JP2009052795A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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正平 吉田
Yoshitaka Hirata
義隆 平田
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達也 関口
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Abstract

【課題】
本発明の目的とするところは、ガスタービン始動の際の火炎伝播特性を向上できるガスタービン燃焼器を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、前記ロータ軸の周方向に複数のガスタービン燃焼器を配置すると共に、隣接する前記ガスタービン燃焼器の前記内筒を連通させる火炎伝播管を備え、前記内筒の内側から上流側を見たときに、前記火炎伝播管の中心軸に沿った延長上の線分が、隣接する2つの前記メインバーナの軸中心を結ぶ線分と交差することを特徴とする。
【効果】
本発明によれば、ガスタービン始動の際の火炎伝播特性を向上できるガスタービン燃焼器を提供することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明はガスタービン燃焼器に関するものである。
従来一般に採用されているガスタービンの燃焼器は、複数個のガスタービン燃焼器を備えており、その各々の中で燃料と圧縮空気を反応させて、高温高圧の燃焼ガスを発生するように構成されている。
この複数個のガスタービン燃焼器はタービンロータの周方向に沿った円上に配置されている。隣接する全てのガスタービン燃焼器は連結パイプ(火炎伝播管外筒)によって結合され、この連結パイプの内部に火炎伝播管が設置されている。火炎伝播管は管状となっており、接続されたガスタービン燃焼器の圧力差によって、火炎伝播管の中を燃焼ガスが通過する構造となっている。
始動の際、ガスタービンは、外部駆動装置によって点火回転数まで回転数を上昇し、その後、全てのガスタービン燃焼器に燃料と空気を導入する。そして、1つあるいは2つのガスタービン燃焼器に設置した点火栓をスパークさせて、燃焼反応を開始させる。燃焼器内で燃焼反応が始まると高温ガスが発生するため、燃焼器内部の圧力が上昇する。隣のガスタービン燃焼器が未点火な場合、点火したガスタービン燃焼器との差圧により、高温の燃焼ガスが未点火の燃焼器へ流入する。こうして1つあるいは2つのガスタービン燃焼器だけの点火から始まって、隣接する各々のガスタービン燃焼器が点火され全てのガスタービン燃焼器が点火される。
特許文献1では、隣接するガスタービン燃焼器間に火炎伝播管を設置することにより、全てのガスタービン燃焼器に点火栓を設置しなくとも、全てのガスタービン燃焼器を点火することが可能となる。
特開平10−121986号公報
しかしながら、特許文献1のように形成されている発電用ガスタービン燃焼器の多くは、地球環境保護の観点から、窒素酸化物(NOx)の排出量の少ない予混合燃焼方式と燃焼安定性に優れた拡散燃焼方式を併用し運転する場合が多い。また、さらなる低NOx化のため、予混合燃焼方式の割合を大きくする傾向にある。通常、ガスタービン燃焼器の軸中心に拡散燃焼方式のパイロットバーナを、パイロットバーナの外周側に予混合燃焼方式のメインバーナを配置する。点火の際、パイロットバーナに燃料を供給して、点火栓をスパークさせて燃焼反応を開始させる。しかし、ガスタービン燃焼器の燃焼室を形成する内筒に設置された火炎伝播管の入口部には、メインバーナから噴出した空気が流れている。そのため、点火栓によって点火したパイロットバーナで発生した高温の燃焼ガスが未点火のガスタービン燃焼器へ流入し難くなり、火炎伝播の特性が悪くなる場合がある。特に、油焚きの燃焼器で火炎伝播の特性が低下すると、未点火の燃焼器から油が蒸発した白煙が大量に発生する課題があった。
本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、ガスタービン始動の際の火炎伝播特性を向上できるガスタービン燃焼器を提供することにある。
本発明は、燃焼用空気と燃料を混合させ燃焼ガスを生成する内筒と、該内筒の内部に燃焼用空気と燃料を噴出するパイロットバーナが前記内筒の中心軸に沿った上流側に配置されると共に、前記内筒の内部に燃焼用空気と燃料を噴出する複数のメインバーナを前記パイロットバーナの周方向に配置したガスタービン燃焼器を形成し、前記ガスタービン燃焼器から排出された燃焼ガスにより回転させるロータを備えたタービンとを備え、前記ロータ軸の周方向に複数のガスタービン燃焼器を配置すると共に、隣接する前記ガスタービン燃焼器の前記内筒を連通させる火炎伝播管を備え、前記内筒の内側から上流側を見たときに、前記火炎伝播管の中心軸に沿った延長上の線分が、隣接する2つの前記メインバーナの軸中心を結ぶ線分と交差することを特徴とする。
本発明によれば、ガスタービン始動の際の火炎伝播特性を向上できるガスタービン燃焼器を提供することが可能である。
以下、本発明を用いたガスタービン燃焼器の実施例について図面を参照し説明する。
本発明の実施例1について、図1乃至図2を参照しつつ以下に説明する。図2は、本発明のガスタービン燃焼器の実施例1の構成を側断面図で示すと共に、これを備えるガスタービンプラントの全体構成を概略的に示す概略構成図である。図1はガスタービン燃焼器3,30の横断面図(図2中I−I断面)である。
このガスタービンプラントは、主としてタービン2と、タービン2に連結され、燃焼用の圧縮空気を得る圧縮機1と、複数のガスタービン燃焼器3,30などにより構成されている。圧縮機1で圧縮された圧縮空気5は、圧縮空気流路6を通ってガスタービン燃焼器3,30に導かれ、燃焼器内筒7の内部に形成されている燃焼室8で燃料とともに燃焼する。燃焼によって生成された燃焼ガス9は、トランジションピース10を経てタービン2に噴射され、ロータを回転させる。そしてタービン2に連結されている発電機4によって発電するように構成されている。
図3は、図1のガスタービン燃焼器3,30の横断面を含む全10個のガスタービン燃焼器における横断面図を示す。本実施例では、タービン2のロータ軸の周方向に複数個のガスタービン燃焼器が配置されている。これらのガスタービン燃焼器は、隣接する燃焼器同士が火炎伝播管によって内筒を連通させている。
ガスタービン燃焼器3は、燃焼用空気と燃料を内筒7の内部に噴出させるパイロットバーナ13及びメインバーナ18を備える。パイロットバーナ13は、燃料ノズル11と燃焼空気に旋回を付与する旋回器12を有し、内筒7の中心軸に沿った上流側(燃焼器の軸中心となるエンドカバー14の中央)に配置される。また、メインバーナ18は、燃料ノズル15,旋回器16,混合室17を備え、パイロットバーナ13の周囲に複数個配置される。パイロットバーナ13,複数のメインバーナ18の出口部には、燃焼火炎の保炎を補助するためのプレート80を設置して燃焼器を構成したものである。
パイロットバーナ13には、燃料供給系20からの燃料を複数のガスタービン燃焼器に分配する燃料分配器21からの燃料供給配管22が接続される。メインバーナ18には、燃料供給系23からの燃料を複数のガスタービン燃焼器に分配する燃料分配器24からの燃料供給配管25が接続されている。
また、燃焼ガスを生成する内筒7と、パイロットバーナ13,複数のメインバーナ18と、燃焼器を点火させるための点火栓26を外筒27,エンドカバー14で密閉している。ガスタービン燃焼器3と隣接するガスタービン燃焼器30は、火炎伝播管28で内筒7,37が連絡されている。ガスタービン燃焼器3,30は、車室39に組込まれ固定されており、ガスタービン燃焼器3に設置されている点火栓26によって、燃料と空気の混合気に点火を行う。
点火栓26を備えるガスタービン燃焼器3の点火により、内筒7の内部における圧力が上昇する。そして、火炎伝播管28で連絡されたガスタービン燃焼器30との間に圧力差が生じ、この圧力差によって燃焼ガス29がガスタービン燃焼器30へ送り込まれ、燃料と圧縮空気の混合気に点火する。そしてさらに、ガスタービン燃焼器30の点火によりガスタービン燃焼器30と隣接するガスタービン燃焼器との間に圧力差が生じ、この圧力差によって燃焼ガスが隣接する燃焼器へ送り込まれ、燃料と圧縮空気の混合気に点火する。こうして全ての燃焼器が点火される。
本発明の実施例1は、内筒の内側から上流側を見たときに、図1に示すようにガスタービン燃焼器3と隣接するガスタービン燃焼器を連絡する火炎伝播管28aの中心軸に沿った延長上の線分が、メインバーナ18bとメインバーナ18cの軸中心を結ぶ線分と交差するように配置されている。また、火炎伝播管28bの中心軸に沿った延長上の線分も、メインバーナ18dとメインバーナ18eの軸中心を結ぶ線分と交差するように配置したものである。特に本実施例では、2つのメインバーナの軸中心を結ぶ線分の中心と交差するように配置する。
ガスタービン燃焼器の点火時には、拡散燃焼方式のパイロットバーナ13に燃料が供給される。そして、パイロットバーナ13からの燃料と圧縮空気の混合気に点火栓26からのスパークによって点火させる。
ガスタービン燃焼器の点火時には通常、パイロットバーナ13の外周側に配置したメインバーナ18からは圧縮空気が噴出している。そのため、パイロットバーナ13から放射状に噴出した燃料と圧縮空気の混合気のうち、メインバーナ18側に噴出した混合気はメインバーナ18から噴出した圧縮空気によって下流に押し流されることになる。
一方、図1に示すように、隣接するメインバーナ間のプレート80の近傍には、メインバーナから噴出した混合気によって循環流が形成され、この循環流は燃焼器の下流側ではメインバーナから噴出した混合気と混合し消滅するが、火炎伝播管28aが設置されている燃焼器上流側には、混合気が停滞する滞留領域19a,19bが形成される。そのため、パイロットバーナ13から噴出した混合気は、メインバーナ18の下流側には流れず、2つのメインバーナの軸中心を結ぶ線分の中心に位置する滞留領域19a,19bに集中し、滞留領域19a,19bの燃料濃度が増加する。
本発明の実施例1では、この滞留領域19a,19bにパイロットバーナ13の火炎が形成されやすく、混合気に点火した際の拡散火炎44はメインバーナ間の滞留領域に伸長するような略五角形の星形となる。火炎伝播管28a,28bの中心軸に沿った延長上の線分は、滞留領域19a,19bと交差するように位置しているため、燃焼ガス29は火炎伝播管28bへ流入し易くなる。
また、火炎伝播管28bの中心軸に沿った延長上の線分は、隣接するガスタービン燃焼器30のメインバーナ48b,48c間の滞留領域49aと交差するように配置されている。そのため、ガスタービン燃焼器30においてもパイロットバーナ43からの混合気が、火炎伝播管28bが設置されているメインバーナ48b,48cの滞留領域49aに停滞する。従って、火炎伝播管28bから噴出する燃焼ガス29によって点火し易くなり、その結果火炎伝播特性が向上する。
このため、油焚き燃焼器の始動の際に火炎伝播遅れによって発生する白煙を防止することが可能となり、大気汚染を防止するのに効果がある。
図1に示すように、内筒の中心軸に沿った上流側(即ち、ガスタービン燃焼器の軸中心)にパイロットバーナを配置し、パイロットバーナの周囲に複数のメインバーナを配置したマルチバーナの場合、燃焼室の断面積を最も有効に利用するためには、メインバーナの個数を、メインバーナの直径、隣接するメインバーナとの間隙などを考慮すると5個か6個にするのが好ましい。
一方、ガスタービン燃焼器の個数は様々な設計条件によって決定され、従来例ではロータ軸の周囲に4,6,7,8,9,10,12,14,18個配置したものなどがある。
図1に示すように、ガスタービンのロータ軸中心とガスタービン燃焼器3のパイロットバーナ13を結ぶ直線をLとした時、直線Lから火炎伝播管28a又は28bまでの角度αは、概ねガスタービンに設置するガスタービン燃焼器の缶数によって決定される。すなわち、ガスタービンに設置されるガスタービン燃焼器の缶数をN個とし、火炎伝播管がガスタービン燃焼器の軸中心(パイロットバーナの軸中心)に延びるように設置する場合、火炎伝播管の設置角度αは、
α=(180−360/N)/2 式(1)
で定義される。例えば、ガスタービン燃焼器の個数を10個とした場合、火炎伝播管の設置角度αは約72deg.となる。
この時、ガスタービン燃焼器3が備えるメインバーナの個数を5個とすると、周方向におけるメインバーナの設置角度は72deg.となる。そのため、内筒の内側から上流側を見たときに、火炎伝播管28aの中心軸に沿った延長上の線分がメインバーナ18b,18cの軸中心を結ぶ線分の中心と交差するように配置することが可能である。また、火炎伝播管28bの中心軸に沿った延長上の線分も、メインバーナ18d,18eの軸中心を結ぶ線分の中心と交差するように配置することが可能となる。そのため、パイロットバーナが形成する拡散火炎の略五角形の頂点と火炎伝播管の位置を合わせて、火炎伝播特性を向上させることが出来る。
したがって、ガスタービン燃焼器数が10缶で構成されるガスタービン燃焼器において、メインバーナの個数を5本にすることで、火炎伝播の特性をより向上させることが可能となる。
また、実施例1では、内筒の内側から上流側を見たときに点火栓26の中心軸に沿った延長上の線分を、混合気の燃料濃度が高くなるメインバーナ18a,18bの軸中心を結ぶ線分の中心と交差するように配置する。そのため、点火栓26をスパークさせた時、パイロットバーナ13から噴出した混合気に点火しやすくなり火炎伝播特性をさらに向上することが可能となる。
本発明による実施例2について、図4を参照しつつ以下に説明する。図4は火炎伝播管28a,28bを設置したガスタービン燃焼器について軸方向位置の断面図である。実施例2では、パイロットバーナ13の周方向にメインバーナ50を6個配置したもので、他の主要構成部品は第一の実施例と同様である。
また、本実施例ではロータ軸の周方向に6個のガスタービン燃焼器を配置したものであり、ロータ軸中心に伸びる直線L1と火炎伝播管28a,28bとの角度α1は約60deg.となる。メインバーナ50の個数を6個としたことで、ガスタービン燃焼器の内部に配置された周方向の各メインバーナの設置角度は60deg.となる。そのため、実施例1と同様に、内筒の内側から上流側を見たときに、隣接するメインバーナの軸中心を結ぶ線分の中心と交差するように火炎伝播管の中心軸に沿った延長上の線分を設置することが可能となり、点火特性を向上させることが可能となる。
本発明を適用するようなメインバーナでは、メインバーナから噴出する混合気に旋回を付与し、燃焼安定性を確保する。図4に示したメインバーナ50a〜50fは、6個全てのメインバーナから噴出する混合気の旋回方向が同一となるように構成したものである。隣接するメインバーナから噴出する混合気の旋回方向が同一の場合、例えば隣接するメインバーナ50dと50e間の滞留領域19bには、逆流する流れが発生する。この滞留領域19bにパイロットバーナ13からの拡散火炎51が形成される。拡散火炎51はメインバーナの個数による影響で略六角形の形状となる。
本実施例では、拡散火炎51の外周側が火炎伝播管28a,28bに伸びるように形成されるため、火炎伝播管28a,28bの内部を燃焼ガスが流下しやすくなり火炎伝播特性を向上させることができる。
次に本発明による実施例3を、図5乃至図6を参照しつつ以下に説明する。図5はメインバーナ60から噴出する混合気に付与する旋回の方向を、隣接するメインバーナで逆になるように構成したものである。例えば、メインバーナ60a,60c,60eから噴出する混合気の旋回方向を時計回りに、メインバーナ60b,60d,60fから噴出する混合気の旋回方向を反時計回りにすると、メインバーナ60bと60cの間の滞留領域19aには燃焼室の外周側に向かう流れが形成される。一方、メインバーナ60cとメインバーナ60dの間の滞留領域には燃焼室の軸中心に向かう流れが形成される。その結果パイロットバーナ13の拡散火炎52は、図5に示すように略三角形の火炎が形成される。
また、本実施例では、略三角形の拡散火炎52の頂点が火炎伝播管28a,28b、点火栓26の方向に伸長するようにメインバーナの旋回方向が設定されている。そして、内筒の内側から上流側を見たときに、拡散火炎52の中心(パイロットバーナの軸中心)から頂点までの距離は、実施例2に比べて長くなる。そのため、点火栓を有するガスタービン燃焼器3では点火栓26のスパーク発生部の燃料濃度が高くなり点火しやすくなる。また、火炎伝播管28a,28bが設置されている滞留領域19a,19bの燃料濃度が高くなり火炎伝播特性が向上する。
図6はロータ軸の周方向に10個のガスタービン燃焼器を配置するとともに、ガスタービン燃焼器3の内部に6個のメインバーナが配置されている。ガスタービン燃焼器の個数が10個であるため、ロータ軸とガスタービン燃焼器の軸中心となるパイロットバーナとを結ぶ直線をL2とした時、L2から火炎伝播管までの設置角度α2は72deg.となる。一方、メインバーナの個数が6個のため、メインバーナ間の設置角度は60deg.となる。そのため、内筒の内側から上流側を見たときに、火炎伝播管の中心軸に沿った延長上の線分はメインバーナの軸中心を結ぶ線分の中心から周方向に角度βだけずれて形成される。
しかしながら本実施例では、隣接するメインバーナから噴出する混合気の旋回方向を逆になるように構成したため、燃焼室には略三角形の火炎が形成される。また、隣接するメインバーナから噴出する混合気の旋回方向を逆になるように構成したため、全てのメインバーナから噴出する混合気の旋回方向を一様にした場合と比べて、内筒の内側から上流側を見たときの火炎の半径方向長さがより長くなり、火炎伝播管に火炎を近づけることが可能である。このように、火炎の三角形先端部が火炎伝播管28a,28b、点火栓26の方向に伸長するようにメインバーナの旋回方向が設定されているため、点火栓を有するガスタービン燃焼器3では点火栓26のスパーク発生部の燃料濃度が高くなり点火しやすくなる。さらに、火炎伝播管28a,28bが設置されている滞留領域19a,19bの燃料濃度が高くなり火炎伝播特性が向上する。
したがって、実施例3のように隣接するメインバーナから噴出する混合気の旋回方向を逆向きにすることで、火炎伝播管が設置されている燃焼室の外周側に火炎を伸長させることが可能となる。また、火炎伝播特性が向上するため、内筒の内側から上流側を見たときに火炎伝播管の中心軸に沿った延長上の線分がメインバーナの軸中心を結ぶ線分の中央部と交差するように設置できない燃焼器数とメインバーナ数の組合せ(即ち、図6において、拡散火炎52の中心部から頂点への方向が火炎伝播管・点火栓の位置とズレが生じる場合)でも、火炎伝播を良好に行うことが可能となる。
次に本発明による実施例4について、図7乃至図10を参照しつつ以下に説明する。
本発明を適用するガスタービン燃焼器の場合、一般に、火炎伝播による点火よりも点火栓による点火の方がガスタービン燃焼器に点火させやすい。すなわち、点火する際の空気と燃料の燃料濃度は、点火栓を設置したガスタービン燃焼器のほうが火炎伝播させるガスタービン燃焼器より低い傾向にある。
図7は、パイロットバーナから噴出する燃料によって燃焼室内部の燃料濃度が時間に応じて変化する様子を示したものである。パイロットバーナから燃料を噴出すると燃焼室の燃料濃度が上昇し、点火栓を設置した燃焼器は燃料濃度がA点に到達すると点火する。しかし、火炎伝播させる燃焼器は燃料濃度がB点に到達しないと点火しないため、点火栓を設置した燃焼器が点火してから全燃焼器が点火するのに時間を要することになる。
また、点火したガスタービン燃焼器と未点火のガスタービン燃焼器との圧力差が発生することで、燃焼ガスが未点火のガスタービン燃焼器に流れて火炎伝播が生じる。このため、点火栓により点火するガスタービン燃焼器の点火エネルギーが大きいほど、点火したガスタービン燃焼器の圧力上昇が大きくなる。そして、未点火缶へ多くの燃焼ガスが流入し、火炎伝播が有利となる。すなわち、点火栓によって点火するガスタービン燃焼器の燃料濃度を図中のA点からB点に増加させることで、火炎伝播に必要な点火エネルギーを増加させることが可能となると共に、火炎伝播されるガスタービン燃焼器の燃料濃度も火炎伝播されるのに必要な燃料濃度となるため、火炎伝播特性が向上する。
実施例1〜3では、内筒の内側から上流側を見たときに、点火栓の中心軸に沿った延長上の線分を隣接するメインバーナの軸中心を結ぶ線分と交差するように設置し、点火特性を向上させるように構成していた。更に本実施例では、点火栓を設置したガスタービン燃焼器の点火特性を調整し、高い燃料濃度(図7における点B)で点火栓を設置したガスタービン燃焼器を点火させ、火炎伝播に必要な点火エネルギーを増加するようにしたことを特徴とするものである。
点火する際の燃料濃度を増加させる手段として、図8に示すように、点火栓を内筒の内部に挿入する半径方向位置Hを半径方向外周側に変更する方法がある。通常、点火栓の挿入深さ(H)は、パイロットバーナ13の燃料ノズルの噴霧角度や、内筒軸方向において点火栓を設置した位置での内筒半径方向の燃料濃度分布を考慮し、最も点火しやすい挿入深さ(H)とする。パイロットバーナ13の軸中心から外周側にある程度離れると(Hが大きくなるると)燃料の濃度が低下し、燃焼器に供給する燃料流量を増加させないと点火しにくくなる傾向にある。したがって、点火栓26を挿入する半径方向位置Hを半径方向外周側に変更することによって、燃焼器に供給する燃料流量を増加させる必要があり、点火したときの点火エネルギーを増加させ、火炎伝播特性が向上する。
図9は、点火栓26を設置する位置を燃焼空気が流下するメインバーナ18b側へ変更した例である。図9に示す例ではメインバーナ18aとメインバーナ18bに挟まれた周方向の中間位置が最も燃料濃度が濃くなり、メインバーナに接近するほど燃料濃度が低下する。このため、点火栓26をメインバーナ18bに接近させると、点火しにくくなる。従って、メインバーナ18bを点火させるためには、パイロットバーナにより多くの燃料を供給しなければならず、その結果、点火したときの点火エネルギーが増加し、火炎伝播特性が向上する。
また、既設の設備で上記のような手段が適用できない場合、パイロットバーナの燃料ノズルから噴出する燃料の噴出特性を調整し、点火栓がスパークする位置の燃料濃度を低下させることによって、燃焼器が点火する際の燃料濃度を濃くする方法が考えられる。
例えば、燃料の噴出角度や範囲を燃料ノズルの構造によって調節することが可能である。図10に示すように、パイロットバーナ13に設置した燃料ノズル11から噴出する燃料の広がりを噴出角度γとすると、噴出角度γの広い燃料ノズルは燃料が火炎伝播管の出入口部に早く到達し火炎伝播しやすくなる。一方、噴出角度γが狭いと、燃料ノズルから噴出した燃料が点火栓によるスパーク部に到達するのに時間を要し、高い燃料濃度で点火することになる。したがって、噴霧角度γの異なる燃料ノズルを、点火栓の設置された燃焼器と火炎伝播させる燃焼器で使い分けることで、点火栓を設置した燃焼器の点火燃料濃度を高く設定することが可能となり、点火の際の熱エネルギーが増加し、火炎伝播が良好に行えるようになる。図10に示した例では、点火栓26が設置されたガスタービン燃焼器3におけるパイロットバーナ13からの燃料噴霧角度をγとし、火炎伝播させるガスタービン燃焼器30におけるパイロットバーナからの燃料噴霧角度をγ1とした時、γ<γ1となるように構成したものである。ガスタービン燃焼器3では燃料ノズルからの噴霧角度γが狭く、点火栓によって点火させるために多くの燃料を供給する必要がある。その結果、ガスタービン燃焼器3が点火したときのエネルギーが増加し、ガスタービン燃焼器30への火炎伝播特性が向上する。
また、本発明による実施例は油焚き,ガス焚きのいずれかの燃焼器や、油焚き,ガス焚きの何れにも対応可能な燃焼器にも適用することが可能である。
実施例1における火炎伝播管設置部の燃焼器断面図である。 実施例1におけるガスタービンの全体構成を表す図である。 実施例1における火炎伝播管及び燃焼器の全体断面図である。 実施例2における火炎伝播管設置部の燃焼器断面図である。 実施例3における火炎伝播管設置部の燃焼器断面図である。 実施例3における火炎伝播管設置部の燃焼器断面図である。 実施例4における燃焼室の燃料濃度の時間変化と点火特性の説明図である。 実施例4における点火栓挿入位置の説明図である。 実施例4における半径方向位置の説明図である。 実施例4における燃焼器の断面図と燃料ノズルの燃料噴出角度の説明図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 タービン
3,30 ガスタービン燃焼器
4 発電機
5 圧縮空気
6 圧縮空気流路
7 内筒
8 燃焼室
9,29 燃焼ガス
10 トランジションピース
11 燃料ノズル
12,16 旋回器
13 パイロットバーナ
14 エンドカバー
17 混合室
18,48,50,60,70 メインバーナ
19 滞留領域
20,23 燃料供給系
21,24 燃料分配器
22,25 燃料供給配管
26 点火栓
27 外筒
28 火炎伝播管

Claims (6)

  1. 燃焼用空気と燃料を混合させ燃焼ガスを生成する内筒と、該内筒の内部に燃焼用空気と燃料を噴出するパイロットバーナが前記内筒の中心軸に沿った上流側に配置されると共に、前記内筒の内部に燃焼用空気と燃料を噴出する複数のメインバーナを前記パイロットバーナの周方向に配置したガスタービン燃焼器を形成し、
    前記ガスタービン燃焼器から排出された燃焼ガスにより回転させるロータを備えたタービンとを備え、
    前記ロータ軸の周方向に複数のガスタービン燃焼器を配置すると共に、隣接する前記ガスタービン燃焼器の前記内筒を連通させる火炎伝播管を備え、
    前記内筒の内側から上流側を見たときに、前記火炎伝播管の中心軸に沿った延長上の線分が、隣接する2つの前記メインバーナの軸中心を結ぶ線分と交差することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記メインバーナを5個配置するとともに、前記ガスタービン燃焼器を前記ロータ軸の周囲に10個配置して構成されることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記メインバーナを6個配置するとともに、前記ガスタービン燃焼器を前記ロータ軸の周囲に6個配置して構成されることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記メインバーナから前記内筒に噴出する燃焼用空気に付与する旋回方向を、隣接する前記メインバーナ間で逆方向になるように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記メインバーナから前記内筒に噴出する燃焼用空気に付与する旋回方向を、隣接する前記メインバーナ間で逆方向になるように前記メインバーナを配置すると共に、
    前記火炎伝播管が設置された領域では隣接するメインバーナから噴出する燃焼空気の流れが、該火炎伝播管に向かう流れとなるように該メインバーナを構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    点火栓を設置したガスタービン燃焼器が備えるパイロットバーナの燃料ノズルの燃料噴出特性と、点火栓を設置しないガスタービン燃焼器が備えるパイロットバーナの燃料ノズルの燃料噴出特性を変化させたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
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