JP2009069122A - 走行試験装置の路面直進制御機構及び路面直進制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかる走行試験装置2の路面直進制御機構1においては、駆動ドラム4と従動ドラム5との間にある2つの平坦面にそれぞれに配置された端部検出手段13のうち、従動ドラム5に巻き取られる側の平坦面に配置された端部検出手段13の変位量に応じて、従動ドラム5の両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させる。
【選択図】図1
Description
従動ドラムと駆動ドラムは平ベルトを架け渡すプーリとして機能するものであり、これらのドラムにはクラウン加工がされている。クラウン加工は、ドラムの設置誤差やベルトの製作誤差によってベルトがドラムの所定位置から外れることを抑制乃至防止している。
しかしながら、ベルトの外力が大きくなると、クラウン加工がされていてもベルトがドラムから外れやすくなる。そこで、走行試験装置にはドラムの姿勢を変更してベルトの軌道を修正することにより、路面の直進性を制御する路面直進制御機構が設けられる。
例えば、特許文献1には、駆動ドラムの上方に赤外線式または渦電流式のセンサを配置してベルトの端部位置を検知し、ベルトの端部位置にずれが生じた際には転動体が接地しない下側の平坦面上にベルトの走行方向に沿って設けられる軸を中心として従動ドラムを傾動させることで、ずれが生じたベルトを直進方向に調整する路面直進制御機構が開示されている。
さらに、特許文献3には、従動ドラムに近い平坦面に配置されたセンサによりベルトの端部位置を検知し、ベルトの端部位置にずれが生じた際には、特許文献2と同様に従動ドラムの両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させることで、ベルトの直進性を調整する路面直進制御機構が開示されている。
そこで、回転方向が定まっている左側専用タイヤや右側専用タイヤを走行試験装置に取り付けて試験するには、ベルトの回転方向を正回転させたり逆回転させたりする必要が生じる。また、通常のタイヤであっても正回転させて試験を行ったり、逆回転させつつ試験を行う必要が生じる場合もある。
例えば、特許文献1の走行試験装置では、逆回転(巻取り方向)では直進性の制御精度は良好であるが、正回転(送出し方向)に回転させると直進性の制御精度が低下することを本願発明者らは知見している。
ここで、正回転(送出し方向)とは、上側(転動体接地側)のベルトが駆動ドラムから従動ドラム側に送り出される回転方向をいい、逆回転(巻取り方向)とは、上側のベルトが従動ドラム側から駆動ドラムに巻き取られる回転方向をいう。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ベルトの正逆いずれの回転においても、当該ベルトの直進性を精度良く制御可能な走行試験装置の路面直進制御機構及び路面直進制御方法を提供することを目的とする。
即ち、前記路面直進制御機構は、正回転又は逆回転が可能な駆動ドラムと従動ドラムとを前後に有し且つ両ドラムの間に架け渡されたベルトの平坦面に形成された路面に転動体を接地させて該転動体の走行特性を評価する走行試験装置に設けられた路面直進制御機構であって、
前記駆動ドラムと前記従動ドラムとの間にある2つの平坦面のそれぞれに配置されて、ベルトの端部位置を検知する端部検出手段と、前記従動ドラムの両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させる第1揺動手段と、
前記駆動ドラムの正回転と逆回転とのいずれにおいても、前記従動ドラムに巻き取られる側の平坦面で且つ転動体接地位置から前後方向で従動ドラム側に配置された端部検出手段の変位量に応じて、前記第1揺動手段で従動ドラムの軸心を揺動させることによりベルトの直進性を調整する調整手段とを有することを特徴とする。
その結果、第1揺動手段で従動ドラムを揺動させベルトの直進性を調整する際には、従動ドラムに巻き取られる側の平坦面に配置された端部検出手段の変位量を基とすることがよく、第2揺動手段で従動ドラムを揺動させベルトの直進性を調整する際には、従動ドラムから送り出される側の平坦面に配置された端部検出手段の変位量を基とすることがよいことを知見するに至った。
なお、前記端部検出手段は、ベルトの端部位置を光の反射または光の透過で検知する光学センサを有していることが好ましい。
駆動ドラムと従動ドラムの間に架け渡されたベルトは、回転に際してベルトの幅方向のみならずベルトの厚み方向にも変位する。そのため、厚み方向の変位を無視してベルトの幅方向の変位のみを光の反射または光の透過で確実に検知できる端部検出手段を用いることで、端部検出手段に対して近接離反する方向にベルトの端部位置が変位した場合についても、ベルト端部の幅方向のズレのみを精度良く計測することができる。
前記端部検出手段を前記平坦面に転動体が接地している位置より従動ドラム側に設けることにより、転動体が邪魔になってベルトの端部位置が検知できなくなることが抑制乃至防止でき、ベルトの直進性を良好に制御することが可能となる。
さらに、前記調整手段は、前記駆動ドラムを正回転させるときと駆動ドラムを逆回転させるときとで、2つの前記端部検出手段からの信号のうちいずれか一方の信号から他方の信号に切り替える切替手段を有しているのが好ましい。
一方、本発明の走行試験装置の路面直進制御方法は以下の技術的手段を講じている。
即ち、路面直進制御方法は、正回転又は逆回転が可能な駆動ドラムと従動ドラムとを前後に有し且つ両ドラムの間に架け渡されたベルトの平坦面に形成された路面に転動体を接地させて該転動体の走行特性を評価する走行試験装置の路面直進制御方法であって、
前記駆動ドラムと前記従動ドラムとの間にある2つの平坦面のそれぞれに、ベルトの端部位置を検知する端部検出手段を配置し、前記駆動ドラムの正回転と逆回転とのいずれにおいても、それぞれの回転方向における従動ドラムに巻き取られる側の平坦面に配置された前記端部検出手段によりベルトの端部位置の変位量を計測し、計測された前記変位量に応じて、前記従動ドラムの両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させることにより、前記ベルトの直進性を調整を特徴とする。
好ましくは、前記端部検出手段を光学センサで構成し、該光学センサを用いて前記ベルトの端部位置を光の反射または光の透過で検知するとよい。
さらに好ましくは、前記駆動ドラムを正回転させるときは2つの前記端部検出手段のいずれか一方の信号を用いて前記ベルトの直進性を調整し、前記駆動ドラムを逆回転させるときは他方の信号を用いて前記ベルトの直進性を調整するとよい。
図1は、本発明の路面直進制御機構1が設けられたタイヤ試験機2(走行試験装置)を示している。
タイヤ試験機2は、駆動モータ3に連結されて正逆に回転自在とされた駆動ドラム4と、駆動ドラム4に対して距離をあけて軸心同士が互いに平行となるように設けられる従動ドラム5と、駆動ドラム4と従動ドラム5との間に架け渡された無端の金属板のベルト6とを有している。
なお、以下の説明において、図2の上下をタイヤ試験機2の上下とし、駆動ドラム4から従動ドラム5に向かう方向において、ベルト6の左端側と右端側をタイヤ試験機2の左側と右側とする。また、駆動ドラム4の上側からベルト6が送り出される方向を送出し方向F又は前方向と呼び、駆動ドラム4の上側からベルト6が巻き取られる方向を巻取り方向R又は後方向と呼ぶ。ベルト6が送出し方向Fに移送している時の駆動ドラム4、従動ドラム5の回転方向を正回転とし、ベルト6が巻取り方向Rに移送している時の駆動ドラム4、従動ドラム5の回転方向を逆回転とする。
駆動ロール部7は軸受け16を介して敷設面Gに回転自在に支持されている。駆動軸部8の左側端部にはギアボックス(図示せず)を介して駆動モータ3が接続されており、この駆動モータ3は駆動ドラム4を正回転と逆回転とに切り替え自在に回転駆動する。
図2〜図4に示すように、従動ドラム5は、駆動ドラム4に対して距離をあけて軸心同士が互いに平行となるように配置されている。従動ドラム5は、駆動ドラム4と同様に、円筒状に形成された従動ロール部9と、その内部に同心状に設けられた内筒33を有している。内筒33は、従動ロール部9と一体回転可能なように従動ロール部9に連結されており、内筒33の内側にはベアリング18を介して従動軸部10が左右方向に貫通している。そのため、従動ロール部9は従動軸部10回りに回転自在となっている。
ベルト6は、無端の金属帯板やクローラなどで形成されており、駆動ドラム4と従動ドラム5との間に架け渡されている。ベルト6は駆動ドラム4と従動ドラム5との間に上側の平坦面11と下側の平坦面12を有している。上側の平坦面11はその上面がタイヤT(転動体)を接地させる路面として形成されている。路面は実路面と同様にアスファルトやコンクリートなどの材料で形成されていてもよく、路面の上には必要に応じて雪、氷、又は水の層を形成することもできる。
タイヤT(転動体)は、上側の平坦面11に形成された路面上の接地位置31に接地されている。接地位置31は、本実施形態では駆動ドラム4と従動ドラム5の略中間であって、ベルト6の左右方向における略中間とされている。タイヤTには6分力計など(図示略)が設けられており、路面を走行させた場合に発生する力を計測することにより走行特性が評価される。
路面直進制御機構1は、前述した端部検出手段13を有している。この端部検出手段13は、ベルト6の左右の端部6a、6bの位置や左右方向のズレ量を検知する。
また、路面直進制御機構1は、従動ドラム5(従動軸部10)の両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させる第1揺動手段24と、従動ドラム5(従動軸部10)の両端のうち少なくともいずれか一方の端部を上下方向に揺動させる第2揺動手段26を有している。
端部検出手段13は、ベルト6の上下の平坦面11、12における左端と右端とに、平坦面11、12から一定の距離をあけてそれぞれ設けられている。端部検出手段13は、ベルト6の左右の端部6a、6bが左右方向にどの程度移動したかを変位量として計測している。
上センサ14及び下センサ15は、上側の平坦面11におけるタイヤTの接地位置31から従動ドラム5側であって、ベルト6が従動ドラム5に接するまでの間に設けられている。なお、好ましくは端部検出手段13は接地位置31より従動ドラム5側、例えば従動ドラム5の近傍に設けられるのが良い。
第1アーム部17aは送出し方向Fに沿って略水平に従動ドラム5の左側に設けられていて、第2アーム部17bは送出し方向Fに沿って略水平に従動ドラム5の右側に設けられている。
一対の第1アーム部17a、17bの先端側(従動ドラム5側)には、従動軸部10を回転可能に支持する先端軸受け部19がそれぞれ設けられている。先端軸受け部19は球面軸受けで構成されており、左側の第1アーム部17aと右側の第1アーム部17bは従動軸部10周りにそれぞれ揺動自在に支持されている。
一対の第1アーム部17a、17bにおける基端軸受け部21と先端軸受け部19との間には、左側の第1アーム部17aの長さを調整する左側の第1伸縮部22aと右側の第1アーム部17bの長さを調整する右側の第1伸縮部22bとがそれぞれ設けられている。第1伸縮部22a,22bは油圧サーボシリンダ等のリニアアクチュエータで構成されるとよい。
一対の第2アーム部27a、27bは、従動軸部10を右上方側から支持する右側の第2アーム部27bと、従動軸部10を左上方側から支持すると共に従動軸部10に対する傾きが変更自在とされた左側の第2アーム部27aとを有している。なお、以降の説明において、一対の第2アーム部27a、27bで従動軸部10に向かう側を先端側とし、反従動軸部10側を基端側とする。
左側の第2アーム部27aの先端側は、従動軸部10の左端上面に球面軸受けを介して前後軸心回りに揺動自在に枢着されている。左側の第2アーム部27aの中途部は、敷設面Gに立設された支持部41に前後方向を向く枢支ピン30を介して回動自在に枢支されている。この枢支ピン30と第2アーム部27aの中途部との間には球面軸受けが配備されている。
このように、第2揺動手段26の各連結部が球面軸受けで構成されているため、第1揺動手段24によるP,P’方向(従動ドラム5の前後方向)への移動が妨げられないものとなっている。
図3に示されるように、調整手段25は、端部検出手段13の変位量に応じて第1揺動手段24または第2揺動手段26で従動ドラム5の軸心を揺動させてベルト6の直進性を調整するものである。調整手段25は、後述する路面直進制御方法に従って第1揺動手段24または第2揺動手段26に信号を送っており、具体的にはコンピュータ又はシーケンサから構成されている。
路面直進制御方法については、第1の路面直進制御方法と第2の路面直進制御方法がある。
第1の路面直進制御方法は、駆動ドラム4の正回転と逆回転とのいずれにおいても、従動ドラム5に巻き取られる側で且つタイヤTの接地位置31から従動ドラム5側の平坦面に配置された端部検出手段13によりベルト6の左右の端部6a、6bの変位量を計測し、計測された変位量に応じて従動ドラム5の両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させることにより、ベルト6の直進性を調整するものである。
まず、左側専用タイヤであるタイヤTを装着して走行試験する場合を考える。この場合、駆動ドラム4を正回転させてベルトTを送り出し方向Fに移送するものとする。
駆動モータ3の駆動力を駆動軸部8を介して駆動ドラム4に伝達すると、駆動ドラム4が送出し方向Fに回転を始める。駆動ドラム4が送出し方向Fに回転すると、従動ドラム5とベルト6も送出し方向Fに回転し、駆動ドラム4と従動ドラム5との間に形成された上側の平坦面11及び下側の平坦面12が水平方向に移送(走行)する。このとき、上側の平坦面11にタイヤTが上方から接地されており、タイヤTの走行特性が評価される。
この場合、上センサ14、下センサ15が端部6a、6bの変位量を検出し、変位量の信号として切替手段32に送る。
切替手段32は、入力された信号のうち、上センサ14からの信号(従動ドラム5の巻き取り側)のみを取り出す。取り出された信号を基に、調整手段25は、ベルト6のずれ量に対応した従動ドラム5の前後方向に沿った揺動角、揺動角速度、または揺動モーメントのいずれかの操作量を算出し、この操作量を実現するための制御信号を第1揺動手段24に送る。
逆に、何らかの原因によってベルト6が従動ドラム5上で左側にずれたとする。
この場合であっても、上センサ14、下センサ15は端部6a、6bの変位量を検出し、変位量の信号として切替手段32に送り、切替手段32は、上センサ14からの信号のみを取り出す。
今度は、右側専用タイヤであるタイヤTを装着して走行試験する場合を考える。この場合、駆動ドラム4を逆回転させてベルトTを巻取り方向Rに移送しなければならない。
この場合、上センサ14、下センサ15が端部6a、6bの変位量を検出し、変位量の信号として切替手段32に送る。
切替手段32は、入力された信号のうち、下センサ15からの信号(従動ドラム5の巻き取り側)のみを取り出す。取り出された信号を基に、調整手段25は、ベルト6のずれ量に対応した従動ドラム5の前後方向に沿った揺動角、揺動角速度、または揺動モーメントのいずれかの操作量を算出し、この操作量を実現するための制御信号を第1揺動手段24に送る。
次に、第2の路面直進制御方法について説明する。
第2の路面直進制御方法は、駆動ドラム4の正回転と逆回転とのいずれにおいても、従動ドラム5から送り出される側で且つタイヤTの接地位置31から従動ドラム5側の平坦面に配置された端部検出手段13によりベルト6の左右の端部6a、6bの変位量を計測し、計測された変位量に応じて従動ドラム5の両端のうち少なくともいずれか一方の端部を上下方向に揺動させることにより、ベルト6の直進性を調整するものである。
まず、左側専用タイヤであるタイヤTを装着して走行試験する場合を考える。この場合、駆動ドラム4を正回転させてベルトTを送り出し方向Fに移送するものとする。
ここで、何らかの原因によってベルト6が従動ドラム5上で右側にずれたり、ベルト6の端部6a,6bが、従動ドラム5の回転軸と直交する基準方向から右側に傾きながら巻き取られる状態になったとする。
この場合、上センサ14、下センサ15が端部6a、6bの変位量を検出し、変位量の信号として切替手段32に送る。
第2揺動手段26では、送られてきた制御信号に基づき第2伸縮部28(油圧サーボシリンダ)を作動させ、作動部材29を所定分だけ伸ばす。すると、その伸長分だけ左側の第2アーム部27aの基端側が上方に揺動し、反対に左側の第2アーム部27aの先端側が枢支ピン30を中心として下方に揺動する。その結果、従動ドラム5の右端部は図1のQ’で示される方向(従動ドラム5の上方向)に揺動し、従動ドラム5の右側が上がってベルト6が左側に移動して、ベルト6のずれが補正されることとなる。
この場合でも切替手段32は、下センサ15からの信号のみを取り出す。取り出された信号を基に、調整手段25は、第2伸縮部28(油圧サーボシリンダ)を作動させ、作動部材29を所定分だけ縮める。すると、その縮退分だけ左側の第2アーム部27aの基端側が下方に揺動し、反対に左側の第2アーム部27aの先端側が枢支ピン30を中心として上方に揺動する。その結果、従動ドラム5の右端部は図1のQで示される方向(従動ドラム5の下方向)に揺動し、従動ドラム5の左側が上がってベルト6が右側に移動して、ベルト6のずれが補正されることとなる。
ここで、何らかの原因によってベルト6が従動ドラム5上で右側(又は左側)にずれたとする。
切替手段32は、入力された信号のうち、上センサ14からの信号(従動ドラム5の送り出し側)のみを取り出す。取り出された信号を基に、調整手段25は、ベルト6のずれ量に対応した従動ドラム5の上下方向に沿った揺動角、揺動角速度、または揺動モーメントのいずれかの操作量を算出し、該揺動角を実現するための制御信号を第2揺動手段26に送る。
実施例1は、第1揺動手段24及び第2揺動手段26でベルト6の直進性を制御した実験例を示している。
タイヤ試験装置2としては、クラウン加工のない駆動ドラム4(駆動ドラム4の直径:φ120mm)及び従動ドラム5(従動ドラム5の直径:φ120mm)を備えた、ドラム軸心間距離300mm、ベルト6:幅100mmの小型実験機を用いている。
端部検出手段13(上センサ14,下センサ15)としては、光透過式の光学センサを採用した。上センサ14は、駆動ドラム4と従動ドラム5との間に架け渡されたベルト6における上側の平坦面11の従動ドラム5寄りであって両端側の上方に離れてそれぞれ2個設けた。また、下センサ15は、駆動ドラム4と従動ドラム5との間に架け渡されたベルト6における下側の平坦面12の従動ドラム5寄りであって両端側の下方に離れてそれぞれ2個設けた。比較のために、上センサ14,下センサ15と同一仕様の光学センサ(駆動側センサ34)を駆動ドラム4の近傍であってベルト6の下側の平坦面12に設置している。なお、操作量(制御入力量)は従動ドラム5の揺動角速度とした。
表1に示されるように、第1揺動手段24を用いて、従動ドラム5の端部をP方向又はP’方向(従動ドラム5の前後方向)へ揺動させる場合においては、(1)ベルト6を送出し方向Fに回転させた場合には、上センサ14からの変位量によって直進性を制御したものが、下センサ15及び駆動側センサ34からの変位量によって直進性を制御したものより直進性制御が確実に行えることがわかる。また、(2)ベルト6を巻取り方向Rに回転させた場合には、下センサ15からの変位量によって直進性を制御したものが、上センサ14及び駆動側センサ34からの変位量によって直進性を制御したものより直進性の評価が良好となる。
一方、表1に示されるように、第2揺動手段26を用いて、従動ドラム5の端部をQ方向又はQ’方向(従動ドラム5の上下方向)へ揺動させる場合においては、(3)ベルト6を送出し方向Fに回転させた場合には、下センサ15からの変位量によって直進性を制御したものが、上センサ14からの変位量によって直進性を制御したものより結果が良好となることがわかる。また、(4)ベルト6を巻取り方向Rに回転させた場合には、上センサ14からの変位量によって直進性を制御したもの直進性の評価が良好となる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では端部検出手段13に光の反射または光の透過を利用した光学センサを用いていたが、渦電流方式のセンサなどの光学式センサ以外のセンサを用いることもできる。
また、上記実施形態では、第1揺動手段24と第2揺動手段26に油圧サーボシリンダからなるリニアアクチュエータを用いて揺動角を変えるものとしているが、これに限らず油圧サーボモータからなるロータリアクチュエータを用いて揺動角を変えるように構成することもできる。
2 タイヤ試験機(走行試験装置)
3 駆動モータ
4 駆動ドラム
5 従動ドラム
6 ベルト
6a ベルトの左側の端部
6b ベルトの右側の端部
7 駆動ロール部
8 駆動軸部
9 従動ロール部
10 従動軸部
11 上側の平坦面
12 下側の平坦面
13 端部検出手段
14 上センサ
15 下センサ
16 軸受け
17a 左側の第1アーム部
17b 右側の第1アーム部
18 ベアリング
19 先端軸受け部
20 固定軸部
21 基端軸受け部
22a 左側の第1伸縮部
22b 右側の第1伸縮部
23 アンカー部
24 第1揺動手段
25 調整手段
26 第2揺動手段
27a 左側の第2アーム部
27b 右側の第2アーム部
28 第2伸縮部
29 作動部材
30 枢支ピン
31 タイヤの接地位置
32 切替手段
33 内筒
34 駆動側センサ
40 支持部
41 支持部
42 支持部
F 送出し方向
R 巻取り方向
G 敷設面
T タイヤ
Claims (9)
- 正回転又は逆回転が可能な駆動ドラムと従動ドラムとを前後に有し且つ両ドラムの間に架け渡されたベルトの平坦面に形成された路面に転動体を接地させて該転動体の走行特性を評価する走行試験装置に設けられた路面直進制御機構であって、
前記駆動ドラムと前記従動ドラムとの間にある2つの平坦面のそれぞれに配置されて、ベルトの端部位置を検知する端部検出手段と、
前記従動ドラムの両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させる第1揺動手段と、
前記駆動ドラムの正回転と逆回転とのいずれにおいても、前記従動ドラムに巻き取られる側の平坦面で且つ転動体接地位置から前後方向で従動ドラム側に配置された端部検出手段の変位量に応じて、前記第1揺動手段で従動ドラムの軸心を揺動させることによりベルトの直進性を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする走行試験装置の路面直進制御機構。 - 正回転又は逆回転が可能な駆動ドラムと従動ドラムとを前後に有し且つ両ドラムの間に架け渡されたベルトの平坦面に形成された路面に転動体を接地させて該転動体の走行特性を評価する走行試験装置に設けられた路面直進制御機構であって、
前記駆動ドラムと前記従動ドラムとの間にある2つの平坦面のそれぞれに配置されて、ベルトの端部位置を検知する端部検出手段と、
前記従動ドラムの両端のうち少なくともいずれか一方の端部を上下方向に揺動させる第2揺動手段と、
前記駆動ドラムの正回転と逆回転とのいずれにおいても、前記従動ドラムから送り出される側の平坦面で且つ転動体接地位置から前後方向で従動ドラム側に配置された端部検出手段の変位量に応じて、前記第2揺動手段で従動ドラムの軸心を揺動させることによりベルトの直進性を調整する調整手段と
を有することを特徴とする走行試験装置の路面直進制御機構。 - 前記端部検出手段は、ベルトの端部位置を光の反射または光の透過で検知する光学センサを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の走行試験装置の路面直進制御機構。
- 前記端部検出手段は、前記平坦面に転動体が接地している位置より従動ドラム側に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の走行試験装置の路面直進制御機構。
- 前記調整手段は、前記駆動ドラムを正回転させるときと駆動ドラムを逆回転させるときとで、2つの前記端部検出手段からの信号のうちいずれか一方の信号から他方の信号に切り替える切替手段を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の走行試験装置の路面直進制御機構。
- 正回転又は逆回転が可能な駆動ドラムと従動ドラムとを前後に有し且つ両ドラムの間に架け渡されたベルトの平坦面に形成された路面に転動体を接地させて該転動体の走行特性を評価する走行試験装置の路面直進制御方法であって、
前記駆動ドラムと前記従動ドラムとの間にある2つの平坦面のそれぞれに、ベルトの端部位置を検知する端部検出手段を配置し、
前記駆動ドラムの正回転と逆回転とのいずれにおいても、それぞれの回転方向における従動ドラムに巻き取られる側の平坦面に配置された前記端部検出手段によりベルトの端部位置の変位量を計測し、
計測された前記変位量に応じて、前記従動ドラムの両端のうち少なくともいずれか一方の端部を前後方向に揺動させることにより、前記ベルトの直進性を調整することを特徴とする走行試験装置の路面直進制御方法。 - 正回転又は逆回転が可能な駆動ドラムと従動ドラムとを前後に有し且つ両ドラムの間に架け渡されたベルトの平坦面に形成された路面に転動体を接地させて該転動体の走行特性を評価する走行試験装置の路面直進制御方法であって、
前記駆動ドラムと前記従動ドラムとの間にある2つの平坦面のそれぞれに、ベルトの端部位置を検知する端部検出手段を配置し、
前記駆動ドラムの正回転と逆回転とのいずれにおいても、それぞれの回転方向における従動ドラムから送り出される側の平坦面に配置された前記端部検出手段によりベルトの端部位置の変位量を計測し、
計測された前記変位量に応じて、前記従動ドラムの両端のうち少なくともいずれか一方の端部を上下方向に揺動させることにより、前記ベルトの直進性を調整することを特徴とする走行試験装置の路面直進制御方法。 - 前記端部検出手段を光学センサで構成し、該光学センサを用いて前記ベルトの端部位置を光の反射または光の透過で検知することを特徴とする請求項6または7に記載の走行試験装置の路面直進制御方法。
- 前記駆動ドラムを正回転させるときは2つの前記端部検出手段のいずれか一方の信号を用いて前記ベルトの直進性を調整し、前記駆動ドラムを逆回転させるときは他方の信号を用いて前記ベルトの直進性を調整することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の走行試験装置の路面直進制御方法。
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JP2007240996A JP4860584B2 (ja) | 2007-09-18 | 2007-09-18 | 走行試験装置の路面直進制御機構及び路面直進制御方法 |
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