JP2009053070A - クロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法及び表示装置 - Google Patents

クロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】質量分析装置の測定結果により試料ごとの成分量を解析する場合、同一成分と判定された結果は過誤のリスクを伴っている。そこで、成分の一致を判断した際のデータを合わせて表示し、さらに簡便な方法によって着目するデータを確認するための手法を提供する。
【解決手段】試料と成分に対するイオン量の解析結果として得られたヒートマップ上の個々のデータ位置において、同一成分と判断した際の保持時間や質量の誤差、及び同定結果の有無などの情報を、ベクトルやマークなどとして重ね書きし、さらに関連する数値や同定結果の表示と併用する。そのような表示を、ヒートマップの部分拡大に適用し、他の部分を縮小表示することにより、ヒートマップ全体の表示を可能とする。さらに、保持時間と質量電荷比に対するイオン強度のマップ表示上に、ヒートマップにおいて着目する成分をマーク表示し、効率よく近傍を順次拡大表示することによって、検証作業を支援する。
【選択図】図8

Description

本発明は、クロマトグラフィー質量分析の分析結果を表示する方法及び表示装置に関する。
液体クロマトグラフィー質量分析など、分離装置と質量分析装置を連結し、複数成分から成る試料を測定した場合、試料成分がイオンとして順次観測される。その結果、質量電荷比に対するイオン強度から成る質量スペクトルを時間(所謂、保持時間)ごとに集積した、3次元データを得ることができる。さらに、複数の試料の測定結果から、同一成分ごとにイオン強度の値を整理することにより、例えば試料を列に、成分を行に割り振ったイオン強度の表を作成することができる。この表は試料間での成分の量的変化を示しており、各種の標準化、クラスタリング、検定などの統計的な解析手法などを適用することによって、特徴的な成分を抽出する等の研究がなされている。
ここでは、このような複数の試料と複数の成分に対応する量を図示したもの、すなわち、横軸と縦軸に試料と成分を配置し、対応する量を色又は濃淡で示したものをヒートマップと呼ぶ。例えば、健常者と特定の疾患の患者に由来する試料の場合、この表を解析することにより、疾患の有無に関係すると予想される成分を発見できる可能性がある。また、投薬後の代謝産物の量的な変動を時間を追って解析することにより、代謝経路の研究など、応用分野が広い。
このような、試料と成分に対する存在量を示す図の一つの表現形態を、特許文献1の図8に見ることができる。この例では、当該データに対してクラスタリングを実施し、類似する変動パターンを示すものを隣接させて表示している。特許文献2は、個々のデータに関連するデータを、この表の中に含めることによって、有意な情報を抽出する方法を提示している。
なお、複数の試料をクロマトグラフィー質量分析した結果から、同一成分と予想されるイオンを選別する場合、少なくとも保持時間と質量電荷比の値に基づいて判断する。もし、観測した保持時間が測定ごとにある程度の変動を示す場合、補正を講じる必要がある。そのような補正の例が非特許文献1に示されている。
特表2005-527904号 特開2004-133903号公報 Xiang Zhang. et al. (2005) Data pre-processing in liquid chromatography-mass spectrometry based proteomics. Bioinformatics, 21, 4054-4059.
保持時間を補正したとしても、試料に含まれる成分が非常に多種類であり、保持時間や質量電荷比において適切な分離が得られない場合、同一成分と予想されるものが別であったり、別とされたものが同一であるような過誤に対するリスクが常に存在する。もし、着目する成分を抽出したとしても、同一成分であることの判定に誤りがあった場合には、その結果は意味のないものになってしまう。これまでの、ヒートマップの表示方法においては、このようなリスクに対し、簡便な評価手段を提供してはいない。
がんと正常組織、投薬や手術前後の血液や尿、遺伝子破壊株と野性株、表現型が異なる個体由来の組織など、多成分が混在する試料の成分を比較するケースは非常に多い。例えば、健常者と患者から血液や尿などを採取し、その成分を比較することによって、特定の疾患の初期段階においてのみ観測される成分を発見し、診断に利用しようとする試みや、特定の成分と予後の病態の因果関係を立証し、治療方針の立案に役立てようとするなど、様々なアプローチが成されている。
このようなアプローチにおいて、着目する成分を統計的に抽出したとしても、それまでの解析結果に過誤がないことを確認する必要がある。その検証には、同一成分であることの評価や、同定結果、各種の統計解析結果の確認などを含んでおり、多くの時間と労力を必要としている。
本発明は、試料と成分に対する量的な変化の解析結果を尊重しつつ、個々のデータを効率よく検証する手段の提供を目的とする。
本発明では、クロマトグラフィー質量分析の結果から求めた、試料と成分に対応する成分量を濃淡又はカラーで示したマップ表示において、観測したイオンの質量電荷比、保持時間、イオン量、同一成分の判定に関わる質量誤差、保持時間誤差、成分の同定に関わる同定結果やその有無、同定結果識別文字、同定の信頼性指標、同定結果に対するキーワード検索の結果などを、記号、数値、文字を用いて重ねて表示する。
また、試料と成分に対応する成分量を表示する個々の領域を文字の大きさによって規定することにより、観測したイオンの質量電荷比、保持時間、イオン量、同一成分の判定に関わる質量誤差、保持時間誤差、成分の同定に関わる同定結果やその有無、同定の信頼性指標、同定結果に対するキーワード検索の結果などを、試料と成分で特定される個々の領域の上下又は左右の、マップ外の領域に表記する。
このような表示において、一部の領域の拡大表示と、それ以外の領域の縮小表示を併用し、マウスによるスライダーの操作などの数値指定に連動し、リアルタイムに表示を更新する。
さらに、試料と成分を選択することにより、該当する測定データを保持時間と質量電荷比に対するイオン強度のマップとして表示し、選択された成分をそのマップ上にマーク表示し、その近傍を順次拡大表示する。
本発明によるクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法は、一方の軸を試料の種別とし他方の軸を成分の種別とした2次元マップの各領域に、対応する試料の成分量を濃淡又はカラーで表示するであり、表示処理装置に、複数の試料に関する情報、複数の試料に対するクロマトグラフィー質量分析の結果から求められた2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報、及びクロマトグラフィー質量分析によって得られた2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を取り込む工程と、2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報を用いて、表示装置に、2次元マップを表示する工程と、2次元マップ上で拡大表示すべき試料の範囲及び成分の範囲の指定を受け付ける工程と、2次元マップ上で、指定された範囲に含まれる領域を拡大表示し、残りの領域を縮小表示する工程と、クロマトグラフィー質量分析によって得られた2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を用いて、拡大表示された各領域に同定情報の有無及び成分の対応付けの際の誤差に関する情報を重ねて表示する工程とを有する。
また、本発明によるクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置は、複数の試料に関する情報、複数の試料に対するクロマトグラフィー質量分析の結果から求められた一方の軸を試料の種別とし他方の軸を成分の種別とした2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報、及びクロマトグラフィー質量分析によって得られた2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を取り込んで表示処理を行う表示処理装置と、表示装置と、入力装置とを有し、表示処理装置は、2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報を用いて、表示装置に2次元マップを表示し、入力装置から入力された2次元マップ上で拡大表示すべき試料の範囲及び成分の範囲の指定に従って、2次元マップ上で、指定された範囲に含まれる領域を拡大表示すると共に残りの領域を縮小表示し、クロマトグラフィー質量分析によって得られた2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を用いて、拡大表示された各領域に同定情報の有無及び成分の対応付けの際の誤差に関する情報を重ねて表示する。
本発明では生体に由来する試料なども想定している。このような試料においては、数千以上の成分を観測する可能性がある。このような膨大なデータを解析した場合、着目成分の数も数百に上る場合も考えられる。それらの検証作業において、次の効果を得ることができる。
(1)測定結果の評価
複数の試料において非常に多くの成分の量的な変動などを解析し、着目すべきものを絞り込む過程において、測定データの確認作業は非常に煩雑かつ困難な作業となる。例えば、従来から一般に採用されているマスクロマトグラムや質量スペクトルによる確認作業では、そもそも保持時間、質量電荷比、及びイオン強度の3次元で構成されるデータを、保持時間とイオン強度、又は質量電荷比とイオン強度の2次元としてしか表現できず、関連する情報を俯瞰することすら容易ではない。
本発明により、着目する試料及び成分に対し、該当する測定データの領域を、個々に拡大表示する操作を簡便に実施することが可能となる。さらに、異なる試料間で、同時に比較することが可能となる。
このことは、特定の試料にのみ観測された夾雑物の存在や、他の成分の影響によりその成分のイオン化が抑制されている状態や、装置のトラブルなどに起因する測定データの局所的な感度低下など、特異なケースをも発見できる可能性が高い。すなわち、そのような状態で下された、それが特徴的な成分であるとの判断そのものを再考する機会を与えることができる。
(2)同一成分の対応付けの評価
表示されたヒートマップにおいて、異なる成分を同一と判断している場合、その解析結果の信頼性は大きく損なわれる。そのような場合、あるものは特徴的な成分として認識され、あるものはその特徴が見えなくなるなど、多くの弊害が生まれる。
本発明では、そのような判断の際に、多くの情報を提供することができる。すなわち、質量分析装置から得た成分の対応付けとして最も基本的な、保持時間の誤差、質量電荷比の誤差などの情報を、矢印などで視覚的に表現することができるため、誤差の傾向の把握を容易にしている。保持時間の誤差や質量電荷比の誤差の傾向が異なる成分については、先に示した測定結果の評価などを適用することが可能となる。その他の情報についても、文字列などで明示するため、詳細なデータを検討することができる。
(3)同定結果の評価
保持時間と質量電荷比によって対応付けられた成分に対し、同定結果の有無や、同定結果そのもの、及び同定の信頼性に関する指標を表示することにより、同定又は成分の対応付けの過誤の可能性を示すことができる。特に、保持時間と質量電荷比の値から同一と判断された成分において、異なる同定結果が対応する場合、同定結果そのものの過誤を検討する必要が生じる。
同様にして、異なる成分と判断されていても、同定結果が同じ場合には、本来は同じ成分としなければならない可能性がある。
本発明による同定結果識別文字によって、同一成分とされるものに対して異なる同定結果が与えられていないか等を効率よく判断することができる。
(4)ヒートマップの精査
本発明では、ヒートマップの全域を表示しつつ、その一部分を拡大表示することができる。すなわち、全体の傾向を確認しつつ、着目すべき部分を検証する作業を、限られた画面上のスペースにおいて実施することができる。さらに、拡大表示する位置や表示する領域の大きさを、マウスによるスライダなどの操作と連動させて変えることによって、ヒートマップ全体の中での部分拡大の操作を効率よく実施できる。
このように、本発明では、複数の試料と成分の比較解析などにおいて、特徴的な成分などを検討する際に、全体の情報を維持しつつ、細部の具体的な情報を提供することが可能となる。そのため、全体を俯瞰して得た特徴的な領域について、様々な過誤の可能性を否定し、正しい解析結果を得るための有効な手段を提供することができる。
本発明は、ヒートマップの表現方法に関するものである。以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
1.試料特性
ヒートマップの性格上、そこに表現される試料は、多くの成分を含んでいることが前提となる場合が多い。また、成分としては、タンパク質やペプチド、及び代謝物などの他、環境中に含まれる低分子化合物なども想定されるが、限定されるものではない。
2.測定装置
本発明によるクロマトグラフィー質量分析装置の構成例を図1に示す。本例の装置は、液体クロマトグラフと質量分析装置を備える。
液体クロマトグラフ101で分離された試料成分は、質量分析装置本体102に導入され、イオン源103、質量分離装置104を経て検出器105で検出される。検出信号は、制御装置106を経て、データ処理装置108において質量スペクトルとして順次収集される。なお、それぞれの機器及び装置は、信号線107で接続され、制御及び情報収集に利用される。また、データ処理装置108は、表示装置109とキーボード110、及びマウス111を有している。
ここでは質量分離装置104として、イオントラップ形式のものを示したが、時系列的に試料成分に由来する質量スペクトルを得ることができるものであれば、磁場や四重極などを採用した装置であってもよい。
この構成において、液体クロマトグラフによる試料成分の分離開始に同期して、質量スペクトルを連続して取得する。さらに、質量電荷比に対するイオン強度から成る質量スペクトルを、それを観測した保持時間ごとに集積する。
質量分析装置の中には、生成したイオンをガス分子と衝突させることによって活性化させるなどして、イオン分子内の結合を開裂させ、より小さいイオンを生成させた後で質量スペクトル(所謂MS/MSスペクトル)を得ることができるものもある。このMS/MSスペクトルは、成分イオンが開裂して生成されたものであるため、成分イオンの構造などに関連する情報を得ることができる。以下、MS/MSスペクトルに対比し、成分イオンを観測した質量スペクトルを明示する必要がある場合は、MSスペクトルと呼ぶ。また、MS/MSスペクトルを得るために開裂させたイオンは、前駆イオンと呼ばれる。
さらに、取得したMSスペクトルから前駆イオンを選択し、リアルタイムにそのMS/MSスペクトルを測定できるものがある。このような場合、混在するMSスペクトルとMS/MSスペクトルを区別し、MS/MSスペクトルから成分の定性的な情報を得ることができる場合がある。また、その近傍の保持時間において測定したMSスペクトルに含まれる前駆イオンの情報から、量的知見を得ることができる。
本発明は、MS/MSスペクトルを測定するような測定にも対応できる。
なお、必ずしも液体クロマトグラムを用いる必要はなく、ガスクロマトグラムなどの分離手段と質量分析装置を連結した構成であれば、本発明を適用できる。
また、データ処理装置108の内部に実装される処理の一例として、対応成分識別処理112、同定処理113、解析処理114、表示処理115を挙げる。特に、本発明に関わるのが表示処理であり、それ以外の処理は、表示されるデータの作成に関与する。
3.処理の概要
前述した装置構成において、データ処理装置108内で実行される各処理112〜115のフローを図2に示す。この図において、前述した装置構成によって得た測定データから、本発明を適用するためのヒートマップ等を表示するまでの処理内容の一例を説明する。
(1)測定データファイル(201)
各試料を測定した結果は、測定データファイル201として集積される。本発明は、複数の試料を成分ごとに比較する技術に関するものであるため、ここでは複数の測定データファイルを想定する。
(2)対応成分識別処理(202)
個々の測定データファイルには、保持時間と質量電荷比によって分離された複数の成分の情報が含まれている。ここでは、異なる測定データから、同じ成分を抽出し、後の比較を可能とする。なお、同一成分であることの判定は、基本的には、イオンを観測した保持時間と質量電荷比が、指定した誤差範囲に収まることを以って行うことができる。
また、判定するイオンが有する価数の一致や、同位体イオンの強度分布の類似性を評価することや、後述する同定処理の結果が一致することなど、成分が対応していると見なす判定要素は複数存在する。
(3)同定処理(203)
同定処理は、測定データにおいて個々の成分に相当するMSスペクトル中のイオンの質量電荷比の値や、そのイオンを前駆イオンとして得たMS/MSスペクトルなどから、それがどのようなものであったかを予測するものである。予測結果は、化学式や、アミノ酸の配列などとして取得する。
(4)統合データ(204)
上述した対応成分識別処理202や同定処理203の結果は、この例においては、統合データ204として一元的にまとめている。統合データの構造は、後に詳述する図3のデータ構造に近い。図3は、ヒートマップの各点を説明するための情報を示しているが、その原形がここで作成される。
すなわち、統合データ204には、図3における個々の試料(S)と成分(C)の情報が存在し、さらに特定の試料と成分に対応する具体的に観測されたイオンの情報等(P)と同様の基本構造を有する。
(5)解析処理(205)
統合データは、試料と成分で特定することができるイオン量の値が基本となる。ここでの解析処理は、そのようなデータから特徴を見出すための処理であり、一般的には、試料単位でのイオン量の標準化、成分単位でのイオン量の標準化、各イオン量の多変量解析などが該当する。特に標準化では、平均を1とする方法や、平均を0、分散を1とする方法などが採用される。また、多変量解析では、主成分分析や、成分及び試料に関するクラスタリング解析が採用されることが多い。また、試料が健常者と患者由来などのように、識別できる場合には、成分ごとにそれらの識別に従って差異を認めるかどうかを検定するなどの方法も選択される。
これらの処理によって、観測したイオン量からヒートマップを表示するためのデータが生成され、さらにクラスタリングなどの結果に応じて試料や成分を表示する順番が入れ替わるなどの影響を受ける。
(6)表示データ(206)
表示データ206には、本発明における表示内容に関わるデータを収載しているものとする。ただし、クラスタリングの結果については省略した。
表示データは具体的に図3及び図4に示した。また、その内容については、この後で詳述する。
なお、先の解析処理205において、標準化などを何もしていない場合、統合データ204と表示データ206は実質的に同一内容となる。
(7)表示処理(207)
表示処理207では、表示データ206を図6に示すヒートマップとして表示する。ここで、図6(A)が通常のヒートマップの例、図6(B)が一部を拡大表示した例である。この処理が本発明に直接対応している。その詳細は後述する。
4.表示データ
本発明を適用する際に、想定されるデータ構造の一例を図3及び図4に示す。表示データは、ヒートマップに関係するデータを補足する基本データと、ヒートマップデータ、表示用データに分けている。
基本データは、図3に示すように、ヒートマップデータの補足情報配列301、成分情報配列302、試料情報配列303からなる。ヒートマップデータは、図4(A)に示すように、ヒートマップデータの配列401からなる。また、表示データは、図4(B)に示すように、試料拡大表示用データ402、成分拡大表示用データ403、ヒートマップの画面座標X(試料方向)404、ヒートマップの画面座標Y(成分方向)405、画面表示座標での文字高さ406からなる。
それぞれの記号の意味は次のとおりである。
(1)基本データ(図3)
j,k 添え字j,kで限定されるヒートマップの補足情報。
測定データにおいて観測した値や、同定処理の結果等で構成される。
一例を次に挙げる。
・測定データにおいて観測したイオン量
・測定データにおいて観測した保持時間
・測定データにおいて観測した質量電荷比
・測定データにおいて観測したイオンの価数
・測定データにおいて観測したイオンの同定結果
k 添え字kで限定される、当該成分を代表する情報。
個々の試料に依存しない値をとり、一例は次のとおりである。
・成分を代表する保持時間
・成分を代表する質量電荷比
・成分を代表する価数
・成分の同定結果
j 添え字jで限定される試料を代表する情報。
個々の成分に依存しない値をとり、一例は次のとおりである。
・試料の名称
・試料に対応する測定データファイルの所在
・試料に対応する同定結果ファイルの所在
(2)ヒートマップデータ(図4(A))
j,k 添え字j,kで限定されるヒートマップの各値。
(3)表示用データ(図4(B))
SP 試料を表示する際の、拡大開始位置
SZ 試料を表示する際の、拡大表示する試料数
CP 成分を表示する際の、拡大開始位置
CZ 成分を表示する際の、拡大表示する成分数
X1 試料を表示する際の、表示位置左端(画面上の座標) (固定値)
X2 試料を表示する際の、拡大表示位置左端(画面上の座標)
X3 試料を表示する際の、拡大表示位置右端(画面上の座標)
X4 試料を表示する際の、表示位置右端(画面上の座標) (固定値)
Y1 成分を表示する際の、表示位置上端(画面上の座標) (固定値)
Y2 成分を表示する際の、拡大表示位置上端(画面上の座標)
Y3 成分を表示する際の、拡大表示位置下端(画面上の座標)
Y4 成分を表示する際の、表示位置下端(画面上の座標) (固定値)
TH 文字列の高さ(画面上の座標) (固定値)
また、添え字の意味は次のとおりである。
j 試料を特定する数
k 成分を特定する数
J 試料数(jの最大値)
K 成分数(kの最大値)
ここで、基本データとヒートマップデータを表示する際に、画面上の位置を特定するための情報や、表示する範囲を規定する情報が表示用データとなる。この場合、基本データ及びヒートマップデータでは、試料を列に、成分を行に設定している。また、Pj,k、Ck、Sjで表される基本データは、それぞれが複数の内容を含んでいる。それらの詳細を示す場合、例えば、「Pj,kの保持時間」、「Ckの質量電荷比」、「Sjの試料名称」のように表記する。配列そのものを指す場合には、単にPやHと記述する。
ここで、基本データとヒートマップデータは、共通する添え字jとkで限定される。すなわち、Hj,kとPj,kは、共通する成分Ckと試料Sjに対応している。また、配列HとPは、1対1に対応する。
従って、表示したヒートマップの一つの点の情報は、Hの配列上の一点に相当し、さらにその点に対応するデータがPの配列上の1点に対応する。Pの配列上の1点は、観測したイオン強度や保持時間など、複数のデータから構成されている。
5.ヒートマップ表示
本発明は、ヒートマップの表示方法に関するものである。ここでは、ヒートマップを表示するための処理内容を詳述する前に、ここで表示されたヒートマップについて、図6を用いて説明する。
図6(A)は、一般的なヒートマップの例を示す図である。この例では、横方向が試料、縦方向が成分を示している。図3の基本データ、図4のヒートマップデータとしては、試料数の最大値Jが8、成分数の最大値Kが15の、8×15点から成るP及びHの配列が対応する。すなわち、ヒートマップの左上、右下の点に対応するデータは、それぞれH1,1とH8,15となる。
図6(B)は、k=7からk=9の成分を拡大した例を示す図である。ここで、(X1,Y1)のような表記は、ヒートマップを表示した際の画面上の座標を示す。横方向をX、縦方向をYで示し、ヒートマップの上端がY1、下端がY4、拡大表示の上端がY2、拡大表示の下端をY3とした。同様に、左端をX1、拡大表示の左端をX2、拡大表示の右端をX3、ヒートマップの右端をX4としている。すなわち、左上の隅が(X1,Y1)、右下の隅が(X4,Y4)となる。また、この例では、全ての試料を拡大した例となっている。すなわち、X1とX2は同値、X3とX4も同値となる。
また、拡大表示した部分に表示される○印や矢印などの記号は、成分の対応付けの状況や、同定結果の有無などを示している。例えば○印601が付与された場所は、該当する試料の該当する成分に対して、それが何であるかを示す同定情報が存在していることを示している。成分が正しく対応付けられているとすれば、横方向に並んだ○印の成分において、その同定結果が一致する可能性が高い。もし、横方向で同定結果が異なる場合には、同定の過誤や成分の対応付けが正しく行われていない可能性を示唆している。
矢印603は、成分の対応付けの際の誤差を示している。ここでは、成分の対応付けについては特に限定するものではないが、少なくとも保持時間と質量電荷比がある誤差範囲に収まることを以って対応していることを判断するものとする。すなわち、基準とする保持時間と質量電荷比に対して、ヒートマップ上の各点は保持時間の誤差と質量電荷比の誤差の値を保持している。もし、該当するイオンが存在しない場合には、そのような情報や同定結果が存在しない。
図6(B)の例では、左右方向に質量電荷比の誤差、上下方向に保持時間の誤差を示す座標軸を設定し、ベクトルで示している。なお、矢印の根が原点であり、双方の誤差0を意味する。
ここでは、基準位置に相当する点があれば、●印602で示した。例えば、その成分において最も強く観測されたデータを基準として●印を付与するなどが想定される。
なお、基準とする位置は、当該成分において観測した保持時間と質量電荷比の平均値なども採用することができる。
矢印、及びマーク類の一例を図7に示す。ここでは二つの数値を図示する場合の説明と例(701〜708)、及び同定結果の有無と信頼度などを示す例(709〜711)を示す。
保持時間の誤差や質量電荷比の誤差などを示すためには、ヒートマップ上の1点を拡大した領域701の中に、それぞれを示す座標軸702,703を設定する。ここでは、それらの座標軸の交点を原点とし、保持時間は上から下、質量電荷比は左から右方向に増加する座標軸を想定した。この座標軸を用いて、該当する数値を表現した例を、704〜708に示した。704は、独立した二つの数値を座標軸に垂直な線分で示している。705では二つの数値から成るベクトルを、706ではベクトルの矢の位置にマークを、707では二つの数値を楕円の横方向の幅と縦方向の幅で示した。708はさらにもう二つの数を矢印のデザインが異なる二つのベクトルで示した。
同定結果の有無と信頼度などを示す例の丸印709は同定結果がある場合に表示できる。例えば、輪を示す線の幅と同定における信頼性のスコアを連動させ、信頼性の高いものを強調させる表示などが考えられる。また、同結果においてリン酸など特定の修飾が示唆されている場合、左上に“P”などのマークを付与すると、より効果的な表示710となる。右上の数値“75”は、同定の信頼性スコアを示す。また、表示711のように、信頼性のスコアが一定以上の場合に星印を付与してもよい。
文字を表示するその他の例として、表示712のように、同定結果を識別するための1〜数文字を表示することも考えられる。この例で示した“Q4A”は、当該成分の同定結果が、多の同定結果と同一かどうかを識別するために利用される。すなわち、複数の試料について、同定結果を比較する際に、それらが同じかどうかを、個々の同定結果を参照することなく確認することができる。
このように、矢印やマーク類のデザインは多くの態様を想定できる。その元になるデータは、図3に示す基本データにおけるPの中に含める。
ヒートマップの全体は、その傾向を把握する目的において有効であるが、個々の点を厳密に評価するためには殆ど情報を与えない。しかし、このように保持時間や質量電荷比の誤差、及び同定に関する情報を効果的に提示することによって、ヒートマップを作成した際の正当性などについて評価することができる。
6.表示処理
(1)ヒートマップ表示
前述したヒートマップ表示を行うための処理について、成分の拡大や表示の位置指定を中心に、図5を用いて説明する。なお、試料についての扱いも同様となるため、ここでは割愛した。
図5における、CZ、CP、TH、Y1、Y2、Y3、Y4、及びH、P、Cについては、図4で説明した。ここで、Y1、Y4、及びTHは、それぞれ画面上の表示位置の上端、下端と、文字の高さであり、予め設定されているものとする。
拡大表示数指定操作501によって、成分の中で拡大表示する数を指定する。また、表示位置指定操作502は、成分のどの位置から拡大表示するかを指定する。それぞれの操作の結果は、CZとCPに格納される。なお、図6の例では、拡大表示数CZは3、拡大開始位置CPは7となる。
さらに、表示座標計算処理503では、CZ、CP、THの値と、Y1、Y4の値を用いて拡大表示の上端Y2と下端Y3を決定する。例えば拡大表示の高さを文字の2倍と固定した場合、拡大表示位置の座標には次の関係がある。
Y3−Y2=2×TH×CZ …(1)
表示する成分数の最大値Kから、縮小して表示する成分数は次のとおりである。
縮小表示成分数=K−CZ …(2)
拡大表示の上に位置する縮小表示成分数は次のとおりである。
拡大表示の上の縮小表示成分数=CP−1 …(3)
ヒートマップにおいて、縮小表示する領域の画面表示における合計高さは、式(1)を用いて求めることができる。
縮小表示する成分の高さ合計=(Y4−Y1)−(Y3−Y2)
=(Y4−Y1)−2×TH×CZ …(4)
さらに、縮小表示する成分あたりの高さは、次のようになる。
縮小表示する成分あたりの高さ=縮小表示する成分の高さ合計/縮小表示成分数
=((Y4−Y1)−2×TH×CZ)/(K−CZ) …(5)
従って、Y2は式(2)と式(5)から、次の式で示すことができる。
Y2=Y1+縮小表示する成分あたりの高さ×拡大表示の上の縮小表示成分数
=Y1+((Y4−Y1)−2×TH×CZ)/(K−CZ)×(CP−1)
また、Y3は式(1)を変形して次のように求めることができる。
Y3=Y2+2×TH×CZ
このようにして、既知の数値から、求めるべきY2及びY3を求める。
ヒートマップ等表示処理504では、拡大表示の上の縮小表示であれば、Y1とY2の間を、縮小して表示する成分数で案分し、等間隔に表示すればよい。同様に、拡大表示は、Y2とY3の間を案分して表示し、拡大表示の下の縮小表示は、Y3とY4について案分して表示する。
図6のヒートマップでは、kの値が1〜6まではY1とY2の間に等間隔に表示し、kが7〜9まではY2とY3の間に、kが10〜15まではY3からY4の間に表示する。
以上、成分の表示について説明した。試料についても、同様にして拡大する範囲や拡大開始位置、及び拡大する座標を求めることができる。
このようにして決定されたX1、X2、X3、X4、及びY1、Y2、Y3、Y4の各座標に対して、同様に決定した各縮小及び拡大領域のヒートマップデータを案分し、jとkによって特定された試料及び成分について、対応するHを濃淡やカラーで表現する。
(2)矢印等の表示
さらに、拡大表示した部分に矢印などを表示する方法については次のとおりである。
ヒートマップ上の1点を拡大した領域701の中に、例えば、左から右が質量電荷比の誤差702、上から下が保持時間の誤差703の座標系を設定する。さらに領域701の範囲を、それぞれの座標系で−30秒から+30秒、及び0.05Daから+0.05Daなどと予め決めておくことにより、ベクトル等の描画が可能となる。また、誤差の値そのものは、次のようにして計算することができる。
保持時間の誤差=Pj,kの保持時間−Ckの保持時間
質量電荷比の誤差=Pj,kの質量電荷比−Ckの質量電荷比
従って、誤差の座標系において、矢印の根元が(0,0)、矢の先が(質量電荷比の誤差,保持時間の誤差)などとし、ベクトルを表示する。
なお、この処理は、ヒートマップ等表示処理504で実施する。
(3)同定結果識別文字の表示
同定結果の表示において、その内容を識別するための1〜数文字を表示する。その文字列の作成方法については、全ての同定結果を整理し、その種類に対して与えた序数を文字として表示する方法や、同定結果の文字列から生成する方法などが考えられる。先の方法は、同定結果が少ない場合に有効であるが、多い場合に数文字で表記しきれないなどの課題がある。一方後者は、異なる同定結果から同じ識別文字を生成する可能性がある。試料の数が数十〜数百の場合を考慮し、ここでは、後者の方法について図13を用いて一例を示す。
図13では、同定結果の文字列のコード配列A(1301)を仮定する。なお、ここで扱う文字は7ビットで構成されるASCIIコードとする。文字コードからなる配列Aの値の合計値(整数)をΣA(1302)に登録し、さらにその値を同定結果識別文字のコード配列B(整数)に展開する。
たとえば、同定結果が“ID7・・・0”のX文字からなる場合、“I”の文字コードがA1に相当する。同様にして“D”がA2、最後の“0”がAXに対応する。さらに、これらの値の合計値であるΣAは、A1+A2+A3+・・・+AXの結果として得ることができる。このΣAのビットパターンの右側から6ビットずつ区切り、それぞれをB3、B2、B1にコピーする。さらに、表示可能な文字に変換するため、例えば48(“0”(ゼロ)の文字に対応するASCIIコード)を加算する。これによって、6ビットで表すことのできる数値、0〜63が、“0”〜“o”として表現される。このようにして、B1、B2、B3からなる同定結果識別文字B(1303)を生成する。ここでは、図7の例(712)に示した“Q4A”を、B1、B2、B3に対応する文字として例示した。
なお、この処理も、ヒートマップ等表示処理504で実施する。
前述した表示方法に基づき、実施例を挙げてさらに説明する。図8の例では、試料と成分について拡大表示を実施しているヒートマップと、試料や成分の情報を合わせて表示している。さらに、図9において関連する処理のためのボタン等を配置した画面の一例を示す。これらの画面は常に同時に表示されているものとする。
1. 画面の構成要素
図8及び図9の表示における主な構成要素について、個々に説明する。
(1)成分の拡大表示数指定用のスクロールバー(801)
ヒートマップ等の表示において、拡大表示して示す成分の数を指定する。スライダーをマウス等で上下に移動させることにより、図5におけるCZを更新する。さらに、表示座標計算処理503とヒートマップ等表示処理504をリアルタイムに連動させる。そうすることによって、全体を概観するヒートマップから、特定の部分の拡大表示をスムーズに連動させることができる。
このスライダーを上に移動した場合の例を図10に示す。図8では4成分が拡大表示されていたが、図10では2成分になっていることが分かる。拡大表示の開始位置を示すスライダー1002は影響を受けないものの、デンドログラム1006、ヒートマップ1005、各成分の関連データのグラフ1008、及び各成分の関連データ1009は、拡大表示数の減少に対応して更新されている。
(2)成分の拡大表示位置指定用のスクロールバー(802)
拡大表示する位置を、成分の全体から指定する。スライダーの上下をマウス等で指定することによって、図5におけるCPを更新する。さらに、表示座標計算処理とヒートマップ表示処理をリアルタイムに連動させる。すなわち、上下の指定によって、リアルタイムに拡大領域を上下させることができる。
図10の状態からこのスライダーを下に移動した例を図11に示す。この例においては、拡大表示を開始する位置が下方向にずれている。この場合、拡大表示数1101は同じだが、デンドログラム1106、ヒートマップ1105、各成分の関連データのグラフ1108、及び各成分の関連データ1109は、拡大表示の開始位置の変更に対応して更新されている。
(3)試料の拡大表示数指定用のスクロールバー(803)
ヒートマップ等の表示において、拡大表示して示す試料の数を指定する。この指定も、ヒートマップ表示処理までリアルタイムに連動させる。
(4)試料の拡大表示位置指定用のスクロールバー(804)
拡大表示する位置を、試料の全体から指定する。これも、同様にヒートマップ表示処理までリアルタイムに連動させ、拡大表示の位置を自由にさせることを可能とする。
(5)ヒートマップ表示(805)
試料と成分で限定される個々の成分の存在量をカラー又は濃淡で表示する。この例では、試料と成分の双方について一部を拡大しているが、ヒートマップ(H)のカラー又は濃淡表示については省略している。また、拡大表示された内容は、対応するヒートマップの基本データ(P)を用いて描画している。
なお、拡大表示位置をマウスでドラッグ(特定のボタンを押下しつつマウスのカーソルを移動)することにより、成分と試料の双方の拡大表示位置を変更することも考えられる。これは、成分の拡大表示位置指定用のスクロールバー802と試料の拡大表示位置指定用のスクロールバー804を、マウスの一回の操作で同時に修正する操作に相当する。
(6)成分ツリー表示(806)
ヒートマップの個々の成分に関し、個々の類似性をデンドログラムで示している。なお、デンドログラムの表示と、ヒートマップの各成分は対応する。デンドグラムの詳細は省略するが、ウォード法などのクラスタリングによって、ヒートマップを成分ごとに見た場合、その内容が一致するもの、又は最も似ているものが隣どうしになるように成分の位置を定め、その距離をツリー表示に反映させたものである。こうすることにより、ヒートマップの全体を見た場合、類似する特性を示す成分が近傍に配置されるため、より全体の特徴を把握しやすくなる。
(7)試料ツリー表示(807)
ヒートマップの個々の試料に関し、個々の類似性をデンドログラムで示している。なお、デンドログラムの表示と、ヒートマップの各試料は対応する。
(8)各成分の関連データのグラフ(808)
ヒートマップの成分に対応する情報であり、選択されている試料jに対応する、Hj,kやPj,k又はCkの数値をプロットしたものである。ここではHj,kの例を示しており、右側ほど値が大きい。なお、選択されている試料は、イタリック体で示しており、ここでは“Sample D”が対応する。
(9)各成分の関連データ(809)
ヒートマップの拡大表示した成分に対応する情報であり、選択されている試料jに対応する、Hj,kやPj,k又はCkの値を表記したもの。
この例では、「Ckの保持時間」、「Ckの質量電荷比」、「Pj,kの同定結果」を表示している。なお、選択されている試料は、イタリック体で示しており、ここでは“Sample D”が対応する。
このように、より具体的な情報を提供することによって、同一成分と考えていたものでも、同定結果が異なる場合を簡便に示すことができる。また、同定結果のみならず、PやCとして保持している全ての内容をここに表示することができる。
(10)各試料の関連データのグラフ(810)
ヒートマップの試料に対応する情報であり、選択されている成分kに対応する、Hj,kやPj,k又はSの数値をプロットしたもの。ここではHj,kの例を示しており、上側ほど値が大きい。なお、ここで選択されている成分とは、イタリック体で示した“Protein B”を意味している。
(11)各試料の関連データ(811)
ヒートマップの拡大表示した試料に対応する情報であり、選択されている成分kに対応する、Hj,kやPj,k又はSの値を表記したものである。この例では、「Sjの試料名称」を示している。
以上が、図8における構成要素の説明となる。さらに、図9の画面が同時に表示されている状態を想定し、個々の構成要素について説明する。
(12)試料のクラスタリングボタン(901)
試料についてクラスタリング処理を実施するためのボタン。このボタンの指定により、試料についてのクラスタリングを行い、ヒートマップやデンドログラム等を描画する。クラスタリングによって、H、P、Sの各データは、対応する添え字jごとに入れ替えを実施し、整合性を維持する。
なお、試料のクラスタリングは、図2における解析処理に相当する。
(13)成分のクラスタリングボタン(902)
成分についてクラスタリング処理を実施するためのボタン。このボタンの指定により、成分についてのクラスタリングを行い、ヒートマップやデンドログラム等を描画する。クラスタリングによって、H、P、Cの各データは、対応する添え字kごとに入れ替えを実施し、整合性を維持する。
なお、成分のクラスタリングは、図2における解析処理に相当する。
(14)保持時間ソートボタン(903)
成分について、保持時間の順に整列するためのボタン。
「Ckの保持時間」が昇順となるように、H、P、Cの各データを対応する添え字kごとに入れ替える。なお、成分についてのデンドログラムは消去される。
なお、保持時間によるソートは、図2における解析処理に相当する。
また、保持時間ごとに成分をソートすることによって、ある保持時間の領域に依存する成分の対応付けの特性などを確認し易くなる。
(15)質量電荷比ソートボタン(904)
成分について、質量電荷比の順に整列するためのボタン。
「Ckの質量電荷比」が昇順となるように、H、P、Cの各データを対応する添え字kごとに入れ替える。なお、成分についてのデンドログラムは消去される。
なお、質量電荷比によるソートは、図2における解析処理に相当する。
また、このようなソート機能によって、質量電荷比に依存する成分の対応付けの特性などを確認し易くなる。
(16)キーワード入力領域(905)
キーワード検索する文字列を入力するための領域。次に説明するキーワード検索で利用する。
(17)キーワード検索ボタン(906)
設定されたキーワードが同定結果の中に含まれるか検索するためのボタン。
このボタンがマウス等で指定されると、キーワード入力領域に設定された文字列が、全ての同定情報に含まれているかを検索し、該当するものがある場合に、そのデータを選択状態とする。選択状態は、イタリック体で示したが、色を変える、マークを表示するなど、他の方法で明示してもよい。
(18)測定データ表示ボタン(907、908)
選択された一つ又は複数の成分について、選択された試料の測定データと合わせて表示するためのボタン。該当するボタンは、2D(L)(907)と、2D(R)(908)の二種類を示している。これは、図12の表示例における、左側と右側の更新を意味する。
なお、図12の画面では、縦軸が保持時間、横軸が質量電荷比から成る2次元マップ1201において、測定データを概観することができる。ここで、観測されたイオンは濃淡又はカラー表示1204で明示する。また、図8の画面で選択された成分に対応する保持時間と質量電荷比は、○印1205で示している。すなわち、測定データ全域の中で、着目する成分が具体的にどこに位置しているのかを一望することができる。
また、2次元マップ1201内の矩形1206は、拡大表示している範囲を示している。この矩形の中央に位置する保持時間に相当する質量スペクトル1202と、マスクロマトグラム又はトータルイオンクロマトグラム等(1203)が同時に表示されている。なお、それぞれ(1202、1203)の表示範囲は、2次元マップ1201の表示範囲に一致させる。
図12の下側には、拡大表示位置1206に対応する2次元マップ1207を表示している。拡大表示位置の中央に相当する質量スペクトル1210と、マスクロマトグラム1208により、具体的なイオンの増減や夾雑物の存在などを確認することができる。また、それぞれ(1208、1210)の表示範囲は、2次元マップ1207に一致させる。
文字表示領域1209には、拡大表示位置に対応するタンパク質の同定結果などを表示する。これにより、同定結果と各イオンの観測状況などを合わせて確認することが可能となる。
また、図12は、左右対称に構成されている。すなわち、二つの試料について、それぞれ全体を俯瞰するマップ1201,1212や拡大したマップ1207,1213などがそれぞれ対応する。また、それらを繋ぐ線分1211は、左右に表示された成分の対応関係を示し、同一成分がそれぞれ対応する保持時間を、直線で結んだものとなる。
このように、ボタンが指定された時点で選択されている試料と成分について、図12の画面の左側、又は右側の情報、及び中央の対応関係を更新する。
また、キーボードの矢印キーの押下などによって、拡大表示する位置を、全ての○印に対応し、順次移動させる。すなわち、双方の試料の選択された成分の測定状況を、簡便な操作で確認することができる。
2. 操作の一例
図8、図9及び図12の画面の例を用いて、基本的な操作と処理について説明する。
(1)試料、成分の並べ替え
試料のクラスタリングボタン901、成分のクラスタリング902、保持時間のソートボタン903、質量電荷比のソートボタン904をマウス等で指定することによって、ヒートマップ内の試料や成分を並べ替える。クラスタリングを指定した場合、該当するデンドログラムが表示される。
ここで、例えば成分のクラスタリングを採用した場合、類似する傾向を示す成分を近傍に集めることができる。また、質量電荷比に基づいてソートされたヒートマップでは、質量電荷比の誤差の傾向を把握しやすくし、さらに保持時間が近い同一成分の可能性のあるものを確認することなどに寄与する。保持時間に基づいてソートした場合、成分の対応付けにおいて保持時間に依存する現象を確認し易い。
(2)試料や成分の選択
表示されている成分や試料の情報をマウスで直接指定することにより、当該成分又は当該試料を選択状態として、強調表示する。また、ヒートマップ内をクリックすることによってその成分や試料を選択状態にする。同様にして、ドラッグした場合、当該範囲に相当する試料や成分が、複数選択される。
また、キーワードを設定(905)し、検索ボタン906を指定することによって、指定された文字列を「Pj,kの同定結果」に含む成分が選択状態となる。
この例では、太字のイタリック体で表示している。
選択された試料や成分は、図12に示すような測定データの確認手段によって、検証することができる。さらに、選択された成分を、上下の矢印キーなどの操作によって順次拡大表示すると、より効果的な検証が可能となる。
(3)試料や成分の拡大表示
拡大表示は、表示する試料や成分の数を指定するスクロールバー801,803と、表示位置を指定するスクロールバー802,804で指定する。これらのスクロールバーの操作によって、リアルタイムに画面を更新する。その際、ツリー表示606,607、グラフ808,810、文字情報809,811も、ヒートマップの更新に同期する。
なお試料や成分の拡大表示は、この例の場合2行の文字領域に固定している。
このような拡大表示の連携は、前述した座標系の計算によって実現できる。すなわち、X1、X2、X3、X4、及びY1、Y2、Y3、Y4で示す座標は、ツリー表示やグラフ、文字情報においても、それぞれの表示の位置を定めるために利用できる。
(4)測定データの表示
測定データ表示ボタン907、908は、選択された試料と成分について、測定データを表示する。
例えば、特定の成分が選択された状態において、“Sample D”の部分をクリックし当該サンプルを選択する。続いて“2D(L)”ボタンをクリックし、図12の左側のマップを表示する。さらに、“Sample F”の部分をクリックし、“2D(R)”ボタンのクリックで図12の右側のマップ表示及び対応する成分を直線で結ぶ。
なお、図12のマップとして表示されるデータは、選択された試料jにおいて、「Sjの試料に対応する測定データファイルの所在」にファイルとして登録されており、図2の201に相当する。
また、選択された試料j1とj2において対応する成分kは、「Pj1,kの保持時間」と「Pj1,kの質量電荷比」によって特定できる成分と、「Pj2,kの保持時間」と「Pj2,kの質量電荷比」によって特定できる成分の対応として規定できる。これらの値を、選択された全ての成分について抽出し、1205の○印を与える。さらに、「Pj1,kの保持時間」と「Pj2,kの保持時間」を直線で結んだものが、1211で示した保持時間の対応表示に相当する。対応する成分が多い場合には、「Pj1,kのイオン量」や「Pj2,kのイオン量」が大きいものに着目して表示するなど、一部の対応関係を間引いて表示することも考えられる。
このようにして、図12のような表示を、異なる試料について表示し、対応する成分について比較することにより、成分の対応付けの良し悪しを評価することが可能となる。すなわち、このような測定時の状況を直接観測する手段に戻ることによって、ケミカルノイズの影響や、他のイオンの影響、夾雑物の影響などによる過誤を、効率よく判断することができる。
ここで、図12を用いて、夾雑物の影響と判断できる一例を示す。図12の左右のマップは比較すべき成分のものとする。ここで拡大表示されているマップ1207,1213を比較すると、濃淡で示す領域が異なることが分かる。また、質量スペクトル表示1210,1214も異なっている。この場合、右の試料において、保持時間と質量がわずかに異なる成分も溶出している。さらに、その成分の影響により、イオン強度の値が実際のものよりも大きく観測されているものと推測できる。
もし、図12における○印1205が複数ある場合、例えば矢印キーの押下などによって拡大する位置を換える。連続して矢印キーを押下することにより、多くの箇所を連続して確認することを可能とする。
このように、同定された成分を名称などから選択し、ヒートマップ上で該当する部分を拡大表示しながら、個々の成分の対応関係などを確認することができる。さらに、同一クラスタに含まれる同定されていない成分なども、保持時間の誤差や質量電荷比の誤差などの情報を提供することができる。従って、成分が同定されていないものについても、同定された成分から、それが着目されるべきものであることを判断する。また、クラスタリングなどによって特徴的な成分を検出した場合、その成分の測定データを簡便な操作で確認することができる。
本発明によると、ヒートマップの全体を俯瞰し、特徴的な細部を効率よく確認することが可能となるため、着目する成分の検証作業を支援することができる。
本発明によるクロマトグラフィー質量分析装置の構成例を示す図。 データ処理装置内で実行される処理のフローの例を示す図。 表示に用いられるデータ構造の一例を示す図。 ヒートマップのデータ構造の一例を示す図。 拡大表示の処理に関するフローの例を示す図。 本発明を適用した表示の一例を示す図。 本発明を適用した表示の他の例を示す図。 本発明による表示画面の一例を示す図。 処理を指示するボタン等を配置した画面の一例を示す図。 本発明による表示画面の一例を示す図。 本発明による表示画面の一例を示す図。 測定データを確認する画面の一例を示す図。 同定結果識別文字を説明する図。
符号の説明
101 液体クロマトグラフ
102 質量分析装置本体
103 イオン源
104 質量分離装置
105 検出器
106 制御装置
107 信号線
108 データ処理装置
109 表示装置
110 キーボード
111 マウス
112 対応成分識別処理
113 同定処理
114 解析処理
115 表示処理
201 測定データファイル
202 対応成分識別処理
203 同定処理
204 統合データ
205 解析処理
206 表示データ
207 表示処理
301 ヒートマップデータの補足情報配列
302 成分情報配列
303 試料情報配列
401 ヒートマップデータの配列
402 試料拡大表示用データ
403 成分拡大表示用データ
404 ヒートマップの画面座標X(試料方向)
405 ヒートマップの画面座標Y(成分方向)
406 画面表示座標での文字高さ
501 拡大表示数指定操作
502 表示位置指定操作
503 表示座標計算処理
504 ヒートマップ等表示処理
601 同定情報マーク
602 成分基準マーク
603 成分評価ベクトル
701 座標系説明図
702 質量電荷比の誤差の座標軸
703 保持時間の誤差の座標軸
704 表示例1
705 表示例2
706 表示例3
707 表示例4
708 表示例5
709 同定結果表示例1
710 同定結果表示例2
711 同定結果表示例3
712 同定結果表示例4
801 成分の拡大表示数指定用のスクロールバー
802 成分の拡大表示位置指定用のスクロールバー
803 試料の拡大表示数指定用のスクロールバー
804 試料の拡大表示位置指定用のスクロールバー
805 ヒートマップ表示
806 成分のクラスタリング結果
807 試料のクラスタリング結果
808 各成分の関連データのグラフ
809 各成分の関連データ
810 各試料の関連データのグラフ
811 各試料の関連データ
901 試料のクラスタリングボタン
902 成分のクラスタリングボタン
903 成分の保持時間ソートボタン
904 成分の質量電荷比ソートボタン
905 キーワード入力領域
906 キーワー検索ドボタン
907 測定データ表示ボタン(左側)
908 測定データ表示ボタン(右側)
1001 成分の拡大表示数指定用のスクロールバー
1002 成分の拡大表示位置指定用のスクロールバー
1005 ヒートマップ表示
1006 成分のクラスタリング結果
1008 各成分の関連データのグラフ
1009 各成分の関連データ
1101 成分の拡大表示数指定用のスクロールバー
1102 成分の拡大表示位置指定用のスクロールバー
1105 ヒートマップ表示
1106 成分のクラスタリング結果
1108 各成分の関連データのグラフ
1109 各成分の関連データ
1201 マップ表示
1202 質量スペクトル表示
1203 クロマトグラム表示
1204 観測イオン表示
1205 成分の位置表示
1206 拡大範囲表示
1207 拡大マップ表示
1208 拡大クロマトグラム表示
1209 文字情報表示
1210 質量スペクトル表示
1211 保持時間の対応表示
1212 マップ表示(右)
1213 拡大マップ表示(右)
1214 質量スペクトル表示(右)
1301 同定結果の文字列コード配列
1302 同定結果の文字列の合計値
1303 同定結果代表コード

Claims (20)

  1. 一方の軸を試料の種別とし他方の軸を成分の種別とした2次元マップの各領域に、対応する試料の成分量を濃淡又はカラーで表示するクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、
    表示処理装置に、複数の試料に関する情報、前記複数の試料に対するクロマトグラフィー質量分析の結果から求められた前記2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報、及び前記クロマトグラフィー質量分析によって得られた前記2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を取り込む工程と、
    前記2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報を用いて、表示装置に、2次元マップを表示する工程と、
    前記2次元マップ上で拡大表示すべき試料の範囲及び成分の範囲の指定を受け付ける工程と、
    前記2次元マップ上で、前記指定された範囲に含まれる領域を拡大表示し、残りの領域を縮小表示する工程と、
    前記クロマトグラフィー質量分析によって得られた前記2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を用いて、前記拡大表示された各領域に同定情報の有無及び成分の対応付けの際の誤差に関する情報を重ねて表示する工程と
    を有することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  2. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、前記2次元マップ上で拡大表示すべき試料の範囲又は成分の範囲の指定は、拡大表示すべき試料又は成分の開始位置の指定と拡大表示すべき試料又は成分の数の指定によって行われることを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  3. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、前記成分の対応付けの際の誤差に関する情報には、質量電荷比の誤差に関する情報、及び保持時間の誤差に関する情報が含まれることを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  4. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、前記成分の対応付けの際の誤差の基準となるデータが含まれる領域にマークを表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  5. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、前記拡大表示されている領域内の試料が選択されたとき、前記クロマトグラフィー質量分析によって得られた前記2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を用いて、当該試料の拡大表示されている領域の成分に関する詳細情報を前記2次元マップの外に前記成分の種別を表す軸方向に並べて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  6. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、前記2次元マップ上の特定の領域が選択されたとき、当該領域に対応する測定データを保持時間と質量電荷比に対するイオン強度のマップとして表示し、選択された成分をそのマップ上にマーク表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  7. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、保持時間によるソートの指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける成分の表示順序を保持時間の順に並べ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  8. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、質量電荷比によるソートの指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける成分の表示順序を質量電荷比の順に並べ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  9. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、試料のクラスタリングの指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける試料の表示順序を最も類似した試料が隣りに表示されるように入れ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  10. 請求項1記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法において、成分のクラスタリングの指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける成分の表示順序を最も類似した成分が隣りに表示されるように入れ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示方法。
  11. 複数の試料に関する情報、前記複数の試料に対するクロマトグラフィー質量分析の結果から求められた一方の軸を試料の種別とし他方の軸を成分の種別とした2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報、及びクロマトグラフィー質量分析によって得られた前記2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を取り込んで表示処理を行う表示処理装置と、
    表示装置と、
    入力装置とを有し、
    前記表示処理装置は、前記2次元マップの各領域に表示すべき濃淡又はカラーに関する情報を用いて、前記表示装置に2次元マップを表示し、前記入力装置から入力された前記2次元マップ上で拡大表示すべき試料の範囲及び成分の範囲の指定に従って、前記2次元マップ上で、前記指定された範囲に含まれる領域を拡大表示すると共に残りの領域を縮小表示し、前記クロマトグラフィー質量分析によって得られた前記2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を用いて、前記拡大表示された各領域に同定情報の有無及び成分の対応付けの際の誤差に関する情報を重ねて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  12. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記入力装置は、前記2次元マップ上で拡大表示すべき試料の範囲又は成分の範囲の開始位置を入力するためのスクロールバー、及び前記拡大表示すべき試料又は成分の数を入力するためのスクロールバーを前記表示装置の表示画面上に備えることを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  13. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記成分の対応付けの際の誤差に関する情報には、質量電荷比の誤差に関する情報、及び保持時間の誤差に関する情報が含まれることを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  14. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記成分の対応付けの際の誤差の基準となるデータが含まれる領域にマークを表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  15. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記拡大表示されている領域内の試料が選択されたとき、前記クロマトグラフィー質量分析によって得られた前記2次元マップの各領域に対応する分析データ及び分析結果に関する情報を用いて、当該試料の拡大表示されている領域の成分に関する詳細情報を前記2次元マップの外に前記成分の種別を表す軸方向に並べて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  16. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記2次元マップ上の特定の領域が選択されたとき、当該領域に対応する測定データを保持時間と質量電荷比に対するイオン強度のマップとして表示し、選択された成分をそのマップ上にマーク表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  17. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記入力装置は保持時間によるソートを指示する入力部を有し、当該指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける成分の表示順序を保持時間の順に並べ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  18. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記入力装置は質量電荷比によるソートを指示する入力部を有し、当該指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける成分の表示順序を質量電荷比の順に並べ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  19. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記入力装置は試料のクラスタリングの指示を入力する入力部を有し、当該指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける試料の表示順序を最も類似した試料が隣りに表示されるように入れ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
  20. 請求項11記載のクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置において、前記入力装置は成分のクラスタリングの指示を入力する入力部を有し、当該指示が入力されたとき、前記2次元マップにおける成分の表示順序を最も類似した成分が隣りに表示されるように入れ替えて表示することを特徴とするクロマトグラフィー質量分析の分析結果表示装置。
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