JP2009068844A - 酸素センサの故障診断装置 - Google Patents

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圭児 今村
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Abstract

【課題】誤判定を防止して診断精度を向上することができる酸素センサの故障診断装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に設けられた酸素センサの故障診断装置であって、酸素センサ19の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、酸素センサの基準ガス室の排気ガス量を推定する排気ガス量推定手段と、排気ガス量推定手段により推定された排気ガス量が第1所定値に至り、これより小さい第2所定値を超えるときに、酸素センサの故障診断の実行を許可する許可期間を設定する故障診断実行許可期間設定手段と、故障診断実行許可期間設定手段により設定された故障診断実行許可期間内において、所定値以上のリーン空燃比運転状態が所定時間継続した後に出力電圧検出手段により負の出力電圧が検出されたとき、酸素センサを故障と判定する故障判定手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は酸素センサの故障診断装置に係り、特に、内燃機関の排気通路に設けられ、排気ガスの酸素濃度に応じた起電力を発生する酸素センサの故障診断装置に関する。
触媒を利用した排気ガス浄化システムを備える内燃機関では、触媒による排気ガスの有害成分の浄化を有効に行うため、内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料(フューエル)との混合割合、すなわち空燃比のコントロールが欠かせない。こうした空燃比の制御を行うため、内燃機関の排気通路に、排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサを設け、その検出結果より空燃比を求めて、検出された空燃比を所定の目標空燃比に近づけるべく燃料噴射量を制御するフィードバック制御を実施している。
酸素センサは、一般に、排気通路内に突出するように配設された筒型の検出素子を備えている。検出素子は、その内面を大気(空気)に露呈するとともに、その外面は、センサカバーを通して流過する排気ガスに曝される。また検出素子は、内外の表面に電極が被覆された固体電解質により形成されている。固体電解質は、酸素がイオン化した状態でその内部を移動可能な固形物質であり、酸素センサ用としては例えばジルコニアなどが利用されている。検出素子の内側の大気と外側の排気ガスとの酸素分圧に差が生じると、その分圧の差を縮小すべく、酸素分圧の高い側(通常は大気側)の酸素がイオン化して固体電解質を通り、酸素分圧の低い側(通常は排気ガス側)へと移動する。酸素分子はイオン化する過程で4価の電子を受け取り、イオン化した状態から分子に戻る過程で4価の電子を放出する。そのため、上記の酸素の移動に応じて検出素子の内外表面の電極で電子の移動が生じ、その結果、検出素子に起電力が発生する。こうして酸素センサは、大気と排気ガスとの酸素分圧の差に応じて起電力を発生し、より具体的には、排気ガスの酸素濃度が少なくなるほど(つまり排気ガスの空燃比がリッチであるほど)大きな起電力を発生する。
こうした酸素センサにおいて、検出素子の欠損が生じて検出素子の内外が連通すると、検出素子外部の排気ガスがその内部に侵入し、その内外の酸素分圧の差が無くなってセンサは起電力を発生しなくなる。そしてさらに、検出素子内部に排気ガスが侵入した状態で検出素子外部により酸素濃度の高い(空燃比リーンの)排気ガスが存在すると、酸素センサにおいて逆方向の起電力が発生する。従って、この逆起電力に対応した酸素センサの負(マイナス)の出力電圧を検出することで、酸素センサの検出素子の欠損、すなわち酸素センサの故障を検出することができる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2003−14683号公報 特開2007−24581号公報
ところで、酸素センサが上記のように欠損故障している場合であっても、検出素子内外での所定の条件が整わない限り負の出力電圧が発生することはない。また、正常な場合であっても、内燃機関のある条件下では酸素センサから負の出力電圧が発生する事象があることが確認されている。従って、単に、負の出力電圧の発生の有無に基づいて、酸素センサの故障を判断してしまうことは誤判定の原因となり、故障診断の精度を落としめる結果となる。
そこで、本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、誤判定を防止して診断精度を向上することができる酸素センサの故障診断装置を提供することにある。
本発明に係る酸素センサの故障診断装置の一形態は、内燃機関の排気通路に設けられた酸素センサの故障診断装置であって、前記酸素センサの出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、前記酸素センサの基準ガス室の排気ガス量を推定する排気ガス量推定手段と、前記排気ガス量推定手段により推定された排気ガス量が第1所定値に至り、これより小さい第2所定値を超えるときに、前記酸素センサの故障診断の実行を許可する許可期間を設定する故障診断実行許可期間設定手段と、前記故障診断実行許可期間設定手段により設定された故障診断実行許可期間内において、所定値以上のリーン空燃比運転状態が所定時間継続した後に前記出力電圧検出手段により負の出力電圧が検出されたとき、前記酸素センサを故障と判定する故障判定手段と、を備えることを特徴とする。
この形態によれば、内燃機関の排気通路に設けられた酸素センサの基準ガス室の排気ガス量が排気ガス量推定手段によって推定される。そして、その推定された排気ガス量が第1所定値に至り、これより小さい第2所定値を超えるときに、故障診断実行許可期間設定手段によって、酸素センサの故障診断の実行を許可する許可期間が設定される。さらに、この設定された故障診断実行許可期間内において、所定値以上のリーン空燃比運転状態が所定時間継続した後に前記出力電圧検出手段により負の出力電圧が検出されたときに、故障判定手段によって酸素センサの故障と判定される。よって、酸素センサの基準ガス室の排気ガス量が所定値を超えると推定されるときであって、所定値以上のリーン空燃比運転状態が所定時間継続した後に検出される負の出力電圧でもって、酸素センサの故障が判定されるので、誤判定を確実に防止し、診断精度を高めることができる。
ここで、前記排気ガス量推定手段は、所定範囲の吸入空気量を超える吸入空気量のときは加算し、前記所定範囲の吸入空気量を下回るときは減算しつつ、吸入空気量に応じた重み付け値を積算するカウンタであることが好ましい。
この形態によれば、所定範囲の吸入空気量を超える吸入空気量のときは排気ガス量も多く、酸素センサの基準ガス室への排気ガスの侵入量も多くなるが、吸入空気量が所定範囲の吸入空気量を下回るときは排気ガス量も少なくなり、侵入量に比べて抜け量の方が多くなることもあり得るので、これらに対応させて、加算及び減算させている。しかも、吸入空気量に応じた重み付け値を積算するようにしていることから、酸素センサの基準ガス室の排気ガス量をより精度よく推定することができる。
また、前記所定値以上のリーン空燃比運転状態は、フューエルカット運転状態であることが好ましい。
この形態によれば、フューエルカットの有無に基づき判断できるので、制御が簡単になる。
まず、本発明が適用される車両用内燃機関の構成を、図1を参照して説明する。内燃機関10の吸気通路11には、その通路面積を可変とするスロットルバルブ15(本実施形態では電子制御式)が設けられ、その開度制御によりエアクリーナ14を通じて吸入される空気の量が調整される。ここで吸入された空気の量(吸入空気量GA)は、エアーフローメータ16により検出されている。そして吸気通路11に吸入された空気は、スロットルバルブ15下流に設けられたインジェクタ17より噴射された燃料と混合された後、燃焼室12に送られて、そこで燃焼される。
一方、燃焼室12での燃焼により生じた排気ガスが送られる排気通路13には、排気ガス中の有害成分を浄化する三元触媒18が設けられ、その上流側には触媒前酸素センサ20、その下流側には触媒後酸素センサ19がそれぞれ設けられている。
三元触媒18は、燃焼される混合気の空燃比が理論空燃比(ストイキ)近傍の狭い範囲(ウインドウ)でのみ、排気ガス中の主要有害成分(HC、CO、NOx)のすべてを効率的に浄化する。そうした三元触媒18を有効に機能させるには、混合気の空燃比を上記ウインドウの中心に合わせこむ、厳密なコントロールが必要となる。
この空燃比の制御は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)22により行われる。ECU22には、上記エアーフローメータ16や酸素センサ20、19、あるいはアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ21、機関回転速度を検出する回転速度センサ23を始めとする、各種センサ類の検出信号が入力されている。そして、それらセンサ類からの検出信号より把握される内燃機関10や車両の運転状況に応じて、上記スロットルバルブ15やインジェクタ17等を駆動制御して、上記の空燃比制御を行っている。空燃比制御の概要は次の通りである。
まずECU22は、アクセル開度や機関回転速度の検出結果に応じて把握される吸入空気量の要求量を求め、それに応じた吸入空気量が得られるようにスロットルバルブ15の開度を調整する。その一方、エアーフローメータ16により検出される吸入空気量の実測値に対して、理論空燃比が得られるだけの燃料量を求め、それによりインジェクタ17からの燃料噴射量を調整する。これにより、燃焼室12で燃焼される混合気の空燃比を、ある程度に理論空燃比に近づけることはできる。ただし、それだけでは上記要求される高精度の空燃比制御には不十分である。
そこでECU22は、上記各酸素センサ20,19の出力信号より換算される空燃比の実測値に基づいて、インジェクタ17からの燃料噴射量をフィードバック補正し、要求される空燃比制御の精度を確保している。
上記のように、この排気ガス浄化システムでは、酸素センサ20,19の検出結果に応じて燃料噴射量をフィードバック補正する、いわゆる空燃比フィードバック制御を実施することで、混合気の空燃比を理論空燃比近傍に保持し、高い排気ガス浄化率を確保している。なお、この排気ガス浄化システムでは、上述のように2つの酸素センサ20,19によって、三元触媒18の上下流における排気ガスの酸素分圧ひいては空燃比をそれぞれ検出することで、上記空燃比フィードバック制御の更なる高精度化を図っている。
本実施形態で故障診断の対象となるのは触媒下流側の触媒後酸素センサ19である。よってこの触媒後酸素センサ19を中心に説明を行う。図2及び図3に示すように、酸素センサ19は、排気通路13内に突出するように配設された筒型の検出素子31を備えている。検出素子31は、その内面を大気(空気)に露呈するとともに、その外面は、センサカバー32を通して流過する排気ガスに曝される。また検出素子31は、内外の表面に電極33A,33Bが被覆された固体電解質により形成されている。固体電解質は、酸素がイオン化した状態でその内部を移動可能な固形物質であり、酸素センサ用としては例えばジルコニアなどが利用されている。検出素子31の内側の大気室34は、センサ内に設けられた図示しない大気通路と、センサボディに形成された大気穴35とを通じて外部に連
通され、且つ大気が導出入可能となっている。なお大気通路又は大気穴35にはフィルタが設けられる。大気室34には、検出素子31を加熱して早期に活性化させるためのヒータ36が設けられ、ヒータ36はECU22によって通電制御される。
検出素子31を介して隔てられたその内側の大気と外側の排気ガスとの酸素分圧に差が生じると、その分圧の差を縮小すべく、酸素分圧の高い側(通常は大気側)の酸素がイオン化して固体電解質を通り、酸素分圧の低い側(通常は排気ガス側)へと移動する。酸素分子はイオン化する過程で4価の電子を受け取り、イオン化した状態から分子に戻る過程で4価の電子を放出する。そのため、上記の酸素の移動に応じて検出素子31の内外表面の電極で電子の移動が生じ、その結果、検出素子31に起電力が発生する。こうして酸素センサ19は、大気と排気ガスとの酸素分圧の差に応じて起電力を発生し、より具体的には、排気ガスの酸素濃度が少なくなるほど(つまり検出素子31外部の排気ガスの空燃比がリッチであるほど)大きな起電力を発生する。ここで酸素イオンが内表面側の電極33Aから検出素子31を通って外表面側の電極33Bに向かうことから、電流の向きは逆となり、両電極に接続された外部装置に対しては内表面側の電極33Aが正極、外表面側の電極33Bが負極となる。
ちなみに、酸素センサには他にも、板形状の検出素子を用いたものや、検出素子にジルコニア以外の素材を用いたものなど、様々なタイプの酸素センサがある。そしてその多くでは、上記例示したセンサと同様の検出原理により排気ガスの酸素分圧を検出する構成、すなわち基準ガス(大気)と排気ガスとを隔離するよう配設された検出素子が、基準ガスに対する排気ガスの酸素分圧の差に応じて起電力を発生する構成となっている。
酸素センサ19の出力特性を図4に例示する。示されるように、酸素センサ19の出力電圧は理論空燃比A/Fs(例えば14.6)を境に過渡的に変化し、酸素センサ19に供給される排気ガス(雰囲気ガス)の空燃比A/Fが理論空燃比A/Fsよりもリーンな領域(A/F>A/Fs、以下リーン空燃比ともいう)では0.1V程度の小さい電圧を示し、理論空燃比A/Fsよりもリッチな領域(A/F<A/Fs、以下リッチ空燃比ともいう)では0.9V程度の比較的高い電圧を示す。ここでは、0.45Vのセンサ出力をリッチ・リーン判定閾値として、ECU22が検出した酸素センサ19の出力電圧が、理論空燃比よりもリッチ相当かリーン相当かを判断している。なお、酸素センサ19の上記各領域でのセンサ出力電圧の大きさは、検出素子31の温度状態に応じて変化することがある。
触媒上流側の触媒前酸素センサ20については、本実施形態の場合、排気ガスの空燃比に応じてその出力値が線形的に変化する特性の、より分解能の高い酸素センサが用いられる。本実施形態の内燃機関が理論空燃比以外の空燃比(主にリーン空燃比)で燃焼されることがあるからである。一方、基本的に理論空燃比のみで燃焼される内燃機関の場合等では、触媒後酸素センサ19と同じ酸素センサが用いられてもよい。このセンサは理論空燃比よりリッチ及びリーンのいずれかといった低い分解能しか持たないものの、上記ストイキ燃焼のみを行うには、それで十分なことが多いからである。いずれにしても、本発明は、触媒上流側の触媒前酸素センサ20に対しても適用可能である。
ところで、長期使用による経年劣化等により、酸素センサ19の検出素子31にクラックが入ったり、検出素子31が割れたりするといった検出素子31の欠損が発生し、酸素センサ19が故障する場合がある。この欠損によるセンサ故障の場合、図5に示すように、検出素子31の欠損部37を通じて検出素子31の内外が連通し、検出素子31外部の排気ガスがその内部に侵入する。そして検出素子31内部に排気ガスが侵入した状態で、検出素子31外部により酸素濃度の高い(空燃比リーンの)排気ガスが存在すると、酸素センサ19において逆方向の起電力が発生する。このことは例えば、センサ故障状態で空燃比をリッチからリーンに切り替えた場合や、フューエルカットが行われた場合などに起こり得る。この場合、正極33Aの電位よりも負極33Bの電位の方が高くなり、負(マ
イナス)の出力電圧が発生することになる。
図6はかかる故障時の酸素センサ出力電圧の変化の一例を示す。円で囲った領域に示されるように、酸素センサ19からはしばしば負の電圧が出力される。従ってこのような負の出力電圧をECU22により検知することで、酸素センサの故障を一応は推定することができる。
しかしながら、前述したように、酸素センサ19が欠損故障しておらず、正常な場合であっても、内燃機関始動後の暖機中などに酸素センサ19から負の出力電圧が発生することがある。従って、この場合にも酸素センサ19の故障と判断してしまうことは誤判定となり、故障診断の精度を落としめる結果となる。
ここで、酸素センサ19が欠損故障している場合において大気室34への排気ガスの侵入及びその抜けについて説明する。内燃機関10の吸入空気量が多いほど、単位時間あたりに排出される排気ガスの量も多くなり、酸素センサ19の欠損部37を通じて大気室34へ侵入する排気ガス量も多くなる。このような状態でフューエルカットが開始され、酸素分圧の高い大気やリーン空燃比が外側表面に至ると、負電圧が発生する。ところが、吸入空気量が多い状態が継続し大気室34への排気ガスの侵入があったとしても、大気室34は酸素センサ19内に設けられた大気通路と大気穴35とを通じて外部に連通されているので、大気室34の排気ガスは抜けて行く。したがって、吸入空気量が低下すると、この侵入量に比べて抜け量の方が多くなることがあり、このような状態でフューエルカットが開始されたとしても、最早、負電圧が発生することはない。このように、酸素センサ19が欠損故障している場合においても、これを常時精度よく検出できるとは限らないのである。
そこで、本発明の実施形態においては、次のような処理手順をとるようにしている。以下、その故障診断の具体的処理手順の一例を図7のフローチャートを参照して説明する。この故障診処理は所定の処理周期毎にECU22によって繰り返し実行される。
そこで、まずステップS101では、故障診断を開始するための前提条件が成立しているか否かが判断される。この前提条件が成立している場合とは、例えば、1)エンジン始動後であること、2)機関水温が所定温度(例えば80℃)を超えていること、3)酸素センサ19の暖機が終了していること、の全てが満たされている場合である。機関水温は図示しない水温センサで検出される。また、酸素センサ19の暖機が終了しているか否かは、ECU22によって検出された素子インピーダンスRsが、活性開始温度(本実施形態では400℃)相当の所定値を下回っていれば暖機終了、そうでなければ暖機未終了と判断される。
前提条件が成立していない場合には本処理が終了される。他方、前提条件が成立している場合にはステップS102に進み、酸素センサ19の大気室34における排気ガスの量が排気ガス量推定手段によって推定される。具体的には、エアーフローメータ16により検出される吸入空気量GAの実測値について、予め重み付けて設定されている値をECU22に構成されている排気ガス量推定カウンタにより加算又は減算して積算される。
この吸入空気量GAに対応して設定されている重み付けカウント値は、例えば、表1に示すように設定することが可能である。
Figure 2009068844
ここで、GAIDLは、内燃機関10のアイドル運転状態における吸入空気量であり、以下、GA1ないしGA5は、それぞれ、内燃機関の負荷及び回転速度に応じて比例的に増大するように設定されている。例えば、本実施形態では内燃機関10の低負荷・低速運転状態における吸入空気量に対応するGA1は5g/s、高負荷・高速運転状態における吸入空気量に対応するGA5は25g/sとされている。なお、同様に、GA2は10g/s、GA3は15g/s、GA4は20g/sである。そして、本実施形態においては、吸入空気量GAが、GA2(=10g/s)からGA3(=15g/s)の所定範囲のときのカウント値は0とされている。さらに、吸入空気量GAがこの所定範囲の吸入空気量(GA2〜GA3)を超えるときは、表1に示すように、この超えた吸入空気量に応じて重み付けされた値が加算されるようにカウント値が設定され、また、上記所定範囲の吸入空気量(GA2〜GA3)を下回るときは、同じく表1に示すように、この下回る吸入空気量に応じて重み付けされた値が減算されるように負(マイナス)のカウント値が設定されている。
そこで、図7のフローチャートに戻ると、ステップS102において、エアーフローメータ16により検出される吸入空気量GAの実測値に基づいて、ECU22にマップとして保存されている上述の表1のカウント値の加算又は減算による積算が排気ガス量推定カウンタにより実施される。そして、次のステップS103において、排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値が第1所定値に至ったか否かが判定される。
ここで、この排気ガス量推定カウンタで実施されるカウント値の加算又は減算による積算の動作例につき、図8のタイムチャートを参照して説明する。図8において、(A)は吸入空気量GA(g/s)、(B)は排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値、(C)は故障診断実行許可フラグを示し、全てにおいて横軸は時間(sec)である。図8(A)には、内燃機関10の運転に伴い吸入空気量GAがGA1(=5g/s)からGA5(=25g/s)の間で変動しつつ推移している様子が示されており、図8(B)には、これに対応して排気ガス量推定カウンタでカウント値が積算されていく様子、そして図8(C)には、そのカウント積算値に対応して故障診断実行許可フラグがセットないしはリセットされる様子が示されている。
そこでより詳細に説明するに、吸入空気量GAが、例えば、GA2(=10g/s)からGA3(=15g/s)の所定範囲内にある時刻t0からt1のときは、カウント値は0とされているので排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値は0のままとなる。また、吸入空気量GAが、所定範囲を超えたGA3(=15g/s)からGA4(=20g/s)にある時刻t1から時刻t2の間には、重み付けされたカウント値「+1」でもってルーチンサイクル毎に加積算される。同様に、吸入空気量GAが、所定範囲をさらに超えたGA4(=20g/s)を超える時刻t2から時刻t3の間の大半は、重み付けされたカウント値「+2」でもってルーチンサイクル毎に加積算される。一方、吸入空気量GAが、所定範囲を下回ることがある時刻t7から時刻t8の間では、重み付けされたカウント値「−1」で減積算されることもある。
このようにして得られる、排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値が第1所定値Eg1(本実施形態では80)に至ったか否かが、上述の図7のフローチャートにおけるステップS103において判定されるのである。そして、このステップS103において、カウント積算値が第1所定値Eg1(=80)に至ったと判定される(時刻t6)と、次のステップS104に進み、酸素センサ19の故障診断の実行許可フラグがセットされる。なお、このステップS103において、カウント積算値が第1所定値Eg1(=80)に至っていないと判定される場合には、実行許可フラグのセットがなされずに、ステップS105に進む。
そして、このステップS105においては、排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値が上述の第1所定値より小さい第2所定値Eg2(本実施形態では60)を超えているか否かが判定される。ステップS105において、排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値が上述の第2所定値Eg2を超えていない、すなわち、第2所定値Eg2を下回ると判定される(時刻t8)とステップS106に進み、上述の実行許可フラグがセットされている場合にはこれをクリア(リセット)し、またセットされていない場合にはそのままの状態で本処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS105において、排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値が上述の第2所定値Eg2を超えていると判定されるとステップS107に進み、後述するように酸素センサ19からの出力電圧、すなわちセンサ出力Vsがモニタ(取得或いは検出)される。かくて、本実施の形態では、排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値が第1所定値に至ったか否かの判定をするステップS103、実行許可フラグのセットをするステップS104、排気ガス量推定手段により推定された排気ガス量が第1所定値より小さい第2所定値を超えているか否かの判定をするステップS105、及び実行許可フラグのセットをクリアするステップS106をそれぞれ実行するECU22の機能でもって、酸素センサ19の故障診断の実行を許可する許可期間X(図8の時刻t6からt8)を設定する、故障診断実行許可期間設定手段が構成されている。
そして、ステップS107において酸素センサ19からの出力電圧、すなわちセンサ出力Vsがモニタされ、次のステップS108において、取得されたセンサ出力Vsが所定値Vs0と比較される。所定値Vs0は本実施形態では0(V)に設定されているが、アナログ−デジタル変換誤差や回路誤差等を考慮して、0(V)より僅かに小さい値、例えば−50(mV)などに設定されてもよい。或いは、0(V)より僅かに大きい値、例えば50(mV)などに設定されてもよい。これにより、実質的に、酸素センサ19から負電圧が発生したか否かが判断される。
センサ出力Vsが所定値Vs0より小さいとき、すなわち負電圧が発生しているときには、ステップS109で負電圧履歴フラグがオンにセットされ、負電圧が発生したことの履歴が記憶される。一方、ステップS108において負電圧の発生が認められないときは、ステップS109をバイパスしてステップS110に進む。
そして、ステップS110ではフューエルカットが開始されてからの継続時間F/Ccontが所定時間値Trefを超えたか否かが判定される。この所定時間値Trefとしては、例えば5秒程度として設定可能であり、これはフューエルカットの開始後に大気ないしはほぼ大気に近いリーン空燃比の排気ガスが確実に酸素センサ19に到達するのを保証するべく設定される。なお、フューエルカットの開始はフューエルカットフラグのオンへのセットから、及びその継続時間F/Ccontはそのオンセット状態の計測により求められ得る。このステップS110においてフューエルカット運転状態の継続時間F/Ccontが所定時間値Trefを超えていないと判定されるときは、本処理ルーチンは一旦終了される。そして、ステップS110においてフューエルカット運転状態の継続時間F/Ccontが所定時間値Trefを超えたと判定されるとステップS111に進む。
さらに、ステップS111では、負電圧が発生したことの履歴があるか否かが判定される。これは、上述の負電圧履歴フラグがオンにセットされているか否かにより判定され、負電圧履歴がないときはステップS113に進み酸素センサ19は正常であるとして、本処理ルーチンは終了される。一方、負電圧履歴が既にあった場合は、ステップS112に進み酸素センサ19は異常ないしは故障とされ、本処理ルーチンが終了される。
かくて、本実施の形態では、上述の故障診断実行許可期間設定手段により設定された故障診断実行許可期間X内において、故障判定手段は、ステップS110において所定値以上のリーン空燃比運転状態、換言すると、フューエルカット運転状態が所定時間継続したと判定された後の次ルーチンサイクルでのステップS108において継続して負の出力電圧が検出されたとき、酸素センサ19を故障と判定する。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば内燃機関は車載用に限定されず、酸素センサの配置方法や設置位
置も任意に変更が可能である。また、前記実施形態で用いられた数値等は任意に変更が可
能である。
本実施形態に係る内燃機関を示す図である。 酸素センサの取付状態を示す断面図である。 酸素センサの検出素子周辺の拡大断面図である。 酸素センサの出力特性を示すグラフである。 酸素センサの検出素子に欠損部が生じた場合の拡大断面図である。 酸素センサの故障時における出力電圧の変化を示すグラフである。 故障診断の処理手順の一例を示すフローチャートである。 (A)吸入空気量GA、(B)排気ガス量推定カウンタでのカウント積算値、(C)故障診断実行許可フラグの変化の様子を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
13 排気通路
19 触媒後酸素センサ
20 触媒前酸素センサ
22 電子制御ユニット(ECU)
31 検出素子
34 大気室

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた酸素センサの故障診断装置であって、
    前記酸素センサの出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
    前記酸素センサの基準ガス室の排気ガス量を推定する排気ガス量推定手段と、
    前記排気ガス量推定手段により推定された排気ガス量が第1所定値に至り、これより小さい第2所定値を超えるときに、前記酸素センサの故障診断の実行を許可する許可期間を設定する故障診断実行許可期間設定手段と、
    前記故障診断実行許可期間設定手段により設定された故障診断実行許可期間内において、所定値以上のリーン空燃比運転状態が所定時間継続した後に前記出力電圧検出手段により負の出力電圧が検出されたとき、前記酸素センサを故障と判定する故障判定手段と、
    を備えることを特徴とする酸素センサの故障診断装置。
  2. 前記排気ガス量推定手段は、所定範囲の吸入空気量を超える吸入空気量のときは加算し、前記所定範囲の吸入空気量を下回るときは減算しつつ、吸入空気量に応じた重み付け値を積算するカウンタであることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサの故障診断装置。
  3. 前記所定値以上のリーン空燃比運転状態は、フューエルカット運転状態であることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサの故障診断装置。
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