JP2009060315A - 遠隔時計の位相誤差軽減方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は一時的にフィードバック制御ができないときに、参照時計に対して同期している遠隔時計の位相誤差を軽減する方法に関する。
【解決手段】本発明は、時計間で通信できないときに、参照時計に対して遠隔時計を同期させるための開ループコントローラと、閉ループコントローラのフィードバック制御が行われている状態で、遠隔時計の連続的な動作履歴を収集する動作履歴データベースとを備える。時計間の通信が途絶したとき、動作履歴データベースに格納されている過去の動作履歴データに基づいて近似した制御電圧により遠隔時計を制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明は、時計間で通信できないときに、参照時計に対して遠隔時計を同期させるための開ループコントローラと、閉ループコントローラのフィードバック制御が行われている状態で、遠隔時計の連続的な動作履歴を収集する動作履歴データベースとを備える。時計間の通信が途絶したとき、動作履歴データベースに格納されている過去の動作履歴データに基づいて近似した制御電圧により遠隔時計を制御する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、参照時計に同期していないときの遠隔時計の位相誤差軽減方法及び装置に関する。
いろいろな場面でお互いに離れたところに位置する時計同士の同期が必要になっている。GPSやGLONASSのような衛星測位システムでは、衛星は相互に同期が取れた衛星搭載原子時計の時刻情報を絶えず測位信号として放送している。一般にそれらの時刻基準はルビジウム原子時計またはセシウム原子時計である。GPS衛星に搭載されたこれらの原子時刻標準は数箇所の地上局で監視され、数時間毎にGPSの航法メッセージの搭載時計のドリフトの情報として衛星にアップロードされる。測位精度を良好に保つためにはGPS時刻を同期して保つ必要がある。
2003年から産業技術総合研究所では準天頂衛星で実験を行う「擬似時計技術」の研究を行ってきている(非特許文献2)。準天頂衛星は地上局をうまく選べば24時間追跡することができるため、上述のGPSのような時刻管理の見直しが可能であり、地上局に置かれた原子時計に対して衛星搭載の時刻基準(水晶発振器など)を同期させることができる。これを「擬似時計技術」という。
最初の準天頂衛星に対するこの同期技術の具体的な実現については非特許文献1および2で提案されている。この案は地上局での遅延予測による補償に基づいている。2006年には準天頂衛星と地上局との双方向時刻比較を行い、その結果を用いて衛星搭載の時刻基準を地上局から電圧などで制御を行う方法も提案されている(非特許文献3)。
どちらの場合でもマスター・スレーブの構成で、両者の通信が成立している限り同期精度が保証されており、位相ロックループ(Phase-Locked Loop)技術が用いられている。しかし、何らかの理由により通信が途絶えた場合、遠隔時計(スレーブ側)の制御が必要である。このシステムはその方法を提供する。
別の応用として、SS-TDMA(satellite-switched time division multiple access)の将来における使用について真剣に考えられている。そのようなシステムでは衛星搭載時刻基準と地上ネットワークが厳しく同期を取られていなければならない。現在のところSS-TDMAの精密な搭載時計は原子時計しかないが、その欠点は衛星の重量、電力、信頼性であり、そのような方法は好ましくない。このための代替の方法として原子時計を水晶発振器に置き換え、水晶発振器のドリフトを遠隔で計測し、誤差補償値を地上からアップロードすることが提案されている(特許文献1)。
時刻同期の別の例としてはCDMAネットワークの携帯電話がある。ネットワークの構造上、基地局の受信機は信号を雑音から抽出するために携帯電話のユニットと相関をとる。CDMAの基地局は携帯電話間のハンドオフを扱うために周囲の基地局と同期を取る必要があり、このために基地局では時刻基準が設けられており、一般的にはGPSによって供給されるGPS時刻にロックしている。
GPSネットワークが使えなくなった場合にCDMAネットワークは時刻信号の質を向上させるための方法が必要である。特許文献3,4,5は、GPS時刻が使えなくなったときに個々のCDMA局を制御する方法について述べている。
図1に準天頂衛星の遠隔同期システムの実際的な実現として岩田らによって提案された同期法の概要を示す(非特許文献2参照)。マスター局で利用可能な正確な時刻MS時刻(1)は、送信タイミング調整器(7)により進められ、衛星に送信される。時間の進め量を計算するために、(6)で観測データに基づいて衛星の軌道計算を行い、(5)で電波伝搬経路上での遅延量を計算し、これらをフィードフォワード制御(4)として用いる。また、測位信号受信機(8)で得られる擬似距離を元に基準時刻とタイムインターバルカウンタ(3)で比較を行い、これをフィードバック制御(2)として用いる。ここで、PLLの構造(10)(11)(12)は搭載時計である水晶発振器(12)を制御するために用意され、水晶発振器は受信した信号にロックされる。水晶発振器の出力はユーザに放送される準天頂衛星の測位信号(13)を生成するのに使用される。要点はすべての通信の遅れを送信タイミング調整器(7)が補償するよう制御することによって地上局の時計(1)と搭載水晶発振器(12)を同期させ続けることである。このために、二重のフィードバックと軌道予測と遅延計算によるフィードフォワード制御ループが使われる。この方法の詳細は非特許文献1に書かれている。
軌道情報に基づいてフィードフォワード制御(4)で生成されたフィードフォワード信号が正しく生成されている限り、送信タイミング調整器(7)の負の遅延は空間(9)を通る通信信号の遅延により相殺され、衛星に到達した時刻情報は地上局の原子基準(1)の出力と位相同期をとる。このようなシナリオでは搭載されたPLLコントローラ(11)はほとんど一定の入力に従って水晶発振器を制御しなければならない。一般的にはこの作業は問題とはならない。
ここでは閉ループコントローラはすべての要求を満たし、閉ループがかかっている間の位相誤差はその仕様に関係すると仮定する(例えば、位相誤差は10ns以下)。
特許文献1,2で述べる衛星通信や、CDMAネットワークの同期や非特許文献1,3のような測位・補強システムの場合でも必要とされる同期のレベルは衛星と通信ができている限り達成可能である。実際、マスタークロックが同期ネットワークで使用できなくなるとすぐに衛星上の時刻基準はフィードバック(位相誤差情報)なしで機能させることが避けられない。
US PATENT 4,792,963 12/1988 S.J.Campanella
US PATENT 4,602,375 7/1986 Inukai
US PATENT 6,194,970 2/2001 Nielsen et al.
US PATENT 6,711,230 3/2004 Nicholls et al.
US PATENT 7,015,762 3/2006 Nicholls et al.
US PATENT 4,005,266 3/1975 S. Lehr et al.
Tappero, F. et. al., Proposal for a Novel Remote Synchronization System for the On-Board Crystal Oscillator of the Quasi-Zenith Satellite System. Navigation: Journal of the Institute of Navigation, Vol. 53, No. 4, pp 219-229, 2006.
Iwata, T. et al. Remote Synchronization System for On-Board Crystal Oscillator of Quasi- Zenith Satellite System, International Symposium on GPS/GNSS, 2003, pp. 375-380.
Tappero et al. Remote Control System for the Quasi-Zenith Satellite Crystal Oscillator Based On the Two-Way Time Transfer Method. IGNSS Symposium 2006. 17, 21 July 2006. Holiday Inn Surfers Paradise, Australia.
Tappero et al. Control Algorithm of the Hardware Simulator For a Remote Synchronization System for the Japanese Quasi-Zenith Satellite System. ION NTM 2005, January 24-26, 2005, in San Diego, USA.
Tappero et al. Low Earth Orbit Satellite Positioning System With Remotely Controlled On-Board Clocks. The 3rd Workshop for Space, Aeronautical and Navigational Electronics, WSANE2007, Perth, Australia, 2007.
http://www.efunda.com/math/leastsquares/lstsqr1dcurve.cfm
本発明は、参照時計からのネットワーク同期のための制御情報が何らかの事情で使用できなくなったときの遠隔時計の位相誤差を軽減する方法を提供する。CDMAネットワークに対してNielsenら特許文献4,5により提案されている装置と同様に、本発明では参照時計と遠隔時計間の通信が正常に動作しているときのふるまいを監視しておき、通信が途切れたら遠隔時計は直ちに本発明の方式で制御される。特許文献4,5、6と異なり、本発明の方法は1.5時間以下で数ナノ秒の桁で調整し、数時間から数日の遠隔時計のフィードバックのない制御を行う。
本発明は、2つ以上の時計に関して、相互に遠く離れて存在している場合の時刻・位相を同期させる。この同期は遠隔時計の履歴を連続的に近似する方法に基づいている。また、本発明は、遠隔時計に用いられる従来の位相ロックループ(PLL)の性能向上を図る。連続近似法はナノ秒台以下での低雑音で精度の高い同期を保証し、この特徴を用いて幅広い用途に使用できる。本発明は、遠隔時計を用いられる従来のPLLに関し、PLLフィードバックが利用できない期間の同期の向上を図る。本方法は過去の遠隔時計の連続的な動作履歴データベースに基づいて遠隔の時計を直接制御する(フィードバック信号が不要)。また、例えば、図1のしくみに基づく遅延予測をし、遠隔時計に用いられる他のPLLには無いしくみの時刻同期の向上を図る。本方法は過去の遠隔時計の連続的な動作履歴データベースに基づいて遠隔の時計を直接制御する(フィードバック信号が不要)。
本発明は、比較的低価格で商用的に入手しやすい時刻基準を遠隔時計として用いることができる。本方法は性能のよくない時刻基準の性能を向上させ、そのような時刻基準を高価なカスタムメイドの時刻基準にも適用できるようにする。過去に提案されている方法と異なり、本発明はフィードバックが使用できないときには、遠隔時計のフィードバックが使用できる通常動作中に収集した長さが可変の近似曲線のデータベースを用いた制御方法に基づいて、遠隔時計の性能を向上する。
また、マスター・スレーブの関係で同期をかけられた期間とフリーランの期間の動作観察により、遠隔時計の動作・品質を監視する。効果的な開ループ制御に加えて、本発明のシステムの履歴データベースはネットワーク中の遠隔時計の性能の評価に用いることができる。さらに、データベースは遠隔時計や同期を取っているネットワークの異常・故障の検出に用いることができる。このような検出は行列MEM(p, t)の解析により直接的に行える。
また、遠隔時計またはマスタークロックが置かれている場所の環境・空間条件の監視を行う(図1(12)、図2(6))。この方法の逆の使用により、遠隔時計の補正信号の解析が可能となり、遠隔時計やマスタークロックの置かれた環境の影響がわかり、さらに一般的にはそれらに繋がっている同期装置の置かれた環境の影響がわかる。例えば、行列MEM(p, t)の周期的な傾向はシステムの置かれた環境に関係した現象(温度、重力、放射線の影響)によって生じた同期ネットワークへの外乱の存在を示唆している可能性がある。
また、遠隔時計の置かれた環境・空間の外的影響の補償または軽減を行う。例えば、この方法を最近提案された低軌道測位システム(非特許文献5)に用いた場合、衛星に搭載された時刻基準は低軌道特有の影響、約100分の衛星軌道周期の影響を受ける。行列MEM(p, t)の周期的な傾向はシステムの置かれた環境(温度、重力、放射線など)に関連した現象によって同期ネットワークの外乱の存在を示唆する。行列MEM(p, t)を解析することによりそのような効果を低減できる。
本発明によれば、一時的にフィードバック制御ができないときに、参照時計に対して同期している遠隔時計の位相誤差を軽減することができる。本発明は何らかの理由でフィードバック信号が利用できない場合の位相ロックループ(PLL)に類似した同期システムの一部に関するものである。
本発明は非特許文献1,2で示された擬似時計技術で使用される衛星搭載時計の位相誤差を低減するのに特に適している。本発明は非特許文献3で示された同期方法の一部であるが、この位相誤差低減法は他の目的・装置にも適している。
本発明では遠隔側すなわち衛星側が地上局と連絡が取れないときに、図1に示した水晶発振器(12)をどのように制御するかについて述べる。そのような状況では送信タイミング調整器(7)によって用意される参照信号は通常使用できない。このため、衛星搭載の装置は独立して機能しなければならない。地上局と遠隔側(準天頂衛星側)が通信できるときは2つの時刻基準(1)と(12)間の位相差は収集できる。ある時刻において、もっとも新しい位相シフトと過去の位相シフトの履歴は水晶発振器コントローラ(11)に置かれた2つのバッファメモリによって連続的に収集される。水晶発振器コントローラ(11)の出力も水晶発振器コントローラ(11)の内部で収集される。
地上局と遠隔側の通信が途絶した場合、水晶発振器コントローラ(11)は特に収集されたデータの履歴(タイムインターバルカウンタ(10)出力と水晶発振器コントローラ(11)の出力)の観測値を処理するプログラムに従って遠隔の時刻基準の制御を開始する。
本発明では衛星と地上局間の通信途絶の理由については考えない。非特許文献1,3の準天頂衛星について通信途絶は避けられず、準天頂衛星の問題としては一日2回、赤道地域を通るときに生じる。これは静止通信衛星との通信干渉をなくすためである。
本発明は、図1を参照して前述した準天頂衛星の遠隔同期システムに対して適用することができるが、それに限定されず、非特許文献3に示されるような古典的なPLLのようなものにも拡張できる。この適用可能性はお互いに離れている2つの時刻基準の同期に容易に拡張できる。簡単のため、図2に示される一般的な同期の枠組みを今後参照する。
図2は、2つの時刻基準の一般的な同期システムを例示する図である。図2は学習モジュールを含まない一般的な構成を示しており、本発明は書き換えを行った図4の学習モジュールを含むことで実現できるようになる。図2で、2つの時計(4)と(6)は、相互に離れた異なった場所にある。時計(4)は参照時計であり、出力は変化しない。時計(6)は精密に制御される時計であり、例えば水晶発振器である。テレメトリインターフェース(1)、送信モデム(7)、水晶発振器校正データ(11)は、このシステムの通信インフラである。双方向時刻比較ブロック(12)及び位相誤差測定器(3)は、時計(4)と時計(6)の位相誤差の計測を行う。次の節でこれらの詳細を述べる。ブロック(2)は閉ループコントローラで、衛星が地上局と通信できるときに水晶発振器の同期を行う。ブロック(5)は開ループコントローラで、衛星が地上局と通信できないときに水晶発振器を制御する。本発明はブロック(5)の構成と関連するいくつかのブロックについてのものである。続く節では図2の主なブロックの機能について述べる。
[原子時計]
非特許文献1に示す擬似時計システムに対する同期法の研究では、図2の原子時計(4)は産業技術総合研究所の水素メーザが使われた。図2のシステムにおいて、ブロック(4)で表される原子時計は理想的な時刻基準と考えることができる。
非特許文献1に示す擬似時計システムに対する同期法の研究では、図2の原子時計(4)は産業技術総合研究所の水素メーザが使われた。図2のシステムにおいて、ブロック(4)で表される原子時計は理想的な時刻基準と考えることができる。
[水晶発振器]
水晶発振器コントローラ(図4)の設計に関しては、水晶発振器の動作に対する知識と理論的なモデルが必要である。
水晶発振器コントローラ(図4)の設計に関しては、水晶発振器の動作に対する知識と理論的なモデルが必要である。
実験ではスイスのOscilloquartz社製の8607-BMを用いた。その入力電圧に対する周波数変動は
実際の水晶発振器は少し違う特性をもつ可能性があるが、それは問題とはならない。実際、学習モジュールが実際の水晶発振器の電圧値を収集し、監視しており、最適な電圧を計算している。従って、似たような特性を持つどのような水晶発振器でも使用可能である。
[水晶発振器の異常]
水晶発振器の周波数安定度には多くの要因が関係している。環境の変化は特に大きな不安定性を引き起こす。
水晶発振器の周波数安定度には多くの要因が関係している。環境の変化は特に大きな不安定性を引き起こす。
非特許文献1,3で示されたシステムは、水晶発振器が衛星に搭載されており、地球の周りを回っている。非特許文献5で示されたシステムも水晶発振器は低軌道の人工衛星に搭載され、軌道周期は約100分である。そのようなシステムでは水晶発振器の制御電圧にも通常の閉ループの状態でも環境変化による変化がありそうに考えられる。図3はその変化がどのようなものかを模式的に示したものである。図3はまた経時変化の線形近似によって制御された開ループ水晶発振器の誤差も示している。
[位相誤差測定]
図2に示すように、位相誤差測定のブロック(3)は同期させる2つの時刻基準の位相変化を測定するものである。これは出力に白色雑音が加わったタイムインターバルカウンタと考えるのが現実的である。そのような白色雑音はブロック(3)自身を起源とするものの他に、通信回線(11)と(12)からも発生する。擬似時計プロジェクトの実験データからは(非特許文献1,2,5)、この白色雑音はσ=1×10-9s程度である。閉ループコントローラ(2)の性能に依存して、閉ループコントローラ(2)への入力にフィルタを入れることでシステムには影響を軽減することができると考えられる。位相誤差測定ブロックの方程式は
ここでf1とf2は水晶発振器と原子基準の周波数、ppsはサンプル/sで測定したデータレート、Pwnは白色雑音である。
図2に示すように、位相誤差測定のブロック(3)は同期させる2つの時刻基準の位相変化を測定するものである。これは出力に白色雑音が加わったタイムインターバルカウンタと考えるのが現実的である。そのような白色雑音はブロック(3)自身を起源とするものの他に、通信回線(11)と(12)からも発生する。擬似時計プロジェクトの実験データからは(非特許文献1,2,5)、この白色雑音はσ=1×10-9s程度である。閉ループコントローラ(2)の性能に依存して、閉ループコントローラ(2)への入力にフィルタを入れることでシステムには影響を軽減することができると考えられる。位相誤差測定ブロックの方程式は
[テレメトリインタフェース、モデム送信機、通信ブロック]
本発明の目的のため、テレメトリインタフェース(1)、モデム送信機(7)、2つの時計間の通信ブロック(11)(12)は理想的で、雑音はないとする。
本発明の目的のため、テレメトリインタフェース(1)、モデム送信機(7)、2つの時計間の通信ブロック(11)(12)は理想的で、雑音はないとする。
[水晶発振器コントローラ]
図4は、本発明に基づき構成されるサブブロックを含んだ水晶発振器コントローラの構造を示す。閉ループコントローラ(2)と開ループコントローラ(5)とサブコンポーネントである学習モジュール(13)を組み合わせたものを水晶発振器コントローラと呼ぶ。簡単のため、図4では3つのブロックは相互に結合して水晶発振器コントローラを構成しているが、実際の図2のような構成の中ではそれぞれのサブブロックは別の場所にあることもある。いずれにしても図4のように相互に関連している。
図4は、本発明に基づき構成されるサブブロックを含んだ水晶発振器コントローラの構造を示す。閉ループコントローラ(2)と開ループコントローラ(5)とサブコンポーネントである学習モジュール(13)を組み合わせたものを水晶発振器コントローラと呼ぶ。簡単のため、図4では3つのブロックは相互に結合して水晶発振器コントローラを構成しているが、実際の図2のような構成の中ではそれぞれのサブブロックは別の場所にあることもある。いずれにしても図4のように相互に関連している。
[閉ループコントローラ]
閉ループコントローラ(2)は、水晶発振器に対する電圧コマンド(8)を直接制御するために位相誤差(9)を用いるPLLコントローラである。閉ループコントローラ(2)の性能を向上させるためにいくつかの方法が研究されてきている。特許文献1,2はSS-TDMA衛星ネットワークの閉ループコントローラ性能向上を扱った例である。特許文献4,5も同様のシステムでこのブロックの実装について述べている。
閉ループコントローラ(2)は、水晶発振器に対する電圧コマンド(8)を直接制御するために位相誤差(9)を用いるPLLコントローラである。閉ループコントローラ(2)の性能を向上させるためにいくつかの方法が研究されてきている。特許文献1,2はSS-TDMA衛星ネットワークの閉ループコントローラ性能向上を扱った例である。特許文献4,5も同様のシステムでこのブロックの実装について述べている。
本発明の目的としては、閉ループコントローラ(2)はPI(比例・積分)制御器で、白色雑音を除くために移動平均と組み合わせたものになっている。簡単な低域通過フィルタかスルーレートリミタが移動平均の代わりに使用できる。このブロックの構造は本発明の目的ではない。閉ループが有効なときにPLLが機能し、閉ループコントローラが要求を満足していればよい。
[学習モジュールとデータ収集]
図4において水晶発振器校正データ(11)の利用が可能な間、閉ループコントローラ(2)は位相誤差(9)をゼロにするよう全体として動作する。開ループコントローラ(3)はその間、使用されない。この状態では、学習モジュール(13)は現在と過去の電圧コマンドと位相誤差を探知している。2重のバッファまたは少なくともそれぞれ100,000のデータ(1秒後とのデータであれば27時間分)をこの作業では用いる。実験ではずっと少ないデータ数でも十分であった。
図4において水晶発振器校正データ(11)の利用が可能な間、閉ループコントローラ(2)は位相誤差(9)をゼロにするよう全体として動作する。開ループコントローラ(3)はその間、使用されない。この状態では、学習モジュール(13)は現在と過去の電圧コマンドと位相誤差を探知している。2重のバッファまたは少なくともそれぞれ100,000のデータ(1秒後とのデータであれば27時間分)をこの作業では用いる。実験ではずっと少ないデータ数でも十分であった。
サンプリング時間間隔(典型的には1秒)ごとに水晶発振器に対する電圧コマンド(8)CV(t)と位相誤差(9)PE(t)が、学習モジュール(13)内のMEM(p, t)に100,000×2行列貯められる。
PE(0)とCV(0)はもっとも新しい値であり、PE(100,000)とCV(100,000)はもっとも古い値で100,000前の値である。MEM(p, t)はメモリのように振る舞い、内容は毎サンプリングごとにシフトし、この個数は有限個100,000を上限として、それ以上になった場合は古いデータから順に削除していく。MEM(p, t)の大きさは異なってもよいが、100,000以上が望ましい。
図5は閉ループが働いている期間の遠隔時計の同期誤差と入力電圧の例である。黒の実線は12時間データの1次近似である。これらは擬似時計実験装置(非特許文献3)を使って収集された実験結果である。ここでの目標はナノ秒以下の同期である。閉ループが働いている間は図2の位相誤差測定器(3)にかなりのノイズがある場合でもこのレベルの同期ができていることがわかる。この12時間に遠隔時計が経時変化により入力の平均電圧が増えていることがわかる。12時間では1次近似でよいように考えられる(特許文献6)。もっと大きな時間間隔であれば線形近似は対数近似に置き換えたほうがよい(特許文献6)。
[開ループコントローラと学習法]
CV(t)とPE(t)のサンプリングプロセスを行いながら、別のプロセスを行う。集められたデータは、図2の誤差測定器(3)の大きなノイズを除去するため低域通過フィルタまたは移動平均フィルタを通過させる。ここではフィルタの種類を限定しない。
CV(t)とPE(t)のサンプリングプロセスを行いながら、別のプロセスを行う。集められたデータは、図2の誤差測定器(3)の大きなノイズを除去するため低域通過フィルタまたは移動平均フィルタを通過させる。ここではフィルタの種類を限定しない。
図6は時間間隔tcの間の遠隔時計の制御電圧Vocxoを模式的に示したものである。Vaprは時間間隔tcの入力電圧の1次近似である。tcの後、遠隔時計とマスタークロック間の通信が途絶し、PLLフィードバックが切れたとする。閉ループコントローラは停止し、開ループコントローラが機能し始める。この時点で収集された行列MEM(p,t)が、遠隔時計の同期誤差をできるだけ小さく保つよう制御するために最もよい電圧を推定するために使用される。この時点ではフィードバックは使えない。
水晶発振器の経時変化を単純な線形近似を考えると、紛れ込む位相誤差はV’aprとV'ocxoの乖離の時間間隔の積分で表される。正確にはこの近似によって起こる開ループ制御期間trcに蓄積される誤差は
となる。この様子を図6にV’aprとV'ocxoによる面積で示す。
行列MEM(p,t)の最後の100,000個のデータに対して同期誤差PE(t)をある固定された閾値を使ってスキャンする。
この条件を満足しないものは除去する。このようにして怪しいPE(t)データを除く。行列MEM(p, t)の中の利用できる100,000個のデータで悪いデータを除くことは、推奨されるがしなくてもよい。
次にCV(t)を処理して近似曲線を計算する。この近似曲線の計算法は扱わない。ここでは最小自乗近似の直線を用いるが、m次の多項式の最小自乗近似のような近似曲線も使用できる。CVapr (m)の近似曲線は、ここでは次のように1次関数とする。
ここでy(t) mはt = 0 → tmaxで与えられたデータ(t,CV(t))の組を最もよく近似する直線である。もっともよい近似曲線y(t) mは最小自乗誤差を持つ。最小自乗法の詳しい説明は非特許文献6でなされている。
一度近似曲線ym(t)が計算されると、列CVapr (m)は曲線の傾きa(m)でCVapr (m) = a(m)に従って計算される。
最初の要素CVapr (1)は収集されたtmax点の近似曲線の傾きである。2番目の要素CVapr (2)は過去tmax/2点の傾きである。3番目の要素CVapr (3)は過去tmax/4点の傾きである。あとは次のようにして傾きを求める。
値mと近似曲線CVapr (m)の番号は最初の段階でどのくらいのCV(t)のサンプル数が使えるかによっている。一般に、20,000が使用可能なデータ数だとするとmは10で、n = 2m-1 = 512で約39のサンプル(tmax/n = 20,000/512 = 39)がCVapr (10)に対して残ることになり、容認できる数となる。
t = 0に対するCV(t)がもっとも最近の位相誤差になるので、このアルゴリスムは最近のサンプルに対して重みをつけることによりよるよい近似になると考えられる。図7に一次曲線のときのCVapr (m)の計算法を簡単な図で示す。
CVapr (m)の列を計算するプロセスは毎エポック行う。図3の学習モジュールは最新のCVapr (m)の列をメモリ内に用意する。新しい列と古い列を比較すると、遠隔時計の動作を理解することができる(行列CVapr (m,h)とその構造の節を参照のこと)。
現時点では、CVapr (m)の各要素は一次関数の単なる傾きである。さらに精緻な関数を使うこともできる(高次の関数やスプライン関数など)。一度CVapr (m)が生成されると、学習モジュールは水晶発振器を開ループで制御する準備ができる。CVapr (m)の列の情報をどのように使って水晶発振器の制御電圧を生成するかについてはこの特許の別の部分で述べる。
[ベクトルCVapr (m)とその構造]
図8にCVapr (m)列のいくつかの可能な表現を示す。曲線(1)は閉ループの間水晶発振器の動作がよい場合である。曲線(2)は水晶発振器の位相シフトが増加している場合である。変化量の大きさは水晶発振器のよりよい制御法を推定するのに用いることができる。曲線(3)は水晶発振器の位相が変化している場合である。この変化の大きさと期間を用いて開ループの間の水晶発振器のよりよい制御法を推定することができる。
図8にCVapr (m)列のいくつかの可能な表現を示す。曲線(1)は閉ループの間水晶発振器の動作がよい場合である。曲線(2)は水晶発振器の位相シフトが増加している場合である。変化量の大きさは水晶発振器のよりよい制御法を推定するのに用いることができる。曲線(3)は水晶発振器の位相が変化している場合である。この変化の大きさと期間を用いて開ループの間の水晶発振器のよりよい制御法を推定することができる。
一般にCVapr (m)の傾向を解析することにより、閉ループの間の水晶発振器の動作を特徴付けることができる。さらに、CVapr (m)の傾向から、水晶発振器への環境・空間からの干渉の存在を検知することができる。そのような干渉も補償することができる。
ベクトルCVapr (m)は毎エポックに一度計算してもよいし、毎tmax/nサンプルごとにしてもよいし、どのような頻度でもよい。仮に100,000個のサンプル数を用いても最終的にCVapr (m)は11個の実数値でよいことは特筆に価する。
ベクトルCVapr (m)は限られた記憶領域で水晶発振器の履歴の良好な近似を保っている。これは本方法の利点の一つである。要素の生成と改訂はかなりの計算資源を必要とするが、地上局ではこのような計算資源が利用できるので問題にはならないと考えられる。
次の節では、古い要素が連続的に蓄えられるようなベクトルCVapr (m)の別の蓄え方について記述する。そのような付加的な履歴の知識はこの特許の目的のより精緻な計算に用いることができる。
[行列CVapr (m,h)とその構造]
t = tmaxのあと、ベクトルCVapr (m)はすべて計算されている(前の例では100,000サンプル後)。このことから、アルゴリズムの要点としては、水晶発振器の動作の推定と必要となるいかなるときの水晶発振器の制御に備えることである。t > tmaxに対しては、新しいベクトルCVapr (m)は新しいtmax個のサンプルを用いて計算されている。古いCVapr(m)ベクトルは、捨てる代わりに上から
を積み上げて行列の形で蓄える。このようにして、古いベクトルCVapr (m)は蓄えられ、CVapr (m,h)と呼ばれる行列を計算する。
t = tmaxのあと、ベクトルCVapr (m)はすべて計算されている(前の例では100,000サンプル後)。このことから、アルゴリズムの要点としては、水晶発振器の動作の推定と必要となるいかなるときの水晶発振器の制御に備えることである。t > tmaxに対しては、新しいベクトルCVapr (m)は新しいtmax個のサンプルを用いて計算されている。古いCVapr(m)ベクトルは、捨てる代わりに上から
行列CVapr (m,h)は過去のベクトルCVapr (m)のメモリのように振舞う。ここからは、
をもっとも新しいベクトルCVapr (m)、
の計算される前のベクトル、のように呼ぶ。
計算過程は繰り返しで、新しい近似曲線が古いものに置き換わる。行列CVapr (m,h)の各行は1つのベクトルCVapr (m)を含む。行列CVapr (m,h)の新しい行はtmax /nサンプルのあとに計算される。前の例に拠れば、tmax /n = 20,000/512 ~ 39サンプルごととなる。
である。値hは水晶発振器の履歴にどれくらい関心があるかによる。行列CVapr (m,h)の満足のいく均一な構造を持つためにはh = nを推奨する。hに別の値を選んでもよい。
推奨するh = nの値を選んだ場合、t = tmax×2後には行列CVapr (m,h)はすべて計算されている。ここからは、行列CVapr (m,h)の新しい値はCV(t)と同じ構造に従って古いものに置き換わっていく。tmax = 20,000の場合、行列CVapr (m,h)の大きさは32 bit×10×512 ~ 164 KB(単精度実数が32 bitの場合)になり、メモリ量としては受け入れ可能な値である。さらに水晶発振器の履歴が必要であれば、より大きなtmaxの値を用いればよい。
行列CVapr (m,h)に蓄えられた知識はこれまで収集された水晶発振器の履歴全体を完全に示している。アクセスはすぐに行え、大きさもかなり小さくできる。例えば、行列CVapr (m,h)を列で読むと、水晶発振器の連続的な制御電圧を得ることができる。実際、列CVapr (10,h)はそのときの0 < t < tmaxで39サンプルごとにきった水晶発振器の制御電圧の連続的な近似曲線を与える。これはもっとも正確な水晶発振器の制御電圧の再構成を与える。
行列CVapr (m,h)を列ごとに読むことは、短期の水晶発振器を特徴付けるだけでなく、長期をも特徴付けるのに役立つツールである。
[開ループ制御時の水晶発振器への電圧V’apr(t)の生成]
以前に述べたように、t = tmaxより後では、ベクトルCVapr (m)はすべての要素がそろい、システムは水晶発振器は開ループモードに移行するとすぐに必要な制御電圧を準備できる。このためにはベクトルCVapr (m)の内容が使われる。
以前に述べたように、t = tmaxより後では、ベクトルCVapr (m)はすべての要素がそろい、システムは水晶発振器は開ループモードに移行するとすぐに必要な制御電圧を準備できる。このためにはベクトルCVapr (m)の内容が使われる。
期間tfr(図6参照)の間、ベクトルCVapr (m)から供給する電圧を生成するために取れる戦略は、いろいろある。最良の解を提案するのはこの特許の目的ではない。実際、最良の解は行列CVapr (m,h)の構造によって選ばれる必要があり、場合による。
簡単のため、ここでは擬似時計実験セットアップに対して満足のいくひとつの解を示す。この場合、V’apr(t)と名づけられた水晶発振器の制御電圧は次の式に基づいて生成された。
ここで、CVstrはベクトルCV(t)の最後のtavr個のサンプルの平均値である。CVapr(m)の近似で、係数b(m)の使用のような他の方法も使用可能である。Knは順次指定されていく係数の列である。ここで示した場合ではすべて1である。
閉ループの間(tc)は、閉ループコントローラが電圧Vocxoを供給し、位相誤差はうまく抑えられているとする。期間tfcの間、水晶発振器はベクトルCVapr (m)から計算された電圧V’apr(t)で制御される。
本発明はもともと非特許文献1,2で提案された擬似時計技術で位相誤差を低減するための方法として考えられたものである。また、この発明は非特許文献5で示されたRTKS同期にも適用可能である。いずれの場合も最適な解であり、非特許文献1にあるように準天頂衛星で搭載原子時計を必要としない設計のためには最適である。
また、非特許文献5で示された低軌道測位システムの同期システムの頑強性を増す方法としても同様に適している。
本発明は一般に制御される時計に対して位相誤差を低減させるのに有効である。制御される時計はいろいろな分野にあり、例えば携帯電話の基地局のようなCDMAシステムの同期がある。詳細は特許文献4に書かれている。本発明はお互いに離れた2つの時刻基準間の同期で位相誤差を低減するのに効果的な解決策である。
[コードの説明]
図9は開ループコントローラと閉ループコントローラがどのように一緒に組み合わされているかについて満足のいく表現を示している。図10はPLLフィードバックがない間どのように行列MEM(p, t)に集められ、蓄えられた情報が水晶発振器の制御電圧生成につかわれているかを示している。
図9は開ループコントローラと閉ループコントローラがどのように一緒に組み合わされているかについて満足のいく表現を示している。図10はPLLフィードバックがない間どのように行列MEM(p, t)に集められ、蓄えられた情報が水晶発振器の制御電圧生成につかわれているかを示している。
MEM(p, t)中の不良な値の除去:このプロセスは与えられた規準に従って不良となったMEM(p, t)中の値を除去する。本発明はこの基準に関しては規定しない。
CV(t)を用いたy(t)m=a(m)+b(m)の計算:このプロセスでは直線を計算するために最小自乗法を用いる。y(t)mは(t,CV(t))の列をt = 0 → tmaxに対して最良に近似する。Y(t)mの傾きがCVapr(m)に蓄えられる。このプロセスは、tmax = 0になるまで繰り返される。ゼロでない別の基準値tmax < Ttrsを推奨する。
V’apr(t)の計算:CVapr(m)が計算されると、その値は適当な水晶発振器の制御電圧の生成に利用される。ここで提案される方法は「開ループ制御時の水晶発振器への電圧V’apr(t)の生成」の節で一つの可能な方法であるが、他の方法も可能である。
このアルゴリズムはPLLフィードバックが可能な少なくともtmaxのサンプルが過去のPLL閉ループ期間に集められていることが仮定され、閉ループ制御は位相誤差を小さな値に保つようにうまく水晶発振器を制御していることが前提である。簡単のため、ここではtmaxのサンプルがうまく集められた閉ループ期間のあとで開ループが始まると仮定している。
[実験結果]
本発明で示されたアルゴリズムはフリーランで放置された水晶発振器から集められた生データ(図11)とMatlabルーチンの組合せを通してテストされた。オフラインデータを使ってルーチンを走らせたので、水晶発振器の制御電圧値は利用できず、ここで示されたデータは示されたルーチンの近似と考えるべきである。
本発明で示されたアルゴリズムはフリーランで放置された水晶発振器から集められた生データ(図11)とMatlabルーチンの組合せを通してテストされた。オフラインデータを使ってルーチンを走らせたので、水晶発振器の制御電圧値は利用できず、ここで示されたデータは示されたルーチンの近似と考えるべきである。
図12に水晶発振器の位相誤差補償の結果(a,b,c)を示す。3つのフィードバック途絶がシミュレートされ、100,000の過去のサンプルがベクトルCVapr(m)を生成するのに使用され、m = 11とし、フィードバックを用いない水晶発振器の制御に用いられた。フィードバック途絶が1時間になるまで位相誤差は1 ns以下に保った。図12には、位相誤差のほかに行列CVapr(m)の表現も示した。
Claims (9)
- 相互に遠く離れて存在している1つの時刻基準となる参照時計と1つ以上の精密に制御される遠隔時計を有し、前記参照時計に対して前記遠隔時計を同期させるために位相誤差をゼロにするようフィードバック制御する閉ループコントローラを備えて、前記時計間で計測された位相誤差に基づき時刻或いは位相を同期させる方法において、
前記時計間で通信できないときに、前記参照時計に対して前記遠隔時計を同期させるための開ループコントローラと、前記閉ループコントローラのフィードバック制御が行われている状態で、前記遠隔時計の連続的な動作履歴を収集する動作履歴データベースとを備え、
前記時計間の通信が途絶したとき、前記動作履歴データベースに格納されている過去の動作履歴データに基づいて近似した制御電圧により前記遠隔時計を制御することから成る遠隔時計の位相誤差軽減方法。 - 前記参照時計が原子時計であり、かつ、前記遠隔時計が水晶発振器である請求項1に記載の遠隔時計の位相誤差軽減方法。
- 前記遠隔時計を制御する制御電圧は、動作履歴データとして収集した水晶発振器に対する電圧コマンドと前記位相誤差に基づき連続的に近似される請求項2に記載の遠隔時計の位相誤差軽減方法。
- マスター・スレーブの関係で同期をかけられた期間とフリーランの期間の動作観察により、遠隔時計の動作及び品質を監視し、かつ、電圧コマンドと位相誤差の行列MEM(p, t)の解析により前記履歴データベースはネットワーク中の遠隔時計の性能の評価に用い、さらに、該データベースは遠隔時計や同期を取っているネットワークの異常及び故障の検出に用いる請求項1に記載の遠隔時計の位相誤差軽減方法。
- 遠隔時計の補正信号を解析することにより、遠隔時計やマスタークロックの置かれた環境の影響がわかり、さらに一般的にはそれらに繋がっている同期装置の置かれた環境の影響がわかるために、システムの置かれた環境に関係した現象によって生じた同期ネットワークへの外乱の存在を示唆している電圧コマンドと位相誤差の行列MEM(p, t)の周期的な傾向を解析することにより、遠隔時計またはマスタークロックが置かれている場所の環境及び空間条件の監視を行う請求項1に記載の遠隔時計の位相誤差軽減方法。
- 低軌道測位システムに用いる場合、衛星に搭載された時刻基準が低軌道特有の影響を受けて、システムの置かれた環境に関連した現象によって同期ネットワークの外乱の存在を示唆する電圧コマンドと位相誤差の行列MEM(p, t)の周期的な傾向を解析することにより、遠隔時計の置かれた環境及び空間の外的影響の補償または軽減のために用いる請求項1に記載の遠隔時計の位相誤差軽減方法。
- 相互に遠く離れて存在している1つの時刻基準となる参照時計と1つ以上の精密に制御される遠隔時計を有し、前記参照時計に対して前記遠隔時計を同期させるために位相誤差をゼロにするようフィードバック制御する閉ループコントローラを備えて、前記時計間で計測された位相誤差に基づき時刻或いは位相を同期させる装置において、
前記時計間で通信できないときに、前記参照時計に対して前記遠隔時計を同期させるための開ループコントローラと、前記閉ループコントローラのフィードバック制御が行われている状態で、前記遠隔時計の連続的な動作履歴を収集する動作履歴データベースとを備え、
前記時計間の通信が途絶したとき、前記動作履歴データベースに格納されている過去の動作履歴データに基づいて近似した制御電圧により前記遠隔時計を制御することから成る遠隔時計の位相誤差軽減装置。 - 前記参照時計が原子時計であり、かつ、前記遠隔時計が水晶発振器である請求項7に記載の遠隔時計の位相誤差軽減装置。
- 前記遠隔時計を制御する制御電圧は、動作履歴データとして収集した水晶発振器に対する電圧コマンドと前記位相誤差に基づき連続的に近似される請求項8に記載の遠隔時計の位相誤差軽減装置。
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JPH11153680A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-06-08 | Space Syst Loral Inc | 宇宙船統制基準発振器 |
JPH11271476A (ja) * | 1998-01-22 | 1999-10-08 | Advantest Corp | 基準周波数発生装置 |
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JP2001235570A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-31 | C-Dex Kk | 高精度時計装置の時刻修正方法 |
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