JP2009073906A - 溶剤脱れき装置 - Google Patents

溶剤脱れき装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009073906A
JP2009073906A JP2007243209A JP2007243209A JP2009073906A JP 2009073906 A JP2009073906 A JP 2009073906A JP 2007243209 A JP2007243209 A JP 2007243209A JP 2007243209 A JP2007243209 A JP 2007243209A JP 2009073906 A JP2009073906 A JP 2009073906A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heavy
solvent
light
component
reaction vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007243209A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Takahashi
宏和 高橋
Shinichi Inage
真一 稲毛
Akinori Hayashi
明典 林
Osamu Yokota
修 横田
Shinsuke Kokubo
慎介 小久保
Koji Nishida
浩二 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007243209A priority Critical patent/JP2009073906A/ja
Publication of JP2009073906A publication Critical patent/JP2009073906A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】高価な触媒や水素を使用せずに、重質油から燃料に転換させる転換率を最大化させる重質油の改質装置及び溶剤脱れき装置を提供する。
【解決手段】高温高圧の重質油11aと高温高圧の水12aが供給される反応容器100と、該反応容器100で生成した重質分16aと軽質分15aとを夫々抜き出す重質分系統及び軽質分系統と、該重質分系統に接続され、前記重質分16aが供給されるアスファルテン分離槽2と、前記軽質分系統に接続され、前記軽質分15aから生成された溶剤が供給される溶剤回収器5と、該溶剤回収器5で回収された溶剤を前記アスファルテン分離槽2に供給する系統を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶剤脱れき装置に関する。
高温高圧水は誘電率が低いため、有機物を混入できる。また、高温高圧水は高温下で分子運動が激しい水分子が高密度に存在するため、有機物の水分解反応に適した反応溶媒となる。
特許文献1には、重質油と水との混合流体を超臨界または亜臨界の条件下で反応容器内にて水熱反応させ、軽質油を生成する技術が開示されている。
一方、特許文献2には、重質油からガスタ−ビン燃料油を生成する方法が開示されている。特許文献2では、触媒の存在下で加圧水素と重質油を接触させて脱不純物処理し、精製油を得る水素化処理工程において、アスファルテン等の重質分の分解を促進させる。そして、重質分の中に取り込まれている重金属や硫黄などの不純物を除去するとともに溶剤と接触させて、軽質油と、溶剤に溶解しない重質油及び固形不純物とを分離し、ガスタ−ビン燃料油を得る方法である。
特開2005−53962号公報 特開2001−89769号公報
重質油改質装置において、反応容器の内部で生成した軽質分は反応容器の上部から抜き出されて軽質分系統を通じてガスタービン燃焼器等に供給される。一方、軽質分より下部に溜まる重質分は反応容器の下部から抜き出されて排出される。ここで、重質油の組成の違いで重質分と軽質分の割合が変化する。そのため、より重質な重質油を原料油とする場合、金属が含まれない軽質分の生成割合が低下する場合がある。軽質分の生成割合が低下した場合、重質油からの燃料(軽質分)回収率を上昇させるために、重質油の加熱や、高温高圧水の供給量増加が必要となる。
しかし、重質油を加熱すると、重質分中の特に重質な成分が残滓として機器に付着する可能性がある。そのため、高温反応環境下で重質分の一部が固体炭素、即ちコークスとなるコーキングが発生して反応容器や配管系統を閉塞させ、重質油の改質装置の運転を停止に至らしめる可能性がある。また、高温高圧水の供給量を増加させた場合、高温高圧水を生成する設備の大型化により装置製造コストが増加したり、水を加熱させるための燃料コストが高くなる課題があった。
他方、触媒存在下で加圧水素と重質油を接触させて脱不純物処理する工程においては、重質油に含まれるバナジウムやニッケル等の金属によって触媒が被毒されるため、交換の必要が生じランニングコストが増加する。また、水素や溶剤を消費するため、それらの生成装置あるいは購入が必要となり、装置コストまたはランニングコストの増加が考えられる。更には、回収される重質分には、脱不純物処理する工程で用いた触媒粒子(数μm〜数10μm)が混入する可能性がある。そのため、触媒粒子を分離するためにフィルターを設けたり、燃焼排ガス処理装置が必要になるなど用途が限定される。
本発明の目的は、高価な触媒や水素を使用せずに、重質油から燃料に転換させる転換率を最大化させることである。
本発明は、高温高圧の重質油と高温高圧の水が供給される反応容器と、該反応容器で生成した重質分と軽質分とを夫々抜き出す重質分系統及び軽質分系統と、該重質分系統に接続され、前記重質分が供給されるアスファルテン分離槽と、前記軽質分系統に接続され、前記軽質分から生成された溶剤が供給される溶剤回収器と、該溶剤回収器で回収された溶剤を前記アスファルテン分離槽に供給する系統を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、高価な触媒や水素を使用せずに、重質油から燃料に転換させる転換率を最大化させることができる。
次に、本発明の実施例である重質油と高温高圧水を反応させて重質分と軽質分に分離し、重質分を更に溶剤と接触させることで、重質油からガスタービンなどに用いる燃料への転換率を向上させる溶剤脱れき装置について、図面を参照して以下に説明する。
本発明の一実施例である重質油の溶剤脱れき装置1について、図1を用いて説明する。
本実施例では、重質油改質装置の運転時に、反応容器で重質分と軽質分を分離する。そして、軽質分から溶剤を分離してアスファルテン分離装置へ供給するとともに、重質分もアスファルテン分離装置へ供給する。その後、重質分を脱れき油とアスファルテンに分離し、ガスタービン燃料を生成している。
(1)反応容器への重質油・水供給系統
図1において、重質油の供給系統は、重質油11aを貯蔵する重質油タンク33と、該重質油タンク33の重質油11aを13〜30MPaに加圧して送給する重質油ポンプ31と、該重質油ポンプ31から送給された重質油11aを350℃に加熱する重質油加熱器41と、この重質油加熱器41で加熱された高温高圧の重質油11aを供給する配管101を備えている。
ここで、重質油11aはA重油,B重油,C重油,オイルサンド,オイルシェール,ビチューメンおよびそれらと同等の粘性率を持つ燃料である。
一方、水の供給系統は、水12aを貯蔵する水タンク32と、該水タンク32の水12aを13〜30MPaに加圧して送給する水ポンプ30と、該水ポンプ30から送給された水12aを450℃まで加熱する水加熱器40と、この水加熱器40で加熱された高温高圧の水12aを供給する配管102を備えている。
そして、前記重質油11a及び水12aは、配管101と配管102との接続点に設けられた混合器43に流入して重質油11aと水12aが混合した高温高圧の混合流体13aとなる。そして、混合流体13aは配管103を流下して予熱器42に流入する。
13〜30MPaに昇圧された混合流体13aは、この予熱器42によって所望の温度である400〜480℃に加熱される。加熱された混合流体13aは配管104を流下し、加熱ヒータ20を備えた反応容器100に流入する。
前記反応容器100では、加熱ヒータ20で外部から加熱することによって、15〜30MPaに昇圧された混合流体13aの温度を所望の300〜450℃に保持している。この反応容器100の内部にて重質油11aと水12aとの混合流体13aは、圧力15〜30MPa,温度300〜450℃の高温高圧状態下で重質油11aを分離して、バナジウム等の不純物が分離された軽質分15aと、この軽質分15aが分離した残りの重質分16aとが生成される。
前記反応容器100の内部圧力は、反応容器100と連通した減圧バルブ12を操作することによって、配管106を通じて調整される。
水加熱器40,重質油加熱器41,予熱器42,反応容器100で水12a及び重質油11aを加熱する手段として、本実施例では電気ヒータを用いる。但し、高温蒸気との熱交換器を用いて水12a及び重質油11aを加熱しても良いし、重質油11aを燃焼して得られた燃焼ガスを用いて加熱しても良い。
そして、反応容器100の内部で生成され、不純物を除去された改質燃料の軽質分15aは、軽質分系統である配管106を通じて抜出される。また、反応容器100の下部からは重質分16aが重質分系統である配管105を通じて抜き出される。
(2)軽質分系統
まず、軽質分系統について説明する。軽質分15aは配管106に設けた減圧バルブ12で減圧された後、減圧バルブの下流にある冷却器130で臨界温度96.8以上の温度に冷却され、下流の気液分離器4へ流入する。気液分離器4の内部圧力は、気液分離器4と連通して配管107に設けられた減圧バルブ122を操作することによって調整されており、プロパンの臨界圧力4.25MPa以上に設定される。
気液分離器4では、この改質燃料の軽質分15aを減圧して水素,一酸化炭素,メタン,エタン,プロパン等を含んだ炭化水素ガスの軽質ガス17aと、液化した成分の軽質油18aとに分離する。
気液分離器4で分離された軽質油18aは水分を含んでいるため、配管107のバルブ122の下流に設置された遠心分離器6で水分を除去される。水分を分離された軽質油18aは重金属のバナジウムを含んでいないため、配管107を通じて改質油タンク56へ供給され、燃料として貯蔵される。軽質油18aは、改質油タンク56から配管117を介して燃料ポンプ28で加圧される。そして、下流に備えられた流量制御バルブ15によって流量を制御された後、火力発電設備を構成するガスタービン装置の燃焼器64に燃料として軽質油18aが供給される。
一方、気液分離器4で分離された軽質ガス17aは、配管108に設置された冷却器131でさらに96.8℃未満に冷却され、溶剤回収器5へ供給される。溶剤回収器5では、軽質ガス17aより炭素数3から6またはそのうちの1種類の炭化水素成分である液化したプロパン19aが回収される。その他の水素,一酸化炭素,メタン,エタン等の成分は配管118に設けた流量調節バルブ121によって流量を制御されて、火力発電設備を構成するガスガスタービン装置の燃焼器64に燃料として供給される。
軽質ガス17a及び軽質油18aの用途としてはガスタービン,ガスエンジン,ディーゼルエンジン等の燃料に使用することが考えられる。
一方、液化したプロパン19aは溶剤回収器5に接続された配管110を介して溶剤タンク34へ流入する。このように、本実施例では重質油の軽質分15aから溶剤を生成して、後述する重質分の脱れきに使用するため、高価な触媒や水素を使用する必要がない。そのため、溶剤を生成するために別途、装置を設ける必要もなく、装置コストを低減することが可能である。
(3)重質分系統
次に、重質分系統について説明する。反応容器100の内部で改質燃料の軽質分15aを外部に取り出した残りの重質分16aは、高温高圧水に溶解・混合せずに反応容器100の内部に溜まる。そして、重質油中に含まれる金属類は重質分16aに濃縮されて反応容器100の内部の底部に沈降する。
反応容器出口バルブ13を開弁することで、反応容器100の内部に沈降した重質分16aは配管105を通じて重質分抜出器52に排出される。
重質分抜出器52及び反応容器100には、それぞれ圧力計96及び97を設けている。そこで、反応容器出口バルブ13の開弁操作によって、重質分抜出器52の内部圧力が反応容器100の圧力と同じ圧力になったことを圧力計96と97によって確認した後に、反応容器出口バルブ13を閉弁する。
また、反応容器100の内部に溜まる重質分16aの液位検出を行うため、反応容器100には重質分の液位検出手段を設ける。この液位検出手段は、重質分16aの液位の上昇により重質分16aが改質燃料の軽質分15aに混入することを防止するために、重質分16aの液位を検出する。本実施例では、重質分の液位検出手段として温度計93を反応容器100に設けている。反応容器100に設置する温度計93の設置高さを調節することで、重質分16aの上限液位を設定できる。
重質分の液位検出手段は、軽質分15aに比較して重質分16aの方が高密度であるため熱伝導率が高いという性質を利用する。そこで、重質分16aが温度計93に直接接触すると、温度計93で検出される温度の検出信号の値が急上昇するため、重質分16aの液位を推定できる。
そこで、温度計93で検出される温度検出信号の温度勾配をモニターしておく。例えば1分で5℃上昇という温度勾配を設定値としておき、温度計93で検出される温度検出信号の温度勾配がこの温度勾配の設定値を越える場合には、反応容器100の内部に溜まった重質分16aの液位が上限位置Lに到達したものと判断する。そして、反応容器出口バルブ13及び重質分抜出バルブ14の開閉操作を行う。
重質分抜出器52の重質分16aは、下流側の配管109に設けた重質分抜出バルブ14を開弁することで、配管109を通じてアスファルテン分離槽2の上部から流入する。
(4)アスファルテン分離槽における脱れき作用
溶剤タンク34に貯留され、液化したプロパン19aは、溶剤循環ポンプ29で加圧した後、アスファルテン分離槽2の下部から5〜15倍容積の溶剤比率で供給する。アスファルテン分離槽2内の温度および圧力は、溶剤であるプロパンの臨界温度以下の96.8℃未満,4.25MPa以上に設定する。重質分16a中のアスファルテン20aは、アスファルテン分離槽2の中で沈降分離する。そして、アスファルテン20aが底部から連続的にアスファルテン回収器53へ抜出される。
アスファルテン20aの用途としては、アスファルト原料としてや、ボイラ等の燃料として使用できる。
重質分16a中の脱れき分混合流体150は、脱れき分21aが溶剤であるプロパンに溶解し、アスファルテン分離槽2の上部から流出する。脱れき分混合流体150は、熱交換器140で昇温され、溶剤分離器57に供給される。熱交換器140をアスファルテン分離槽2の温度より高く設定することで、脱れき分21aがプロパン19aに溶解する溶解度が低下する。そのため、溶剤分離器57の中で脱れき分21aとプロパン19aとの分離が起こり、脱れき分21a分が沈降分離する。溶剤分離器57内の温度および圧力も、臨界温度以下,臨界圧力以上の条件下で操作される。
沈降分離した脱れき分21aは、溶剤分離器57の下部より連続的に抜出される。溶剤分離器57の上部から流出するプロパン19aは、配管111を介して接続された冷却器132で冷却された後、溶剤タンク34に供給される。そして、溶剤タンク34からアスファルテン分離槽2へプロパン19aを溶剤循環ポンプ29で加圧供給して、再使用される。
一方、脱れき分21a中にはわずかなプロパン19aが含まれている。脱れき分から溶剤であるプロパンなどを分離するために、溶剤の臨界圧力を利用する。
臨界圧力4.25MPa未満へ減圧した脱れき分を脱れき分ストリッパー58へ供給することで、溶剤の臨界点を利用して脱れき分21aとプロパン19aに分離する。プロパン19aは冷却器133で冷却されて凝縮し、さらに溶剤加圧ポンプ27で高圧循環系の溶剤タンク34に戻される。脱れき分21aは減圧されて、配管113を介して改質油タンク56へ流入する。
脱れき分21aの用途としては軽質ガス17aおよび軽質油18aの用途と同様にガスタービン,ガスエンジン,ディーゼルエンジン等の燃料に使用することが考えられる。このように、本実施例では、重質分16aを脱れきすることにより生じた脱れき分21aを燃焼器64の燃料として再利用するため、重質油から燃料に転換させる転換率を最大化させることが可能である。
本実施例では溶剤としてプロパンを用いた。なお、重質油の分解によりブタンやペンタン等の有機溶剤も生成する。そのため、それらをプロパンの代替として使用することができる。その際は、気液分離器4,溶剤回収器5,アスファルテン分離槽2,溶剤分離器57の設定圧力および温度を表1に示す臨界圧力以上かつ臨界温度以下に設定することで、使用する溶剤を替えることが可能である。特に、溶剤の炭素鎖が大きくなるほど重質分16aから脱れき分21aを回収できる回収率が高くなる。そのため、供給した重質油に対する燃料回収率を最大にするためにはペンタンを用いる方が良い。
Figure 2009073906
次に、重質油11aの加熱や重質油11aと水12aの接触によって生成する常温ガス成分の質量比率の例を図2に示す。プロパン(n−C38)とブタン(n−C410)とペンタン(n−C512)の該略の質量比率は3対2対1であり、プロパンの生成量が最も高い。そのため、重質分16aの流量が多い場合はプロパンを溶剤として使用する方が良い。また、プロパン,ブタン,ペンタンの異性体も生成し、それらも溶剤として使用可能である。但し、生成する常温ガス成分の質量比率が低いため、溶剤が不足した際に補給できる量が多いノルマル成分を使用する方が良い。
本発明の他の実施例である重質油の溶剤脱れき装置について、図3を用いて説明する。特に本実施例では、反応容器から排出される重質分に水分が混入した場合にも、重質分から脱れき分を最大限回収する装置構成について説明する。
本実施例では、図1に示した実施例1とは基本構成が共通しているので、共通の構成についてはその説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
図3では、図1に示した実施例1の溶剤脱れき装置と相違する点として、第1に反応容器100の下部に設置した重質分抜出器52に加熱ヒータ21を設置する。第2に重質分抜出器52から脱れき分ストリッパー58下部へ接続する配管115を備え、その間に減圧バルブ123を設置する。第3に、アスファルテン分離槽2から得られたアスファルテンを昇温する加熱器141の下流には蒸発塔3を設置し、蒸発塔3と冷却器133を配管112で接続する。第4に、蒸発塔3からアスファルテン20aを抜出すアスファルテン回収器53を設置する。
反応容器100内において、温度300℃から450℃、圧力13から30MPaの条件で重質油と水を接触させることで軽質分15aと重質分16aに分離する。軽質分15aは配管106を通り、減圧バルブ12を介して気液分離器4へ抜出される。重質分16aは配管105を通り、反応容器出口バルブ13を介して重質分抜出器52へ流入する。
水の大半は軽質分15aとともに反応容器100の上部から配管106を通って抽出される。しかし、反応容器100の内部が高圧であるため、水分が重質分に溶解あるいは混入し、重質分の質量に対して50%程度の水が重質分抜出器52へ流出する場合がある。重質分16aと水はエマルジョンとなり遠心分離操作によっても分離困難である。水が混入した重質分16aをそのままアスファルテン分離槽2へ供給しても、重質分16aと溶剤(プロパン19a)との接触が水によって阻害される。そのため、重質分16a中に含まれる脱れき分21aがプロパン19aから抽出される量が少なくなり、脱れき分21aの回収率が低下する。
そこで、本実施例では重質分抜出器52の温度を上昇させるために、重質分抜出器52に加熱ヒータ21を設置する。この加熱ヒータ21で重質分抜出器52を加熱し、設定圧力(4.25MPa)以上における水の沸点温度より高くなるように、重質分抜出器52内の温度を設定する。ここでは重質分抜出器52の圧力を8MPaに設定し、水の沸点である295℃より高い350℃に設定する。重質分抜出器52に攪拌機を入れ、水分の分離を促進することもできる。このように、重質分抜出器52に加熱ヒータ21を設けることで水分のみを蒸発させ、アスファルテン分離槽2に水が流入することを抑制し、脱れき分21aの回収率を向上させることが可能である。
水を分離された重質分16aは、重質分抜出器52の下部から抜き出される。そして、下流側の配管109に設けた重質分抜出バルブ14を開弁して、アスファルテン分離槽2の上部から流入する。
一方、溶剤タンク34に貯留された液化したプロパン19aは、溶剤循環ポンプ29で加圧された後、アスファルテン分離槽2の下部から重質分16aの5から15倍容積の溶剤比率で供給される。アスファルテン分離槽2内の温度および圧力は、溶剤であるプロパンの臨界温度以下の96.8℃未満,4.25MPa以上に設定する。重質分16aに含まれるアスファルテン20aはアスファルテン分離槽2の中で沈降分離し、底部から連続的にアスファルテン回収器53へ抜出される。
重質分16a中の脱れき分21aは、溶剤であるプロパン19aに溶解し、脱れき分混合流体150としてアスファルテン分離槽2の上部から流出する。脱れき分混合流体150は、熱交換器140で昇温され、溶剤分離器57に供給される。熱交換器140の温度をアスファルテン分離槽2の温度より高く設定することで、プロパン19aに対する脱れき分21aの溶解度が低下する。そして、溶剤分離器57の中でプロパン19aと脱れき分21aとの分離が起こり、脱れき分21a分が沈降分離する。溶剤分離器57内の温度および圧力も、臨界温度以下,臨界圧力以上の条件下で操作される。
沈降分離した脱れき分21aは、溶剤分離器57の下部より減圧バルブ124を介して連続的に抜出される。溶剤分離器57の上部から流出するプロパン19aは、配管111を介して接続された冷却器132で冷却される。その後、プロパン19aは溶剤タンク34に供給され、溶剤循環ポンプ29からアスファルテン分離槽2へ加圧供給されることで再使用される。
一方、脱れき分21a中には、わずかなプロパン19aが含まれている。プロパンの臨界圧力4.25MPa未満へ減圧された脱れき分21aは脱れき分ストリッパー58へ流入し、脱れき分21aとプロパン19aに分離する。更に、重質分抜出器52で分離された水も脱れき分ストリッパー58へ供給される。そして、脱れき分ストリッパー58の温度を上昇させ、脱れき分21aとプロパン19aとの分離を促進する。重質分抜出器52から供給される水の温度は、脱れき分ストリッパーの圧力によって変化するが、1MPaでは約270℃の蒸気が供給される。
このように、重質分抜出器52で分離された水を脱れき分ストリッパー58へ供給することにより、水を加圧するポンプや加熱する設備を新たに増設することなく、脱れき分21aとプロパン19aの分離を促進でき、溶剤の損失を少なくすることができる。また、加熱した蒸気を有効に利用することができ、装置のランニングコストを低減することができる。
脱れき分ストリッパー58の上部からは脱れき分21aが排出され、下部からはプロパン19aおよび水蒸気の混合物が排出される。そこで、プロパン19aおよび水蒸気の混合物は冷却器133により冷却して水12aを凝縮させ、水分離器59によって水を分離する。さらに水分離器59に接続された配管116を通って水タンク32に戻り、水12aが再利用される。
また、水分離器59によって水が分離されたプロパン19aは凝縮するまで冷却器134で冷却される。その後、溶剤加圧ポンプ27により4.25MPa以上まで加圧されて溶剤タンク34へ供給される。
なお、脱れき分ストリッパー58の上部から排出された脱れき分21aは、配管113を介して改質油タンク56へ流入する。そして、改質油とともにガスタービン燃焼器64の燃料となる。
本発明は、高温高圧の重質油と高温高圧の水とを水熱反応させて重質油から改質燃料を生成する重質油の改質装置及び溶剤脱れき装置に適用可能である。
本発明の一実施例である重質油の溶剤脱れき装置の構成を示す概略系統図。 本発明の重質油加熱および重質油と水との接触によって生成する常温ガス成分の質量比率を示す図。 本発明の図1とは別の実施形態の構成を示す概略図。
符号の説明
1 溶剤脱れき装置
2 アスファルテン分離槽
4 気液分離器
5 溶剤回収器
6 遠心分離器
11a 重質油
12 減圧バルブ
12a 水
13 反応容器出口バルブ
14 重質分抜出バルブ
15 流量制御バルブ
15a 軽質分
16a 重質分
17a 軽質ガス
18a 軽質油
19a プロパン
20a アスファルテン
21 加熱ヒータ
21a 脱れき分
27 溶剤加圧ポンプ
29 溶剤循環ポンプ
30 水ポンプ
31 重質油ポンプ
32 水タンク
33 重質油タンク
34 溶剤タンク
40 水加熱器
41 重質油加熱器
42 予熱器
43 混合器
52 重質分抜出器
53 アスファルテン回収器
56 改質油タンク
57 溶剤分離器
58 脱れき分ストリッパー
59 水分離器
64 燃焼器
96 圧力計
100 反応容器

Claims (4)

  1. 高温高圧の重質油と高温高圧の水が供給される反応容器と、
    該反応容器で生成した重質分と軽質分とを夫々抜き出す重質分系統及び軽質分系統と、
    該重質分系統に接続され、前記重質分が供給されるアスファルテン分離槽と、
    前記軽質分系統に接続され、前記軽質分から生成された溶剤が供給される溶剤回収器と、
    該溶剤回収器で回収された溶剤を前記アスファルテン分離槽に供給する系統を設けたことを特徴とする溶剤脱れき装置。
  2. 請求項1記載の溶剤脱れき装置であって、
    前記軽質分系統に前記反応容器で生成した軽質分を減圧して軽質ガス及び軽質油に分離する気液分離器を設け、
    前記溶剤回収器は、前記軽質ガスより炭素数3から6またはそのうちの1種類の炭化水素成分を回収し、該炭化水素成分を溶剤として前記アスファルテン分離槽へ供給することを特徴とする溶剤脱れき装置。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載の溶剤脱れき装置において、
    前記重質分系統に設けられた重質分抜出器と、該重質分抜出器で重質分から水を分離させる加熱手段を設けたことを特徴とする溶剤脱れき装置。
  4. 請求項3記載の溶剤脱れき装置であって、
    前記アスファルテン分離槽の上部から流出した脱れき分混合流体を加熱する熱交換器と、
    加熱された該脱れき分混合流体から脱れき分と溶剤に分離する溶剤分離器と、
    該溶剤分離器によって分離された脱れき分が供給される脱れき分ストリッパーと、
    前記重質分抜出器で分離した水分を前記脱れき分ストリッパーに供給する配管を備える
    ことを特徴とする溶剤脱れき装置。
JP2007243209A 2007-09-20 2007-09-20 溶剤脱れき装置 Pending JP2009073906A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243209A JP2009073906A (ja) 2007-09-20 2007-09-20 溶剤脱れき装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243209A JP2009073906A (ja) 2007-09-20 2007-09-20 溶剤脱れき装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009073906A true JP2009073906A (ja) 2009-04-09

Family

ID=40609210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007243209A Pending JP2009073906A (ja) 2007-09-20 2007-09-20 溶剤脱れき装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009073906A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10202552B2 (en) Method to remove metals from petroleum
DK2240556T3 (en) A method for refining heavy oil by means of hot pressurized water, and an ultrasonic wave generating premixed
JP6980787B2 (ja) 油を脱瀝するためのシステムおよびプロセス
WO2011048642A1 (ja) 重質油の改質装置及び重質油の改質方法
US20090166261A1 (en) Upgrading heavy hydrocarbon oils
JP4495791B2 (ja) コンバインドサイクル発電システム
AU1486100A (en) Apparatus and method for the supercritical hydroextraction of kerogen from oil shale
AU2014223312A1 (en) Method and apparatus for upgrading a hydrocarbon
WO2012143972A1 (ja) 改質油の製造方法、及び改質油製造装置
JP2009073906A (ja) 溶剤脱れき装置
JP4861088B2 (ja) 重質油改質装置及び重質油改質装置の運転方法
JP4171062B2 (ja) 重質油の処理方法
US20110003901A1 (en) Ft water treating and recovery