JP2009068877A - 単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価方法及び評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一モード光ファイバで構成される光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布を片端から、かつ簡単に評価できる単一モード光ファイバのラマン利得効率分布の評価方法及び評価装置を提供することにある。
【解決手段】単一モード光ファイバ伝送路16に波長λpの励起光パワーPPと波長λのOTDR光をWDMカップラーで合波して入射したときに、単一モード光ファイバ16の任意の位置zでの後方散乱光強度S(λ,z,Pp)と、励起パワーがない場合のS(λ,z,0)とを測定する後方散乱光強度測定器11とそれらの後方散乱光強度差から、位置zでの1次微分係数と励起光波長λpでの損失係数を用い、単一モード光ファイバ16のラマン利得効率を演算する後方散乱光強度波形解析装置12とを有するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】単一モード光ファイバ伝送路16に波長λpの励起光パワーPPと波長λのOTDR光をWDMカップラーで合波して入射したときに、単一モード光ファイバ16の任意の位置zでの後方散乱光強度S(λ,z,Pp)と、励起パワーがない場合のS(λ,z,0)とを測定する後方散乱光強度測定器11とそれらの後方散乱光強度差から、位置zでの1次微分係数と励起光波長λpでの損失係数を用い、単一モード光ファイバ16のラマン利得効率を演算する後方散乱光強度波形解析装置12とを有するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は単一モード光ファイバのラマン利得効率分布の評価法及び評価装置に関し、特に、接続された複数の光ファイバで構成される光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価法、及び装置に関する。
昨今、インターネットサービスの急速な普及により、トラフィック量が急増しており、そのトラフィックを処理するために波長多重技術(WDM)が用いられている。また、低損失光ファイバ、低損失波長帯を利用した波長域の開拓及び増幅技術の開発に伴い、光ファイバによる長距離伝送化が、さらに低コストで効率的な伝送を行うための低損失無中継伝送システムが検討され、光ファイバ伝送路を増幅媒体とする広帯域な光増幅技術の適用も考検討されている。
このような単一モード光ファイバ伝送路を用いた通信システムにおいて、分布ラマン増幅(Distributed Raman Amplifier:DRA)技術の開発が進んでいる。ラマン増幅とは石英ガラスで構成される光ファイバに信号光と、信号光より周波数が高い励起光とを同時に入力すると、石英ガラス中の誘導ラマン散乱現象により、励起光のエネルギーの一部が信号光に移る、即ち信号光が増幅される現象である。
分布ラマン増幅とは、光ファイバ伝送路自体を増幅媒体として用い、その伝送路に励起光を入射することによりラマン増幅効果を得る方法である。分布ラマン増幅を適用した光ファイバ伝送システムでは、伝送路の伝搬損失がラマン増幅で補償されるため、伝送可能距離を伸すことができる。
以下、従来の光伝送システムにおける測定方法について説明する。ラマン利得効率とは、各ファイバ1kmで送信光のパワー1Wに対し、受信側で得られた利得を示すパラメータとして用いられる。
従来のラマン利得効率の分布評価技術について説明する。光ファイバ伝送線路のラマン利得効率分布を測定する技術として、特許文献1で開示された「光ファイバの特性評価方法および装置」が知られている。特許文献1で開示されている技術の原理を図9に示す。この技術では、第1光源31からの光パルスS1を被測定光ファイバ伝送路33にその一端Aから入射させ、他端Bより第2光源32からのCW光(連続光)S2を被測定光ファイバ伝送路33に入射させて光パルスS1と対向させて伝搬させて、第1光源31からの光パルスS1と第2光源32からのCW光S2との間の相互作用によりラマン光増幅を生じさせる。ラマン光増幅を受けたCW光は光カプラ34を介して光検出器35に導かれ、光検出器35にて電気信号に変換され、信号処理装置36で信号処理される。
このラマン光増幅を受けたCW光の光パワーの時間的変化波形を解析することにより、ラマン光増幅による利得が測定される。また、光検出器35の前段に光波長フィルタ37を配置することで、ラマン光増幅効果のみを取り出すように、光パルスS1により発生する後方レーリー散乱光等の不要な光が除去される。
更に、特許文献1の改良型として、特許文献2があり、直流成分と増幅成分とを別々に測定してラマン利得特性を測定する評価方法に関するものである。
次に、特許文献3には、実効ラマン利得効率を測定する別の方法が示され、光ファイバ伝送路に分布ラマン増幅を適用し信号光を増幅伝送する工程と、前記光ファイバ伝送路への励起光の出力を調整する励起光調整工程と、前記励起光を出力および停止した状態について前記光ファイバの伝播損失を時間領域光反射法(OTDR)によるテスト光によって測定する測定工程と、前記二状態における伝播損失の差分をもとに前記光ファイバのラマン利得を算出する算出工程を備えている。
この方法は、光ファイバの一端に励起光が供給された前記光ファイバのラマン利得を測定する測定装置において、前記励起光を出力した状態における第1の戻り光パワーと、前記励起光を停止した状態における第2の戻り光パワーとの比が一定となる、前記光ファイバの他端を除く点における前記第1及び第2の戻り光パワーに基づいて、前記光ファイバの全長で生じるラマン利得を測定することを特徴とした方法である。
しかしながら、この方法では、励起光のパワーを調整することが必要となり、測定におけるあいまいさがあり、また、任意の点での実効ラマン利得効率の分布が評価できない。
更に、非特許文献1には、OTDRを用いた片端で測定する方法に関する提案がなされている。即ち、励起光パワーPp1が供給された単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zからの後方散乱光S1(λ,z,Pp1)(単位はdB)と、励起光パワーPp2の場合の前記位置zからの後方散乱光S2(λ,z,Pp2)との差値と、前記励起光の波長λpにおける損失係数αpの値との相関において、実効ラマン利得効率gR/Aeff(gR:ラマン利得、Aeff:実効断面積)として評価することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路の実効的ラマン利得効率の評価方法としている。
特開平2−238339号公報
特開2003−156410号公報
特開2004−240461号公報
「Simple technique for measuring Raman gain coefficient in optical fibers by using OTDR」(OECC 2006 3P−11−1(2006))
光ファイバ伝送線路のラマン利得効率分布を測定しようとする際、従来の手法(特許文献1及び特許文献2)では伝送路の両端に測定器、光源、及び作業者を配置して作業を行わねばならず、作業性に難があっため、伝送路の一方の端での作業のみでラマン利得効率を簡便に測定する手段が求められていた。また、OTDRを用いた片端で測定する方法(特許文献3及び非特許文献1)も提案されているが、その評価法においては、ラマン利得効率の分布測定が難しく、測定精度の向上が求められていた。
主な第1の解決手段は、波長λpの励起光パワーPpが供給された単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zからの後方散乱光S(λ,z,Pp)(単位はdB)と、励起光パワーがない場合の前記位置zからの後方散乱光S(λ,z,0)との差分Sd(λ,z,Pp)=S(λ,z,Pp)−S(λ,z,0)の後方散乱光であるSd(λ,z,Pp)を求め、この測定値から、任意の位置における1次微分係数を評価し、前記励起光の波長λpにおける損失係数αpの値との相関により求まる励起パワーの値から、ラマン利得効率gR(z)/Aeff(z)(gR(z):前記位置zにおけるラマン利得係数、Aeff(z):前記位置zにおける実効断面積)として評価することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路の実効的ラマン利得効率分布の評価方法とする。
更には、波長λpの励起光パワーPpが供給された単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zからの後方散乱光S(λ,z,Pp)と、励起光パワーがない場合の前記位置zからの後方散乱光S(λ,z,0)および前記励起光の波長λpにおける損失係数αpの値を用い、当該単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zにおけるラマン利得効率gR(z)/Aeff(z)を次式に示す関係式より評価することにより、前期課題を解決する手段としている。
更に、波長λpの励起光パワーPpを供給した単一モード光ファイバ伝送路の位置zにおける波長λでの後方散乱光強度S(λ,z,Pp)を測定する機能と、該後方散乱光強度波形の演算処理を行なう機能とを有し、励起光パワーPpが供給された単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zからの後方散乱光S(λ,z,Pp)(単位はdB)と、励起光パワーがない場合の前記位置zからの後方散乱光S(λ,z,0)とを計測し、その差分Sd(λ,z,Pp)=S(λ,z,Pp)−S(λ,z,0)のzに関する1次微分を評価し、前記励起光の波長λpにおける損失係数αpの値との相関において、位置zでの励起光パワーを演算し、ラマン利得効率gR(z)/Aeff(z)(gR(z):前記位置zにおけるラマン利得、Aeff(z):前記位置zにおける実効断面積)として評価することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路の実効的ラマン利得効率分布の評価装置とする。
また、前記励起波長λpにおける位置zでの励起光のパワーを評価する手段として、波長λpの後方散乱光強度を測定する機能と、該後方散乱光強度波形の演算処理を行なう機能とを有することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価装置とする。
更にまた、測定装置としても、OTDR装置、励起光源、信号光と励起光とを合波するWDM合分波器、光フィルタ等から構成されるきわめて簡単な装置な装置構成で、前記課題を解決することができる。
本発明によれば、従来評価不可能であった敷設後の複数の光ファイバで構成される単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布を片端からかつ短時間に評価できるといった効果を奏する。
また、本発明を用いることにより、現場(中継点又は工場など)において測定可能であり、通常市販されている装置だけの簡単な装置構成であり、装置の持ち運びなど利便性があり、簡単な評価法でラマン利得効率分布を測定できる。
以下に本発明の実施例について、図を用いて説明する。
(実施例1)
本発明の第1の実施例では、単一モード光ファイバもしくは光伝送路の任意の位置zにおけるラマン利得効率の評価手順について説明する。
図1は本発明による単一モード光ファイバ伝送路16のラマン利得効率の評価装置の構成を示す概略図である。本発明による単一モード光ファイバ伝送路16のラマン利得効率の評価装置は、後方散乱光強度測定装置11、後方散乱光強度波形解析装置12、励起用光源13、光合分波器14、光フィルタ17により構成される。
本発明の第1の実施例では、単一モード光ファイバもしくは光伝送路の任意の位置zにおけるラマン利得効率の評価手順について説明する。
図1は本発明による単一モード光ファイバ伝送路16のラマン利得効率の評価装置の構成を示す概略図である。本発明による単一モード光ファイバ伝送路16のラマン利得効率の評価装置は、後方散乱光強度測定装置11、後方散乱光強度波形解析装置12、励起用光源13、光合分波器14、光フィルタ17により構成される。
後方散乱光強度測定装置11は、通常のOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)と同様の機能を有し、少なくとも2波長以上の測定光源を有する。1波長は、ラマン利得効率を測定する波長であり、もう一方は、励起光での損失係数を評価する波長である。後方散乱光強度測定装置11では、長さLkmの被測定単一モード光ファイバ、もしくは光ファイバ伝送路に波長λの測定パルス光を、測定端Aに入射し、また、同時に、波長λpの連続光の励起光Pp(W)を入射し、該単一モード光ファイバもしくは単一モード光ファイバ伝送路の位置zからの後方散乱光強度S(λ,z,Pp)(単位:dB)を測定する。
一方、後方散乱光強度波形解析装置12では、以下に示す手順により、当該単一モード光ファイバ、もしくは単一モード光ファイバ伝送路の位置zにおけるラマン利得効率を評価する。
まず、入射端から距離zにおける信号光パワーPs(z)は次式の結合方程式を解くことによって求めることができる。
ここで、Aeffは励起光と信号光とが相互作用する実効的な断面積であり、gRはラマン利得係数である。また、αpおよびαsはそれぞれ励起波長および信号波長における損失係数を表している。境界条件としてPP(0)=PPを与えて、式(3)を解くと
式(4)を式(2)に代入して、境界条件としてPs(0)=Psを与えて、信号光パワーPs(z)を求めると、
まず、入射端から距離zにおける信号光パワーPs(z)は次式の結合方程式を解くことによって求めることができる。
さて、ここで、OTDRの測定原理に戻って距離zから後方に散乱される信号光について考える。
z=zでの信号光パワーPs(z)は後方にαsB(z)Ps(z)分だけ散乱されるが、その散乱パワーと励起光とが相互作用をすることにより、式(6)と同様な増幅作用を経験しながら、入射端のほうに散乱パワーは増幅されながら伝搬する。したがって、任意の位置zから後方に散乱される後方散乱光パワーPs(z)は次式で記述できる。
また、ここで、G(z)を次式で定義する。
ここで、αは散乱係数、B(z)は次式で定義される捕獲率を示す。
z=zでの信号光パワーPs(z)は後方にαsB(z)Ps(z)分だけ散乱されるが、その散乱パワーと励起光とが相互作用をすることにより、式(6)と同様な増幅作用を経験しながら、入射端のほうに散乱パワーは増幅されながら伝搬する。したがって、任意の位置zから後方に散乱される後方散乱光パワーPs(z)は次式で記述できる。
また、励起光がない場合には、式(7)でPp(0)=0とおくと、よく知られた方程式が得られる。
そこで、これらの関係式を利用したラマン利得効率を求める方法を述べる。励起波長λpの励起パワーPpを供給した単一モード光ファイバあるいは単一モード光ファイバ伝送路にOTDRで、励起光と同じ片端から測定された後方散乱光強度をS(λ,z,Pp)(=10log(P(z)),単位:dB)とすると次式で表せる。
また、OTDR波形の位置z=z+Δzでの後方散乱強度S(λ,z+Δz)は
上記式(11)と(12)より、次式の関係が得られる。
ここで、両辺をΔzで割り、微分の定義を用いると式(13)は次式で記述できる。
したがって、式(14)、(15)および(16)より、励起パワーがある場合とない場合の後方散乱光強度を測定することにより、次式より位置zにおけるラマン利得効率をもとめることができる。
ここで、励起光がある場合とない場合の後方散乱強度の差の関数をS(λ,z,Pp)と定義すると、
したがって、ラマン利得効率は次式で求めることができる。
式(17)、(18)より(1)を得て、励起パワーがある場合とない場合における後方散乱光強度差のzにおける1次微分を評価することによりラマン利得効率分布を評価することができる。
(実施例2)
以下では、本発明による単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率の評価例について図表を用いて説明する。
後方散乱光強度測定装置は波長1550nmの測定光源を有する。本実施では長さ25kmの1.3μm帯零分散ファイバ(ファイバA)を用いた。
図2に、ファイバAに対して、励起光を入射した場合としない場合についての後方散乱光波形を示す。また、測定波長は1550nmで、OTDRは計の平均化時間は5分である。図2の破線(2)は、励起光を入射していない場合の波形である。また、実線(1)は、励起光を入射した場合の波形で、励起パワーがPp=88mWの場合について示す。図からわかるように、励起光を入射していない場合には、後方散乱光強度はファイバ長とともに直線的に減少しているのがわかる(図2の縦軸の単位はdBである)。一方、励起光を入射すると、OTDR波形が変化しているのが明確に観測できる。この差が、ラマン散乱の影響である。
この時の、波長λ=1550nmにおける、測定端Aからの後方散乱光強度波形、それぞれS(λ,z,Pp)及びS(λ,z,0)を測定し、この2つの後方散乱光強度の差を後方散乱光強度波形解析装置を用いて任意の位置における1次微分係数を求め、「実施例1」に記載の手順により被測定光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布を評価した。
以下では、本発明による単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率の評価例について図表を用いて説明する。
後方散乱光強度測定装置は波長1550nmの測定光源を有する。本実施では長さ25kmの1.3μm帯零分散ファイバ(ファイバA)を用いた。
図2に、ファイバAに対して、励起光を入射した場合としない場合についての後方散乱光波形を示す。また、測定波長は1550nmで、OTDRは計の平均化時間は5分である。図2の破線(2)は、励起光を入射していない場合の波形である。また、実線(1)は、励起光を入射した場合の波形で、励起パワーがPp=88mWの場合について示す。図からわかるように、励起光を入射していない場合には、後方散乱光強度はファイバ長とともに直線的に減少しているのがわかる(図2の縦軸の単位はdBである)。一方、励起光を入射すると、OTDR波形が変化しているのが明確に観測できる。この差が、ラマン散乱の影響である。
この時の、波長λ=1550nmにおける、測定端Aからの後方散乱光強度波形、それぞれS(λ,z,Pp)及びS(λ,z,0)を測定し、この2つの後方散乱光強度の差を後方散乱光強度波形解析装置を用いて任意の位置における1次微分係数を求め、「実施例1」に記載の手順により被測定光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布を評価した。
図3に励起光がある場合とない場合の後方散乱光強度の差の曲線(1)及び差分(曲線(1))のzにおける1次微分係数の曲線(2)を示す。左軸は、差分を示し、右軸は1次微分値を示す。この図から、ファイバ長が長くなるにつれて後方散乱光強度の差が大きくなっているのがわかる。ここで、この後方散乱光強度の任意の位置zにおける1次微分したものを曲線(2)として表している。尚、測定で得られた後方散乱光強度に3次の多項式で最もフィッティングするように係数を決めた。求められた多項式は次式に示す。
図4にファイバAに対して波長λ=1550nmにおけるラマン利得効率分布を、前記関係式(1)を用いて評価した結果を示す。横軸は距離zを示し、縦軸はラマン利得効率を示す。図4より、ファイバAのラマン利得効率は、従来技術による評価結果と良く一致していることが分かる(即ち、ファイバAは通常使用されている単一モード光ファイバであり、実効ラマン利得効率が0.3〜0.35程度であることが知られている)。
図4よりわかるように、ファイバ長に対するラマン利得効率が一定でないことから、ファイバAのラマン利得効率の均一性が若干悪いことが分かる。
図4よりわかるように、ファイバ長に対するラマン利得効率が一定でないことから、ファイバAのラマン利得効率の均一性が若干悪いことが分かる。
(実施例3)
以下では、本発明による単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率の第2の評価例について図表を用いて説明する。
後方散乱光強度測定装置は波長1550nmの測定光源を有する。本実施では長さ500mの1.3μm帯零分散ファイバを11本接続した屋外の伝送線路を用いた。
図5(縦軸の単位はdBである)に、伝送線路に対して、励起光を入射した場合としない場合についての後方散乱光波形を示す。また、測定波長は1550nmで、OTDR波形の平均化時間は5分である。図5の実線(1)は、励起光を入射した場合の波形で、励起パワーがPp=90mWの場合について示す。破線(2)は、励起光を入射していない場合の波形である。また、実線(1)は、図からわかるように、励起光を入射していない場合には、後方散乱光強度はファイバ長とともに(それぞれのファイバの部分で)直線的に減少しているのがわかる。一方、励起光を入射すると、励起光を入れなかった場合のOTDR波形に比べてOTDR光が大きくなっているのがわかり、OTDR波形が変化しているのが明確に観測できる。この差が、ラマン散乱の影響である。
この時の、波長λ=1550nmにおける、片端の後方散乱光強度波形、それぞれS(λ,z,Pp)及びS(λ,z,0)を測定し、後方散乱光強度波形解析装置を用いて任意の位置における1次微分係数を求め、実施例1に記載の手順により被測定光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布を評価した。
以下では、本発明による単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率の第2の評価例について図表を用いて説明する。
後方散乱光強度測定装置は波長1550nmの測定光源を有する。本実施では長さ500mの1.3μm帯零分散ファイバを11本接続した屋外の伝送線路を用いた。
図5(縦軸の単位はdBである)に、伝送線路に対して、励起光を入射した場合としない場合についての後方散乱光波形を示す。また、測定波長は1550nmで、OTDR波形の平均化時間は5分である。図5の実線(1)は、励起光を入射した場合の波形で、励起パワーがPp=90mWの場合について示す。破線(2)は、励起光を入射していない場合の波形である。また、実線(1)は、図からわかるように、励起光を入射していない場合には、後方散乱光強度はファイバ長とともに(それぞれのファイバの部分で)直線的に減少しているのがわかる。一方、励起光を入射すると、励起光を入れなかった場合のOTDR波形に比べてOTDR光が大きくなっているのがわかり、OTDR波形が変化しているのが明確に観測できる。この差が、ラマン散乱の影響である。
この時の、波長λ=1550nmにおける、片端の後方散乱光強度波形、それぞれS(λ,z,Pp)及びS(λ,z,0)を測定し、後方散乱光強度波形解析装置を用いて任意の位置における1次微分係数を求め、実施例1に記載の手順により被測定光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布を評価した。
図6は、図3と同じように、本実施例3における場合のものを示し、励起光がある場合とない場合の後方散乱光強度の差の曲線(1)及び差分のzにおける1次微分係数の曲線(2)を示す。左軸は、差分を示し、右軸は1次微分値を示す。この図から、ファイバ長が長くなるにつれて後方散乱光強度の差が大きくなっているのがわかる。ここで、この後方散乱光強度の任意の位置zにおける1次微分を評価するために、測定で得られた後方散乱光強度に3次の多項式で最もフィッティングするように係数を決めた。また、式(1)の分母の励起パワーの距離依存性P(0)exp(−αz)を評価するために、励起波長に近い波長のOTDRを用いて被測定光ファイバ伝送路の損失を評価した。測定した結果より、ファイバ長と励起パワーとの関係を図7に示す。図7は、縦軸に励起光のない場合の戻りパワーP(0)exp(−αz)と、横軸に距離(z)を示している。
図8に、本発明の第3の実施例における光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価結果を示す。縦軸にラマン利得効率g/Aeff(1/W/km)を示し、横軸には距離(z)を示す。図8は、光ファイバ伝送線路の波長λ=1550nmにおけるラマン利得効率分布を、前記関係式(1)を用いて評価した結果を示す。図8より、単長500mのファイバのラマン利得効率は0.2〜0.3(1/W/km)であり、図4の場合と同様に、そのラマン利得効率がほぼ同じようなレベルの範囲にあり、長手方向で値が小さくなってきているのがわかる(図6中の曲線(1)参照)。
11 後方散乱光強度測定装置
12 後方散乱光強度波形解析装置
13 励起用光源
14 WDMカップラー
15 測定端A
16 被測定単一モード光ファイバもしくは光ファイバ伝送路
17 光フィルタ
31 第1光源
32 第2光源
33 被測定単一モード光ファイバもしくは光ファイバ伝送路
34 光カプラ
35 光検出器
36 信号処理装置
37 光フィルタ
12 後方散乱光強度波形解析装置
13 励起用光源
14 WDMカップラー
15 測定端A
16 被測定単一モード光ファイバもしくは光ファイバ伝送路
17 光フィルタ
31 第1光源
32 第2光源
33 被測定単一モード光ファイバもしくは光ファイバ伝送路
34 光カプラ
35 光検出器
36 信号処理装置
37 光フィルタ
Claims (5)
- 波長λpの励起光パワーPpが供給された単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zからの後方散乱光S(λ,z,Pp)(単位はdB)と、励起光パワーがない場合の前記位置zからの後方散乱光S(λ,z,0)とを測定し、その差分から、zに関する後方散乱光の1次微分係数を計測し、前記励起光の波長λpにおける前記位置zにおける励起パワーの値から、前記位置zでのラマン利得効率gR(z)/Aeff(z)(gR(z):zにおけるラマン利得係数、Aeff(z):zにおける実効断面積)として評価することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価方法。
- 波長λpの励起光パワーPpが供給された単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zからの後方散乱光S(λ,z,Pp)(単位はdB)と、励起光パワーがない場合の前記位置zからの後方散乱光S(λ,z,0)とを計測してから、その後方散乱光強度の差をSd(λ,z,Pp)=S(λ,z,Pp)−S(λ,z,0)を計測し、前記位置zにおけるSd(λ,z,Pp)の1次微分係数を評価し、前記位置zにおける励起光のパワーを評価し、
- 請求項2において、位置zにおける励起光パワーを、波長λpの後方散乱光強度から評価することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価方法。
- 波長λpの励起光パワーPpを供給した単一モード光ファイバ伝送路の位置zにおける波長λでの後方散乱光強度S(λ,z,Pp)を測定する機能と、該後方散乱光強度波形の演算処理を行なう機能とを有し、励起光パワーPpが供給された単一モード光ファイバ伝送路の任意の位置zからの後方散乱光S(λ,z,Pp)(単位はdB)と、励起光パワーがない場合の前記位置zからの後方散乱光S(λ,z,0)とを計測し、その差分Sd(λ,z,Pp)=S(λ,z,Pp)−S(λ,z,0)のzに関する1次微分を評価し、前記励起光の波長λpにおける損失係数αpの値との相関において、位置zでの励起光パワーを演算し、ラマン利得効率gR(z)/Aeff(z)(gR(z):前記位置zにおけるラマン利得、Aeff(z):前記位置zにおける実効断面積)として評価することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路の実効的ラマン利得効率分布の評価装置。
- 前記励起波長λpにおける位置zでの励起光のパワーを評価する手段として、波長λpの後方散乱光強度を測定する機能と、該後方散乱光強度波形の演算処理を行なう機能とを有することを特徴とする単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価装置。
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---|---|---|---|
JP2007235074A JP2009068877A (ja) | 2007-09-11 | 2007-09-11 | 単一モード光ファイバ伝送路のラマン利得効率分布の評価方法及び評価装置 |
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JP2022020232A (ja) * | 2020-07-20 | 2022-02-01 | 日本電信電話株式会社 | 光ファイバケーブルセンシング装置、光ファイバケーブルセンシング方法、及びプログラム |
JP2022020231A (ja) * | 2020-07-20 | 2022-02-01 | 日本電信電話株式会社 | 光ファイバケーブルセンシングシステム、光ファイバケーブルセンシング方法、及び光ファイバケーブル |
-
2007
- 2007-09-11 JP JP2007235074A patent/JP2009068877A/ja active Pending
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