JP2009055553A - 複数の撮像素子を搭載した撮像装置 - Google Patents

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幸哉 宮地
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任 村山
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Abstract

【課題】複数の撮像素子を搭載した撮像装置の各撮像画像の同時性を保つ。
【解決手段】複数個の撮像素子2a〜2dと、複数個の撮像素子2a〜2dの各々に対して同一の駆動信号を与える1つのタイミングジェネレータ10とを備える。好適には、複数個の撮像素子2a〜2dが設置される基板上に、タイミングジェネレータ10と、撮像素子対応に設けられ対応する撮像素子の出力信号を前処理する前処理手段6a〜6dと、撮像素子対応に設けられ対応する前処理手段の出力信号を画像処理するデジタル信号処理手段7a〜7dと、各デジタル信号処理手段の出力画像データを統合処理する演算処理手段8とを設置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の撮像素子を搭載した撮像装置に係り、特に、複数の撮像素子の各々で撮像した撮像画像の同時性を保つ撮像装置に関する。
自動車などの車両の前方,側方,後方,内部などの画像を撮像する車載カメラや、セキュリティを確保するための監視カメラ等が普及してきている。これらカメラに搭載される固体撮像素子としては、アスペクト比が高く広視野角が得られるものが好適である。しかし、この様な固体撮像素子は製造歩留まりが低く、製造コストが嵩んでしまうという問題がある他、被写体の動画像を撮像する場合に、フレームレートを上げることができないという問題がある。
そこで従来は、例えば特許文献1,2に記載されている様に、複数の固体撮像素子を1つのパッケージ内に収納し、各固体撮像素子によって撮像された画像を合成することでアスペクト比が高い広視野角の画像を撮像したり、動画のフレームレートを上げたりしている。
特開昭62―10988号公報 特開昭62―11264号公報
複数の固体撮像素子を1パッケージ内に収納し、個々の固体撮像素子による撮像画像を合成することで、広視野角の画像を得たり、動画のフレームレートを向上させることができる。
しかし、例えば左右の固体撮像素子の撮像画像を貼り合わせて広視野角の画像にした場合、左右の画像のつなぎ目部分で画像に破綻が生じたり、また、動画像の場合には、つなぎ目部分を境にして左右の動画像で動きに差が生じてしまい違和感のある動画になってしまうという問題が生じる。
この問題は、左右の画像の合成処理時に左右の画像間の乱れやタイミング差が小さくなるように画像処理を施すことで軽減することが可能である。しかし、画像処理に時間を要し、また画像処理負荷が高くなってしまうため、高性能で高コストな画像処理装置が必要になってしまうという別の問題が生じる。
本発明の目的は、低コストで複数の画像間の同時性を保ち違和感の無い合成画像を得ることができる複数の撮像素子を搭載した撮像装置を提供することにある。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、複数個の撮像素子と、該複数個の撮像素子の各々に対して同一の駆動信号を与える1つのタイミングジェネレータとを備えることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記複数個の撮像素子が設置される基板上に、前記タイミングジェネレータと、前記撮像素子対応に設けられ対応する撮像素子の出力信号を前処理する前処理手段と、前記撮像素子対応に設けられ対応する前処理手段の出力信号を画像処理するデジタル信号処理手段と、各デジタル信号処理手段の出力画像データを統合処理する演算処理手段とが設置されることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記基板上に設置される前記複数個の撮像素子が、共通の1つのパッケージ内に収納されていることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記複数個の撮像素子が、同一半導体ウェハ上に隣接して形成され一体物として切り出された複数個の固体撮像素子であることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記パッケージが積層セラミックパッケージであることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記パッケージ内の複数個の前記撮像素子と前記タイミングジェネレータとが共通配線にて接続され、該共通配線から個々の前記撮像素子に前記同一の駆動信号が分岐される接続構成になっていることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記複数個の撮像素子の各々の撮像範囲が同一位置に重ねて設けられる設定になっていることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記複数個の撮像素子の各々の撮像範囲が並べて設けられる設定になっていることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記複数個の撮像素子の各々に撮影レンズが設けられていることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記複数個の撮像素子の各々が、異なる透過特性を有するフィルタを受光面前部に備えることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記撮像素子がCCD型であることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記演算処理手段が、少なくとも2つ撮像素子が同一被写体を撮像しているとき当該被写体まで距離を該2つの撮像素子間の距離と該撮像素子の撮像画像とから算出する手段を備えることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記演算処理手段が、算出した前記被写体までの距離が所定距離以下になったことを検知したとき警報出力する手段を備えることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、車載カメラであることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、監視カメラであることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、複数個の撮像素子と、該複数個の撮像素子の各々に対して同一の駆動信号を与える共通配線とを備えることを特徴とする。
本発明の複数の撮像素子を搭載した撮像装置は、前記共通配線が積層セラミックパッケージ内に形成されることを特徴とする。
本発明によれば、複数の撮像素子の各々がタイミングのズレもなく全く同一動作を行うため、各々の撮像画像の同時性が保証される。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置の機能ブロック構成図である。本実施形態の撮像装置1は、複数(図示の例では4つ)の固体撮像素子2a,2b,2c,2dを搭載している。図示する固体撮像素子2a,2b,2c,2dはCCD型固体撮像素子であり、各CCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dは、同一画素数,同一段数の垂直電荷転送路(VCCD)、同一段数の水平電荷転送路(HCCD)を備え、同一駆動電圧により駆動される構成になっている。
各固体撮像素子2a,2b,2c,2dの前部には、赤外線カットフィルタ3a,3b,3c,3dが設けられ、更にその前段に、撮影レンズ4a,4b,4c,4dが設けられている。
各固体撮像素子2a,2b,2c,2dの出力段にはエミッタフォロア5a,5b,5c,5dが設けられ、各エミッタフォロア5a,5b,5c,5dの後段には、CCD型固体撮像素子では周知の前処理部(相関二重サンプリング処理部(CDS),利得制御部,アナログデジタル変換部(ADC)等)6a,6b,6c,6dが設けられている。尚、前処理部の初段特性によって、エミッタフォロア5a〜5dが省略される場合もある。
前処理部6a,6b,6c,6dの出力は、デジタル信号処理部(DSP)7a,7b,7c,7dに接続され、各デジタル信号処理部7a,7b,7c,7dの出力が、撮像装置1を統括制御するMPU(マイクロプロセッサ)8に接続され、マイクロプロセッサ8の出力が画像記録用のメモリ9に接続される。尚、マイクロプロセッサ8とメモリ9は、夫々、CCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2d対応に4つづつ設ける構成としても良い。
各CCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dは、垂直電荷転送路(VCCD)を駆動するV系駆動信号(読み出しパルス信号,垂直転送パルス,電子シャッタパルス)と水平電荷転送路(HCCD)を駆動するH系駆動信号(水平転送パルス,リセットパルス)とにより駆動制御される。
また、前処理部6a,6b,6c,6dは、例えば、相関二重サンプリング処理におけるフィードスルーレベルを決めるサンプリングパルス信号や、データレベルを決めるサンプリングパルス信号、アナログデジタル変換部のサンプリングパルス等の駆動信号により制御される。
本実施形態では、これら駆動信号を、4つの固体撮像素子2a,2b,2c,2d及び4つの前処理部6a,6b,6c,6dで共通に設けた1つのタイミングジェネレータ(TG)10で生成する構成になっている。
即ち、マイクロプロセッサ8からの指示によりタイミングジェネレータ10が前処理部の駆動信号と、H系駆動信号と、V系駆動信号とを生成し出力する。前処理部用の駆動信号は、4つに分岐され、各々が前処理部6a,6b,6c,6dに供給される。
また、タイミングジェネレータ10が生成したH系駆動信号は、4つに分岐され、各々が、バッファ11a,11b,11c,11dを介して各CCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dの水平電荷転送路(HCCD)等に供給される。尚、バッファ11a〜11dは必ずしも必要な回路要素ではなく、無くても良い。
更に、タイミングジェネレータ10が生成したV系駆動信号は、4つに分岐され、各々が、ドライバ12a,12b,12c,12dを介して各CCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dの垂直電荷転送路(VCCD)等に供給される。
これにより、4つのCCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dは、完全に同一且つ同時に各動作(露光,読み出し,転送,出力)を行い、4つの前処理部6a,6b,6c,6dも完全に同一動作状態でサンプリング処理等を行うことになる。従って、4つのCCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dから出力される撮像画像信号の差違は、4つのCCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dの配置位置の違いに起因するものだけとなる。
1つのカメラ内に複数の撮像素子を搭載したものが従来から存在する。例えば、3板式カメラは、赤色画像撮像用,緑色画像撮像用,青色画像撮像用の3つの撮像素子を1つのカメラ内に収納し、入射光をプリズムで3分割して各々の撮像素子に入射させる構成になっている。しかし、従来の3板式カメラでは、各撮像素子対応に別々のタイミングジェネレータを設け、3つのタイミングジェネレータが共通の水平同期信号HDや垂直同期信号VDに基づいて別個に水平転送パルスや垂直転送パルスを生成し、各撮像素子を駆動する構成になっている。
これに対し、本発明の上記実施形態に係る撮像装置では、複数個の撮像素子が1つのタイミングジェネレータの出力信号で駆動されるため、複数個の撮像素子は、単なる同期動作ではなく、完全な同一同時動作を行うことになる。
即ち、各受光面上の同一座標位置に在る画素(受光素子)の検出信号が各撮像素子から出力されるタイミングも同一、前処理されるタイミングも同一、画像処理されるタイミングも同一、メモリ9に保存されるタイミングも同一となる。メモリ9を4つ設けた場合、メモリの同一番地に格納されるデータの格納タイミングも同一となる。
図2は、図1に示す撮像装置の断面模式図である。電子回路基板15の上に、撮像素子パッケージ16と電子回路17とが並置されている。図3に示す様に、撮像素子パッケージ16は例えば積層セラミック製でなり、図1に示す4つのCCD型固体撮像素子2a,2b,2c,2dが収納される。固体撮像素子2a〜2dをパッケージ16内に収納するとき、各固体撮像素子の設置位置精度を高める必要があるため、パッケージ16の内側底面に高精度に位置決めされた刻印に従って各固体撮像素子2a〜2dを取り付ける。
そして、光入射面となるパッケージ開口部が透明なガラスリッド18によって閉塞される。ガラスリッド18は、例えば紫外線(UV)硬化樹脂等の接着材19によってパッケージ開口部に貼り付けられる。
図2に示す電子回路17は、図1で説明したタイミングジェネレータ10,MPU8,前処理部6a〜6d,DSP7a〜7dで構成される。図1に示すメモリ9は、例えば着脱自在のフラッシュメモリやハードディスク等で構成されるため、別所に配置される。この電子回路17と、パッケージ16内の各固体撮像素子2a〜2dとが配線によって接続される。
図4は、電子回路17と積層セラミック製パッケージ16との配線接続図である。積層セラミック製パッケージ16の内部には配線層16aが積層されており、この配線層16aがパッケージ16内の接続パッド16bに接続されている。そして、接続パッド16が固体撮像素子2a〜2dにボンディングワイヤ20によって接続される。この配線層16aは、パッケージ16の側部外表面まで延出されており、この延出部16cが配線21により電子回路17のタイミングジェネレータ10等に接続される。
図5は、図2の上面図である。この撮像装置1は、4つの固体撮像素子2a〜2bを横一列に一次元配列して収納したパッケージ16を備え、その端に、電子回路17が設けられている。電子回路17と、パッケージ16内の4つの固体撮像素子2a〜2dとは、配線16a及び接続パッド16bとを介して、電気的に接続される。
図6は、パッケージ16の開口部に貼り付けられたガラスリッド18の上に載置されるレンズ部を示す図である。このレンズ部4は、パッケージ16内に一次元配列された4つの固体撮像素子2a〜2dに合わせて4つの集光レンズ(図1の撮影レンズ)4a,4b,4c,4dが一次元配列され且つ一体にプラスチックモールド成形されたレンズアレイ構成になっている。夫々の集光レンズ4a〜4dで集光された被写界光が、夫々の固体撮像素子2a〜2dの受光面に結像される。
図7は、図6とは別実施形態に係るレンズ部の構成図である。図6では各々が一枚構成の集光レンズ4a〜4dで構成されたが、図7の実施形態では、各々が3枚レンズで構成された集光レンズ系で構成され、4つの集光レンズ系24a,24b,24c,24dを一体に集合したレンズアレイユニットとしてレンズ部24が構成される。
上述した構成でなる撮像装置1で用いる個々の固体撮像素子2a,2b,2c,2dは、同一寸法,同一画素数であれば良いが、好ましくは、同一製造プロセスで形成したものを用いるのが良い。最も良い形態は、図8(a)に示す様に、1枚の半導体ウェハ25の上に形成した多数の固体撮像素子のうち、隣接する4つの固体撮像素子2a〜2dを、図8(b)に示す様に、一体物として個片化することなくダイシングする。
そして、これを、図8(c)に示す様に、パッケージ16内に収納する。この場合、図5に示す様に、各固体撮像素子間に接続パッド16bを設けないようにしてボンディング接続が容易な構成にするのが良い。
本実施形態の撮像装置1では、MPU8が4つの固体撮像素子2a〜2dの撮像画像を統合処理するが、この統合処理するときに、4つの固体撮像素子2a〜2dの相互間の位置関係を精度良く知る必要がある。つまり、各固体撮像素子2a,2b,2c,2dのパッケージ16への設置位置を精度良く制御する必要がある。この意味でも、図8で説明した実施形態のものが最も好ましい。図8の例の4個の固体撮像素子2a〜2dの相互間の位置精度は、固体撮像素子の製造装置であるステッパの製造精度となり、数10〜数100nmオーダとなる。
上述した構成の撮像装置1で被写体画像を撮像するときの動作について説明する。撮像装置1は、例えば図9(a)に示す様に、監視カメラとして家の玄関上に設置したり、図9(b)に示す様に、車載カメラとして自動車の前面位置や後面位置に設置する。
4つの固体撮像素子2a〜2dの各々は、各々の集光レンズ4a,4b,4c,4dを通して結像した被写界光を電気信号に変換し、撮像画像を各々に対応する前処理部6a〜6dに出力し、対応するDSP7a〜7dが、画像処理することになる。
横一列に一次元配列されている4つの各固体撮像素子2a〜2dの向く方向を調整して各固体撮像素子2a〜2dをパッケージ16に取り付けることで、例えば図10(a)に示す様に、横長の撮像範囲31を横方向に4分割し、左端の撮像範囲31aを固体撮像素子2aに担当させ、右隣の撮像範囲31bを固体撮像素子2bに担当させ、更に右隣の撮像範囲31cを固体撮像素子2cに担当させ、右端の撮像範囲31dを固体撮像素子2dに担当させることができる。
この場合、各DSP7a〜7dが画像処理した各画像を横一列に貼り合わせ、一枚の撮像画像とすることになる。このとき、固体撮像素子2aの撮像範囲31aと、固体撮像素子2bの撮像範囲31bとが若干重なるように調整しておき、図10(b)に示す重なり部分32の2つの撮像画像が旨く一致するように画像処理することになる。
この画像処理は、撮像範囲31aの右端部分の撮像画像データと、撮像範囲31bの左端部分の撮像画像データとが一致する箇所を探し、貼り合わせることで行うが、本実施形態の撮像装置1では、固体撮像素子2aと固体撮像素子2bとが全く同一に動作して重なり部分32の同一被写体部分を撮像するため、一致する箇所の探索処理が容易且つ高速に行うことができる。
また、撮像装置1では、動画像を撮像するため、例えば図10(a)に示す歩行者が、撮像範囲31cから撮像範囲31bに境界部分32を通過して移動する場合が生じる。このとき、境界32で分けられた歩行者の撮像範囲31b中の左半分の画像と、撮像範囲31c中の右半分の画像との動きに若干の不一致が生じても違和感のある動画となるが、本実施形態の撮像装置1では、固体撮像素子2bと固体撮像素子2cとが同じタイミングジェネレータ10の出力信号により全く同一に動作するため、両撮像範囲31b,31cでの画像の動きにズレが生じることが無くなる。
以上述べた実施形態では、横一列に並べた4つの固体撮像素子の各撮像範囲が横一列に並ぶように調整したが、各撮像範囲が、図11に示す様に、同一範囲となるように調整することも可能である。この場合には、同一被写体を4つの固体撮像素子2a〜2dが撮像することになる。
両端の固体撮像素子2a,2d間の設置位置の距離が既知であるため、対象物例えば前方に歩行者が居ることを画像解析で検知したとき、歩行者までの距離を、特開2006―318062号公報記載のステレオカメラの原理を用いることで、両固体撮像素子2a,2dの撮像画像と上記距離とから即座に算出し、歩行者が所定距離以内に近づいたとき運転者に警報を出すことも可能となる。
斯かる処理を行う場合、撮像範囲が同一となるように各固体撮像素子の設置位置や姿勢、レンズ配置を調整しても、各撮像範囲を全く同一にすることは困難であり、画素単位でずれてしまう。また、両端の2つの固体撮像素子の撮像タイミングにズレが生じるとこのズレが歩行者までの距離精度に影響を与えることになる。
上述した実施形態は車載カメラの例であるが、同じ処理を監視カメラに適用することもできる。即ち、2つの固体撮像素子2a,2dで監視対象とした移動物体までの距離を算出し、監視対象が所定距離以内に近づいたとき監視所のモニタ画面に監視対象の画像を表示すると共に警報を発する様にする。
この様な処理を行う場合、本実施形態の撮像装置1では、4つの固体撮像素子が全く同一動作し、固体撮像素子からの1画素1画素の検出信号の出力タイミングや、A/D変換処理のタイミング,MPU8内のフレームメモリへの格納タイミングが同一であるため、この画像処理を、精度良く、短時間且つ容易に行うことが可能である。
4つの固体撮像素子2a,2b,2c,2dの全てが、受光面前部に可視光撮像用赤外線カットフィルタ3a〜3dを備える例を説明したが、別々の透過特性を有するフィルタを搭載することも可能である。可視光カットフィルタを用いれば赤外線画像を撮像することができ、偏光フィルタを用いれば、道路に反射する対向車のヘッドライトをカットした画像を撮像することができる。
異なる透過特性を備えるフィルタを用いた複数の固体撮像素子の撮像範囲を同一範囲に設定して、各撮像画像を統合処理してモニタ表示することで、例えば薄暗くなって進行方向の歩行者が見づらくなったとき、赤外線画像中に映る歩行者の熱画像を、可視光画像に重ねて表示することができる。この様な場合でも、本実施形態の撮像装置1は、4つの固体撮像素子が全く同一動作し、固体撮像素子からの1画素1画素の検出信号の出力タイミングや、A/D変換処理のタイミング,MPU8内のフレームメモリへの格納タイミングが同一であるため、各撮像画像の統合処理を短時間且つ容易に行うことができる。
尚、上述した実施形態では、4つの固体撮像素子を横一列に一次元配列したが、これを2×2の二次元配列することでも良い。また、使用する固体撮像素子は4個に限るものでないこともいうまでもない。
上述した実施形態では、複数の固体撮像素子を1つのパッケージ内に入れたが、これは、個々の固体撮像素子の設置位置を高精度に制御するためである。位置制御を高精度に行うことが可能であれば、個々の固体撮像素子を別々のパッケージ内に収納することでも良い。複数の固体撮像素子を1パッケージ内に収納すると、位置制御の他に、ガラスリッド18の樹脂による封止作業が1回で済むため、信頼性が向上しコストダウンを図れるという利点がある他、電子回路基板へのパッケージの取付作業性が向上するという利点もある。
また、上述した実施形態では、積層セラミックパッケージを用いたが、これに限るものではなく、例えばプラスチックパッケージでも良い。あるいは、特許第3827310号に記載されている様なチップサイズパッケージを用い、撮像装置の更なる小型化を図ることができる。
図12は、チップサイズパッケージの説明図である。図12(a)はチップサイズパッケージを用いた撮像装置の断面模式図である。この撮像装置は、固体撮像素子2a,2bや電子回路17が形成された半導体基板41の表面部のうち、撮像素子2a,2bを囲む枠部分にスペーサ42を形成し、このスペーサ42上に、ガラスリッド43等の透明基板を接着剤等で貼り付けて構成される。
半導体基板41や透明基板43等を薄くすることで、それ自体に可撓性を持たせても良い。そして、図12(b)に示す様に、この半導体基板41上に形成した共通配線46にて電子回路17のタイミングジェネレータと各撮像素子2a,2bとを接続する。
更に、上述した実施形態では、図6,図7に示す様に、個々の固体撮像素子に夫々1つのレンズを用いたが、複数個で共通の1つの撮影レンズを用いる構成とすることでも良い。
更にまた、上述した実施形態では、固体撮像素子がCCD型であるとして説明したが、1つのタイミングジェネレータで駆動される複数個のCMOS型固体撮像素子にも上述した実施形態を適用可能である。
本発明に係る撮像装置は、複数の固体撮像素子による撮像画像の同時性を保つことができるため、各撮像画像の統合処理を短時間且つ容易に行うことができ、車載カメラや監視カメラ等に適用すると有用である。
本発明の一実施形態に係る撮像装置の機能ブロック構成図である。 本発明の一実施形態に係る撮像装置の側面概略図である。 図2に示す撮像装置の撮像素子パッケージ部分の拡大図である。 図2に示す電子回路と撮像素子パッケージ部分の接続部分の拡大図である。 図2に示す撮像装置の上面概略図である。 図2に示す撮像素子パッケージに載置するモールド成形したレンズ部を示す図である。 図6に示すレンズ部に替えて用いる各々が3枚レンズ構成のレンズアレイユニットを示す図である。 図2に示す撮像素子パッケージ内に収納する4つの固体撮像素子の好適実施形態を説明する図である。 図1に示す撮像装置の使用例を示す図である。 図1に示す撮像装置の撮像範囲を高アスペクト比としたときの図である。 図1に示す撮像装置の個々の撮像素子による撮像範囲を同一範囲に重ねた場合の説明図である。 チップサイズパッケージングした撮像素子の説明図である。
符号の説明
1 撮像装置
2a〜2d 固体撮像素子
3a〜3d 赤外線カットフィルタ
4a〜4d 撮影レンズ(集光レンズ)
6a〜6d 前処理部
7a〜7d DSP
8 MPU
9 メモリ
10 タイミングジェネレータ
15 電子回路基板
16 撮像素子パッケージ
16a 内部配線層
16b 接続パッド
17 電子回路
18 ガラスリッド
20 ボンディングワイヤ

Claims (17)

  1. 複数個の撮像素子と、該複数個の撮像素子の各々に対して同一の駆動信号を与える1つのタイミングジェネレータとを備えることを特徴とする複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  2. 前記複数個の撮像素子が設置される基板上に、前記タイミングジェネレータと、前記撮像素子対応に設けられ対応する撮像素子の出力信号を前処理する前処理手段と、前記撮像素子対応に設けられ対応する前処理手段の出力信号を画像処理するデジタル信号処理手段と、各デジタル信号処理手段の出力画像データを統合処理する演算処理手段とが設置されることを特徴とする請求項1に記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  3. 前記基板上に設置される前記複数個の撮像素子が、共通の1つのパッケージ内に収納されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  4. 前記複数個の撮像素子が、同一半導体ウェハ上に隣接して形成され一体物として切り出された複数個の撮像素子であることを特徴とする請求項3に記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  5. 前記パッケージが積層セラミックパッケージであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  6. 前記パッケージ内の複数個の前記撮像素子と前記タイミングジェネレータとが共通配線にて接続され、該共通配線から個々の前記撮像素子に前記同一の駆動信号が分岐される接続構成になっていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  7. 前記複数個の撮像素子の各々の撮像範囲が同一位置に重ねて設けられる設定になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  8. 前記複数個の撮像素子の各々の撮像範囲が並べて設けられる設定になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  9. 前記複数個の撮像素子の各々に撮影レンズが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  10. 前記複数個の撮像素子の各々が、異なる透過特性を有するフィルタを受光面前部に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  11. 前記撮像素子がCCD型であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載した撮像装置。
  12. 前記演算処理手段は、少なくとも2つ撮像素子が同一被写体を撮像しているとき当該被写体まで距離を該2つの撮像素子間の距離と該撮像素子の撮像画像とから算出する手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の複数の撮像素子を搭載する撮像装置。
  13. 前記演算処理手段は、算出した前記被写体までの距離が所定距離以下になったことを検知したとき警報出力する手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の複数の撮像素子を搭載する撮像装置。
  14. 前記撮像装置が車載カメラであることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載する撮像装置。
  15. 前記撮像装置が監視カメラであることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の複数の撮像素子を搭載する撮像装置。
  16. 複数個の撮像素子と、該複数個の撮像素子の各々に対して同一の駆動信号を与える共通配線とを備えることを特徴とする複数の撮像素子を搭載する撮像装置。
  17. 前記共通配線が積層セラミックパッケージ内に形成されることを特徴とする請求項16に記載の複数の撮像素子を搭載する撮像装置。
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