JP2009059165A - 輪郭検出装置、それを用いた視線検出装置、偽の輪郭データの除去をコンピュータに実行させるためのプログラム、視線方向の検出をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】輪郭形状に関係なく、正確な輪郭形状を少ない計算量で求めることができる輪郭検出装置を提供する。
【解決手段】輪郭検出手段2は、撮像デバイス1により撮影された画像から複数の仮の輪郭データを検出する。演算手段3は、輪郭検出手段2によって検出された複数の仮の輪郭データを母集団としたときの複数の仮の輪郭データと母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と複数の仮の輪郭データとの複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを演算する。判定手段4は、演算手段3によって演算された複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを用いて第2の距離が複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める。
【選択図】図1
【解決手段】輪郭検出手段2は、撮像デバイス1により撮影された画像から複数の仮の輪郭データを検出する。演算手段3は、輪郭検出手段2によって検出された複数の仮の輪郭データを母集団としたときの複数の仮の輪郭データと母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と複数の仮の輪郭データとの複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを演算する。判定手段4は、演算手段3によって演算された複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを用いて第2の距離が複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める。
【選択図】図1
Description
本発明は、輪郭検出装置、それを用いた視線検出装置、偽の輪郭データの除去をコンピュータに実行させるためのプログラム、視線方向の検出をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
従来より、観察者が画面上のどの部分を注視しているかを検出する、いわゆる視線算出システムがある。視線算出システムには種々の技術が必要であるが、その中の一つとして、カメラにより撮影した瞳孔画像の瞳孔輪郭を計測するという技術がある。この技術において、瞳孔輪郭形状の推定時に抽出した瞳孔輪郭座標に偽の輪郭座標が含まれる場合、視線算出の精度が大きく劣化するという問題点がある。
この問題に対し、例えば、特許文献1においては、瞳孔形状を円として考え、エッジ検出により抽出した瞳孔輪郭座標について、通常の最小2乗法を用いて瞳孔を円近似するだけではなく、観測点と推定円の誤差の2乗和で表される誤差量も同時に計算し、この誤差量が所定値以上の場合には、偽の観測点が計算されていると考え、計算すべき観測点からの組み合わせを変更して、再度、円の推定計算を実行することによって、最小2乗法の不備を補い、正確な瞳孔輪郭を計測している。
また、特許文献2においては、瞳孔輪郭形状を楕円で近似する方法において、楕円の幾何学的な性質を用いて偽の観測点を除去している。以下、図9を用いて説明する。図9は、楕円の幾何学的性質を説明する図である。直線l,m,nは、各々平行であり、直線l,nと直線mとの間隔は、等距離である。楕円と直線l,nとの交点をそれぞれa、b及びc、dとし、楕円と直線mの交点の中点をoとする。点a,bの中点と点c,dの中点を結ぶ線の中点をo'とすると、o'は、oと重なるという性質がある。
そこで、瞳孔の画像について瞳孔画像のほぼ中央に直線mを引き、直線mから等距離にあるN個の組のo'i(i=1〜N)を求めると、これらは、直線mの上に分布する。偽の観測点が十分少ないときは、最も多くの点o'が集まった位置がoの位置に相当するので、その位置から離れている点は、ノイズを含んでいるとし、これらを除去することにより、正確な瞳孔輪郭を計測する。
特開平4−347131号公報
特開平8−145644号公報
しかし、特許文献1に記載の方法によると、円の推定計算を繰り返し行なう必要があり、計算量が多くなるという問題がある。また、特許文献2に記載の方法は、輪郭形状が楕円のものしか適用できないという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、輪郭形状に関係なく、正確な輪郭形状を少ない計算量で求めることができる輪郭検出装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、輪郭形状に関係なく、正確な輪郭形状を少ない計算量で求めることができる輪郭検出装置を用いた視線検出装置を提供することである。
さらに、この発明の別の目的は、任意の輪郭形状に対して、正確な輪郭形状の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することである。
さらに、この発明の別の目的は、正確な輪郭形状を用いた視線方向の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することである。
さらに、この発明の別の目的は、任意の輪郭形状に対して、正確な輪郭形状の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
さらに、この発明の別の目的は、正確な輪郭形状を用いた視線方向の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
この発明によれば、輪郭検出装置は、輪郭検出手段と、演算手段と、判定手段とを備える。輪郭検出手段は、撮影器により撮影された画像から複数の仮の輪郭データを検出する。演算手段は、輪郭検出手段によって検出された複数の仮の輪郭データを母集団としたときの複数の仮の輪郭データと母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と複数の仮の輪郭データとの複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを演算する。判定手段は、演算手段によって演算された複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを用いて第2の距離が複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める。
好ましくは、演算手段は、複数の第2の距離として複数のマハラノビス距離を演算し、複数の第2の距離の平均として平均マハラノビス距離を演算する。判定手段は、複数のマハラノビス距離および平均マハラノビス距離を用いてマハラノビス距離が平均マハラノビス距離から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める。
好ましくは、判定手段は、仮の輪郭データに対するマハラノビス距離と平均マハラノビス距離との差を演算し、その演算した差がしきい値以上であるとき仮の輪郭データを偽の輪郭データとして除去する処理を複数の仮の輪郭データの全てに対して実行し、真の輪郭データを求める。
好ましくは、輪郭データは、瞳孔の輪郭データである。
また、この発明によれば、視線検出装置は、輪郭検出手段と、演算手段と、判定手段と、視線検出手段とを備える。輪郭検出手段は、撮影器により撮影された瞳孔画像から複数の仮の瞳孔輪郭データを検出する。演算手段は、輪郭検出手段によって検出された複数の仮の瞳孔輪郭データを母集団としたときの複数の仮の瞳孔輪郭データと母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と複数の仮の瞳孔輪郭データとの複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを演算する。判定手段は、演算手段によって演算された複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを用いて第2の距離が複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の瞳孔輪郭データを偽の瞳孔輪郭データとして複数の仮の瞳孔輪郭データから除去して真の瞳孔輪郭データを求める。視線検出手段は、真の瞳孔輪郭データを用いて操作者の視線方向を検出する。
さらに、この発明によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムは、輪郭検出手段が、撮影器により撮影された画像から複数の仮の輪郭データを検出する第1のステップと、演算手段が、第1のステップにおいて検出された複数の仮の輪郭データを母集団としたときの複数の仮の輪郭データと母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と複数の仮の輪郭データとの複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを演算する第2のステップと、判定手段が、演算された複数の第2の距離と複数の第2の距離の平均とを用いて第2の距離が複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
好ましくは、演算手段は、第2のステップにおいて、複数の第2の距離として複数のマハラノビス距離を演算し、複数の第2の距離の平均として平均マハラノビス距離を演算する。判定手段は、第3のステップにおいて、複数のマハラノビス距離および平均マハラノビス距離を用いてマハラノビス距離が平均マハラノビス距離から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める。
好ましくは、判定手段は、第3のステップにおいて、仮の輪郭データに対するマハラノビス距離と平均マハラノビス距離との差を演算し、その演算した差がしきい値以上であるとき仮の輪郭データを偽の輪郭データとして除去する処理を複数の仮の輪郭データの全てに対して実行し、真の輪郭データを求める。
好ましくは、コンピュータに実行させるためのプログラムは、視線検出手段が、真の瞳孔輪郭データを用いて操作者の視線方向を検出する第4のステップをさらにコンピュータに実行させる。
さらに、この発明によれば、記録媒体は、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
この発明においては、複数の仮の輪郭データからなる母集団の重心と複数の仮の輪郭データとの複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と複数の仮の輪郭データとの複数の第2の距離およびその複数の第2の距離の平均を演算し、第2の距離が複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして除去して真の輪郭データを求める。つまり、第2の距離と複数の第2の距離の平均との差が相対的に小さい仮の輪郭データを真の輪郭データとして求める。
したがって、この発明によれば、従来法のように推定計算を複数回行なう必要がなく、対象とする輪郭形状が限定されないので、輪郭形状に関係なく、正確な輪郭形状を少ない計算量で求めることができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による輪郭検出装置の構成を示す概略ブロック図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による輪郭検出装置10は、撮像デバイス1と、輪郭検出手段2と、演算手段3と、判定手段4とを備える。
撮像デバイス1は、たとえば、カメラからなり、操作者の目を含む画像を撮影し、その撮影した画像を輪郭検出手段2へ出力する。
輪郭検出手段2は、撮像デバイス1から画像を受け、その受けた画像に基づいて、目の瞳孔の複数の輪郭データを後述する方法によって検出し、その検出した複数の輪郭データを複数の仮の瞳孔輪郭データとして演算手段3へ出力する。
演算手段3は、輪郭検出手段2から受けた複数の仮の瞳孔輪郭データに基づいて、後述する方法によって各仮の瞳孔輪郭データに対するマハラノビス距離を演算して複数の仮の瞳孔輪郭データに対する複数のマハラノビス距離を求め、その求めた複数のアマハラノビス距離の平均を演算して平均マハラノビス距離を求める。そして、演算手段3は、その求めた複数のマハラノビス距離および平均マハラノビス距離を判定手段4へ出力する。
判定手段4は、複数のマハラノビス距離および平均マハラノビス距離を演算手段3から受け、その受けた複数のマハラノビス距離および平均マハラノビス距離に基づいて、後述する方法によって、偽の瞳孔輪郭データを複数の仮の瞳孔輪郭データから除去して真の瞳孔輪郭データを求める。
図2は、図1に示す撮像デバイス1により撮影された瞳孔画像の簡略図である。瞳孔画像とは、図2に示すように瞳孔の全体とその周辺部位である虹彩が撮影された画像を意味する。瞳孔画像は、256階調の8bitグレイスケール画像(0が黒色、255が白色に対応)である。
図2を参照して、瞳孔画像の横幅をW、縦幅をHとし、瞳孔画像の左下を原点(0,0)とするxy座標を定義する。この座標系において、座標(i,j)の画素値をP(i,j)とする。
輪郭検出手段2は、図2に示す画像から、仮の瞳孔輪郭をエッジ検出手法(例として以下に説明する手法)を用いて求める。
図3は、仮の瞳孔輪郭を検出する方法を説明するための図である。また、図4は、偽の瞳孔輪郭を除去するフローチャートである。図3および図4を参照して、輪郭検出手段2は、仮の瞳孔中心を座標(W/2,H/2)に設定する。そして、輪郭検出手段2は、仮の瞳孔中心から、放射線状に延びた直線上に存在する各画素において、注目する画素とそれに隣接する画素との画素値の差を計算する。すなわち、輪郭検出手段2は、注目する座標を(i,j)とし、その隣接ピクセルを(i',j')とし、画素値の差をDPとすると、DP=|P(i,j)−P(i',j')|を演算して画素値の差を計算する。
そして、輪郭検出手段2は、画素値の差DPがあるしきい値TH1以上である場合、すなわち、式(1)を満たすとき、注目している座標(i,j)をエッジ画素、すなわち、仮の瞳孔輪郭座標とする。図3では、一例として0度、45度、90度の各放射線方向におけるエッジ検出を示しており、図中の×印が検出した仮の瞳孔輪郭位置である。
このとき、輪郭検出手段2は、ある放射線上において、式(1)を満たす画素が存在した場合、その時点で同放射線上におけるエッジ検出を終了し、次の角度におけるエッジ検出を開始する。また、輪郭検出手段2は、式(1)を満たす画素が存在しなかった場合、その放射線上にはエッジ無しとし、次の角度におけるエッジ検出を開始する。このように、輪郭検出手段2は、エッジ方を用いて複数の仮の瞳孔輪郭データを検出する(ステップS1)。
上記手法を用いて瞳孔輪郭を検出する場合、放射線方向の数は、瞳孔画像の画像サイズがW=60、H=60(単位:ピクセル)程度であった場合、0度の角度から始め、360度までの32方向について考えれば良い。ただし、放射線角度方向の数は、32方向以上あっても問題はなく、むしろより多くの放射線方向においてエッジ検出を実行するのが望ましいが、その数は瞳孔画像の画像サイズに依存する。
以上の処理により得られた仮の瞳孔輪郭の座標をC(xi,yi)、i=1〜Nとする。ここでxi,yiは、それぞれi番目の仮の瞳孔輪郭データのx座標及びy座標であり、Nは、得られた座標の総数である。
仮の瞳孔輪郭データから、ノイズ成分などの影響で検出されてしまう偽の瞳孔輪郭を除去するため、ステップS1の後、次に説明する偽の瞳孔輪郭除去が実行される。
演算手段3は、仮の瞳孔輪郭の全データを一つの母集団として定義し、これに対する各瞳孔輪郭データのマハラノビス距離MDiを計算し(ステップS2)、得られたN個のマハラノビス距離の平均値(=平均マハラノビス距離MD_AVE)を計算する(ステップS3)。
ここで、マハラノビス距離とは、次の計算により求めることができる。まず、演算手段3は、瞳孔輪郭データの分散共分散行列COVを式(2)により求める。
次に、演算手段3は、式(3)によりCOVの逆行列COV'を求め、式(4)の行列演算により瞳孔輪郭C(xi,yi)のマハラノビス距離MDiと、平均マハラノビス距離MD_AVEとを計算する。
その後、判定手段4は、i=1およびj=1を設定し(ステップS3)、i≦Nであるか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、i≦Nであると判定されたとき、判定手段4は、マハラノビス距離MDiと平均マハラノビス距離MD_AVEとの差DMDを演算し(ステップS6)、その演算した差DMDがしきい値TH2以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
そして、ステップS7において、差DMDがしきい値TH2以上であると判定されたとき、判定手段4は、瞳孔輪郭座標C(xi,yi)を偽の瞳孔輪郭とみなして除去する(ステップS8)。その後、判定手段4は、i=i+1を設定する(ステップS9)。そして、一連の動作は、ステップS5へ戻る。
一方、ステップS7において、差DMDがしきい値TH2以上でないと判定されたとき、判定手段4は、瞳孔輪郭座標C(xi,yi)を真の瞳孔輪郭CG(xj,yj)=C(xi,yi)と設定するとともに、i=i+1およびj=j+1を設定する(ステップS10)。その後、一連の動作は、ステップS5へ戻る。
そして、ステップS5において、i≦Nではないと判定されるまで、上述したステップS5〜ステップS10が繰り返し実行される。すなわち、全ての仮の瞳孔輪郭データに対して偽の瞳孔輪郭データか真の瞳孔輪郭データかが判定されるまで、ステップS5〜ステップS10が繰り返し実行される。
そして、ステップS5において、i≦Nではないと判定されると、一連の動作は終了する。
図4に示すフローチャートを実行することによって、残ったデータ集合CG(xj,yj)を真の瞳孔輪郭データ集合として得ることができる。
なお、図4に示すフローチャートは、仮の瞳孔輪郭データから偽の瞳孔輪郭データを排除することを目的としているため、上記に挙げたエッジ検出手法とは異なった手法を利用して仮の瞳孔輪郭データを求めた場合でも、瞳孔輪郭が座標データとして与えられるすべての場合に対して対応可能である。
以上の方法により、撮影された瞳孔画像の正確な瞳孔輪郭を計測することができる。
上述したように、この発明によれば、複数の仮の瞳孔輪郭データを母集団として複数の仮の瞳孔輪郭データに対する複数のマハラノビス距離と平均マハラノビス距離とを演算し、その演算した複数のマハラノビス距離および平均マハラノビス距離を用いて偽の瞳孔輪郭データを除去して真の瞳孔輪郭データを求めるので、計算量を少なくして真の瞳孔輪郭データを正確に求めることができる。
この発明においては、撮像デバイス1をコンピュータに直接繋ぐことで、コンピュータ上のソフトウエアにより図1に示す輪郭検出手段2、演算手段3および判定手段4の機能を実現することもできる。
図5は、この発明の実施の形態による他の輪郭検出装置の構成を示す概略図である。この発明の実施の形態によるポインティングデバイスは、図5に示す輪郭検出装置10Aであってもよい。図5を参照して、輪郭検出装置10Aは、撮像デバイス1と、コンピュータ20とを備える。
撮像デバイス1は、操作者の目を含む画像を撮影し、その撮影した画像をコンピュータ20へ出力する。
コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、インターフェース24と、バスBSとを含む。
CPU21、ROM22、RAM23およびインターフェース24は、バスBSを介して相互に接続される。
CPU21は、インターフェース24およびバスBSを介して撮像デバイス1から画像を取得する。そして、CPU21は、バスBSを介してROM22からプログラムを読み出し、その読み出したプログラムを実行して、図4に示すフローチャートに従って真の瞳孔輪郭データを求める。
ROM22は、図4に示すフローチャートからなるプログラムを記憶する。RAM23は、CPU21のワークメモリとして機能する。
インターフェース24は、撮像デバイス1に接続され、撮像デバイス1が撮影した画像を撮像デバイス1から受けるとともに、その受けた画像をバスBSを介してCPU21へ出力する。
このように、輪郭検出装置10Aは、輪郭検出装置10の輪郭検出手段2、演算手段3および判定手段4をソフトウエアによって実現したものである。
そして、輪郭検出装置10Aにおいては、図4に示すステップS1を実行するCPU21は、「輪郭検出手段」を構成し、ステップS2,S3を実行するCPU21は、「演算手段」を構成し、ステップS4〜ステップS10を実行するCPU21は、「判定手段」を構成する。
また、ROM22は、図4に示すフローチャートからなるプログラムを記憶するので、プログラムを記録したコンピュータ(CPU21)読み取り可能な記録媒体に相当する。なお、図4に示すフローチャートからなるプログラムは、CD(Compact Disk)およびDVD(Digital Versatile Disk)等の各種の記録媒体に記録されて販売され、CD等の記録媒体がパーソナルコンピュータ等に装着されると、CPU21によって読み出されて実行されるので、図4に示すフローチャートからなるプログラムを記録したCD等の記録媒体も、プログラムを記録したコンピュータ(CPU21)読み取り可能な記録媒体に相当する。
図6は、図1に示す輪郭検出装置10を用いた視線検出装置の構成を示す概略ブロック図である。図6を参照して、視線検出装置100は、図1に示す輪郭検出装置10に視線検出手段5および光源6A,6Bを追加したものであり、その他は、輪郭検出装置10と同じである。
光源6A,6Bは、操作者の顔に向けて照明光を照射する。なお、視線検出装置100においては、光源6A,6Bが照明光を照射したときの操作者の目を含む画像を撮影して輪郭検出手段2および視線検出手段5へ出力する。
視線検出手段5は、判定手段4によって判定された真の瞳孔輪郭データCG(xj,yj)を判定手段4から受け、操作者の目を含む画像を撮像デバイス1から画像を受ける。そして、視線検出手段5は、その受けた真の瞳孔輪郭データCG(xj,yj)および画像に基づいて、公知の方法により操作者の視線方向を計算する。
すなわち、視線検出手段5は、真の瞳孔輪郭データCG(xj,yj)から操作者の瞳孔中心位置を求め、操作者の目の画像から角膜曲率中心を求め、その求めた瞳孔中心位置および角膜曲率中心の2点を通る直線SL1を視線方向として計算する。
この場合、視線検出手段5は、真の瞳孔輪郭データCG(xj,yj)からなる円を描き、その描いた円が直径と交差する2点の座標値を求め、その求めた2つの座標値を平均して瞳孔中心位置を求める。
また、視線検出手段5は、2つの光源6A,6Bの座標値と2つの光源6A,6Bに対応して形成される2つのプルキニエ像P1,P2の座標値とを用いて、光源6Aとプルキニエ像P1とを結ぶ直線SL2と、光源6Bとプルキニエ像P2とを結ぶ直線SL3とを求め、その求めた直線SL2,SL3が視線方向(=直線SL1)と交差する点を角膜曲率中心として求める。
図7は、視線方向を求めるためのフローチャートである。図7を参照して、一連の動作が開始されると、視線検出装置100の輪郭検出手段2、演算手段3および判定手段4は、撮像デバイス1が撮影した画像に基づいて、図4に示すフローチャートに従って真の瞳孔輪郭データを検出する(ステップS11)。
そして、視線検出手段5は、真の瞳孔輪郭データと、撮像デバイス1が撮影した画像とに基づいて、上述した方法によって、操作者の視線方向を検出する(ステップS12)。これによって、一連の動作は終了する。
上述したように、視線検出手段5は、正確に求められた真の瞳孔輪郭データを用いて瞳孔中心位置を求め、その求めた瞳孔中心位置を用いて視線方向を検出する。したがって、この発明によれば、視線方向を正確に検出できる。
なお、この発明においては、視線検出装置100の輪郭検出手段2、演算手段3、判定手段4および視線検出手段5をソフトウエアによって実現してもよい。この場合、ROM22は、図4および図7に示すフローチャートからなるプログラムを記憶しており、CPU21は、図4および図7に示すフローチャートからなるプログラムをROM22から読み出し、その読み出したプログラムを実行して操作者の視線方向を検出する。
上記においては、輪郭検出装置10,10Aは、マハラノビス距離および平均マハラノビス距離を用いて偽の瞳孔輪郭データを除去すると説明したが、この発明においては、輪郭検出装置10,10Aは、一般的には、次の方法によって偽の瞳孔輪郭データを除去する。
図8は、偽の瞳孔輪郭データを除去する他の方法を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、輪郭検出装置10の輪郭検出手段2は、図4に示すステップS1と同じ方法によって複数の仮の瞳孔輪郭データを検出する(ステップS21)。
そして、演算手段3は、複数の仮の瞳孔輪郭データを母集団としたときの複数の仮の瞳孔輪郭データと母集団の重心との複数の距離L1のばらつきを検出する(ステップS22)。その後、演算手段3は、検出したばらつきの重心と複数の仮の輪郭データとの複数の距離L2を演算し(ステップS23)、その複数の距離L2の平均を演算する(ステップS24)。
そして、判定手段4は、演算された複数の距離L2と複数の距離L2の平均とを用いて、距離L2が複数の距離L2の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める(ステップS25)。これによって、一連の動作は終了する。
なお、ステップS25において、偽の輪郭瞳孔データを除去する具体的な方法は、次の方法からなる。判定手段4は、複数の距離L2の各距離L2と複数の距離L2の平均との差を求め、その求めた差がしきい値以上であるとき、その差を有する仮の瞳孔輪郭データを除去し、その求めた差がしきい値よりも小さいとき、その差を有する仮の瞳孔輪郭データを真の瞳孔輪郭データとする。
また、図8に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートを一般化したものである。その理由は、次のとおりである。
演算手段3がステップS22において複数の距離L1のばらつきを検出し、ステップS23において複数の距離L2を演算することは、式(2)を用いて分散共分散行列COVを演算し、式(3)および式(4)を用いてマハラノビス距離MDiを演算することに相当し、演算手段3がステップS24において複数の距離L2の平均を演算することは、式(4)を用いて平均マハラノビス距離MD_AVEを演算することに相当し、判定手段4がステップS25において複数の距離L2と複数の距離L2の平均とを用いて距離L2が複数の距離L2の平均から相対的に離れている仮の瞳孔輪郭データを偽の瞳孔輪郭データとして除去し、真の瞳孔輪郭データを検出することは、マハラノビス距離と平均マハラノビス距離との差がしきい値TH2以上の仮の瞳孔輪郭データを除去し、マハラノビス距離と平均マハラノビス距離との差がしきい値TH2よりも小さい仮の瞳孔輪郭データを真の瞳孔輪郭データとすることに相当するからである。
そして、演算手段3がステップS22において複数の距離L1のばらつきを検出し、ステップS23において複数の距離L2を演算することが、式(2)を用いて分散共分散行列COVを演算し、式(3)および式(4)を用いてマハラノビス距離MDiを演算することに相当するのは、式(2)において演算される分散共分散行列COVは、複数の仮の瞳孔輪郭データを母集団としたときの複数の仮の瞳孔輪郭データと母集団の重心との複数の距離L1のばらつきを表し、式(3)および式(4)を用いて演算されるマハラノビス距離MDiは、複数の距離L1のばらつきの重心と複数の仮の瞳孔輪郭データとの複数の距離L2を表すからである。
したがって、図8に示すステップS22,S23は、図4に示すステップS2に相当し、図8に示すステップS24は、図4に示すステップS3に相当し、図8に示すステップS25は、図4に示すステップS4〜ステップS10に相当する。
その結果、この発明においては、マハラノビス距離以外の指標を用いて偽の瞳孔輪郭データを除去して真の輪郭瞳孔データを求める輪郭検出装置が存在しても、その輪郭検出装置が図8に示すフローチャートに従って偽の瞳孔輪郭データを除去して真の輪郭瞳孔データを求めていれば、その輪郭検出装置は、この発明による輪郭検出装置に含まれる。
上述した図4および図8に示すフローチャートは、マハラノビス距離(=上述したばらつきの重心と仮の瞳孔輪郭データとの距離)の差が小さい仮の瞳孔輪郭データが母集団に含まれる確率が高くなるという思想を基本とする。そして、この差が小さい仮の瞳孔輪郭データを母集団に含めることを実現するために、マハラノビス距離と平均マハラノビス距離との差がしきい値TH2以上であるか否かを判定するのである。
一方、従来、行なわれているマハラノビス距離を用いた判定は、複数の母集団が存在した場合に、マハラノビス距離を用いて判別対象のデータが複数の母集団のうちのどの母集団に含まれるかを判定するものである。具体的には、判別対象のデータと複数の母集団の重心との複数のマハラノビス距離を演算し、その演算した複数のマハラノビス距離のうち、最も小さいマハラノビス距離を有する母集団に判別対象のデータが含まれると判定する。
しかし、この発明においては、母集団は、1個しか存在せず、複数の仮の瞳孔輪郭データは、母集団の重心からある距離を保って存在しているので、マハラノビス距離が小さい仮の瞳孔輪郭データは、母集団から外れることになる。
そこで、上述したように、マハラノビス距離(=上述したばらつきの重心と仮の瞳孔輪郭データとの距離)の差が小さい仮の瞳孔輪郭データが母集団に含まれる確率が高くなるという思想を採用することにしたものである。
輪郭検出装置10Aが図8に示すフローチャートに従って真の瞳孔輪郭データを求める場合、ROM22は、図8に示すフローチャートを記憶し、CPU21は、ROM22に格納されたプログラムを読み出して実行し、真の瞳孔輪郭データを求める。
なお、上記においては、操作者の目の瞳孔の輪郭を検出する輪郭検出装置10,10Aについて説明したが、この発明においては、これに限らず、この発明による輪郭検出装置10,10Aは、一般的に、撮像デバイス1が撮影した画像の任意の対象物の輪郭を図4または図8に示すフローチャートに従って検出する輪郭検出装置であればよい。この場合、図4および図8に示すフローチャートにおいて、瞳孔輪郭データは、輪郭データに読み替えられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、輪郭形状に関係なく、正確な輪郭形状を少ない計算量で求めることができる輪郭検出装置に適用される。また、この発明は、輪郭形状に関係なく、正確な輪郭形状を少ない計算量で求めることができる輪郭検出装置を用いた視線検出装置に適用される。さらに、この発明は、任意の輪郭形状に対して、正確な輪郭形状の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムに適用される。さらに、この発明は、正確な輪郭形状を用いた視線方向の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムに適用される。さらに、この発明は、任意の輪郭形状に対して、正確な輪郭形状の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用される。さらに、この発明は、正確な輪郭形状を用いた視線方向の演算を少ない計算量でコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用される。
1 撮像デバイス、2 輪郭検出手段、3 演算手段、4 判定手段。
Claims (11)
- 撮影器により撮影された画像から複数の仮の輪郭データを検出する輪郭検出手段と、
前記輪郭検出手段によって検出された複数の仮の輪郭データを母集団としたときの前記複数の仮の輪郭データと前記母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と前記複数の仮の輪郭データとの複数の第2の距離と前記複数の第2の距離の平均とを演算する演算手段と、
前記演算された複数の第2の距離と前記複数の第2の距離の平均とを用いて前記第2の距離が前記複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして前記複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める判定手段とを備える輪郭検出装置。 - 前記演算手段は、前記複数の第2の距離として複数のマハラノビス距離を演算し、前記複数の第2の距離の平均として平均マハラノビス距離を演算し、
前記判定手段は、前記複数のマハラノビス距離および前記平均マハラノビス距離を用いてマハラノビス距離が前記平均マハラノビス距離から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして前記複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める、請求項1に記載の輪郭検出装置。 - 前記判定手段は、仮の輪郭データに対するマハラノビス距離と前記平均マハラノビス距離との差を演算し、その演算した差がしきい値以上であるとき前記仮の輪郭データを前記偽の輪郭データとして除去する処理を前記複数の仮の輪郭データの全てに対して実行し、前記真の輪郭データを求める、請求項2に記載の輪郭検出装置。
- 前記輪郭データは、瞳孔の輪郭データである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の輪郭検出装置。
- 撮影器により撮影された瞳孔画像から複数の仮の瞳孔輪郭データを検出する輪郭検出手段と、
前記輪郭検出手段によって検出された複数の仮の瞳孔輪郭データを母集団としたときの前記複数の仮の瞳孔輪郭データと前記母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と前記複数の仮の瞳孔輪郭データとの複数の第2の距離と前記複数の第2の距離の平均とを演算する演算手段と、
前記演算された複数の第2の距離と前記複数の第2の距離の平均とを用いて前記第2の距離が前記複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の瞳孔輪郭データを偽の瞳孔輪郭データとして前記複数の仮の瞳孔輪郭データから除去して真の瞳孔輪郭データを求める判定手段と、
前記真の瞳孔輪郭データを用いて操作者の視線方向を検出する視線検出手段とを備える視線検出装置。 - 輪郭検出手段が、撮影器により撮影された画像から複数の仮の輪郭データを検出する第1のステップと、
演算手段が、前記第1のステップにおいて検出された複数の仮の輪郭データを母集団としたときの前記複数の仮の輪郭データと前記母集団の重心との複数の第1の距離のばらつきを検出し、その検出したばらつきの重心と前記複数の仮の輪郭データとの複数の第2の距離と前記複数の第2の距離の平均とを演算する第2のステップと、
判定手段が、前記演算された複数の第2の距離と前記複数の第2の距離の平均とを用いて前記第2の距離が前記複数の第2の距離の平均から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして前記複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記演算手段は、前記第2のステップにおいて、前記複数の第2の距離として複数のマハラノビス距離を演算し、前記複数の第2の距離の平均として平均マハラノビス距離を演算し、
前記判定手段は、前記第3のステップにおいて、複数のマハラノビス距離および平均マハラノビス距離を用いてマハラノビス距離が前記平均マハラノビス距離から相対的に離れている仮の輪郭データを偽の輪郭データとして前記複数の仮の輪郭データから除去して真の輪郭データを求める、請求項6に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 前記判定手段は、前記第3のステップにおいて、仮の輪郭データに対するマハラノビス距離と前記平均マハラノビス距離との差を演算し、その演算した差がしきい値以上であるとき前記仮の輪郭データを前記偽の輪郭データとして除去する処理を前記複数の仮の輪郭データの全てに対して実行し、前記真の輪郭データを求める、請求項7に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 前記輪郭データは、瞳孔の輪郭データである、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 視線検出手段が、前記真の瞳孔輪郭データを用いて操作者の視線方向を検出する第4のステップをさらにコンピュータに実行させる、請求項9に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2007225807A JP2009059165A (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | 輪郭検出装置、それを用いた視線検出装置、偽の輪郭データの除去をコンピュータに実行させるためのプログラム、視線方向の検出をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
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2007
- 2007-08-31 JP JP2007225807A patent/JP2009059165A/ja active Pending
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