JP2009068259A - 作業機械寿命推定法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業機械の寿命を容易に推定して適切な事前対策を立てることが可能な作業機械寿命推定法を提供する。
【解決手段】作業機械11の少なくとも稼働データを作業機械11から無線通信で送信させ、管理部15で受信した稼働データを端末機器17,19に提供する作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて、作業機械11の少なくとも重負荷作業が占める作業比率、ポンプ圧の状態、アクセルダイアルの使用比率、ユーザおよび作業現場の特性を取出し、これらから、現場で稼働している作業機械11の構造物耐久寿命を推定演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、作業機械遠隔稼働管理システムを用いた作業機械寿命推定法に関する。
現場で稼働される作業機械の耐久寿命を推定することは困難であり、亀裂などの不具合の事前補強対策を、現場の状況に合わせて効果的に行なうことが容易にできず、そのため、故障が発生するたびに原因を調査し、補強対策をたてたり、代替部品を用意するなどの対応をしている。
これは、故障が発生してから調査や対策を行なうため、対策を行なっている期間中、ユーザは作業機械を使うことができなかったり、または代替車を手配する手間が必要となる。また、ある時間で生じた故障が寿命による故障なのか、それ以外の原因による故障なのかを推定できない。そのため、故障の原因が設計にあった場合、発見が遅れてしまい、対策が後手になることがある。
これに対し、作業機械の寿命をより正確に予測し、適切なオーバホール実施計画を早期に立案しようとするものがある(例えば、特許文献1参照)。
これは、第1寿命予測部が、実際の摩耗状態に基づいて、エンジン等の主要部品の寿命を予測し、第2寿命予測部が、累積負荷量に基づいて、同一の部品の寿命を予測し、順位設定部が、2つの予測寿命のうちいずれか短い方を選択し、予測寿命の短い順にオーバホールの優先順位を設定するものである。
特開2007−100305号公報(第1頁、図1)
第1寿命予測部が、実際の摩耗状態に基づいて、エンジン等の主要部品の寿命を予測するには、実際の摩耗状態を正確に検出しなければならないが、これは容易でなく、実現困難である。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業機械の寿命を容易に推定して適切な事前対策を立てることが可能な作業機械寿命推定法を提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械の少なくとも重負荷作業が占める作業比率を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する作業機械寿命推定法である。
請求項2に記載された発明は、作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械を駆動する流体圧アクチュエータに供給される作動流体のポンプ圧の状態を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する作業機械寿命推定法である。
請求項3に記載された発明は、作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械に搭載されたエンジン回転速度を設定するアクセルダイアルの使用比率を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する作業機械寿命推定法である。
請求項4に記載された発明は、作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械を稼働するユーザおよび作業現場の特性を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する作業機械寿命推定法である。
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の作業機械寿命推定法において、作業機械に搭載された油圧システムにおけるシステム圧が昇圧した場合と、作業機械に搭載された作業装置に高負荷が作用する仕様変更があった場合は、作業機械遠隔稼働管理システムにより推定演算された構造物耐久寿命をそれぞれ所定の割合で低下させる作業機械寿命推定法である。
請求項1に記載された発明によれば、作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械の少なくとも重負荷作業が占める作業比率を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算するので、少なくとも重負荷作業が占める作業比率から構造物に作用する負荷状態を把握し、重負荷作業比率により短縮された作業機械の寿命を容易に推定して、適切な事前対策を立てることができる。
請求項2に記載された発明によれば、作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械を駆動する流体圧アクチュエータに供給される作動流体のポンプ圧の状態を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算するので、ポンプ圧の傾向から構造物に作用する負荷状態を把握し、高ポンプ圧傾向により短縮された作業機械の寿命を容易に推定して、適切な事前対策を立てることができる。
請求項3に記載された発明によれば、作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械に搭載されたエンジン回転速度を設定するアクセルダイアルの使用比率を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算するので、アクセルダイアルの使用比率から構造物に作用する負荷状態を把握し、高ダイアル値使用により短縮された作業機械の寿命を容易に推定して、適切な事前対策を立てることができる。
請求項4に記載された発明によれば、作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械を稼働するユーザおよび作業現場の特性を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算するので、ユーザおよび作業現場の特性から構造物に作用する負荷状態を把握し、重負荷作業の環境下にあるユーザおよび作業現場により短縮された作業機械の寿命を容易に推定して、適切な事前対策を立てることができる。
請求項5に記載された発明によれば、システム圧が昇圧した場合や、作業装置に高負荷が作用する仕様変更があった場合は、推定演算された構造物耐久寿命をそれぞれ所定の割合で低下させるので、システム圧の昇圧や、作業装置の仕様変更により短縮された作業機械の寿命を容易に推定して、適切な事前対策を立てることができる。
以下、本発明を、図1乃至図12に示された実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
図1は、作業機械遠隔稼働管理システム10の概要を示し、この作業機械遠隔稼働管理システム10は、作業機械11の動態管理を無線通信を利用して遠隔地で行なうもので、作業機械11は、無線通信機能を有するとともに、グローバル・ポジショニング・システム用衛星(以下、GPS衛星12という)により位置測位機能を有する動態管理用コントローラ(後で説明する)を備えている。なお、図1で図示された作業機械11は油圧ショベルであるが、作業機械11としては、ブルドーザ、ローダ、ダンプトラックなどでも良い。
作業機械11の動態管理用コントローラは、中継局13および無線キャリアネットワーク14を介して、管理部15と通信可能に構成されている。無線キャリアネットワーク14は、携帯電話通信と衛星通信とを併用して、作業機械11の動態管理用コントローラと管理部15とを結ぶ携帯電話回路網である。
管理部15は、例えば作業機械11を生産するメーカ社内に設置され、この管理部15には、インターネット回線網16を介して端末機器としての顧客端末機器17が通信可能に構成されているとともに、メーカ系列のイントラネット回線網18を介して端末機器としての社内端末機器19が通信可能に構成されている。
管理部15は、作業機械11の動態管理用コントローラから無線通信で送信させた車両情報、動態データ(すなわち稼働データおよび位置情報)を受信して保存するとともに、ウェブサイトに反映させ、顧客およびメーカ社内または販売店のサービスマンに対して、インターネット回線網16またはイントラネット回線網18を通じて、ウェブ(Web)またはメーラにて情報提供を行なう。
顧客端末機器17または社内端末機器19は、顧客またはサービスマンが、インターネット回線網16またはイントラネット回線網18を通じて管理部15にアクセスして、ウェブブラウザまたはメーラにより自分の所有または担当する作業機械11の稼働データを閲覧する主としてパーソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン」という)であるが、携帯電話も含む。
稼働データは、稼働情報(稼働時間、燃料残量など)、機械情報(エンジン稼働状態、アクセルダイアル使用状況、油圧機器状態など)、警告情報(未承認キー挿入、異常検出など)、メンテナンス情報(オイル交換時期、フィルタ交換時期など)を含む。
図2は、作業機械遠隔稼働管理システム10を管理部15を中心に示し、特に、作業機械11の車両情報(車両名称(号機情報)、機種、建機本体シリアル番号など)、稼働データ(稼働情報、機械情報、警告情報、メンテナンス情報)および位置情報(GPS衛星12による地図表示)などを作業機械11から遠隔地の管理部15に無線通信で送信させ、管理部15で受信したこれらの情報をウェブサイト(会員サイト)に反映させて顧客またはサービスマンに提供することで、顧客またはサービスマンがインターネットまたはイントラネットに接続されたパソコンなどを使ってホームページ上で作業機械11を管理する管理部15側のアプリケーションを示し、管理部通信部21と、データ連結処理部22と、データベース23と、メール配信部24と、ネット回線用情報処理部25とを備えている。
管理部通信部21は、無線キャリアネットワーク14を利用できる通信機器、すなわち無線キャリアネットワーク14を介して作業機械11の動態管理用コントローラ26とデータ通信をするためのデータ受信部27、データ送信部28および情報制御部29を備えている。
作業機械11内では、動態管理用コントローラ26と機体制御用コントローラ30とが、車載電子機器ネットワークにより接続されている。これらのコントローラ26,30の説明は、後で詳述する。
また、作業機械遠隔稼働管理システム10のデータ連結処理部22は、XMLデータ形式などの標準化技術を用いて、種々のシステム間で異なる言語のコンピュータシステム同士を対話させたり情報を交換するウェブサービス22wsを備えている。すなわち、データ連結処理部22は、XML(eXtensible Markup Language)などの標準化技術を用いて、例えば作業機械11の動態管理用コントローラ26と、顧客端末機器17(顧客パソコン17pc、顧客携帯電話17ph)またはメンテナンス実行側(メーカ社内および販売店)の社内端末機器19(社内パソコン19pc、社内携帯電話19ph)などとの間で行なわれるデータ授受を制御し、その処理を行なうウェブサーバを備えている。
顧客パソコン17pcおよび顧客携帯電話17phは、いずれもインターネット回線網16を介して管理部15が運営するウェブサイトにアクセスできる環境にあり、顧客携帯電話17phは、電子メールを受信保存できる機能を有する。
社内パソコン19pcおよび社内携帯電話19phは、いずれもメーカ系列のイントラネット回線網18を介して管理部15が運営するウェブサイトにアクセスできる環境にあり、社内携帯電話19phは、電子メールを受信保存できる機能を有している。
データベース23は、車両データベース31と、顧客情報データベース32と、社内データ更新部33とから構成され、車両データベース31には、作業機械11から送信された車両情報(号機情報など)、稼働データ(稼働情報、機械情報など)および位置情報が保存され、顧客情報データベース32には、社内のイントラネット回線網18を介して顧客マスタから供給され社内データ更新部33で逐次更新される顧客に関するデータが保存される。後述するように、各データベース31,32の情報は、ヒモ付けされた態様で顧客またはサービスマンに提供される。
メール配信部24は、電子メールを顧客携帯電話17ph、顧客パソコン17pcおよび社内携帯電話19phに送信するためのメールサーバを備え、作業機械11側から警告情報が送信された場合は、車両情報に対応する顧客に警告情報があった旨の電子メールを送信し、また、後述する部品交換時期、耐久寿命などが設定範囲内に入った場合は、車両情報に対応する顧客に部品交換時期、耐久寿命情報などを知らせる電子メールを送信する。このため、送信すべき顧客携帯電話17ph、顧客パソコン17pcおよび社内携帯電話19phのアドレスがメールサーバのメモリに保存されている。
ネット回線用情報処理部25は、データ連結処理部22に情報制御部34を介して接続され、ウェブサイトを管理する顧客向情報処理部35および社内向情報処理部36を備え、ウェブサイトを通じて顧客パソコン17pcおよび社内パソコン19pcとデータの授受を行なう。
ウェブサイトから所定のデータの取得要求を行わせるために、IDとパスワードによるログインを条件としており、このため、アクセスを許容する顧客および社内(販売店も含む)のサービスマンには、それぞれIDとパスワードを付与しておく。
作業機械11の位置情報は、作業機械遠隔稼働管理システム10により顧客パソコン17pcまたは社内パソコン19pcで確認することができるとともに、管理部15の情報制御部34に接続された地図情報検索サイトの地図情報データベース41を通じて、顧客携帯電話17phまたはサービスマンの社内携帯電話19phでも確認できるので、移動しながら、部品交換作業現場などのメンテナンス対象車両の位置を探索するのに役立つ。
また、作業機械遠隔稼働管理システム10のデータ連結処理部22のウェブサービス22wsに、作業機械遠隔稼働管理システム外部のソフト書換えシステム(ET)42が、このソフト書換えシステム42に取付けられた同一データ形式のウェブサービス42wsを介して接続され、作業機械遠隔稼働管理システム外部のデータベースとしての諸情報データベース43が、この諸情報データベース43に取付けられた同一データ形式のウェブサービス43wsを介して接続され、作業機械遠隔稼働管理システム外部の修理業務システム44が、この修理業務システム44に取付けられた同一データ形式のウェブサービス44wsを介して接続され、作業機械遠隔稼働管理システム外部のレンタルシステム45が、このレンタルシステム45に取付けられた同一データ形式のウェブサービス45wsを介して接続され、作業機械遠隔稼働管理システム外部の取説取得用イントラネット回線網46が、この取説取得用イントラネット回線網46に取付けられた同一データ形式のウェブサービス46wsを介して接続されている。
ソフト書換えシステム42は、作業機械11から発生したエラーログ(エラーコード)を読取って作業機械11の状態(エンジン回転速度、圧力、温度など)を監視する機能と、作業機械11の制御用ソフトウェアを書換えることによって作業機械11の機体制御プログラムを変更する機能とを備え、作業機械11の動態管理用コントローラ26および機体制御用コントローラ30の各制御用ソフトウェアを書換えるソフト書換え機能を利用して作業機械11の機体制御プログラムを変更することが可能である。例えば、車両で発生したエラーコードをエンジンコントローラ(ECM:エンジン・コントロール・モジュール)などから読取って、不具合発生箇所と不具合内容とを特定することが可能であるとともに、作業機械11の機体制御用コントローラ30を制御する機体制御プログラム中の設定値を書換えることで、作業機械11の不具合発生箇所を遠隔調整し、エンジン回転速度、燃料噴射制御(燃料噴射量、燃料噴射タイミング)などを可変調整することが可能である。
諸情報データベース43は、社内データ更新部33に提供される更新前の顧客基礎情報を格納したデータベースであり、前記社内データ更新部33は、この諸情報データベース43の顧客に関するデータを更新して、顧客情報データベース32に入力する。
さらに、この諸情報データベース43は、作業機械11に関する機械情報、構造物耐久寿命、修理履歴、部品注文、販社情報などを格納したデータベースであり、構造物耐久寿命、修理履歴などの内部情報を活用して次回部品交換時期を推定し、次回部品交換時期が設定範囲内に入ったか否かを判断する部品交換時期管理システムを有する。
この部品交換時期管理システムを有する諸情報データベース43には、ユーザや作業現場との関係で作成された作業機械11の負荷マップも保存されている。例えば、ユーザの個性(短期消耗型など)や業種(掘削、解体、荷役など)、作業現場の位置(舗装面、岩盤面、畑地、湿地など)や作業環境(温度、粉塵汚染度など)によって、作業機械に作用する負荷の傾向、例えば横軸に油圧回路の負荷圧を縦軸に頻度または割合を表した負荷マップを作成すると、この負荷マップはユーザや作業現場によって異なるので、種々の条件下で作業機械11を実際に稼働して、ユーザや作業現場毎の負荷マップを予め作成し、保存しておく。
修理業務システム44は、作業機械遠隔稼働管理システム10から修理業務を遂行する上で必要なデータをもらうためのものである。
レンタルシステム45は、作業機械11のレンタル業務における在庫情報などを管理するとともに請求書を発行するための会計処理をするシステムであり、車両情報(号機情報)とともに、レンタル先顧客情報などが保存されている。
取説取得用イントラネット回線網46は、作業機械11の部品カタログや取扱説明書を取得するためのイントラネット回線網である。
そして、この図2に示された作業機械遠隔稼働管理システム10における管理部15とその周辺では、顧客パソコン17pcおよび社内パソコン19pcからアクセスされ、動態データの取得要求がされるウェブサイトを運営するデータ連結処理部22のウェブサーバと、作業機械11から通信手段を介して取得した動態データおよびこの動態データに関連する関連データを保存する内部のデータベース23と、この内部のデータベース23を管理する管理サーバと、内部のデータベース23に保存されるべき関連データを保存している外部の諸情報データベース43と、この外部の諸情報データベース43を管理する管理サーバとを備え、前記データ連結処理部22のウェブサーバは、前記関連データを、自身に接続された外部の諸情報データベース43から取り出して内部のデータベース23に保存させるとともに、内部のデータベース23に保存される動態データ(稼働データ)を、それと関連する関連データ(顧客情報)とともに、ウェブサイトに反映させるものであって、前記ウェブサーバを介したデータ授受のデータ形式をXMLデータ形式として、少なくとも、前記ウェブサーバをサービスリクエスタに、ウェブサーバに接続される各サーバを、サービスプロバイダにそれぞれ機能させる。
この管理部15の管理システムは、いわゆるXMLウェブサービスを作業機械11の作業機械遠隔稼働管理システム10に利用した技術であり、そのXMLウェブサービスとは、XMLデータ形式のデータ交換によってネットワーク上に散在する各アプリケーションを連携させる技術をいう。XML(eXtensible Markup Language)は、マークアップ言語の一つで、最大の特徴は、各システムのプラットフォームに依存することなくシステム間でデータを送受信でき、またプログラムが解釈できる言語なので、異なるシステム間のサーバ同士でのデータの送受信に使用できる点にある。
そして、XMLデータ形式のオブジェクトをネットワーク経由で利用できる通信プロトコルとしてSOAP(Simple Object Access Protcol)が知られている(下位プロトコルとして汎用されるHTTPなどを利用可能)。したがって、例えばHTTPで接続されたネットワーク環境においてSOAPを使用し、例えば第1サーバからネットワーク上にある第2サーバに前記XMLデータを送信させることで、第2サーバで処理をさせ、その処理後のXMLデータを第1サーバに返すことも可能であり、さらに第1サーバでウェブサイトを運営していれば、取得したデータをこのウェブサイトに反映させることも可能となる。
前記サービスリクエスタおよびサービスプロバイダは、いずれもXMLウェブサービス上の概念であり、サービスリクエスタとはデータ要求をするXMLデータの送信元をいい(例えば第1サーバ)、サービスプロバイダとは、そのデータの送信先であって、そのデータに記述される処理をした後、処理後のデータをサービスリクエスタに返す相手方サーバをいう(例えば第2サーバ)。
管理部15においては、データ連結処理部22のウェブサーバがサービスリクエスタとして機能し、それに接続される内外のデータベース23,43の管理サーバがサービスプロバイダとして機能するので、ウェブサーバからのXMLデータ形式の指令データにより各管理サーバが指令の処理を行い、処理後のデータをウェブサーバに返信することになる。返信されるデータが外部の諸情報データベース43からの関連データであれば、ウェブサーバでは、それをそのまま内部のデータベース23の管理サーバに送信して保存させる。返信されるデータが内部のデータベース23からの動態データ(稼働データ)およびそれにヒモ付けされた関連データ(顧客情報)であれば、ウェブサーバは自身が運営するウェブサイトに反映させる。
それゆえ、この装置において、顧客またはサービスマンが例えば自己の所有または担当する作業機械11の動態データを知りたいときは、自己の端末から管理部15のウェブサイトにアクセスし、データ取得要求の指示を出すことができる。
管理部15のウェブサーバでは、この指示を受けて、内部のデータベース23の管理サーバに対してXMLデータ形式の指令データを送信するので、管理サーバは、内部のデータベース23から所望の作業機械のXMLデータ形式の動態データを取り出すとともに、関連データも取り出して、ウェブサーバに返信する。ウェブサーバでは、動態データと関連データをヒモ付けさせてウェブサイトに反映させる。これにより、顧客またはサービスマンは動態データを関連データとともに取得できる。顧客またはサービスマンが自己の端末との間に自身のデータベースを接続させている場合は、前記ウェブサイトから取得する動態データはXMLデータ形式なので、直接そのデータベースに取り込むことも可能となる。
作業機械11と管理部15との間のデータ授受もXMLデータ形式とし、作業機械側データ取得手段をサービスプロバイダとして機能させる。データ連結処理部22のウェブサーバとXMLデータ形式でデータ授受を行なうソフト書換えシステム42、修理業務システム44、レンタルシステム45および取説取得用イントラネット回線網46の各サーバも、諸情報データベース43と同様にサービスプロバイダとして機能させる。
以上説明したように、この作業機械遠隔稼働管理システム10における管理部15側のアプリケーションは、データ連結処理部22のウェブサーバとデータ授受のデータ形式をXMLデータ形式とし、少なくとも前記ウェブサーバをサービスリクエスタに、このウェブサーバに接続される各サーバを、サービスプロバイダにそれぞれ機能させているため、サービスプロバイダから返信される動態データや関連データもXMLデータ形式となっており、それらデータを管理部15内にそのまま取り込むことも、さらに、そのデータを例えば顧客側や外部システムがウェブサーバを介してそのまま取り込むことも容易となっている。
すなわち、建設業界の標準形式であるXMLデータ形式に対応できるとともに、このXMLデータ形式は全世界に通ずる全世界共通データ形式でもあるので、外部からデータ提供の依頼があったときでも、そのままデータを渡すことができる。さらに、態様によっては、外部のシステムと接続させ、データ連結処理部22のウェブサーバをサービスリクエスタとして機能させて、ウェブサーバが取得した動態データを、直接その外部のシステムに取り込むようにすることも可能である。
また、管理部15のウェブサイトに接続されるサービスプロバイダとしてのサーバを増やすことも容易となり、その場合、管理システム自体の処理を増加させることも可能になる。一方、データ連結処理部22のウェブサーバはサービスリクエスタとして機能すれば足りるので、管理部自体の負担は増えず、機構が簡単なまま、しかも低コストで装置がグレードアップする効果が得られる。
すなわち、システム構築につき、従来のように他のシステムとの連携を含めたシステム構成を1つ1つ作成する必要がなく、連携コネクタすなわちデータ連結処理部22のウェブサービスを1つ作るだけで、ソフト書換えシステム42、諸情報データベース43、修理業務システム44、レンタルシステム45、取説取得用イントラネット回線網46などの各業務における様々な他のシステムと、それらのウェブサービス42ws,43ws,44ws,45ws,46wsを介して簡単に連携できるので、それぞれの独自インターフェイスとの繋ぎ合わせが容易にでき、低コストで作成できる。
さらに、作業機械遠隔稼働管理システム10の完成後における別システムの追加、改変が容易であり、例えば、ソフト書換えシステム42、諸情報データベース43、修理業務システム44、レンタルシステム45、取説取得用イントラネット回線網46のような別システムを連携させることになっても、これらの別システムを作業機械遠隔稼働管理システム10内に入れるためのシステム開発は不要であり、これらの別システムにウェブサービス42ws,43ws,44ws,45ws,46wsを取付けるだけで、別システムの追加が可能となる。
次に、図3は、作業機械11の内外へのデータ授受を制御する動態データ管理装置である動態管理用コントローラ26と、作業機械11の種々の機器を制御する機体制御用コントローラ30とを示す。動態管理用コントローラ26と、機体制御用コントローラ30は、通信線などの車載電子機器ネットワーク51によって接続されている。
動態管理用コントローラ26は、作業機械11のバッテリ(図示せず)に直接接続される主電源回路に対し、エンジン始動回路(図示せず)とパラレルに接続されている。したがって、エンジン始動回路のエンジンキースイッチをオフにしても、主電源スイッチをオフにしない限り、動態管理用コントローラ26は主電源の供給を受けて稼働状態を維持できる。これに対し、機体制御用コントローラ30は、前記動態管理用コントローラ26と異なり、エンジンキースイッチ回路に接続され、エンジンキースイッチのオン/オフと連動する。
機体制御用コントローラ30は、演算処理部52および記憶部53を備え、演算処理部52は、有線通信部54を介して車載電子機器ネットワーク51に接続されるとともに、入出力信号処理部55を介して、作業機械に搭載されたエンジンを制御するためのエンジンコントローラ(ECM)、作業機械に搭載された油圧回路の油圧ポンプを制御するポンプコントローラおよびセンサ類などの各種機器56に接続されている。
上記エンジンコントローラ(ECM)には、エンジン回転速度を設定するアクセルダイアル57が接続されている。このアクセルダイアル57は、作業機械11のオペレータが作業内容によりアクセル値を選択するダイアルであり、例えば、掘削作業などの重負荷作業時は高アクセル値(例えば、10,9など)を選択し、均し作業などの軽負荷作業時は低アクセル値を選択する。
上記ポンプコントローラには、可変容量型ポンプの斜板の傾転角を制御するレギュレータなどが含まれる。このレギュレータは、油圧回路からフィードバックされたネガティブコントロール圧、ポンプ吐出圧(ポンプ圧)、負荷圧とエンジン回転速度に対応したパワーシフト圧などに応じて斜板を制御する。
上記センサ類には、機械各部の温度を検出する温度センサ、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサ、ポンプ吐出圧を検出するポンプ圧センサ、油圧回路の負荷圧を検出する負荷圧センサなどが含まれる。
そして、機体制御用コントローラ30の記憶部53には、車両情報(号機情報など)および設定データが保存され、この記憶部53内の設定データに基づきエンジンコントローラ、ポンプコントローラなどに制御信号を出力する。さらに、この機体制御用コントローラ30に取込まれた稼働データは、有線通信部54から車載電子機器ネットワーク51を介して、動態管理用コントローラ26に取込まれる。
動態管理用コントローラ26は、演算処理部61と、この演算処理部61に接続された記憶部62と、有線通信部63と、無線通信部64と、位置測定部65と、日付管理部66と、入出力信号処理部67と、電源制御部68とからなる。
演算処理部61は、動態管理用コントローラ26内のデータの授受等に関して各構成部62〜67に対して指令を出力する。
記憶部62は、機体制御用コントローラ30から車載電子機器ネットワーク51を介して間接的に取込まれた、あるいはエンジンコントローラ、ポンプコントローラおよびセンサ類などの各種機器56から直接的に取込まれた作業機械稼働時間、燃料残量、エンジン回転速度履歴、負荷圧履歴、ポンプ圧履歴、アクセルダイアル使用状況などの稼働データ(稼働情報、機械情報、メンテナンス情報および警告情報)および演算処理部の指令基準となる条件が記述された設定データを保存する。この記憶部62は、保存されるデータに応じて、記憶領域が稼働データ記憶部71、自発送信データ記憶部72、設定データ記憶部73の3つに分割されている。
有線通信部63は、作業機械内の他のコントローラ(機体制御用コントローラ30)と車載電子機器ネットワーク51を介してデータ通信をする。
無線通信部64は、無線キャリアネットワーク14を利用できる無線通信機器とメモリを備え、その無線キャリアネットワーク14を介して管理部通信部21とデータ通信をする。そのメモリには管理部通信部21の電話番号(連絡先データ)が保存されるほか、この管理部通信部21からの呼出用電子メールを保存する領域が設定されている。
位置測定部65は、GPS受信機を備え、GPS衛星12からの電波を受信して現在位置を測位する。
日付管理部66は、時計手段と充電池を備え、主電源オフ時にも日時を保持して日時データを管理できるように独自の充電池を備え、また予め演算処理部61より設定された日付、時刻になると演算処理部61に出力をする。
入出力信号処理部67は、エンジンコントローラ、ポンプコントローラおよびセンサ類などの各種機器56に接続され、各種機器56から得られた稼働データを動態管理用コントローラ26に取込むとともに、各種機器56のリレーなどに対して出力をするもので、機種によっては機体制御用コントローラ30が設置されない場合にも対応できる。
電源制御部68は、演算処理部61、無線通信部64および日付管理部66に接続され、これらの内部電源のオン/オフを制御する。
そして、前記記憶部62への各データの保存は、前記演算処理部61の指令により処理され、そのうち作業機械11の各種機器56に設けられた稼働時間積算計、燃料残量センサ、エンジン回転速度センサ、温度センサ、圧力センサなどのセンサ類から得られた作業機械稼働時間、燃料残量、エンジン回転速度履歴、負荷圧履歴、ポンプ圧履歴、アクセルダイアル使用状況などの稼働データ(稼働情報、機械情報、メンテナンス情報)は、入出力信号処理部67および演算処理部61を経て記憶部62の稼働データ記憶部71に保存される。
前記の稼働データのうち、警告を発する条件に合致する異常データがあった場合、それは警告情報として、自発送信データ記憶部72にも保存される。この自発送信データ記憶部72に警告情報が保存されている場合、後述するように、管理部15からの呼出用電子メールの有無に関わらず、演算処理部61は管理部15側に警告情報を送信するよう指令を出力する。
演算処理部61の制御指令は、記憶部62の設定データ記憶部73に保存される設定データに基づいているが、更新すべき設定データは、管理部15側から送信され、それが前記設定データ記憶部73に保存される。
車載電子機器ネットワーク51には、サービスツール76を介してノートパソコン77が接続可能となっている。このノートパソコン77は、車載電子機器ネットワーク51を介して動態管理用コントローラ26および機体制御用コントローラ30と通信を行ない、ノートパソコン77上に機械情報などをリアルタイムで表示させる。
次に、前記動態管理用コントローラ26内における通信処理を説明する。
演算処理部61では、主電源スイッチがオンになっている限り、管理部15からの呼出用電子メールが受信されて無線通信部64のメモリ内に保存されているか否かを常時チェックしている。
管理部15から呼出用電子メールが送信された場合、無線通信部64で受信し、即座に無線通信部64のメモリに保存する。チェックしている演算処理部61がその保存を確認すると、無線通信部64に無線通信部64のメモリから管理部15の電話番号を取り出させ、管理部15側に架電させる。
無線通信部64が管理部15と通じると、管理部15から設定データがあればそれが送信され、それとともに所望の作業機械11の送信要求が送信される。演算処理部61では、まず設定データを受信したかどうか確認し、受信があれば、それを記憶部62の設定データ記憶部73に保存して更新し、更新完了した結果をデータとして管理部15側に返す。設定データは、上述したように、演算処理部61の制御指令であり、更新以後は更新後の設定に基づき制御が行われる。
次に演算処理部61は、稼働データ要求を確認すると、所望の作業機械11の稼働データを稼働データ記憶部71から取り出して、無線通信部64から管理部15へ送信させる。なお、稼働データを受信した管理部15側では、その稼働データをウェブサイトに反映させ、顧客またはサービスマンに情報提供する。
次に演算処理部61は、記憶部62の自発送信データ記憶部72内に警告情報の有無を確認し、警告情報があれば、そのデータを取り出し、無線通信部64から管理部15へ送信させる。
警告情報を受信した管理部15側では、そのデータをウェブサイトに反映させるとともに、管理部15側に登録されている顧客またはサービスマンの携帯電話17ph,19phに、警告情報を受信した旨の電子メールを送信する。
演算処理部61は、各データ送信後、設定された所定時間が経過すると、強制的に回線を切断させる。なお、管理部15からの呼出用電子メールがない場合、演算処理部61は、記憶部62の自発送信データ記憶部72内に警告情報があるか否かを常時チェックし、データがあれば、無線通信部64から管理部15に架電させて、警告情報を送信させる。
次に、図1に示されるように、作業機械11の少なくとも稼働データを作業機械11から無線通信で送信させ、管理部15で受信した稼働データをウェブサイトに反映させて端末機器17,19に提供する作業機械遠隔稼働管理システム10から得られるデータを用いて、顧客パソコン17pcまたは社内パソコン19pcのオペレータは、現場で稼働している作業機械11の構造物耐久寿命を推定する。図面には、作業機械遠隔稼働管理システム10をPL-JPNと記入する。
この寿命推定に当たって、動態管理用コントローラ26の稼働データ記憶部71から、管理部15の車両データベース31に、作業機械稼働時間、燃料残量、エンジン回転速度履歴、負荷圧履歴、ポンプ圧履歴、アクセルダイアル使用状況などの稼働データが送信され、これらの稼働データに基づいて、図4に示されたフィールドで稼働された作業機械11の作業比率(アイドリング、走行、重負荷作業)に関するデータ81と、図6に示された作業機械11を駆動する流体圧アクチュエータとしての油圧アクチュエータ(油圧シリンダおよび油圧モータ)に流体圧ポンプとしての油圧ポンプから供給される作動流体としての作動油のポンプ圧の状態または傾向に関するシステム圧昇圧前後のデータ82と、図8に示された作業機械11に搭載されたエンジン回転速度を設定するアクセルダイアル57の使用比率に関するデータ83が作成される。
さらに、寿命推定に当たって、諸情報データベース43に保存されているユーザや作業現場との関係で作成された作業機械11の負荷マップが、管理部15の車両データベース31および顧客情報データベース32に送信され、ユーザや作業現場の特性に関するデータ84が作成される。
すなわち、管理部15の車両データベース31および顧客情報データベース32には、作業機械11がどのような作業比率で作業をしていたかを集計した作業比率に関するデータ81と、可変容量ポンプがどのような吐出圧で駆動されていたかを集計したポンプ圧の状態または傾向に関するデータ82と、アクセルダイアル57がどのようなアクセル値で運転されていたかを集計したアクセルダイアル57の使用比率に関するデータ83と、作業機械がどのようなユーザや作業現場で稼働されていたかを集計したユーザや作業現場の特性に関するデータ84とが保存されている。
したがって、作業比率に関するデータ81、ポンプ圧の傾向に関するデータ82、アクセルダイアル57の使用比率に関するデータ83、ユーザや作業現場の特性に関するデータ84により、作業機械の構造物への負荷をそれぞれ把握し、全体的な構造物への負荷を演算し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を演算する。さらに、システム圧の昇圧により補正された耐久寿命や、大容量バケットの装着などの作業装置に高負荷が作用する仕様変更があった場合に補正された耐久寿命を演算する。以下に、これらの詳細を説明する。
先ず、図4および図5に基づいて、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いた作業機械寿命推定法の第1実施の形態を説明する。
図4は、作業機械11の作業比率に関するデータ81を示し、例えば、車両データベース31に格納されている稼働データのうち、走行系の負荷圧などによる「走行の有無」に関するデータおよび「アクセルダイヤル使用状況」に関するデータにより、アイドリングと、走行と、重負荷作業との比率を求める。
図5に示されるように、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて作業機械11のアイドリング、走行、重負荷作業が占める作業比率を取出し(ステップS11)、作業比率から構造物に作用する負荷状態を把握し(ステップS12)、負荷状態から現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する(ステップS13)。例えば、重負荷作業の比率が標準比率より高い場合は、その程度に応じた寿命値を、標準寿命値より減算する。走行の比率が高い場合は、走行系の寿命値についても同様の演算をする。
このように、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて、作業機械11の少なくとも重負荷作業が占める作業比率を取出し、現場で稼働している作業機械11の構造物耐久寿命を推定演算するので、少なくとも重負荷作業が占める作業比率から構造物に作用する負荷状態を把握し、重負荷作業比率により短縮された作業機械11の寿命を容易に推定して、代替部品を用意したり補強対策をするなどの適切な事前対策を立てることができる。
次に、図6および図7に基づいて、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いた作業機械寿命推定法の第2実施の形態を説明する。
図6は、ポンプ圧の状態または傾向に関するデータ82を示し、例えば油圧回路に設けられた電磁式リリーフ弁の設定値を低圧から高圧へと変更することで、高負荷圧に対応させて油圧回路のシステム圧を昇圧させることができ、このシステム圧が昇圧する前および昇圧した後のポンプ圧−割合分布が得られている。
図7に示されるように、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて図6に示されたポンプ圧の傾向を取出し(ステップS21)、ポンプ圧の傾向から構造物に作用する負荷状態を把握し(ステップS22)、負荷状態から現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する(ステップS23)。例えば、重負荷作業に用いられた作業機械11ほど、棒グラフのピークが右側に移動するので、耐久寿命は短くなる。
このように、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて、ポンプ圧の傾向を取出し、現場で稼働している作業機械11の構造物耐久寿命を推定演算するので、ポンプ圧の傾向から構造物に作用する負荷状態を把握し、高ポンプ圧傾向により短縮された作業機械11の寿命を容易に推定して、代替部品を用意したり補強対策をするなどの適切な事前対策を立てることができる。
次に、図8および図9に基づいて、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いた作業機械寿命推定法の第3実施の形態を説明する。
図8は、作業機械11に搭載されたエンジン回転速度を設定するアクセルダイアルの使用比率に関するデータ83を示し、高ダイヤル値の割合が大きい作業機械11ほど、その作業機械11に作用する負荷が大きい。
したがって、図9に示されるように、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて、管理部15の車両データベース31などから、アクセルダイアル57の使用比率を取出し(ステップS31)、アクセルダイアル57の使用比率から構造物に作用する負荷状態を把握し(ステップS32)、負荷状態から現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する(ステップS33)。例えば、高ダイヤル値の割合が大きい作業機械11ほど、重負荷作業に用いられて消耗が大きいので、その割合に応じて耐久寿命が短くなるように演算する。
このように、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて、作業機械11に搭載されたエンジン回転速度を設定するアクセルダイアル57の使用比率を取出し、現場で稼働している作業機械11の構造物耐久寿命を推定演算するので、アクセルダイアル11の使用比率から構造物に作用する負荷状態を把握し、高ダイアル値使用により短縮された作業機械の寿命を容易に推定して、代替部品を用意したり補強対策をするなどの適切な事前対策を立てることができる。
次に、図10に示されたフローチャートに基づいて、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いた作業機械寿命推定法の第4実施の形態を説明する。
(ステップS41)
ユーザや作業現場毎に異なる使い方で実機を稼働する。例えば、ユーザの個性(短期消耗型など)や業種(掘削、解体、荷役など)、作業現場の位置(舗装面、岩盤面、畑地、湿地など)や作業環境(温度、粉塵汚染度など)によって作業機械に作用する負荷が異なるので、これらの種々の態様により、作業機械11を実際に稼働する。
(ステップS42)
このとき、作業機械11の油圧回路に設置された負荷圧センサなどで検出された負荷の傾向を実機ベースでマッピングして、ユーザや作業現場毎の負荷マップを作成する。この負荷マップは、外部の諸情報データベース43に保存されるが、管理部15の車両データベース31および顧客情報データベース32に移しておく。ユーザや作業現場によって、作業内容や負荷状態が特定される場合がある。
(ステップS43)
作業機械遠隔稼働管理システム10の顧客情報データベース32にあるユーザに関するデータや、車両データベース31にある作業現場に関するデータと、負荷マップから、作業機械構造物に作用する負荷状態を把握する。すなわち、稼働中の作業機械11のユーザ履歴や作業現場履歴がわかれば、負荷マップから負荷履歴も推定できる。
(ステップS44)
負荷履歴より現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する。
このように、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて作業機械11を稼働するユーザおよび作業現場の特性を取出し、現場で稼働している作業機械11の構造物耐久寿命を推定演算するので、ユーザおよび作業現場の特性から作業機械11の構造物に作用する負荷状態を把握し、重負荷作業の環境下にあるユーザおよび作業現場により短縮された作業機械11の寿命を容易に推定して、代替部品を用意したり補強対策をするなどの適切な事前対策を立てることができる。
次に、図11および図12に基づいて、作業機械遠隔稼働管理システム10を用いた作業機械寿命推定法の第5実施の形態を説明する。
図11に示されるフローチャートに基づき、寿命推定法およびその補正法を説明する。
(ステップS51)
作業機械遠隔稼働管理システム10を用いて、図4に示された作業機械11の作業比率、図6に示されたポンプ圧の傾向、図8に示されたアクセルダイアル57の使用比率、図10のフローチャートに示されたユーザや作業現場の特性を取出す。
(ステップS52)
作業機械11の作業比率、ポンプ圧の傾向、アクセルダイアル57の使用比率、ユーザや作業現場の特性から構造物に作用する負荷状態を把握する。
(ステップS53)
負荷状態から現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する。
(ステップS54)
システム圧が昇圧したか否かを判断する。
(ステップS55)
システム圧が昇圧した場合は、作業機械遠隔稼働管理システム10が推定演算した耐久寿命を例えば2%低下させる。
(ステップS56)
作業機械11の作業装置に大容量バケットを装着したか否かを判断する。
(ステップS57)
大容量バケットを装着した場合は、作業機械遠隔稼働管理システム10が推定演算した耐久寿命を例えば20%低下させる。
なお、大容量バケットの装着は、作業機械11に搭載された作業装置に高負荷が作用する仕様変更の一例であり、作業装置に高負荷が作用する他の仕様変更例としては、作業装置にブレーカ、マテリアルハンドラ、またはロングリーチフロントなどを装着した場合がある。
要するに、図12に示されるように、作業機械11に搭載された油圧システムにおけるシステム圧が昇圧した場合や、作業機械11に搭載された作業装置に大容量バケットを装着した場合などの高負荷が作用する仕様変更があった場合は、その負荷に応じた寿命低下が予測されるので、作業機械遠隔稼働管理システム10により推定演算された構造物耐久寿命をそれぞれ所定の割合で低下させる。
そして、システム圧が昇圧した場合や、大容量バケットなどの高負荷が作用する仕様変更の場合は、推定演算された構造物耐久寿命をそれぞれ所定の割合で低下させるので、システム圧の昇圧および仕様変更により短縮された作業機械11の寿命を容易に推定して、代替部品を用意したり補強対策をするなどの適切な事前対策を立てることができる。
このようにして、現場での構造物の耐久寿命を推定できるようになる。これにより、発生した故障が寿命による故障か、設計に原因のある故障かを推定できる。そのため、設計に原因があると推定できる場合は、すぐに他の現場の稼働機へと対策を展開できる。
また、ユーザごとに故障対策ができる。これは、現場ごと、またはアプリケーションごと、または作業ごとで典型的な構造物の耐久寿命を推定できるためである。さらに、推定した耐久寿命が近づくと、代替部品を用意したり、補強対策をするなどの方法で事前対策を行ない、ユーザの休車時間を減らすことができる。
本発明は、作業機械のメンテナンスに役立つ作業機械寿命推定法に利用可能である。
本発明に係る作業機械寿命推定法に用いられる作業機械遠隔稼働管理システムの一実施の形態を示す概要図である。 同上システムの管理部における構成を示すブロック図である。 同上システムの作業機械における構成を示すブロック図である。 同上寿命推定法の第1実施の形態に関係する作業比率を示すグラフである。 同上寿命推定法の第1実施の形態のフローチャートである。 同上寿命推定法の第2実施の形態に関係するポンプ圧‐割合特性を示すグラフである。 同上寿命推定法の第2実施の形態のフローチャートである。 同上寿命推定法の第3実施の形態に関係するアクセルダイヤル平均使用状況の割合を示すグラフである。 同上寿命推定法の第3実施の形態を示すフローチャートである。 同上寿命推定法の第4実施の形態を示すフローチャートである。 同上寿命推定法の第5実施の形態を示すフローチャートである。 同上寿命推定法の第5実施の形態を棒グラフ化したグラフである。
符号の説明
10 作業機械遠隔稼働管理システム
11 作業機械
15 管理部
17,19 端末機器としての顧客端末機器、社内端末機器
57 アクセルダイアル

Claims (5)

  1. 作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械の少なくとも重負荷作業が占める作業比率を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する
    ことを特徴とする作業機械寿命推定法。
  2. 作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械を駆動する流体圧アクチュエータに供給される作動流体のポンプ圧の状態を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する
    ことを特徴とする作業機械寿命推定法。
  3. 作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械に搭載されたエンジン回転速度を設定するアクセルダイアルの使用比率を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する
    ことを特徴とする作業機械寿命推定法。
  4. 作業機械の少なくとも稼働データを作業機械から無線通信で送信させ、管理部で受信した稼働データを端末機器に提供する作業機械遠隔稼働管理システムを用いて、作業機械を稼働するユーザおよび作業現場の特性を取出し、現場で稼働している作業機械の構造物耐久寿命を推定演算する
    ことを特徴とする作業機械寿命推定法。
  5. 作業機械に搭載された油圧システムにおけるシステム圧が昇圧した場合と、作業機械に搭載された作業装置に高負荷が作用する仕様変更があった場合は、作業機械遠隔稼働管理システムにより推定演算された構造物耐久寿命をそれぞれ所定の割合で低下させる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の作業機械寿命推定法。
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