JP2009061449A - 揮発性有機物吸収材及びその製造方法 - Google Patents

揮発性有機物吸収材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
ゲル状或いは固体状であり、吸収対象が限定されず、そしてVOCの吸収能が高く、さらに交換や再生を頻繁に行う必要がなく、その結果ランニングコストをも抑えることができる極めて有用な揮発性有機物吸収材及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】
揮発性有機物を吸収する揮発性有機物吸収材であって、少なくとも、前記揮発性有機物を溶解する不活性有機溶媒と、前記不活性有機溶媒のゲル化剤としての疎水性有機物質とを構成要素に含ませた。
【選択図】図1

Description

本発明は、揮発性有機物を吸収する吸収材及びその製造方法に関するものである。
トルエンをはじめ、ベンゼン、キシレン、エタノール、テトラジクロロエチレンなどといった揮発性有機物(VOC)は、光化学オキシダントと浮遊粒子状物質の主な原因であるため、工場等の固定発生源からのVOC排出及び飛散に関して、排出規制や自主的取組の促進がなされている。
従来から、固定発生源から発生するVOCの排出量を減少させるためにVOCを吸着する吸着剤(例えば、活性炭やメソポーラスシリカ等)を使った吸着法が採られていた。しかし、吸着能(吸着量及び吸着速度)が悪く、交換等を頻繁に行わなければならないというようにランニングコストの面で問題があった。
また、ガス、灯油、重油等によりVOCを高温で酸化分解する方法や、触媒を用いてVOCを高速酸化分解する方法、そして蓄熱性固定床(蓄熱床)を媒体としてVOCを接触酸化分解する方法等の燃焼酸化分解法が採用されているが、これら装置の備え付け面積が大きくなってしまうこと、導入費用やランニングコストが高くなること等の面で問題があった。
その他、冷却装置にVOC含有ガスを通し、VOCを露点以下にして冷却回収する冷却凝縮法も採用されているが、この方法も上記同様な問題が生じている。
これらの問題を包括的に解決するために、様々な研究や開発が行われてきている。例えば、非特許文献1は、吸油性ポリマーからなる有機溶媒の吸収材に関する論文で、極性有機溶媒(特に、テトラヒドロフラン)を吸収することで吸油性ポリマーがゲル状になって飽和する旨の記載がある。
またさらに、特許文献1には、カルボン酸基を有するセルロース誘導体をメタノール等の有機溶剤に加え、良く練った混合物に電離性放射線を照射して得られるハイドロゲルであって、有機溶剤を吸収するゲルに関する技術が開示されている。
Nat Mater. 2007 Jun; 6(6):429-33. 2007 Apr 29. 特開2004−359916号公報
しかしながら、非特許文献1記載の技術の場合は、吸収速度が遅く、また、吸収対象が液体(溶液)のみに限定されており、気体の有機物質を迅速に吸収する能力が低いという問題があった。さらにテトラヒドロフランについての吸収量については良好ではあるが、その他の有機溶媒の吸収量については改善の余地があった。
また、特許文献1記載の場合は、記載の技術はハイドロゲルであるため、例えばオルガノゲルと比べると有機物を吸収する速度が劣る。そして、吸収対象が液体(溶液)に限られているため、気体の有機物質を迅速に吸収する能力が低いという問題があった。
本発明の目的は、上述の問題を解決するため、ゲル状或いは固体状であっても吸収対象が限定されない上、VOCの吸収能が高いという特筆すべき優れた能力があり、さらに吸収材の交換や再生を頻繁に行う必要がなく、その結果ランニングコストをも抑えることができる極めて有用な揮発性有機物吸収材及びその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、揮発性有機物を吸収する揮発性有機物吸収材であって、少なくとも、前記揮発性有機物を溶解する不活性有機溶媒と、前記不活性有機溶媒のゲル化剤としての疎水性有機物質と、を構成要素に含むことを特徴とする揮発性有機物吸収材である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の揮発性有機物吸収材であって、前記不活性有機溶媒が、脂肪族二塩基酸エステル、芳香族炭化水素、フタル酸エステル、シリコーンオイル及びこれらの混合物の少なくともいずれかであることを特徴としている。
またさらに、請求項3記載の発明は、請求項2記載の揮発性有機物吸収材であって、前記脂肪族二塩基酸エステルが、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジメチルセバケート及びこれらの混合物の少なくともいずれかであることを特徴としている。
そして、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の揮発性有機物吸収材であって、前記疎水性有機物質が、ポリスチレン、オクタデシルアクリレート、トリアコンタアクリレート、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂及びこれらの混合物の少なくともいずれかであることを特徴としている。なお、これら疎水性有機物質は、粉末状、ペースト状、繊維状等それぞれ使用に適した形状で用いるのが有効である。
また、請求項5記載の発明は、揮発性有機物を吸収する揮発性有機物吸収材の製造方法であって、揮発性有機物を溶解せしめる不活性有機溶媒に、前記不活性有機溶媒のゲル化剤である疎水性有機物質を混合させる工程と、前記疎水性有機物質を膨潤させる工程と、を含むことを特徴とする揮発性有機物吸収材の製造方法である。
またさらに、請求項6記載の発明は、揮発性有機物を吸収する揮発性有機物吸収材の製造方法であって、揮発性有機物を溶解せしめる不活性有機溶媒と、前記不活性有機溶媒のゲル化剤である疎水性有機物質とを混合して混合溶液を作製する工程と、前記混合溶液を架橋剤添加、電子線照射、放射線照射、光照射又はプラズマ照射のうちいずれか1つの架橋方法によって架橋させる工程と、を含むことを特徴とする揮発性有機物吸収材の製造方法である。
さらに、請求項7記載の発明は、請求項5又は6のいずれか1項記載の揮発性有機物吸収材の製造方法であって、前記疎水性有機物質は、架橋剤添加、電子線照射、放射線照射、光照射又はプラズマ照射のうちいずれか1つの架橋方法によって架橋合成されてなることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項5乃至7記載の揮発性有機物吸収材の製造方法であって、前記不活性有機溶媒が、脂肪族二塩基酸エステル、芳香族炭化水素、フタル酸エステル、シリコーンオイル及びこれらの混合物の少なくともいずれかであることを特徴としている。
そして、請求項9記載の発明は、請求項8記載の揮発性有機物吸収材の製造方法であって、前記脂肪族二塩基酸エステルが、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジメチルセバケート及びこれらの混合物の少なくともいずれかであることを特徴としている。
そしてさらに、請求項10記載の発明は、請求項5乃至9のいずれか1項記載の揮発性有機物吸収材の製造方法であって、前記疎水性有機物質が、ポリスチレン、オクタデシルアクリレート、トリアコンタアクリレート、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂及びこれらの混合物の少なくともいずれかであることを特徴としている。なお、これら疎水性有機物質は、粉末状、ペースト状、繊維状等それぞれ使用に適した形状で用いるのが有効である。
本発明に係る揮発性有機物吸収材は、取り扱いが簡便で、しかも固体であっても、VOCの吸収能が高く、さらにゲル状であっても活性炭やメソポーラスシリカ等といった従来のVOC吸着材よりもVOCの吸収能が極めて高い吸収材であるため、吸収材の交換や再生を頻繁に行う必要がなくなる。その結果、ランニングコストをも抑えることが可能となる。また、不活性有機溶媒により吸収したVOCの保持能が高いにもかかわらず、加熱処理により容易に脱着が可能であるため、VOCに対する処理が容易となる。
また、本発明に係る揮発性有機物吸収材の製造方法は、上述の効果を奏する揮発性有機物吸収材を的確に提供することが可能となる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、揮発性有機物吸収材の製造過程を簡略的に表した一例図である。まず、揮発性有機物の溶解性に優れた不活性有機溶媒に、揮発性有機物と高い親和性を持つ疎水性有機物質を添加し(ゲル化剤として)、疎水性有機物質を膨潤させる。そうすることによって、結果物である揮発性有機物吸収材を製造することができる。不活性有機溶媒と疎水性有機物質の添加割合は、1:9から9:1の範囲が良く、より好ましくは、7:3から3:7の範囲が良い。また、予め架橋剤添加、電子線照射、放射線照射、光照射又はプラズマ照射いずれかの架橋方法によって架橋合成された疎水性有機物質を用いることがより有効である。なお、架橋すること自体に技術的意義があるため、架橋度については任意である。
疎水性有機物質は、ポリスチレン、オクタデシルアクリレート、トリアコンタアクリレート、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂及びこれらの混合物のいずれかのように、低分子量化合物の自己組織化や、水素結合、分子間力などを利用したもの及び架橋等により形成された3次元構造をもつものを利用するのが良いが、ゲル化剤としての疎水性有機物質は疎水性が高ければ高いほど良いため、疎水性の高い官能基、例えば、オクタデシル基、トリアコンチル基等を用いるのが特に良い。さらにこれらを粉末状であったり、ペースト状や繊維状にして用いることが有効である。
そして、不活性有機溶媒は、ジメチルアジペート、ジメチルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステル(特にジメチルセバケートは、融点が27℃であることから、固体として利用することができ、操作性に優れている。)やトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香剤炭化水素、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ-n-オクチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸エステルそしてジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル及びこれらの混合物のいずれかを用いることが非常に有用である。なお、オクタデシル基と脂肪族二塩基酸エステルを選択する場合は、その添加の割合は、1:9から9:1の範囲が良く、より好ましくは、7:3から3:7の範囲が良い。
また、図1(b)は、他の揮発性有機物吸収材の製造過程を簡略的に表した一例図である。まず、不活性有機溶媒と、疎水性有機物質とを混合させることにより、混合溶液を作製する。そして、この混合溶液に架橋剤を添加して混合溶液内の有機分子を架橋させる。そうすることで、結果物である揮発性有機物吸収材を製造することができる。なお、架橋方法は、架橋剤の添加に限らず、電子線照射・放射線照射・光照射・プラズマ照射によっても良い。また、予め架橋剤添加、電子線照射、放射線照射、光照射又はプラズマ照射いずれかの架橋方法によって架橋合成された疎水性有機物質を用いることがより有効である。また、架橋すること自体に技術的意義があるため、架橋度については任意である。
さらに、図1(a)に一例として示した製造過程と同様に、疎水性有機物質は、ポリスチレン、オクタデシルアクリレート、トリアコンタアクリレート、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂及びこれらの混合物のいずれかを用いることが有効である。また、疎水性は高ければ高いほど良いため、疎水性の高い官能基、例えば、オクタデシル基、トリアコンチル基等を用いることが特に有効であることは、図1(a)に一例として示した製造過程と同様である。
またさらに、不活性有機溶媒は、ジメチルアジペート、ジメチルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステルやトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香剤炭化水素、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ-n-オクチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸エステルそしてジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル及びこれらの混合物のいずれかを用いるのが良い。なお、オクタデシル基と脂肪族二塩基酸エステルを選択する場合は、その添加の割合は、1:9から9:1の範囲が良く、より好ましくは、7:3から3:7の範囲が極めて良好である。
このようにして作製した本発明の揮発性有機物吸収材は、トルエンをはじめ、ベンゼン、キシレン、エタノール、テトラジクロロエチレン等といった各種の揮発性有機物(VOC)を、液体状、気体状を問わずに効率よく吸収することができる。特に、本発明の揮発性有機物吸収材は、気体状のVOCをより効率よく吸収することができる。
次に、吸収材の吸収実験について説明する。図2は、吸収実験方法を模式的に表した一例図である。10はデシケーター、12はトルエン、14は気体トルエン、16は活性炭、18はポリスチレンを示している。デシケーター10は4Lのもの、トルエン12は100ml、活性炭16及びポリスチレン18の重量はそれぞれ、約0.15gのものを使用した。本吸収実験は、温度25℃の条件下で行った。
(ポリスチレンのトルエン吸収実験)
本実験では、揮発性有機物のモデル物質であるトルエンが、疎水性有機物質であるポリスチレンにどの程度吸収されるかを明らかにした。トルエン除去性能の比較のために、活性炭の吸収実験も同時に行った。図3にその結果の一例を示す。なお、図3のグラフにおいて、縦軸に「トルエン吸収量(g)/材料重量(g)」を示し、横軸に「吸収時間(h)」を示した。ここで、「材料」とは「揮発性有機物吸収材」を意味する。本実験の趣旨は、揮発性有機物のモデル物質であると同時に不活性有機溶媒でもあるトルエンをゲル化剤としての疎水性有機物質であるポリスチレンが吸収(混合)することによって揮発性有機物吸収材へと変わり、その揮発性有機物吸収材が、揮発性有機物のモデル物質であるトルエンをどの程度吸収できるかを明らかにすることにあるが、便宜的に「ポリスチレンのトルエン吸収実験」と称している。
図3に示したとおり、比較対象である活性炭は、吸収速度は速いが、15時間ほどでトルエン吸収量は飽和状態となった。一方、ポリスチレン(PS)は、吸収速度は活性炭と比べ遅いものの、10時間を越えたあたりからトルエン吸収量が急激に増加した。つまり、ポリスチレン、活性炭ともに、約5日間で吸収平衡に達するが、吸収平衡付近まで達する時間は圧倒的に活性炭の方が早いことが分かった。これは、高い比表面積を持つ活性炭の方がポリスチレンよりもトルエン分子との接触確率が高いためと言える。しかし、トルエンの吸収可能な容量(トルエン吸収量、若しくは、トルエン吸収能力)については、ポリスチレンの方が優れている結果となった。
ポリスチレンの吸収平衡時における試料重量あたりのトルエン保持量は、活性炭の約1.8倍であった。これは、ポリスチレンと活性炭の比表面積の大きな違いを考慮に入れると、トルエンが、ポリスチレンに吸収されていることを示している。また、ポリスチレンにおけるトルエン吸収が、10時間を超えたあたりから急激に増加しているが、これは、ポリスチレンがトルエンに可溶化(ゲル化)し始めた時間と一致する。このことから、ポリスチレンのゲル化は、劇的にトルエンの吸収量を増加させることが明確に分かる。
(ポリスチレンゲルのトルエン吸収実験)
次に、本実験によって揮発性有機物のモデル物質であるトルエンが、不活性有機溶媒であるジメチルアジペートにポリスチレンを混合(混合比1:1)することによりゲル化させた本発明の揮発性有機物吸収材としてのポリスチレンゲルに、どの程度吸収できるかを明らかにした。トルエン除去性能の比較のために、活性炭及びポリスチレンの吸収実験も平行して行った。その結果、ポリスチレンゲルが活性炭やポリスチレンよりも多くトルエンを吸収することが分かった。即ち、ポリスチレンゲルのトルエン吸収能力は、他と比較して格段に優れたものであることが分かった。図4にその結果の一例を示す。なお、図4に示す縦軸、横軸及び語句の意味は、図3において示すものと同様である。
つまり、図4に示したとおり、比較対象である活性炭及びポリスチレン(PS)と比べ、本発明の揮発性有機物吸収材(ポリスチレンゲル(PSゲル))は、吸収速度及びトルエン吸収量いずれについても優れていた。そして、図4のグラフから、PSゲルは、吸収時間を延長することで、さらにトルエンを吸収できる可能性を有している(計算上、自重の約30倍の吸収能力が見込まれる)。
なお、本実験は図2で一例として示した方法と同様の方法を採用し、ポリスチレン及び活性炭の他にゲル化したポリスチレン(ポリスチレンゲル)を実験対象としたものである。
ポリスチレンのトルエン吸収実験及びポリスチレンゲルのトルエン吸収実験により、ポリスチレンのゲル化がトルエンの吸収に重要な役割を持っていることが明らかになった。ポリスチレンのゲル化時間を短縮するためには、効率的にトルエンをポリスチレン中に吸収させる必要がある。これは、ポリスチレンビーズより、比表面積が大きいポリスチレン粉末を用いることで解決することができる。
(ポリスチレン粉末とポリスチレンビーズのトルエン吸収挙動比較実験)
図5にポリスチレン粉末とポリスチレンビーズのトルエン吸収挙動の違いの一例を示す。図5に示す縦軸、横軸及び語句の意味は、図3において示すものと同様である。
図5に示したとおり、ポリスチレン粉末は、1〜3時間でゲル化し、ポリスチレンビーズのゲル化までの時間(およそ10時間〜12時間)と比較して明らかにゲル化時間が短縮した。この結果は、ポリスチレン比表面積の増加が、トルエンとの接触確率を高め、早期にゲル化に必要なトルエンを吸収することが可能であることを示す有力な根拠である。なお、本実施例では、ポリスチレン粉末の直径を0.2mmとし、そしてポリスチレンビーズの直径を2mmとして実験を行った。
また、ポリスチレンのゲル化に伴う粘性などの物性値は、ポリスチレンの分子量に依存すると考えられる。これは、分子量の増加に伴い、ポリスチレン高分子の動きが抑制されてしまうためである。ポリスチレンゲルの物性特性がトルエン吸収量にどの程度の影響を与えるかを検討するために、ポリスチレン分子量とトルエン吸収量の関係について明らかにした(図6にその結果の一例を示す)。図6に示す縦軸、横軸及び語句の意味は、図3において示すものと同様である。
図6に示したとおり、分子量による吸収能の大きな違いは、MW190000とMW46900間ではあまりないが、MW2980では他の2つよりも若干優れていた。したがって、ゲル化に伴う物性値は分子量に依存していないということが分かる。
以上の実験結果から、揮発性有機物のモデル物質であると同時に不活性有機溶媒でもあるトルエンを吸収した疎水性有機物質ポリスチレン(揮発性有機物吸収材へと変化)は、ゲル状に至るまでの固体の状態であってもトルエンを良く吸収できることが分かった。そして、ポリスチレンがゲル化した後は、トルエン吸収能力が飛躍的に向上し、さらにトルエンを多く吸収することが明白になった。なお、本実施例においては、疎水性有機物質をポリスチレンとしているが、本発明は、これに限定されるものではない。また、本発明の揮発性有機物吸収材の吸収対象となるVOCは、トルエンに限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、キシレン、エタノール、テトラジクロロエチレンなども吸収対象とすることができる。
(アクリル系ゲルのトルエン吸収実験)
本実験では、本発明に係る揮発性有機物吸収材の製造方法を用いて作製したアクリル系ゲルが、どの程度、揮発性有機物のモデル物質であるトルエンを吸収するかを明らかにした。
(1)アクリル系ゲルA
(アクリル系ゲルA作製方法)
オクタデシルアクリレート(ODA)40.56g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.64g及び架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)0.0396g(ODA/EGDMAのモル比:100/1)を、ベンゼン50mlに投入し溶解させた。この混合液を耐圧ガラス容器に入れ、液体窒素でベンゼンを凍結させた。続いて、前記耐熱ガラス容器を真空ラインに繋ぎ、脱ガス後、前記耐熱ガラス容器を密閉した。次に、常温で放置して、ベンゼンを液体に戻した後、60℃のオーブンに入れ、24時間加熱することで熱重合(熱重合法)させるとともに架橋させ、重合物を作製した。そして、前記重合物をベンゼン中に10時間浸漬して洗浄した後、空気中でベンゼンを揮発させることで、疎水性高分子を得た。さらに、60℃、4時間の条件下にて、得られた前記疎水性高分子0.15gを不活性有機溶媒として5mlのジメチルアジペートに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材としてのアクリル系ゲルAを得た。
(アクリル系ゲルA吸収実験)
上記の作製方法により得られたアクリル系ゲルAの気体トルエンに対する吸収実験を、図2と略同様の手順で行った結果、アクリル系ゲルAは、トルエンを自重の10倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(2)アクリル系ゲルB
(アクリル系ゲルB作製方法)
前記アクリル系ゲルAの作製方法において記載した疎水性高分子を得る方法により疎水性高分子を作製し、さらに、60℃、4時間の条件下にて、作製した前記疎水性高分子0.15gを不活性有機溶媒として5mlのジメチルセパゲートに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材としてのアクリル系ゲルBを得た。
(アクリル系ゲルB吸収実験)
上記の作製方法により得られたアクリル系ゲルBの気体トルエンに対する吸収実験を、図2と略同様の手順で行った結果、アクリル系ゲルBは、トルエンを自重の8倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(3)アクリル系ゲルC
(アクリル系ゲルC作製方法)
前記アクリル系ゲルAの作製方法において記載した疎水性高分子を得る方法により疎水性高分子を作製し、さらに、60℃、4時間の条件下にて、作製した前記疎水性高分子0.15gを不活性有機溶媒として5mlのジブチルアジペートに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材としてのアクリル系ゲルCを得た。
(アクリル系ゲルC吸収実験)
上記の作製方法により得られたアクリル系ゲルCの気体トルエンに対する吸収実験を、図2と略同様の手順で行った結果、アクリル系ゲルCは、トルエンを自重の8倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(4)アクリル系ゲルD
(アクリル系ゲルD作製方法)
前記アクリル系ゲルAの作製方法において記載した疎水性高分子を得る方法により疎水性高分子を作製し、さらに、60℃、4時間の条件下にて、作製した前記疎水性高分子0.15gを不活性有機溶媒として5mlのフタル酸ジエチルに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材としてのアクリル系ゲルDを得た。
(アクリル系ゲルD吸収実験)
上記の作製方法により得られたアクリル系ゲルDの気体トルエンに対する吸収実験を、図2と略同様の手順で行った結果、アクリル系ゲルDは、トルエンを自重の4倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(スチレン系ゲルのトルエン吸収実験)
本実験では、本発明に係る揮発性有機物吸収材の製造方法を用いて作製したスチレン系ゲルが、どの程度、揮発性有機物のモデル物質であるトルエンを吸収するかを明らかにした。
(1)スチレン系ゲルA
(スチレン系ゲルA作製方法)
スチレン50g、トルエン100g及び架橋剤としてジビニルベンゼン50gを混合し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1gをさらに加え、この混合物を14重量%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)溶液中に滴下して、油滴を形成した。続いて、前記油滴状の混合物を80℃で10時間保持することで、油滴を重合(乳化重合法)せしめるとともに架橋させ、共重合ビーズを得た。そして、得られた前記共重合ビーズは、水洗いでCTABを取り除き、前記共重合ビーズに含まれるトルエンは、95℃で5時間水中に懸濁することにより除去した。次に、60℃、4時間の条件下にて、前記共重合ビーズ0.15gを、不活性有機溶媒として5mlジメチルアジペートに浸漬させることで、ゲル化させ、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン系ゲルA)を得た。
(スチレン系ゲルA吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン系ゲルAの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン系ゲルAは、トルエンを、自重の5倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(2)スチレン系ゲルB
(スチレン系ゲルB作製方法)
前記スチレン系ゲルAの作製方法において記載した共重合ビーズを得る方法により共重合ビーズを作製し、そして、作製した共重合ビーズからCATB及び、トルエンを同様の方法により除去し、さらに、60℃、4時間の条件下にて、当該共重合ビーズ0.15gを、不活性有機溶媒として5mlジメチルアセパゲートに浸漬させることで、ゲル化させ、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン系ゲルB)を得た。
(スチレン系ゲルB吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン系ゲルBの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン系ゲルBは、トルエンを、自重の5倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(3)スチレン系ゲルC
(スチレン系ゲルC作製方法)
前記スチレン系ゲルAの作製方法において記載した共重合ビーズを得る方法により共重合ビーズを作製し、そして、作製した共重合ビーズからCATB及び、トルエンを同様の方法により除去し、さらに、60℃、4時間の条件下にて、当該共重合ビーズ0.15gを、不活性有機溶媒として5mlジブチルアジペートに浸漬させることで、ゲル化させ、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン系ゲルC)を得た。
(スチレン系ゲルC吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン系ゲルCの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン系ゲルCも同様に、トルエンを、自重の5倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(4)スチレン系ゲルD
(スチレン系ゲルD作製方法)
前記スチレン系ゲルAの作製方法において記載した共重合ビーズを得る方法により共重合ビーズを作製し、そして、作製した共重合ビーズからCATB及び、トルエンを同様の方法により除去し、さらに、60℃、4時間の条件下にて、当該共重合ビーズ0.15gを、不活性有機溶媒として5mlフタル酸ジエチルに浸漬させることで、ゲル化させ、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン系ゲルD)を得た。
(スチレン系ゲルD吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン系ゲルDの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン系ゲルDについても、トルエンを、自重の5倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲル(非架橋体)のトルエン吸収実験)
本実験では、本発明に係る揮発性有機物吸収材の製造方法を用いて作製したスチレン−ブタジエン共重合体系ゲル(非架橋体)が、どの程度、揮発性有機物のモデル物質であるトルエンを吸収するかを明らかにした。
(1)スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルA
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルA作製方法)
合成ゴムの原料であるスチレン−ブタジエン共重合体0.15gを、60℃及び4時間の条件下にて、不活性有機溶媒として5mlジメチルアジペートに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルA)を得た。
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルA吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルAの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルAは、トルエンを、自重の10倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(2)スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルB
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルB作製方法)
合成ゴムの原料であるスチレン−ブタジエン共重合体0.15gを、60℃及び4時間の条件下にて、不活性有機溶媒として5mlジメチルセパゲートに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルB)を得た。
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルB吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルBの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルBは、トルエンを、自重の8倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(3)スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルC
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルC作製方法)
合成ゴムの原料であるスチレン−ブタジエン共重合体0.15gを、60℃及び4時間の条件下にて、不活性有機溶媒として5mlジブチルアジペートに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルC)を得た。
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルC吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルCの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルCは、トルエンを、自重の8倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
(3)スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルD
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルD作製方法)
合成ゴムの原料であるスチレン−ブタジエン共重合体0.15gを、60℃及び4時間の条件下にて、不活性有機溶媒として5mlフタル酸ジエチルに浸漬させることでゲル化させて、本発明の揮発性有機物吸収材(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルD)を得た。
(スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルD吸収実験)
VOCのモデル物質である気体トルエンに対する前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルDの吸収実験を、図2と略同様の手順で行った。その結果、前記スチレン−ブタジエン共重合体系ゲルDは、トルエンを、自重の4倍程度吸収することが判明した(図示せず)。
本発明に係る揮発性有機物吸収材は、揮発性有機物の吸収能が高く、且つ操作性にも優れているため、例えば揮発性有機物を除去する装置等に組み込むことで従来に比してより効果的な揮発性有機物の除去が可能となる。また、本発明に係る揮発性有機物吸収材の製造方法は、揮発性有機物の吸収に優れた吸収材を製造するに極めて有効な製造方法である。
(a)は、本発明の実施形態における揮発性有機物吸収材の製造過程を簡略的に示した一例図である。(b)は、本発明の他の実施形態における揮発性有機物吸収材の製造過程を簡略的に示した一例図である。 吸収実験方法を模式的に表した一例図である。 活性炭及びポリスチレンのトルエン吸収量に関する実験結果の一例を示した図である。 ポリスチレンゲル、活性炭及びポリスチレンのトルエン吸収量に関する実験結果の一例を示した図である。 ポリスチレン粉末及びポリスチレンビーズのトルエン吸収量に関する実験結果の一例を示した図である。 ポリスチレン分子量によるトルエン吸収量変化に関する実験結果の一例を示した図である。
符号の説明
10 デシケーター
12 トルエン
14 気体トルエン
16 活性炭
18 ポリスチレン

Claims (10)

  1. 揮発性有機物を吸収する揮発性有機物吸収材であって、
    少なくとも、前記揮発性有機物を溶解する不活性有機溶媒と、
    前記不活性有機溶媒のゲル化剤としての疎水性有機物質と、
    を構成要素に含むことを特徴とする揮発性有機物吸収材。
  2. 前記不活性有機溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族二塩基酸エステル、フタル酸エステル、シリコーンオイル及びこれらの混合物の少なくともいずれかである請求項1記載の揮発性有機物吸収材。
  3. 前記脂肪族二塩基酸エステルが、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジメチルセバケート及びこれらの混合物の少なくともいずれかである請求項2記載の揮発性有機物吸収材。
  4. 前記疎水性有機物質が、ポリスチレン、オクタデシルアクリレート、トリアコンタアクリレート、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂及びこれらの混合物の少なくともいずれかである請求項1乃至3のいずれか1項記載の揮発性有機物吸収材。
  5. 揮発性有機物を吸収する揮発性有機物吸収材の製造方法であって、
    揮発性有機物を溶解せしめる不活性有機溶媒に、前記不活性有機溶媒のゲル化剤である疎水性有機物質を混合させる工程と、
    前記疎水性有機高分子物質を膨潤させる工程と、
    を含むことを特徴とする揮発性有機物吸収材の製造方法。
  6. 揮発性有機物を吸収する揮発性有機物吸収材の製造方法であって、
    揮発性有機物を溶解せしめる不活性有機溶媒と、前記不活性有機溶媒のゲル化剤である疎水性有機物質とを混合して混合溶液を作製する工程と、
    前記混合溶液を架橋剤添加、電子線照射、放射線照射、光照射又はプラズマ照射のうちいずれか1つの架橋方法によって架橋させる工程と、
    を含むことを特徴とする揮発性有機物吸収材の製造方法。
  7. 前記疎水性有機物質は、架橋剤添加、電子線照射、放射線照射、光照射又はプラズマ照射のうちいずれか1つの架橋方法によって架橋合成されてなる請求項5又は6記載の揮発性有機物吸収材の製造方法。
  8. 前記不活性有機溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族二塩基酸エステル、フタル酸エステル、シリコーンオイル及びこれらの混合物の少なくともいずれかである請求項5乃至7のいずれか1項記載の揮発性有機物吸収材の製造方法。
  9. 前記脂肪族二塩基酸エステルが、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジメチルセバケート及びこれらの混合物の少なくともいずれかである請求項8記載の揮発性有機物吸収材の製造方法。
  10. 前記疎水性有機物質が、ポリスチレン、オクタデシルアクリレート、トリアコンタアクリレート、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂及びこれらの混合物の少なくともいずれかである請求項5乃至9のいずれか1項記載の揮発性有機物吸収材の製造方法。
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