を用いて透明電極102と背面電極104との間に電圧を印加することによって、このEL素子が発光する(例えば、非特許文献1参照)。
分散型EL素子の構造において、発光層は分散型EL素子の輝度および効率を決定付ける層である。この発光層に含まれる無機蛍光体粒子には、平均粒径15〜35μmの粒子が用いられている。また、分散型EL素子の発光層の発光色は発光層に用いられる無機蛍光体粒子によって決定される。例えば無機蛍光体粒子にZnS:Mnを用いた場合には橙色の発光を示し、例えばZnS:Cuを用いた場合には青緑色の発光を示す。
しかしながら、上記のような従来の分散型EL素子には、発光輝度が低いという問題があった。
そこで、発光輝度を向上させる方法として、発光層を薄くして電界強度を大きくする方法が考えられる。しかし、発光層の膜厚を薄くすると、発光効率は低下し、ひいては、素子の発熱などによって蛍光体粒子の寿命が短くなるという問題が生じる。よって、発光効率の向上と輝度の向上との両立は困難であるとされてきた。
特許文献1には、発光層に分散させる蛍光体粒子の粒径分布の変動係数を抑え、また、蛍光体の平均粒径と発光層の膜厚との比を最適化することによって、発光層において蛍光体粒子の充填率を高めて、発光効率の向上と輝度の向上の両立を実現させた発光素子が開示されている。
しかしながら、蛍光体の粒径分布の変動係数を抑えるには、粒子の製造プロセスにおいて、出発原料やガスのフロー等の厳密な制御性が求められる。また、物質によっては粒子径の制御が困難な場合もある。もし、粒子の製造プロセスにおいて粒径分布の変動係数が抑えられない場合には、分級等のサイズ分けする工程を別途追加する必要があり、プロセスが複雑になるという問題が発生する。
特開2006−54114 A.G.Fischer,"Electroluminescent Lines in ZnS Powder Particles"J.Electrochem.Soc., Volume 109, pp.1043−1049,(1962)
以上のように、従来の分散型EL素子のような発光素子は、製造プロセスを複雑にすることなく発光効率の向上と輝度の向上とを共に実現することが困難であった。
そこで、本発明は、高輝度および高効率の発光が可能であり、かつ、容易に製造可能な発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような発光素子を用いた表示装置を提供することも目的とする。
本発明の発光素子は、発光層と、前記発光層に電流を注入する一対の電極と、を備えた発光素子であって、前記発光層は、蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子を分散させるバインダとを含み、前記蛍光体粒子が、前記バインダ中で、前記一対の電極間に電流パスが形成されるように整列している。なお、本明細書において、蛍光体粒子が一対の電極間に電流パスが形成されるように整列するとは、蛍光体粒子が、一対の電極間に形成される電場の方向にほぼ沿うように、数珠つなぎに並ぶことをいう。
本発明は、上記の本発明の発光素子を備えた表示装置を提供する。
本発明は、発光層と、前記発光層に電流を注入する一対の電極と、を備えた発光素子を製造する方法であって、蛍光体粒子とバインダとを含むペーストを用いて前記発光層を作製する工程と、前記一対の電極間に電圧(A)を印加する工程と、を含む、発光素子の製造方法を提供する。
本発明の発光素子では、バインダ中に整列して設けられた蛍光体粒子によって電流パスが形成されているため、蛍光体粒子の粒径があまり揃っていない(粒径分布が広い)場合であっても、蛍光体粒子に効率良く電子と正孔とが注入されて再結合が起こり、発光させることができる。したがって、本発明によれば、蛍光体粒子の粒径を揃えるプロセス等を特に必要とすることなく、高輝度および高効率な発光素子を提供できる。このような発光素子は高輝度および高効率な面発光が可能であるので、これを用いた表示装置は、高輝度および高効率を実現でき、さらに大面積化も可能となる。
本発明の発光素子の製造方法では、蛍光体粒子を含むペーストを用いて発光層を作製した後、電圧(A)を印加する。この電圧(A)の印加によって起こる蛍光体粒子の電気泳動によって、蛍光体粒子が移動して一対の電極間で電流パスを形成するように整列できる。これにより、本発明の製造方法によれば、蛍光体粒子の粒径を揃えるプロセス等を特に必要とすることなく、高輝度および高効率な発光素子を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる図では、見やすいようにハッチングを省略する場合がある。また、以下の説明では、同様の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の発光素子の一例について、その概略構成を示す断面図である。この発光素子10には、基板1上に透明電極2、発光層3および背面電極4が設けられており、透明電極2と背面電極4とは直流電源5を介して電気的に接続されている。すなわち、この発光素子10は、発光層3が、発光層3に電流を注入する一対の電極である透明電極2と背面電極4との間に配置されて、形成されている。発光層3は、蛍光体粒子7を含んでおり、バインダ6中に蛍光体粒子7が分散されることによって形成されている。
蛍光体粒子7は、バインダ6中で、一対の電極間(透明電極2と背面電極4との間)に電流パス(図中、波線で示す。)が形成されるように整列している。
発光素子10において、直流電源5に電圧を印加すると、正極に接続された透明電極2からは正孔が、負極に接続された背面電極5からは電子が、それぞれ発光層3に注入される。発光層3に注入された電子と正孔は、電流パスを形成するように整列している蛍光体粒子7間を効率良く移動し、ある蛍光体粒子7内で再結合する。この再結合によって発光が起こり、その光が透明電極2および基板1を透過して発光素子10の外部に取り出される。このように、発光素子10によれば、蛍光体粒子7の粒径がそれほど揃っていない場合であっても(例えば、粒径分布の変動係数が35〜90%の範囲であっても)、蛍光体粒子7によって形成された電流パスによって、効率良く蛍光体粒子7内に電荷および正孔を注入することができる。
なお、本明細書において、蛍光体粒子7の粒径とは、レーザ回折・散乱法により測定した場合の光散乱相当径のことであり、平均粒径は、粒径個数分布の累積50%に相当する粒径のことである。すなわち、本明細書における粒径および平均粒径は、レーザ回折/散乱式の粒子径分布測定装置(例えば(株)堀場製作所製、「LA910」)を用いて得られる値である。また、変動係数とは、粒径分布の標準偏差を平均粒径で除した値であり、粒径の均一性の指標となる値である。変動係数が小さいほど、粒径が揃っていることを示す。
本発明の発光素子の製造方法は、蛍光体粒子とバインダとを含むペーストを塗布することによって発光層を作製する工程と、一対の電極間に電圧(A)を印加する工程とを含んでいる。本実施の形態では、まず、基板1上に形成された透明電極2上に、蛍光体粒子7とバインダ6とを含むペーストを塗布して発光層3を形成する。次に、発光層3上に背面電極4を形成して、透明電極2と背面電極4とを直流電源5に接続する。この時の発光層3の状態は、例えば図2に示すように、蛍光体粒子7が整列していない。次に、透明電極2と背面電極4との間に電圧(A)を印加する。このように電圧を印加することによって、電気泳動により蛍光体粒子7がバインダ6内を移動して、電極2,4間において蛍光体粒子7が電場方向に対して平行方向に数珠つなぎに整列した状態を形成することが可能である。このように整列した蛍光体粒子7が電流パスを形成するので、図1に示すように蛍光体粒子7が整列した発光素子10を製造できる。
上記のように蛍光体粒子7を電気泳動させて整列させる際に印加する電圧(A)は、発光層3を発光させる際に印加する電圧(B)よりも低い電圧で十分である。なぜなら、電気泳動に必要な誘電分極を起こすには、低い電圧でも十分可能であり、また、電圧を上げすぎて素子に電流を流してしまうと蛍光体の劣化が早まるおそれがあり、場合によっては素子の破壊が起こる可能性があるためである。
また、蛍光体粒子7を電気泳動させる際に印加する電圧には、直流電圧、交流電圧またはパルス電圧が使用できる。
以下、発光素子10の各構成要素について、詳述する。
<基板>
基板1には、その上に形成する各層を支持できる基板が用いられる。具体的には、シリコン、Al23およびAlN等のセラミックス基板、ポリエステルおよびポリイミド等のプラスチック基板を用いることができる。また、本実施の形態では、基板1側から光を取り出すため、発光体である蛍光体粒子7から発せられる光の波長に対して、光透過性を有する材料であることが求められる。このような材料としては、例えば、ガラス基板(例えばコーニング社製の「コーニング1737」等)、石英基板等を用いることができる。通常のガラスに含まれるアルカリイオン等が発光素子へ影響しないように、無アルカリガラス基板や、表面にイオンバリア層としてアルミナ等をコートしたソーダライムガラス基板を用いてもよい。なお、これらは例示であって、基板1の材料は特にこれらに限定されない。また、基板1側から光を取り出さない構成の場合は、光透過性は不要であるため、光透過性を有していない材料を基板1に用いることができる。
<電極>
光を取り出さない側に配置された電極(本実施の形態では背面電極4)には、一般に電極に用いられている導電性材料であれば、何れの材料も適用できる。例えば、Au、Ag、Al、Cu、Ta、TiおよびPt等の金属薄膜を用いることができる。また、このような金属薄膜を複数積層させた多層導電膜を用いることも可能である。
光を取り出す側に配置された電極(本実施の形態では透明電極2)の材料は、発光体である蛍光体粒子7から発せられる光の波長に対して光透過性を有するものであればよく、低抵抗であることが望ましい。透明電極2の材料として、好適なものは、例えばITO(In23にSnO2をドープしたものであり、インジウム錫酸化物ともいう。)や、ZnO、AlZnOおよびGaZnO等の金属酸化物や、ポリアニリン、ポリピロール、PEDOT/PSS(Poly(3,4-ethylnedioxythiophene) / Poly(styrene sulfonate)、ポリチオフェン等の導電性高分子等であるが、特にこれらに限定されるものではない。
例えばITOの成膜方法としては、その透明性を向上させたり、抵抗率を低下させたりする目的で、スパッタリング法、エレクトロンビーム蒸着法、イオンプレーティング法等の方法が好適に用いられる。また、成膜後に、抵抗率制御の目的で、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。透明電極2の膜厚は、必要とされるシート抵抗値と可視光透過率とから決定することができる。
電極2,4は、層内全面を覆うように形成されていてもよく、複数のストライプ状の電極によって構成されていてもよい。また、背面電極4および透明電極2が複数のストライプ状電極によって構成されている場合、背面電極4を構成する各ストライプ状電極と、透明電極2を構成する各ストライプ状電極とが、それぞれねじれの位置の関係であり、かつ、背面電極4を構成する全ストライプ状電極を発光面(発光層3に平行な面)に投影したものと透明電極2を構成する全ストライプ状電極を発光面に投影したものとが、互いに交差するように構成してもよい。この場合、背面電極4の各ストライプ状電極、および、透明電極2の各ストライプ状電極からそれぞれ選択した電極に電圧を印加することによって、発光素子の所定位置を発光させることができるので、表示装置としての利用が可能となる。
<発光層>
発光層3は、蛍光体粒子7をバインダ6中に分散させることによって形成されている。
発光層3において、蛍光体粒子7とバインダ6との質量比(蛍光体粒子の質量:バインダの質量)は、1:3〜4:1であることが望ましい。バインダ6に対する蛍光体粒子7の質量比((蛍光体粒子の質量)/(バインダの質量))を1/3以上とすることによって、より高い発光輝度を実現できる。また、バインダ6に対する蛍光体粒子7の質量比を4以下とすることによって、蛍光体粒子7を電気泳動によって効率良く移動させることができ、より確実に電極2,4間に電流パスを形成できる。発光層3の厚さは、5〜50μmが望ましい。発光層3の厚さを5μm以上とすることによって、ピンホール等の発生を抑制できるので、素子の形成が比較的容易となる。また、発光層3の厚さを50μm以下とすることによって、発光時の印加電圧が大きくなりすぎることを抑制できるので、より高い発光効率を実現できる。
また、発光層3は、蛍光体粒子7とバインダ6のみから形成されていてもよいし、蛍光体粒子7内への電子や正孔の注入性を向上させることを目的として他の物質を含んでいてもよい。例えば、無機系正孔輸送材料、有機系正孔輸送材料および電子輸送材料等が含まれていてもよい。無機系正孔輸送材料としては、p型伝導性を示す無機材料として、Si、Ge、SiC、Se、SeTeおよびAs2Se3等の半金属系半導体、ZnSe、CdS、ZnOおよびCuI等の2元化合物半導体、CuGaS2、CuGaSe2およびCuInSe2等のカルコパイライト型半導体、さらにこれらの混晶、CuAlO2およびCuGaO2等の酸化物半導体、さらにこれらの混晶等が挙げられる。また、有機系正孔輸送材料としては、ベンジジン系誘導体、フタロシアニン系誘導体、テトラフェニルブタジエン系誘導体、トリフェニル系アミン誘導体、ジアミン系誘導体等が挙げられる。電子輸送材料としては、ITO、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)等の金属錯体、フェナントロリン系誘導体、シロール系誘導体等が挙げられる。
また発光層3は、電気泳動により蛍光体粒子7が移動・整列しやすくするために、0.1〜30Pa・sの粘度を有することが望ましい。さらに、電極2,4間での発光層3の単独保持を容易にするために、10〜30Pa・sの粘度がより望ましい。
<バインダ>
発光層3の構成要素であるバインダ6について説明する。バインダ6は、蛍光体粒子7を均一に分散させることができ、蛍光体粒子7を電気泳動処理によって整列させる際に粒子7が移動できる程度の流動性を持つことが必要である。また、バインダ6は、蛍光体粒子7よりも電気抵抗が高いことが好ましい。バインダ6の電気抵抗が蛍光体粒子7よりも低い場合、発光層3に電圧を印加した際、バインダ6にも電流が流れて発光効率が低下するためである。また、バインダ6の誘電率は、蛍光体粒子6の誘電率よりも高いことが望ましい。これは、電気泳動処理の際に電圧(A)を印加した時に、バインダ6が分極しやすくなるため、蛍光体粒子7が整列しやすいからである。
<蛍光体粒子>
蛍光体粒子7としては、近紫外領域から可視光領域(1.7eV〜3.6eV)の大きさの光学バンドギャップを有するものが好ましく、さらに近紫外領域から青色領域(2.6eV〜3.6eV)の大きさの光学バンドギャップを有するものがより好ましい。具体的には、Si、Ge等の第4族元素のナノ粒子、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe等の第12族−第16族間元素からなる化合物やこれらの混晶(例えばZnSSe等)、CaS、SrS等の第2族−第16族間元素からなる化合物やこれらの混晶(例えばCaSSe等)、AlN、AlP、GaAs、GaN、GaP、InN、InP等の第13族−第15族間元素からなる化合物やこれらの混晶(例えばInGaN等)、ZnMgS、CaSSe、CaSrS等の前記化合物の混晶等を用いることができる。また、CuAlS2等のカルコパイライト型化合物を用いてもよい。
またさらに、上記の化合物半導体に、ドナーやアクセプターとなる不純物元素を1種類または複数種類ドーピングしてもよい。ドーパントとしては、例えば、Li、Na、Cu、Ag、Au、Be、Mg、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、O、S、Se、Te、F、Cl、Br、I、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni等の金属および非金属元素、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm等の希土類元素、TbF3やPrF3等のフッ化物、ZnOやCdO等の酸化物から選択できる。なお、これらの化合物半導体組成並びにドーパントは一例を示すものであり、本発明の発光素子に用いられる蛍光体粒子はこれらに限定されるものではない。
また、蛍光体粒子7は、上記に例示した化合物半導体中に部分的に偏析した他の化合物半導体を含む材料からなるものであってもよい。また、蛍光体粒子7は、半導体粒子の周りに絶縁体等からなる被覆層が設けられることによって形成されている粒子であってもよい。
蛍光体粒子7の平均粒径は、0.5〜5μm程度が望ましい。平均粒径を5μm以下とすることによって、蛍光体粒子7が電気泳動しやすくなる。また、平均粒径を0.5μm以上とすることによって、発光効率を高くできる。
蛍光体粒子7の粒径分布の変動係数は、90%まで許容できる。粒径分布の変動係数が35〜90%のように、粒径がそれほど揃っていない蛍光体粒子であっても、電気泳動による整列処理によって、高輝度、高効率な発光素子を作製できるからである。
(実施の形態2)
実施の形態1の発光素子10(図1参照)と異なる構成を有する、本発明の発光素子の他の実施の形態について、以下に説明する。
図3に示す本実施の形態の発光素子11は、透明電極2の発光層3に対向する面に凸部8が設けられている点で、実施の形態1の発光素子10と異なる。なお、本実施の形態の発光素子11において、凸部8以外の構成は実施の形態1の発光素子10と同じであるため、その説明を省略する。
凸部8は、透明電極2に使用可能な材料であれば適用可能であるが、透明電極2と同じ材料で形成されていることが好ましい。凸部8が設けられていることによって、蛍光体粒子7を電気泳動させるための電圧(A)の印加の際に、電界が凸部8に集中する。このため、蛍光体粒子7は、選択的に凸部8の上部に整列することができる。なお、凸部8の数は特には限定されず、1つであってもよいし、複数設けられていても構わない。図3に示す構成のように凸部8が複数設けられる場合は、凸部8を電極上に整然と配置することによって、発光素子11の輝度の面内バラツキを低減できる。
凸部8の形状は、ドット状であることが好ましいが、ストライプ状でもよい。ドット径あるいはストライプの線幅は、1μm以下が望ましい。このようなドット径または線幅とすることによって、電界を凸部8に集中させることができるので、蛍光体粒子7を整列させることが容易となる。ドットまたはストライプは、リソグラフィ法、インクジェット法等の公知の方法を適用して作製できる。
本実施の形態の発光素子11も、実施の形態1と同様に、蛍光体粒子7とバインダ6を含むペーストを塗布して作製した発光層3に電圧(A)を印加することによって作製できる。図4は、電圧(A)を印加する前の発光層3の状態を示しており、この状態の発光層3に電圧(A)を印加することによって、図3に示すように蛍光体粒子7を整列させることができる。
なお、本実施の形態では、透明電極2上に凸部8を設けたが、背面電極4上に設けてもよい。また、透明電極2上および背面電極4上にそれぞれ凸部8を設けることも可能である。
発光素子11においても、実施の形態1の場合と同様に、バインダ6中で、一対の電極間(透明電極2と背面電極4との間)に電流パス(図中、波線で示す。)が形成されるように蛍光体粒子7を整列させることができる。
なお、本発明の発光素子は、図1および図3に示した上述の構成に限られず、発光層を複数層設ける、電極と発光層との間に電流制限を目的として薄い誘電体層を複数設ける、交流電源により駆動する、背面電極も透明材料によって作製する、発光素子の全部または一部を封止する構造をさらに備える、発光取出し方向前方に発光層からの発光色を色変換する構造をさらに備える等、適宜変更が可能である。
(実施の形態3)
本発明の表示装置の一構成例について、図5を用いて説明する。本実施の形態の表示装置50は、本発明の発光素子を用いた表示装置であって、ここでは実施の形態1で説明した発光素子10(図1参照)が用いられたパッシブマトリクス型表示装置である。
表示装置50は、図1に示す発光素子10において背面電極4および透明電極2をそれぞれ複数のストライプ状電極で構成することによって形成されている。背面電極4を構成する各ストライプ状電極51と、透明電極2を構成する各ストライプ状電極52とは、それぞれねじれの位置の関係であり、且つ、背面電極4を構成する全ストライプ状電極51を発光面(発光層3に平行な面)に投影したものと透明電極2を構成する全ストライプ状電極52を発光面に投影したものとが、互いに交差(本実施の形態では直交)するように配置されている。表示装置50では、背面電極4の各ストライプ状電極51、および、透明電極2の各ストライプ状電極52からそれぞれ選択した電極に電圧を印加することによって、発光素子の所定の位置(所定の画素)を発光させることができる。
表示装置50は、本発明の発光素子を用いているので、高輝度、高効率、低電圧駆動、大面積化を実現できる。なお、本実施の形態ではパッシブマトリクス型表示装置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、本発明の表示装置は例えばアクティブマトリクス型表示装置等であってもよい。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、本発明の要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図1に示す発光素子10と同様の構成のサンプルを作製した。本実施例のサンプルは、以下のような方法で作製した。
(1)基板1として、コーニング社製の「コーニング1737」のガラス基板を準備した。
(2)基板1上に、スパッタリング法によってITOを厚さ1μmに堆積して、透明電極2を作製した。
(3)蛍光体粒子7としてGaN粒子を用い、バインダとして樹脂(住友金属鉱山社製のITOペースト、「SC−115」)を用いた。GaN粒子は、Ga23のみをアンモニア雰囲気中1000℃で3時間反応させることによって作製した。このGaN粒子の平均粒径は0.7μmであり、粒径分布の変動係数は40%であった。ついで、有機正孔輸送材料として、テトラフェニルブタジエン系誘導体(高砂香料社製、「P770」)を準備し、GaN粒子とバインダ樹脂と有機系正孔輸送材料とを質量比1:1:0.5で混合してペーストを作製した。このペーストの粘度は、15Pa・sであった。このペーストを透明電極2上に塗布して、発光層3を作製した。
(4)発光層3上に、Ptを電子ビーム蒸着法で堆積して、厚さ200nmの背面電極4を作製した。
(5)次に、背面電極4と透明電極2とを直流電源に接続し、4V、30秒程度の電圧(A)を印加した。この電圧(A)の印加によって、電気泳動によりGaN粒子が両電極間に電流パスを形成するように整列した。
以上の工程によって、実施例1の発光素子10を得た。
この発光素子10の透明電極2と背面電極4とを直流電源(regulated DC Power Supply(Kenwood製))に接続して発光評価を行なったところ、印加電圧6Vで発光し始め、10Vで約300cd/m2の発光輝度を示した。発光輝度の測定は、蛍光分光光度計(島津製作所製、MultiSpec-1500)で行った。
(実施例2)
実施例2では、図2に示す発光素子11と同様の構成のサンプルを作製した。本実施例のサンプルは、以下のような方法で作製した。
(1)基板1として、コーニング社製の「コーニング1737」のガラス基板を準備した。
(2)基板1上に、スパッタリング法によってITOを厚さ1μmに堆積して、透明電極2を作製した。
(3)続いて、透明電極2上に、インクジェット法で、ITOドットを形成して凸部8とした。ドット径は500nm、ドット間隔は10μmとした。
(4)蛍光体粒子7としてGaN粒子を用い、バインダとして樹脂(住友金属鉱山社製のITOペースト、「SC−115」)を用いた。GaN粒子は、Ga23のみをアンモニア雰囲気中1000℃で3時間反応させることによって作製した。このGaN粒子の平均粒径は0.7μmであり、粒径分布の変動係数は40%であった。ついで、有機系正孔輸送材料として、テトラフェニルブタジエン系誘導体(高砂香料社製、「P770」)を準備し、GaN粒子とバインダ樹脂と有機正孔輸送材料とを質量比1:1:0.5で混合してペーストを作製した。このペーストの粘度は15Pa・sであった。このペーストを透明電極2上に塗布して、発光層3を作製した。
(5)発光層3上に、Ptを電子ビーム蒸着法で堆積して、厚さ200nmの背面電極4を作製した。
(6)次に、背面電極4と透明電極2とを直流電源に接続し、4V、30秒程度の電圧(A)を印加した。この電圧(A)の印加によって、電気泳動によりGaN粒子が電極間に電流パスを形成するように、ドット上に整列した。
以上の工程によって、実施例2の発光素子を得た。
この発光素子について、実施例1と同様の方法で発光評価を行なったところ、印加電圧6Vで発光し始め、10Vで約350cd/m2の発光輝度を示した。また、素子内の輝度のバラツキは3.5%であった。なお、本実施例では、素子内の輝度のバラツキは、素子内の100点の輝度を有機発光デバイス(OLED)光学特性検査装置(大塚電子株式会社製、「MCPD−7000」)で測定することで算出した。
(比較例1,2)
比較例1では、実施例1の(1)〜(4)の工程によって発光素子のサンプルを作製し、電気泳動のための電圧を印加せずに、発光層において蛍光体粒子が整列していない状態(図2に示す状態)の発光素子を比較サンプルとした。
この発光素子に対して発光評価を行った。まず10Vの電圧を印加したが、50mAの電流が流れるだけで発光は観測されなかった。電気泳動処理を行わなかった為に、電極間に粒子が連なる電流パスが形成されず、バインダに過電流が流れてしまったためと考えられる。さらに電圧を上げても電流は増加したが発光は観測されず、過電流により発生した熱の為にバインダが焼けこげてしまった。
また、比較例2としては、バインダとして粘度が10Pa・sの誘電体ペースト(Du pont社製、「7151J」)を用い、実施例1の(1)〜(4)の工程同様に、発光素子のサンプルを作製した。この場合、発光層作製用のペーストの粘度は35Pa・sであった。この素子に電圧を徐々に印加したが、電気泳動が殆ど起こらず、20Vかけても発光は起こらなかった。
本発明に係る発光素子は、低電圧駆動で高輝度表示が得られるので、表示装置等に適用可能である。特に、デジタルカメラ、カーナビーゲーションシステム、テレビ等の表示装置の発光素子として有用である。
本発明の発光素子の実施の形態1の構成を示す断面図である。 実施の形態1の発光素子において、蛍光体粒子が整列する前の状態を示す断面図である。 本発明の発光素子の実施の形態2の構成を示す断面図である。 実施の形態2の発光素子において、蛍光体粒子が整列する前の状態を示す断面図である。 本発明の表示装置の一構成例を示す斜視図である。 従来の発光素子の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 透明電極
3 発光層
4 背面電極
5 直流電源
6 バインダ
7 蛍光体粒子
8 凸部
10 発光素子
11 発光素子
50 表示装置
51,52 ストライプ状電極

Claims (11)

  1. 発光層と、前記発光層に電流を注入する一対の電極と、を備えた発光素子であって、
    前記発光層は、蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子を分散させるバインダとを含み、
    前記蛍光体粒子が、前記バインダ中で、前記一対の電極間に電流パスが形成されるように整列している、発光素子。
  2. 前記発光層の粘度が0.1〜30Pa・sである、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記蛍光体粒子の平均粒径が0.5〜5μmであり、粒径分布の変動係数が90%以下である、請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 前記バインダの電気抵抗は前記蛍光体粒子の電気抵抗よりも高い、請求項1〜3の何れか1項に記載の発光素子。
  5. 前記バインダの誘電率は前記蛍光体粒子の誘電率よりも高い、請求項1〜4の何れか1項に記載の発光素子。
  6. 前記発光層において、前記蛍光体粒子と前記バインダとの質量比(蛍光体粒子の質量:バインダの質量)が1:3〜4:1である、請求項1〜5の何れか1項に記載の発光素子。
  7. 前記一対の電極の少なくとも何れか一方の前記発光層と対向する面に、凸部が設けられている、請求項1〜6の何れか1項に記載の発光素子。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の発光素子を備えた表示装置。
  9. 発光層と、前記発光層に電流を注入する一対の電極と、を備えた発光素子を製造する方法であって、
    蛍光体粒子とバインダとを含むペーストを用いて前記発光層を作製する工程と、
    前記一対の電極間に電圧(A)を印加する工程と、
    を含む、発光素子の製造方法。
  10. 前記電圧(A)は、前記発光層を発光させる際に印加する電圧(B)よりも低い、請求項9に記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記電圧(A)は、直流電圧、交流電圧またはパルス電圧である、請求項9または10に記載の発光素子の製造方法。
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