JP2009054497A - エキシマランプおよびエキシマ光の照射方法 - Google Patents

エキシマランプおよびエキシマ光の照射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
グロー状放電による比較的低電圧での放電を維持することができ、放電用ガス圧が増大した場合であっても、エキシマランプの温度を過度に上昇させることなく、エキシマ光の放射強度を増大し得るエキシマランプを提供する。
【解決手段】
放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプであって、前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
F>0.764P−0.316 (I)
を満たすように調整されていることを特徴とするエキシマランプである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エキシマ光を放射するエキシマランプおよびエキシマ光の照射方法に関する。
従来より、塗料を硬化したり、半導体ウエハまたはガラス基板等の表面洗浄や表面改質等を行うために、エキシマランプを用いて、被処理対象物にエキシマ光を放射することが行われてきた。
エキシマ光の放射方法としては、誘電体バリア放電(オゾナイザ放電)を利用する方法が知られている。この方法では、石英等の誘電体からなる放電容器を電極間に配置した発光ユニットにおいて、放電容器内に封入されたキセノン等の放電用ガスに対し、上記電極から高周波電圧を印加し、放電を生じさせることによって、エキシマ光を得ている。
このようなエキシマランプを開示する文献として、例えば、非特許文献1を挙げることができ、この非特許文献1の図5には、放電容器に封入する放電用ガスの圧力を高めることにより、エキシマランプの発光強度が高まることが開示されている。
上林正典、外4名、"新しい紫外光源「エキシマランプ」に関する研究"1996年度 第5回 日本オゾン協会年次研究講演会 講演予稿集
しかしながら、上記誘電体バリア放電は、印加する交流電圧の1周期毎に放電が繰り返されるものであるため、常に10kV程度の高電圧を維持する必要がある。
これに対し、キセノンエキシマランプ等のエキシマランプにMHz帯の周波数で電力を供給した場合には、誘電体バリア放電ではなく、グロー状放電が生じることが知られている。このグロー状放電は、誘電体バリア放電とは異なり、連続した放電となるため、点灯開始時に放電空間に充填された放電ガスを絶縁破壊するために高電圧を印加する必要があるものの、その後は、比較的低電圧で放電を維持することができ、放電ギャップ内で均一な発光が得られることが知られている。
そこで、本発明者等は、誘電体バリア放電ではなく、グロー状放電により高出力のエキシマ光を生じさせるべく検討を進めたところ、エキシマ光の放射強度を増大させるために、発光ユニット内における放電用ガスの圧力を高めると、エキシマランプの温度も上昇することを見出した。図10に、放電用ガスの圧力を変化させた場合のエキシマランプ温度の変化図を示す。図10より、放電用ガスの圧力を上げて行くと、エキシマランプの温度も上昇することが分かるが、このように、エキシマランプの温度が上昇すると、冷却に必要な冷媒量が増加したり、ランプ寿命が短くなってしまう。
また、本発明者等が鋭意検討したところ、電圧の印加条件によっては、放電状態が、図11(a)に示すようなグロー状から、図11(b)に示すような数本のフィラメントを生じる状態に変化して、放射強度が低下してしまうことが判明した。
本発明は、このような事情のもとで、グロー状放電による比較的低電圧での放電を維持することができ、放電用ガス圧が増大した場合であっても、エキシマランプの温度を過度に上昇させることなく、エキシマ光の放射強度を増大し得るエキシマランプを提供することを目的とするものである。また、本発明は、上記エキシマランプを用いたエキシマ光の照射方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等が鋭意検討を重ねたところ、放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプであって、前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、特定式を満たすように調整されているエキシマランプにより、上記目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプであって、
前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
F>0.764P−0.316 (I)
を満たすように調整されていることを特徴とするエキシマランプ、
(2)前記エキシマランプが、
エキシマ光を放射するための放電容器および電圧印加用の複数の電極を有する発光ユニットと、
該発光ユニットを内部に収容し、光出射方向に光取出し窓を設けたランプ容器とを含み、
前記発光ユニットの放電容器内部に放電用ガスが、前記発光ユニットの放電容器外壁と前記ランプ容器の内壁との間に不活性ガスがそれぞれ封入されており、
前記放電用ガスの圧力と前記不活性ガスの圧力がともに0.05MPa以上で、両圧力の差の絶対値が0.03MPa以内になるように調整されている
上記(1)に記載のエキシマランプ、
(3)前記発光ユニットが、
並列して配置した複数の放電セルからなる放電容器と、
前記複数の放電セルの主表面に接するようにそれぞれ対向して配置した複数のエキシマ放電用平板状電極とを有しており、
前記放電容器は、放電容器の放電路に平行して設けられた光放射窓を有し、
前記放電容器内に封入した放電用ガスが放電して、エキシマ光を放射する上記(2)に記載のエキシマランプ、
(4)前記放電容器が、前記放電セルからなる複数の放電空間を貫通する放電用ガス流通孔をさらに有するものである上記(3)に記載のエキシマランプ、
(5)前記発光ユニットが、ランプ容器の外部から前記放電セルからなる放電空間内に放電用ガスを導く放電用ガス流通路を有し、
前記ランプ容器が、ランプ容器の外部からランプ容器内に不活性ガスを導く不活性ガス流通路を有するものである上記(2)〜(4)のいずれか1項に記載のエキシマランプ、
(6)前記印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、さらに下記式(II)
0.408P−0.954≧F (II)
を満たすように調整されている上記(1)〜(5)のいずれかに記載のエキシマランプ、
(7)放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプを用いたエキシマ光の照射方法であって、
前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
F>0.764P−0.316 (I)
を満たすように調整することを特徴とするエキシマ光の照射方法、
(8)前記エキシマランプが、
エキシマ光を放射するための放電容器および電圧印加用の複数の電極を有する発光ユニットと、
該発光ユニットを内部に収容し、光出射方向に光取出し窓を設けたランプ容器とを含み、
前記発光ユニットの放電容器内部に放電用ガスが、前記発光ユニットの放電容器外壁と前記ランプ容器の内壁との間に不活性ガスがそれぞれ封入されており、
前記放電用ガスの圧力と前記不活性ガスの圧力がともに0.05MPa以上で、両圧力の差の絶対値が0.03MPa以内になるように調整されている
上記(7)に記載のエキシマ光の照射方法、および
(9)前記放電容器への印加電圧の周波数F(MHz)を、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、さらに下記式(II)
0.408P−0.954≧F (II)
を満たすように調整する上記(8)に記載のエキシマ光の照射方法
本発明によれば、放電用ガスへの印加電圧の周波数F(MHz)を、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、所定式を満たすように調整することにより、グロー状放電による比較的低電圧での放電を維持しつつ、放電用ガス圧が増大した場合であっても、エキシマランプの温度を過度に上昇させることなく、エキシマ光の放射強度を増大させることが可能となる。
本発明のエキシマランプは、放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプであって、
前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
F>0.764P−0.316 (I)
を満たすように調整されていることを特徴とするものである。
本明細書において、エキシマランプとは、その作用において高出力のグロー状エキシマ光を放出する放電ランプを意味するが、その名称については、一般に必ずしも統一されておらず、本明細書では、これら放電ランプを総称して、「エキシマランプ」という。
本発明のエキシマランプにおいて、印加電圧の周波数F(MHz)は、放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
F>0.764P−0.316 (I)
を満たすように調整されている。
放電用ガスの圧力Pは0.05MPa以上であることが好ましく、放電用ガスの圧力が高い程、得られるエキシマ光の放射強度が高くなることから、放電用ガスの圧力は0.15MPa以上であることがより好ましく、0.2MPa以上であることがさらに好ましい。但し、放電用ガスの圧力が高すぎると、放電用ガスを封入する容器の壁の厚みを厚くする必要が生じ、実用的でなくなることから、放電用ガスの圧力Pは、1MPa以下であることが好ましく、0.3MPa以下であることがより好ましい。
放電用ガスへの印加電圧の周波数F(MHz)は、上記式(I)を満たす範囲内において極力低い値を採ることが好ましい。
上述したように、エキシマ光の放射強度を増大させるために、放電用ガス圧を高めた場合には、エキシマランプの温度が上昇し、このエキシマランプの温度上昇を抑制するために印加電圧の周波数を低下させた場合には、エキシマ光の放射強度が低下するという不具合が生じ得るが、本発明者等が鋭意検討したところ、驚くべきことに、印加電圧の周波数を式(I)を満たすように制御することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。放電容器への印加電圧の周波数F(MHz)が上記式(I)を満たすように調整することにより、放電形態がグロー状となり、比較的低電圧での放電を維持することが可能になるとともに、放電用ガス圧が増大しても、エキシマランプの温度を過度に上昇させることなく、エキシマ光の放射強度の低下を抑制することが可能となる。
放電用ガス圧の増大に伴う、エキシマランプの温度上昇や、エキシマ光放射強度の低下を抑制するという観点からは、上述したように、放電容器への印加電圧の周波数F(MHz)を、上記式(I)を満たす極力低い値とすることが好ましい。
また、放電容器への印加電圧の周波数F(MHz)は、放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、さらに下記式(II)
0.408P−0.954≧F (II)
を満たすように調整することが好ましい。
印加電圧の周波数F(MHz)を、式(I)と式(II)を満たす範囲内に調整することにより、エキシマランプの温度上昇を効果的に抑制しつつ、グロー状放電による比較的低電圧での放電を維持するという効果を、安定して得ることが可能になる。
放電容器への印加電圧の周波数F(MHz)は、通常、0.5〜10MHz程度であり、1〜3MHzであることがより好ましい。
放電容器への印加電圧は、放電条件により適宜決定されるが、通常、0.5MHzから10MHz程度の高周波領域において0.5kVp-pから20kVp-p程度の電圧領域が使用される。
以下、本発明のエキシマランプの具体的態様を、図面に基づいて説明する。
本発明のエキシマランプの具体的態様としては、エキシマ光を放射するための放電容器および電圧印加用の複数の電極を有する発光ユニットと、該発光ユニットを内部に収容し、光出射方向に光取出し窓を設けたランプ容器とを含み、前記発光ユニットの放電容器内部に放電用ガスが、前記発光ユニットの放電容器外壁と前記ランプ容器の内壁との間に不活性ガスがそれぞれ封入されており、前記放電用ガスの圧力と前記不活性ガスの圧力がともに0.05MPa以上で、両圧力の差の絶対値が0.03MPa以内になるように調整されているものを挙げることができる(以下、本態様をランプ態様Iという)。
図1は、ランプ態様Iの構成を説明するためのエキシマランプの概略断面図である。図1において、エキシマランプ1は、エキシマ光を放射するための放電容器6および電圧印加用の電極5、5を有する発光ユニット2と、発光ユニット2を内部に収容し、光出射方向に光取出し窓3を設けたランプ容器4とを含んでいる。
図1に示す発光ユニット2を構成する放電容器6は、略直方体形状の放電セル25からなり、箱状の放電容器6内には、図面手前側から奥側に放電空間が略箱状に広がっている。ランプ態様Iにおいて、発光ユニットを構成する放電容器の形状は、内部に放電用ガスを封入できる気密構造を有するものであれば特に制限されず、上記直方体形状の他、例えば、立方体状、円筒状、二重円筒状等種々の形状を採ることができる。また、高出力のエキシマ光を得るために、放電容器の内部に放電空間を複数形成してもよく、このような放電容器としては、後述するように、平板状電極間に放電セルを並列して複数配置し、内部に放電空間を並列して複数設けた放電容器を用いることが好ましい。
上記放電空間を形成する放電容器6は、誘電体材料で形成されているが、この誘電体材料としては、公知のもの、例えば、合成石英ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム等を用いることができる。
図1に示す光取り出し窓3は、主表面が丸形形状を有するものであるが、光取り出し窓3の形状に特に制限はなく、主表面が丸形形状を有するものの他、主表面が四角形形状を有するもの等種々のものを採用することができ、入手の容易性から主表面が丸形形状を有するものが好ましい。光取り出し窓3の材質も特に制限はないが、コストおよび強度を考慮した場合、合成石英ガラス、フッ化マグネシウム結晶、フッ化カルシウム結晶等が好ましい。また、光取り出し窓の大きさは、丸形である場合、直径2〜60cm程度が好ましく、厚さ2〜50mm程度が好ましい。
図1に示すランプ容器4は、円筒状の形状を有するものであるが、ランプ容器の形状としては、内部に不活性ガスを封入できる気密構造を有するものであれば特に制限されず、上記円筒形状の他、例えば、立方体状、直方体状等種々の形状を採ることができる。上記したとおり、入手の容易性から、光取り出し窓は丸形であることが好ましいことから、ランプ容器の形状も円筒状であることが好ましい。ランプ容器の形状が円筒状である場合、その大きさは、直径10〜70cm、高さ10〜80cm、側壁の厚さ1〜10mm程度が好ましい。ランプ容器の材質に特に制限はないが、放熱し易い材質であって、不純物ガスを発生しにくい材質であることが好ましく、例えばステンレススチール、アルミニウム等を挙げることができる。
光取り出し窓とランプ容器との間にはガスケット、Oリング等を設けて気密性を確保することが好ましい。
図1において、放電容器6の主表面には発光ユニット2を構成する電極5、5が設けられ、ランプ容器4の外部に設けられた高周波電源11と電気的に接続している。図1において、電極5は平板形状を有しているが、電極の形状に特に制限はなく、放電容器の形状等を考慮して種々の形状を採ることができる。
電極5が平板状である場合、その大きさは、縦2〜50cm、横2〜50cm、厚さ0.2〜5.0mm程度であることが好ましい。
電極5の材質は、電極間にエキシマ光を発生させ得る導電性材料であれば特に制限されないが、アルミニウムや、金属表面にアルミニウム膜や誘電体多層膜を設けたものであることが好ましい。表面にアルミニウム膜や誘電体多層膜を設ける金属としては、導電性や熱伝導性を考慮した場合、銅、銀、金等であることが好ましい。また、誘電体多層膜としては、フッ化マグネシウム膜とフッ化リチウム膜を交互に積層したものが好ましい。
図1において、放電容器6の内部には放電用ガスが、放電容器6の外壁とランプ容器4の内壁との間に不活性ガスがそれぞれ封入されており、平板状の電極5、5に対し、高周波電源11から電圧を印加することにより、放電容器6内に封入された放電用ガスが放電を生じ、エキシマ光を発生する。
放電用ガスとしては、キセノンガス等の希ガス、または希ガスと塩素との混合ガス等を挙げることができ、不活性ガスとしては、窒素ガスのほか、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス等の希ガスを挙げることができる。但し、不活性ガスとして上記希ガスを用いる場合、これらのガスは放電開始のための電離電圧が低く、放電容器の外部で放電を生ずる場合があるので、ランプ容器内における電極への配線を事前に十分に絶縁することが好ましい。
得られるエキシマ光の中心波長は、放電用ガスの種類によって決定され、例えば、キセノンガスの場合は172nmである。
ランプ態様Iにおいて、上記放電用ガスの圧力と上記不活性ガスの圧力はともに0.05MPa以上に調整され、両圧力の差の絶対値は0.03MPa以下になるように調整されている。すなわち、ランプ態様Iにおいては、放電用ガスの圧力を0.05MPa以上とし、放電容器外周に存在する不活性ガスの圧力を放電用ガスの圧力と同程度になるように調整することによって、放電容器に亀裂や破損を生じさせることなく、エキシマ光の放射強度を増大させることを可能ならしめたものである。
放電用ガスの圧力が高い程、得られるエキシマ光の放射強度が高くなることから、放電用ガスおよび不活性ガスの圧力は0.15MPa以上であることが好ましく、0.2MPa以上であることがより好ましい。但し、放電用ガスおよび不活性ガスの圧力が高すぎると、放電容器やランプ容器の壁の厚みを厚くする必要が生じ、実用的でなくなることから、放電用ガスおよび不活性ガスの圧力は、1MPa以下であることが好ましく、0.3MPa以下であることがさらに好ましい。また、放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力の差の絶対値は0.01MPa以内に調整されていることが好ましく、0.005MPa以内に調整されていることがより好ましい。
上記放電用ガスへ印加する電圧やその周波数は、例えば、図1に示す高周波電源11により調整することができる。
次に、上記放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力を調整する方法を図2を用いて説明する。
図2において、ランプ容器4の外部から放電容器6の放電空間に放電用ガスを導く放電用ガス流通路7は、放電用ガスを放電容器6内に封止するための封止手段である封止バルブ8と接続している。また、ランプ容器4の外部からランプ容器内に不活性ガスを導く不活性ガス流通路9は、不活性ガスをランプ容器内に封止するための封止手段である封止バルブ10と接続している。
図2において、エキシマランプ1には、放電用ガスおよび不活性ガスを、それぞれ封止バルブ8および封止バルブ10を介して給排気することを可能にするガス給排気装置12が接続されている。
放電容器6およびランプ容器4に、それぞれ放電用ガスおよび不活性ガスを供給する場合、先ずは放電容器6およびランプ容器4の内部の真空排気を行う。この真空排気は、真空ポンプ13を用い、上記封止バルブ8、封止バルブ10を開放した状態で真空引きすることにより行われるが、この場合、放電容器2の破裂を防止するために、放電容器内のガス圧P1とランプ容器内のガス圧P2の差圧を差圧計14で確認しながら、差圧ができる限り小さくなるように排気圧力調整バルブ15、15を開閉することが好ましい。
真空排気終了後、排気圧力調整バルブ15、15を閉じ、次いで、供給圧力調整バルブ16、16を開放することにより、放電用ガスボンベ17および不活性ガスボンベ18から、それぞれ放電用ガスおよび不活性ガスを供給する。この場合、放電用ガスと不活性ガスの圧力がそれぞれ0.05MPa以上の所望の圧力になるように、また、両圧力の差の絶対値が0.03MPa以内になるように、圧力計19、19および差圧計14を確認しつつ、供給圧力調整バルブ16、16を開閉する。
上記ガス給排気装置12は、バッファーとしてタンク20、20を有することが好ましい。
また、放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力の差を調整する手段として、図2に示されるような、容積可変手段21をさらに設けることもできる。図2において、容積可変手段21は、ランプ容器4内部の、放電用ガス流通路7から分岐するガス流通路の末端に設けられており、放電容器内のガス圧P1とランプ容器内のガス圧P2に差圧が生じた場合には、この容積可変手段21が伸縮することによって、放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力の差を小さくすることができる。また、容積可変手段21は、図3に示すようにランプ容器4の外部に設けることもでき、この場合は、放電用ガス流通路7から分岐するガス流通路の末端と、不活性ガス流通路9から分岐するガス流通路の末端に、それぞれ駆動装置22を有する容積可変手段21が設けられている。放電用ガス流通路7と不活性ガス流通路9にはそれぞれ圧力計19が設けられており、駆動装置22により容積可変手段21をそれぞれ伸縮することにより、2つの圧力計の示す圧力の差を小さくすることができる。このような容積可変手段21としては、ベローズ、ピストン、ダイヤフラム等を挙げることができる。
放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力を所望の値に調整した後、封止バルブ8、封止バルブ10を閉じることにより、これらのガスをエキシマランプ1に封止することができ、エキシマランプ1は、その後ガス給排気装置12から分離されて、図1または図4のような状態で各種用途に供することが可能になる。エキシマランプ1が有する封止バルブ8、封止バルブ10は、放電用ガス流通路7と不活性ガス流通路9を封じ切った上で取り外してもよいが、再度放電用ガスや不活性ガスを封入する場合に備え、取り外さないことが好ましい。また、放電用ガスと不活性ガスの封入時に容積可変手段21を用いた場合には、これらのガスの封入後においても、エキシマランプ1が容積可変手段21を有していることが好ましい。放電用ガスや不活性ガスの封入後において、万一これらのガスの圧力が変動した場合であっても、容積可変手段21により容易に差圧を調整することが可能になるからである。このため、容積可変手段21は、放電用ガスや不活性ガス封入後の差圧調整を目的として、予め設けておいてもよい。
次に、ランプ態様Iにおける発光ユニットの好ましい形態について説明する。
ランプ態様Iにおいては、前記発光ユニットが、並列して配置した複数の放電セルからなる放電容器と、前記複数の放電セルの主表面に接するようにそれぞれ対向して配置した複数のエキシマ放電用平板状電極とを有しており、前記放電容器は、放電容器の放電路に平行して設けられた光放射窓を有し、前記放電容器内に封入した放電用ガスが放電して、エキシマ光を放射するものであることが好ましい。
このようなエキシマランプの一例を図5に示す。
図5において、発光ユニット2は、並列して配置した複数の放電セル25からなる放電容器6と、複数の放電セル25の主表面に接するようにそれぞれ対向して配置した複数のエキシマ放電用平板状電極5とを有している。
このように、複数の対向する電極5、5間には、内部に空洞を有する略箱状の放電セル25が並列して複数配置されているので、放電容器6内には略箱状の放電空間が並列して複数形成される。また、電極5、5間の放電空間には、(図5の左右方向に延びる)放電路が形成され、図5に示すように、光放射窓23がこの放電路に平行して設けられている。高周波電源11から電極5を通じて電圧を印加することにより、上記放電空間に封入された放電用ガスが放電を生じ、エキシマ光を放射する。
本態様においては、電極を平板状にすることによって、光放射窓23の反対側(図5の上側)から光放射窓23(図5の下側)に向かう電極5、5間に広い放電空間を形成することが可能となり、電極5、5間の任意の箇所で発生したエキシマ光を積算しつつ、光放射窓23から高出力のエキシマ光を取り出すことが可能となる。この場合、平板状電極5を紫外光反射機能を有する材質で形成したり、放電セル6の内壁または外壁表面に紫外光反射機能を有する反射ミラーを形成したりして、図面上側で発生したエキシマ光を図面下側に取り出すことが好ましい。
なお、本発明において紫外光反射機能とは、少なくとも紫外光を反射し得る機能を意味し、紫外光反射機能を有する材質が、紫外光とともに可視光や赤外光を反射するものであってもよい。
このような反射ミラーの材質としては、アルミニウムや誘電体多層膜等を挙げることができ、誘電体多層膜としては、フッ化マグネシウム膜とフッ化リチウム膜を交互に積層したものが好ましい。
図5に示す態様においては、図の左端と右端に設けられた平板状電極以外の平板状電極は、隣り合う2つの放電空間に電圧を印加することが可能であることから、エキシマランプにおける平板状電極5の総数を減らし、コストの低減を図ることも可能となる。 放電空間の幅(放電路長)は1〜30mmであることが好ましく、3〜10mmであることがより好ましい。平板状電極5、5間に形成される放電空間の数は、被処理対象物の面積を考慮して適宜決定することができる。
図5に示すように、放電用ガス流通路7から各放電空間へ分岐する流通路を設けることにより、放電容器6の各放電空間内へ放電用ガスを封入することができるが、図6に示すように、放電容器6が、複数の放電空間を貫通する放電用ガス流通孔24を有することにより、放電用ガス流通路7を各放電空間へ分岐することなく、放電用ガスを封入することもできる。
上記ランプ態様I以外の、本発明のエキシマランプの具体的態様としては、光出射方向に設けられた光放射窓と、それぞれ対向して配置された電圧印加用の複数の電極とを少なくとも有し、上記対向する電極間に形成される放電空間に存在する放電用ガスが放電を生じ、エキシマ光を放射するエキシマランプであって、上記エキシマ放電用電極が平板状電極であり、異なる極性の平板状電極が交互に誘電体を介して配置されることにより上記放電空間が平板状電極間に複数設けられ、光放射窓が上記放電空間の放電路に平行して設けられたものを挙げることができる(以下、本態様をランプ態様IIという)。
図7は、ランプ態様IIの構成を説明するためのエキシマランプの概略断面図である。
図7において、エキシマランプ1は、光出射方向に設けられた光放射窓3と、それぞれ対向して配置された電圧印加用の複数の電極5とを有し、対向する電極5、5間に形成される放電空間26に存在する放電用ガスが放電を生じ、エキシマ光を放射するものであって、上記エキシマ放電用電極5が平板状電極であり、異なる極性の平板状電極5が交互に誘電体27を介して配置されることにより上記放電空間26が平板状電極5、5間に複数設けられ、光放射窓3が上記放電空間の放電路に平行して設けられたものである。図7に示す態様においては、高周波電源11から電圧を印加することにより、容器4内の放電空間26に存在する放電用ガスが放電を生じ、エキシマ光を放射する。
図7に示すように、ランプ態様IIにおいては、発光ユニット2が、天板29を有してもよく、ランプ態様Iと同様に反射ミラー28を有してもよい。
ランプ態様IIにおいては、放電用電極5が平板状電極であり、放電空間26が平板状電極間に複数設けられ、光放射窓3が放電空間の放電路に平行して設けられており、このように、電極を平板状にすることによって、光放射面の反対側(図7の上側)から光放射面(図7の下側)に向かうエキシマ放電用電極5、5間に広い放電空間26を形成することが可能となり、エキシマ放電用電極5、5間の任意の箇所で発生したエキシマ光を積算しつつ、光出射窓3から高出力のエキシマ光を取り出すことが可能となる。
図7からも分かるように、ランプ態様IIは、複数の平板状電極5を有する発光ユニット2の形態と、容器4内に放電用ガスのみを含むことを除けば、その他の構成はランプ態様Iと共通する。また、発光ユニットを構成する電極材料や誘電体材料、放電空間の幅(放電路長)等も、上記ランプ態様Iと共通する。このため、これら共通事項については、上記ランプ態様Iと同様である。
次に、本発明のエキシマ光の照射方法について説明する。
本発明のエキシマ光の照射方法は、放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプを用いたエキシマ光の照射方法であって、前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
F>0.764P−0.316 (I)
を満たすように調整することを特徴とするものである。
本発明のエキシマ光の照射方法において、その具体的態様は、上記本発明のエキシマランプの説明で述べたものと同様である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何等限定されるものではない。
実施例1
図1に示すような、直方体状の放電容器6と、電極5、5を有する発光ユニット2を含むエキシマランプ1を作製した。
先ず、発光ユニット2を作製するために、厚さ1mmの合成石英ガラスを用いて、縦150mm、横100mm、幅7mmの箱状の放電セル25を作製し、これを放電容器6とした。この放電容器6は、内部に縦148mm、横98mm、幅5mmの空洞を有しており、この空洞が放電時において放電路長5mmの放電空間を形成する。この放電容器6の両主表面に接するように縦130mm、横80mm、厚さ1mmのアルミニウム製平板状電極5を1枚づつ配置した。図1に示すように、この平板状電極5を配置した放電容器6をステンレス製ランプ容器4(直径200mm、高さ400mm)内に収め、放電用ガス流通路7の端部を、放電容器6の光放射側と反対側(図の上側)に設けた孔に接続して、発光ユニット2を得た。また、2枚の平板状電極5をランプ容器4の外部に設けた高周波電源11と接続した。
上記ランプ容器4は、ランプ容器4内に不活性ガスを導く不活性ガス流通路9を有し、また、光放射窓3として、直径100mm、厚さ10mmの合成石英製の丸窓を有しており、この丸窓はガスケットを介して容器に取り付けられている。
放電容器6およびランプ容器4に、それぞれ放電用ガスおよび不活性ガスを供給するため、図2に示すように、上記放電用ガス流通路7および不活性ガス流通路9を、それぞれ封止バルブ8および封止バルブ10を介してガス給排気装置12に接続した。
先ず、真空ポンプ13を用い、上記封止バルブ8、封止バルブ10を開放した状態で真空引きすることにより放電容器6およびランプ容器4内の真空排気を行った。真空排気は、放電容器6の破裂を防止するために、放電容器6内のガス圧P1とランプ容器4内のガス圧P2の差圧を差圧計14で確認しながら、差圧ができる限り小さくなるように排気圧力調整バルブ15を開閉して行った。
真空排気終了後、排気圧力調整バルブ15を閉じ、次いで、供給圧力調整バルブ16を開放して、放電用ガスボンベ17および不活性ガスボンベ18から、それぞれ放電用ガス(キセノンガス)および不活性ガス(窒素ガス)を供給した。この場合、キセノンガスと窒素ガスの圧力がそれぞれ0.1MPaになるように、また、両圧力の差の絶対値が0.03MPa以内になるように、圧力計19および差圧計14を確認しつつ、供給圧力調整バルブ16を開閉した。
上記真空排気およびガス供給に際し、ガス給排気装置12には、バッファーとしてタンク20を設け、また、放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力の差を調整する手段として、図2に示されるような、容積可変手段であるベローズ21をランプ容器4内に設けた。
放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力を所望の値に調整した後、封止バルブ8、封止バルブ10を閉じてこれらのガスを封止し、その後ガス給排気装置12から分離することにより、図4に示すようなエキシマランプ1を得た。エキシマランプ1内のキセノンガスの圧力および窒素ガスの圧力は、共に0.1MPaであり、両圧力の差圧は略0.00MPaであった。
このエキシマランプ1に印加し得る電圧の周波数F(MHz)を、式(I)を用いて算出したところ、F>0.764P−0.316=1.582(MHz)であることが分かった。
そこで、このエキシマランプ1に対し、高周波電源11から、周波数1.9MHz、電圧3.5kVp-pの高周波電圧を印加して、エキシマ光を発生させたところ、放電容器6に亀裂や割れは生じなかった。
また、上記と同様の手法により、放電用ガスの圧力および不活性ガスの圧力が、それぞれ、0.15MPa、0.2MPa、0.25MPaであり、両圧力の差圧がいずれも略0.00MPaになるように調整したエキシマランプ1を得た。これらのエキシマランプ1に印加し得る電圧の周波数F(MHz)を、式(I)を用いて算出したところ、それぞれ、F>1.391(MHz)、F>1.270(MHz)、F>1.184(MHz)であることが分かった。そこで、このエキシマランプ1に対し、高周波電源11から、周波数1.5MHz、電圧3.5kVp-pの高周波電圧を印加して、エキシマ光を発生させたところ、同様に放電容器6に亀裂や割れは生じなかった。
図8に、上述のように放電用ガスと不活性ガスの圧力を変化させたときのエキシマランプの放射光量の変化を示すが、図7に示すように、放電用ガスの圧力と不活性ガスの圧力をともに0.1MPa以上とすることにより、エキシマ光の放射強度を増大することができた。
また、この場合、エキシマランプ1に印加する電圧の周波数F(MHz)を、式(I)を満たすように制御することにより、放電用ガスのガス圧を増加させても、グロー状の放電状態を維持し、エキシマランプの温度が過度に上昇することを抑制することができた。
実施例2
実施例1と同様の方法により、キセノンガスの圧力と、高周波電源11から印加する電圧の周波数を表1に示すように変化させたときの、各放電状態を確認した。表1に示すように、各キセノンガスの圧力において、印加する電圧の周波数が一定値を超えた場合には、エキシマランプ1の放電状態がグロー状になるが、印加電圧の周波数が一定値以下であると、数本のフィラメントを生じる状態になることが確認できた。また、グロー状の放電を示した条件下においては、エキシマランプの温度が過度に上昇することを抑制することができた。
Figure 2009054497
本実施例におけるキセノンガス圧力と印加電圧の周波数の関係図を図9に示す。図9において、放電形態が、グロー状であるものは黒丸(●)で示し、数本のフィラメントを生じたものは三角形(△)で示している。
図9に三角形(△)で示す、放電状態がフィラメント状であるデータを用いて、キセノンガス圧力P(MPa)と印加電圧周波数F(MHz)との関係式を求めたところ、F=0.764P−0.316という式を得ることができた。
また、図9に黒丸(●)で示す、放電状態がグロー状であるデータのうち、キセノンガスの圧力Pと印加電圧の周波数Fが、それぞれ、(1)0.200MPa、1.91MHz、(2)0.250MPa、1.50MHz、(3)0.300MPa1.30MHzであるデータを用いて、キセノンガス圧力P(MPa)と印加電圧周波数F(MHz)との関係式を求めたところ、F=0.408P−0.954という式を得ることができた。
本実施例により、印加電圧の周波数F(MHz)をキセノンガス圧力P(MPa)に対して、F>0.764P−0.316であるように調整した場合には、エキシマランプの温度が過度に上昇することを抑制しつつ、グロー状の放電状態を維持して、エキシマ光の放射強度の低下を抑制し得ることが分かる。
さらに、印加電圧の周波数F(MHz)をキセノンガス圧力P(MPa)に対して、0.408P−0.954≧F>0.764P−0.316であるように調整した場合には、上記効果を安定して得ることができることが分かる。
実施例3
図5に示すような、内部に略箱状の放電空間を並列して複数設けた放電容器6を有する、エキシマランプ1を作製した。
先ず、放電容器6を作製するために、厚さ1mmの合成石英ガラスを用いて、縦150mm、横100mm、幅7mmの箱状の放電セル25を12個作製した。各放電セル25は、内部に縦148mm、横98mm、幅5mmの空洞を有しており、この空洞が放電時において放電路長5mmの放電空間を形成する。この放電セルを主表面が対向するように並列に並べて放電容器6とし、放電容器6を構成する放電セルの各主表面に接するように縦130mm、横80mm、厚さ1mmのアルミニウム製平板状電極5を1枚づつ計13枚配置した。
図5に示すように、この複数の平板状電極5を配置した放電容器6をステンレス製ランプ容器4(直径200mm、高さ400mm)内に収め、各放電セルの、光放射窓23と反対側(図の上側)に設けた孔に、放電用ガス流通路7から分岐する流通路を接続して、発光ユニット2を得た。また、図5に示すように、各平板状電極5をランプ容器4の外部に設けた高周波電源11と接続した。
上記ランプ容器4は、外部からランプ容器4内に不活性ガスを導く不活性ガス流通路9を有し、また、光放射窓3として、直径150mm、厚さ18mmの合成石英製の丸窓を有しており、この丸窓はガスケットを介して容器に取り付けられている。
上記放電容器6およびランプ容器4に対し、実施例1と同様の手法により、それぞれ、放電用ガス(キセノンガス)および不活性ガス(窒素ガス)を封入し、キセノンガスの圧力および窒素ガスの圧力が、いずれも0.2MPaであり、両圧力の差圧が略0.00MPaになるように調整したエキシマランプ1を得た。
このエキシマランプ1に印加し得る電圧の周波数F(MHz)を、式(I)を用いて算出したところ、F>0.764P−0.316=1.270(MHz)であることが分かった。
そこで、このエキシマランプ1に対し、高周波電源11から、周波数1.4MHz、電圧5.5kVp-pの高周波電圧を印加して、エキシマ光を発生させたところ、放電容器6に亀裂や割れは生じず、500mW/cmの放射光を得ることができた。また、この場合、エキシマランプ1に印加する電圧の周波数F(MHz)を、式(I)を満たすように制御することにより、グロー状の放電状態を維持し、エキシマランプの温度が過度に上昇することを抑制することができ、エキシマ光の放射強度の低下を抑制することができた。
本発明によれば、グロー状放電による比較的低電圧での放電を維持しつつ、放電用ガス圧が増大した場合であっても、エキシマランプの温度を過度に上昇させることなく、エキシマ光の放射強度を増大させたエキシマランプを提供することができる。
本発明のエキシマランプの構成を説明するためのエキシマランプの概略断面図である。 本発明のエキシマランプにおける、放電用ガスと不活性ガスの圧力を調整する方法を説明するための概略断面図である。 本発明のエキシマランプにおける、放電用ガスと不活性ガスの圧力を調整する方法を説明するための概略断面図である。 本発明のエキシマランプの構成を説明するためのエキシマランプの概略断面図である。 本発明のエキシマランプの構成を説明するためのエキシマランプの概略断面図である。 本発明のエキシマランプの構成を説明するためのエキシマランプの概略断面図である。 本発明のエキシマランプの構成を説明するためのエキシマランプの概略断面図である。 本発明のエキシマランプにおける、放電用ガスの圧力(および不活性ガスの圧力)と放射光量の関係を示す図である。 本発明のエキシマランプにおける、放電用ガスの圧力と印加電圧の周波数の関係を示す図である。 放電用ガスの圧力を変化させた場合のエキシマランプ温度の変化を示す図である。 エキシマランプの放電状態として、グロー状の放電状態(図11(a))および数本のフィラメントを生じる放電状態(図11(b))を示す図である。
符号の説明
1 エキシマランプ
2 発光ユニット
3 光取出し窓
4 ランプ容器
5 電極
6 放電容器
7 放電用ガス流通路
8 封止バルブ
9 不活性ガス流通路
10 封止バルブ
11 高周波電源
12 ガス給排気装置
13 真空ポンプ
14 差圧計
15 排気圧力調整バルブ
16 供給圧力調整バルブ
17 放電用ガスボンベ
18 不活性ガスボンベ
19 圧力計
20 タンク
21 容積可変手段
22 駆動装置
23 光放射窓
24 ガス流通孔
25 放電セル
26 放電空間
27 誘電体
28 反射ミラー
29 天板

Claims (9)

  1. 放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプであって、
    前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
    F>0.764P−0.316 (I)
    を満たすように調整されていることを特徴とするエキシマランプ。
  2. 前記エキシマランプが、
    エキシマ光を放射するための放電容器および電圧印加用の複数の電極を有する発光ユニットと、
    該発光ユニットを内部に収容し、光出射方向に光取出し窓を設けたランプ容器とを含み、
    前記発光ユニットの放電容器内部に放電用ガスが、前記発光ユニットの放電容器外壁と前記ランプ容器の内壁との間に不活性ガスがそれぞれ封入されており、
    前記放電用ガスの圧力と前記不活性ガスの圧力がともに0.05MPa以上で、両圧力の差の絶対値が0.03MPa以内になるように調整されている
    請求項1に記載のエキシマランプ。
  3. 前記発光ユニットが、
    並列して配置した複数の放電セルからなる放電容器と、
    前記複数の放電セルの主表面に接するようにそれぞれ対向して配置した複数のエキシマ放電用平板状電極とを有しており、
    前記放電容器は、放電容器の放電路に平行して設けられた光放射窓を有し、
    前記放電容器内に封入した放電用ガスが放電して、エキシマ光を放射する請求項2に記載のエキシマランプ。
  4. 前記放電容器が、前記放電セルからなる複数の放電空間を貫通する放電用ガス流通孔をさらに有するものである請求項3に記載のエキシマランプ。
  5. 前記発光ユニットが、ランプ容器の外部から前記放電セルからなる放電空間内に放電用ガスを導く放電用ガス流通路を有し、
    前記ランプ容器が、ランプ容器の外部からランプ容器内に不活性ガスを導く不活性ガス流通路を有するものである請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のエキシマランプ。
  6. 前記印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、さらに下記式(II)
    0.408P−0.954≧F (II)
    を満たすように調整されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載のエキシマランプ。
  7. 放電用ガスと、該放電用ガスに電圧を印加する複数の電極とを有するエキシマランプを用いたエキシマ光の照射方法であって、
    前記複数の電極への印加電圧の周波数F(MHz)が、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、下記式(I)
    F>0.764P−0.316 (I)
    を満たすように調整することを特徴とするエキシマ光の照射方法。
  8. 前記エキシマランプが、
    エキシマ光を放射するための放電容器および電圧印加用の複数の電極を有する発光ユニットと、
    該発光ユニットを内部に収容し、光出射方向に光取出し窓を設けたランプ容器とを含み、
    前記発光ユニットの放電容器内部に放電用ガスが、前記発光ユニットの放電容器外壁と前記ランプ容器の内壁との間に不活性ガスがそれぞれ封入されており、
    前記放電用ガスの圧力と前記不活性ガスの圧力がともに0.05MPa以上で、両圧力の差の絶対値が0.03MPa以内になるように調整されている
    請求項7に記載のエキシマ光の照射方法。
  9. 前記放電容器への印加電圧の周波数F(MHz)を、前記放電用ガスの圧力P(MPa)に対して、さらに下記式(II)
    0.408P−0.954≧F (II)
    を満たすように調整する請求項8に記載のエキシマ光の照射方法。
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