JP2009054907A - ヘテロ接合素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、エキシトン過程の効率およびキャリア過程の効率の両方を向上させることにより、光電変換のエネルギー変換効率を向上させることができるヘテロ接合素子を提供する。
【解決手段】本発明の一実施例に係るヘテロ接合素子100は、無機半導体材料により構成されており、p型層1、n型層2、および交互ヘテロ接合層5により構成されている。交互ヘテロ接合5は、p型のラメラ層3とn型のラメラ層4とが交互に接合されることにより、構成されている。当該交互ヘテロ接合層5は、p型層1とn型層2とにより挟持されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の一実施例に係るヘテロ接合素子100は、無機半導体材料により構成されており、p型層1、n型層2、および交互ヘテロ接合層5により構成されている。交互ヘテロ接合5は、p型のラメラ層3とn型のラメラ層4とが交互に接合されることにより、構成されている。当該交互ヘテロ接合層5は、p型層1とn型層2とにより挟持されている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ヘテロ接合素子に係る発明である。
アモルファスシリコンTFT(ThinFilm Transistor)やポリシリコンTFTに代表されるように、薄膜ヘテロ接合素子は、シリコン単結晶のヘテロ接合構造と同様の構成を有している。つまり、薄膜へテロ接合素子は、薄膜表面上にp領域やn領域を形成して作製される、pn接合構造が一般的である。当該薄膜へテロ接合素子では、薄膜面内方向のpn接合特性を用いる場合が多い。
一方、太陽電池の場合には、薄膜の膜厚方向にpn接合を形成し、膜厚方向のpn接合特性を用いることが一般的である。薄膜太陽電池の場合では、このようにして形成されるpnヘテロ接合は、太陽光エネルギーの利用(変換)効率が低い。したがって、太陽光エネルギーの利用効率の高効率化のために、p−i−nヘテロ接合素子が提案されている(たとえば、非特許文献1)。当該p−i−nへテロ接合素子は、p型ポリSi層とn型ポリSi層と、前記両層の間に設けられた、不純物ドープを施さない光吸収層であるi型層とから構成されている。
また、有機材料を用いたヘテロ接合素子の場合には、Si単結晶素子のように結晶基板からエピタキシャル成長により薄膜形成するという方法は例外的であり、薄膜素子を用いる場合の方が一般的である。有機材料を用いた薄膜ヘテロ接合素子のキャリア伝導機構は、無機半導体から成るpnヘテロ接合素子の場合のように、詳細な機構が解明されていない。しかし、電子供与性(ドナー性)有機材料膜と電子受容性(アクセプター性)有機材料膜との間に、ドナー(D)−アクセプター(A)ヘテロ接合を形成し、DAヘテロ接合特性を用いて機能デバイスが作製されている。
有機太陽電池の場合には、一般に、エキシトンの拡散距離が短い(数十〜数百Å)。このため、光利用効率を増大させるために、D層とA層との間にD分子とA分子の混合層(バルクヘテロ接合層)を用いるバルクヘテロ接合素子が、盛んに研究開発されている(たとえば、非特許文献2)。色素増感太陽電池は、TiO2ナノ粒子からなるメソポーラスフィルムを増感色素で単分子吸着した作用電極と、電解質とから構成される。当該色素増感太陽電池の場合も、その高い光電変換効率は、広義のバルクヘテロ接合構造であるTiO2/色素層の光吸収効果によるとされている(たとえば非特許文献3)。
さらに、ヘテロ接合面が一つである、有機材料から構成される単一へテロ接合素子も従来より存在している。当該単一へテロ接合素子を太陽電池として使用する場合、前記へテロ接合面に対して垂直な方向から太陽光が入射される。
K. Yamamoto他、 Jpn. J. Appl. Phys. 36, L569 (1997).(ppL569, Fig. 1)
斉藤和裕 他、応用物理、73巻、12号(2004)(頁1526、図1)
A. Hagfeldt and M. Gratzel, Acc. Chem. Res. 33, 269 (2000).(pp270, Figure2)
ポリシリコンなどの無機半導体から成るp−i−nヘテロ接合素子にあっては、i層におけるキャリア再結合による光電流の減少や、i層の欠陥に基づく暗電流の増大という問題があった。つまり、一般的に、光電変換のエネルギー利用(変換)効率は、エキシトン過程の効率とキャリア過程の効率との積に依存する。しかし、上記p−i−nへテロ接合素子では、上記から分かるようにキャリア過程の効率が低下していた。
また、有機材料を用いたバルクヘテロ接合構造にあっては、D分子とA分子の混合層としてのmorphologyが、光電変換特性と大きく関わっていることが明らかにされている。そして、上記混合層において電子・正孔の再結合等が起こるため、当該混合層を有するバルクヘテロ接合素子のキャリア移動度は、大きく減少するという問題点があった。つまり、混合層を有するバルクへテロ接合素子においても、上記キャリア過程の効率が低下していた。
また、有機材料から構成されている上記単一へテロ接合素子は、エキシトン拡散距離が短いという欠点があった。したがって、ヘテロ接合面付近で生成したエキシトンのみしか、キャリア生成に寄与しないという問題があった。つまり、有機材料から構成されている単一へテロ接合素子では、上記エキシトン過程の効率が低下していた。
そこで、本発明は、エキシトン過程の効率およびキャリア過程の効率の両方を向上させることにより、光電変換のエネルギー利用(変換)効率を向上させることができるヘテロ接合素子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のヘテロ接合素子は、透明電極と他の電極とにより挟持されており、無機半導体材料から成るヘテロ接合素子であって、前記透明電極上に形成される、第一の導電型を有する第一の層と、前記他の電極上に形成されており、第二の導電型を有する第二の層と、前記第一の層と前記第二の層とにより挟持されており、前記第一の導電型を有する第一のラメラ層と前記第二の導電型を有する第二のラメラ層とから構成される交互ヘテロ接合層とを、備えており、前記交互ヘテロ接合層は、前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層とを交互に接合することにより構成されており、前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層との接合面は、前記第一の層の主面および前記第二の層の主面の各々に対して、垂直な方向成分を有する。
また、本発明に係る請求項2に記載のヘテロ接合素子は、透明電極と他の電極とにより挟持されており、有機材料から成るヘテロ接合素子であって、前記透明電極上に形成される、電子の供与または受容が可能な第一の層と、前記他の電極上に形成されており、前記第一の層とは電子の供受方向が逆の第二の層と、前記第一の層と前記第二の層とにより挟持されており、電子供与性を有する第一のラメラ層と電子受容性を有する第二のラメラ層とから構成される交互ヘテロ接合層とを、備えており、前記交互ヘテロ接合層は、前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層とを交互に接合することにより構成されており、前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層との接合面は、前記第一の層の主面および前記第二の層の主面の各々に対して、垂直な方向成分を有する。
本発明の請求項1および2に記載のヘテロ接合素子では、無機半導体材料または有機材料から構成されている。さらに、第一のラメラ層と第二のラメラ層とが交互に接合された交互ヘテロ接合層が、第一の層と第二の層とにより挟持されている。ここで、第一のラメラ層と第二のラメラ層とのヘテロ接合面方向は、第一の層の主面および第二の主面の法線方向成分を有している。
したがって、キャリア過程の効率およびエキシトン過程の効率の両方を向上させることができ、結果として高い光エネルギー利用(変換)効率を有するヘテロ接合素子を提供することができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係るヘテロ接合素子であって、ヘテロ接合部100を有する太陽電池200の要部構成を示す断面図である。以後、本明細書内において、図1のx−z平面に広がる面方向を「膜面内方向」と称する。また、図1のy軸方向を「膜厚方向」と称する。
図1は、本実施の形態に係るヘテロ接合素子であって、ヘテロ接合部100を有する太陽電池200の要部構成を示す断面図である。以後、本明細書内において、図1のx−z平面に広がる面方向を「膜面内方向」と称する。また、図1のy軸方向を「膜厚方向」と称する。
図1に示す太陽電池200は、透明基板10、透明電極20、裏面電極(他の電極と把握できる)30、およびヘテロ接合部100を有している。
ヘテロ接合部100は、透明電極20と裏面電極30とにより挟持されている。また、図1に示すように、透明電極20形成側から、太陽光などの光がヘテロ接合部100へ入射される。
透明基板10は、ガラス基板やプラスチック基板などの光透過性を有する基板である。また、透明電極20は、たとえばITO(酸化インジウムスズ)などの透明性を有する材料から構成されている。なお、裏面電極30は、上記透明性を有する材料で構成されている必要が無く、光反射機能を有することが望ましい。透明電極20のヘテロ接合部100の不形成側の面においては、透明基板10が形成されている。
ヘテロ接合部100を有するヘテロ接合素子は、膜面内方向に広がり、膜厚方向に所定の厚さを有する薄膜の光電変換素子である。また、本実施の形態では、ヘテロ接合部100は、シリコン等の無機半導体材料から構成されている。図1に示すように、ヘテロ接合部100は、p型層1、n型層2、p型ラメラ層3、およびn型ラメラ層4とから構成されている。ここで、複数のp型ラメラ層3および複数のn型ラメラ層4により、交互ヘテロ接合層5が形成される。図2には、当該交互ヘテロ接合層5の斜視図を示す。
図1に示すように、p型の導電型(第一の導電型と把握できる)を有するp型層(第一の層と把握できる)1は、透明電極20の主面上に形成されている。また、n型の導電型(第二の導電型と把握できる)を有するn型層(第二の層と把握できる)2は、裏面電極30の主面上に形成されている。また、交互へテロ接合層5は、p型層1とn型層2とにより挟持されている。
図1,2に示すように、交互ヘテロ接合層5は、複数のp型ラメラ層(第一のラメラ層と把握できる)3および複数のn型ラメラ層(第二のラメラ層と把握できる)4とから構成されている。ここで、p型ラメラ層3は、p型の導電型を有しており、n型ラメラ層4は、n型の導電型を有している。また、p型ラメラ層3とn型ラメラ層4とは、交互に接合されており、当該接合面(ヘテロ接合面)J1は、図1,2に示すように、y−z平面(膜厚方向)に平行である。つまり、p型ラメラ層3とn型ラメラ層4との接合面J1は、p型層1の主面およびn型層2の主面の各々に対して、垂直である。換言すると、接合面J1は、p型層1とn型ラメラ層4との接合面J2、およびn型層2とp型ラメラ層3との接合面J3の各々に対して、垂直である。
なお、ヘテロ接合部100を構成する無機半導体材料として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、薄膜ポリシリコン、薄膜アモルファスシリコン、単結晶GaAs、多結晶GaAs、薄膜GaAs、InP、CIGS(CuInGaSe2)、およびCdTe等を採用することができる。
上記から分かるように、本実施の形態に係るヘテロ接合素子を有するヘテロ接合部100は、x−z平面(膜面内方向)に平行な第一のヘテロ接合面J2,J3と、y−z平面(膜厚方向)に平行な第二のヘテロ接合面J1との両方有している。ここで、上記から分かるように、第二のヘテロ接合面J1は、第一のヘテロ接合面J2,J3とは垂直である。
以上のように、本実施の形態に係る太陽電池200は上記のように構成されているので、下記するように、従来技術と比較して光電変換のエネルギー利用(変換)効率を向上させることができる。ここで、当該エネルギー変換効率は、一般的に、エキシトン過程の効率とキャリア過程の効率との積に依存する。
非特許文献1に係るp−i−nヘテロ接合素子のi層では、p−n接合面が複雑に構成されており、非特許文献2に係る混合層を有するバルクへテロ接合素子の混合層では、D(電子供与:ドナー)−A(電子受容:アクセプター)接合面が複雑に構成されている。したがって、上記各従来技術では、i層内や混合層内において生成したキャリアは再結合等が容易に起こり、キャリア過程の効率が低下していた。
これに対して、本実施の形態では、交互ヘテロ接合層5において形成される接合面J1は、p型層1の主面およびn型層2の主面に対して垂直である。そして、p型層1の他の主面側およびn型層2の他の主面側に各電極20,30が形成されている。
したがって、交互ヘテロ接合層5内においてエキシトンの電荷分離により生成したキャリアは、当該交互へテロ接合層5内の接合面J1と平行な方向に移動する。よって、当該接合面J1におけるキャリアの再結合等を抑制できる。つまり、電極20,30間におけるキャリアの移動度を向上させることができる。これにより、キャリア過程の効率をより向上させることができる。
また、従来技術で記載した単一へテロ接合構造が、エキシトン拡散距離が短い材料で構成されている場合には、次のような問題があった。つまり、ヘテロ接合面付近で生成したエキシトンのみしかキャリア生成に寄与しないという問題があった。換言すれば、単一ヘテロ接合構造の場合には、ヘテロ接合面からエキシトン拡散距離程度の範囲までに吸収した太陽光エネルギーのみしか、光電変換に寄与しなかった。したがって、単一へテロ接合構造では、上記エキシトン過程の効率が低下していた。
これに対して、本実施の形態では、光の入射方向に対して垂直方向に形成された接合面J2,J3の他に、当該接合面J2,J3に垂直な接合面J1が交互ヘテロ接合層5において形成されている。したがって、たとえエキシトン拡散距離が短い材料を用いてヘテロ接合部100を形成したとしても、各ラメラ層3,4内の全領域で生成したエキシトンを、効率良くキャリア生成に寄与させることができる。よって、本実施の形態では、よりエキシトン過程の効率を向上させることができる。
なお、後述の実施の形態からも分かるように、各ラメラ層3,4の厚さを薄くすればするほど、光エネルギー利用(変換)効率は向上する。また、各ラメラ層3,4の厚さを薄くすればするほど、単位領域当たりのヘテロ接合面J1も増大するので、結果として、単位領域当たりのキャリアの生成率も向上させることができる。
以上のように、本実施の形態では、キャリア過程の効率およびエキシトン過程の効率の向上を両立させることができる。したがって、光電変換のエネルギー変換効率の高いヘテロ接合素子(太陽電池200)を提供することができる。
なお、本実施の形態では、p型層1とn型層2とにより交互へテロ接合層5が挟持されている。したがって、交互へテロ接合層5で発生したキャリアの一方向の移動を誘発させることができる。よって、当該p型層1およびn型層2の両方が無い場合、若しくはp型層1およびn型層2の何れか一方が無い場合よりも、本実施の形態に係るヘテロ接合部100の方が、光電効果により得られる起電力をより向上させることができる。
また、図1の構成の他に後述する構成(図3,4,5)であっても、上記と同様の効果を有することができる。
図3の構成は、図1の構成と異なり、透明電極20側にn型層2が形成されており、裏面電極30側にp型層1が形成されている。その他の図3の構成は、図1の構成と同様である。
また、図4の構成は、図1の構成と異なり、基板10が裏面電極30側に形成されている。ここで、図4の構成では、基板10は透明性を有する必要は無い。その他の図4の構成は、図1の構成と同様である。
また、図5の構成は、図3の構成と異なり、基板10が裏面電極30側に形成されている。ここで、図5の構成では、基板10は透明性を有する必要は無い。その他の図5の構成は、図3の構成と同様である。
なお、図3,5の構成では、n型層2が第一の層と把握でき、p型層1が第二の層と把握できる。
また、図6に示すように、p型ラメラ層3とn型ラメラ層4との接合面J1が、p型層1の主面およびn型層2の主面に対して垂直な方向成分を有する構成(垂直方向成分構造と称する)であっても良い。つまり、前記各主面(膜面内方向)に対して斜め方向に、前記接合面J1が形成されていても良い。図3乃至図5の構成においても同様に、p型ラメラ層3とn型ラメラ層4との接合面J1が、p型層1の主面およびn型層の主面に対して垂直な方向成分を有する構成であっても良い(垂直方向成分構造と称する)。
しかし、上記キャリア移動度の向上に起因したキャリア過程の効率の上昇の観点から、上記垂直方向成分構造よりも、図1,3〜5に示す構成(つまり、p型ラメラ層3とn型ラメラ層4との接合面J1が、p型層1の主面およびn型層2の主面に対して垂直である構成)の方がよりエネルギー利用(変換)効率が高くなる。
なお、図1で示した構造のエネルギー利用(変換)効率(所定の入射光エネルギーに対する、電荷分離が起こるヘテロ接合界面まで到達可能な光エネルギーの割合)ηは、式(1)を用いて表すことができる。太陽電池200の場合、太陽光をどれだけ吸収できるか、また吸収した太陽光エネルギー(すなわち、ヘテロ接合部100内で生成したエキシトン)をどれだけ接合面J1,J2,J3に運べるかが、当該エネルギー利用(変換)効率ηを決める。
ここで、式(1)右辺の各項は、下式(2)、(3)、(4)および(5)のように表される。
ここで、ΔE(α)は、p型の導電型を有する無機半導体材料(たとえば、p型層1、p型ラメラ層3)のバンドギャップである。ΔE(β)は、n型の導電型を有する無機半導体材料(たとえば、n型層2、n型ラメラ層4)のバンドギャップである。I(λ)は、基準太陽光スペクトルAM1.5,1SUNのスペクトルの強度である。α(α)は、p型の導電型を有する無機半導体材料(たとえば、p型層1、p型ラメラ層3)の吸光係数である。α(β)は、n型の導電型を有する無機半導体材料(たとえば、n型層2、n型ラメラ層4)の吸光係数である。β(α)は、p型の導電型を有する無機半導体材料(たとえば、p型層1、p型ラメラ層3)のエキシトン拡散距離の逆数である。β(β)は、n型の導電型を有する無機半導体材料(たとえば、n型層2、n型ラメラ層4)のエキシトン拡散距離の逆数である。さらに、∫AM1.5(λ)dλは、基準太陽光スペクトル強度AM1.5,1SUNの全波長積分であり、エネルギー密度として0.1Wcm-2を示す。
式(1)〜(5)を用いることにより、図1に示したヘテロ接合部100の構造パラメータ(p型層1の厚さLα、n型層2の厚さLβ、p型ラメラ層3の厚さlα、n型ラメラ層4の厚さlβ、交互へテロ接合層5の膜厚方向の厚さLb)を最適設計(つまり、式(1)を最大とするように、前記各寸法を設計)することが可能となる。これにより、高いエネルギー利用(変換)効率ηを有するヘテロ接合部100(太陽電池200)を提供することができる。
なお、上式(2)は、p型層1とn型ラメラ層4とのヘテロ接合面J2における太陽光エネルギー利用効率である。また、上式(3)は、n型層2とp型ラメラ層3とのヘテロ接合面J3における太陽光エネルギー利用効率である。また、上式(4)、(5)は、交互へテロ接合層5全体におけるp型ラメラ層3とn型ラメラ層4とのヘテロ接合面J1における太陽光エネルギー利用効率である。
また、図3の構成のように、透明電極10側にn型層2を形成し、裏面電極30側にp型層1を形成した場合には、式(2),(3)の表記において、p型層1のパラメータとn型層2のパラメータを入れ替える必要がある。また、式(4)、(5)において、ラメラ部への到達光強度が変更する。つまり、式(2)の代わりに下式(6)用いる必要があり、式(3)の代わりに下式(7)を用いる必要がある。さらに、式(4)の代わりに下式(8)を用いる必要があり、式(5)の代わりに下式(9)を用いる必要がある。
<実施の形態2>
図7は、本実施の形態に係るヘテロ接合素子であって、ヘテロ接合部300を有する太陽電池400の要部構成を示す断面図である。図7に示す太陽電池400は、透明基板10、透明電極20、裏面電極(他の電極と把握できる)30、およびヘテロ接合部300を有している。
図7は、本実施の形態に係るヘテロ接合素子であって、ヘテロ接合部300を有する太陽電池400の要部構成を示す断面図である。図7に示す太陽電池400は、透明基板10、透明電極20、裏面電極(他の電極と把握できる)30、およびヘテロ接合部300を有している。
ヘテロ接合部300は、透明電極20と裏面電極30とにより挟持されている。また、図7に示すように、透明電極20形成側から、太陽光などの光がヘテロ接合部300へ入射される。ここで、透明基板10、透明電極20および裏面電極30の構成は、実施の形態1で説明した構成と同様である。
ヘテロ接合部300を有するヘテロ接合素子は、膜面内方向(x−z平面)に広がり、膜厚方向(y方向)に所定の厚さを有する薄膜の光電変換素子である。また、本実施の形態では、ヘテロ接合部300は、有機材料から構成されている。図7に示すように、ヘテロ接合部300は、電子供与性層(ドナー層:D)11、電子受容性層(アクセプター層:A)12、電子供与性ラメラ層13、および電子受容性ラメラ層14から構成されている。電子供与性層11と電子受容性層12とは、電子の供受方向が逆である。電子供与性層11は、他に電子を供与する性質を有する層であり、電子受容性層12は、他から電子を受容する性質を有する層である。
図7に示すように、電子の供与が可能な電子供与性層(第一の層と把握できる)11は、透明電極20の主面上に形成されている。また、電子の受容が可能な電子受容性層(第二の層と把握できる)は、裏面電極30の主面上に形成されている。また、交互へテロ接合層15は、電子供与性層11と電子受容性層12とにより挟持されている。
図7に示すように、交互ヘテロ接合層15は、電子供与性を有する複数の電子供与性ラメラ層13および電子受容性を有する複数の電子受容性ラメラ層14とから構成されている。また、電子供与性ラメラ層13と電子受容性ラメラ層14とは、交互に接合されており、当該接合面J11は、図7に示すように、y−z平面に平行である。つまり、電子供与性ラメラ層13と電子受容性ラメラ層14との接合面J11は、電子供与性層11の主面および電子受容性層12の主面の各々に対して、垂直である。換言すると、接合面J11は、電子供与性層11と電子受容性ラメラ層14との接合面J12、および電子受容性層12と電子供与性ラメラ層13との接合面J13の各々に対して、垂直である。
ここで、電子受容性材料としては、C60およびその誘電体、ベンズイミダゾールおよびその誘電体、ピリジン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、キノリン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ベンゾフェナンスロリン類およびその誘導体によるラダーポリマー、シアノ−ポリフェニレンビニレンなどの高分子、フッ素化無金属フタロシアニン、フッ素化金属フタロシアニン類及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体(PTCDA、PTCDIなど)、ナフタレン誘導体(NTCDA、NTCDIなど)、バソキュプロイン及びその誘導体などの低分子が利用され得る。
これに対して、電子供与性材料としては、チオフェン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フェニレン系ポリマー、フェニレン-ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、チエニレン-ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピラジン系ポリマー、カルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ビニルカルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピロール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、アセチレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、イソチアナフェン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ヘプタジエン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマーなどの高分子、金属ナフサロシアニンおよびその誘電体、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン類およびそれらの誘導体、ジアミン類、フェニルジアミン類およびそれらの誘導体、ペンタセンなどのアセン類およびその誘導体、チオフェンおよびその誘電体、ポルフィリン、テトラメチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、テトラベンズポルフィリン、モノアゾテトラベンズポルフィリン、ジアゾテトラベンズポルフィン、トリアゾテトラベンズポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、オクタアルキルチオポルフィラジン、オクタアルキルアミノポルフィラジン、ヘミポルフィラジン、クロロフィル等の無金属ポルフィリンや金属ポルフィリン及びそれらの誘導体、シアニン色素、メロシアニン色素、スクアリリウム色素、キナクリドン色素、アゾ色素、アントラキノン、ベンゾキノン、ナフトキノン等のキノン系色素などの低分子が利用され得る。
ここで、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンまたは金属ナフサロシアニンの中心金属としては、マグネシウム、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、白金、鉛などの金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物が利用され得る。
上記から分かるように、本実施の形態に係るヘテロ接合部300を有するヘテロ接合素子は、膜面内方向に平行な第一のヘテロ接合面J12,J13と、膜厚方向に平行な第二のヘテロ接合面J11(当然、第二のヘテロ接合面J11と第一のヘテロ接合面J12,J13とは垂直である)との両方有している。
以上のように、本実施の形態に係る太陽電池400は上記のように構成されているので、実施の形態1と同様の効果を有する。つまり、上記キャリア過程の効率および上記エキシトン過程の効率の向上を両立させることができ、結果として、光電変換のエネルギー変換効率の高いヘテロ接合素子(太陽電池400)を提供することができる。
なお、図7の構成の他に後述する構成(図8,9,10)であっても、上記と同様の効果を有することができる。
図8の構成は、図7の構成と異なり、透明電極20側に電子受容性層12が形成されており、裏面電極30側に電子供与性層11が形成されている。その他の図8の構成は、図7の構成と同様である。
また、図9の構成は、図7の構成と異なり、基板10が裏面電極30側に形成されている。ここで、図9の構成では、基板10は透明性を有する必要は無い。その他の図9の構成は、図7の構成と同様である。
また、図10の構成は、図8の構成と異なり、基板10が裏面電極30側に形成されている。ここで、図10の構成では、基板10は透明性を有する必要は無い。その他の図10の構成は、図8の構成と同様である。
なお、図8,10の構成では、電子受容性層12が第一の層と把握でき、電子供与性層11が第二の層と把握できる。
また、図11に示すように、電子供与性ラメラ層13と電子受容性ラメラ層14との接合面J11が、電子供与性層11の主面および電子受容性層12の主面に対して垂直な方向成分を有する構成であっても良い。つまり、前記各主面に対して斜め方向に、前記接合面J11が形成されていても良い。図8乃至図10の構成においても同様に、電子供与性ラメラ層13と電子受容性ラメラ層14との接合面J11が、電子供与性層11の主面および電子受容性層12の主面に対して垂直な方向成分を有する構成であっても良い。しかし、上記キャリア移動度の向上に起因したキャリア過程の効率の上昇の観点から、図7,8〜10に示す構成(つまり、接合面J11が前記各種面に対して垂直(y方向に平行)である構成)の方がよりエネルギー変換効率が高くなる。
なお、図7で示した構造のエネルギー利用(変換)効率(所定の入射光エネルギーに対する、電荷分離が起こるヘテロ接合界面まで到達可能な光エネルギーの割合)ηは、上式(1)〜(5)を用いて表すことができる。太陽電池400の場合、太陽光をどれだけ吸収できるか、また吸収した太陽光エネルギー(すなわち、ヘテロ接合部300内で生成したエキシトン)をどれだけ接合面J11,J12,J13に運べるかが、当該エネルギー利用(変換)効率ηを決める。
ここで、本実施の形態の場合では、ΔE(α)は、電子供与性を有する有機材料(たとえば、電子供与性層11、電子供与性ラメラ層13)のHOMO(最高占有分子軌道)−LUNO(最低非占有分子軌道)エネルギーギャップである。ΔE(β)は、電子受容性を有する有機材料(たとえば、電子受容性層12、電子受容性ラメラ層14)のHOMO−LUMOエネルギーギャップである。I(λ)は、基準太陽光スペクトルAM1.5,1SUNのスペクトルの強度である。α(α)は、電子供与性を有する有機材料(たとえば、電子供与性層11、電子供与性ラメラ層13)の吸光係数である。α(β)は、電子受容性を有する有機材料(たとえば、電子受容性層12、電子受容性ラメラ層14)の吸光係数である。β(α)は、電子供与性を有する有機材料(たとえば、電子供与性層11、電子供与性ラメラ層13)のエキシトン拡散距離の逆数である。β(β)は、電子受容性を有する有機材料(たとえば、電子受容性層12、電子受容性ラメラ層14)のエキシトン拡散距離の逆数である。∫AM1.5(λ)dλは、基準太陽光スペクトル強度AM1.5,1SUNの全波長積分であり、エネルギー密度として0.1Wcm-2を示す。
本実施の形態においても、式(1)〜(5)を用いることにより、図7に示したヘテロ接合素子300の構造パラメータ(電子供与性層11の厚さLα、電子受容性層12の厚さLβ、電子供与性ラメラ層13の厚さlα、電子受容性ラメラ層14の厚さlβ、交互へテロ接合層15の膜厚方向の厚さLb)を最適設計(つまり、式(1)を最大とするように、前記各寸法を設計)することが可能となる。これにより、高いエネルギー利用(変換)効率ηを有する太陽電池400を提供することができる。
なお、本実施の形態では、上式(2)は、電子供与性層11と電子受容性ラメラ層14とのヘテロ接合面J12における太陽光エネルギー利用効率である。また、上式(3)は、電子受容性層12と電子供与性ラメラ層13とのヘテロ接合面J13における太陽光エネルギー利用効率である。また、上式(4)、(5)は、交互へテロ接合層15全体における電子供与性ラメラ層13と電子受容性ラメラ層14とのヘテロ接合面J11における太陽光エネルギー利用効率である。
また、図8の構成のように、透明電極10側に電子受容性層12を形成し、裏面電極30側に電子供与性層11を形成した場合には、式(2)、(3)の表記において、電子供与性層11のパラメータと電子受容性層12のパラメータを入れ替える必要がある。また、式(4)、(5)において、ラメラ部への到達光強度が変更する。つまり、実施の形態1で説明したように、式(2)の代わりに式(6)を用いる必要があり、式(3)の代わりに式(7)を用いる必要がある。さらに、式(4)の代わりに式(8)を用いる必要があり、式(5)の代わりに式(9)を用いる必要がある。
<実施の形態3>
本実施の形態では、エネルギー利用(変換)効率ηを最大とすることができる、p型ラメラ層3(または電子供与性ラメラ層13)の膜厚lαとn型ラメラ層4(または電子受容性ラメラ層14)の膜厚lβとの比について言及する。
本実施の形態では、エネルギー利用(変換)効率ηを最大とすることができる、p型ラメラ層3(または電子供与性ラメラ層13)の膜厚lαとn型ラメラ層4(または電子受容性ラメラ層14)の膜厚lβとの比について言及する。
本実施の形態では、図7の構成において、電子供与性層11および電子供与性ラメラ層13として、銅フタロシアニン(有機材料)を採用した。また、電子受容性層12および電子受容性ラメラ層14として、C60(有機材料)を採用した。式(1)〜(5)を用いて、前記有機材料を採用した場合の太陽光エネルギー利用(変換)効率ηとラメラ厚比(lα/(lα+lβ))との関係をシミュレーションした。当該シミュレーション結果を図12に示す。
ここで、銅フタロシアニンのエキシトン拡散距離は、10nmである。また、C60のエキシトン拡散距離は、40nmである。また、当該シミュレーションとして、交互ヘテロ接合層15の膜厚方向の厚さLbを1μmとし、電子供与性ラメラ層13と電子受容性ラメラ層14のラメラ繰り返し単位厚(lα+lβ)を100nmとした。つまり、図12は、交互ヘテロ接合層15の厚さLbおよびラメラ繰り返し単位厚(lα+lβ)が一定の値(条件)でのシミュレーション結果である。なお、電子供与性層11の膜厚Lαを16nmとし、電子受容性層12の膜厚Lβを92nmとした。
図12のシミュレーション結果より、ラメラ厚比(lα/(lα+lβ))が「0.2」のとき、太陽光エネルギー利用効率ηが最大となることが分かった。つまり、電子供与性ラメラ層13の膜厚lα:電子受容性ラメラ層14の膜厚lβ=1:4、であるとき、太陽光エネルギー利用効率ηが最大となる。当該比は、エキシトン拡散距離の比(10nm:40nm)と同じである。
つまり、電子供与性ラメラ層13の膜厚lα:電子受容性ラメラ層14の膜厚lβ=電子供与性ラメラ層13のエキシトン拡散距離:電子受容性ラメラ層14のエキシトン拡散距離、の場合に、太陽光エネルギー利用効率ηが最大となる。
当該膜厚とエキシトン拡散距離との関係は、ヘテロ接合部100が無機半導体材料で形成された図1,3,4,5の構成、ヘテロ接合部300が他の有機材料で形成された図7〜10の構成についても、同様に成立することが分かった。ヘテロ接合部100が無機半導体材料で形成された場合には、p型ラメラ層3の膜厚lα:n型ラメラ層4の膜厚lβ=p型ラメラ層3のエキシトン拡散距離:n型ラメラ層4のエキシトン拡散距離を満たす場合に、太陽光エネルギー利用効率ηが最大となる。
以下の実施の形態4乃至7では、上記ラメラ厚比の関係を用いて、本発明に係るヘテロ接合部100,300を有するヘテロ接合素子の効果を説明する。
<実施の形態4>
本実施の形態では、図7のヘテロ接合素子300の構成において、電子供与性層11および電子供与性ラメラ層13として、銅フタロシアニン(有機材料)を採用した。また、電子受容性層12および電子受容性ラメラ層14として、C60(有機材料)を採用した。式(1)〜(5)を用いて、前記有機材料を採用した場合の太陽光エネルギー利用(変換)効率ηと交互ヘテロ接合層15の膜厚Lbとの関係をシミュレーションした。当該シミュレーション結果を図13に示す。
本実施の形態では、図7のヘテロ接合素子300の構成において、電子供与性層11および電子供与性ラメラ層13として、銅フタロシアニン(有機材料)を採用した。また、電子受容性層12および電子受容性ラメラ層14として、C60(有機材料)を採用した。式(1)〜(5)を用いて、前記有機材料を採用した場合の太陽光エネルギー利用(変換)効率ηと交互ヘテロ接合層15の膜厚Lbとの関係をシミュレーションした。当該シミュレーション結果を図13に示す。
ここで、当該シミュレーションでは、電子供与性ラメラ層13の膜厚lαと電子受容性ラメラ層14の膜厚lβとを変化させた。ただし、電子供与性ラメラ層13の膜厚lα:電子受容性ラメラ層14の膜厚lβ=電子供与性ラメラ層13のエキシトン拡散距離:電子受容性ラメラ層14のエキシトン拡散距離=1:4の関係は、維持されている。また、電子供与性層11の膜厚Lαを16nmとし、電子受容性層12の膜厚Lβを92nmとした。
図13において、Lb=0の切片の値が、単一ヘテロ接合構成(図14:図7において交互ヘテロ接合層15の無い構成)の場合の太陽光エネルギー利用効率η(=6.8%)である。
図13から分かるように、本発明の構成のように、上記構成を有する交互ヘテロ接合層15を電子供与性層11と電子受容性層12との間に導入することにより、太陽光エネルギー利用効率ηは大きく増大する。たとえば、膜厚Lbが10μm、電子供与性ラメラ層13の膜厚lαが5nm、電子受容性ラメラ層14の膜厚lβが20nmである相互ヘテロ接合層15を、図14の構成の電子供与性層11と電子受容性層12との間に導入する(図7の構成と把握できる)。当該交互ヘテロ接合層15の導入により、図14の構成のときの太陽光エネルギー利用効率6.8%が、約38%程度まで増大することが、図13から読み取ることができる。
また、図13から分かるように、交互ヘテロ接合層15の膜厚Lbを所定の値まで増加させると、太陽光エネルギー効率ηは急激に増加する。そして、交互ヘテロ接合層15の膜厚Lbを所定の値以上に増加させると、太陽光エネルギー効率ηは緩やかに増加し、一定値に近づく。
また、電子供与性ラメラ層13の膜厚lαおよび電子受容性ラメラ層14の膜厚lβが薄いほど、太陽光エネルギー利用効率ηが増加する傾向にあることが、図13のシミュレーション結果から読み取ることができる。
<実施の形態5>
本実施の形態では、図1のヘテロ接合部100を有するヘテロ接合素子において、当該ヘテロ接合部100として、膜厚方向の厚さが200μmのシリコンバルク多結晶(無機半導体材料)を採用した。この場合における、太陽光エネルギー利用(変換)効率ηの効果について、上式(1)〜(5)を用いて以下に記す。
本実施の形態では、図1のヘテロ接合部100を有するヘテロ接合素子において、当該ヘテロ接合部100として、膜厚方向の厚さが200μmのシリコンバルク多結晶(無機半導体材料)を採用した。この場合における、太陽光エネルギー利用(変換)効率ηの効果について、上式(1)〜(5)を用いて以下に記す。
ここで、シリコンバルク多結晶のエキシトン拡散距離に関して、文献値が無い。したがって、まず、シリコン単結晶のエキシトン拡散距離の文献値(50μm)から、当該シリコンバルク多結晶のエキシトン拡散距離を推定する。
ウエハ厚(p型層1とn型層2との合計厚)を200μmとしたシリコン単結晶の単一ヘテロ接合構造(図15:図1において交互ヘテロ接合層5が省略した構成)の場合、式(2),(3)から、p型層1の膜厚Lαが7μmのとき、太陽光エネルギー利用効率ηは、最大値39.1%をとることが計算できる。
一方、シリコン単結晶太陽電池の全体の変換効率は、最大値24.7%であり、シリコンバルク多結晶太陽電池の全体の変換効率は、最大値20.3%であることが報告されている。
ここで、シリコンバルク多結晶太陽電池の太陽光エネルギー利用効率と全体の変換効率の差分値が、シリコン単結晶太陽電池の太陽光エネルギー利用効率と全体の変換効率の差分値(39.1%−24.7%=14.4%)と、同じ値であると仮定する。すると、シリコンバルク多結晶太陽電池の太陽光エネルギー利用効率ηは、34.7%(=20.3%(全体の変換効率)+14.4%(差分値))と見積もることができる。
したがって、太陽光エネルギー利用効率の値34.7%を示すときのエキシトン拡散距離は、式(2),(3)から逆算できる。つまり、シリコンバルク多結晶のエキシトン拡散距離が計算できる。当該計算の結果、シリコンバルク多結晶のエキシトン拡散距離は、11μmである。
次に、図16に、図15に示す単一ヘテロ接合構造において、p型層1およびn型層2がシリコンバルク多結晶の場合のシミュレーション結果を示す。図16は、シリコンバルク多結晶ウエハ厚(p型層1+n型層2)を200μmとし、シリコンバルク多結晶のエキシトン拡散距離を11μmとした場合のシミュレーション結果である。なお、図16の横軸は、p型層1の膜厚(cm)であり、縦軸は、太陽光エネルギー利用効率η(%)である。
図16から分かるように、シリコンバルク多結晶から成る単一ヘテロ接合構造(図15の構成)の太陽光エネルギー利用効率ηは、p型層1の膜厚が3μmのときに、最大値34.5%を示す。
次に、図17に、上式(1)〜(5)用いて導出した、図1のヘテロ接合部100がシリコンバルク多結晶である場合のシミュレーション結果を示す。図17は、p型層1の膜厚Lαを50nmとし、n型層2の膜厚Lβを50nmとし、p型ラメラ層3の膜厚lαを5μmとし、n型ラメラ層4の膜厚lβを5μmとし、シリコンバルク多結晶のエキシトン拡散距離を11μmとした場合のシミュレーション結果である(前記において、実施の形態3で説明した、p型ラメラ層3の膜厚lα:n型ラメラ層4の膜厚lβ=p型ラメラ層3のエキシトン拡散距離:n型ラメラ層4のエキシトン拡散距離、を適用している)。図17の横軸は、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lb(cm)であり、縦軸は、太陽光エネルギー利用効率η(%)である。
図17から分かるように、図1に示す構成において、ヘテロ接合部100にシリコンバルク多結晶を使用することにより、太陽光エネルギー利用効率ηは、最大値39.7%となる。当該値(39.7%)は、シリコンバルク多結晶から成る単一ヘテロ接合構造(図15)の太陽光エネルギー利用効率ηよりも、5.2%(=39.7%−34.5%)も高い。つまり、交互ヘテロ接合層5を設けることにより、太陽光エネルギー利用効率が上昇することが分かる。
さらに、図1のヘテロ接合部100にシリコンバルク多結晶を使用した場合の、最大太陽光エネルギー利用効率値(39.7%)は、シリコンバルク単結晶から成る単一ヘテロ接合構造(図15)の太陽光エネルギー利用効率の最大値(39.1%)よりも、高くなっている。
<実施の形態6>
本実施の形態では、図1のヘテロ接合部100を有するヘテロ接合素子において、当該ヘテロ接合部100として、膜厚方向の厚さが数十μmの薄膜ポリシリコン(無機半導体材料)を採用した。この場合における、太陽光エネルギー利用(変換)効率ηの効果について、上式(1)〜(5)を用いて以下に記す。
本実施の形態では、図1のヘテロ接合部100を有するヘテロ接合素子において、当該ヘテロ接合部100として、膜厚方向の厚さが数十μmの薄膜ポリシリコン(無機半導体材料)を採用した。この場合における、太陽光エネルギー利用(変換)効率ηの効果について、上式(1)〜(5)を用いて以下に記す。
ここで、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離に関して、文献値が無い。したがって、まず、シリコン単結晶のエキシトン拡散距離の文献値(50μm)から、当該薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離を推定する。
実施の形態5で述べたように、シリコン単結晶の単一ヘテロ接合構造の場合、太陽光エネルギー利用効率ηは、最大値39.1%をとることが計算できる。
一方、シリコン単結晶太陽電池の全体の変換効率は、最大値24.7%であり、薄膜ポリシリコン太陽電池の全体の変換効率は、最大値16.6%である報告されている。しかし、当該最大値(16.6%)は、単一ヘテロ接合構造ではなく、p−i−n接合構造に関するものである。したがって、単一ヘテロ接合構造の薄膜ポリシリコン太陽電池の全体の変換効率を、最大値10%と仮定する。
ここで、薄膜ポリシリコン太陽電池の太陽光エネルギー利用効率と全体の変換効率の差分値が、シリコン単結晶太陽電池の太陽光エネルギー利用効率と全体の変換効率の差分値(39.1%−24.7%=14.4%)と、同じ値であると仮定する。すると、薄膜ポリシリコン太陽電池の太陽光エネルギー利用効率ηは、24.4%(=10%(全体の変換効率)+14.4%(差分値))と見積もることができる。
したがって、太陽光エネルギー利用効率の値24.4%を示すときのエキシトン拡散距離は、式(2),(3)から逆算できる。つまり、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が計算できる。当該計算の結果、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離は、2.2μmである。
次に、図18に、図15に示す単一ヘテロ接合構造において、p型層1およびn型層2が薄膜ポリシリコンの場合のシミュレーション結果を示す。図18は、p型層1およびn型層2を共に同じとし、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離を2.2μmとした場合のシミュレーション結果である。図18の横軸は、p型層1(n型層2)の膜厚(cm)であり、縦軸は、太陽光エネルギー利用効率η(%)である。
図18から分かるように、薄膜ポリシリコンから成る単一ヘテロ接合構造(図15の構成)の太陽光エネルギー利用効率ηは、p型層1およびn型層2の膜厚が1.3μmのときに、最大値24.5%を示す。
次に、図19に、上式(1)〜(5)用いて導出した、図1のヘテロ接合部100が薄膜ポリシリコンである場合のシミュレーション結果を示す。図19は、p型層1の膜厚Lαを50nmとし、n型層2の膜厚Lβを50nmとし、p型ラメラ層3の膜厚lαおよびn型ラメラ層4の膜厚lβを1,3,5μmと変化させ、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離を2.2μmとした場合のシミュレーション結果である(前記において、実施の形態3で説明した、p型ラメラ層3の膜厚lα:n型ラメラ層4の膜厚lβ=p型ラメラ層3のエキシトン拡散距離:n型ラメラ層4のエキシトン拡散距離、を適用している)。図19の横軸は、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lb(cm)であり、縦軸は、太陽光エネルギー利用効率η(%)である。
図1に示す構成において、ヘテロ接合部100に薄膜ポリシリコンを使用する。すると、図19から分かるように、p型ラメラ層3の膜厚lαおよびn型ラメラ層4の膜厚lβが共に1μmである場合において、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbが20μmのとき、太陽光エネルギー利用効率ηは、35.2%となる。当該利用効率値(35.2%)は、薄膜ポリシリコンから成る単一ヘテロ接合構造(図15)の太陽光エネルギー利用効率ηの最大値よりも、10.7%(=35.2%−24.5%)も高い。つまり、交互ヘテロ接合層5を設けることにより、太陽光エネルギー利用効率が上昇することが分かる。
また、図1のヘテロ接合部100に薄膜ポリシリコンを使用した場合の前記太陽光エネルギー利用効率値(35.2%)は、シリコンバルク多結晶から成る単一ヘテロ接合構造(図15)の太陽光エネルギー利用効率の最大値(34.5%)よりも、高くなっている。
また、図19から分かるように、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbを所定の値まで増加させると、太陽光エネルギー効率ηは急激に増加する。そして、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbを所定の値以上に増加させると、太陽光エネルギー効率ηは緩やかに増加し、一定値に近づく。
なお、図19を参酌すると、p型ラメラ層3の膜厚lαおよびn型ラメラ層4の膜厚lβが共に1μmである場合、交互ヘテロ接合層5の膜厚が50μmのときに、太陽光エネルギー利用効率ηは、37.3%に達する。
さらに、p型ラメラ層3の膜厚lαおよびn型ラメラ層4の膜厚lβが薄いほど、太陽光エネルギー利用効率ηが増加する傾向にあることが、図19から読み取ることができる。
なお、図1のヘテロ接合部100にシリコンバルク多結晶を使用した構成(つまり、実施の形態5で言及した膜厚の厚いヘテロ接合部100)よりも、図1のヘテロ接合部100に薄膜ポリシリコンを使用した構成(つまり、本実施の形態で言及した膜厚の薄いヘテロ接合部100)の方が、実際の太陽電池製品を考慮すると、より実用的である。
<実施の形態7>
実施の形態6では、薄膜ポリシリコンを構成する結晶粒の粒径が等方的な球形を想定している。つまり、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が、3次元的に等方的であり、2.2μmとした。しかし、薄膜ポリシリコンの成膜プロセスによって、結晶粒の粒径が異方性を有することが一般的であると考えられる。換言すれば、薄膜ポリシリコンの成膜プロセスを考慮すると、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が、膜面内方向(たとえば図1のx−z面)と膜厚方向(たとえば図1のy方向)とで異方的である、ことが一般的であると考えられる。
実施の形態6では、薄膜ポリシリコンを構成する結晶粒の粒径が等方的な球形を想定している。つまり、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が、3次元的に等方的であり、2.2μmとした。しかし、薄膜ポリシリコンの成膜プロセスによって、結晶粒の粒径が異方性を有することが一般的であると考えられる。換言すれば、薄膜ポリシリコンの成膜プロセスを考慮すると、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が、膜面内方向(たとえば図1のx−z面)と膜厚方向(たとえば図1のy方向)とで異方的である、ことが一般的であると考えられる。
たとえば、アモルファスポリシリコン薄膜を、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)2ωレーザでアニールしたとする。当該場合には、膜面内方向の粒径が大きい結晶粒が形成されることが報告されている。つまり、当該アニール処理が施された場合、アモルファスポリシリコンの結晶粒は、結晶粒の膜厚方向(たとえば図1のy方向)の粒径は、膜面内方向(図1のx−z面方向)の粒径よりも小さくなる、ことが報告されている。
ここで、上記からも分かるように、ヘテロ接合部100(より具体的には、交互ヘテロ接合層5)を構成する無機半導体材料の結晶粒の粒径と、当該無機半導体材料のエキシトン拡散距離との関係は比例関係にある。そこで、薄膜ポリシリコンを構成する結晶粒の粒径が異方性を有することを想定して、太陽エネルギー利用(変換)効率ηを考察するに際して、以下のシミュレーションを行った。つまり、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が異方性を有する場合を想定して、上式(1)〜(5)を用いてシミュレーションを行った。
図20は、図1のヘテロ接合部100が薄膜ポリシリコンであり、エキシトン拡散距離が異方性を有する場合のシミュレーション結果である。
図20は、p型層1の膜厚Lαを50nmとし、n型層2の膜厚Lβを50nmとし、p型ラメラ層3の膜厚lαおよびn型ラメラ層4の膜厚lβを1,3,5μmと変化させた場合のシミュレーション結果である(前記において、実施の形態3で説明した、p型ラメラ層3の膜厚lα:n型ラメラ層4の膜厚lβ=p型ラメラ層3のエキシトン拡散距離:n型ラメラ層4のエキシトン拡散距離、を適用している)。
また、図20は、薄膜ポリシリコンの膜厚方向(図1のy方向)のエキシトン拡散距離を2.2μmとし、膜面内方向(図1のx−z面方向)のエキシトン拡散距離を5μmとした場合のシミュレーション結果である。このように、本実施の形態でのシミュレーションでは、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離は異方性を有する。特に、膜厚方向のエキシトン拡散距離は、膜面内方向のエキシトン拡散距離よりも小さい。
なお、図20の横軸は、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lb(cm)であり、縦軸は、太陽光エネルギー利用効率η(%)である。
エキシトン拡散距離が等方的であるとした図19のシミュレーション結果と、エキシトン拡散距離が異方的であるとした図20のシミュレーション結果とを比較する。
すると、図19,20共に、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβが、1μm→3μm→5μmと変化すると、太陽光エネルギー利用効率ηが減少することが分かる。。しかし、その減少の程度が、エキシトン拡散距離が異方的(膜面内方向エキシトン拡散距離>膜面厚方向のエキシトン拡散距離)である方が、エキシトン拡散距離が等方的である場合よりも小さいことが分かる。
たとえば、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβが5μm、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbが50μmの場合、図19(エキシトン拡散距離が等方的)の結果では、太陽光エネルギー利用効率ηは、27.8%であった。また、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβが1μm、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbが50μmの場合、図19(エキシトン拡散距離が等方的)の結果では、太陽光エネルギー利用効率ηは、約37%であった。つまり、図19(エキシトン拡散距離が等方的)の場合では、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβが1μmから5μmへと減少すると、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbが50μmの場合において、太陽光エネルギー利用効率ηは、約9%以上も減少する。
これに対して、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβが5μm、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbが50μmの場合、図20(エキシトン拡散距離が異方的)の結果では、太陽光エネルギー利用効率ηは、35.2%であった。また、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβが1μm、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbが50μmの場合、図20(エキシトン拡散距離が異方的)の結果では、太陽光エネルギー利用効率ηは、約37%であった。つまり、図20(エキシトン拡散距離が異方的)の場合では、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβが1μmから5μmへと減少すると、交互ヘテロ接合層5の膜厚Lbが50μmの場合において、太陽光エネルギー利用効率ηは、約2%程度しか減少しない。
このことは、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が異方的(膜厚方向のエキシトン拡散距離<膜面内方向のエキシトン拡散距離)である場合には、エキシトン拡散距離が等方的である場合よりも、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβをより大きく設定することが可能であることを示している。換言すれば、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が上記方向に異方的である場合には、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβを大きくしたとしても、高い太陽光エネルギー利用効率ηを維持することができる。
このように、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβを大きく設計・製造できることは、薄膜形成プロセス上、とても有利な条件となる。
ここで、前記の通り、ヘテロ接合部100(より具体的に、交互ヘテロ接合層5)を構成する無機半導体材料のエキシトン拡散距離と、当該無機半導体材料の結晶粒の粒径との関係は比例関係にある。したがって、薄膜ポリシリコンのエキシトン拡散距離が異方的(膜厚方向のエキシトン拡散距離<膜面内方向のエキシトン拡散距離)である場合とは、すなわち、薄膜ポリシリコンを構成する結晶粒の結晶粒が異方的(交互ヘテロ接合層5の膜厚方向の粒径<交互ヘテロ接合層5の膜面内方向の粒径)であることを意味することになる。
以上のように、ヘテロ接合部100(交互ヘテロ接合層5)を構成する無機半導体材料の粒子径を、上記方向に異方性を持たせる。つまり、交互ヘテロ接合層5の膜厚方向(図1のx−z面方向)の粒径は、交互ヘテロ接合層5の膜面内方向(図1のy方向)の粒径よりも小さい。
このような構成を採用することにより、各ラメラ層3,4の膜厚lα,lβを厚くしたとしても、高い太陽光エネルギー利用効率ηを維持することができる。つまり、交互ヘテロ接合層5を構成する各ラメラ層3,4を、より厚く形成できる。したがって、当該交互ヘテロ接合層5の製造プロセスの有利な条件を採用でき、簡単に当該交互ヘテロ接合層5を作成することができる。
<実施の形態8>
本実施の形態では、薄膜ヘテロ接合素子から成る太陽電池の製造方法について、工程断面図を用いて説明する。なお、以下では、ポリシリコンから成るヘテロ接合部100を有する太陽電池200(図1)の製造方法について言及する。
本実施の形態では、薄膜ヘテロ接合素子から成る太陽電池の製造方法について、工程断面図を用いて説明する。なお、以下では、ポリシリコンから成るヘテロ接合部100を有する太陽電池200(図1)の製造方法について言及する。
まず、図21に示すように、ガラス基板10を用意し、当該ガラス基板10上に透明電極20を形成する。さらに、図21に示すように、透明電極20上に、厚さ約50nmのアモルファスシリコン61を成膜する。
次に、アモルファスシリコン61に対して、エキシマレーザを用いたアニール処理を施す。これにより、図22に示すように、透明電極20上に、ポリシリコン種結晶62を作成する。
次に、図22に示した製造途中の構造体に対して、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)処理を施す。これにより、図23に示すように、所定の膜厚を有するp型のポリシリコン層63が形成される。
次に、p型のポリシリコン層63上に、レジスト64を形成する。そして、フォトリソグラフィ工程とエッチング処理とを組み合わせて実施することにより、レジスト64に所定のパターンの開口部65を形成する。そして、当該レジスト64をマスクとして用いて、ポリシリコン層63に対して、エッチング処理を実施する。当該工程までを図24に示す。
次に、レジスト64を除去した後、プラズマCVDによりn型ポリシリコン層を成膜する。当該工程までにより、図25に示すように、p型層1、p型ラメラ層3、n型ラメラ層4、およびn型層2が形成される。また、p型ラメラ層3およびn型ラメラ層4との繰り返し構造により、交互ヘテロ接合層5が構成される。
その後、図26に示すように、n型層2上に、光反射機能を有する裏面電極30を形成する。
以上により、図1で示した構成の太陽電池200が完成する。なお、上記プロセスを採用した場合、図26に示すように裏面電極30の主面はフラットではなく、凹凸を持つテクスチャー状に形成される。したがって、当該テクスチャー状に形成されることにより、光利用効率の向上を図ることができる。なお、プラズマCVD法を採用した場合には、反応ガスを調整することで、直接的にp型またはn型を有するポリシリコンを成膜することができる。したがって、上記プラズマCVD法を採用することにより、不純物イオンの注入・拡散等のプロセスを省略することができる。
なお、上記では、p型ポリシリコン層63を作成するために、エキシマレーザでポリシリコン種結晶62を作成した後、プラズマCVD処理を施している。しかし、次のような方法により、p型ポリシリコン層63を形成することもできる。
つまり、100nm程度のアモルファスシリコンを形成した後、当該アモルファスシリコンに対して、YAG2ω(波長:532nm)レーザを用いたアニール処理を施す。当該アモルファスシリコンの形成とアニール処理を複数回繰り返して実施する。これにより、所定の膜厚のp型ポリシリコン層63を形成することもできる。
また、プラズマCVD処理でなく、従来から提唱されているその他各種CVD法を用いて、所定の膜厚のp型ポリシリコン層63を形成しても良い。
<実施の形態9>
本実施の形態では、図7で示した、有機材料から成るヘテロ接合部300の製造方法について説明する。
本実施の形態では、図7で示した、有機材料から成るヘテロ接合部300の製造方法について説明する。
まず、電子供与性(ドナー:D)機能団を有する分子と電子受容性(アクセプター:A)機能団を有する分子との各々を、モノマーユニットとして含むブロック共重合体((D)m−(A)n:m,nは、重合度)を用いて、交互ヘテロ接合層15を形成する。
ブロック共重合体は、ミクロ相分離することが知られており、ラメラ状ミクロ相分離構造は、ブロック共重合体の平衡状態におけるミクロ相分離構造として良く知られている。2種類のブロックの重合度m,nを制御することにより、電子供与性ラメラ層13の膜厚lαおよび電子受容性ラメラ層14の膜厚lβを制御することが可能である。
また、DホモポリマーとAホモポリマーとを適当な割合で、D−Aブロック共重合体に混合する。当該方法によっても、電子供与性ラメラ層13の膜厚lαおよび電子受容性ラメラ層14の膜厚lβを制御することができる。
各ラメラ層13,14を、図7に示すようにy方向に配向させる技術としては、ゾーンヒーティング法や電界ポーリング法などがある。なお、垂直方向ラメラ構造を有するブロック共重合体の製造方法に係る先行技術として、特開2005−60583号公報が存在する。
上記までの方法により、各ラメラ層13,14が所定の方向に配向した、膜厚Lbを有する交互ヘテロ接合層15を形成する。上記より明らかなように、当該交互ヘテロ接合層15は、電子供与性機能団を有する分子と電子受容性機能団を有する分子との各々を、モノマーユニットとして含むブロック共重合体((D)m−(A)n:m,nは、重合度)から構成されている。
ガラス基板10上に形成された透明電極20上に、電子供与性層11を形成する。次に、当該電子供与性層11に対して、上記ブロック共重合体から成る交互ヘテロ接合層15を熱圧着する。そして、当該交互ヘテロ接合層15の面(電子供与性層11が形成されている面と対向する面)に対して、電子受容性層12を形成する。その後、電子受容性層12に、光反射機能を有する裏面電極30を形成する。当該工程までにより、図7の構成が完成する。
なお、次の方法により図7で示した太陽電池400を作成することもできる。つまり、各ラメラ層13,14が所定の方向に配向した、ブロック共重合体から成る交互ヘテロ接合層15の上面に電子供与性を有する分子、下面に電子受容性を有する分子をそれぞれ蒸着する。これにより、交互ヘテロ接合層15の上面に電子供与性層11が形成され、下面に電子受容性層12が形成される。その後、電子供与性層11上に透明電極20を形成し、電子受容性層12上に裏面電極30を形成する。
以上のように、本実施の形態では、有機材料から成る交互ヘテロ接合層15は、電子供与性機能団を有する分子と電子受容性機能団を有する分子との各々を、モノマーユニットとして含むブロック共重合体((D)m−(A)n:m,nは、重合度)から構成されている。
したがって、簡単かつ低コストの製造プロセスにより、実施の形態2に係るヘテロ接合部300を製造することができる。
1 p型層、2 n型層、3 p型ラメラ層、4 n型ラメラ層、5,15 交互ヘテロ接合層、10 (ガラス)基板、11 電子供与性層、12 電子受容性層、13 電子供与性ラメラ層、14 電子受容性ラメラ層、20 透明電極、30 裏面電極、61 アモルファスシリコン、62 ポリシリコン種結晶、63 ポリシリコン、100,300 ヘテロ接合部、200,400 太陽電池、Lα p型層(電子供与性層)の膜厚、Lβ n型層(電子受容性層)の膜厚、lα p型ラメラ層(電子供与性ラメラ層)の膜厚、lβ n型ラメラ層(電子受容性ラメラ層)の膜厚、Lb 交互ヘテロ接合層の膜厚、J1,J2,J3,J11,J12,J13 (ヘテロ)接合面。
Claims (6)
- 透明電極と他の電極とにより挟持されており、無機半導体材料から成るヘテロ接合素子であって、
前記透明電極上に形成される、第一の導電型を有する第一の層と、
前記他の電極上に形成されており、第二の導電型を有する第二の層と、
前記第一の層と前記第二の層とにより挟持されており、前記第一の導電型を有する第一のラメラ層と前記第二の導電型を有する第二のラメラ層とから構成される交互ヘテロ接合層とを、備えており、
前記交互ヘテロ接合層は、
前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層とを交互に接合することにより構成されており、
前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層との接合面は、
前記第一の層の主面および前記第二の層の主面の各々に対して、垂直な方向成分を有する、
ことを特徴とするヘテロ接合素子。 - 透明電極と他の電極とにより挟持されており、有機材料から成るヘテロ接合素子であって、
前記透明電極上に形成される、電子の供与または受容が可能な第一の層と、
前記他の電極上に形成されており、前記第一の層とは電子の供受方向が逆の第二の層と、
前記第一の層と前記第二の層とにより挟持されており、電子供与性を有する第一のラメラ層と電子受容性を有する第二のラメラ層とから構成される交互ヘテロ接合層とを、備えており、
前記交互ヘテロ接合層は、
前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層とを交互に接合することにより構成されており、
前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層との接合面は、
前記第一の層の主面および前記第二の層の主面の各々に対して、垂直な方向成分を有する、
ことを特徴とするヘテロ接合素子。 - 前記第一のラメラ層と前記第二のラメラ層との接合面は、
前記第一の層の主面および前記第二の層の主面の各々に対して、垂直である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘテロ接合素子。 - 前記第一のラメラ層の厚さと前記第二のラメラ層の厚さとの比は、
前記第一のラメラ層のエキシトン拡散距離と前記第二のラメラ層のエキシトン拡散距離との比である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘテロ接合素子。 - 前記無機半導体材料の結晶粒において、
膜厚方向の粒径は、
膜面内方向の粒径よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合素子。 - 前記交互ヘテロ接合層は、
電子供与性機能団を含む分子と電子受容性機能団を含む分子との各々を、モノマーユニットとして含むブロック共重合体から、構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のヘテロ接合素子。
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