JP2009055700A - 高分子アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

高分子アクチュエータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属膜の剥離を生じない高分子アクチュエータを提供する。
【解決手段】本発明の高分子アクチュエータは、絶縁性エラストマー膜11と、絶縁性エラストマー膜11の一方面に配設された第1導電性エラストマー膜12と、絶縁性エラストマー膜11の他方面に配設された第2導電性エラストマー膜13とからなり、第1導電性エラストマー膜12と第2導電性エラストマー膜13との間に高電圧Eを印加することにより伸縮するようになされている。そして、絶縁性エラストマー膜11と第1導電性エラストマー膜12との間に所定の方向に伸縮できるようにパターニングされた第1金属膜14を備えるとともに、絶縁性エラストマー膜11と第2導電性エラストマー膜13との間に所定の方向に伸縮できるようにパターニングされた第2金属膜15を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁性エラストマー膜と、この絶縁性エラストマー膜の一方面に形成された第1導電性エラストマー膜と、絶縁性エラストマー膜の他方面に形成された第2導電性エラストマー膜とからなり、これらの第1導電性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に高電圧が印加されることにより伸張する高分子アクチュエータおよびその製造方法に関する。
絶縁膜の両面に導電膜を形成し、この導電膜間に電圧を印加することにより電気エネルギーを運動エネルギーに変換する高分子アクチュエータが特許文献1(特表2003−506858号公報)に開示されている。この特許文献1にて開示された高分子アクチュエータの原理は以下のようになる。即ち、図10(a)に示すように、絶縁膜となるポリマ41の両面に導電膜となる一対の電極42,43を配置することにより高分子アクチュエータ40が構成される。そして、これらの電極42,43間に電圧を印加することにより、電極42,43間にクーロン力による吸引力が作用する。これにより、図10(b)に示すように、一対の電極42,43間に配置された絶縁膜となるポリマ41は厚み方向(z方向)に押圧されて、長さ方向(x方向)および幅方向(y方向)に伸張することとなる。
ここで、特許文献1において提案された高分子アクチュエータを模式的に示すと、図11に示すようになる。即ち、図11に示す高分子アクチュエータ50は絶縁膜となるポリマの両側に構造化電極52,53を備えている。この場合、これらの構造化電極52(53)は、電荷分布層52a(53a)と、金属トレース52b(53b)とからなり、金属トレース52b(53b)は、電荷分布層52a(53a)の上に平行な線状にパターニングされて形成されている。
そして、これらの金属トレース52b(53b)と電荷分布層52a(53a)とは、ポリマの相対する二面に配置されていて、トップ金属トレース53b、トップ電荷分布層53a、ポリマ51、ボトム電荷分布層52a、ボトム金属トレース53aとなるように積層されている。これにより、金属トレース52b(53b)の存在により電極の抵抗値を低くでき、アクチュエータ50の反応速度を高めることが可能となる。また、金属トレース52b(53b)の間隔を狭くしたり、金属トレース52b(53b)の幅を広げることにより電極全体の抵抗値を下げることができるようになる。
特表2003−506858号公報
しかしながら、上述した特許文献1にて提案された高分子アクチュエータ50においては、電圧印加による電荷分布層52a(53a)の伸縮を繰り返すことにより、電荷分布層52a(53a)と金属トレース52b(53b)との界面で金属トレース52b(53b)の剥がれが生じるという問題を生じた。
そこで、本発明は上述したような問題点を解消するためになされものであって、パターニングされた金属膜の剥離を生じない高分子アクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の高分子アクチュエータは、絶縁性エラストマー膜と、この絶縁性エラストマー膜の一方面に形成された第1導電性エラストマー膜と、絶縁性エラストマー膜の他方面に形成された第2導電性エラストマー膜とからなり、これらの第1導電性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に高電圧が印加されることにより伸張するようになされている。そして、絶縁性エラストマー膜と第1導電性エラストマー膜との間に所定の方向に伸縮できるようにパターニングされた第1金属膜を備えるとともに、絶縁性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に所定の方向に伸縮できるようにパターニングされた第2金属膜を備えたことを特徴とする。
このように所定の方向に伸縮できるようにパターニングされた第1金属膜が絶縁性エラストマーと第1導電性エラストマーとの間に配置され、また第2金属膜が絶縁性エラストマーと第2導電性エラストマーとの間に配置されていると、絶縁性エラストマーと第1導電性エラストマー(第2導電性エラストマー)との間の密着力により、第1金属膜(第2金属膜)は絶縁性エラストマーと第1導電性エラストマー(第2導電性エラストマー)との間に密着することとなる。これにより、高電圧の印加により第1導電性エラストマー膜と絶縁性エラストマーと第2導電性エラストマー膜とが伸縮しても、第1金属膜および第2金属膜が剥がれるのを防止できるようになる。この結果、これらの積層膜全体の抵抗値を低く維持することが可能となって、高分子アクチュエータの反応速度を高めることが可能となる。
この場合、金属膜はストライプ状にパターニングされていたり、ドットパターン状にパターニングされていたり、伸縮方向にクラックが形成されてパターニングされているのが望ましい。そして、絶縁性エラストマーはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂のいずれかから選択されるとともに、導電性エラストマーはこれらの絶縁性エラストマーに導電性炭素粒子が添加されたものであるのが望ましい。
なお、上述のような構成となる高分子アクチュエータを作製するには、保持基板に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、絶縁性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第1金属膜形成工程と、絶縁性エラストマー膜およびパターニングされた第1金属膜の上に第1導電性エラストマー膜を形成する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、前記各工程により形成された複数の積層膜を保持基板から剥離させた後、該積層膜の表裏面を反転させて保持基板に保持させる反転工程と、積層膜の表面となった絶縁性エラストマー層の上に第2金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第2金属膜形成工程と、第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を形成する第2導電性エラストマー膜成膜工程とを備えるようにすればよい。
または、保持基板に導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜を成膜する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、第1導電性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第1金属膜形成工程と、第1金属膜の上に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、絶縁性エラストマー膜の上に第2金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第2金属膜形成工程と、第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を成膜する第2導電性エラストマー膜成膜工程とを備えるようにしてもよい。
または、保持基板に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、絶縁性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜する第1金属膜成膜工程と、絶縁性エラストマー膜と第1金属膜とからなる第1積層膜を保持基板より剥離した後、当該第1積層膜を延伸させて第1金属膜にクラックを生じさせる第1金属膜延伸工程と、第1金属膜にクラックを生じた第1積層膜を当該第1金属膜が上側になるように保持基板に貼着する第1貼着工程と、クラックが生じた第1金属膜の上に第1導電性エラストマー膜を成膜する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、第1積層膜と第1導電性エラストマー膜とからなる第2積層膜を保持基板から剥離させた後、該第2積層膜の表裏面を反転させて保持基板に保持させる反転工程と、第2積層膜の表面膜となった絶縁性エラストマー膜の上に第2金属膜を成膜する第2金属膜成膜工程と、第2積層膜と第2金属膜とからなる第3積層膜を保持基板から剥離させた後、該第3積層膜を延伸させて第2金属膜にクラックを生じさせる第2金属膜延伸工程と、第2金属膜にクラックを生じた第3積層膜を当該第2金属膜が上側になるように保持基板に貼着する第2貼着工程と、第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を成膜する第2導電性エラストマー膜成膜工程と、第3積層膜と第2導電性エラストマー膜とからなる第4積層膜を保持基板から剥離させる剥離工程とを備えるようにしてもよい。この場合、第1金属膜延伸工程と第2金属膜延伸工程とを同時に行うようにして、第1金属膜にクラックを生じさせるとともに、第2金属膜にも同時にクラックを生じさせるようにするのが望ましい。
さらに、保持基板に導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜を成膜する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、第1導電性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜する第1金属膜成膜工程と、第1導電性エラストマー膜と第1金属膜とからなる第1積層膜を保持基板より剥離した後、当該第1積層膜を延伸させて第1金属膜にクラックを生じさせる第1金属膜延伸工程と、第1金属膜にクラックを生じた第1積層膜を当該第1金属膜が上側になるように保持基板に貼着する第1貼着工程と、クラックが生じた第1金属膜の上に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、絶縁性エラストマー膜の上に第2金属膜を成膜する第2金属膜成膜工程と、第1積層膜と絶縁性エラストマー膜と第2金属膜とからなる第2積層膜を保持基板から剥離させた後、該第2積層膜を延伸させて第2金属膜にクラックを生じさせる第2金属膜延伸工程と、第2金属膜にクラックを生じた第2積層膜を当該第2金属膜が上側になるように保持基板に貼着する第2貼着工程と、クラックが生じた第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を成膜する第2導電性エラストマー膜成膜工程と、第2積層膜と第2導電性エラストマー膜とからなる第3積層膜を保持基板から剥離させる剥離工程とを備えるようにしてもよい。この場合も、第1金属膜延伸工程と第2金属膜延伸工程とを同時に行うようにして、第1金属膜にクラックを生じさせるとともに、第2金属膜にも同時にクラックを生じさせるようにするのが望ましい。
なお、積層膜の保持基板からの剥離を容易にするためには、保持基板の表面に予め離型材を塗布する離型材塗布工程を備えるようにするのが望ましい。
本発明の高分子アクチュエータにおいては、パターニングされた金属膜(第1金属膜および第2金属膜)が剥がれることが防止できるようになる。これにより、第1導電性エラストマー膜と第1金属膜からなる第1電極および第2導電性エラストマー膜と第2金属膜からなる第2電極の低抵抗化が可能になり、アクチュエータとしての動作速度と歪み量(変位量)の向上が両立した高分子アクチュエータを提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて詳細に説明する。なお、図1は、本発明の実施例1の高分子アクチュエータを模式的に示す図であり、図1(a)はその断面を示す断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す金属膜パターンを示す上面図である。図2は実施例2の高分子アクチュエータに用いられる金属膜パターンを示す上面図である。図3は実施例3の高分子アクチュエータに用いられる金属膜パターンを示す上面図である。図4は、図1に示す実施例1の高分子アクチュエータの製造方法の一例を示す断面図であり、図4(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。図5は、図1に示す実施例1の高分子アクチュエータの製造方法の他の例を模式的に示す断面図であり、図5(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。
図6は、図3に示す実施例3の高分子アクチュエータの製造方法の一例を示す断面図であり、図6(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。図7は、図3に示す実施例3の高分子アクチュエータの製造方法の他の例を示す断面図であり、図7(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。図8はフレーム部材を用いた場合を模式的に示す図であり、図8(a)は積層膜にフレーム部材を貼り合わせた状態を示す平面図であり、図8(b)は積層膜を保持基板から剥離する状態を示す断面図である。図9は延伸治具により積層膜を延伸する状態を模式的に示す図であり、図9(a)は積層膜を長さ方向に延伸する状態を示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)のA−A断面を示す断面図であり、図9(c)は積層膜を幅方向に延伸する状態を示す平面図である。
1.高分子アクチュエータ
(1)実施例1
本実施例1の高分子アクチュエータ10は、図1(a)(b)に示すように、中心部に配置された絶縁性エラストマー膜11と、この絶縁性エラストマー膜11を覆うようにこれの両側に配置された第1導電性エラストマー膜12と、第2導電性エラストマー膜13と、絶縁性エラストマー膜11と第1導電性エラストマー膜12との間に配置された第1金属膜14と、絶縁性エラストマー膜11と第2導電性エラストマー膜13との間に配置された第2金属膜15とから構成されている。そして、絶縁性エラストマー膜11の両側に配置された第1導電性エラストマー膜12と第2導電性エラストマー膜13との間に高電圧E(例えば、E=100〜200V/μm)が印加されることにより、絶縁性エラストマー膜11、第1導電性エラストマー膜12および第2導電性エラストマー膜13が伸縮するようになされている。
この場合、絶縁性エラストマー膜11は、絶縁性のシリコーン樹脂(ゴム)やアクリル樹脂やウレタン樹脂などから形成されており、これらの樹脂の厚み(膜厚)が1〜100μmになるように成膜されている。また、第1導電性エラストマー膜12および第2導電性エラストマー膜13は、上述した絶縁性のシリコーン樹脂(シリコーンゴム)やアクリル樹脂やウレタン樹脂などに、導電性カーボン粒子を分散させて導電性(例えば、抵抗率が約1011Ωcm以下のもの)を有するように形成されていて、厚み(膜厚)が1〜100μmになるように成膜されている。
第1金属膜14および第2金属膜15は、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属膜からなり、厚みが0.01〜1μmで、帯状の金属膜14a(15a)が伸縮方向にストライプ状にパターニングされていて、絶縁性エラストマー膜11、第1導電性エラストマー膜12および第2導電性エラストマー膜13がストライプの配列方向に伸縮できるように形成されている。この場合、第1金属膜14は絶縁性エラストマー膜11と第1導電性エラストマー膜12との間に配置されており、第2金属膜15は絶縁性エラストマー膜11と第2導電性エラストマー膜13との間に配置されているので、絶縁性エラストマー膜11や第1導電性エラストマー膜12および第2導電性エラストマー膜13がストライプの配列方向に伸縮しても、第1金属膜14および第2金属膜15を構成する各帯状の金属膜14a(15a)が剥がれることを防止でき、抵抗の上昇を防止できるようになる。
上述した実施例1においては、絶縁性エラストマー膜11と第1導電性エラストマー膜12との間に配置される第1金属膜14および絶縁性エラストマー膜11と第2導電性エラストマー膜13との間に配置される第2金属膜15として、帯状の金属膜14a,15aが伸縮方向にストライプ状にパターニングされている例について説明した。ところが、絶縁性エラストマー膜11と、第1導電性エラストマー膜12および第2導電性エラストマー膜13との間に配置される第1金属膜14および第2金属膜15は、帯状の金属膜をストライプ状に配置することに限られず、種々の形状を採用することが可能である。そこで、以下では、実施例2の高分子アクチュエータに用いられる第1金属膜16、第2金属膜17および実施例3の高分子アクチュエータに用いられる第1金属膜18、第2金属膜19について説明する。
(2)実施例2
実施例2の高分子アクチュエータに用いられる第1金属膜16、第2金属膜17は、図2に示すように、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属膜からなり、厚みが0.01〜1μmで、円形や角形や楕円形などの形状からなるドット(例えば、最大径が100μmのもの)16a,17aがパターニングされている。そして、このように形成された第1金属膜16、第2金属膜17が、図1(a)に示されるような絶縁性エラストマー膜11と、第1導電性エラストマー膜12および第2導電性エラストマー膜13との間に配置されて、実施例2の高分子アクチュエータが形成されることとなる。この場合、第1金属膜16、第2金属膜17はドット16a,17aがパターニングされているので、その伸縮方向を任意に決定でき、自由度が向上する。
(3)実施例3
実施例3の高分子アクチュエータに用いられる第1金属膜18、第2金属膜19は、図3に示すように、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属膜からなり、厚みが0.01〜1μmで、ランダムにクラック18a,19aがパターニングされている。そして、このように形成された第1金属膜18、第2金属膜19が、図1(a)に示されるような絶縁性エラストマー膜11、第1導電性エラストマー膜12および第2導電性エラストマー膜13との間に配置されて、実施例3の高分子アクチュエータが形成されることとなる。この場合、第1金属膜18、第2金属膜19はランダムにクラック18a,19aがパターニングされているので、その伸縮方向を任意に決定でき、自由度が向上する。
2.製造方法
ついで、上述のような構成となる高分子アクチュエータの製造方法を以下に説明するが、この場合は、実施例1の高分子アクチュエータと実施例3の高分子アクチュエータを製造する例についてのみ説明する。なお、実施例2の高分子アクチュエータの製造方法においては、ドットパターンを形成すること以外はこれらの製造方法とほぼ同様であるので、その説明は省略することとする。
(1)実施例1の高分子アクチュエータの製造方法(その1)
まず、図4(a)に示すように、ガラス、シリコーン、セラミック、金属、フッ素樹脂等からなる平坦な保持基板21を用意する。この場合、後述する剥離工程のために、図8(b)に示すように、保持基板21の表面にフッ素樹脂等からなる離型膜21aをコーティングしておくのが望ましい。この後、図4(b)に示すように、この保持基板21の上に絶縁性のシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などからなる絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜11を成膜する絶縁性エラストマー成膜工程を行う。なお、絶縁性エラストマーを保持基板21の上に塗布するに際しては、ダイコーター、グラビアコーター、カレンダーロール、スピンコーター、スプレコーター、ディップコーター等を用いて行う。場合によっては、所定の温度での熱処理を行って硬化させてもよい。
ついで、成膜された絶縁性エラストマー膜11の上に、スパッタあるいは蒸着により、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の第1金属膜14を成膜した後、フォトレジスト塗布、露光、現像からなるフォトレジストパターニングを行った後、エッチングにより成膜された第1金属膜14を所定の形状にパターニング(この場合は、帯状の金属膜14aが伸縮方向にストライプ状にパターニングされる)し、アセトン等の溶剤あるいはO2アッシャーによりレジストを除去することにより、図4(c)に示すように、絶縁性エラストマー膜11の上に第1金属膜14を形成する第1金属膜形成工程を行う。
ついで、図4(d)に示すように、成膜された絶縁性エラストマー膜11および第1金属膜14の上に導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜12を成膜する第1導電性エラストマー成膜工程を行う。この場合、導電性エラストマーとしては、絶縁性エラストマーに導電性カーボン粒子を分散させて導電性を持たせたものからなる。なお、導電性エラストマーを塗布するに際しては、ダイコーター、グラビアコーター、カレンダーロール、スピンコーター、スプレコーター、ディップコーター等を用いて行う。場合によっては、所定の温度での熱処理を行って硬化させてもよい。この後、上述した絶縁性エラストマー成膜工程と金属膜形成工程と導電性エラストマー成膜工程とを繰り返して、多層構造とするようにしてもよい。
この後、形成された絶縁性エラストマー膜11と第1金属膜14と第1導電性エラストマー膜12とからなる積層膜aを保持基板21から剥離する。ここで、積層膜aの保持基板21からの剥離を容易にするために、図8(a)に示すようなフレーム部材25を、図8(b)に示すように、積層膜aの上周囲部(アクチュエータとして使用しない余白部)に接着剤(例えば、シリコーン接着剤)25aにより貼り付けておくのが望ましい。なお、積層膜aに十分な強度がある場合は、フレーム部材25を設けることなく、直接、積層膜aをピンセット等で剥がすようにすればよい。
ついで、剥離した積層膜aを反転させた後、積層膜aを保持基板21に貼り付け、再度、保持基板21に保持させた。これにより、図4(e)に示すように、保持基板21の上に上部に第1金属膜14が接合された第1導電性エラストマー膜12が配置され、この上に絶縁性エラストマー膜11が配置されることとなる。ここで、剥離した積層膜aを反転させた後、積層膜aを保持基板21に貼り付けるに際して、ローラーやヘラ等を用いてしわが生じないようにして貼り付けるようにするのが望ましい。この場合、積層膜aの表面に傷が生じたり、汚れが付着するのを防止するため、その表面に保護フィルム(例えば、PET製フィルムが望ましい)を貼り付けるようにするのが望ましい。そして、積層膜aを保持基板21に貼り付けた後は、保護フィルムは剥がされることとなる。
なお、以後の説明においては詳述しないが、剥離した積層膜を保持基板に再度、貼り付ける場合は、上述と同様にするものとする。
この後、上述と同様に、第2金属膜形成工程により絶縁性エラストマー膜11の上に第2金属膜15を形成する。この場合、図4(f)に示すように、先に形成された第1金属膜14のパターンの配置位置とはずらすようにパターニングするのが望ましい。これは、電荷集中による絶縁破壊を防止するためである。この後、上述と同様に、第2導電性エラストマー成膜工程により第2導電性エラストマー膜13を成膜する。ついで、得られた積層膜を保持基板21から剥離することにより、図1(a)に示すような高分子アクチュエータ10が得られるようになる。
(2)実施例1の高分子アクチュエータの製造方法(その2)
まず、図5(a)に示すように、ガラス、シリコーン、セラミック、金属、フッ素樹脂等からなる平坦な保持基板22を用意する。この場合、後述する剥離工程のために、保持基板22の表面にフッ素樹脂等からなる離型膜をコーティングしておくのが望ましい。ついで、図5(b)に示すように、この保持基板22の上に導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜12を成膜する第1導電性エラストマー成膜工程を行う。この場合、導電性エラストマーとしては、絶縁性のシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などに導電性カーボン粒子を分散させて導電性を持たせたものからなる。なお、導電性エラストマーを塗布するに際しては、ダイコーター、グラビアコーター、カレンダーロール、スピンコーター、スプレコーター、ディップコーター等を用いて行う。場合によっては、所定の温度での熱処理を行って硬化させてもよい。
ついで、成膜された第1導電性エラストマー膜12の上に、スパッタあるいは蒸着により、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の第1金属膜14を成膜した後、フォトレジスト塗布、露光、現像からなるフォトレジストパターニングし、エッチングにより成膜された第1金属膜14を所定の形状にパターニングし、アセトン等の溶剤あるいはO2アッシャーによりレジストを除去することにより、図5(c)に示すように、第1導電性エラストマー膜12の上に第1金属膜14を形成する第1金属膜形成工程を行う。
ついで、図5(d)に示すように、成膜された第1導電性エラストマー膜12および第1金属膜14の上に絶縁性のシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などからなる絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜11を成膜する絶縁性エラストマー成膜工程を行う。なお、絶縁性エラストマーを塗布するに際しては、ダイコーター、グラビアコーター、カレンダーロール、スピンコーター、スプレコーター、ディップコーター等を用いて行う。場合によっては、所定の温度での熱処理を行って硬化させてもよい。
この後、上述と同様に、第2金属膜形成工程により絶縁性エラストマー膜11の上に第2金属膜15を形成する。この場合、図5(e)に示すように、先に形成された第1金属膜14のパターンの配置位置とはずらすようにパターニングするのが望ましい。この後、上述と同様に、第2導電性エラストマー成膜工程により第2導電性エラストマー膜13を成膜する。なお、上述した導電性エラストマー成膜工程と金属膜形成工程と絶縁性エラストマー成膜工程とを繰り返して、多層構造とするようにしてもよい。ついで、得られた積層膜を保持基板22から剥離することにより、図5(f)に示すような高分子アクチュエータ10aが得られるようになる。
(3)実施例3の高分子アクチュエータの製造方法(その1)
まず、ガラス、シリコーン、セラミック、金属、フッ素樹脂等からなる平坦な保持基板23を用意する。この場合、後述する剥離工程のために、図8(b)に示すように、保持基板23の表面にフッ素樹脂等からなる離型膜23aをコーティングしておくのが望ましい。ついで、図6(a)に示すように、この保持基板23の上に絶縁性のシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などからなる絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜11を成膜する絶縁性エラストマー成膜工程を行う。なお、絶縁性エラストマーを保持基板23の上に塗布するに際しては、ダイコーター、グラビアコーター、カレンダーロール、スピンコーター、スプレコーター、ディップコーター等を用いて行う。場合によっては、所定の温度での熱処理を行って硬化させてもよい。
ついで、成膜された絶縁性エラストマー膜11の上に、スパッタあるいは蒸着により、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の第1金属膜18を成膜して形成する第1金属膜形成工程を行う。この後、図6(b)に示すように、成膜により一体化された絶縁性エラストマー膜11と第1金属膜18とからなる積層膜bを保持基板23から剥離させる。ここで、積層膜bの保持基板23からの剥離を容易にするために、図8(a)に示すようなフレーム部材25を、図8(b)に示すように、積層膜bの上周囲部(アクチュエータとして使用しない余白部)に接着剤(例えば、シリコーン接着剤)25aにより貼り付けておくのが望ましい。なお、積層膜bに十分な強度がある場合は、フレーム部材25を設けることなく、直接、積層膜bをピンセット等で剥がすようにすればよい。
ついで、図9に示すような延伸治具30を用意した後、図9(a)に示すように、積層膜bの長さ方向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着する。この後、一対のクリップ31,32を引張して積層膜bを長さ方向に延伸させて、第1金属膜18の長さ方向にクラックを生成させる。この後、今度は、積層膜bの幅向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着し、一対のクリップ31,32を引張して積層膜bを幅方向に延伸させて、第1金属膜18の幅方向にクラックを生成させる。これにより、第1金属膜18の長さ方向および幅方向にクラック18a(図3参照)が生成されることとなる。
ついで、クラック18aが生成された第1金属膜18を備えた積層膜bを、図6(c)に示すように、再び保持基板23に貼り付けた後、クラック18aが生成された第1金属膜18の上にシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などに導電性カーボン粒子を分散させて導電性を持たせた導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜12を成膜する第1導電性エラストマー成膜工程を行う。この場合、導電性エラストマーとしては、絶縁性エラストマーに導電性カーボン粒子を分散させて導電性を持たせたものからなる。なお、導電性エラストマーを塗布するに際しては、ダイコーター、グラビアコーター、カレンダーロール、スピンコーター、スプレコーター、ディップコーター等を用いて行う。場合によっては、所定の温度での熱処理を行って硬化させてもよい。
ついで、形成された積層膜を保持基板23から剥離した後、剥離した積層膜を反転させ、再度、保持基板23に保持させた。これにより、図6(d)に示すように、保持基板23の上に第1導電性エラストマー膜12が配置され、さらに上部にクラック18aが生成された第1金属膜18が配置され、これらの上部に絶縁性エラストマー膜11が配置されることとなる。この後、絶縁性エラストマー膜11の上に、スパッタあるいは蒸着により、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の第2金属膜19を成膜して形成する第2金属膜形成工程を行う。
この後、図6(e)に示すように、成膜により一体化された第2金属膜19と絶縁性エラストマー膜11と第1金属膜18と第1導電性エラストマー膜12とからなる積層膜cを保持基板23から剥離させる。ここで、積層膜cの保持基板23からの剥離を容易にするために、図8(b)に示すようなフレーム部材25を、図8(b)に示すように、積層膜cの上周囲部(アクチュエータとして使用しない余白部)に接着剤(例えば、シリコーン接着剤)25aにより貼り付けておくのが望ましい。なお、積層膜cに十分な強度がある場合は、フレーム部材25を設けることなく、直接、積層膜cをピンセット等で剥がすようにすればよい。
ついで、再度、図9に示すような延伸治具30を用意した後、図9(a)に示すように、積層膜cの長さ方向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着する。この後、一対のクリップ31,32を引張して積層膜cを長さ方向に延伸させて、第2金属膜19の長さ方向にクラックを生成させる。この後、今度は、積層膜cの幅向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着し、一対のクリップ31,32を引張して積層膜cを幅方向に延伸させて、第2金属膜19の幅方向にクラックを生成させる。これにより、第2金属膜19の長さ方向および幅方向にクラック19a(図3参照)が生成されることとなる。
この後、クラック19aが生成された第2金属膜19を備えた積層膜cを、図6(f)に示すように、再び保持基板23に貼り付けた後、クラック19aが生成された第2金属膜19の上に導電性エラストマーを塗布して第2導電性エラストマー膜13を成膜する第2導電性エラストマー成膜工程を行う。ついで、得られた積層膜を保持基板23から剥離することにより、高分子アクチュエータ10bが得られるようになる。
なお、上述した例においては、第1金属膜形成工程の後に積層膜bを延伸させて第1金属膜18にクラック18aを生成させ、第2金属膜形成工程の後に積層膜cを延伸させて第2金属膜19にクラック19aを生成させるようにした。ところが、第1導電性エラストマー膜12を生成させた後の積層膜を延伸させて第1金属膜18にクラック18aを生成させ、第2導電性エラストマー膜13を生成させた後の積層膜を延伸させて第2金属膜19にクラック19aを生成させるようにしてもよい。
また、上述した例においては、第1金属膜18と第2金属膜19にクラック18a,19aを形成するに際して、別々の工程により、それぞれのクラック18a,19aを形成するようにしたが、第2金属膜19にクラック19aを形成するに際に、同時に第1金属膜18にもクラック18aを形成するようにしてもよい。これにより、クラックの形成工程を1回にすることが可能となって、工程の短縮化が可能となる。
(4)実施例3の高分子アクチュエータの製造方法(その2)
まず、ガラス、シリコーン、セラミック、金属、フッ素樹脂等からなる平坦な保持基板24を用意する。この場合、後述する剥離工程のために、図8(b)に示すように、保持基板24の表面にフッ素樹脂等からなる離型膜24aをコーティングしておくのが望ましい。ついで、図7(a)に示すように、この保持基板24の上にシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などに導電性カーボン粒子を分散させて導電性を持たせた導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜12を成膜する第1導電性エラストマー成膜工程を行う。
ついで、成膜された第1導電性エラストマー膜12の上に、スパッタあるいは蒸着により、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の第1金属膜18を成膜して形成する第1金属膜形成工程を行う。この後、図7(b)に示すように、成膜により一体化された第1導電性エラストマー膜12と第1金属膜18とからなる積層膜dを保持基板24から剥離させる。ここで、積層膜dの保持基板24からの剥離を容易にするために、図8(a)に示すようなフレーム部材25を、図8(b)に示すように、積層膜dの上周囲部(アクチュエータとして使用しない余白部)に接着剤(例えば、シリコーン接着剤)25aにより貼り付けておくのが望ましい。なお、積層膜dに十分な強度がある場合は、フレーム部材25を設けることなく、直接、積層膜dをピンセット等で剥がすようにすればよい。
ついで、図9に示すような延伸治具30を用意した後、図9(a)に示すように、積層膜dの長さ方向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着する。この後、一対のクリップ31,32を引張して積層膜dを長さ方向に延伸させて、第1金属膜18の長さ方向にクラックを生成させる。この後、今度は、積層膜dの幅向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着し、一対のクリップ31,32を引張して積層膜dを幅方向に延伸させて、第1金属膜18の幅方向にクラックを生成させる。これにより、第1金属膜18の長さ方向および幅方向にクラック18a(図3参照)が生成されることとなる。
ついで、クラック18aが生成された第1金属膜18を備えた積層膜dを、図7(c)に示すように、再び保持基板24に貼り付けた後、クラック18aが生成された第1金属膜18の上にシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などの絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜11を成膜する絶縁性エラストマー成膜工程を行う。なお、絶縁性エラストマーを塗布するに際しては、ダイコーター、グラビアコーター、カレンダーロール、スピンコーター、スプレコーター、ディップコーター等を用いて行う。場合によっては、所定の温度での熱処理を行って硬化させてもよい。
この後、絶縁性エラストマー膜11の上に、スパッタあるいは蒸着により、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の第2金属膜19を成膜して形成する第2金属膜形成工程を行う。この後、図7(d)に示すように、成膜により一体化された第2金属膜19と絶縁性エラストマー膜11と第1金属膜18と第1導電性エラストマー膜12とからなる積層膜eを保持基板24から剥離させる。ここで、積層膜eの保持基板24からの剥離を容易にするために、図8(a)に示すようなフレーム部材25を、図8(b)に示すように、積層膜eの上周囲部(アクチュエータとして使用しない余白部)に接着剤(例えば、シリコーン接着剤)25aにより貼り付けておくのが望ましい。なお、積層膜eに十分な強度がある場合は、フレーム部材25を設けることなく、直接、積層膜eをピンセット等で剥がすようにすればよい。
ついで、図9に示すような延伸治具30を用意した後、図9(a)に示すように、積層膜eの長さ方向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着する。この後、一対のクリップ31,32を引張して積層膜eを長さ方向に延伸させて、第2金属膜19の長さ方向にクラックを生成させる。この後、今度は、積層膜eの幅向の端部を延伸治具30の一対のクリップ31,32に装着し、一対のクリップ31,32を引張して積層膜eを幅方向に延伸させて、第2金属膜19の幅方向にクラックを生成させる。これにより、第2金属膜19の長さ方向および幅方向にクラック19a(図3参照)が生成されることとなる。
この後、クラック19aが生成された第2金属膜19を備えた積層膜eを、図7(e)に示すように、再び保持基板24に貼り付けた後、クラック19aが生成された第2金属膜19の上に導電性エラストマーを塗布して第2導電性エラストマー膜13を成膜する第2導電性エラストマー成膜工程を行う。ついで、得られた積層膜を保持基板24から剥離することにより、図7(f)に示すように、高分子アクチュエータ10cが得られるようになる。
なお、上述した例においては、第1金属膜形成工程の後に積層膜dを延伸させて第1金属膜18にクラック18aを生成させ、第2金属膜形成工程の後に積層膜eを延伸させて第2金属膜19にクラック19aを生成させるようにした。ところが、絶縁性エラストマー膜11を生成させた後の積層膜を延伸させて第1金属膜18にクラック18aを生成させ、第2導電性エラストマー膜13を生成させた後の積層膜を延伸させて第2金属膜19にクラック19aを生成させるようにしてもよい。
また、上述した例においては、第1金属膜18と第2金属膜19にクラック18a,19aを形成するに際して、別々の工程により、それぞれのクラック18a,19aを形成するようにしたが、第2金属膜19にクラック19aを形成するに際に、同時に第1金属膜18にもクラック18aを形成するようにしてもよい。これにより、クラックの形成工程を1回にすることが可能となって、工程の短縮化が可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、導電性エラストマーとしてシリコーン樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂などの絶縁性エラストマーに導電性カーボン粒子を分散させて導電性を持たせたものを用いるようにした。ところが、これに限ることなく、導電性カーボン粒子を分散させることに代えて、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属粒子を分散させて導電性を持たせたものを用いるようにしてもよい。
本発明の実施例1の高分子アクチュエータを模式的に示す図であり、図1(a)はその断面を示す断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す金属膜パターンを示す上面図である。 実施例2の高分子アクチュエータに用いられる金属膜パターンを示す上面図である。 実施例3の高分子アクチュエータに用いられる金属膜パターンを示す上面図である。 図1に示す実施例1の高分子アクチュエータの製造方法の一例を示す断面図であり、図4(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。 図1に示す実施例1の高分子アクチュエータの製造方法の他の例を模式的に示す断面図であり、図5(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。 図3に示す実施例3の高分子アクチュエータの製造方法の一例を示す断面図であり、図6(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。 図3に示す実施例3の高分子アクチュエータの製造方法の他の例示す断面図であり、図7(a)〜(f)はそれらの代表的な製造過程を模式的に示す断面図である。 フレーム部材を用いた場合を模式的に示す図であり、図8(a)は積層膜にフレーム部材を貼り合わせた状態を示す平面図であり、図8(b)は積層膜を保持基板から剥離する状態を示す断面図である。 延伸治具により積層膜を延伸する状態を模式的に示す図であり、図9(a)は積層膜を長さ方向に延伸する状態を示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)のA−A断面を示す断面図であり、図9(c)は積層膜を幅方向に延伸する状態を示す平面図である。 高分子アクチュエータの原理を模式的に示す斜視図である。 従来例の高分子アクチュエータを模式的に示す断面図である。
符号の説明
10…高分子アクチュエータ、11…絶縁性エラストマー膜、12…第1導電性エラストマー膜、13…第1導電性エラストマー膜、14…第1金属膜、14a…帯状金属膜、15…第2金属膜、15a…帯状金属膜、16,17…金属膜、16a,17a…ドット、18…第1金属膜、18a…クラック、19…第2金属膜、19a…クラック、21〜24…保持基板、21a,23a,24a…離型膜、25…フレーム部材、25a…接着剤、30…延伸治具、31,32…クリップ

Claims (12)

  1. 絶縁性エラストマー膜と、該絶縁性エラストマー膜の一方面に形成された第1導電性エラストマー膜と、同絶縁性エラストマー膜の他方面に形成された第2導電性エラストマー膜とからなり、前記第1導電性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に高電圧が印加されることにより伸張する高分子アクチュエータであって、
    前記絶縁性エラストマー膜と前記第1導電性エラストマー膜との間に所定の方向に伸縮できるようにパターニングされた第1金属膜を備えるとともに、前記絶縁性エラストマー膜と前記第2導電性エラストマー膜との間に所定の方向に伸縮できるようにパターニングされた第2金属膜を備えたことを特徴とする高分子アクチュエータ。
  2. 前記第1金属膜および前記第2金属膜はストライプ状にパターニングされていることを特徴とする請求項1に記載の高分子アクチュエータ。
  3. 前記第1金属膜および前記第2金属膜はドットパターン状にパターニングされていることを特徴とする請求項1に記載の高分子アクチュエータ。
  4. 前記第1金属膜および前記第2金属膜は伸縮方向にクラックが形成されてパターニングされていることを特徴とする請求項1に記載の高分子アクチュエータ。
  5. 前記絶縁性エラストマー膜はシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂のいずれかから選択された樹脂により形成されているとともに、
    前記第1導電性エラストマー膜および前記第2導電性エラストマー膜は前記絶縁性エラストマーに導電性炭素粒子が分散されたものにより形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  6. 絶縁性エラストマー膜の一方面に第1導電性エラストマー膜を形成し、前記絶縁性エラストマー膜の他方面に第2導電性エラストマー膜を形成し、前記第1導電性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に高電圧を印加できるようにした高分子アクチュエータの製造方法であって、
    保持基板に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、
    前記絶縁性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第1金属膜形成工程と、
    前記絶縁性エラストマー膜および前記パターニングされた第1金属膜の上に第1導電性エラストマー膜を形成する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、
    前記各工程により形成された複数の積層膜を保持基板から剥離させた後、該積層膜の表裏面を反転させて前記保持基板に保持させる反転工程と、
    前記積層膜の表面となった絶縁性エラストマー層の上に第2金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第2金属膜形成工程と、
    前記第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を形成する第2導電性エラストマー膜成膜工程とを備えたことを特徴とする高分子アクチュエータの製造方法。
  7. 絶縁性エラストマー膜の一方面に第1導電性エラストマー膜を形成し、前記絶縁性エラストマー膜の他方面に第2導電性エラストマー膜を形成し、前記第1導電性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に高電圧を印加できるようにした高分子アクチュエータの製造方法であって、
    保持基板に導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜を成膜する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、
    前記第1導電性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第1金属膜形成工程と、
    前記第1金属膜の上に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、
    前記絶縁性エラストマー膜の上に第2金属膜を成膜した後、所定の形状にパターニングにする第2金属膜形成工程と、
    前記第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を成膜する第2導電性エラストマー膜成膜工程とを備えたことを特徴とする高分子アクチュエータの製造方法。
  8. 絶縁性エラストマー膜の一方面に第1導電性エラストマー膜を形成し、前記絶縁性エラストマー膜の他方面に第2導電性エラストマー膜を形成し、前記第1導電性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に高電圧を印加できるようにした高分子アクチュエータの製造方法であって、
    保持基板に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、
    前記絶縁性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜する第1金属膜成膜工程と、
    前記絶縁性エラストマー膜と第1金属膜とからなる第1積層膜を前記保持基板より剥離した後、当該第1積層膜を延伸させて前記第1金属膜にクラックを生じさせる第1金属膜延伸工程と、
    前記第1金属膜にクラックを生じた第1積層膜を当該第1金属膜が上側になるように前記保持基板に貼着する第1貼着工程と、
    前記クラックが生じた第1金属膜の上に第1導電性エラストマー膜を成膜する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、
    前記第1積層膜と前記第1導電性エラストマー膜とからなる第2積層膜を保持基板から剥離させた後、該第2積層膜の表裏面を反転させて前記保持基板に保持させる反転工程と、
    前記第2積層膜の表面膜となった前記絶縁性エラストマー膜の上に第2金属膜を成膜する第2金属膜成膜工程と、
    前記第2積層膜と前記第2金属膜とからなる第3積層膜を保持基板から剥離させた後、該第3積層膜を延伸させて前記第2金属膜にクラックを生じさせる第2金属膜延伸工程と、
    前記第2金属膜にクラックを生じた第3積層膜を当該第2金属膜が上側になるように前記保持基板に貼着する第2貼着工程と、
    前記第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を成膜する第2導電性エラストマー膜成膜工程と、
    前記第3積層膜と第2導電性エラストマー膜とからなる第4積層膜を保持基板から剥離させる剥離工程とを備えたことを特徴とする高分子アクチュエータの製造方法。
  9. 前記第1金属膜延伸工程と前記第2金属膜延伸工程とを同時に行うようにしたことを特徴とする請求項8に記載の高分子アクチュエータの製造方法。
  10. 絶縁性エラストマー膜の一方面に第1導電性エラストマー膜を形成し、前記絶縁性エラストマー膜の他方面に第2導電性エラストマー膜を形成し、前記第1導電性エラストマー膜と第2導電性エラストマー膜との間に高電圧を印加できるようにした高分子アクチュエータの製造方法であって、
    保持基板に導電性エラストマーを塗布して第1導電性エラストマー膜を成膜する第1導電性エラストマー膜成膜工程と、
    前記第1導電性エラストマー膜の上に第1金属膜を成膜する第1金属膜成膜工程と、
    前記第1導電性エラストマー膜と第1金属膜とからなる第1積層膜を前記保持基板より剥離した後、当該第1積層膜を延伸させて前記第1金属膜にクラックを生じさせる第1金属膜延伸工程と、
    前記第1金属膜にクラックを生じた第1積層膜を当該第1金属膜が上側になるように前記保持基板に貼着する第1貼着工程と、
    前記クラックが生じた第1金属膜の上に絶縁性エラストマーを塗布して絶縁性エラストマー膜を成膜する絶縁性エラストマー膜成膜工程と、
    前記絶縁性エラストマー膜の上に第2金属膜を成膜する第2金属膜成膜工程と、
    前記第1積層膜と前記絶縁性エラストマー膜と前記第2金属膜とからなる第2積層膜を保持基板から剥離させた後、該第2積層膜を延伸させて前記第2金属膜にクラックを生じさせる第2金属膜延伸工程と、
    前記第2金属膜にクラックを生じた第2積層膜を当該第2金属膜が上側になるように前記保持基板に貼着する第2貼着工程と、
    前記クラックが生じた第2金属膜の上に第2導電性エラストマー膜を成膜する第2導電性エラストマー膜成膜工程と、
    前記第2積層膜と第2導電性エラストマー膜とからなる第3積層膜を保持基板から剥離させる剥離工程とを備えたことを特徴とする高分子アクチュエータの製造方法。
  11. 前記第1金属膜延伸工程と前記第2金属膜延伸工程とを同時に行うようにしたことを特徴とする請求項10に記載の高分子アクチュエータの製造方法。
  12. 前記保持基板の表面に予め離型材を塗布する離型材塗布工程を備えたことを特徴とする請求項6から請求項11のいずれかに記載の高分子アクチュエータの製造方法。
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